JP5898112B2 - ネットワーク設計装置およびネットワーク設計プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、波長パスが物理トポロジ上に設定され、IP(Internet Protocol)トラヒックが波長パスにより構成された論理トポロジ上に設定された光IPネットワークを設計する、ネットワーク設計装置およびネットワーク設計プログラムに関する。
光IPネットワークは、波長パスが物理トポロジ(物理網)上に設定され、IPトラヒックが波長パスで構成された論理トポロジ(論理網)上に設定される。
図1に示すように、光IPネットワーク100では、物理レイヤ上の波長レイヤに、波長パスが設定されたWDM(Wavelength Division Multiplexing)ネットワークを構成する。物理網は、転送ノード、伝送ノードおよびそれらを結ぶ物理リンクから構成される。ここで、転送ノードは、例えばIPルータ等である。伝送ノード(波長ノード)は、例えば、OXC(Optical Cross Connect:光クロスコネクト)等である。また、物理リンクは、例えば、光ファイバ等である。そして、波長ノード(OXC等)を始終点とした波長パスが物理網上に設定され、その波長パスがIPレイヤでは転送ノード(IPルータ)間における論理的なリンク(論理リンク)を構成する。なお、以下において、IPルータを単に「ルータ」と称することがある。
この光IPネットワーク100では、波長パス経路およびIPトラヒック経路を最適化することにより、ネットワーク全体の資源を有効活用し、転送品質を維持し、ネットワークコストを低減することが求められる。
そして、この波長パス経路およびIPトラヒック経路等を最適化するためには、波長パス経路とIPトラヒック経路とをそれぞれ独立に設定するのではなく、両者を同時に考慮して最適化することが重要となる。
具体的には、物理トポロジ上の波長パスの経路を表す変数とIPトラヒックの経路を表す各変数に対して、設備量をこれらの変数を用いた式で表した目的関数を設定し、各変数に関する制約式のもとで設備量を最小化させるようにして目的関数を解く数理計画法を適用する。そして、この数理計画法に基づき、物理トポロジ上の波長パスの経路を表す変数と、IPトラヒックの経路を表す変数とを同時に解くことで最適解を得る手法が開示されている(非特許文献1参照)。この数理計画法における目的関数は、以下の(式15)で表される。また、各変数の制約式は、以下の(式1)〜(式14)で表される。
(数理計画法の制約式)
以下、まず、非特許文献1に記載の手法による、数理計画法の制約式(式1)〜(式14)について説明する。
以下の(式1)は、ルータsを始点とし、ルータdを終点とする交流トラヒックにおいて、ルータi,jを端点とする論理リンクの少なくとも1つを通る交流トラヒック量の割合rs,d i,jが、0から1のいずれかの値をとることを示している。なお、このrs,d i,jは、IPトラヒック経路を表すこととなる。
Figure 0005898112
以下の(式2)は、ルータsを始点とし、ルータdを終点とする交流トラヒックにおいて、ルータsを端点とする全ての論理リンクを通る交流トラヒック量の割合の合計が、1となることを示している。
Figure 0005898112
以下の(式3)は、ルータsを始点とし、ルータdを終点とする交流トラヒックにおいて、ルータdを端点とする全ての論理リンクを通る交流トラヒック量の割合の合計が、1となることを示している。
Figure 0005898112
以下の(式4)は、ルータsを始点とし、ルータdを終点とする交流トラヒックにおいて、ルータkを一方の端点とする全ての論理リンクを通る交流トラヒック量の割合の合計と、ルータkを他方の端点とする全ての論理リンクを通る交流トラヒック量の割合の合計とが同一となることを示している。すなわち、(式4)は、中間ルータkにおいて、入力される交流トラヒック量と、出力される交流トラヒック量とが同一になることを示している。
Figure 0005898112
以下の(式5)の左辺によって、ルータi,jを端点とする論理リンクを通る交流トラヒック量が算出される。ここで、ts,dは、ルータsを始点とし、ルータdを終点とするトラヒックデマンド(交流トラヒック量)を示している。
(式5)の右辺は、光クロスコネクトi,jを端点とする物理リンクを通る交流トラヒック帯域制約量を示している。ここでは、論理リンクの最大帯域をBとし、ルータiの論理リンクの最大入力/出力ポート数Rが与えられているときに、ルータiを始点とし、ルータjを終点とする論理リンクの数をλi,jとする。なお、この論理リンクの数λi,jは、光クロスコネクトiを始点とし、光クロスコネクトjを終点とする波長パスの数(本数)と等しいものである。
よって、(式5)は、ルータi,jを端点とする論理リンクを通る交流トラヒック量(トラヒックデマンド)が、ルータiを始点とし、ルータjを終点とする論理リンクを通る交流トラヒック帯域制約量以下となることを示している。
Figure 0005898112
以下の(式6)は、左辺に示すルータjを流れる交流トラヒック量の総和が、右辺に示すルータjのルーチング容量G以下になることを示している。
Figure 0005898112
以下の(式7)は、左辺に示すルータiを始点とする論理リンクの数の総和が、右辺に示すルータiの論理リンクの最大入力/出力ポート数R以下であることを示している。
Figure 0005898112
以下の(式8)は、左辺に示すルータjを終点とする論理リンクの数の総和が、右辺に示すルータjの論理リンクの最大入力/出力ポート数R以下であることを示している。
Figure 0005898112
以下の(式9)の第1式は、ルータiを始点とし、ルータjを終点とする論理リンクの数λi,jが0以上であることを示している。また、(式9)の第2式は、光クロスコネクトiを始点とし、光クロスコネクトjを終点とする波長パスの中で、光クロスコネクトm,nを端点とする物理リンクを通る波長パスの数λi,j m,nが0以上であることを示している。
Figure 0005898112
以下の(式10)は、左辺に示す光クロスコネクトiを始点とする波長パスの数(本数)の総和が、右辺に示すルータiを始点としルータjを終点とする論理リンクの数λi,jに等しいことを示している。
Figure 0005898112
以下の(式11)は、左辺に示す光クロスコネクトjを終点とする波長パスの数の総和が、右辺に示すルータiを始点としルータjを終点とする論理リンクの数λi,jに等しいことを示している。
Figure 0005898112
