JP5884567B2 - 空気電池 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素を正極活物質として利用する空気電池に関し、とくに、複数個を接続して組電池を構成するのに好適な空気電池に関するものである。
従来における空気電池としては、例えば、特許文献1に記載されたものがあった。特許文献1に記載の空気電池は、非水電解質層を正極及び負極で挟んで電極群を構成し、この電池群を正極及び負極の各端子とともに収容ケースに収容した構造である。両端子は、収容ケースから互いに相反する方向に突出している。また、空気電池は、収容ケースの正極側の壁部に複数の空気孔を有すると共に、これらの空気孔をシールテープで閉塞し、使用時には、シールテープを剥がすことで空気孔を開放して、正極に空気(酸素)を供給するようになっている。
特許第3735518号公報
ところで、近年では、自動車等の車両の電源又は補助電源として使用する空気電池の研究開発が進められている。車載用の空気電池は、車両に要求される出力及び容量や、狭いスペースへの搭載性などを考慮すると、構造を簡単にして薄型にし、複数個を直列に接続して組電池を構成し得るものにする必要がある。ところが、上記したような従来の空気電池は、互いに直接接続することができない構造であるから、車載用の電源に適用することは実質的に不可能であった。
また、この種の空気電池では、正極層を薄い通気性材料で形成するので、金属製の負極層に比べて正極層の機械的強度が低く、しかも、使用開始後には、発熱や酸化物の生成に伴って電解液が膨張し、正極層が外側に撓むことがある。このため、とくに薄型化を図る空気電池では、空気流路の断面積が減少して、出力の低下が生じることがあるという問題点があり、このような問題点を解決することが課題であった。
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたもので、とくに積層時において正極層に対する空気流路の断面積を充分に確保することができ、車載用として好適な薄型の空気電池を提供することを目的としている。
本発明の空気電池は、電解質層を間にして正極層及び負極層を備えている。そして、空気電池は、正極層側及び負極層側の少なくとも一方側に、複数の空気電池を積層した際に隣接する空気電池との間に空気流路を形成する凸部を備えており、前記凸部は、正極層が外側に撓んだ状態でも前記空気流路の断面積を確保する突出高さを有している構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。上記構成の場合、凸部は、空気流路の確保や積層時の安定性を考慮すると、空気電池同士の間に対して、少なくとも二箇所以上に設けることがより望ましく、また、発電効率を考慮すると、正極層の表面を避けて配置するのがより望ましい。
本発明の空気電池によれば、上記構成を採用したことから、とくに積層時において正極層に対する空気流路の断面積を充分に確保することができる。これにより、断面積の減少による出力低下を防止することができると共に、車載用として好適な薄型化に貢献することができる。
本発明の空気電池の一実施形態を説明する平面図(A)及び側面図(B)である。 図1に示す空気電池の断面図である。 図1に示す空気電池を分解した状態で説明する断面図である。 図1に示す空気電池を積層した組電池を説明する断面図である。 本発明の空気電池の他の実施形態を説明する側面図である。 本発明の空気電池のさらに他の実施形態を説明する側面図である。 図6に示す空気電池を積層した組電池を説明する側面図である。 流路形成部材のさらに他の例を示す各々側面図(A)〜(E)である。 本発明の空気電池のさらに他の実施形態を説明する平面図(A)及び側面図(B)である。 本発明の空気電池のさらに他の実施形態を説明する平面図(A)及び側面図(B)である。
以下、図面に基づいて、本発明の空気電池の実施形態を説明する。
図1及び図2に示す空気電池A1は、矩形板状を成すものであって、電解質層3を間にして正極層1及び負極層2を備えている。そして、空気電池A1は、基本構成として、絵正極層1側及び負極層2側の少なくとも一方側に、複数の空気電池A1を積層した際に隣接する空気電池A1との間に空気流路Fを形成する凸部5を備えている。
