JP5835541B2 - 水中油型乳化基剤及び化粧料 - Google Patents
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Description
化粧料、外用医薬品では、このような変質し易い天然油脂類は、酸化防止剤と併用して微量使用するのが一般的である。最近でもアスコルビン酸などの誘導体を使用し、魚臭の戻り臭を改善するという特許が公開されている。(特開2010−81802)、また最近では酸化されやすい薬剤を液晶、ゲル中に閉じ込めて、酸化抑制する事が検討されている(特開2009−155326、特開2010−18536)。しかしこれらの方法も変化し易い物質を特定し、ある限られた組成の液晶、ゲルによって達成できるというものである。
本発明は天然油脂の鹸化組成物を主として使用し、オレイン酸を少量併用しても良い。特定のグリセリン脂肪酸エステル、特定の高級アルコールを次に示すような範囲で組み合わせる事で課題が解消された。
本発明でいう水中油型乳化基剤とは天然油脂の鹸化組成物とオレイン酸、及び特定のグリセリン脂肪酸エステル、特定の高級アルコールからなるエマルションである。製造法を規定するものでは無いが、天然油脂の鹸化組成物、もしくはオレイン酸の水溶液を加温して均一溶液とし、ここに良く撹拌しながら、グリセリン脂肪酸エステル、もしくは高級アルコールを加えて得られる。この水中油型乳化基剤は乳化力、洗浄力に優れ、一般的に化粧品、医薬品で使われる油脂類、活性成分、動植物抽出物、紫外線吸収剤、低級アルコール、中級アルコール、保湿剤、防腐剤などを加えて、各種の洗浄剤、エマルション、頭髪化粧品、皮膚用化粧品、軟膏などを作る事が出来る。
オレイン酸は鹸化促進剤、外観調整、感触改善の目的で使用し、使用量は天然油脂の鹸化組成物に対して30%以下、好ましくは10%以下である。
(処方)
オリーブ油 40%
オレイン酸 1
苛性ソーダ 2.5
精製水で バランス
本発明でいう臭いを抑制してなるエマルションとは、染毛剤、ウェーブ剤、飼料用エマルション、臭いを嫌う農薬、害虫駆除剤、昆虫忌避剤などのエマルションである。
オリーブ油の鹸化組成物を下記のようにして作成した。
(処方)
オリーブ油 25%
オレイン酸 1
苛性カリ 4
精製水 70
(作成法)
オリーブ油、オレイン酸を80℃に加熱し、これをホモミキサーで攪拌しながら、苛性カリを精製水に溶解し、同温度に加温してこれを少しずつ加えて乳化した。これを30分間、攪拌しながらゆっくり冷却して、半透明で均一なオリーブ油鹸化組成物水溶液を得た。
上記のオリーブ油の鹸化組成物水溶液を使用して、ここに高級アルコールを併用して乳化基剤を作成した。この基剤の分離、着色などの外観、臭気抑制能などの経時変化と泡立ちを検討した。
(処方)
オリーブ油の鹸化組成物水溶液(純分30%) 30%
セタノール 所定量
防腐剤 適量
精製水 バランス
(作り方)
オリーブ油鹸化組成物水溶液、セタノールを60℃にて良く攪拌混合し、均一溶液とした後、防腐剤、精製水を加えた。攪拌しながら室温まで冷却し、これを試料とした。
安定性:得られたエマルションを40℃恒温槽に10日間放置し、分離などの有無を肉眼で、臭気を官能で調べた。○:変化なし、△:僅か変化あり、×:変化ありとした。
泡立ちは乳化基剤の1%水溶液を試験管に取りこれを手振りして泡立ちの比較をした。オリーブ油鹸化組成物を基準にして、優れる:◎、同等:○、劣る:△とした。
(結果)
セタノール量と結果を表1に、高級アルコールと脂肪酸モノグリセライドとの関係を表2に示した。
セタノールが増加するにつれて安定性が増した。泡立ちはセタノールの配合により、オリーブ油鹸化組成物(水分を除した純分)に対してほぼ同量付近で改善された。またセタノールがオリーブ油鹸化組成物(水分を除した純分)の3倍量を超えると結晶化し不安定化した。また表2では炭素数12以上の脂肪酸モノグリセライドは高級アルコールと同様な効果を示した。
