JP5848329B2 - ガラス板の製造方法及びガラス板製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス板の製造方法及びガラス板製造装置に関する。
従来、ダウンドロー法等の種々の方法を用いてガラス板を製造する方法がある。例えば、ガラス板を製造する1つの方法であるオーバーフローダウンドロー法では、まず、成形炉内に配置される成形体に溶融ガラスが供給される。そして、供給された溶融ガラスを成形体からオーバーフローさせる。そして、オーバーフローさせた溶融ガラスを成形体の下端部で合流させて連続したシート状のガラス(シートガラス)を成形する。なお、成形体の下端部で合流したシートガラスは、さらに下方に搬送され、徐冷炉で徐冷される。そして、徐冷されたシートガラスは、切断空間において所望の大きさに切断され、ガラス板となる。
ガラス板を製造する場合、所定の品質を満たすガラス板を安定して生産することが求められる。例えば、特許文献1に開示の技術では、オーバーフローダウンドロー法を用いてガラス板を製造する場合、成形炉及び/又は徐冷炉の外方空間の気圧を加圧することによって、徐冷炉内のシートガラスに沿って発生する上昇気流を低減し、徐冷炉内の温度変動を抑制している。そして、これにより、平面歪を低減している。
特開2009−173525号公報
しかし、成形炉及び/又は徐冷炉の外方空間の気圧を加圧するだけでは、所定の品質を満たすガラス板を安定して生産することが十分にできないという問題がある。例えば、成形炉や徐冷炉内のシートガラスや、ガラス板へのパーティクル付着を十分に抑制できないという問題がある。パーティクルがガラス板に付着すると、ガラス板に傷などを発生させてしまうという問題がある。また、近年は、ガラス板の大型化に伴い、ガラス板の最終加工工程(研磨、梱包など)や、ディスプレイ製造工程におけるガラス板のたわみ量が大きくなっている。そのため、パーティクルに起因したガラス板の傷が原因となって、ガラス板の最終加工工程やディスプレイ製造工程において、ガラス板が破損してしまうという問題が顕著となっている。
そこで、本発明では、上記のような問題を解決し、ガラス板の所定品質を満たした安定した生産が可能な、ガラス板の製造方法及びガラス板の製造装置を提供することを課題とする。
本発明の第1の態様は、ガラス板の製造方法である。当該製造方法は、ガラス原料を溶解して溶融ガラスとする溶解工程と、前記溶融ガラスを、成形炉の炉壁である成形炉壁によって囲まれる成形空間に配置される成形体に、供給する供給工程と、ダウンドロー法を用いて前記成形体において溶融ガラスからシートガラスを成形する成形工程と、前記シートガラスを、前記成形空間の下方に位置する空間であり、前記徐冷炉の炉壁である徐冷炉壁によって囲まれる徐冷空間において徐冷する徐冷工程と、徐冷された前記シートガラスを、前記徐冷炉の下方に位置する切断空間において切断してガラス板とする切断工程と、を有する。
前記成形空間、前記徐冷空間、及び前記切断空間を収容する建物の内壁面と前記成形炉壁の外面と前記徐冷炉壁の外面とによって画された建物内空間内の、前記切断空間の上方に位置する炉外部空間の気圧が、前記建物の外方の気圧に対して大きくなるように、気圧制御が行われている。前記炉外部空間は、前記徐冷空間内の前記シートガラスの温度が(徐冷点温度+5℃)〜(歪点温度−50℃)となる部分を含む空間の前記徐冷炉壁の外側に位置する徐冷炉外部空間を含む。前記気圧制御では、炉外部空間の気圧をP1とし、建物の外方の気圧をP2とした場合、0<P1−P2≦40Paの関係が成立するように、前記炉外部空間の気圧が制御されている。
本発明の第2の態様は、ガラス板の製造装置である。当該製造装置は、溶融ガラスからシートガラスを成形する成形空間を、成形炉壁によって囲むことで形成する成形炉と、前記成形炉の下方に位置するように、前記シートガラスを徐冷する徐冷空間を、徐冷炉壁によって囲むことで形成する徐冷炉と、前記徐冷炉の下方に位置する切断空間に配置され、徐冷された前記シートガラスを切断する切断装置と、前記成形空間、前記徐冷空間、及び前記切断空間を収容する建物の内壁面と前記成形炉壁の外面と前記徐冷炉壁の外面とによって画された建物内空間内の、前記切断空間の上方に位置する炉外部空間の気圧が、前記建物の外方の気圧に対して大きくなるように気圧制御を行う制御手段と、を含む。前記炉外部空間は、前記徐冷空間内の前記シートガラスの温度が(徐冷点温度+5℃)〜(歪点温度−50℃)となる部分を含む空間の前記徐冷炉壁の外側に位置する徐冷炉外部空間を含む。前記気圧制御手段は、炉外部空間の気圧をP1とし、建物の外方の気圧をP2とした場合、0<P1−P2≦40Paの関係が成立するように、前記炉外部空間の気圧を制御する。
また、好ましい第2の形態として、気圧制御では、切断空間の気圧をP3とした場合、0<P3−P2≦40Paの関係が成立するように、切断空間の気圧がさらに制御されている。
また、好ましい第3の形態として、気圧制御では、徐冷空間の気圧が切断空間の気圧に対して大きくなるように、切断空間の気圧が制御されている。
また、好ましい第4の形態として、気圧制御では、炉外部空間の気圧がシートガラスの流れ方向の上流側ほど大きくなるように、炉外部空間の気圧が制御されている。
また、好ましい第5の形態として、前記徐冷工程あるいは前記徐冷空間では、前記シートガラスの幅方向の中央部において、シートガラスの流れ方向に張力が働くように、
少なくとも、前記シートガラスの幅方向の中央部の温度がガラスの徐冷点温度に150℃を足した温度からガラスの歪点温度から200℃引いた温度となる温度領域において、前記シートガラスの幅方向の中央部の冷却速度が前記幅方向の両端部の冷却速度よりも速くなるように温度制御が行われる。
また、好ましい第6の形態として、前記成形工程あるいは前記成形空間では、前記シートガラスの幅方向の中央部の温度がガラスの軟化点温度以上の領域において、前記シートガラスの幅方向の両端部が前記両端部に挟まれた中央部の温度より低く、且つ、前記中央部の温度が均一になるように前記シートガラスの温度が制御される。さらに、前記徐冷工程あるいは前記徐冷空間では、前記シートガラスの幅方向の中央部において、シートガラスの流れ方向の張力が働くように前記シートガラスの前記中央部の温度がガラスの軟化点温度未満、ガラスの歪点温度以上の領域において、前記シートガラスの幅方向の温度分布が前記中央部から前記両端部に向かって低くなるように前記シートガラスの温度が制御される。さらに、前記シートガラスの前記中央部の温度がガラスの歪点温度となる温度領域において、前記シートガラスの幅方向の前記両端部と前記中央部との温度勾配がなくなるよう前記シートガラスの温度が制御される。
第6の形態では、前記温度を制御するための温度調整ユニットが、前記成形空間及び前記徐冷空間からなる炉内空間に設けられるとよい。
また、好ましい第7の形態として、前記徐冷工程あるいは前記徐冷空間では、前記シートガラスの幅方向の中央部において、シートガラスの流れ方向の張力が働くように前記シートガラスの前記中央部の温度がガラスの歪点温度未満の領域において、前記シートガラスの前記両端部から前記中央部に向かって低くなるように前記シートガラスの温度が制御される。
また、好ましい第8の形態として、前記徐冷工程あるいは前記徐冷空間では、前記シートガラスを搬送する送りローラのうち、前記シートガラスの温度がガラスの徐冷点温度となる位置よりも下流側に設けられた送りローラの周速度を、前記シートガラスの温度がガラスの転移点温度以上ガラスの軟化点温度以下となる温度領域に設けられた送りローラの周速度よりも0.03〜2%速くする。
前記第1〜第8の好ましい形態のそれぞれは、上述した第1の態様のガラス板の製造方法及び第2の態様のガラス板の製造装置のそれぞれに適用でき、さらに、前記第1〜第8の好ましい形態の少なくとも2つを組み合わせた複合形態についても、第1の態様のガラス板の製造方法及び第2の態様のガラス板の製造装置のそれぞれに適用できる。
本発明では、ガラス板にパーティクルが付着することを抑制することが可能である。
本実施形態に係るガラス板の製造方法の一部のフローチャート。 ガラス板製造装置に含まれる溶解装置を主として示す模式図。 建物の内部を示す模式図。 成形装置の概略の側面模式図。 建物内空間を説明するための建物の内部を示す模式図。 制御装置の制御ブロック図。 変形例1Aに係る建物の内部を示す模式図。 変形例1Fに係る建物の内部を示す模式図。
本明細書における下記語句は、以下のように定める。