以下の(式12)は、左辺に示す光クロスコネクトiを始点とし、光クロスコネクトjを終点とする波長パスの中で、中間の光クロスコネクトlに入力される波長パスの数の総和が、右辺に示す当該光クロスコネクトlから出力される波長パスの数の総和に等しいことを示している。
Figure 0005898112
以下の(式13)は、光クロスコネクトm,nを端点とする物理リンクを通る波長パスの数についての、光クロスコネクトi,jを始点・終点とする全ての波長パスにおける総和(左辺)が、光クロスコネクトm,nを端点とする物理リンクの最大波長多重数Pm,n以下であることを示している。なお、このλi,j m,nは、波長パス経路を表すこととなる。
Figure 0005898112
以下の(式14)は、光クロスコネクトnを端点とする物理リンクを通る波長パスの数についての、光クロスコネクトi,jを始点・終点とする全ての波長パスにおける総和(左辺)が、光クロスコネクトnの最大波長スイッチ数O以下であることを示している。
Figure 0005898112
(数理計画法の目的関数)
以下の(式15)は、必要設備量を算出する目的関数を示している。ここで、(式15)の第1項は、ルータi,jを始点・終点とする論理リンクの数の総和、つまり、IPインタフェースの設備の総和を示している。(式15)の第2項は、光クロスコネクトm,nを端点とする物理リンクを通る波長パスの数の総和、つまり、波長パスのインタフェース(ポート)の設備の総和を示している。ここで、αは、ルータのインタフェース(ポート)と光クロスコネクトのインタフェース(ポート)との価格比を示している。
Figure 0005898112
非特許文献1に記載の手法では、(式1)〜(式14)の制約式を満たす変数λi,j,λi,j m,n,rs,d i,jに対して、目的関数Σi,jλi,j + αΣi,j,m,nλi,j m,n(式15)を最小化させる変数を数理計画法によって求めることにより、最適なIPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数、並びに、必要設備量が求まる。
この非特許文献1の手法により、計算されたIPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数の一例を図2に示す。
図2の物理網上において、波長ノードであるOXC「1」「2」間に波長パスが1本(λ1,2 1,2)設定され、また、OXC「1」「3」間に、波長パスが1本(λ3,1 3,1)と、OXC「2」経由でさらに1本(λ1,3 1,2,λ1,3 2,3)の計2本が設定され、合計で物理網上に3本の波長パスが設定されている。これに対応し、論理網において、IPルータ「1」「2」間に、論理リンクが1本(λ1,2=1)設定され、IPルータ「1」「3」間に論理リンクが2本(λ3,1=2)設定され、合計で論理網上に3本の論理リンクが設定されている。そして、この論理リンクを通るトラヒックデマンドとして、IPルータ「1」「2」間にIPトラヒック経路(r1,2 1,2)が設定され、IPルータ「3」「1」間に、IPトラヒック経路(r3,1 3,1)が設定され、IPルータ「3」「2」間に、IPトラヒック経路(r3,2 3,1,r3,2 1,2)が設定されていることを示している。
上記説明した非特許文献1に記載の手法を用いて、この最適化問題を数理計画法により解く処理を実行しようとすると、変数λi,j m,n,rs,d i,jの数は、ノード数のおよそ4乗となり、大規模網では変数の数が莫大となって計算時間が長時間かかってしまう。そのため、非特許文献1に記載の手法において、数理計画法における変数を削減することにより計算時間を短縮する技術として、SpaceReducton法とDecomposition法とが提案されている(非特許文献2参照)。
SpaceReducton法は、各2点間の波長パス経路について、複数の経路候補の中から、最短経路に比べて長すぎる経路の候補を事前に削除して変数であるλi,j m,nの一部を定数化し、変数の数を削減するものである。
具体的には、SpaceReducton法では、変数λi,j m,nについて、各対地間(i,j)毎に波長パスのホップ数の上限となる閾値Lmax(i,j)を設け、上限を超える波長パス経路に対して、その経路上の各物理リンク(m,n)の波長の本数としてλi,j m,n=0とする。
図3を参照して説明すると、光クロスコネクト(i,j)間の波長パス経路として、例えば、波長パス「1」や波長パス「2」等が波長パス経路の候補となるが、最短の波長パス経路である波長パス「1」(最短ホップ数=4)に比べ、長すぎる経路、つまり、ホップ数の上限となる閾値Lmax(i,j)(例えば、Lmax(i,j)=6)を超える波長パス「2」(ホップ数=7)については、波長パス経路の候補としないように削除する。
このように、SpaceReducton法では、波長パス経路の変数の数を削減した上で、数理計画法を実行することにより、計算速度を高速化することができる。
Decomposition法は、最適化問題(線形計画問題)を小さな部分問題に分割し、部分問題を繰り返し解くことにより、計算の高速化を図るものである。
具体的には、図4に示すように、Decomposition法では、部分に分割する方法として、IPトラヒックをトラヒック量の多い順にソートし(ステップS1)、上位X個のIPトラヒックを選択し、その選択したIPトラヒックの経路を最適化するように部分問題を解く(ステップS2)。その際、選択したIPトラヒック以外のIPトラヒックの経路を変数から除外、つまり一時的に、そのIPトラヒックの経路の変数を0に設定する。続いて、次にトラヒック量の多いX個のIPトラヒックを選択し、その選択したIPトラヒックの経路を最適化するように部分問題を解く(ステップS3)。そして、全てのIPトラヒックに対する経路が最適化されるまでこの処理を繰り返す(ステップS4)。
F. Ricciato, S. Salsano, Angelo Belmonte, and M. Listanti, "Off-line Configuration of a MPLS over WDM Network under Time-Varying Offered Traffic", INFOCOM2002,IEEE Taiju MIKOSHI, Toyofumi TAKENAKA, Ryuta SUGIYAMA, Akeo MASUDA, Kohei SHIOMOTO, "Multi-layer network topology design for large-scale network," Proceedings of the 2011 23rd International Teletraffic Congress(ITC), pp. 306-307, Sept. 2011.
