JP5778721B2 - 熱剥離型粘着テープ及び電子部品の切断方法 - Google Patents
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Description
また、電子部品の加工には、加工時には確実に固定でき、加工後においては加熱されて粘着力が消失して、簡単に被加工体を剥がすことができる熱剥離型粘着シートを使用することが広く行われている。
近年、電子部品は小型化や精密化が進展しており、これまで以上に加工精度が要求されている。例えば、セラミックコンデンサでは1005(1mm×0.5mm)から0603(0.6mm×0.3mm)、0402(0.4mm×0.2mm)サイズへと小型化している。
それに伴い、特に切断工程においてチップ飛びが多く発生して、これが歩留まり低下の原因となっている。チップ飛びの原因としては切断時の振動等が挙げられ、このような環境下においてもチップを確実に保持できる粘着シートが要求されている。
しかしながら、これらの公知の手段は、プローブタック値の変化率を特定の範囲としたものではなく、また粘着剤自体が加熱時のチップの保持特性を良好にしたものではない。
また、半導体分野においては、LEDなどの化合物半導体の需要が急速に伸びている。しかし、化合物半導体は、少しの衝撃で破損しやすく、ウエハを薄層化する際のバックグラインドやチップ化する際のダイシング工程などの、加工の際は細心の注意が必要である。
W=|(B0−B)/B0×100| (式1)
2.23℃でポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:25μm)に貼着させた後に23℃の雰囲気下で30分間放置した際の23℃における熱膨張性粘着剤層の粘着力(剥離角度:180°、引張速度:300mm/min)が2.5N/20mm以上である1記載の熱剥離型粘着テープ。
3.熱膨張性粘着剤層を構成する粘着剤がアクリル系粘着剤である1又は2に記載の熱剥離型粘着テープ。
4.熱膨張性粘着剤層が粘着付与樹脂を含有する1〜3のいずれかに記載の熱剥離型粘着テープ。
5.該粘着付与樹脂がテルペンフェノール系及び/又はロジンフェノール系樹脂である4記載の熱剥離型粘着テープ。
6.0℃で1週間保存後の全光線透過率の減少率が2%以下である1〜5のいずれかに記載の熱剥離型粘着テープ。
7.熱膨張性粘着剤層が架橋剤を含む1〜6のいずれかに記載の熱剥離型粘着テープ。
8.基材の少なくとも片側に直接熱膨張性粘着剤層が形成されてなる1〜7のいずれかに記載の熱剥離型粘着テープ。
9.基材の少なくとも片側にゴム状有機弾性層を介して熱膨張性粘着剤層が形成されてなる1〜8のいずれかに記載の熱剥離型粘着テープ。
10.ゴム状有機弾性層の厚みが3〜200μmである9に記載の熱剥離型粘着テープ。
11.電子部品の切断時に用いられる、1〜10のいずれかに記載の熱剥離型粘着テープ。
12.1〜11のいずれかに記載の熱剥離型粘着テープを利用した、電子部品の切断方法。
このような現象が生じるのは、粘着剤と粘着付与樹脂との相溶性によって生じるものと考えられる。
この例において、1が支持基材、2が熱膨張性粘着剤層、3が平滑な剥離可能なフィルム(セパレータ)である。ここで、本発明では2の熱膨張性粘着剤層を有することが必須であり、1、3は任意選択して設置されるものであり、あってもなくてもよい。以下に本発明の熱剥離型粘着テープについて説明する。
基材は、本発明において、熱剥離型粘着テープの支持母体として用いられ得る。基材としては、例えば、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材、不織布、金属箔、紙、布、ゴムシートなどのゴム系基材、発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体(特に、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など)等の適宜な薄葉体を用いることができる。
また、本発明において基材を有しない熱剥離型粘着テープとすることができる。
基材としては、特にプラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材を好適に用いることができる。特に限定されないが、一般にはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステルフィルム、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂、ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂、ポリイミド(PI)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム、フッ素フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルムなどがあげられる。これらの素材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
