JP5828040B2 - パターン位相差フィルタの検査装置及び検査方法 - Google Patents

パターン位相差フィルタの検査装置及び検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、ストライプ状のパターンを有するパターン位相差フィルタの検査装置及び検査方法に関するものである。
立体画像表示用の光学フィルタとして、液晶ディスプレイの表示面に積層して用いられるパターン位相差フィルタが知られている。中でも、パターン位相差フィルム(Film Patterned Retarder/以下、FPR)は、透明なベースフィルム上に位相差特性が異なるライン状の第1領域と第2領域とを交互にストライプ状に配列したもので、広く実用化されつつある。ライン状の第1,第2領域は、液晶ディスプレイの水平方向の画素配列ごとに順次に重ねられるため、第1,第2領域のライン幅は、液晶ディスプレイの構造や画面サイズに応じて250〜700μm程度に設定される。第1,第2領域には互いに異なる位相差特性が付与される。一例として光学軸(進相軸又は遅相軸)が互いに直交し、それぞれの光学軸を例えば水平方向に対して±45°に傾けた2種類のλ/4波長板を第1、第2領域に用いるもの、さらには1/2波長板を第1領域に、光学異方性を持たない透過域を第2領域に用いるものなどがある。
FPRの第1、第2領域に、上述のように±45°に傾けた2種類のλ/4波長板を用いた場合、液晶ディスプレイの水平方向の画素配列の一本おきに左視点画像と右視点画像とを0°もしくは90°の直線偏光光で表示すると、1画面分の表示光は第1,第2領域によって水平方向に細長いライン状に分割される。これらの画像光はライン一本おきに回転方向が逆向きの円偏光光となってFPRから出射する。したがって、左眼用の円偏光フィルタと右眼用の円偏光フィルタとを組み合わせた偏光メガネを通して観察すると、左視点画像だけが左眼へと透過し、右視点画像だけが右眼へと透過して立体画像が観察できる。
この用途で用いられるFPRには、適用対象となる液晶ディスプレイの水平方向における画素の配列パターンに対し、第1,第2領域のライン状パターンを高精度に一致させて組み合わせることが要求される。そのためには、FPRの第1,第2領域のライン幅とピッチとが正確に保たれるように製造することが要求される。特開2011−191756号公報や国際公開第2010/090429号A2には、このようなFPRの効率的な製造のために、光反応層を形成したウェブを搬送する過程でマスクプレートを通して搬送方向に延びるストライプ状のパターン露光を与え、この露光パターンに応じた幅で第1,第2領域を形成する方法が記載されている。
ウェブを搬送する過程でマスクプレートを用いたパターン露光を行う場合、マスクプレートとウェブとの間に隙間を要すること、そして完全に平行な光束での露光が困難であることから、ストライプ状パターンの各境界部にボケ領域が生じる。このボケ領域は、位相差特性に関しては第1,第2領域のいずれにも属さない不完全な領域となる。この不完全領域が液晶ディスプレイの画素領域に重なると、立体画像の観察時にノイズやクロストークの原因になる。そこで、液晶ディスプレイの水平方向の各画素配列の相互間に一定幅で形成される遮光帯(ブラックストライプ)の幅内に不完全領域を収めることが望まれるが、不完全領域は線幅や形状パターンが一定していないため、その線幅や形状パターンを的確に把握しておくことが求められる。
このためFPRの製造後には、第1,第2領域それぞれの光学特性が検査され、また第1,第2領域の配列のピッチやライン幅、そして第1,第2領域の境界部に生じている不完全領域の幅や形状パターンが液晶ディスプレイの画素構造や画面サイズに応じた適正な範囲に収まっているか否かの検査が行われる。一般に透明なフィルムやシートに何らかの欠陥や異常が存在しているかを検査するには、フィルムやシートに照明を与えて反射光や透過光を撮像し、得られた検査画像を画像処理して欠陥部分を光電的に評価する検査装置が用いられる。
例えば特許文献1には、透明又は半透明のフィルム・シート類に存在する欠陥部を高いコントラストで検出できるように、フィルム・シート類を表裏から挟むように2枚の偏光板を配置し、一方の偏光板を通して照明光を与え、フィルム・シート類を透過してさらに偏光板を通過してきた光を一次元又は二次元センサで撮像する検査装置が記載されている。また、特許文献2には、厚み方向で所定の位相差を有する位相差フィルムの検査のために、位相差フィルムを表裏から挟むように2枚の偏光板をクロスニコル配置し、一方の偏光板を通して照明光を照射し、他方の偏光板を透過してきた光を二次元の検査画像として撮像する検査装置が記載されている。
特開平6−148095号公報 特開2008−267991号公報
特許文献1記載の装置は、透明なフィルム・シート類の正常な部分は光学的に等方性であり、欠陥部は光学的な異方性を伴うものであることを前提にして検査を行う。このため、周囲が正常である中に欠陥部が点在している場合には容易に欠陥検出ができるが、FPRの第1,第2領域は光学軸の方向は異なるがいずれも光学的に異方性を有する領域であり、また不完全領域は異方性が不安定に変化している領域となっている。このため、特許文献1記載の装置では、第1,第2領域のピッチやライン幅、そして不完全領域の形状パターンなどを高精度に検査するには適していない。また、特許文献2記載の装置は、位相差フィルムの厚み方向の位相差(レターデーション)欠陥の検出は可能であるが、ストライプ状に配列された第1,第2領域のピッチやライン幅、そして第1,第2領域の境界部に現れる不完全領域の線幅や形状パターンを正確に測定することはできない。
本発明は、一定幅の第1領域と第2領域とがストライプ状に配列されたパターン位相差フィルタについて、第1,第2領域の配列のピッチ又はライン幅、あるいは第1,第2領域の境界部分に生じる不完全領域の形態の少なくともいずれかを適切に計測するパターン位相差フィルタの検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
本発明のパターン位相差フィルタの検査装置は、パターン位相差フィルタを保持する保持部と、光源部と、第1偏光板と、第2偏光板と、エリアセンサカメラと、情報処理部とを有する。光源部は、第1偏光板を通してパターン位相差フィルタの一方の面に向けて光を照射する。第2偏光板は、パターン位相差フィルタの他方の面から出射した光のうち、互いに位相差特性が異なる第1領域及び第2領域との少なくともいずれかを通過した光を遮断して残りの光を通過させる。エリアセンサカメラは第2偏光板を通過した光で形成される検査画像を撮像する。そして情報処理部は、検査画像の明暗分布を評価して明暗の境界位置を算出し、第1領域又は第2領域のライン幅又はラインピッチ、もしくは第1領域と第2領域との境界部分に生じる境界線幅の少なくともいずれかを計測する。