このSpaceReducton法は、物理トポロジが確定して、各対地間ノードのホップ数が分かっていることが前提であるため、物理トポロジが確定している波長レイヤにおける波長パス経路候補を削減することが可能である。しかしながら、波長パスに対応する論理リンクによって構成される論理トポロジ上のIPトラヒックは、各対地間の波長パスの有無が確定されていないため、論理リンクが確定されない、そのため、SpaceReducton法により、IPトラヒック経路候補を削減することはできない。
また、Decomposition法は、IPレイヤにも適用可能であり、計算時間を高速化することができるが、トラヒック特性によって、例えば、トラヒック量の差が小さい場合等では、精度が大幅に低下してしまうという問題がある。
このような背景を鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、精度を低下させることなく、計算時間を低減させてネットワーク設計を実行する、ネットワーク設計装置およびネットワーク設計プログラムを提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、波長ノード間の波長パスが物理リンクにより構成される物理網上に設定され、前記設定された波長パスが論理網においてIPルータ間の論理リンクを構成し、前記論理網にIPトラヒック経路が設定されるIPネットワークのネットワーク設計を行うネットワーク設計装置であって、前記物理リンクのトポロジ情報を含む前記ネットワーク設計のための初期情報を記憶すると共に、前記IPルータ間に設定されるIPトラヒック経路候補の最短経路のホップ数に比べホップ数が大きすぎるIPトラヒック経路を削除する閾値を設定するための上みホップ数、および、前記波長ノード間の波長パス候補の最短経路のホップ数についての、当該波長パス候補を削除するための閾値である最大ホップ数を示す最短ホップ数の最大値、が記憶される記憶部と、前記初期情報前記上みホップ数および前記最短ホップ数の最大値を取得し、前記記憶部に記憶する初期情報取得部と、前記物理リンクのトポロジ情報を参照し、全ての波長ノード間のパスを前記波長パス候補として抽出する波長パス候補抽出部と、前記波長ノード間の前記波長パス候補の最短経路を算出して当該最短経路のホップ数を示す最短ホップ数を算出し、前記算出した最短ホップ数が前記最短ホップ数の最大値を超える波長パス候補を、前記波長パス候補抽出部が抽出した全ての波長パス候補の中から削除する波長パス候補削減部と、前記全ての波長パス候補の中から前記波長パス候補削減部が削除した波長パス候補を除いた波長パス候補に対応する論理リンクによって構成される論理トポロジを用いて、前記IPルータ間に設定される前記IPトラヒック経路候補の最短経路を算出し、当該最短経路のホップ数に前記上みホップ数を加えた値を超えるホップ数の前記IPトラヒック経路候補を削除するIPトラヒック経路候補削減処理部と、前記IPトラヒック経路候補削減処理部により当該削除されたIPトラヒック経路候補および前記波長パス候補削減部により削除された波長パス候補を通る波長パス経路候補を変数から除外した上で、前記初期情報を参照し、数理計画法を用いて、前記数理計画法の目的関数において、前記IPネットワークの設備量を最小化させるようにして、前記IPトラヒック経路、前記波長パスの経路および前記波長パスの本数、並びに、前記IPネットワークにおいて必要となる必要設備量の最適解を計算する経路設備量計算部と、を備えることを特徴とするネットワーク設計装置とした。
また、請求項に記載の発明は、波長ノード間の波長パスが物理リンクにより構成される物理網上に設定され、前記設定された波長パスが論理網においてIPルータ間の論理リンクを構成し、前記論理網にIPトラヒック経路が設定されるIPネットワークのネットワーク設計を行うためのコンピュータを、前記物理リンクのトポロジ情報を含む前記ネットワーク設計のための初期情報を記憶すると共に、前記IPルータ間に設定されるIPトラヒック経路候補の最短経路のホップ数に比べホップ数が大きすぎるIPトラヒック経路を削除する閾値を設定するための上みホップ数、および、前記波長ノード間の波長パス候補の最短経路のホップ数についての、当該波長パス候補を削除するための閾値である最大ホップ数を示す最短ホップ数の最大値、が記憶される記憶手段、前記初期情報前記上みホップ数および前記最短ホップ数の最大値を取得し、前記記憶手段に記憶する初期情報取得手段、前記物理リンクのトポロジ情報を参照し、全ての波長ノード間のパスを前記波長パス候補として抽出する波長パス候補抽出手段、前記波長ノード間の前記波長パス候補の最短経路を算出して当該最短経路のホップ数を示す最短ホップ数を算出し、前記算出した最短ホップ数が前記最短ホップ数の最大値を超える波長パス候補を、前記波長パス候補抽出手段が抽出した全ての波長パス候補の中から削除する波長パス候補削減手段、前記全ての波長パス候補の中から前記波長パス候補削減手段が削除した波長パス候補を除いた波長パス候補に対応する論理リンクによって構成される論理トポロジを用いて、前記IPルータ間に設定される前記IPトラヒック経路候補の最短経路を算出し、当該最短経路のホップ数に前記上みホップ数を加えた値を超えるホップ数の前記IPトラヒック経路候補を削除するIPトラヒック経路候補削減処理手段、前記IPトラヒック経路候補削減処理手段により当該削除されたIPトラヒック経路候補および前記波長パス候補削減手段により削除された波長パス候補を通る波長パス経路候補を変数から除外した上で、前記初期情報を参照し、数理計画法を用いて、前記数理計画法の目的関数において、前記IPネットワークの設備量を最小化させるようにして、前記IPトラヒック経路、前記波長パスの経路および前記波長パスの本数、並びに、前記IPネットワークにおいて必要となる必要設備量の最適解を計算する経路設備量計算手段、として機能させるためのネットワーク設計プログラムとした。
このように、ネットワーク設計装置(ネットワーク設計プログラム)は、波長パス候補を抽出し、その波長パス候補に対応する論理リンクによって構成される論理トポロジを用いて、IPルータ間のIPトラヒック経路候補を算出し、そのIPトラヒック経路候補の最短経路のホップ数に所定値(上みホップ数)を加えた値を超える(長すぎる)ホップ数のIPトラヒック経路候補を削減することができる。