不織布としては、耐熱性を有する天然繊維による不織布を好適に用いることができ、中でもマニラ麻を含む不織布が好適である。また合成樹脂不織布としては、例えば、ポリプロピレン樹脂不織布、ポリエチレン樹脂不織布、エステル系樹脂不織布などが挙げられる。
金属箔としては、特に限定されず、銅箔、ステンレス箔、アルミニウム箔などの一般的な金属箔の他、厚みを有する銀、鉄、ニッケルとクロムとの合金等、各種材質からなるものを用いることができる。
紙としては、特に限定されないが、一般に、和紙、クラフト紙、グラシン紙、上質紙、合成紙、トップコート紙などを用いることができる。
熱膨張性粘着剤層2は、粘着性を有する粘着剤を含有し、さらに熱膨張性を付与するための熱膨張性微小球を含んでいても良い。熱膨張性微小球を含有させた場合には、粘着シートを被着体に貼着した後、任意のときに熱膨張性粘着剤層2を加熱して、該熱膨張性微小球を発泡及び/又は膨張処理することにより、熱膨張性粘着剤層2と被着体との接着面積を減少させて、粘着シートを容易に剥離することができる。
その熱膨張性粘着剤層2の厚みは、3〜300μm、好ましくは5〜150μm、さらに好ましくは10〜100μm程度である。
なお、加熱処理前の適度な接着力と加熱処理後の接着力の低下性のバランスの点から、より好ましい粘着剤は、動的弾性率が25℃から150℃において5kPa〜1MPaの範囲にあるポリマーをベースとした感圧粘着剤である。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられ、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤を好適に用いることができる。
前記イソシアネート系架橋剤としては、具体的には、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロン ジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート類、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートL、日本ポリウレタン工業株式会社製)、トリメチロールプロパン/へキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートHL、日本ポリウレタン工業株式会社製)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名コロネートHX、日本ポリウレタン工業株式会社製)などのイソシアネート付加物などを例示することができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を 混合して使用してもよい。
イソシアネート系架橋剤の配合量は、コントロールする粘着力に応じて適宜に決定してよい。一般には、ベースポリマー100重量部あたり0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部配合される。
前記エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(製品名「テトラッドC」 三菱ガス化学(株)製)、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(製品名「エポライト1600」 共栄社化学(株)製)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(製品名「エポライト1500NP」 共栄社化学(株)製)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(製品名「エポライト40E」 共栄社化学(株)製)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(製品名「エポライト70P」 共栄社化学(株)製)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(製品名「エピオールE-400」 日本油脂(株)製)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(製品名「エピオールP-200」 日本油脂(株)製)、ソルビトールポリグリシジルエーテル(製品名「デナコールEX-611」 ナガセケムテックス(株)製)、グリセロールポリグリシジルエーテル(製品名「デナコール EX-314」 ナガセケムテックス(株)製)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(製品名「デナコール EX-512」 ナガセケムテックス(株)製)、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。これらの架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