図示例の空気電池A1は、正極層1側に凸部5を備えている。また、空気電池A1は、電気絶縁性を有し且つ正極層1及び負極層2の外周を包囲する外枠部材4を備えており、この外枠部材4に、前記凸部5が設けてある。
正極層1は、図3に示すように、ガス拡散層を含む触媒層11と、正極表面(図中で電池上面)に配置した撥水層12と、金属メッシュ等から成る正極集電層13を備えている。触媒層11は、導電性多孔質材料で形成してあり、例えば、カーボン材料とバインダー樹脂とで形成した導電性多孔体の内部に、二酸化マンガンなどの触媒を担持させたものである。
撥水層12は、電解液に対して液密性を有し、且つ酸素に対して通気性を有する部材である。この撥水層12は、電解液が外部へ漏出するのを阻止し得るように、フッ素樹脂などの撥水膜を用いており、一方、触媒層11に酸素を供給し得るように多数の微細孔を有している。また、撥水層12には、導電性材料を用いることができ、これにより、組電池Cにおいて、配線類を使用せずに直接的な電気接続が可能になる。
負極層2は、同じく図3に示すように、負極金属層21と、負極表面(図中で電池下面)に配置した負極集電層22を備えている。負極金属層21は、リチウム(Li)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、及びマグネシウム(Mg)等の純金属、もしくは合金などの材料から成るものである。
負極集電層22は、電解液が外部に漏出するのを阻止し得る材質から成る導電部材であって、例えば、ステンレス、及び銅(合金)や、金属材料の表面に耐食性を有する金属をメッキしたものなどである。この負極集電層22は、より好ましくは、負極金属層21よりも耐電解液性の高い材料から成るものである。
電解質層3は、水酸化カリウム(KOH)や塩化物を主成分とした水溶液(電解液)もしくは非水溶液をセパレータ内に含浸させたものであり、その水溶液や非水溶液を貯留させるために、セパレータには微細な孔が所定の割合で形成されている。なお、電解質層3そのものを、固体あるいはゲル状の電解質としても良い。
外枠部材4は、矩形枠状を成し、ポリプロピレン(PP)やエンジニアリングプラスチックなどの耐電解液性を有する樹脂製であることが好ましく、これにより軽量化も図ることができる。また、外枠部材4は、機械的強度を持たせるために、樹脂をカーボン繊維やガラス繊維などの強化繊維によって複合化した繊維強化プラスチック(FRP)を使用することもできる。
さらに、外枠部材4は、上記したように樹脂製である場合、例えば射出形成によって凸部5を一体成形することができる。さらに、外枠部材4は、上記の如く矩形枠状である場合には、少なくとも対向する二辺に凸部5を備えており、この実施形態では、対向する二つの短辺に、その長さ方向にわたる凸部5,5を備えている。これにより、図4に示すように空気電池A1を複数個積層して組電池Cを構成した際に、正極層1の表面側に隙間を形成してこれを空気流路Fとし、図1中の矢印で示す面内方向(面に沿う方向)に空気を流通させる。したがって、上記の凸部5は、正極層に対する空気の流通方向に沿って設けてある。
なお、外枠部材4には、電解質層3に対して、バルブ類を備えた電解液の注入部を設けることも可能である。これにより、空気電池A1は注液式電池となる。
上記構成を備えた空気電池A1は、図4に示すように、複数個を積層して組電池Cを構成する。このとき、空気電池A1は、凸部5により、上段に隣接する空気電池A1との間に、正極層1に対する空気流路Fを形成する。
上記の空気電池A1並びに組電池Cは、使用開始後には、発熱や酸化物の生成に伴って電解質層3の電解液が膨張し、正極層1が外側に撓むことがあるが、凸部5によって空気流路Fの断面積を充分に確保することができる。これにより、空気電池A1は、断面積の減少による出力低下を防止し得ると共に、車載用として好適な薄型化に貢献することができる。また、上記の空気電池A1は、構造が極めて簡単であって、これによっても薄型化を実現していると共に、配線類を一切用いずに直接的に直列接続することが可能である。したがって、車載用として非常に好適である。