よって、数理計画法を用いた計算処理において、最適解として計算される可能性が低いIPトラヒック経路候補を変数から除外することができるため、精度を低下させることなく、計算時間を低減させて、IPトラヒック経路、波長パスの経路および波長パスの本数、並びに、必要設備量を計算することができる。
また、ネットワーク設計装置は、抽出された波長パス候補のうち、波長ノード間の最短経路のホップ数が所定値(最短ホップ数の最大値)を超える波長パスを波長パス候補から削除することができる。
よって、数理計画法を用いた計算処理において、削除された波長パス候補を通る波長パス経路候補を変数から除外することができるため、さらに計算時間を低減させて、IPトラヒック経路、波長パスの経路および波長パスの本数、並びに、必要設備量を計算することができる。
本発明によれば、精度を低下させることなく、計算時間を低減させてネットワーク設計を実行する、ネットワーク設計装置およびネットワーク設計プログラムを提供することができる。
光IPネットワークの構成例を説明するための図である。 従来技術により計算されたネットワーク設計の一例を説明するための図である。 従来技術のSpaceReducton法を説明するための図である。 従来技術のDecomposition法を説明するための図である。 本実施形態に係るネットワーク設計装置の構成例を示す機能ブロック図である。 本実施形態に係るネットワーク設計装置の波長パス候補削減部による、波長パス候補削減処理を説明するための図である。 本実施形態に係るネットワーク設計装置が実行するネットワーク設計処理の全体の流れを示すフローチャートである。 実験に用いた評価対象の物理トポロジと定数情報を説明するための図である。 実験結果を示す図である。図9(a)は、計算時間の評価結果を示し、図9(b)は、目的関数の値の評価結果を示す。
次に、発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
<概要>
本実施形態に係るネットワーク設計装置1等の概要について説明する。
なお、以下に記載する波長ノードとは、図1に示した波長レイヤにおける具体例として、光クロスコネクト(OXC)を意味するものである。
本実施形態に係るネットワーク設計装置1は、精度を低下させることなく、計算時間を低減させてネットワーク設計を実行するため、前記した数理計画法を用いた非特許文献1に記載の手法を改良し、波長パス経路に加えて、IPトラヒック経路においても変数の数を削減できるものとした。
具体的には、ネットワーク設計装置1は、一時的に波長パス候補を抽出し、その波長パス候補に基づき論理リンクを仮決めすることにより、IPトポロジ(論理トポロジ)を固定できるようにする。
ネットワーク設計装置1は、まず、全ての波長ノードi,j間のパスを波長パス候補として抽出し、抽出した波長パスに基づき、波長ノードi,j間の波長パスの最短経路を算出する。そして、ネットワーク設計装置1は、波長ノードi,j間の波長パスの最短経路のホップ数(以下、「最短ホップ数LP sp(i,j)」という。)の最大値(以下、「最短ホップ数の最大値MLSP(i,j)」という。)に基づき、その最短ホップ数の最大値MLSP(i,j)以内のホップ数の波長パスを波長パス候補として出力する。つまり、ネットワーク設計装置1は、最短ホップ数の最大値MLSP(i,j)を超えるホップ数の波長パスを削除して、波長パス候補を仮決めする。
また、ネットワーク設計装置1は、仮決めされた波長パス候補に対応する論理リンクよって構成される論理トポロジを用いて、ルータi,j間のIPトラヒックの最短経路を算出し、その最短経路のホップ数(以下、「最短ホップ数LR SP(i,j)」という。)に所定数(後記する、「上みホップ数k(i,j)」)を加えたホップ数を閾値としてその閾値を超えるIPトラヒック経路を削除する。
このようにすることで、本実施形態に係るネットワーク設計装置1は、波長パス候補を削減して波長パス候補を仮決めし、さらに、その仮決めされた波長パス候補に対応する論理リンクにより構成される論理トポロジに基づいて設定されるIPトラヒック経路候補をさらに削減して、数理計画法を実行することができる。つまり、波長パス候補およびIPトラヒック経路候補に関する変数を削減して数理計画法を実行することができる。これにより、ネットワーク設計装置1は、精度を低下させることなく、計算時間を低減させてネットワーク設計を実行することが可能となる。
<ネットワーク設計装置>
まず、本実施形態に係るネットワーク設計装置1について説明する。
ネットワーク設計装置1は、図1に示す光IPネットワーク100におけるネットワーク設計を実行する。このネットワーク設計装置1は、ネットワーク設計に必要な初期情報(物理リンクのトポロジ情報411や、対地間のトラヒックデマンド情報412等)を、各ノードや、光IPネットワーク100を管理するネットワーク管理装置(不図示)等から取得する。そして、ネットワーク設計装置1は、数理計画法を用いて、IPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数、並びに、必要設備量を計算する。なお、本実施形態において、数理計画法を用いて、IPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数、並びに、必要設備量を計算する処理を、「ネットワーク設計」、または、より詳細な処理内容を示す「経路設備量計算処理」と称して説明する。
その際、ネットワーク設計装置1は、全ての波長パス候補を抽出してその中から、最短ホップ数LP sp(i,j)が最短ホップ数の最大値MLSP(i,j)を超える波長パスを波長パス候補から削除して、波長パス候補を決定し、その決定した波長パス候補に基づき論理トポロジを仮決めする。さらに、ネットワーク設計装置1は、その仮決めされた論理トポロジに基づいて設定されるIPトラヒック経路候補について、最短ホップ数LR SP(i,j)に所定数(上みホップ数k(i,j))を加えたホップ数を超えるIPトラヒック経路を削除した上、ネットワーク設計を実行する。
図5は、本実施形態に係るネットワーク設計装置1の構成例を示す機能ブロック図である。図5に示すように、ネットワーク設計装置1は、制御部10、入出力部20、メモリ部30および記憶部40を備える。
入出力部20(入出力手段)は、通信回線を介して情報の送受信を行う通信インタフェースと、不図示のキーボード等の入力手段やモニタ等の出力手段等との間で情報の入出力を行う入出力インタフェースとから構成される。