エポキシ系架橋剤の配合量は、粘着力をコントロールするのに応じて適宜に決定してよい。一般には、ベースポリマー100重量部あたり0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部配合される。
本発明において使用する可塑剤は特に限定されないが、例えば、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、アジピン酸系可塑剤などを用いることができ、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤を好適に用いることができる。可塑剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
具体的には、トリメリット酸エステル系可塑剤としては、例えば、トリメリット酸トリ(n−オクチル)、トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)、トリメリット酸トリイソオクチル、トリメリット酸トリイソノニル、トリメリット酸トリイソデシル等のトリメリット酸トリアルキルエステルなどが挙げられる。また、ピロメリット酸エステル系可塑剤としては、例えば、ピロメリット酸テトラ(n−オクチル)、ピロメリット酸テトラ(2−エチルヘキシル)等のピロメリット酸テトラアルキルエステルなどが挙げられる。
可塑剤の配合量は、目的に応じて適宜に決定されるが、ベースポリマー100重量部あたり1〜20重量部、好ましくは1〜5重量部配合される。
粘着付与樹脂を選択する際には、粘着剤と相溶性が悪いものではなく、相溶性に優れるものを選択する必要がある。
粘着剤に対して相溶性が悪い粘着付与樹脂を配合すると、粘着剤中には粘着剤と粘着付与樹脂が相溶してなる相溶部分だけでなく、粘着剤と粘着付与樹脂が分離してなる非相溶の部分ができる。すなわち、粘着剤表面には局所的にガラス転移温度(Tg)が高い粘着付与樹脂のドメインが生じ、部分的に粘着力が低い表面が生じることになる。
そのため、粘着力が低い粘着付与樹脂のドメイン部分が露出してなる表面では、被加工体の微小部材は弱い粘着力により粘着剤層表面に接着されるので、ダイシングなどの加工の際に振動により剥離しやすくなっている。この傾向は、特に切断後の被加工体が小さくなればなるほど、被加工体の大きさに対する該粘着付与樹脂のドメイン部分の大きくなるので顕著となる。
このため、単にいくら粘着付与樹脂を増やして粘着力を向上させても、その粘着付与樹脂が粘着剤に対して相溶性が良くなければ、その粘着力は粘着剤面全体の平均値ともいうべき物性であるため、粘着剤層表面をミクロでみたときの面内物性のばらつきに起因するチップ飛びは解消できない。
具体的に使用可能な粘着付与樹脂は、テルペンフェノール系樹脂としてはヤスハラケミカル(株)製YSポリスターS145や、荒川化学(株)製タマノル901があげられ、ロジンフェノール系樹脂としては、住友ベークライト製スミライトレジン PR−12603があげられる。
一方、ロジンエステル系樹脂では、その構造に含まれるエステル基とアクリル粘着剤中のエステル基の分子間相互作用による相溶が期待されるが、ロジンエステル系樹脂の組成物は脂環構造を有しているため、テルペンフェノール樹脂などと比較して立体的に込み合っており、官能基による相互作用の影響は低くなる。
また、粘着剤と樹脂の相溶性の指標として水酸基価や酸価を用いることができる。水酸基の高い樹脂では、水酸基とアクリル粘着剤中のエステル基との相互作用が期待され、また酸価が高い樹脂では、その構造中にカルボキシル基を含む割合が高くなり、アクリル粘着剤中のエステル基と分子間相互作用できるため、結果として相溶性が向上する。立体的に込み合った構造をもつロジンエステル系樹脂でも酸価あるいは水酸基価が高ければ、アクリル粘着剤中のエステル基と分子間相互作用できる確率が高まるため、相溶性は向上する。例えば、ロジンエステル系樹脂の荒川化学(株)製スーパーエステルA115が使用可能である。相溶性の向上が期待される水酸基価の数値としては、45以上、より好ましくは70以上であり、または酸価の数値としては15以上、より好ましくは40以上である。
また、粘着付与樹脂の配合量は、一般的には熱膨張性粘着剤層を形成するベースポリマー100重量部に対して、5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部である。
熱膨張性微小球は特に制限されず、公知の熱膨張性微小球から適宜選択することができ、単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。熱膨張性微小球としては、例えば、プロパン、プロピレン、ブテン、ノルマルブタン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル、メタンのハロゲン化物、テトラアルキルシランの如き低沸点液体、加熱により熱分解してガス状になるアゾジカルボンアミドなど加熱により容易にガス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球であればよい。