シートガラスの中央部とは、シートガラスの幅方向の幅のうちシートガラスの幅方向の中心をいう。
シートガラスの端部とは、シートガラスの幅方向の縁から100mm以内の範囲をいう。
歪点温度とは、ガラス粘度をηとしたとき、logηが14.5であるガラス板の温度をいう。
徐冷点温度とは、logηが13のガラスの温度をいう。
軟化点温度とは、logηが7.6のガラスの温度をいう。
ガラス転移点温度は、過冷却液体がガラス状態に変わるときのガラスの温度をいう。
本発明の発明者は、成形炉及び/又は徐冷炉の外方空間の気圧を加圧するだけでは、十分に安定した生産を実現できない原因が、建物内と建物の外方との間の気圧の大小関係にあることを見出した。より詳細には、ガラス板の品質を低下させる原因が、建物内の気圧が建物外方の気圧よりも小さい場合に、建物外方から建物内に空気が流入することであることを見出した。ここで、建物外方から建物内に空気が流入することを防止するには、建物の気密性を高めることが考えられるが、建物の隙間を完全になくし、気密性を完全にすることは極めて困難である。空気は気圧が高い方から低いほうに流れるため、建物内の気圧が建物外方の気圧よりも小さい場合は、建物外方の空気が、建物の隙間などを介して建物内に流入してしまう。この建物の隙間などを介して建物外方から流入する空気が、ガラス板へのパーティクル付着や、成形炉や徐冷炉内の温度制御の精度低下を引き起こすため、所定の品質を満たしたガラス板を安定して生産することができない。そこで、本発明の発明者は、ガラス板のパーティクルの付着の問題を解決するためには、建物内の気圧を、建物外方の気圧よりも高くすることで、建物外方の空気が建物内に流入することを抑制すればよいという知見を得た。また、成形炉や徐冷炉内の温度制御の精度低下を抑制するためには、建物内の気圧と建物外方の気圧との差を制御すればよいという知見を得た。
以下、図面を参照しながら、本実施形態のガラス板製造装置100を用いてガラス板を製造するガラス板の製造方法について説明する。
(ガラス板の製造方法の概要)
図1は、本実施形態に係るガラス板の製造方法の一部のフローチャートである。以下、図1を用いてガラス板の製造方法について説明する。
ガラス板は、建物B内において各種の工程を経ることにより、製造される。具体的には、ガラス板は、図1に示すように、溶解工程ST1と、清澄工程ST2と、均質化工程ST3と、供給工程ST4と、成形工程ST5と、徐冷工程ST6と、切断工程ST7とを含む種々の工程を経て製造される。以下、これらの工程について説明する。
溶解工程ST1では、ガラス原料を加熱して溶解することにより溶融ガラスとする。清澄工程ST2では、溶融ガラスを清澄する。均質化工程ST3では、溶融ガラスを均質化する。
供給工程ST4では、溶融ガラスを成形する成形装置300(図2参照)に供給する。成形工程ST5では、溶融ガラスをシート状のシートガラスSGに成形する。溶融ガラスは、ダウンドロー法、特にオーバーフローダウンドロー法によりシート状のシートガラスSGを成形することが好ましい。徐冷工程ST6では、成形工程ST5で成形されたシートガラスSGを徐冷する。切断工程ST7では、徐冷されたシートガラスSG(図3参照)を、所定の長さ毎に切断してガラス板G(図3参照)とする。
なお、所定の長さ毎に切断されたガラス板Gは、その後、さらに切断されて、研削・研磨、洗浄、検査が行われてガラス板(記号を付与せず単にガラス板と表現するものは、最終的に製造されたガラス板を意味している)となる。
(ガラス板製造装置100の概要)
図2は、ガラス板製造装置100に含まれる溶解装置200を主として示す模式図である。図3は、ガラス板製造装置100に含まれる各種の装置等が収容され、あるいは取り付けられた建物Bの内部の模式図である(なお、図3では、成形装置300や成形炉40及び徐冷炉50等を概略の断面模式図によって示す)。以下、ガラス板製造装置100について説明する。
ガラス板製造装置100は建物B内に配置され、主として、溶解装置200と、成形装置300と、切断装置400とを有する。
(溶解装置200の構成)
溶解装置200は、溶解工程ST1、清澄工程ST2、均質化工程ST3、及び、供給工程ST4を行うための装置である。溶解装置200は、図2に示すように、溶解槽201、清澄槽202、攪拌槽203を有する。
溶解槽201は、ガラス原料を溶解するための槽である。溶解槽201では、溶解工程ST1を行う。清澄槽202は、溶解槽201で溶解された溶融ガラスから泡を除去するための槽である。清澄槽202では、清澄工程ST2を行う。攪拌槽203は、溶融ガラスを攪拌する。攪拌槽203では、均質化工程ST3を行う。熔解槽201、清澄槽202、攪拌槽203、及び成形装置300との間は、第1配管204や第2配管205を含むガラス供給管で接続されている。
(成形装置300の構成)
図4は、成形装置300の概略の側面図である。図5は、建物内空間Sを説明するための建物Bの内部を示す模式図である。
成形装置300は、成形工程ST5、及び、徐冷工程ST6を行うための装置である。
成形装置300は、主に、成形体310と、雰囲気仕切り部材320と、冷却ローラ330と、冷却用温度調整ユニット330aと、送りローラ340a〜340hと、温度調整ユニット350a〜350g(図4参照)とを有する。
以下、これらの構成について説明する。
(成形体310)
成形体310は、図3に示すように、成形装置300の上方部分に位置し、溶解装置200から流れてくる溶融ガラス(図3,4において符号MGで示す)を、シート状のシートガラスに成形する機能を有する。成形体310は、垂直方向に切断した断面形状が楔形形状を有し、レンガにより構成されている。
(雰囲気仕切り部材320)
図3や図4に示すように、雰囲気仕切り部材320は、成形体310の下端部313の近傍に配置される板状の部材である。雰囲気仕切り部材320は、成形体310の下端部313で合流して第1方向の下流側に流れる溶融ガラスの厚み方向の両側に、略水平に配置されている。雰囲気仕切り部材320は、断熱材として機能する。すなわち、雰囲気仕切り部材320は、その上下の空間を仕切ることにより、雰囲気仕切り部材320の上側から下側への熱の移動を抑制している。
(冷却ローラ330)
冷却ローラ330は、雰囲気仕切り部材320の下方に配置されている。また、冷却ローラ330は、成形体310の下端部313で合流して第1方向の下流側に流れる溶融ガラスの厚み方向の両側、且つ、その幅方向の両側部分の近傍に配置されている。冷却ローラ330は、成形体310の下端部313で合流した溶融ガラスの幅方向の両側部分に接触することにより、当該溶融ガラスを冷却する。より具体的には、冷却ローラ330は、溶融ガラスを第1方向の下流側に引き下げることで、所望の厚さにシートガラスSGを成形すると共に冷却する。なお、本明細書では、シートガラスSGが流れる方向を第1方向と呼ぶ。
ここで、成形体310と、雰囲気仕切り部材320と、冷却ローラ330とは、成形空間S1(図5の左斜め斜線に示す空間)に配置されている。成形空間S1とは、成形炉40の炉壁である成形炉壁41の内面と仕切り部材42の上面を含む平面FS1とによって囲まれる空間である。なお、仕切り部材42とは、成形炉40(成形炉壁41の第1方向の下流端)と後述する徐冷炉50(後述する徐冷炉壁51の第1方向の上流端)とを仕切る部材であり、例えば、平板形状の部材が用いられる。成形炉壁41とは、成形炉40の炉壁であり、第1方向に沿って切断した断面形状がコの字形状を有する。成形炉40内において、成形工程ST5が行われる。成形空間S1及び後述する徐冷空間S2からなる空間を炉内空間という。
(送りローラ340a〜340h)
送りローラ340a〜340hは、冷却ローラ330の下方に、第1方向に所定の間隔
をもって配置される。また、送りローラ340a〜340hは、それぞれ、シートガラスSGの厚み方向の両側に配置される。送りローラ340a〜340hは、シートガラスSGを第1方向の下流側に牽引する。
(温度調整ユニット350a〜350g、冷却用温度調整ユニット330a)
温度調整ユニット350a〜350gは、シートガラスSGの温度、正確にはシートガラスSGの近傍の雰囲気温度を調整する(具体的には、昇温する)機器であり、第1方向に複数且つシートガラスSGの幅方向に複数配置されている。冷却用温度調整ユニット330aは、冷却ローラ330の第1方向の下方に配置され、シートガラスSGの温度、正確にはシートガラスSGの近傍の雰囲気温度を調整する。冷却用温度調整ユニット330aは、成形直後の高温状態のシートガラスSGの厚さや反りを低減するように、冷却する。