光源部、第1偏光板、パターン位相差フィルタ、第2偏光板、エリアセンサカメラは、この順で一直線上に配列することができ、これにより透過型の検査装置となる。また、光源部の照明光軸とエリアセンサカメラの撮像光軸との交差位置にハーフミラー、パターン位相差フィルタの前記他方の面に対面して全反射ミラーを設け、ハーフミラーと光源部との間の撮像光軸上に第1偏光板、前記ハーフミラーとエリアセンサカメラとの間の撮像光軸上に第2偏光板を設け、第1偏光板を通過してハーフミラーを透過又は反射した光をパターン位相差フィルタの一方の面に入射させるとともに、パターン位相差フィルタの他方の面から出射した光を全反射ミラーの反射で再度パターン位相差フィルタの他方の面から入射させ、パターン位相差フィルタの一方の面から出射した光をハーフミラーで反射又は透過させて第2偏光板に入射させ、その透過光をエリアセンサカメラで撮像して検査画像を得ることもできる。
第1偏光板及び第2偏光板の各々の透過軸の光軸回りの向きを調整する回転制御部を設けることが望ましく、さらには情報処理部にエリアセンサカメラの画像を監視して第1又は第2領域の少なくとも一方が消光状態となるように回転制御部を作動させる機能をもたせるとよい。
第1、第2偏光板の少なくとも一方に、前記エリアセンサカメラの撮像画面内で透過軸の方向が異なる少なくとも2つの領域をもたせ、2つの領域の一方はパターン位相差フィルタの第1領域と第2領域との双方が消光状態となる条件に設定され、2つの領域の他方は第1領域と第2領域との間に濃度差が生じる条件に設定し、情報処理部により、2つの領域を通して得られた画像に基づいて第1領域と第2領域の判別を行い、判別した第1領域と第2領域ごとのライン幅又はラインピッチ、もしくは第1領域と第2領域との境界部分に生じる境界線幅の少なくともいずれかを計測することも有効である。
第1偏光板と前記パターン位相差フィルタとの間、又はパターン位相差フィルタと第2偏光板との間の少なくとも一方に、2つの領域のいずれかに重なるように位相差板を配置することも効果的で、位相差板にはλ/4波長板もしくはλ/2波長板を用いることができる。また、エリアセンサカメラでの撮像には、テレセントリック系光学系を通しての撮像が好ましい。
情報処理部は、検査画像を2値化処理した後の明部と暗部との境界を表す折れ線を直線に近似する近似直線化処理と、近似直線化処理後の画像を解析し、撮像画面内の複数の明部又は暗部に含まれる画素数を前記ストライプ状パターン延長方向と平行な方向で個別に集計した画素数集計ヒストグラムを作成する画素数集計処理と、画素数集計ヒストグラム中の画素数集計グラフの幅に基づいて明部又は暗部の幅を計測する計数処理とを順次に実行する機能を有する。近似直線化処理が行われた後に、近似された直線が囲む明部又は暗部に含まれる画素数が最大となる代表ブロックを選定し、代表ブロックの境界となった直線を代表近似直線に決定した後、代表近似直線を第1領域と第2領域とのストライプパターン延長方向に一致させるために代表ブロックとともに近似直線化処理後の画像を回転させる画像回転処理を行ってから画素数集計処理を実行させることも有効である。情報処理部には、計数処理に際して濃度の変化が明から暗、又は暗から明となる2種類の境界線を識別して計数する機能をもたせ、また、計数処理で得られた境界線幅の計数値のうち、予め設定された範囲内の計数値を用いてパターン位相差フィルタの評価を行うようにすることも効果的である。
また、本発明方法は撮像ステップと情報処理ステップとを含む。撮像ステップでは、透明な支持体に互いに異なる位相差特性を有するライン状の第1領域と第2領域とが交互にストライプ状に配列されたパターン位相差フィルタの一方の面から第1偏光板を通過した光を照射し、前記パターン位相差フィルタの他方の面から出射した光を第1偏光板とは透過軸が異なる向きに設定された第2偏光板を通してエリアセンサカメラで撮像される。情報処理ステップでは、検査画像の明暗分布を評価して明暗の境界位置を算出し、第1領域又は第2領域のライン幅又はラインピッチ、もしくは第1領域と第2領域との境界部分に生じる境界線幅の少なくともいずれかが計測される。
撮像ステップには、第1偏光板と第2偏光板とを光軸回りに回転させ、第1領域又は第2領域との少なくともいずれか一方を消光状態で撮像するために、それぞれの透過軸の向きを調整するステップを含めることが望ましい。情報処理ステップには、検査画像を2値化処理した後の明部と暗部との境界を表す折れ線を直線に近似する近似直線化処理と、近似直線化処理後の画像を解析し、撮像画面内の複数の明部又は暗部に含まれる画素数をストライプ状パターン延長方向と平行な方向で個別に集計した画素数集計ヒストグラムを作成する画素数集計処理と、画素数集計ヒストグラム中の画素数集計グラフの幅に基づいて明部又は暗部の幅を計測する計数処理とを含めることが望ましい。
情報処理ステップには、近似直線化処理が行われた後に、近似された直線が囲む明部又は暗部に含まれる画素数が最大となる代表ブロックを選定し、代表ブロックの境界となった直線を代表近似直線に決定した後、代表近似直線を第1領域と第2領域とのストライプパターン延長方向に一致させるために代表ブロックとともに近似直線化処理後の画像を回転させる画像回転処理を行ってから画素数集計処理を実行させることが好ましい。さらに、情報処理ステップでは、計数処理に際して、濃度の変化が明から暗、又は暗から明となる2種類の境界線を識別して計数するのが好ましい。
本発明によれば、第1及び第2偏光板を用いることにより、パターン位相差フィルタの第1、第2領域の位相差特性に応じた濃度変化を伴う検査画像を抽出してエリアセンサカメラで撮像し、その画像信号を画像処理して検査画像の明暗分布に基づいて明暗の境界位置を算出するから、第1領域又は第2領域のライン幅又はラインピッチ、もしくは第1領域と第2領域との境界部分に生じる境界線幅の少なくともいずれかを正確に計測することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る検査装置の概略斜視図である。 図1に示す検査装置の要部断面図である。 FPRの幅方向断面における摸式図である。 図1に示す検査装置の概念図である。 本発明の第1実施形態に係る検査処理の一例を示すフローチャートである。 検査画像の一例を示す説明図である。 検査画像の要部拡大図である。 近似直線化処理の一例を示す説明図である。 アフィン変換処理の一例を示す説明図である。 投影集計処理査画像の一例を示す説明図である。 境界線位置決定処理近の一例を示す説明図である。 複数種類の明欠陥を含む検査画像の一例を示す説明図である。 針状明欠陥が明領域に接した状態の検査画像の一例を示す説明図である。 針状明欠陥が明領域に交差した状態の検査画像の一例を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る検査装置の要部断面図である。 本発明の第3実施形態に係る検査装置の概念図である。 図9に示す検査装置による検査画像の一例を示す説明図である。