(処方)
A)
オリーブ油鹸化組成物水溶液 30%
セタノール 所定量
B)
防腐剤 適量
精製水 30
C)
スクワレン 10
D)
乳酸 適量
精製水 バランス
(作成法)
実施例1に準じて作成したオリーブ油鹸化組成物水溶液とセタノールを60℃でよく混合した。ここに60℃に加温したB)成分を加えてよく攪拌して乳化基剤を作成した。これを冷却して40℃でC)成分を加えよく攪拌した。これを室温まで冷却して、D成分を加えてPHを6に調節した。
乳化力:乳化基剤にスクワレンを攪拌しながら加えて得られたエマルションの状態を肉眼評価した。半透明のゲル状態を○、白色エマルション状態を○、直後分離を×とした。
着臭:得られたエマルションを40℃恒温槽に10日間放置し、臭気を官能で調べた。全くの無臭を◎、僅か臭いを感じる○、酷い臭い×とした。
(結果)
セタノールの量と結果を表3に示した。また他の高級アルコールとの関係を表4に示した。セタノールがオリーブ油鹸化組成物(水分を徐した純分)に対して4/9を超えると優れた乳化力を示し、臭気抑制能も発現した。セタノールが24/9を超えると乳化力、臭気抑制能も減少傾向であった。表4では炭素数が10の高級アルコールでは十分な経時安定化効果が劣り、炭素数12以上の飽和高級アルコールがセタノールと同様な優れた効果を示した。また同じ炭素数でも液状のイソステアリルアルコールはオレイルアルコールよりも良好な結果を示した。
実施例2と同様な条件で試料を作成し、エマルションの水分蒸散抑制能と経時安定性を検討した。
(処方)
A)
オリーブ油の鹸化組成物水溶液 30%
高級アルコール 所定量
B)
防腐剤 適量
精製水 30
D)
スクワレン 10
乳酸 適量
精製水 バランス
(作り方)
実施例2と同様にして試料を作成した。
臭気の有無:実施例1と同様にして評価した。
水分蒸散抑制能の評価:ガラス瓶に試料を塗布した濾紙を張り、ガラス瓶内にある精製水が一定温度、一定湿度下、12時間後で、どの程度蒸発抑制が成されているかを測定した。水分蒸散抑制能はろ紙に何も塗布していない場合の蒸発量0、試料を塗布した時の蒸発量xとして、次の式で求めた。
(蒸発量0−蒸発量x)/蒸発量0×100=水分蒸散抑制能(%)
(結果)
オリーブ油鹸化組成物(水分を徐した純分)に対して、高級アルコールを6/9以上加えた実施例について、良好な水分蒸散抑制能が得られた。高級アルコールの炭素数が増加するに連れて、良好な水分蒸散抑制能を示した。
A)
サンフラワー油の鹸化組成物水溶液 25.0%
ベヘニルアルコール 5.0
B)
尿素 5.0
グリセリン 10.0
クエン酸 0.1
ヒアルロン酸 0.02
防腐剤 適量
精製水 25.0
C)
スクワレン 3.0
D)
乳酸 適量
精製水で バランス
(作成法)
サンフラワー油鹸化組成物水溶液は実施例1と同様にして、オリーブ油をサンフラワー油に変えて作成した。A)成分を60℃で良く攪拌して均一なゲルとし、攪拌しながらここに50℃でB)成分,C)成分を均一溶解させて添加した。攪拌しながら室温まで冷却して、D)成分を加えてPHを6に調整した。
肌荒れ修復効果に優れた、感触の良いハンドクリームが得られた。本品は40℃に10日間放置し、発臭、着色など外観に変化は見られなかった。
サンフラワー油の鹸化組成物水溶液 20.0%
セタノール 5.0
B)
リノール酸 0.1
スクワレン 3.0
ホホバ油 2.0
C)
キサンタンガム 0.1
塩化カルシューム 0.1
塩化マグネシューム 0.1
グリセリン 5.0
オクタンジオール 1.0
精製水 20.0
D)
乳酸 適量
精製水 バランス
(作成法)