ここで、冷却用温度調整ユニット330aは、成形空間S1(図5の左斜め斜線に示す空間)に配置されている。
また、送りローラ340a〜340hと、温度調整ユニット350a〜350gは、徐冷空間S2(図5の右斜め斜線に示す空間)に配置されている。徐冷空間S2とは、成形炉40の下方に配置される徐冷炉50によって形成される空間である。より具体的には、徐冷炉50の炉壁である徐冷炉壁51の内面と、仕切り部材42の下面を含む平面FS2と、徐冷炉壁51の第1方向の下流端面を含む平面FS3とによって囲まれる空間である。
徐冷空間S2では、送りローラ340a〜340hによってシートガラスSGが第1方向の下流側に牽引されることによって、シートガラスSGが徐冷される(粘性域から粘弾性域を経て弾性域へと推移する)徐冷工程ST6が行われる。徐冷工程ST6では、温度調整ユニット350a〜350gが、シートガラスSGの平面歪および熱収縮率が抑制されるように、シートガラスSGの温度を調整している。なお、温度調整ユニット350a〜350gのそれぞれの近傍には、シートガラスSGの近傍の雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出手段としての複数の温度センサがシートガラスSGの幅方向に沿って配置されている。当該複数の温度センサを、ここでは、温度センサユニット380(図6参照)と呼ぶ。
(切断装置400)
切断装置400では、切断工程ST7を行う。切断装置400は、徐冷炉50の下方に位置する切断空間S3(後述する)に配置される。切断装置400は、成形装置300において第1方向の下流側に流下するシートガラスSGを、その長手面に対して垂直な方向から切断する。これにより、シートガラスSGは、所定の長さを有する複数のガラス板Gとなる。
(建物内空間S)
建物内空間Sとは、建物Bの内面によって囲まれた空間のうち成形炉壁41及び成形空間S1と徐冷炉壁51及び徐冷空間S2とを除いた空間である(図5の網掛けのハッチング部分を参照)。建物内空間Sは、成形空間S1、徐冷空間S2、及び切断空間S3を収容する建物Bの内面(内壁面)と、成形炉壁41の外面と徐冷炉壁51の外面とによって画された空間である。
建物内空間Sは、建物B内に配置される床411,412,413によって、複数の空間に分割されている。床411,412,413は、建物内空間Sを複数の空間に分割するための仕切り部材としての役割を有する。具体的には、建物内空間Sは、床411,412,413によって、成形炉外部上方空間S5と、成形炉外部下方空間S6と、徐冷炉外部空間S7と、切断空間S3とに分割される。しかし、床数(建物内空間の分割数)や床の設置される第1方向における高さ位置は特に限定されない。
成形炉外部上方空間S5は、建物内空間Sにおいて、床411と建物Bの上部の下面とによって挟まれる空間である。床411は、その高さ位置が、成形体310の上部の位置に近く、成形炉壁41の上部と略同じ高さ位置に配置される。
成形炉外部下方空間S6は、成形炉外部上方空間S5よりも第1方向の下流側に形成された空間である。具体的には、成形炉外部下方空間S6は、建物内空間Sにおいて、床411と床412とによって挟まれる空間である。床412は、その高さ位置が、成形炉壁41の第1方向の下流端の近傍に位置するように配置されている。成形炉外部下方空間S6は、成形体310に対応する(具体的には、成形体310の設置位置と高さ位置が同じ)領域A1を含んでいる。
徐冷炉外部空間S7は、成形炉外部下方空間S6よりも第1方向の下流側に形成される空間である。徐冷炉外部空間S7は、建物内空間Sにおいて、床412と床413とによって挟まれる空間である。床413は、その高さ位置が、徐冷炉壁51の第1方向の下流端に近い位置に配置される。
また、徐冷炉外部空間S7は、徐冷炉外部空間S7と高さ位置が同じ(すなわち、床412の下面から床413の上面までの距離に相当する)徐冷空間S2を流れるガラス板Gの雰囲気温度が、例えば、800℃〜110℃となる空間である、或いは、徐冷炉外部空間S7は、徐冷空間S2を流れるガラス板Gが(徐冷点温度+5℃)から(歪点温度―50℃)となる空間を含む空間である。
切断空間S3は、徐冷炉外部空間S7の第1方向の下流側に形成される空間である。具体的には、切断空間S3は、建物内空間Sにおいて、床413と建物Bの下部の上面とによって挟まれる空間である。
ここで、成形炉壁41や徐冷炉壁51は、例えば、耐火材や断熱材等により構成される。また、建物Bには、一般に建物を建設する際に用いられる公知の耐火物等を適用できる。
(制御装置500)
図6は、制御装置500の制御ブロック図である。
制御装置500は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク等から構成され、ガラス板製造装置100に含まれる種々の機器の制御を行う制御部として機能する。
具体的には、制御装置500は、図6に示すように、温度調整ユニット350a〜350gの温度調整制御を行う第1駆動ユニット390の駆動制御と、冷却ローラ330、送りローラ340a〜340h、切断装置400等を駆動するための第2駆動ユニット450の駆動制御を行う。なお、冷却用温度調整ユニット330aの温度調整制御は、成形空間S1に設けられた温度センサユニットによって検出されるシートガラスSGの近傍の雰囲気温度に基づいて行われる。また、温度調整ユニット350a〜350gの温度調整制御は、温度センサユニット380によって検出されるシートガラスSGの近傍の雰囲気温度に基づいて行われる。
また、制御装置500は、さらに、建物Bの内面によって形成される建物内空間Sの気圧を制御している。これについては、後述する。また、図6に記載の各種のセンサに関しても後述する。
(成形装置300におけるシートガラスSGの成形)
以下、成形装置300においてシートガラスSGが成形される過程を説明する。
まず、溶解装置200から供給口311を介して成形体310に供給される溶融ガラスは、成形体310の上方に開放された溝部312(図3参照)に流れる。そして、溝部312においてオーバーフローされる。溝部312においてオーバーフローされた溶融ガラスは、成形体310の両側面に沿って第1方向の下流側に流れて、図3に示すように、下端部313において合流する。下端部313において合流した溶融ガラスは、第1方向の下流側に流下する。成形体310を離れて流下を開始する時点におけるガラスの粘度は、例えば105.7〜107.5poiseである。
第1方向の下流側に流下する溶融ガラスは、厚み方向の両側に配置される冷却ローラ330によって、幅方向の両端部が挟まれて第1方向の下流側に引き下げられる。このとき、溶融ガラスは、シート状のシートガラスSGに成形されると共に冷却(急冷)される。冷却ローラ330による急冷により、シートガラスの両端部における粘度は、例えば109.0〜1010.5poiseとなる。冷却ローラ330によって引き下げられたシートガラスSGは、送りローラ340a〜340hによってさらに下方に引き下げられると共に徐冷が行われる。
なお、送りローラ340a〜340hによって引き下げられたシートガラスSGは、その後、切断装置400によって所定の長さ毎に切断され複数のガラス板Gとなる。
(建物内空間Sの気圧の制御)
本実施形態では、炉外部空間S4の気圧制御を行っている。炉外部空間S4とは、成形炉壁41の外面と、徐冷炉壁51の外面と、建物Bの内面とによって囲まれた空間であり切断空間S3の上方空間に位置する空間であり、言い換えれば、建物内空間Sから切断空間S3を除いた空間(すなわち、成形炉外部上方空間S5と、成形炉外部下方空間S6と、徐冷炉外部空間S7とから構成される空間)である。
炉外部空間S4の気圧制御を行う気圧制御工程は、例えば、均質化工程ST3を行う時期に開始される。すなわち、気圧制御工程は、成形工程ST5や徐冷工程ST6の前に行われる。
本実施形態では、気圧制御を行うために、成形炉外部上方空間S5、成形炉外部下方空間S6、及び、徐冷炉外部空間S7の外方(すなわち、建物Bの壁を介した外方)に、それぞれの空間を加圧するための送風機421,422,423が配置されている。また、気圧制御を行うために、成形炉外部上方空間S5、成形炉外部下方空間S6、及び、徐冷炉外部空間S7の気圧を検出する検出手段である第1圧力センサ431、第2圧力センサ432、及び、第3圧力センサ433(図6参照)がそれぞれの空間に配置されている。なお、気圧制御を行う方法は、送風を行ってするものに限られるものではなく、送風と排風を組み合わせて行う方法や、ダンパー等で圧力差を調整する方法なども適用できる。