図1及び図2に示すように、本発明の検査装置2はパターン位相差フィルタの一つであるパターン位相差フィルム(Film Patterned Retarder/以下、FPR)3の検査に用いられる。この検査装置2は、例えば製造後にロールとして巻き取られたFPR3を再び引き出しながら検査するオフライン検査に用いられることを想定し、製造工程中だけでなく保管時の環境変化なども考慮したピッチムラやライン幅不正などの検査に用いられる。なお、パターン位相差フィルタは液晶ディスプレイの画像表示面に重ねて用いられる3D画像観察用の光学フィルタで、支持体にフィルムやシートを用いた可撓性に富んだものだけでなく、支持体にガラスあるいは透明なプラスチックプレートなどを用いた剛性に富むパターン位相差フィルタの態様もあり得る。
FPR3は、図3に示すように、例えばTAC(Tri−Acetyl−Cellulose)などの透明かつ柔軟な支持体3Aの表面にライン状の第1領域3Bと第2領域3Cとを交互にストライプ状に並べて形成したものである。第1領域3Bと第2領域3Cはそれぞれλ/4波長板として作用する位相差層で構成され、第1,第2領域3B,3Cの各々の光学軸は互いに直交する向きに合わせている。一例として、水平線に対して第1領域3Bの遅相軸RAは時計回り(+方向)に45°、第2領域3Cの遅相軸RAは反時計回り(−方向)に45°傾けられている。なお、回転の向きは、光源側から向かってくる光を受け止める側から観察したときの向きで定義している。
また、それぞれλ/4波長板として機能する第1,第2領域3B,3Cとの境界部分には、不完全領域3Dが生じている。この不完全領域3Dは、第1,第2領域3B,3Cの形成に際してストライプ状のパターン露光を行ったときに、マスクパターンのエッジによる翳りやケラレで露光不足になることによって生じる。例えば、第1,第2領域3B,3Cの配列のピッチを設計値で270μmとすると、不完全領域3Dの線幅は数μmから数十μm程度であることが多い。また、第1,第2領域3B,3Cでは光学軸がそれぞれ所定方向を向いているのに対し、不完全領域3Dでは光学軸の向きが不定で、その線幅や面内における湾曲形状も一定しない。
FPR3は、図2に示すようにパスローラ5で水平な搬送路にしたがって、第1,第2領域3B,3Cのストライプ状パターンが延びている方向(矢印Y方向)に沿って移動自在に保持される。FPR3を表裏から挟むように、第1偏光板7と第2偏光板8が回転自在に設けられ、これらの偏光板7,8は各々の透過軸が互いに直交するクロスニコル配置される。第1回転制御部11及び第2回転制御部12は、それぞれモータ11a,12aを介して第1,第2偏光板7,8を光軸9の回りに回転調整し、FPR3の第1,第2領域3B,3Cの光学軸の方向に応じて、第1,第2偏光板7,8の透過軸の方向を微調整することができる。
第1偏光板7の下方に光源部4が設けられている。光源部4は、平面状に並べられた複数の白色のLED4Aと拡散板4Bとを有し、拡散板4Bの表面からは面内で均一化された照明光が放射される。第2偏光板8の上方にエリアセンサカメラ6が設けられている。エリアセンサカメラ6から得られたモノクロの画像信号は、情報処理部16の一部である画像処理部14に送られる。画像処理部14は、入力された画像信号に基づき、明暗の濃淡の境界を表す境界線がギザギザしているような場合の近似直線化処理や、濃淡画像を二値化画像に変換する処理などを行う。
演算処理部15は画像処理部14と協働し、例えば近似曲線間の距離の算出処理や画像処理部14で各種の処理を行うときに必要となる演算処理、さらに第1,第2回転制御部11,12を作動させる際に必要な演算処理を行う。そして、第1,第2回転制御部11,12は、情報処理部16からの信号に応じてモータ11a,12aの回転を制御する。また、画像表示部18には液晶ディスプレイなどが用いられ、エリアセンサカメラ6が撮像した原画像や、情報処理部16による処理が行われる間の経過画像や処理後の画像が表示される。
エリアセンサカメラ6は、図2に示すように、絞り6Cを挟んで配置された第1レンズ6Aと第2レンズ6B、エリアセンサ6Dとを有する。第1レンズ6Aの後側焦点と、第2レンズ6Bの前側焦が絞り6Cと一致するようにそれぞれのレンズ6A,6Bが配され、これによりテレセントリック光学系が構成される。このようなテレセントリック光学系によれば、FPR3から光軸9と平行に出射し、光軸9と平行にエリアセンサ6Dに入射する光束で検査画像の撮像が行われる。このため、被写体距離や像距離に多少の変動があっても撮像される検査画像の撮像倍率が一定に保たれ、検査画像の計測精度も良好に維持される。テレセントリック光学系を用いなくても本発明の実施は可能であるが、テレセントリック光学系を用いた方が望ましい実施形態となる。
エリアセンサ6Dには、例えば画素数2000×2000のMOS型イメージセンサが用いられている。各画素で明から暗の輝度を例えば256階調(8bit)の情報で識別させ、第1領域3Bと第2領域3Cとの境界部に生じる不完全領域3Dの線幅が、数μmから数十μmの範囲であることを考慮し、エリアセンサカメラ6の分解能は2μm/bitにしている。したがって、エリアセンサカメラ6の視野範囲は4mm×4mmの範囲となり、この範囲の中に不完全領域3Dの線像を14本から15本程度は撮像することができる。
上記検査装置2でFPR3を検査する際の基本的な態様について説明する。図4に示すように、第1偏光板7の透過軸P1を+45°に、第2偏光板8の第2透過軸P2を−45°に設定した検査条件で計測が行われる。光源部4からの光が第1偏光板7を通過すると、透過軸P1の向きと平行な+45°の傾きの直線偏光光となってFPR3に入射する。+45°の傾きでFPR3に入射した直線偏光光は、各々の遅相軸が+45°,−45°に傾けられている第1,第2領域3B,3Cを通過しても、格別の変調を受けることなくそのまま第2偏光板8に向かう。ところが、第2偏光板8の透過軸P2は−45°に傾けられているから、FPR3の第1,第2領域3B,3Cを透過してきた直線偏光光はこの第2偏光板8で遮断される。したがって、エリアセンサカメラ6は第1,第2領域3B,3Cを消光された暗領域として撮像することになる。