制御部10は、ネットワーク設計装置1全体の制御を司り、入出力情報処理部11と、初期情報取得部12と、IPトラヒック経路候補削減部13と、経路設備量計算部14とを含んで構成される。
入出力情報処理部11は、入出力部20を介して、物理リンクのトポロジ情報411や対地間のトラヒックデマンド情報412等を含む初期情報を取得し、初期情報取得部12に引き渡す。この初期情報は、経路設備量計算部14が、数理計画法を用いてネットワーク設計を実行するために必要となる、物理リンクのトポロジ情報411や、対地間のトラヒックデマンド情報412、ネットワーク内の装置やリンクに関する各初期値の情報であり、詳細は後記する。
また、入出力情報処理部11は、IPトラヒック経路候補削減部13が参照する、最短ホップ数の最大値MLSP(i,j)および上みホップ数k(i,j)を取得し、初期情報取得部12に引き渡す。この最短ホップ数の最大値MLSP(i,j)および上みホップ数k(i,j)の詳細については後記する。
この入出力情報処理部11は、経路設備量計算部14が計算した結果である、IPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数、並びに、必要設備量を、入出力部20を介して外部へ出力する。
初期情報取得部12(初期情報取得手段)は、入出力情報処理部11を介して、初期情報を取得し、記憶部40内の初期情報DB(DataBase)41に記憶する。また、初期情報取得部12は、入出力情報処理部11を介して、最短ホップ数の最大値MLSP(i,j)および上みホップ数k(i,j)を取得し、記憶部40に記憶する。
IPトラヒック経路候補削減部13は、経路設備量計算部14が数理計画法を用いて、ネットワーク設計を実行する際の、波長パス候補やIPトラヒック経路候補を削減することにより、ネットワーク設計を実行する際の変数の数を削減する。このIPトラヒック経路候補削減部13は、波長パス候補抽出部131と、波長パス候補削減部132と、IPトラヒック経路候補削減処理部133とを備える。
波長パス候補抽出部131(波長パス候補抽出手段)は、記憶部40内の物理リンクのトポロジ情報411を参照し、波長パス候補を抽出する。ここでは、波長パス候補抽出部131は、全ての波長ノードi,j間のパスを波長パス候補として抽出するものとする。
波長パス候補削減部132(波長パス候補削減手段)は、波長パス候補抽出部131が抽出した全ての波長パス候補の中から、最短ホップ数LP sp(i,j)が最短ホップ数の最大値MLsp(i,j)を超える波長パスを波長パス候補から削除して、波長パス候補を決定する。なお、波長パス候補削減部132は、削除した波長パス候補の情報を、経路設備量計算部14に出力する。
具体的は、波長パス候補削減部132は、波長ノードi,j間の波長パスの最短経路を算出し、その最短経路のホップ数である最短ホップ数LP sp(i,j)を算出する。そして、波長パス候補削減部132は、記憶部40に記憶された最短ホップ数の最大値MLsp(i,j)を参照し、以下の(式16)を満たす、つまり、波長ノードi,j間の最短ホップ数LP sp(i,j)が、最短ホップ数の最大値MLSP(i,j)以下の波長パスを波長パス候補として決定する。
P sp(i,j)≦MLsp(i,j) … (式16)
なお、最短ホップ数の最大値MLSP(i,j)は、波長ノードi,j間の波長パス候補の最短経路のホップ数(最短ホップ数LP sp(i,j))についての、当該波長パス候補を削除するための閾値である最大のホップ数を意味する。また、この波長パス候補削減部132による処理を、以下において、「波長パス候補削減処理」と称して説明する。この波長パス候補削減処理の具体例を、図6を参照して説明する。
図6は、波長パス候補削減部132による、波長パス候補削減処理を説明するための図である。
図6に示すように、波長ノードi,j間に、最短ホップ数LP sp(i,j)が「4」の波長パス(波長パス候補)「3」が、波長パス候補削減部132により算出されたものとする。このとき、最短ホップ数の最大値MLSP(i,j)=3と設定されていた場合、波長パス候補削減部132は、波長ノードi,j間の最短ホップ数LP sp(i,j)が、最短ホップ数の最大値MLSP(i,j)以下とならず(式16)を満たさないため、その波長パス(波長パス候補)「3」を削除する。なお、波長ノードi,j間を通るIPトラヒックは、例えば、波長パス「4」と波長パス「5」といった、最短ホップ数LP sp(i,j)が最短ホップ数の最大値MLSP(i,j)以下であり(式16)の条件を満たす複数の波長パスを繋げることで、通信が可能となるため、IPトラヒック経路の設定においては、特に支障とならず、ネットワーク設計の精度に影響を与えるものではない。
図5に戻り、IPトラヒック経路候補削減処理部133(IPトラヒック経路候補削減処理手段)は、波長パス候補削減部132により決定された波長パス候補に対応する論理リンクによって構成される論理トポロジを用いて、ルータi,j間のIPトラヒック経路の最短経路を算出し、その最短経路のホップ数である最短ホップ数LR SP(i,j)を算出する。そして、IPトラヒック経路候補削減処理部133は、記憶部40に記憶された上みホップ数k(i,j)を参照し、LR SP(i,j)+k(i,j)を算出し、その算出した値よりホップ数が大きいルータi,j間のIPトラヒック経路候補を削除する。つまり、IPトラヒック経路候補削減処理部133は、最短ホップ数LR SP(i,j)のIPトラヒック経路候補に比べ、長すぎる(迂回する)経路(上みホップ数k(i,j)を加えた値よりもさらにホップ数が大きい経路)のIPトラヒック経路候補を削除する。ここで、上みホップ数k(i,j)は、ルータi,j間に設定されるIPトラヒック経路候補の最短経路のホップ数(最短ホップ数LR SP(i,j))に比べホップ数が大きすぎるIPトラヒック経路を削除する閾値を設定するための値である。なお、IPトラヒック経路候補削減処理部133は、削除したIPトラヒック経路候補の情報を、経路設備量計算部14に出力する。また、このIPトラヒック経路候補削減処理部133による処理を、以下において、「IPトラヒック経路候補削減処理」と称して説明する。
なお、このIPトラヒック経路候補削減処理により、最短ホップ数LR SP(i,j)に比べホップ数の大きい(長すぎる)IPトラヒック経路候補を削除した場合でも、経路設備量計算部14の数理計画法を用いたネットワーク設計により、その長すぎるIPトラヒック経路が最適解として計算される可能性は低いため、ネットワーク設計の精度に影響を与えるものではない。