サンフラワー油鹸化組成物水溶液は実施例1と同様にして、オリーブ油をサンフラワー油に変えて作成した。A)成分を60℃でよく攪拌して均一とし、50℃でB)成分を加えて良く攪拌し、更にC)成分を加えて良く攪拌し、室温まで冷却した。室温にてD)成分を加えてPHを6に調整した。
A)
椿油の鹸化組成物水溶液 30%
エイコサノール 8
B)
オクトキシメトキシケイ皮酸オクチル 7
ホホバ油 3
C)
精製水 20
還元澱粉 3
グリセリン 5
水溶性コラーゲン 1
防腐剤 適量
D)
乳酸 適量
精製水 バランス
(作成法)
椿油の鹸化組成物水溶液は実施例1と同様にして作成した。A)成分を60℃にて良く攪拌して均一なゲルとした。ここにB)成分,C)成分を加えて乳化して室温まで冷却した。室温でD)成分を加えてPHを6に調整した。
耐水性に優れ、SPF18の高い紫外線防御能を有した。また本試料を40℃に10日間放置し、発臭、着色など外観に変化は見られなかった。
A)
オレイン酸 2.0%
サンフラワー油の鹸化組成物水溶液 20.0
セタノール 6.0
グリセリンモノベヘニン酸エステル 1.0
B)
精製大豆レシチン 0.1
グリセリン 10.0
アルギン酸 0.4
防腐剤 適量
精製水 10.0
C)
スクワレン 10.0
D)
乳酸 中和量
精製水 バランス
(作成法)
A)成分を60℃でよく攪拌し、ここに同温度に加温したB)成分を加えて均一溶液とした。これを冷却して40℃でC)成分を加えて乳化した。攪拌しながら室温まで冷却してD)成分を加えてPH6に調整した。
得られたエマルションは伸びも良く、しっとりした感触で、優れた水分蒸散抑制能を有し肌荒れ修復効果が認められた。
本試料を40℃に10日間放置しても、発臭、着色など外観に変化は見られなかった。
A)
サンフラワー油の鹸化組成物水溶液 30%
オレイン酸 3
ステアリン酸モノグリセリド 1
ベヘニルアルコール 6
B)
アルギン酸 1
尿素 20
クエン酸 1
グリセリン 10
エリスリトール 5
ビタミンB6 0.2
防腐剤 適量
精製水 15
C)
スクワラン 5
ホホバ油 3
D)
乳酸 適量
精製水 バランス
(作成法)
サンフラワー油の鹸化組成物水溶液は実施例1と同様にして作成した。A)成分を70℃にて良く攪拌して均一に溶解した。50℃で均一溶液にしたB)成分を加え、更にC)成分を加えて乳化した。攪拌を続けて室温まで冷却して、D)成分を加えてPH6に調整した。
本試料を40℃に10日間放置しても、発臭、着色など外観に変化は見られなかった。また感触も良く、肌荒れ修復能に優れていた。
オリーブ油の鹸化組成物水溶液、ひまし油の鹸化組成物水溶液は実施例と同様にして作成した。全ての原料を同一容器に計り取り、60℃にて良く攪拌し、室温まで冷却して半透明ゲル状の石鹸を得た。
処方と結果を下表に示す。
実施例の試料は良好な泡立ちを示した。試料を40℃に10日間放置したところ、比較例は着色し、酷く臭うのに対し、実施例では発臭、着色など外観に変化は見られなかった。
A)
茶実油の鹸化組成物水溶液 50%
ラウリルアルコール 15
グリセリン 10
B)
精製水 バランス
(作成法)
茶実油の鹸化組成物水溶液は実施例1と同様にして作成した。夫々の原料を容器に計り取り、80℃にて良く攪拌して均一溶液とした。同温度でA)成分、B)成分を良く混合、攪拌し、これを室温まで冷却して半透明で粘性のある液体石鹸を得た。
泡立ちに優れ、洗浄後の感触に優れた洗浄剤が得られた。また40℃に10日間放置し、
発臭、着色など外観に変化は見られなかった。
A)
椿油の鹸化組成物水溶液 20%
セタノール 10
オリーブスクワラン 5
B)
精製水 20
染料 3
C)
防腐剤 適量
精製水 バランス
D)
アンモニア(28%) 6
(作成法)
A)成分を60℃に加温して十分攪拌し、ここに同温度に加温して均一に溶解したB)成分を加えて十分攪拌して乳化した。冷却して室温でC)成分、D)成分を混合して試料を得た。