一方、第1,第2領域3B,3Cの境界部分に生じている不完全領域3Dは、遅相軸が±45°に傾いたλ/4波長板としての位相差特性が崩れている。このため、FPR3の不完全領域3Dに入射した直線偏光光の一部は偏光方向が乱されて通過するので、第2偏光板8で完全には遮断されずに透過する。結果的に、この不完全領域3Dを透過した光がエリアセンサカメラ6によって撮像され、第1,第2領域3B,3Cの境界を表す明領域として撮像されることになる。
以下、図5及び図6にしたがって、検査装置2により最適な条件で検査画像を撮像し、そして検査画像を評価する基本的な手順について説明する。図5において、ステップS1により第1,第2偏光板7,8の初期位置へのセッティングが行われる。第1,第2偏光板7,8は初期位置でクロスニコル配置に調整され、さらにFPR3が正規の配置をとったときのストライプパターンの延び方向に対して第1偏光板7の透過軸P1は+45°傾けるようにしている。したがって、FPR3が正規の検査位置にセットされれば、原理的にはFPR3の第1,第2領域3B,3Cは暗画像になるはずである。
しかし、セッティング時の傾き誤差やFPR3の切り出し精度などにより、必ずしも第1,第2領域3B,3Cが最も暗い状態からずれていることもあり得る。そこで、ステップS2では、エリアセンサカメラ6からの画像信号を監視しながら、情報処理部16により第1,第2回転制御部11,12を作動させ、画像全体の平均輝度が最も小さくなる角度位置に第1,第2偏光板7,8を光軸9の回りに回転させる。
こうして第1,第2偏光板7,8が最適位置にセットされると、ステップS3で画像の読み込み及び二値化処理が行われる。図6Aに示すように、読み込まれた検査画像20には第1,第2領域3B,3Cを表す暗領域21B,21Cと、不完全領域3Dを透過した明領域20Dが含まれている。一般に、エリアセンサ6Dの画素の配列方向とFPR3の第1,第2領域3B,3Cの方向とは一致していないから、明領域20Dは傾斜した状態で撮像される。また、明領域20Dを拡大してみると、図6Bに示すように明暗の境界線部分は一直線状ではなく、ギザギザ状になっていることがほとんどである。なお、図6A〜図6Fの画像は、説明の便宜上、適宜に拡大した倍率で表されている。
エリアセンサカメラ6で撮像した画像はエリアセンサ6Dの画素位置の座標に基づいて評価される。この際に用いられる二次元座標を表すX軸とY軸は、一例として図6Aに示すように、第1,第2領域3B,3Cのストライプパターンの延び方向に沿うY方向のものがY軸、Y方向に直交するX方向のものがX軸となる。また、暗領域21B,21C対し、明領域20Dの明るさは必ずしも一定ではなく、例えば暗領域21B,21Cとの境界では濃度勾配を伴うのが通常であるから、ステップ3では画像読み込みに続き、適当な閾値のもとで二値化処理が行われる。
二値化処理が行われると、暗領域21B,21Cに接する明領域20Dの輪郭線は図6Bに拡大して示すように一般にギザギザになる。このため、近似直線化処理では論理フィルタ方式によりスムージング処理が施され、図6Cに実線で示すように、明領域20Dの輪郭線がギザギザ状から一本の直線に変換された画像が得られる。この近似直線化処理は、撮像範囲内の全ての明領域20Dに対して行われる。
なお、この際に用いられる論理フィルタは、ギザギザの程度により最適な構成が異なってくるが、予めFPR3のサンプルを用いて試行しておき、最適なものを決めておくのが好ましい。また、この近似直線化処理に際しては図6B,図6Cに示すように予め設定した倍率のもとで局所的に拡大を行い、注目している輪郭線に沿って自動的にスキャンを行いながら演算処理することが好ましい。また、こうして得られた明領域20Dを両側から囲む一対の輪郭線は、図示のように互いに平行にならないものもある。
続くステップ S5では、画像倍率が元の倍率に戻した後にラベリング処理が行われ、二値化された明部又は暗部の一方、例えば暗部が一連に連続した領域を一ブロックとして識別して順にラベリングを行い、ラベリングしたブロックごとに画素数をカウントする。そして、ステップS6では、ラベリングされたブロックのうちで最も画素数が多いもの(最大面積のものに相当)を最大ブロックとして選定する。そして、最大ブロックの輪郭になっている明暗の境界線について、第1,第2領域3B,3Cのストライプパターンの方向(Y方向)に近い方向性のものを選定して代表近似直線として決定する(ステップS7)。
次のステップ8では画像に対してアフィン変換処理が行われ、ステップ7で決定された代表近似直線の傾き方向が、図6Dに示すようにY軸に一致するように画像が全体的に傾けられる。アフィン変換処理を実行することに伴い、画像の端部付近の原画像のデータは有効範囲から外れてしまうので、これを除外するように処理範囲が狭められ、図6Dに示すように範囲Q1から範囲Q2に変更される。
次のステップS9では投影/集計処理が行われる。この処理は、アフィン処理で得られた図6Eの画像に基づいて、明領域20Dに含まれる画素ごとの輝度値をX軸に関して集計する処理である。明領域20Dで二値化された輝度値を「1」とすると、図6Eの最も左方に示す明領域20Dの輪郭線はいずれもX軸と直交しているから、図6Fのように明領域20Dとほぼ同じ形状になる。これに対し、左方から2番目の明領域20Dxでは左側の輪郭線はX軸と直交しているが、右側の輪郭線は、明領域20Dxを上方で幅広にするように傾いているから、図6Fに示すように、傾きの度合に応じた輝度集計値が棒グラフの根元部に裾広がり状に現れる。
続いてステップ10で行われる境界線の位置決定処理では、図6Fに示すように、例えば代表近似直線が輪郭線の一方となっている明領域20Dの輝度集計値の中間値を閾値とし、X軸と平行に閾値のラインSHをヒストグラム上に設定する。そして閾値のラインSHと、輝度集計値を表す各棒グラフの2点との交点から境界線位置のX座標を求める。このとき、暗→明の境界線のX座標はH1,H2,・・・とし、明→暗の境界線のX座標はL1,L2,・・・としておく。