経路設備量計算部14(経路設備量計算手段)は、IPトラヒック経路候補削減部13により、波長パス候補およびIPトラヒック経路候補が削減されたことにより、その波長パス候補を通る波長パス経路候補およびIPトラヒック経路候補を変数から除外してネットワーク設計を実行する。
具体的には、経路設備量計算部14は、IPトラヒック経路候補削減部13が削除した波長パス候補を通る波長パス経路候補については、λi,j m,n=0とし、削除したIPトラヒック経路候補については、rs,d i,j=0とした上で、数理計画法を用いて、IPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数、並びに、必要設備量を計算し最適解を得る。この数理計画法は、前記した非特許文献1に記載の数理計画法を適用することができる。具体的には、経路設備量計算部14は、前記した(式1)〜(式14)の制約式を満たす変数λi,j,λi,j m,n,rs,d i,jに対して、目的関数Σi,jλi,j + αΣi,j,m,nλi,j m,n(式15)を最小化させる変数を数理計画法によって求めることにより、最適なIPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数、並びに、必要設備量を求める。なお、この経路設備量計算部14による処理を、以下において、「経路設備量計算処理」と称する場合がある。
ここで、数理計画法で用いる目的関数(式15)および制約式(式1)〜(式14)において用いる、符号の定義等をまとめて説明する。
(定数情報)
・ts,d(対地間のトラヒックデマンド情報412):ルータs,d間の交流トラヒックにおけるトラヒック量(トラヒックデマンド)
・B:論理リンクの最大帯域
・G:ルータjのルーチング容量
・R:ルータiの論理リンクの最大入力/出力ポート数
・Pm,n:光クロスコネクト(波長ノード)m,nを端点とする物理リンクの最大波長多重数
・On:光クロスコネクト(波長ノード)nの最大波長スイッチ数
・α:ルータのインタフェース(ポート)と光クロスコネクト(波長ノード)のインタフェース(ポート)との価格比
(変数情報)
・rs,d i,j:ルータs,dを始点・終点とする交流トラヒックにおいて、ルータi,j間の論理リンクを通る交流トラヒック量の割合(=IPトラヒック経路)
・λi,j:ルータi,j間の論理リンクの数(=光クロスコネクト(波長ノード)i,j間の物理リンクを通る波長パスの数)
・λi,j m,n:光クロスコネクト(波長ノード)i,jを始点・終点とする波長パスの中で、光クロスコネクト(波長ノード)m,n間の物理リンクを通る波長パスの数(=波長パス経路)
この数理計画法によるネットワーク設計を実行する際に、経路設備量計算部14は、変数である波長パス経路(λi,j m,n)のうち、IPトラヒック経路候補削減部13が削減した波長パス候補を通る波長パス経路ついては、λi,j m,n=0とし、変数であるIPトラヒック経路候補(rs,d i,j)のうち、IPトラヒック経路候補削減部13が削減したIPトラヒック経路については、rs,d i,j=0として計算する。
このように、ネットワーク設計装置1は、波長パス経路(λi,j m,n)およびIPトラヒック経路(rs,d i,j)の変数の数を削減することにより計算時間を低減させて、IPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数、並びに、必要設備量を計算することができる。
図5に戻り、メモリ部(記憶手段)30は、RAM(Random Access Memory)等の一次記憶手段からなり、制御部10によるデータ処理に必要な情報を一時的に記憶する。
記憶部(記憶手段)40は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶手段からなり、物理リンクのトポロジ情報411や、対地間のトラヒックデマンド情報412、経路設備量計算部14が実行する数理計画法を用いた処理において初期情報として必要となる各種の定数情報(B,G,R,Pm,n,On,α)等が初期情報DB41に記憶される。
また、この記憶部(記憶手段)40には、最短ホップ数の最大値MLSP(i,j)および上みホップ数k(i,j)が記憶される。
なお、この制御部10は、例えば、記憶部40に格納されたプログラム(ネットワーク設計プログラム)をCPU(Central Processing Unit)がメモリ部30であるRAMに展開し実行することで実現される。
(処理の流れ)
次に、ネットワーク設計装置1が実行するネットワーク設計処理の全体の流れを説明する。図7は、本実施形態に係るネットワーク設計装置1が実行するネットワーク設計処理の全体の流れを示すフローチャートである。
まず、ネットワーク設計装置1の初期情報取得部12が、入出力情報処理部11および入出力部20を介して、物理リンクのトポロジ情報411や、対地間のトラヒックデマンド情報412、初期情報として必要となる各種の定数情報(B,G,R,Pm,n,On,α等)を取得する(ステップS10)。
次に、ネットワーク設計装置1の初期情報取得部12は、ネットワーク設計の変数削減のために必要となる情報である、最短ホップ数の最大値MLsp(i,j)および上みホップ数k(i,j)を、入出力情報処理部11および入出力部20を介して取得する(ステップS11)。
この最短ホップ数の最大値MLsp(i,j)および上みホップ数k(i,j)の情報や、ステップS10で取得する初期情報を初期情報取得部12は、光IPネットワーク100(図1参照)の全体を管理するネットワーク管理装置(不図示)から通信回線を介して取得したり、入力手段により入出力部20を介して入力された情報として取得することができる。
続いて、波長パス候補抽出部131は、記憶部40内の物理リンクのトポロジ情報411を参照し、全ての波長ノードi,j間のパスを波長パス候補として抽出する(波長パス候補抽出処理:ステップS12)。
そして、波長パス候補削減部132は、波長パス候補を削減するための波長パス候補削減処理を実行する(ステップS13)。