気圧制御では、各種の圧力センサ431,432,433を用いて各空間S5,S6,S7の気圧を検出することによって、炉外部空間S4の気圧P1が、建物Bの外方の気圧(大気圧)P2に対して大きくなるように、送風機421,422,423を駆動するための第2駆動ユニット450(例えば、モータ)の動作(例えば、モータの場合は、回転数)を制御して炉外部空間S4の気圧を制御している。
具体的には、P1からP2を減算した値が、0より大きく40Pa以下になるように制御している。すなわち、以下の式1の関係が成立するように、第2駆動ユニット450を制御している。
(式1)0<P1−P2≦40Pa
なお、P1からP2を減算した値は、1〜40Paであることがより好ましく、2〜35Paであることがさらに好ましく、3〜25Paであることがさらに好ましく、4〜15Paであることがさらに好ましい。
さらに、気圧制御工程では、炉外部空間S4の気圧がシートガラスSGの流れ方向の上流側ほど大きくなるように、炉外部空間S4の気圧が制御されることが好ましい。より具体的には、成形炉外部上方空間S5の気圧>成形炉外部下方空間S6の気圧>徐冷炉外部空間S7の気圧と成っていることが好ましい。
(シートガラスSGの冷却の制御)
本実施形態では、成形空間S1及び徐冷空間S2内においてシートガラスSGの冷却の制御を行うことができる。具体的には、冷却用温度調整ユニット330a及び温度調整ユニット350a〜350g及び送りローラ340a〜340h、冷却ローラ330を制御装置500の指示に従って、以下のようなシートガラスSGの冷却を行うことができる。
例えば、徐冷空間S2内を、冷却ローラ330や送りローラ340a〜340hを用いて下流側にシートガラスSGを流すとき、シートガラスSGの流れ方向(第1方向)に効果的に張力を働かせることにより、シートガラスSGの反りを抑制することができる。また、各ローラに狭持されて流れる部分に隣接する隣接領域に波形状の変形が生じるのを抑えることもできる。
シートガラスSGの流れ方向(第1方向)に効果的に張力を働かせるために、例えば、成形空間S1内であって、シートガラスSGの幅方向の中央部の温度がガラスの軟化点温度以上の領域において、シートガラスSGの幅方向の両端部(耳部)が中央部の温度より低く、且つ、中央部の温度が均一になるようにシートガラスSGの温度を制御する。さらに、徐冷空間S2内であって、シートガラスSGの幅方向中央部に搬送方向の引っ張り応力が働くようにシートガラスSGの幅方向の中央部の温度が軟化点温度未満、歪点温度以上の領域において、シートガラスSGの幅方向の温度分布が中央部から両端部に向かって低くなるようにシートガラスSGの温度を制御する。さらに、シートガラスSGの幅方向の中央部の温度がガラスの歪点温度となる温度領域において、シートガラスSGの幅方向の両端部(耳部)と中央部との温度勾配がなくなるようにシートガラスSGの温度を制御する。これにより、シートガラスSGの幅方向の中央部には、搬送方向の引っ張り応力がかかる。
上記シートガラスSGの温度制御では、シートガラスSGの温度が軟化点温度以上である領域は、成形空間S1にあることを前提としている。したがって、上記温度制御を行うために、成形空間S1内に冷却用温度調整ユニット330aが設けられている。しかし、シートガラスSGの温度が軟化点温度以上である領域は、徐冷空間S2にある場合もある。この場合、上記温度制御を行うために、徐冷空間S2内に冷却用温度調整ユニット330aが設けられる。
また、徐冷空間S2内であって、シートガラスSGの幅方向の中央部に搬送方向の張力が働くようにシートガラスSGの幅方向の中央部の温度がガラスの歪点温度近傍未満の領域において、シートガラスSGの幅方向の両端部(耳部)からシートガラスSGの幅方向の中央部に向かって低くなるようにシートガラスSGの温度を制御することもできる。これにより、シートガラスSGの幅方向の中央部の歪点温度近傍未満の領域では、シートガラスSGの幅方向の中央部で、常に搬送方向に引っ張り応力をかけることができる。
本実施形態では、後述するようにガラス板の熱収縮率のばらつきを低減することができるが、さらに、成形されたシートガラスSGの冷却速度を調整することにより、熱収縮率のばらつきに加えて、ガラス板の変形を抑制し、反りを抑制し、熱収縮率の絶対値を低減することがもきる。
具体的には、徐冷空間S2内において、送りローラ340a〜340hを用いてシートガラスSGを搬送しながら徐冷するとき、シートガラスSGの徐冷点温度に150℃を足した温度から、シートガラスSGの歪点温度から200℃引いた温度までの温度領域を定める。このとき、少なくとも上記温度領域において、シートガラスSGの幅方向の中央部の冷却速度はシートガラスSGの両端部の冷却速度よりも速く、シートガラスSGの幅方向の中央部の温度がシートガラスSGの両端部よりも高い状態から中央部の温度が両端部よりも低い状態へシートガラスSGを変化させることが好ましい。これにより、シートガラスSGの幅方向の中央部に、シートガラスSGの流れ方向(第1方向)に引っ張り応力が働くようにすることができる。シートガラスSGの流れ方向に引っ張り応力が働くことで、シートガラスSG、ひいてはガラス板の反りをより一層抑制することができる。
徐冷工程では、シートガラスSGの各ローラに狭持されて流れる部分に隣接する隣接領域に、上述したように波形状の変形が生じるのを抑制する点から、シートガラスSGの中央部分の温度が徐冷点温度となる位置よりも下流側に設けられた送りローラの周速度を、シートガラスSGの中央部分の温度がガラス転移点温度以上、軟化点温度以下となる温度領域に設けられた送りローラの周速度よりも速く、例えば、0.03〜2%速くすることが好ましい。このように送りローラの周速度を調整することにより、シートガラスSGの流れ方向(第1方向)に引っ張り応力を働かせることができる。
(ガラス板の好ましい形態)
本実施形態に係るガラス板製造装置及びガラス板の製造方法を用いて製造されるガラス板の好ましい形態について以下に説明する。なお、下記の形態に限られるものではない。
本実施形態は、ガラス板の厚みが0.01mm〜1.5mmのガラス板の製造に好適である。薄いガラス板ほど、ガラスの保有熱量が小さいため、徐冷空間におけるシートガラスの温度制御(ここでは、シートガラスの第1方向の温度制御だけでなく、シートガラスの幅方向における温度制御も含むものとする)が難しくなる。そのため、板厚0.01〜0.5mmのガラス板の製造において、成形空間S1及び徐冷空間S2を安定化させることができる本発明を適用するメリットは大きい。また、上述した理由から、ガラス保有熱が極めて小さい0.01mm〜0.1mmのガラスフィルムの製造にも本発明は好適である。
大きなガラス板ほど、平面歪が発生しやすく上述したシートガラスSGの温度制御が難しくなる。そのため、幅方向の長さ2000mm以上且つ長手方向の長さ2000mm以上のガラス板では、本発明の効果が顕著となる。
また、ガラス板は、品質要求の厳しい液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイに適用することが好ましい。その他、カバーガラス、携帯端末等のディスプレイや筐体用カバーガラス、タッチパネル、太陽電池のガラス板にも適用できる。特に、ガラス板に対する要求の厳しい低温ポリシリコン(LTPS:Low Temperature Poly Silicon)・TFT(Thin Film Transistor)を用いた液晶ディスプレイに好適である。
また、ガラス板を50℃から10℃/分で550℃まで昇温させ、550℃で1時間保持した後、10℃/分で50℃まで降温させ、再び10℃/分で550℃まで昇温させ、550℃で1時間保持した後、10℃/分で50℃まで降温させた際の熱収縮率が、100ppm以下であることが好ましい。より好ましくは0〜60ppmであり、さらに好ましくは0〜40ppm、一層好ましくは0〜20ppmである。
なお、熱収縮率は、伸び量/初期の長さ×106(ppm)にて算出される。熱収縮率の測定方法としては、以下の方法がある。まず、ガラス板の両端にダイヤモンドペンを用いて平行なケガキ線を入れる。次に、ガラス板をケガキ線に垂直になるように半分に切断し、1つを熱処理する(上記のように、550℃に1時間保つ処理を2回繰り返す熱処理である)。そして、熱処理後のガラス板と、他方のガラス板とをつき合わせて、ケガキ線のズレ量を測定する。