次にステップS11の計数処理が行われる。計数処理では、パターンピッチの計数、境界線幅の計数の2種類が行われる。パターンピッチの計数に関しては、隣接ピッチの計測としてステップS10で求めた境界線位置H1とH2、H2とH3、・・のように隣接する境界線位置相互の距離を計測する。また、境界線位置H1とH3、H2とH4・・・のように2ピッチ相当分ごとの相互間を計測してから「2」で除し、さらには3ピッチ相当分、4ピッチ相当分も同様に計数して「3」,「4」で除してパターンピッチに関する多くの情報を得ることができ、これらの演算により第1,第2領域3B,3Cのパターンピッチ候補値を多数得ることができる。もちろん、境界線位置L1とH2、L2とH3の相互間を計測すれば、第1,第2領域3B,3Cのライン幅の計測を行うことができる。
以上の計数処理で得られたパターンピッチの候補値はエリアセンサ6Dの画素数に基づく値であるから、カメラの分解能(画素の配列ピッチ)を考慮してこれらの値を実際の長さに対応する値に変換しておく。そして、第1,第2領域3B,3Cのピッチは設計値が270μmであるから、実際のピッチの妥当な範囲として例えば±10%である「243μm〜297μm」を想定する。そして、ステップS11の計数処理で得られた複数のパターンピッチ候補値の中から、想定された範囲外のものを排除する異常値除外処理(ステップS12)を行った上でパターンピッチの平均値,最小値,最大値などを求めればよい。
一方、明領域20Dの線幅を求める場合には、ステップS11の計数処理において明→暗の境界線として求めたX座標L1,L2,・・・も用い、H1とL1、H2とL2をそれぞれ計測して線幅候補値とする。そして、例えば「4μm〜30μm」の範囲を想定幅とした上で、この想定幅から外れるものを線幅候補値から除外し、同様にして平均値,最小値,最大値などを求めればよい。さらには、境界線位置H1とH2、H2とH3、・・のように1ピッチ分ごとに計測した距離のいずれかが「243μm」未満であるような場合には、境界線位置H(n)/L(n)及びH(n+1)/L(n+1)の少なくとも一方を除外し、1ピッチ分の距離が増える方向に向かってH(n)/L(n)又はH(n+1)/L(n+1)の距離を複数求めるようにしてもよい。
こうして求められた値及び図6A〜図6Fに示す経過画像などは、その都度、画像表示部18に表示され確認することができる。また、エリアセンサカメラ6の撮像視野範囲に捉えられる第1,第2領域3B,3Cの本数は14〜15本とFPR3の幅方向の寸法と比較して格段に狭いので、FPR3の搬送を停止させた状態でエリアセンサカメラ6をFPR3の幅方向、例えばFPR3を幅方向に3等分した領域に移動して検査画像を取り込み、それぞれの個所ごとに検査結果を評価してもよい。
以上の処理の中で特徴的なことの一つは、図6Eに示す画像データそのものを利用して境界線位置を求めるのではなく、X軸の座標値を活かしつつ、明領域20Dの輝度集計値をヒストグラム化して用いる点にある。この処理を行うことによって、近似直線化処理やアフィン変換の誤差の影響を受けずにX座標上の境界線位置を抽出することができる。このような処理は、例えば近似直線化処理を行うときに、ギザギザ状の境界線を2〜数本の直線を繋いだ近似直線群に変換する処理を用いた場合にも有効である。
以上の処理は、エリアセンサカメラ6から得られた画像中に目立った欠陥部やノイズが重畳されていなかった場合についてのものであるが、例えば図7A〜図7Cに示すように、暗領域21B,21Cに欠陥やノイズなどが重畳された場合にも効果的である。図7Aは、X座標の左側から順に並ぶ暗領域21B,21C,21Bの中に、島状、点状、針状の明欠陥20X,20Y,20Zがある場合の画像を表す。これらのうち、明欠陥20X,20Y,20Zはいずれも閉じた領域となっているため、二値化処理及び近似直線化処理の後、それぞれ1ブロックとしてラベリングされる。しかし、いずれも最大ブロックに該当しないことが明らかであり、結局はそれぞれを含んでいる暗領域の画素数を明欠陥の画素数分減らすだけで、以後の処理には大きな影響をもたない。
図7Bの例では、針状の明欠陥20Zが明領域20Dxに連なっている。したがって、明領域20Dxに明欠陥20Zを加算した画素数がラベリングされる1ブロックの全画素数となる。しかし、暗領域21B,21Cに比して全画素数が少ないことが明らかで、以後の処理に大きな影響を与えることはない。また、図7Cに示すように、同様の針状の明欠陥20Zが明領域20Dyに交差する画像パターンであっても、暗領域21B,21Cに比して全画素数が少ないから、暗領域21B,21Cにこのような微小な明欠陥が含まれる場合であっても、最大ブロック定は暗領域のいずれかに選定される。したがって、図5に示すステップS6からステップS9までの一連の処理を適切に行う上では何ら支障がない。
さらに、図7に示す明欠陥20X,20Y,20Zによる影響は、それぞれの明欠陥の座標位置によらず、図6Fに示すヒストグラム中、該当する棒グラフの裾部分にわずかに重畳されるだけであることがほとんどである。よって、閾値ラインSHとの交点から境界線位置をX軸の座標値として求める際の大きな変動要因に可能性は低く、より現実的な値として境界線位置のX座標となるH1,L1,H2,L2・・・が特定できるようになる。
なお、明部が一連となった明領域に注目してラベリングを行うことも可能で、この場合には図7Aの明欠陥20X,20Y,20Zはいずれも微小ブロックになり、第1,第2領域3B,3Cの境界にある明領域20Dが最大ブロックとして選定される。よって、先に説明した暗領域が最大ブロックとして選定される場合とほぼ同様の結果となる。
一方、図7Bや図7Cに示す例では、明領域20Dx,20Dyが明領域の最大ブロックとして選定される可能性が高くなる。この場合には、図5におけるステップS4の近似直線化処理を行うと、明欠陥20Zの存在によって暗領域21B,21Cから明領域20Dx,20Dyを区画している一対の輪郭線の少なくとも一方が他の輪郭線とは異なった傾きになる可能性がある。しかし、その傾きの度合はわずかであり、そして図6Fに示すヒストグラム処理により、明欠陥20Zによる輝度集計値は棒グラフの裾部分に集まる。このため、図7Fにおける棒グラフを表す一対の境界線は、明領域20Dx,20Dyの基本的な一対の境界線から大きく隔たることはなく、信頼性が高い境界線位置が特定できる。
以上に説明した検査装置2は、FPR3の第1,第2領域3B,3Cがいずれもλ/4波長板として作用し、しかも遅相軸RAが互いにストライプパターンの延び方向(Y方向)に対して±45°の角度であることを条件にしている。この条件を満たすFPRについては、例えば図8に示す反射方式の検査装置を用いることも可能である。なお、図8では図2と共通の構成部材については同符号を用いた。光源部4からの光は照明光軸にしたがって第1偏光板7に入射する。第1偏光板7の透過軸はFPR3のストライプパターンに沿うY方向(紙面に垂直な方向)に対して45°傾けられている。他方の第2偏光板8は、ハーフミラーで反射されエリアセンサカメラ6に向かう撮像光軸上に配される。そして、その透過軸が第1偏光板7に対してクロスニコルの関係となるように設定される点は図1の実施形態と同様である。