熱膨張性微小球は、慣用の方法、例えば、コアセルベーション法、界面重合法などにより製造できる。
熱膨張性微小球の配合量は、粘着層の膨張倍率や接着力の低下性などに応じて適宜設定しうるが、一般には熱膨張性粘着剤層2を形成するベースポリマー100重量部に対して、例えば1〜150重量部、好ましくは10〜130重量部、さらに好ましくは25〜100重量部である。
粘着シートを被着体より容易に剥離できるようにするための加熱処理条件は、被着体の表面状態や熱膨張性微小球の種類等による接着面積の減少性基材や被着体の耐熱性や加熱方法等の条件により決められるが、一般的な条件は100〜250℃,1〜90秒間(ホットプレートなど)または5〜15分間(熱風乾燥機など)である。
熱剥離型粘着シートの変形性の付与や加熱後の剥離性の向上などの点より、基材と熱膨張性粘着剤層2との間にゴム状有機弾性層が設けられているが、ゴム状有機弾性層は、必要に応じて設けられる層であり、必ずしも設けられていなくてもよい。このように、ゴム状有機弾性層を設けることにより、熱剥離型粘着シートを、熱膨張性粘着剤層2を利用して被着体(被加工品など)に接着させる際に、前記熱剥離型粘着シートにおける熱膨張性粘着剤層2の表面を被着体の表面形状に良好に追従させて、接着面積を大きくすることができ、また、前記熱剥離型粘着シートを被着体から加熱剥離させる際に、熱膨張性粘着剤層2の加熱膨張を高度に(精度よく)コントロールし、熱膨張性粘着剤層2を厚さ方向へ優先的に且つ均一に膨張させることができる。
すなわち、ゴム状有機弾性層は、熱剥離型粘着シートを被着体に接着させる際にその表面が被着体の表面形状に追従して大きい接着面積を提供する働きと、熱剥離型粘着シートより被着体を剥離するために熱膨張性粘着剤層2を加熱して発泡及び/又は膨張させる際に熱剥離型粘着シートの面方向における発泡及び/又は膨張の拘束を少なくして熱膨張性粘着剤層2が三次元的構造変化することによるウネリ構造形成を助長する働きをすることができる。
本発明の熱剥離型粘着テープにおいて、基材の一方の面に熱膨張性微小球を含有する熱剥離粘着剤層を設けた場合には、基剤の他方の面には、例えば、少なくとも被切断物の切断等の固定すべき対象物を固定させる間、被切断物を固定させるために、別に用意した基台に熱剥離型粘着テープを固定させるための接着剤層を設けることができる。
このときの接着剤層も例えば切断等の加工において発生する熱や振動等の刺激に対して安定であることが必要である。
その接着剤層としては、例えば上記粘着剤に使用した樹脂を基剤としたものを使用することができる。
熱膨張性粘着剤層2などの表面(粘着面)の保護材として、セパレータが用いられているが、セパレータは、必要に応じて用いることができ、必ずしも用いられていなくてもよい。セパレータとしては、両面が離型面となっているものであってもよく、一方の面(片面)のみが離型面となっているものであってもよい。尚、セパレータは、該セパレータにより保護されている粘着剤層を利用する際に、剥がされる。
尚、セパレータは公知乃至慣用の方法により形成することができる。また、セパレータの厚さ等も特に制限されない。
粘着剤に粘着付与樹脂が配合されただけの組成物であれば、本来、相溶性が良好であるとか、不良であるとかは、粘着剤の光学的性質、例えば、濁度(ヘイズ)や、透過光強度によっても判別できる。
しかしながら、本発明では粘着剤層に熱膨張性微小球が混合されていること、さらに、剥離性粘着テープの利便性を向上するために、基材や粘着剤層に色素などを加えて視認性を高めるため、相溶性不良によって生じる上記の光学的性質の変化は、これら操作で起こる光学的性質変化に隠されてしまい、その認識は極めて困難である。
そこで、粘着物性の面内ばらつきを確認する方法として、プローブタック法による粘着物性の変化を測定することで、相溶性の良し悪しを検討することにした。さらに、プローブタック法での検出を確実なものとするため、検討は0℃で1週間放置した試料を用いて行った。
相溶性は熱力学によって支配され速度論によって支配される性質ではない。
つまり、相溶性良好なものは0℃で1週間放置後も相溶性は良いままであるが、相溶性不良のものはより相分離が進行して相溶性不良が検出されやすくなるから、上記のように0℃で1週間放置することにより、相溶性が良好であるか否かがより明確になる。
そこで、熱剥離型粘着テープの製造直後のプローブタック値(B0)と、0℃で1週間保存後のプローブタック値(B)の2回にわたってプローブタック値を測定し、その測定値を比較したところ、チップ飛びが頻発する系では、測定値が著しく増大、もしくは減少した。つまり、下記式(1)により求めたプローブタック値の変化率が大きいものであった。これに対し、プローブタック値の変化率が19%以下のものではチップ飛び改善効果が顕著に現れ、より好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下の熱剥離型粘着テープにおいては、飛躍的にチップ飛び現象が抑制されるに到った。また
W=|(B0−B)/B0×100| 式(1)
以上より、プローブタック値の変化率を指標として粘着物性の改善を確認することができる。