具体的には、波長パス候補削減部132は、波長パス候補抽出部131が抽出した全ての波長パス候補について、その波長ノードi,j間の波長パスの最短経路を算出し、その最短経路のホップ数である最短ホップ数LP sp(i,j)を算出する。そして、波長パス候補削減部132は、記憶部40に記憶された最短ホップ数の最大値MLsp(i,j)を参照し、波長ノードi,j間の最短ホップ数LP sp(i,j)が、最短ホップ数の最大値MLsp(i,j)以下の波長パスを波長パス候補として決定する。つまり、波長パス候補削減部132は、波長ノードi,j間の最短ホップ数LP sp(i,j)が、最短ホップ数の最大値MLsp(i,j)を超える波長パスを波長パス候補から削除するものと決定する。ここで、波長パス候補削減部132は、削除した波長パス候補の情報を、経路設備量計算部14に出力する。
次に、IPトラヒック経路候補削減処理部133は、IPトラヒック経路候補を削減するためのIPトラヒック経路候補削減処理を実行する(ステップS14)。
具体的には、IPトラヒック経路候補削減処理部133は、波長パス候補削減部132により決定された波長パス候補に対応する論理リンクによって構成される論理トポロジを用いて、ルータi,j間のIPトラヒック経路の最短経路を算出し、その最短経路のホップ数である最短ホップ数LR SP(i,j)を算出する。そして、IPトラヒック経路候補削減処理部133は、記憶部40に記憶された上みホップ数k(i,j)を参照し、LR SP(i,j)+k(i,j)を算出し、その算出した値よりホップ数が大きいルータi,j間のIPトラヒック経路候補を削除する。ここで、IPトラヒック経路候補削減処理部133は、削除したIPトラヒック経路候補の情報を、経路設備量計算部14に出力する。
続いて、経路設備量計算部14は、波長パス経路(λi,j m,n)およびIPトラヒック経路(rs,d i,j)に関する変数を削減した上で、IPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数、並びに、必要設備量を計算する経路設備量計算処理を実行する(ステップS15)。
具体的には、経路設備量計算部14は、波長パス候補削減部132が削減した波長パス候補を通る波長パス経路についてはλi,j m,n=0とし、IPトラヒック経路候補削減処理部133が削減したIPトラヒック経路候補については、rs,d i,j=0として変数の数を削減した上で、数理計画法を用いて、IPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数、並びに、必要設備量を計算し最適解を得る。より詳細には、前記した(式1)〜(式14)の制約式を満たす変数λi,j,λi,j m,n,rs,d i,jに対して、目的関数Σi,jλi,j + αΣi,j,m,nλi,j m,n(式15)を最小化させる変数を数理計画法によって求めることにより、最適なIPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数、並びに、必要設備量を求める。
このように、ネットワーク設計装置1は、λi,j m,n,rs,d i,jの変数の数を削減した上で、数理計画法を用いたネットワーク設計を実行することができる。
(実験結果)
次に、本実施形態に係るネットワーク設計装置1による、ネットワーク設計の実験結果を、従来技術と比較して説明する。
実験では、従来技術として、非特許文献2に記載の、SpaceReduction法を用いた場合、Decomposition法を用いた場合、この両者を用いずに非特許文献1に記載の数理計画法を用いた場合(図9において「高速化手法なし」と記載)について実行し、本実施形態に係るネットワーク設計装置1による処理結果と比較検討した。
実験の概要は、評価対象の物理トポロジとして、ノード数「13」〜「16」を設定し(図8には、ノード数「16」の場合について例示)、定数情報として図8に示す情報(B,G,R,Pm,n,On,α,ts,d(トラヒックデマンド))を初期情報とて設定した。
また、SpaceReduction法においては、ホップ数の上限となる閾値Lmax(i,j)=3とし、Decomposition法においては、部分に分割する数X=40とした。本実施形態に係るネットワーク設計装置1においては、最短ホップ数の最大値MLsp(i,j)=3、上みホップ数k(i,j)=3とした。
実験結果を図9に示す。図9(a)は、計算時間の評価結果を示し、図9(b)は、目的関数の値の評価結果を示す。
図9(a)に示すように、計算時間の実験結果は、ノード数が「13」〜「15」において、本実施形態に係るネットワーク設計装置1が最も短時間に処理を終えることができた。なお、ノード数「16」では、「高速化手法なし」およびSpaceReduction法を用いた場合において、処理開始から5時間を経過しても計算を完了することができなかった。
また、図9(b)に示すように、目的関数の値の評価結果は、ノード数「13」〜「15」の場合において、「高速化手法なし」、SpaceReduction法および本実施形態に係るネットワーク設計装置1では、精度の高い値を算出した。これに対し、Decomposition法では、目的関数の値に関する精度が、ノード数「13」〜「15」のいずれの場合においても他の方法に比べ低くなることが示された。
以上の実験結果から、本実施形態に係るネットワーク設計装置1によるネットワーク設計は、従来技術に比べ計算時間を低減でき、かつ、計算精度も高いことが示された。
以上説明したように、本実施形態に係るネットワーク設計装置1によれば、数理計画法に用いる、波長パス経路およびIPトラヒック経路に関する変数を削減した上で、精度を低下させることなく、計算時間を低減させてネットワーク設計を実行することができる。
(変形例)
なお、本実施形態においては、図5に示したネットワーク設計装置1のIPトラヒック経路候補削減部13において、波長パス候補削減部132およびIPトラヒック経路候補削減処理部133の両方により、数理計画法に用いる変数(λi,j m,n,rs,d i,j)の数を削減するものとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されず、例えば、ネットワーク設計装置1のIPトラヒック経路候補削減部13に、波長パス候補削減部132を備えない構成としてもよい。この場合、IPトラヒック経路候補削減処理部133は、波長パス候補抽出部131が抽出した、全ての波長ノードi,j間のパスを波長パス候補とした上で、その波長パス候補を用いて、ルータi,j間のIPトラヒック経路の最短ホップ数LR SP(i,j)を算出する。そして、IPトラヒック経路候補削減処理部133は、記憶部40に記憶された上みホップ数k(i,j)を参照し、LR SP(i,j)+k(i,j)よりホップ数が大きいルータi,j間のIPトラヒック経路候補を削除するようにする。その際、図7に示した全体の処理の流れにおいては、初期情報取得部12が、ステップS11において、最短ホップ数の最大値MLsp(i,j)の情報を取得せず、ステップS13の波長パス候補削減処理がなくなるものとなる。