第1偏光板7とFPR3との間には光軸9に対して45°傾けられたハーフミラー25が設けられ、FPR3を透過した光を再びFPR3に向けて反射する全反射型のミラー26が用いられている。ミラー26で反射した光は再びFPR3の裏面から入射して透過した後、ハーフミラー25で反射される。ハーフミラー25で反射した光は第2偏光板8を通ってエリアセンサカメラ6によって撮像される。もちろん、この実施形態でもエリアセンサカメラ6にはテレセントリック光学系を用いることが望ましい。
光源部4から放射された光は、第1偏光板7の作用でY方向に対し45°の偏光面をもつ直線偏光光になってハーフミラー25を透過し、FPR3に入射する。FPR3に形成された第1領域3Bの遅相軸は入射した直線偏光光の偏光面の向きに一致しているから、そのまま第1領域3Bに入射した光はそのまま透過する。一方、FPR3の第2領域3Cの遅相軸は入射してきた直線偏光光の偏光面と直交する関係となっているから、第2領域3Cに入射した光はそこで遮断され消光される。
FPR3の第1領域3Bを透過した光は偏光面をそのままの状態に維持したままミラー26で反射され、FPR3に裏面側から再入射する。再入射した直線偏光光の偏光面は最初の状態のままであるから、第1領域3Bをそのまま通過してハーフミラー25に向かい、そこで反射される。ハーフミラー25で反射された直線偏光光は、第1偏光板7に対してクロスニコル配置された第2偏光板8で遮断されることになる。結果的に、上述した第1実施形態と同様に、第1,第2領域3B,3Cの正常部分で光源部4からの光を遮断し、異常部分からの洩れ光に基づくFPR3の検査を行うことができる。
なお、検査時にはFPR3の同じ個所を往復で透過させることになるため、FPR3とミラー26とはできるだけ近接させて配置することが望ましい。また、図示した反射式の検査装置の場合には、ハーフミラー25に関して光源部4とエリアセンサカメラ6を入れ替え、さらには第1、第2偏光板7,8を含めて入れ替えた形でも機能的には共通である。
これまでの実施形態では、画像表示部18に表示される画像は暗領域21B,21Cが明領域20Dで交互に区分された画像であり、暗領域21B,21Cと第1,第2領域3B,3Cとの対応が一対一で識別できない。これを解決するには、例えば図4における第1偏光板7の透過軸P1の向きを、θ=+45°から傾き角を減らし、θ=+22.5°にずらすことで対応が可能となる。第1偏光板7の透過軸P1を+22.5°にすると、第1偏光板7を通過した光は偏光面が+22.5°の直線偏光光になる。偏光面22.5°の直線偏光光が、第1領域3B(遅相軸RA=+45°)と第2領域3C(遅相軸RA=−45°)を通過すると、第1,第2領域3B,3Cでそれぞれ異なる変調を受け、円偏光光にはならずに互いに楕円偏光となって出射する。
こうして第1,第2領域3B,3Cを通過した楕円偏光光は、第1,第2領域3B,3Cとで遅相軸の角度がそれぞれ異なるため、楕円偏光光の長軸の向きを互いに異ならせて出射する。そして、第2偏光板8を通過するときには楕円偏光の長軸の向きに応じて透過光量に差が生じ、第1,第2領域3B,3Cを通過した光は濃度差のある灰色光としてエリアセンサカメラ6で撮像される。また、第1,第2領域3B,3Cの境界部にはλ/4波長板の機能がないため明領域20Dとなって撮像されるから、濃度階調が異なる2種類のグレー領域が明領域20Dで区画された画像が得られ、グレー領域の濃度階調に応じていずれが第1,第2領域3B,3Cであるのかが識別可能となる。
また、第1,第2領域3B,3Cの一方だけを消光した態様で検査を行うには、第1偏光板7の透過軸を0°に設定し、偏光面0°にした直線偏光光を第1,第2領域3B,3Cの各々で右回り円偏光と左回り円偏光にして通過させる。そして、円偏光フィルタを用いていずれか一方の円偏光だけをエリアセンサカメラ6で撮像すればよい。撮像される画像は、第1,第2領域3B,3Cの一方だけが消光された暗領域となるが、2倍ピッチごとの計測が可能となる。
第1,第2領域3B,3Cの双方を画像表示部18で確認できるようにするには、例えば図9に示す検査光学系を用いることができる。図4に示す最初の実施形態に対し、第1偏光板7をY方向に関して上下に二分し、上側偏光板の透過軸P1aをθ=0°、下側偏光板の透過軸P1bをθ=+45°にする。さらに、第2偏光板8もY方向に関して上下に二分し、上側偏光板の透過軸P2aをθ=+90°、下側偏光板の透過軸P2bを−45°に設定する。また、FPR3と第2偏光板8との間に、FPR3の上半分だけを覆うように遅相軸RAの方向を+45°にした検査用のλ/4波長板27を設ける。なお、λ/4波長板27でFPR3が覆われていない下半分に関しては、図4に示す実施形態と同一構成の検査光学系となっている。
ラインセンサカメラ6によりFPR3を撮像すると、図10に示す画像が得られる。なお、図の簡略化のために、FPR3の第1,第2領域3B,3CがY方向と平行であることを仮定している。第1偏光板7の上側偏光板の透過軸P1aの向きにより、光源部4からの光は偏光面がY方向に一致した直線偏光光となってFPR3に入射する。そして、第1領域3Bを通った直線偏光光は右回り円偏光光、第2領域3Cを通った直線偏光光は左回り円偏光となって出射する。
これらの2種類の円偏光光は、遅相軸RAを+45°にしたλ/4波長板27に入射する。これにより、右回りの円偏光光は再び偏光面がY方向と一致する直線偏光光に戻されるのに対し、左回りの円偏光光はY方向に直交する直線偏光光に変換される。これらの直線偏光光は、透過軸P2aを90°にした第2偏光板8の上半分の作用により、第1領域3Bを通過した光は消光され、第2領域3Cを通過してきた光はそのまま透過してエリアセンサカメラ6で撮像される。
この結果、画像表示部18には、図10の上半分に示すように、第1領域3Bが暗領域21Bとして表示され、第2領域3Cは明領域21Cとして表示される。また、第1,第2領域3B,3Cの境界部に生じる明領域20Dは明領域21Cに連なるように表示される。一方、第1偏光板7の下半分を通過した直線偏光光は、図4の実施形態と同様に撮像され、図10の下半分に示すように第1,第2領域3B,3Cの双方が暗領域21B,21C、境界部分が明領域20Dとして撮像される。