本発明の熱剥離型粘着テープは、専ら電子部品を切断する際に、該電子部品を基板上に固定させるための粘着シートとして使用される。
切断される該電子部品としては、コンデンサ、インダクタ、コイル、抵抗、圧電素子、振動子、LED、半導体、表示装置等の電子部品であり、任意の手段によって切断される電子部品である。
このような電子部品を基板上に本発明の熱剥離型粘着テープを介して粘着力によって固定する。その後、押し切り刃による押し切り手段、あるいは回転刃による切断方法等の任意の手段によって、該電子部品を切断し、その後本発明の熱剥離型粘着テープを加熱し、熱膨張性粘着剤層を発泡させることにより、熱膨張性粘着剤層に対する切断された電子部品の粘着力を低下させて、切断された電子部品をピックアップする。
各熱剥離型粘着シートを幅:20mm、長さ:50mmのサイズに切断し、松浪ガラス工業(株)製スライドガラス(76mm×26mm)に日東電工(株)製両面接着テープNO.531を貼り合わせ、その上から切断したサンプルをハンドローラーを用いて貼り合わせた。熱膨張性粘着剤層を上にした状態でプローブタック測定機(商品名「TACKINESS TESTER Model TAC-II」RHESCA社製)にセットし、Immersion speed: 30mm/min, test speed: 30mm/min, preload: 100gf, press time: 1.0sec., Probe area : 5mmφcircle(SUS)の条件下で測定した値をプローブタック値(N/5mmφ)とする。サンプル作製直後のプローブタック値をB0、 サンプルを作製してから0℃条件下に1週間静置後のプローブタック値をBとし、促進試験後のプローブタック値の増減率W (%)を式(1)に従い算出した。なお、当該プローブタック値の増減率の測定結果は表1の「プローブタック増減率(%)」欄に示した。
W=|(B0−B)/B0×100| 式(1)
各熱剥離型粘着シートをチャック付きビニール袋に入れ密封した後、温度=0±2℃の槽内に168±2時間、結露が生じないように保持した後、温度:23±2℃および湿度:65±5%RHの雰囲気下で1時間保持し、各測定を行った。
各熱剥離型粘着シートを幅:20mm、長さ:140mmのサイズに切断し、熱膨張性粘着剤層上に、被着体としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ルミラーS−10」東レ社製;厚さ:25μm、幅:20mm)を、JIS Z 0237(2009年)に準じて貼り合わせた後(具体的には、温度:23±2℃および湿度:65±5%RHの雰囲気下で、2kgのローラーを1往復させて圧着して貼り合わせる)、23℃に設定された恒温槽付き引張試験機(商品名「島津オートグラフAG−120kN」島津製作所社製)にセットし、30分間放置する。放置後、23℃の温度下で、被着体を、剥離角度:180°、剥離速度(引張速度):300mm/minの条件で、熱剥離型粘着シートから引き剥がした時の荷重を測定し、その際の最大荷重(測定初期のピークトップを除いた荷重の最大値)を求め、この最大荷重を熱膨張性粘着剤層の粘着力(N/20mm幅)とする。なお、該粘着力の測定結果は、表1の「粘着力(N/20mm)」の欄に示した。
各熱剥離型粘着シートを幅:30mm、長さ:30mmのサイズに切断し、村上色彩科学研究所製ヘイズメーター HM-150を用いて全光線透過率(%)をJIS K 7361に基づいて測定した。サンプルを作製した直後の全光線透過率(%)の値をA0、サンプルを作製してから0℃条件下に1週間静置後の全光線透過率(%)をAとし、促進試験後の全光線透過率減少率V(%)を式(2)に従い算出した。なお、当該全光線透過率の減少率の測定結果は表1の「全光線透過率下がり幅(%)」欄に示した。
V=全光線透過率増減率(%)、A0=サンプルを製造した直後の促進前の全光線透過率 (%)、A=促進後の全光線透過率値(%)
サンプルの水酸基価は、JIS K 0070−1992(アセチル化法)に準じて評価した。無水酢酸約25gを取り、ピリジンを加え、全量を100 mLにして、充分に撹拌しアセチル化試薬を作製した。
平底フラスコに試料約2gを精秤採取し、アセチル化試薬5mL及びピリジン10mLを加え、空気冷却管を装着した。100℃で70分間加熱後、放冷し、冷却管上部から溶剤としてトルエン35mLを加え撹拌後、水1mLを加え撹拌し、無水酢酸を分解する。分解を完全にするため再度10分間加熱し放冷した。
エタノール5mLで冷却管を洗い取り外し、溶剤としてピリジン50mLを加え撹拌した。この溶液に0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液をホールピペットを用いて25mL加え、0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液で電位差滴定を行い以下の式(3)より水酸基価を算出した。
B:空試験に用いた0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)