熱収縮率のばらつきは、特に、ディスプレイの作製においてガラス板にTFTを形成する場合、熱収縮率の高低よりも、ディスプレイパネルにおける表示不良の原因になり易い。この点で、熱収縮率のばらつきを抑えることは重要である。実施形態で製造されるガラス板の熱収縮率のばらつきは、±2.85%以下であることが好ましい。ここで熱収縮率のばらつきとは、ガラス板の幅方向の3箇所の位置(例えば、中央部の位置及び幅方向の両端部近傍の位置)において上記方法で熱収縮率を測定したとき、これらの位置における測定値が、これらの平均値に対して変動する上限(+)及び下限(−)をいう。熱収縮率のばらつきは、好ましくは±2.80%未満、より好ましくは±2.75%以下、さらに好ましくは±2.65%以下である。
また、ガラス板の平面歪の最大値は、0〜1.7nmであることが好ましい。好ましくは0〜1.5nm、より好ましくは0〜1.0nm、さらに好ましくは0〜0.7nmである。なお、平面歪は、ユニオプト社製の複屈折測定装置によって測定することができる。
ここで、液晶ディスプレイおよび有機ELディスプレイは高精度の組み立てが求められているため、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイに用いられるガラス板の熱収縮率のばらつきを低減させることができる本発明は、液晶ディスプレイ用ガラス板又は有機ELディスプレイ用ガラス板の製造に特に好適である。
ガラス板の反りは、下記の方法で測定を行った場合に、反りの最大値が0から0.2mmまでの範囲であり、0〜0.15mmであることが好ましく、0〜0.1mmであることがより好ましく、0〜0.05mmであることがさらに好ましく、0〜0.05mmであることがさらに好ましい。
反りの測定は、まず、ガラス板から複数枚の小板(約400mm四方)を切り出す。次に、各小板につき、角4箇所と中央部4箇所との反りを、表裏のそれぞれにおいて測定する(すなわち、計16箇所の反りを測定する)。例えば、小板8枚の反りを測定した場合、16箇所×8枚で128箇所の反りの測定データが得られる。そして、当該測定データの中の最大値が、上述の範囲であることを想定している。なお、本実施形態では、複数の小板で測定した反りの最大値を、ガラス板の反りとしている。
また、フラットパネルディスプレイ(液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等)用のガラス板としては、ガラス板が質量%表示で、以下の成分を含むものが例示される。
SiO:50〜70質量%、
Al:5〜25質量%、
:0〜15質量%、
MgO:0〜10質量%、
CaO:0〜20質量%、
SrO:0〜20質量%、
BaO:0〜10質量%、
ZrO:0〜10質量%。
有機ELディスプレイに用いられるガラス板、LTPS・TFTが形成されるガラス板、あるいは酸化物半導体が形成されるガラス板は、α−Si(アモルファスシリコン)・TFTが形成されるガラス板よりも、熱収縮率が小さいことが求められている。熱収縮率を小さくするためには、ガラス板の徐冷工程の時間を長くするか、ガラスの歪点温度を高くすればよい。しかし、ガラス板の徐冷工程の時間を長くすると製造装置を大型化する必要があり、好ましくない。熱収縮率が小さいガラス板としては、例えば、下記のような組成及び特性を有するガラス板が挙げられる。
SiO2:52〜78質量%、
Al23:3〜25質量%、
231〜15質量%、
RO(但し、ROはMgO、CaO、SrO及びBaOうち、ガラス板に含有される全成分の合量):3〜20質量%、であり、
歪点が680℃以上、かつ上述した方法で測定した熱収縮率が60ppm以下のガラス板。
あるいは、
SiO:57〜75質量%、
Al:8〜25質量%、
:3〜11質量%(11質量%は除く)、
CaO:0〜20質量%、
MgO:0〜15質量%、
のガラス板。
このとき、下記の条件の何れかあるいは複数を満たすようにすると、よりLTPS・TFT用のガラス板に好適となる。
歪点温度をより上昇させるために、
(SiO+Al)/Bを8〜20及び/又はSiO+Alを75質量%以上とすることが好ましい。
また、CaO/Bを0.6以上とすることが好ましい。
さらに、歪点温度をより上昇させるために、質量比(SiO2+Al23)/ROは7.5以上であることが好ましい。
あるいは、ガラスの比抵抗を低下させるために、Fe23を0.01〜1質量%含有することが好ましい。
さらに、ガラス板は、高い歪点温度を実現しつつ失透温度の上昇を防止するためにCaO/ROは0.65以上とすることが好ましい。
また、モバイル通信端末のようなモバイル機器などに適用されることを考慮すると、軽量化の観点からはSrO及びBaOの合計含有率が0〜3.3%であることが好ましい。
なお、R2O(但し、R2Oは、Li2O、Na2O及びK2Oのうち、ガラス板に含有される全成分の合量)は、ガラスから溶出してTFT特性を劣化させる虞があることから、液晶ディスプレイ用ガラス板として適用する場合には、実質的に含まないことが好ましい(無アルカリガラス)。しかし、ガラス中に上記成分を敢えて特定量含有させることによって、TFT特性の劣化を抑制しつつ、ガラスの塩基性度を高め、価数変動する金属の酸化を容易にして、清澄性を発揮させることが可能である。また、ガラスの比抵抗も低下させることができるので、溶解工程における溶解槽の破損等も抑制できる。そこで、R2Oは0〜2.0%であり、0.1〜1.0%がより好ましく、0.2〜0.5%がさらに好ましい。なお、R2O中でも、最もガラスから溶出してTFT特性を劣化させがたいKOを含有させることが好ましい。KOの含有量は、0〜2.0%であり、0.1〜1.0%がより好ましく、0.2〜0.5%がさらに好ましい。
また、化学強化を施した後、カバーガラスや太陽電池用のガラス板に適用されるガラス板としては、例えば、ガラス板が質量%表示で、以下の成分を含むものが例示される。
SiO:50〜70質量%、
Al:5〜20質量%、
NaO:6〜30質量%、
LiO:0〜8質量%、
:0〜5質量%、
O:0〜10質量%、
MgO:0〜10質量%、
CaO:0〜20質量%、
ZrO:0〜10質量%。
(特徴)
建物の隙間などを介して建物外方から建物内に流入する空気はほこりなどのパーティクルを含んでいるため、徐冷炉内のシートガラスや切断後のガラス板に付着してしまうと、傷発生の原因となることが考えられる。また、上記パーティクルが徐冷炉内のシートガラスに沿って発生する上昇気流に流れ込んでしまうと、パーティクルがシートガラスに付着し、シートガラス表面に泡や突起物を形成してしまうことが考えられる。このような場合、ガラス板の表面品質が悪化してしまうため、安定したガラス板の生産が困難となる虞がある。
また、成形炉や徐冷炉内は温度変動が生じないようにヒータで制御されているが、成形炉や徐冷炉には、シートガラスを切断する領域以外にも、隙間が存在しており、当該隙間を完全になくすことは極めて困難である。このため、建物外方の空気が建物内に流入してしまうと、炉外部空間と炉内部空間の気圧差の関係が崩れ、炉外部空間の空気が成形炉や徐冷炉の隙間を介して、成形炉や徐冷炉内に流入してしまい、成形炉や徐冷炉内の温度管理制御の精度を低下させてしまう虞がある。このとき、成形炉や徐冷炉に流入する空気の温度は、温度管理された成形炉や徐冷炉内の温度よりも低温である。つまり、溶融ガラスやシートガラスのうち、上記成形炉や徐冷炉に流入した空気と接した領域のみ急冷されてしまう。例えば、成形炉において溶融ガラスのある領域が局部的に急冷されると、当該領域のみ粘度が高くなり、シートガラスに成形された後、下流においてローラで引き伸ばされる際に、シートガラスのうち粘度が高い領域のみ十分に引き伸ばすことができず、ガラス板の板厚の偏差を引き起こしてしまう。また、上述したように徐冷炉内においては、反り、や平面歪、熱収縮率を低減するために、シートガラスの幅方向の温度プロファイルを制御している。そのため、徐冷炉内において、シートガラスのある領域が局部的に急冷されると、当該領域のみ局部的に熱収縮率が大きくなってしまうので、熱収縮率のばらつきが生じてしまう。
上述した問題を解決するためには、建物内の気圧を、建物外方の気圧よりも高くすることで、建物外方の空気が建物内に流入することを抑制することが好ましい。しかし、建物内の気圧を、建物外方の気圧よりも高くしすぎてしまうと、建物内の空気が建物外方に大量に流出することとなり、建物内の気圧や温度が変動してしまうことがある。あるいは、炉外部空間及び/又は切断空間の気圧が高くなりすぎると、炉外部空間及び/又は切断空間から炉内部空間への空気流入量が増加し、シートガラスに沿った上昇気流が発生しやすくなる。よって、建物内の気圧と建物外方の気圧との差は、0超〜40Paであることが好ましい。つまり、本実施形態の気圧制御では、炉外部空間S4の気圧P1から建物Bの外方の気圧P2を減算した値が、0より大きく40Pa以下となるように、送風機を制御することが好ましい。