この実施形態では、画像の下半分を対象領域として先の実施形態と同様な画像処理を施してパターンピッチや境界線の計測を行い、さらに画像の上半分を対象領域として濃度判定を行ってFPR3の第1,第2領域3B,3Cを的確に判別することができる。このように、一回の撮像で得た画像のみから境界線の正確な計測及びピッチ計測を行うことにより、効率的で信頼性の高い検査が可能となる。なお、光学系により画像を上下に分割してエリアセンサカメラ6で撮像するため、エリアセンサカメラ6の撮像光学系には画像の分割精度が高められるようにテレセントリック系を用いるのが望ましい。
以上、パターン位相差フィルタとして、第1,第2領域3B,3Cにλ/4波長板の機能をもたせたFPR3をもとに説明してきたが、パターン位相差フィルタとしては、例えば第1領域にのみλ/2波長板として機能する位相差膜が形成され、第2領域は光学異方性をもたない光透過域が設けられたものや、第1、第2領域3B,3Cに遅相軸を+22.5°、−22.5°に設定したλ/2波長板を設けたものであっても同様な検査を行うことができる。なお、エリアセンサカメラ6で検査画像を撮像した後は、同様の情報処理にて対応が可能であるので説明は省略する。
例えば第1領域3Bに遅相軸を+45°に設定したλ/2波長板を用い、第2領域に光学異方性をもたない光透過域が設けられたパターン位相差フィルタは、偏光面がY方向に直交して液晶ディスプレイから照射される画像光のうち、第1領域3Bを通過した直線偏光光は偏光面が90°回転し、第2領域3Cを通過した直線偏光光はそのままの偏光面でパターン位相差フィルタから出射する。したがって、観察用の偏光メガネは透過軸を0°、90°にした偏光板がそれぞれ左眼用、右眼用として組み合わされる。
このパターン位相差フィルタを検査するには、例えば図1における第1偏光板7の透過軸を+45°に設定し、第2偏光板8の透過軸を−45°に設定したクロスニコル配置にする。これにより、光源部4からの光は偏光面が+45°でパターン位相差フィルタに入射するから、第1、第2領域3B、3Cともそのままの偏光面でパターン位相差フィルタを通過する。そして、そのいずれもが第2偏光板8で遮断され、結果的に第1、第2領域3B、3Cとも消光された状態になるから、図6A以降の手順と同様の処理にて検査を行うことができる。また、第1偏光板7の透過軸を0°(Y方向に一致)にした場合には、第2偏光板8の透過軸を0°に設定すれば第2領域3Cのみを消光状態に、第2偏光板8の透過軸を90°に設定すれば第1領域3Bのみを消光状態にした検査を行うことができる。
また、第1、第2領域3B,3Cに遅相軸を+22.5°、−22.5°に設定したλ/2波長板を設けたパターン位相差フィルタの場合には、偏光面がY方向に直交して液晶ディスプレイから照射される画像光のうち、第1領域3Bを通過した直線偏光光は偏光面が+45°回転し、第2領域3Cを通過した直線偏光光は偏光面が−45°回転してパターン位相差フィルタから出射する。したがって、観察用の偏光メガネは透過軸を+45°、−45°にした偏光板がそれぞれ左眼用、右眼用として組み合わされる。
このパターン位相差フィルタを検査するには、例えば図1における第1偏光板7の透過軸を0°に設定し、第2偏光板8の透過軸を−45°又は+45°に設定しておく。これにより、光源部4からの光は偏光面が0°でパターン位相差フィルタに入射し、第1領域3Bからは偏光面が+45°の直線偏光光が出射し、第2領域3Cからは偏光面が−45°の直線偏光光が出射する。したがって、第2偏光板8の透過軸を+45°に設定しておけば第1領域3Bを明領域、第2領域3Cを暗領域として検査が可能となり、第2偏光板8の透過軸を−45°に設定しておけば明領域と暗領域とを逆転させた検査を行うことができる。なお、第2偏光板8の角度位置を切り替えできるようにしておけば、確認のために必要に応じて明暗を逆転させた検査も可能となり、検査の信頼性を高めることができる。
以上、図示した実施形態にしたがって説明してきたが、本発明を実施するにあたっては、パターン位相差フィルタの第1、第2領域に付与された位相差特性に応じて第1、第2偏光板の透過軸の方向は、適宜に最適な向きに設定すべきである。なお、図9に示すように各々の偏光板を区画し、区画ごとに透過軸の方向に差をもたせる場合も同様である。また、第1、第2偏光板を照明光軸や撮像光軸の回りに回転させ、あるいはこれらの光軸に対して垂直な面内で移動させる機能をもたせることによって、検査の信頼性をより向上させることもできる。
2 検査装置
3 FPR
3A 支持体
3B 第1領域
3C 第2領域
4 光源部
5 パスローラ
6 エリアセンサカメラ
6C 絞り
6D エリアセンサ
7 第1偏光板
8 第2偏光板
9 光軸
11 第1回転制御部
12 第2回転制御部
14 画像処理部
15 演算処理部
16 情報処理部
18 画像表示部
20D 明領域
21B,21C 暗領域
20X,20Y,20Z 欠陥部
25 ハーフミラー
26 ミラー
27 λ/4波長板
RA 遅相軸

Claims (18)

  1. 透明な支持体に互いに異なる位相差特性を有するライン状の第1領域と第2領域とが交互にストライプ状に配列されたパターン位相差フィルタを保持する保持部と、
    前記パターン位相差フィルタの一方の面に向けて光を照射する光源部と、
    前記光源部から照射された光の一部をパターン位相差フィルタの一方の面に通過させる第1偏光板と、
    前記第1偏光板を通過して前記パターン位相差フィルタの一方の面に入射し、前記パターン位相差フィルタの他方の面から出射した光のうち、前記第1領域及び第2領域との少なくともいずれかを通過した光を遮断して残りの光を通過させる第2偏光板と、
    前記第2偏光板を通過した光で形成される検査画像を撮像するエリアセンサカメラと、
    前記検査画像の明暗分布を評価して明暗の境界位置を算出し、前記第1領域又は第2領域のライン幅又はラインピッチ、もしくは第1領域と第2領域との境界部分に生じる境界線幅の少なくともいずれかを計測する情報処理部と、
    を有することを特徴とするパターン位相差フィルタの検査装置。
  2. 前記光源部、前記第1偏光板、前記パターン位相差フィルタ、前記第2偏光板、前記エリアセンサカメラが、順に一直線上に配列された請求の範囲第1項記載のパターン位相差フィルタの検査装置。
  3. 前記光源部の照明光軸と前記エリアセンサカメラの撮像光軸との交差位置にハーフミラー、前記パターン位相差フィルタの前記他方の面に対面して全反射ミラーが設けられ、