さらに、上記の空気電池A1は、外枠部材4を備えると共に、この外枠部材4に凸部5を設けたことから、正極層1や負極層2で構成される反応エリアの面積を減少させずに空気流路Fを確保することができる。
さらに、上記の空気電池A1は、凸部5を外枠部材4に一体成形したので、部品点数の節減を実現すると共に、シール性の低下をもたらす継目を解消することができ、生産性にも優れたものとなる。
さらに、上記の空気電池A1は、正極層1に対する空気の流通方向に沿って凸部5を設けたので、空気流通の圧損を増大させる心配がなく、低圧損を維持することで空気流路Fの高さを小さく抑えることができ、さらなる薄型化を図ることができる。
さらに、上記の空気電池A1は、矩形枠状の外枠部材4において、少なくとも対向する二辺に凸部5,5を設けたので、方向性がある空気流路Fを形成し得ると共に、積層した際の安定性を確保することができる。
なお、上記実施形態では、外枠部材4の正極層1側に凸部5を設けた構成を例示したが、それ以外の箇所に凸部を設けることができ、負極層2側や正極両方側に設けることも可能である。この際、発電効率などを考慮すると、正極層1の表面を避けて配置するのがより望ましく、空気流路Fの確保や積層時の安定性を考慮すると、空気電池A1同士の間に対して、少なくとも二箇所以上に設けることがより望ましい。
図5に示す空気電池A1は、正極層1側において、外枠部材4の二つの短辺に沿って凸部5,5が設けてあると共に、二つの長辺の中間部にも凸部5が設けてある。この空気電池A1にあっても、先の実施形態と同様の効果を得ることができると共に、とくに大面積化を図った場合に、撓みを防止するとともに積層時の安定性が向上して、空気流路Fの断面積を充分に確保することができる。
図6に示す空気電池A1は、正極層1及び負極層2の少なくとも一方が、複数の空気電池A1を積層した際に隣接する空気電池A1との間に介在し且つ厚さ方向の弾性変形機能を有する流路形成部材6を備えている。この実施形態の空気電池A1では、正極層1に流路形成部材6が設けてある。流路形成部材6は、金属製又は樹脂製であると共に、断面波形状を成しており、電解質層3の膨張に対応した厚さ方向の弾性変形機能を有する。
また、空気電池A1は、凸部5が、流路形成部材6の厚さよりも小さい突出高さを有していて、自然状態では、図6中に示す如く流路形成部材6が凸部5との差S分だけ高くなっている。この実施形態の場合、空気流路Fは、波形状を成す流路形成部材6の下側の谷部である。
上記の空気電池A1は、図7に示すように複数個を積層して組電池Cを構成し、先の実施形態と同様に、凸部5によって空気流路Fの断面積を充分に確保することができる。また、上記の空気電池A1は、積層時に流路形成部材6が厚さ方向に圧縮変形した状態となり、発熱や酸化物の生成に伴って電解質層3の電解液が膨張しても、流路形成部材6が正極層1をフラットに押さえて電解質層3の変位量を平準化し、空気流路Fを維持する。
図8は、本発明に係る空気電池に使用可能な流路形成部材のさらに他の実施形態を説明する図である。
図8(A)に示す流路形成部材16は、線状素材を不織布状に形成したものであり、厚さ方向の弾性変形機能を有している。図8(B)に示す流路形成部材26は、面ファスナーのフック側部材に相当するものであって、シート26Aに多数の弾性フック26Bを備えており、厚さ方向の弾性変形機能を有している。この流路形成部材26は、弾性フック26Bを正極層1に接触させる。なお、面ファスナーのループ側部材に対応した構造にすることもできる。
図8(C)に示す流路形成部材36は、シート36Aに、片持ち梁形の弾性突起36Bを備えており、厚さ方向の弾性変形機能を有している。この流路形成部材36は、弾性突起36Bを正極層1に接触させる。また、弾性突起36Bは、舌片状にして縦横に配置したり、図示の断面が連続する長尺片状にして並列に配置したりすることができる。
図8(D)に示す流路形成部材46は、断面波形状を成して厚さ方向の弾性変形機能を有すると共に、多数の孔を形成したものである。図8(E)に示す流路形成部材56は、メッシュ素材を断面波形状に成形したものであり、厚さ方向の弾性変形機能を有している。