そして、以上のような制御を行うことにより、パーティクルによる品質悪化の抑制に加え、反り、熱収縮のばらつきといったガラス板の品質悪化を抑制でき、パーティクル、反り、熱収縮のばらつきの品質を満たしたガラス板を安定して製造することができる。
また、成形空間S1の温度の変動を抑制することで、ガラス板の板厚のばらつき等を抑制することができる。
また、徐冷空間S2は、シートガラスSGの温度が徐冷点温度の近傍から歪点温度の近傍の温度となる領域を含む空間であるが、徐冷空間S2の温度変動を抑制できることで、熱収縮率のばらつきを低減できる。なお、徐冷空間S2において、徐冷点以上となるシートガラスSG近傍の雰囲気温度の変動を抑制できるので、ガラス板の変形や反りを抑制できる。また、徐冷空間S2において、歪点温度以下となるシートガラスSG近傍の雰囲気温度の変動を抑制できるので、ガラス板の反りなどを抑制できる。ここで、シートガラスSGは、切断されるまで一枚の連続した板である。そのため、シートガラスの温度が歪点温度以下となる領域においてシートガラスの反り形状が変化すると、歪点温度以上となる領域のシートガラスにも影響を与え、熱収縮率のばらつきが発生してしまう。一方、本実施形態では、シートガラスSGの温度が歪点温度以下となる領域の雰囲気温度の変動を抑制することで、反り、平面歪、熱収縮のばらつきを抑制することができる。
建物の壁から完全に隙間をなくすことは困難である。このため、煙突効果によって、炉外部空間にも上昇気流が発生すると考えられる。なお、炉壁の近傍ほど雰囲気温度が高くなるため、上昇気流が発生しやすい。また、温度が高い気体が温度の低い領域に流れることにより対流も生じる。これは、炉壁側よりも建物の内壁側の雰囲気温度のほうがより低いと考えられるためである。つまり、建物の内壁に沿って下降気流が発生し、炉壁に沿って上昇気流が発生することで、大きな対流が生じる。
そこで、本実施形態では、炉外部空間S4の気圧を第1方向の上流側ほど気圧が大きくなるように、送風機を制御している。これにより、炉外部空間S4において、成形炉40の成形炉壁41や徐冷炉50の徐冷炉壁51の外面に沿って上昇する空気流を抑制できる。よって、成形炉壁41や徐冷炉壁51の外面の温度を極力安定させることができる。従って、成形空間S1や徐冷空間S2の温度の変動を抑制できる。
炉外部空間S4は、成形炉外部上方空間S5、成形炉外部下方空間S6、及び、徐冷炉外部空間S7に分割される。よって、成形炉壁41や徐冷炉壁51の外面に沿って上昇する空気流が発生したとしても、その空気流の第1方向の範囲を狭くできる(つまり、各空間S5〜S7内にその空気流をとどめることができる)。すなわち、炉外部空間S4の気圧を複数の空間の間で分布させ上流側ほど大きくしているので、複数の空間をまたいで上昇するような(例えば、空間S5〜S7の少なくとも2以上の空間に渡るような)大きな空気流の発生を抑制できる。
これにより、成形炉壁41や徐冷炉壁51の外面の温度がより安定する。よって、成形空間S1や徐冷空間S2における温度への影響を低減でき、成形空間S1や徐冷空間S2の温度をより安定させることができる。
(変形例)
以上、本実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、上記の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(変形例1A)
図7は、本変形例1Aに係る建物Bの内部を示す模式図である。
シートガラスに沿って発生する上昇気流は、シートガラスの切断時に発生するガラスの切粉や、建物の外方から建物内に流入する空気に含まれるホコリを舞い上げ、成形空間や徐冷空間を流れるシートガラスに付着させてしまう。シートガラスに付着したガラスの切粉は、シートガラスの表面に気泡や突起物を形成し、ガラス板の表面の品質を低下させてしまう。また、ホコリも、ガラス板の表面の品質を低下させてしまう。また、建物の外方から建物内空間に流入する空気は、建物の外方の状況(温度、風速等)によって大きく変動するため、建物の外方から建物内空間に空気が流入することで建物内空間の気圧や温度を制御し難くなる。
そこで、気圧制御工程における気圧制御では、切断空間S3の気圧P3が、建物Bの外方の気圧P2に対して大きくなるように制御することが好ましい。これにより、建物の外方から切断空間にホコリなどが含まれた空気が流入することを防止でき、ひいてはガラス板の表面品質の低下を抑制できる。
この場合、切断空間S3の外方には、切断空間S3を加圧するための送風機424が配置される。また、切断空間S3には、切断空間S3の気圧P3を検出するための第4圧力センサ(図示せず)が設けられる。
なお、切断空間の気圧が所定の圧力以上になると、炉(成形炉及び徐冷炉)へ流れる空気流が発生しやすくなり、成形空間及び徐冷空間の温度に影響がでることが懸念される。
よって、切断空間S3の気圧P3から建物Bの外方の気圧P2を減算した値が、0より大きく40Pa以下になるように、切断空間S3の気圧制御を行うことが好ましい。すなわち、以下の式2が成立するように気圧制御を行うことが好ましい。
(式2)0<P3−P2≦40Pa
これにより、建物Bの外方から建物B内への空気の流入を抑制できるので、切断空間S3、ひいては、建物内空間Sの温度制御や気圧制御を精度よく行いやすくなる。また、切断空間S3へのホコリ等の流入を抑制できるので、ガラス板の表面品質が悪化することを防止できる。
また、上記実施形態以外にも、気圧制御において、第4圧力センサ及び第5圧力センサ(図示せず)によって検出される値を監視して送風機424を制御する(すなわち、切断空間S3の気圧を制御する)ことで、徐冷空間S2の気圧P4が切断空間S3の気圧P3に対して大きくなるようにしてもよい。なお、第5圧力センサとは、徐冷空間S2の気圧P4を検出する圧力センサである。
これにより、切断空間S3から徐冷空間S2へと流れる空気流を抑制できる。また、徐冷空間S2の気圧が、第1方向の上流側ほど大きくなるように気圧制御を行ってもよい。これにより、成形空間S1や徐冷空間S2の温度の変動を抑制できる。
(変形例1B)
上記実施形態では、物理的な仕切り部材として機能する床411,412,413が配置されることによって、複数の空間を形成しているが、これに限られるものではなく、第1方向の上流側ほど気圧が大きくなるように気圧制御がされれば、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(変形例1C)
上記実施形態では、炉外部空間S4を加圧している。しかし、必ずしも成形空間S1や徐冷空間S2の気圧よりも炉外部空間S4の気圧を大きくする必要はない。例えば、成形空間S1や徐冷空間S2の気圧と炉外部空間S4との気圧差を小さくしたとしても、成形空間S1や徐冷空間S2の気圧から漏れ出す空気量を低減でき、ガラス板Gに沿って発生する上昇気流を抑制できるので効果的である。
(変形例1D)
図8は、本変形例1Fに係る建物Bの内部を示す模式図である。図8に示すように、炉外部空間S4は、成形炉外部上方空間S5と成形炉外部下方空間S6とを含む成形炉外部空間S10と、徐冷炉外部空間S7との3空間に分割されてもよい。この場合であっても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
また、必ずしも炉外部空間S4の気圧を第1方向の上流側ほど気圧が大きくする必要はなく、少なくとも成形炉外部空間S10の気圧を徐冷炉外部空間S7の気圧よりも高くすることで、炉外部空間に発生する上昇気流の発生を抑制することができる。これは、成形炉壁41の温度と徐冷炉壁51の温度差が特に大きいため、徐冷炉壁51から成形炉壁41にかけてより大きな上昇気流が発生しやすいためである。また、上述したようにガラス板の品質を向上させるためには、成形炉40と徐冷炉50内の温度変動を低減することが特に好ましいためである。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
炉外部空間S4の気圧と建物Bの外方の気圧P2との差が5Paとなるように、炉外部空間S4の気圧を制御した。そして、厚さが0.7mm、大きさが2200mm×2500mmの液晶ディスプレイ用ガラス板の製造を行った。ガラス板の各成分の含有率は以下のとおりであった。