    前記ハーフミラーと前記光源部との間の撮像光軸上に第1偏光板、前記ハーフミラーと前記エリアセンサカメラとの間の照明光軸上に第2偏光板が設けられ、
    前記第1偏光板を通過して前記ハーフミラーを透過又は反射した光を前記パターン位相差フィルタの一方の面に入射させるとともに、前記パターン位相差フィルタの他方の面から出射した光を前記全反射ミラーの反射で再度パターン位相差フィルタの他方の面から入射させ、パターン位相差フィルタの前記一方の面から出射した光を前記ハーフミラーで反射又は透過させて前記第2偏光板に入射させる請求の範囲第1項記載のパターン位相差フィルタの検査装置。
  4. 前記第1偏光板及び第2偏光板の各々の透過軸の光軸回りの向きを調整する回転制御部を有する請求の範囲第1項又は第2項いずれか1項記載のパターン位相差フィルタの検査装置。
  5. 前記情報処理部は、前記エリアセンサカメラの画像を監視して前記第1又は第2領域の少なくとも一方が消光状態となるように前記回転制御部を作動させる請求の範囲第4項記載のパターン位相差フィルタの検査装置。
  6. 前記第1、第2偏光板の少なくとも一方が、前記エリアセンサカメラの撮像画面内で、透過軸の方向が異なる少なくとも2つの領域を有し、前記2つの領域の一方は前記パターン位相差フィルタの第1領域と第2領域との双方が消光状態となる条件に設定され、前記2つの領域の他方は前記第1領域と第2領域との間に濃度差が生じる条件に設定され、
    前記情報処理部は、前記2つの領域を通して得られた画像に基づいて前記第1領域と第2領域の判別を行うとともに、判別した前記第1領域と第2領域ごとのライン幅又はラインピッチ、もしくは第1領域と第2領域との境界部分に生じる境界線幅の少なくともいずれかを計測する請求の範囲第1項ないし第3項いずれか1項記載のパターン位相差フィルタの検査装置。
  7. 前記第1偏光板と前記パターン位相差フィルタとの間、又は前記パターン位相差フィルタと第2偏光板との間の少なくとも一方に、前記2つの領域のいずれかに重なるように位相差板を配置した請求の範囲第6項記載のパターン位相差フィルタの検査装置。
  8. 前記位相差板は、λ/4波長板もしくはλ/2波長板である請求の範囲第7項記載のパターン位相差フィルタの検査装置。
  9. 前記エリアセンサカメラは、テレセントリック系光学系を通して撮像する請求の範囲第1項記載のパターン位相差フィルタの検査装置。
  10. 前記情報処理部は、
    前記検査画像を2値化処理した後の明部と暗部との境界を表す折れ線を直線に近似する近似直線化処理と、
    前記近似直線化処理後の画像を解析し、撮像画面内の複数の明部又は暗部に含まれる画素数を前記ストライプ状パターン延長方向と平行な方向で個別に集計した画素数集計ヒストグラムを作成する画素数集計処理と、
    前記画素数集計ヒストグラム中の画素数集計グラフの幅に基づいて明部又は暗部の幅を計測する計数処理と、
    を順次に実行する請求の範囲第1項ないし第3項いずれか1項記載のパターン位相差フィルタの検査装置。
  11. 前記情報処理部は、
    前記近似直線化処理が行われた後に、近似された直線が囲む明部又は暗部に含まれる画素数が最大となる代表ブロックを選定し、前記代表ブロックの境界となった直線を代表近似直線に決定した後、前記代表近似直線を前記第1領域と第2領域とのストライプパターン延長方向に一致させるために前記代表ブロックとともに近似直線化処理後の画像を回転させる画像回転処理を行ってから前記画素数集計処理を実行する請求の範囲第10項記載のパターン位相差フィルタの検査装置。
  12. 前記情報処理部は、前記計数処理に際して、濃度の変化が明から暗、又は暗から明となる2種類の境界線を識別して計数する請求の範囲第10項又は第11項いずれか1項記載のパターン位相差フィルタの検査装置。
  13. 前記情報処理部は、前記計数処理で得られた境界線幅の計数値のうち、予め設定された範囲内の計数値を用いて前記パターン位相差フィルタの評価を行う請求の範囲第10項記載のパターン位相差フィルタの検査装置。
  14. 透明な支持体に互いに異なる位相差特性を有するライン状の第1領域と第2領域とが交互にストライプ状に配列されたパターン位相差フィルタの一方の面から第1偏光板を通過した光を照射し、前記パターン位相差フィルタの他方の面から出射した光を前記第1偏光板とは透過軸が異なる向きに設定された第2偏光板を通してエリアセンサカメラで撮像する検査画像の撮像ステップと、
    前記検査画像の明暗分布を評価して明暗の境界位置を算出し、前記第1領域又は第2領域のライン幅又はラインピッチ、もしくは第1領域と第2領域との境界部分に生じる境界線幅の少なくともいずれかを計測する情報処理ステップと、
    を有するパターン位相差フィルタの検査方法。
  15. 前記撮像ステップは、前記第1偏光板と第2偏光板とを光軸回りに回転させ、前記第1領域又は第2領域との少なくともいずれか一方を消光状態で撮像するために、それぞれの透過軸の向きを調整するステップを含む請求の範囲第14項記載のパターン位相差フィルタの検査方法。
  16. 前記情報処理ステップは、
    前記検査画像を2値化処理した後の明部と暗部との境界を表す折れ線を直線に近似する近似直線化処理と、
    前記近似直線化処理後の画像を解析し、撮像画面内の複数の明部又は暗部に含まれる画素数を前記ストライプ状パターン延長方向と平行な方向で個別に集計した画素数集計ヒストグラムを作成する画素数集計処理と、
    前記画素数集計ヒストグラム中の画素数集計グラフの幅に基づいて明部又は暗部の幅を計測する計数処理と、
    を含む請求の範囲第15項記載のパターン位相差フィルタの検査方法。
  17. 前記情報処理ステップは、
    前記近似直線化処理が行われた後に、近似された直線が囲む明部又は暗部に含まれる画素数が最大となる代表ブロックを選定し、前記代表ブロックの境界となった直線を代表近似直線に決定した後、前記代表近似直線を前記第1領域と第2領域とのストライプパターン延長方向に一致させるために前記代表ブロックとともに近似直線化処理後の画像を回転させる画像回転処理を行ってから前記画素数集計処理を実行する請求の範囲第16項記載のパターン位相差フィルタの検査方法。
  18. 前記情報処理ステップは、前記計数処理に際して、濃度の変化が明から暗、又は暗から明となる2種類の境界線を識別して計数する請求の範囲第17項記載のパターン位相差フィルタの検査方法。
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