アンモニア臭が著しく低減し、染色性に優れた染毛剤が得られた。また本試料は40℃に10日間放置し、発臭、着色など外観に変化は見られなかった。
A)
椿油の鹸化組成物水溶液 30.0%
オレイン酸 1.0
セタノール 8.5
B)
安息香酸 1.0
精製水 20.0
C)
ドコサヘキサエン酸 4.0
D)
乳酸 適量
精製水 バランス
(作成法)
A)成分を60℃に加温して十分攪拌し、冷却して40℃加温して均一に溶解したB)成分、更にC)成分を加えて十分攪拌して乳化した。冷却して室温でD)成分を加えてPHを6.5に調整した。
本試料を40℃に10日間放置しても、発臭、着色など外観に変化は見られなかった。
A)
キャンデリラワックス 1.0%
椿油の鹸化組成物水溶液 20.0
ベヘニルアルコール 6.0
B)
安息香酸 0.1
ソルビトール 5.0
精製水 10.0
C)
椿油 5.0
D)
乳酸 適量
精製水 バランス
(作成法)
A)成分を80℃に加温して攪拌して均一溶液とし、冷却して50℃で同温度に加温して均一に溶解したB)成分、C)成分を加えて十分攪拌して乳化した。冷却して室温でD)成分を加えてPHを6に調整した。
本試料を40℃に10日間放置しても、発臭、着色など外観に変化は見られなかった。また感触も良く、艶のある自然な整髪性を示した。
Claims (7)
- ▲1▼オレイン酸を70%以上含む 又は、リシノレイン酸を70%以上含む天然植物油にオレイン酸を添加して鹸化してなる組成物、
▲2▼オレイン酸を70%以上含む 又は、リシノレイン酸を70%以上含む天然植物油にオレイン酸を添加して鹸化してなる組成物にグリセリン脂肪酸エステルを添加した組成物、
▲3▼オレイン酸を70%以上含む 又は、リシノレイン酸を70%以上含む天然植物油にオレイン酸を添加して鹸化してなる組成物に高級アルコールを添加した組成物、
▲4▼オレイン酸を70%以上含む 又は、リシノレイン酸を70%以上含む天然植物油にオレイン酸を添加して鹸化してなる組成物にグリセリン脂肪酸エステルと高級アルコールを添加した組成物、
上記の▲1▼から▲4▼のいずれかからなり、次に示す比率で配合してなる経時安定性に優れた水中油型乳化基剤。
(配合):上記の天然植物油の鹸化組成物(水分を除したもの)、の総量を1として、これに対して動植物由来の高級アルコール、及び動植物由来のグリセリン脂肪酸エステルの総量が3から0.3(重量比)である水中油型乳化基剤。 - 天然植物油を鹸化してなる組成物の構成脂肪酸はオレイン酸、もしくはリシノレイン酸を70%以上含有し、グリセリン脂肪酸エステルの炭素数が12以上の動植物由来の高級脂肪酸を含むものである請求項1記載の乳化基剤。
- 炭素数が12以上の飽和高級アルコール、飽和グリセリン脂肪酸エステルを含むものである請求項1、2のいずれかに記載の水中油型乳化基剤。
- 請求項1、2、3のいずれかに記載の水中油型乳化基剤を含む事を特徴とする皮膚、毛髪用洗浄剤。
- 請求項1、2、3のいずれかに記載の水中油型乳化基剤を、乳化剤として使用する事を特徴とする水中油型皮膚外用剤、頭髪化粧料。
- 請求項1、2、3のいずれかに記載の水中油型乳化基剤を乳化剤として使用してなる臭いの抑制能を有するエマルション。
- 請求項1、2、3のいずれかに記載の水中油型乳化基剤を乳化剤として使用する事を特徴とする弱酸性の水中油型皮膚外用剤、頭髪化粧料。
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| JP2010294776A JP5835541B2 (ja) | 2010-12-22 | 2010-12-22 | 水中油型乳化基剤及び化粧料 |
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