C:試料に用いた0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)
f:0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S:試料の採取量(g)
D:酸価
B:試料に用いた0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)
F:0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S:試料の採取量(g)
アクリル系共重合体(アクリル酸エチル:アクリル酸2エチルヘキシル:ヒドロキシエチルアクリレート:メタクリル酸メチル=70重量部:30重量部:5重量部:6重量部)100重量部に、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL)2重量部を配合し、トルエンを加えて均一に混合した溶液を作製し、厚さ100μmのPET基材上に乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布した(ゴム状有機弾性層)。
また、上記のアクリル系共重合体100重量部にイソシアネート系架橋剤2重量部、テルペンフェノール系粘着付与樹脂(ヤスハラケミカル(株)製YSポリスターS145、水酸基価100mgKOH/g、酸価2mgKOH/g)30重量部に、熱膨張性微小球(松本油脂製薬(株)製マツモトマイクロスフェアーF-50)35重量部を配合してなるトルエン溶液を調整し、PET基材セパレータ(38μm)上に乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布した(熱膨張性粘着剤層1)。
乾燥後ゴム状有機弾性層を塗布したポリエステルフィルムをゴム状有機弾性層側に貼り合わせ、本発明に使用する熱剥離型粘着シート1を得た。
上記のアクリル系共重合体100重量部に、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL)2重量部、テルペンフェノール系粘着付与樹脂(荒川化学(株)製タマノル901、水酸基価45mgKOH/g、酸価52mgKOH/g)30重量部に、熱膨張性微小球(松本油脂製薬(株)製マツモトマイクロスフェアーF-50)35重量部を配合してなるトルエン溶液を調整し、PET基材セパレータ(38μm)上に乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布した(熱膨張性粘着剤層2)。上記以外は実施例1と同じ方法で熱剥離型粘着シート2を得た。
上記のアクリル系共重合体100重量部に、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL)2重量部、ロジンフェノール系粘着付与樹脂(住友ベークライト製スミライトレジン PR−12603、酸価65mgKOH/g)30重量部に、熱膨張性微小球(松本油脂製薬(株)製マツモトマイクロスフェアーF-50)35重量部を配合してなるトルエン溶液を調整し、PET基材セパレータ(38μm)上に乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布した(熱膨張性粘着剤層3)。上記以外は実施例1と同じ方法で熱剥離型粘着シート3を得た。
上記の共重合体100重量部に、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL)2重量部,ロジンエステル系粘着付与樹脂(荒川化学(株)製スーパーエステルA115、水酸基価25mgKOH/g、酸価18mgKOH/g)30重量部に、熱膨張性微小球(松本油脂製薬(株)製マツモトマイクロスフェアーF50)35重量部を配合してなるトルエン溶液を調整し、PET基材セパレータ(38μm)上に乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布した(熱膨張性粘着剤層4)。上記以外は実施例1と同じ方法で熱剥離型粘着シート4を得た。
アクリル酸エチル―アクリル酸ブチル―ヒドロキシエチルアクリレート―アクリル酸―トリメチロールプロパントリアクリレート(50部:50部:0.1部:5部:0.3部)からなる共重合体100重量部に、エポキシ系架橋剤(三菱ガス化学(株)製テトラッドC)1重量部、テルペンフェノール系粘着付与樹脂(ヤスハラケミカル(株)製YSポリスターS145、水酸基価100mgKOH/g、酸価2mgKOH/g)20重量部、熱膨張性微小球(松本油脂製薬(株)製マツモトマイクロスフェアーF50)30重量部を配合してなるトルエン溶液を作製し、厚さ100μmのPET基材上に乾燥後の厚さが35μmとなるように塗布(仮固定粘着層塗布)した(熱膨張性粘着剤層5)。上記以外は実施例1と同じ方法で熱剥離型粘着シート5を得た。