SiO 60質量%%
Al 19.5質量%
10質量%
CaO 5質量%
SrO 5質量%
SnO 0.5質量%
(実施例2)
炉外部空間S4の気圧P1と建物Bの外方の気圧P2との差が20Paである以外は、実施例1と同様の方法で液晶ディスプレイ用ガラス板の製造を行った。
(実施例3)
炉外部空間S4の気圧P1と建物Bの外方の気圧P2との差が35Paである以外は、実施例1と同様の方法で液晶ディスプレイ用ガラス板の製造を行った。
(実施例4)
炉外部空間S4の気圧P1と建物Bの外方の気圧P2との差が50Paである以外は、実施例1と同様の方法で液晶ディスプレイ用ガラス板の製造を行った。
(比較例1)
炉外部空間S4の気圧P1と建物Bの外方の気圧P2との差が−5Pa(つまり、炉外部空間S4の気圧よりも建物Bの外方の気圧P2が高い)である以外は、実施例1と同様の方法で液晶ディスプレイ用ガラス板の製造を行った。
そして、以上のような条件の下、製造した液晶ディスプレイ用ガラス板の熱収縮のばらつきを上述した方法((7)ガラス板の好ましい形態で記載した方法)で測定した。また、液晶ディスプレイ用ガラス板の表面を目視で観察し、傷が確認できなかった場合OK、傷を確認した場合にはNGとして評価を行った。以下の表1に、実施例1〜4及び比較例1のそれぞれの測定結果を示す。
以上のように、0<P1−P2となるように炉外部空間S4の気圧を制御すれば、ガラス板表面に傷が発生することを抑制できる。また、0<P1−P2≦40Paとなるように炉外部空間S4の気圧を制御すれば、より熱収縮率のばらつきを抑制できる。なお、ガラス板の各成分の含有率(質量%)が、SiO 61%、Al 19.5%、B 10%、CaO 9%、SnO 0.3%、RO 0.2%であっても上記と同様の結果であった。
40 成形炉
50 徐冷炉
100 ガラス板製造装置
310 成形体
B 建物
MG 溶融ガラス

Claims (15)

  1. ガラス原料を溶解して溶融ガラスとする溶解工程と、
    前記溶融ガラスを、成形炉の炉壁である成形炉壁によって囲まれる成形空間に配置される成形体に、供給する供給工程と、
    ダウンドロー法を用いて前記成形体において溶融ガラスからシートガラスを成形する成形工程と、
    前記シートガラスを、前記成形空間の下方に位置する空間であり、前記徐冷炉の炉壁である徐冷炉壁によって囲まれる徐冷空間において徐冷する徐冷工程と、
    徐冷された前記シートガラスを、前記徐冷炉の下方に位置する切断空間において切断してガラス板とする切断工程と、を有し、
    前記成形空間、前記徐冷空間、及び前記切断空間を収容する建物の内壁面と前記成形炉壁の外面と前記徐冷炉壁の外面とによって画された建物内空間内の、前記切断空間の上方に位置する炉外部空間の気圧が、前記建物の外方の気圧に対して大きくなるように、気圧制御が行われ、
    前記炉外部空間は、前記徐冷空間内の前記シートガラスの温度が(徐冷点温度+5℃)〜(歪点温度−50℃)となる部分を含む空間の前記徐冷炉壁の外側に位置する徐冷炉外部空間を含み、
    前記気圧制御では、
    前記炉外部空間の気圧をP1とし、前記建物の外方の気圧をP2とした場合、
    0<P1−P2≦40Pa
    の関係が成立するように、前記炉外部空間の気圧を制御する、
    ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 前記気圧制御では、
    前記切断空間の気圧をP3とし、前記建物の外方の気圧をP2とした場合、
    0<P3−P2≦40Pa
    の関係が成立するように、前記切断空間の気圧をさらに制御する、
    請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. ガラス原料を溶解して溶融ガラスとする溶解工程と、
    前記溶融ガラスを、成形炉の炉壁である成形炉壁によって囲まれる成形空間に配置される成形体に、供給する供給工程と、
    ダウンドロー法を用いて前記成形体において溶融ガラスからシートガラスを成形する成形工程と、
    前記シートガラスを、前記成形空間の下方に位置する空間であり、前記徐冷炉の炉壁である徐冷炉壁によって囲まれる徐冷空間において徐冷する徐冷工程と、
    徐冷された前記シートガラスを、前記徐冷炉の下方に位置する切断空間において切断してガラス板とする切断工程と、を有し、
    前記成形空間、前記徐冷空間、及び前記切断空間を収容する建物の内壁面と前記成形炉壁の外面と前記徐冷炉壁の外面とによって画された建物内空間内の、前記切断空間の上方に位置する炉外部空間の気圧が、前記建物の外方の気圧に対して大きくなるように、気圧制御が行われ、
    前記炉外部空間は、前記徐冷空間内の前記シートガラスの温度が(徐冷点温度+5℃)〜(歪点温度−50℃)となる部分を含む空間の前記徐冷炉壁の外側に位置する徐冷炉外部空間を含み、
    前記気圧制御では、
    前記切断空間の気圧をP3とし、前記建物の外方の気圧をP2とした場合、
    0<P3−P2≦40Pa
    の関係が成立するように、前記切断空間の気圧をさらに制御し、かつ、前記炉外部空間の気圧が前記シートガラスの流れ方向の上流側ほど大きくなるように、前記炉外部空間の気圧を制御する、ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  4. 前記気圧制御では、前記徐冷空間の気圧が前記切断空間の気圧に対して大きくなるように、前記切断空間の気圧を制御する、請求項2または3に記載のガラス板の製造方法。
  5. ガラス原料を溶解して溶融ガラスとする溶解工程と、
    前記溶融ガラスを、成形炉の炉壁である成形炉壁によって囲まれる成形空間に配置される成形体に、供給する供給工程と、
    ダウンドロー法を用いて前記成形体において溶融ガラスからシートガラスを成形する成形工程と、
    前記シートガラスを、前記成形空間の下方に位置する空間であり、前記徐冷炉の炉壁である徐冷炉壁によって囲まれる徐冷空間において徐冷する徐冷工程と、
    徐冷された前記シートガラスを、前記徐冷炉の下方に位置する切断空間において切断してガラス板とする切断工程と、を有し、
    前記成形空間、前記徐冷空間、及び前記切断空間を収容する建物の内壁面と前記成形炉壁の外面と前記徐冷炉壁の外面とによって画された建物内空間内の、前記切断空間の上方に位置する炉外部空間の気圧が、前記建物の外方の気圧に対して大きくなるように、気圧制御が行われ、
    前記徐冷工程では、
    前記シートガラスの幅方向の中央部において、シートガラスの流れ方向に張力が働くように、
    少なくとも、前記シートガラスの幅方向の中央部の温度がガラスの徐冷点温度に150℃を足した温度からガラスの歪点温度から200℃引いた温度となる温度領域において、
    前記シートガラスの幅方向の中央部の冷却速度が前記幅方向の両端部の冷却速度よりも速くなるように温度制御する、ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  6. ガラス原料を溶解して溶融ガラスとする溶解工程と、
    前記溶融ガラスを、成形炉の炉壁である成形炉壁によって囲まれる成形空間に配置される成形体に、供給する供給工程と、
    ダウンドロー法を用いて前記成形体において溶融ガラスからシートガラスを成形する成形工程と、
    前記シートガラスを、前記成形空間の下方に位置する空間であり、前記徐冷炉の炉壁である徐冷炉壁によって囲まれる徐冷空間において徐冷する徐冷工程と、
    徐冷された前記シートガラスを、前記徐冷炉の下方に位置する切断空間において切断してガラス板とする切断工程と、を有し、
    前記成形空間、前記徐冷空間、及び前記切断空間を収容する建物の内壁面と前記成形炉壁の外面と前記徐冷炉壁の外面とによって画された建物内空間内の、前記切断空間の上方に位置する炉外部空間の気圧が、前記建物の外方の気圧に対して大きくなるように、気圧制御が行われ、
    前記シートガラスの幅方向の中央部の温度がガラスの軟化点温度以上の領域において、前記シートガラスの幅方向の両端部が前記両端部に挟まれた中央部の温度より低く、且つ、前記中央部の温度が均一になるように前記シートガラスの温度を制御し、