このような、本実施形態の変形例に係るネットワーク設計装置1においても、数理計画法に用いるIPトラヒック経路(rs,d i,j)の変数を削減し、精度を低下させることなく、計算時間を低減させてネットワーク設計を実行することができる。
1 ネットワーク設計装置
10 制御部
11 入出力情報処理部
12 初期情報取得部(初期情報取得手段)
13 IPトラヒック経路候補削減部
14 経路設備量計算部(経路設備量計算手段)
20 入出力部(入出力手段)
30 メモリ部(記憶手段)
40 記憶部(記憶手段)
41 初期情報DB
100 光IPネットワーク
131 波長パス候補抽出部(波長パス候補抽出手段)
132 波長パス候補削減部(波長パス候補削減手段)
133 IPトラヒック経路候補削減処理部(IPトラヒック経路候補削減処理手段)
411 物理リンクのトポロジ情報
412 対地間のトラヒックデマンド情報

Claims (2)

  1. 波長ノード間の波長パスが物理リンクにより構成される物理網上に設定され、前記設定された波長パスが論理網においてIPルータ間の論理リンクを構成し、前記論理網にIPトラヒック経路が設定されるIPネットワークのネットワーク設計を行うネットワーク設計装置であって、
    前記物理リンクのトポロジ情報を含む前記ネットワーク設計のための初期情報を記憶すると共に、前記IPルータ間に設定されるIPトラヒック経路候補の最短経路のホップ数に比べホップ数が大きすぎるIPトラヒック経路を削除する閾値を設定するための上みホップ数、および、前記波長ノード間の波長パス候補の最短経路のホップ数についての、当該波長パス候補を削除するための閾値である最大ホップ数を示す最短ホップ数の最大値、が記憶される記憶部と、
    前記初期情報前記上みホップ数および前記最短ホップ数の最大値を取得し、前記記憶部に記憶する初期情報取得部と、
    前記物理リンクのトポロジ情報を参照し、全ての波長ノード間のパスを前記波長パス候補として抽出する波長パス候補抽出部と、
    前記波長ノード間の前記波長パス候補の最短経路を算出して当該最短経路のホップ数を示す最短ホップ数を算出し、前記算出した最短ホップ数が前記最短ホップ数の最大値を超える波長パス候補を、前記波長パス候補抽出部が抽出した全ての波長パス候補の中から削除する波長パス候補削減部と、
    前記全ての波長パス候補の中から前記波長パス候補削減部が削除した波長パス候補を除いた波長パス候補に対応する論理リンクによって構成される論理トポロジを用いて、前記IPルータ間に設定される前記IPトラヒック経路候補の最短経路を算出し、当該最短経路のホップ数に前記上みホップ数を加えた値を超えるホップ数の前記IPトラヒック経路候補を削除するIPトラヒック経路候補削減処理部と、
    前記IPトラヒック経路候補削減処理部により当該削除されたIPトラヒック経路候補および前記波長パス候補削減部により削除された波長パス候補を通る波長パス経路候補を変数から除外した上で、前記初期情報を参照し、数理計画法を用いて、前記数理計画法の目的関数において、前記IPネットワークの設備量を最小化させるようにして、前記IPトラヒック経路、前記波長パスの経路および前記波長パスの本数、並びに、前記IPネットワークにおいて必要となる必要設備量の最適解を計算する経路設備量計算部と、
    を備えることを特徴とするネットワーク設計装置。
  2. 波長ノード間の波長パスが物理リンクにより構成される物理網上に設定され、前記設定された波長パスが論理網においてIPルータ間の論理リンクを構成し、前記論理網にIPトラヒック経路が設定されるIPネットワークのネットワーク設計を行うためのコンピュータを、
    前記物理リンクのトポロジ情報を含む前記ネットワーク設計のための初期情報を記憶すると共に、前記IPルータ間に設定されるIPトラヒック経路候補の最短経路のホップ数に比べホップ数が大きすぎるIPトラヒック経路を削除する閾値を設定するための上みホップ数、および、前記波長ノード間の波長パス候補の最短経路のホップ数についての、当該波長パス候補を削除するための閾値である最大ホップ数を示す最短ホップ数の最大値、が記憶される記憶手段、
    前記初期情報前記上みホップ数および前記最短ホップ数の最大値を取得し、前記記憶手段に記憶する初期情報取得手段、
    前記物理リンクのトポロジ情報を参照し、全ての波長ノード間のパスを前記波長パス候補として抽出する波長パス候補抽出手段、
    前記波長ノード間の前記波長パス候補の最短経路を算出して当該最短経路のホップ数を示す最短ホップ数を算出し、前記算出した最短ホップ数が前記最短ホップ数の最大値を超える波長パス候補を、前記波長パス候補抽出手段が抽出した全ての波長パス候補の中から削除する波長パス候補削減手段、
    前記全ての波長パス候補の中から前記波長パス候補削減手段が削除した波長パス候補を除いた波長パス候補に対応する論理リンクによって構成される論理トポロジを用いて、前記IPルータ間に設定される前記IPトラヒック経路候補の最短経路を算出し、当該最短経路のホップ数に前記上みホップ数を加えた値を超えるホップ数の前記IPトラヒック経路候補を削除するIPトラヒック経路候補削減処理手段、
    前記IPトラヒック経路候補削減処理手段により当該削除されたIPトラヒック経路候補および前記波長パス候補削減手段により削除された波長パス候補を通る波長パス経路候補を変数から除外した上で、前記初期情報を参照し、数理計画法を用いて、前記数理計画法の目的関数において、前記IPネットワークの設備量を最小化させるようにして、前記IPトラヒック経路、前記波長パスの経路および前記波長パスの本数、並びに、前記IPネットワークにおいて必要となる必要設備量の最適解を計算する経路設備量計算手段、
    として機能させるためのネットワーク設計プログラム。
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