上記の共重合体100重量部に、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL)2重量部、ロジン系粘着付与樹脂(荒川化学(株)製ペンセルD125、水酸基価40mgKOH/g、酸価13mgKOH/g)30重量部に、熱膨張性微小球(松本油脂製薬(株)製マツモトマイクロスフェアーF50)35重量部を配合してなるトルエン溶液を調整し、PET基材セパレータ(38μm)上に乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布した(熱膨張性粘着剤層6)。上記以外は実施例1と同じ方法で熱剥離型両面粘着シート6を得た。
(切断加工性の評価方法)
各熱剥離性両面粘着シート1〜6の熱膨張性粘着剤層上に下記方法により得た、積層セラミックシート((*1)100mm×100mm)を貼り合わせ、それをダイシングリングに装着固定してダイサーを介し、0402(0.4mm×0.2mm)のサイズのチップにフルカットし(ダイシングによる切断加工処理を施し)、このカットの際に、チップ剥がれの発生の有無を目視で確認する。この時ダイシングブレードにはDISCO(株)社製ZH05−SD2000−N1−110−DDを用いた。ダイシングブレードの送り速度は70mm/S、ダイシングブレードの回転数を50000/sとしたとき、すべてのチップが熱剥離型粘着シートに貼着しており、剥がれていない場合は、チップ飛び率は0%となる。従って、チップ飛び率が小さいほど、チップ飛び防止性が良好であることを意味している。該チップ飛び防止性の評価結果は、表1の「チップ飛び率(%)」の欄に示した。ダイシングしたチップの数をC0、 チップが飛んだ数をCとし、チップ飛び率Xは式(5)に従い求めた。
チタン酸バリウム(堺化学工業(株)製:商品名『BT-03/高純度ペロブスカイト』)100重量部、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製:商品名『PVB』)100重量部(プロピレングリコールモノエチレンエーテル溶解品、10%ベース)、フタル酸ビス(2エチルヘキシル)((株)ジェイプラス製:商品名『DOP』)6重量部、ジグリセリンオレエート(理研ビタミン(株)製:商品名『リケエール0−71−D(E)』)2重量部、及びトルエンを80重量部を攪拌・混合して、セラミックシート作製用塗工液を調製する。ついで、片面にシリコーン離型剤が塗布されたセパレータ上に、乾燥後の厚みが約50μmとなるように、上記塗工液を塗布し、80℃×5分間の乾燥処理後、セパレータから剥離して、セラミックシートを得る。このセラミックシートを10枚積層し、300kg/cm2の圧力でプレスし、積層セラミックシートを得る。
比較例1ではチップ飛び個数が多数確認された。この要因として、相溶性が悪いため局所的に粘着力の低い樹脂のドメインが生成しチップと粘着シートの密着力が大幅に減少したことが推測される。
2・・・熱膨張性粘着剤層
3・・・セパレータ
Claims (9)
- アクリル系粘着剤を含有する熱膨張性粘着剤層が形成された熱剥離型粘着テープであって、該熱膨張性粘着剤層はテルペンフェノール系樹脂及び/又はロジンフェノール系樹脂であり、かつ水酸基価が45〜100mgKOH/gである粘着付与樹脂を含有し、熱膨張性粘着剤層の式1で示されるプローブタック値の変化率が19.0%以下であり、
W=|(B0−B)/B0×100| (式1)
(式1中、Wはプローブタック値の変化率、B 0 は熱剥離型粘着テープのプローブタック値、Bは0℃で1週間保存後のプローブタック値である。)
23℃でポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:25μm)に貼着させた後に23℃の雰囲気下で30分間放置した際の23℃における熱膨張性粘着剤層の粘着力(剥離角度:180°、引張速度:300mm/min)が2.5N/20mm以上である熱剥離型粘着テープ。 - 粘着付与樹脂の配合量が、熱膨張性粘着剤層を形成するベースポリマー100重量部に対して、10〜50重量部である請求項1に記載の熱剥離型粘着テープ。
- 0℃で1週間保存後の全光線透過率の減少率が2%以下である請求項1又は2に記載の熱剥離型粘着テープ。
- 熱膨張性粘着剤層が架橋剤を含む請求項1〜3のいずれかに記載の熱剥離型粘着テープ。
- 基材の少なくとも片側に直接熱膨張性粘着剤層が形成されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の熱剥離型粘着テープ。
- 基材の少なくとも片側にゴム状有機弾性層を介して熱膨張性粘着剤層が形成されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の熱剥離型粘着テープ。
- ゴム状有機弾性層の厚みが3〜200μmである請求項6に記載の熱剥離型粘着テープ。
- 電子部品の切断時に用いられる、請求項1〜7のいずれかに記載の熱剥離型粘着テープ。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の熱剥離型粘着テープを利用した、電子部品の切断方法。
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