    前記シートガラスの幅方向の中央部において、シートガラスの流れ方向の張力が働くように前記シートガラスの前記中央部の温度がガラスの軟化点温度未満、ガラスの歪点温度以上の領域において、前記シートガラスの幅方向の温度分布が前記中央部から前記両端部に向かって低くなるように前記シートガラスの温度を制御し、
    前記シートガラスの前記中央部の温度がガラスの歪点温度となる温度領域において、前記シートガラスの幅方向の前記両端部と前記中央部との温度勾配がなくなるよう前記シートガラスの温度を制御する、ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  7. ガラス原料を溶解して溶融ガラスとする溶解工程と、
    前記溶融ガラスを、成形炉の炉壁である成形炉壁によって囲まれる成形空間に配置される成形体に、供給する供給工程と、
    ダウンドロー法を用いて前記成形体において溶融ガラスからシートガラスを成形する成形工程と、
    前記シートガラスを、前記成形空間の下方に位置する空間であり、前記徐冷炉の炉壁である徐冷炉壁によって囲まれる徐冷空間において徐冷する徐冷工程と、
    徐冷された前記シートガラスを、前記徐冷炉の下方に位置する切断空間において切断してガラス板とする切断工程と、を有し、
    前記成形空間、前記徐冷空間、及び前記切断空間を収容する建物の内壁面と前記成形炉壁の外面と前記徐冷炉壁の外面とによって画された建物内空間内の、前記切断空間の上方に位置する炉外部空間の気圧が、前記建物の外方の気圧に対して大きくなるように、気圧制御が行われ、
    前記シートガラスの幅方向の中央部において、シートガラスの流れ方向の張力が働くように前記シートガラスの前記中央部の温度がガラスの歪点温度未満の領域において、前記シートガラスの前記両端部から前記中央部に向かって低くなるように前記シートガラスの温度を制御する、ことを特徴とするガラス板の製造方法。
  8. 前記徐冷工程では、前記シートガラスを搬送する送りローラのうち、前記シートガラスの温度がガラスの徐冷点温度となる位置よりも下流側に設けられた送りローラの周速度を、前記シートガラスの温度がガラスの転移点温度以上ガラスの軟化点温度以下となる温度領域に設けられた送りローラの周速度よりも0.03〜2%速くする、請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  9. 溶融ガラスからシートガラスを成形する成形空間を、成形炉壁によって囲むことで形成する成形炉と、
    前記成形炉の下方に位置するように、前記シートガラスを徐冷する徐冷空間を、徐冷炉壁によって囲むことで形成する徐冷炉と、
    前記徐冷炉の下方に位置する切断空間に配置され、徐冷された前記シートガラスを切断する切断装置と、
    前記成形空間、前記徐冷空間、及び前記切断空間を収容する建物の内壁面と前記成形炉壁の外面と前記徐冷炉壁の外面とによって画された建物内空間内の、前記切断空間の上方に位置する炉外部空間の気圧が、前記建物の外方の気圧に対して大きくなるように気圧制御を行う気圧制御手段と、を含み、
    前記炉外部空間は、前記徐冷空間内の前記シートガラスの温度が(徐冷点温度+5℃)〜(歪点温度−50℃)となる部分を含む空間の前記徐冷炉壁の外側に位置する徐冷炉外部空間を含み、
    前記気圧制御手段は、
    前記炉外部空間の気圧をP1とし、前記建物の外方の気圧をP2とした場合、
    0<P1−P2≦40Pa
    の関係が成立するように、前記炉外部空間の気圧を制御する、
    ことを特徴とするガラス板の製造装置。
  10. 前記気圧制御手段は、前記建物の外方から前記炉外部空間内に空気を送り込む送風機を含む、請求項に記載のガラス板の製造装置。
  11. 前記気圧制御手段は、前記炉外部空間に設けられ、前記炉外部空間の気圧を計測する圧力センサを含み、前記圧力センサの検出結果によって、前記炉外部空間の気圧が、前記建物の外方の気圧に対して大きくなるように、前記送風機を駆動するための制御装置を含む、請求項10に記載のガラス板の製造装置。
  12. 溶融ガラスからシートガラスを成形する成形空間を、成形炉壁によって囲むことで形成する成形炉と、
    前記成形炉の下方に位置するように、前記シートガラスを徐冷する徐冷空間を、徐冷炉壁によって囲むことで形成する徐冷炉と、
    前記徐冷炉の下方に位置する切断空間に配置され、徐冷された前記シートガラスを切断する切断装置と、
    前記成形空間、前記徐冷空間、及び前記切断空間を収容する建物の内壁面と前記成形炉壁の外面と前記徐冷炉壁の外面とによって画された建物内空間内の、前記切断空間の上方に位置する炉外部空間の気圧が、前記建物の外方の気圧に対して大きくなるように気圧制御を行う気圧制御手段と、を含み、
    さらに、前記徐冷空間には、前記シートガラスの幅方向の中央部において、シートガラスの流れ方向に張力が働くように、
    少なくとも、前記シートガラスの幅方向の中央部の温度がガラスの徐冷点温度に150℃を足した温度からガラスの歪点温度から200℃引いた温度となる温度領域において、
    前記シートガラスの幅方向の中央部の冷却速度が前記幅方向の両端部の冷却速度よりも速くなるように温度制御する温度調整ユニットを含む、ことを特徴とするガラス板の製造装置。
  13. 溶融ガラスからシートガラスを成形する成形空間を、成形炉壁によって囲むことで形成する成形炉と、
    前記成形炉の下方に位置するように、前記シートガラスを徐冷する徐冷空間を、徐冷炉壁によって囲むことで形成する徐冷炉と、
    前記徐冷炉の下方に位置する切断空間に配置され、徐冷された前記シートガラスを切断する切断装置と、
    前記成形空間、前記徐冷空間、及び前記切断空間を収容する建物の内壁面と前記成形炉壁の外面と前記徐冷炉壁の外面とによって画された建物内空間内の、前記切断空間の上方に位置する炉外部空間の気圧が、前記建物の外方の気圧に対して大きくなるように気圧制御を行う気圧制御手段と、を含み、
    前記成形空間及び前記徐冷空間からなる炉内空間には、
    前記シートガラスの幅方向の中央部の温度がガラスの軟化点温度以上の領域において、前記シートガラスの幅方向の両端部が前記両端部に挟まれた中央部の温度より低く、且つ、前記中央部の温度が均一になるように前記シートガラスの温度を制御し、
    前記シートガラスの幅方向の中央部において、シートガラスの流れ方向の張力が働くように前記シートガラスの前記中央部の温度がガラスの軟化点温度未満、ガラスの歪点温度以上の領域において、前記シートガラスの幅方向の温度分布が前記中央部から前記両端部に向かって低くなるように前記シートガラスの温度を制御し、
    前記シートガラスの前記中央部の温度がガラスの歪点温度となる温度領域において、前記シートガラスの幅方向の前記両端部と前記中央部との温度勾配がなくなるよう前記シートガラスの温度を制御する温度調整ユニットが設けられている、ことを特徴とするガラス板の製造装置。
  14. 溶融ガラスからシートガラスを成形する成形空間を、成形炉壁によって囲むことで形成する成形炉と、
    前記成形炉の下方に位置するように、前記シートガラスを徐冷する徐冷空間を、徐冷炉壁によって囲むことで形成する徐冷炉と、
    前記徐冷炉の下方に位置する切断空間に配置され、徐冷された前記シートガラスを切断する切断装置と、
    前記成形空間、前記徐冷空間、及び前記切断空間を収容する建物の内壁面と前記成形炉壁の外面と前記徐冷炉壁の外面とによって画された建物内空間内の、前記切断空間の上方に位置する炉外部空間の気圧が、前記建物の外方の気圧に対して大きくなるように気圧制御を行う気圧制御手段と、を含み、
    前記徐冷空間には、
    前記シートガラスの幅方向の中央部において、シートガラスの流れ方向の張力が働くように前記シートガラスの前記中央部の温度がガラスの歪点温度未満の領域において、前記シートガラスの前記両端部から前記中央部に向かって低くなるように前記シートガラスの温度を制御する温度調整ユニットが設けられる、ことを特徴とするガラス板の製造装置。
  15. 前記徐冷空間には、前記シートガラスを搬送する送りローラが設けられ、前記送りローラのうち、前記シートガラスの温度がガラスの徐冷点温度となる位置よりも下流側に設けられた送りローラの周速度は、前記シートガラスの温度がガラスの転移点温度以上ガラスの軟化点温度以下となる温度領域に設けられた送りローラの周速度よりも0.03〜2%速く回転する、請求項9〜14のいずれか1項に記載のガラス板の製造装置。
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