流路形成部材は、図8(A)〜(E)7に示す如く様々な形状にすることができ、いずれの場合も空気流路Fの所定の断面積を確保して、空気電池A1の出力低下を防止する。また、流路形成部材は、導電性金属、若しくは導電性金属を被覆した樹脂で形成することができる。この場合、流路形成部材は、空気電池A1同士を電気的に接続するコネクタとしても機能し、電解質層3の膨張に伴って、正極層1をフラットに押さえて電解質層3の変位量を平準化し、空気流路Fを維持すると同時に、部品同士の面圧を高める。これにより、流路形成部材は、酸化物生成による内部抵抗の増加を、接触抵抗の低減で相殺することができ、空気電池A1の安定した発電(放電)に貢献する。
また、図7中の(A)及び(D)に示す流路形成部材16,46は、通気性を有するものであるから、空気流路Fの断面積がより大きく得られ、高出力化に貢献し得ると共に、さらなる軽量化も実現する。なお、図7中の(B)及び(C)に示す流路形成部材26及び36にあっても、シート26A,36Aに多数の孔を形成することで、通気性をもたせることができる。
図9に示す空気電池A1は、正極層1や負極層2で構成される二つの反応エリアを並列に配置したものである。この場合、外枠部材4は、両反応エリアを区画する中央桟部4Aを短辺と平行に有している。そして、外枠部材4は、両側の短辺及び中央桟部4Aに、複数の空気電池A1を積層した際に隣接する空気電池A1との間に空気流路Fを形成する凸部5を備えている。
図10に示す空気電池A2は、円板形状を成している。この場合、外枠部材14は、同じくリング状であって、図示例の場合は、正極層1側において90度間隔で四個の凸部15を備えている。
図9及び図10に示す空気電池A1,A2にあっても、複数個積層して組電池Cを構成し、先の実施形態と同様に構造が簡単であると共に、凸部5,15によって空気流路Fの断面積を充分に確保することができる。これにより、空気電池A1,A2は、断面積の減少による出力低下を防止し得ると共に、車載用として好適な薄型化に貢献することができる。
本発明に係る空気電池及び組電池は、その構成が上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の細部を適宜変更することができる。
A1 A2 空気電池
C 組電池
F 空気流路
1 正極層
2 負極層
3 電解質層
4 14 外枠部材
5 15 凸部
6 流路形成部材
16,26,36,46,56…流路形成部材

Claims (7)

  1. 電解質層を間にして正極層及び負極層を備えると共に、
    正極層側及び負極層側の少なくとも一方側に、複数の空気電池を積層した際に隣接する空気電池との間に空気流路を形成する凸部を備えており、
    前記凸部は、正極層が外側に撓んだ状態でも前記空気流路の断面積を確保する突出高さを有していることを特徴とする空気電池。
  2. 電気絶縁性を有し且つ正極層及び負極層の外周を包囲する外枠部材を備え、
    外枠部材に、前記凸部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の空気電池。
  3. 前記凸部が、外枠部材に一体成形してあることを特徴とする請求項2に記載の空気電池。
  4. 前記凸部が、正極層に対する空気の流通方向に沿って設けてあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気電池。
  5. 前記外枠部材が、矩形枠状であって、
    前記凸部が、外枠部材の少なくとも対向する二辺に設けてあることを特徴とする請求項2に記載の空気電池。
  6. 正極層及び負極層の少なくとも一方が、複数の空気電池を積層した際に隣接する空気電池との間に介在し且つ厚さ方向の弾性変形機能を有する流路形成部材を備え、
    前記凸部が、流路形成部材の厚さよりも小さい突出高さであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気電池。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気電池を複数個積層して成ることを特徴とする組電池。
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