JP5903006B2 - コンタクトレンズ吸着具 - Google Patents

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Description

本発明は、常用型や定期交換型の含水性のソフトコンタクトレンズをコンタクトレンズ保存ケースから取り出すために用いられる、コンタクトレンズ吸着具に関するものである。
よく知られているように、常用型や定期交換型の含水性のソフトコンタクトレンズは、保存液とコンタクトレンズを収容する容器本体と該容器本体の開口部を覆蓋する蓋体を有するコンタクトレンズ保存ケースに収納されており、コンタクトレンズがその内面を開口部側に向けられた状態で保存液中に浸漬されて保存されるようになっている。そして、コンタクトレンズを装用する際には、蓋体を容器本体から取り外してから、一方の手指でコンタクトレンズを摘んで容器本体から取り出し、次に他方の手指にコンタクトレンズを移してから眼球の表面に装着する。
ところで、コンタクトレンズを手指で摘んで眼に装着する方法では、角膜表面に直接接触するコンタクトレンズの内面が指に付着した雑菌等により汚染され、コンタクトレンズの汚れや目の炎症等が発生するおそれがあった。また、付け爪等を使用している場合には、手指でコンタクトレンズを摘むことが難しく、付け爪の接触によってコンタクトレンズが損傷するおそれもあって、装着作業が困難であった。
そこで、特開2000−245765号公報(特許文献1)には、スポイトの如き構造を有するコンタクトレンズ装着具が提案されている。これによれば、コンタクトレンズの外面に対して吸引力を及ぼすことで、手指によって直接触れることなくコンタクトレンズを移動させて、コンタクトレンズ保存ケースからの取り出しを行うことができる。
しかしながら、このような吸引力によるコンタクトレンズの保持は、形状安定性に優れたハードコンタクトレンズに対して有効である一方で、容易に変形するソフトコンタクトレンズでは、ノズル口に吸入されてしまって、変形や破れの発生が問題となる。
また、コンタクトレンズを直接手指で触ることなく着脱し得る別の器具として、特開2010−32772号公報(特許文献2)には、ピンセットの如き構造を有するコンタクトレンズ着脱具が開示されている。即ち、特許文献2のコンタクトレンズ着脱具では、V字形状に繋がった第1把持片と第2把持片にそれぞれ固定された綿棒を操作して、コンタクトレンズをそれら綿棒によって挟んで手指の代わりに摘むことが可能とされている。
ところが、特許文献2に記載のコンタクトレンズ着脱具も、特許文献1に記載のコンタクトレンズ装着具と同様に、ハードコンタクトレンズの装着には有効であっても、ソフトコンタクトレンズの装着に使用することが難しかった。即ち、ソフトコンタクトレンズは、薄く柔軟性に優れた合成樹脂で形成されており、外力の作用によって容易に変形することから、綿棒による挟み込みが不充分な場合にはソフトコンタクトレンズが綿棒間から脱落するおそれがある。一方、綿棒で強く挟み込むと、ソフトコンタクトレンズが半分に折り畳まれてしまって、装着できないおそれがあった。
特開2000−245765号公報 特開2010−32772号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、コンタクトレンズの内面を清潔に保ったまま眼に装着することが可能となると共に、コンタクトレンズを過度に変形させることなく容易に保持して、コンタクトレンズ保存ケースから取り出すことができる、新規な構造のコンタクトレンズ吸着具を提供することにある。
以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、コンタクトレンズ吸着具に関する本発明の第1の態様は、保存ケース内において凹状の内面を上方の開口部に向けて保存液に浸漬されたコンタクトレンズを使用者が取り出して装用するために用いられる、保存ケースから該コンタクトレンズを取り出すためのコンタクトレンズ吸着具であって、把持部と、前記把持部に支持されていると共に、前記保存液に浸漬された前記コンタクトレンズに密着して該コンタクトレンズを保持するコンタクトレンズ保持部を備えており、前記コンタクトレンズ保持部において、前記コンタクトレンズの前記内面の外周縁部に近接して内面を覆蓋することで該内面との直接的な対向面間に前記保存液を介在させて該保存液の表面張力作用で該コンタクトレンズを吸着保持する、外部へ非接続の閉状とされた保存液充填領域を画成する吸着部を設けたものである。
本態様に従う構造とされたコンタクトレンズ吸着具を用いれば、コンタクトレンズ保存ケースの内部で保存液に浸漬されたコンタクトレンズを、コンタクトレンズ保持部の吸着部にコンタクトレンズの内面を吸着保持した状態で、コンタクトレンズ保存ケースから取り出すことができる。これにより、コンタクトレンズをコンタクトレンズ保存ケースから取り出す際に、コンタクトレンズの内面に指が触れることがなく、指の接触によるコンタクトレンズ内面の汚染を有利に防止できる。しかも、狭いコンタクトレンズ保存ケース内に指を挿し入れて操作する必要がなく、コンタクトレンズを爪等で傷付ける可能性を低減できる。また、吸着部に吸着保持されたコンタクトレンズの外面の外周縁部を親指と人差し指や中指の間で挟んで保持することにより、吸着部からコンタクトレンズを取り外すと共に、他の指の腹にコンタクトレンズを載せ替えて、角膜上に装着できる。従って、コンタクトレンズの内面に指が接触することなく、少ない操作回数でコンタクトレンズを角膜上に装着できることから、操作性の向上と、コンタクトレンズへの汚れ付着防止を達成することができる。
また、コンタクトレンズ内面の吸着部への吸着は、コンタクトレンズの内面の外周縁部が吸着部に保存液の表面張力により密着されることにより、コンタクトレンズ内面と吸着部との間に保存液充填領域を画成した状態で実現される。それ故、保存液中のコンタクトレンズの内面に吸着部を近付けるだけで、保存液の表面張力により吸着部に吸い寄せられ、吸着することができる。これにより、コンタクトレンズをコンタクトレンズ保存ケースから取り出す際に、コンタクトレンズを摘み上げる必要がないことから、取り出し操作性が向上すると共に、摘み上げることによるコンタクトレンズの過度の変形や落下を有利に防止できる。
また、保存液の表面張力を利用して、コンタクトレンズをコンタクトレンズ保持部の吸着部に吸着保持していることから、従来の如き、スポイト構造やピンセット構造の道具を使用する場合に比して、コンタクトレンズに加わる局所的な外力を大幅に低減できて、コンタクトレンズの破損や傷つきのおそれを解消しつつ、保存液に浸漬されたコンタクトレンズの容易な取り出しが可能となるのである。
なお、吸着部の形状は保存液の粘性や保存液充填領域の容積、コンタクトレンズ内面の外周縁部の曲率等、吸着部の表面粗さ等を考慮して適宜に設定し得るものである。要するに、保存液充填領域内の保存液の表面張力による吸着力が発揮され得る限り、吸着部を略平坦な突出面や、凹面、凸面等任意の形状で構成することができる。
コンタクトレンズ吸着具に関する本発明の第2の態様は、第1の態様に記載されたコンタクトレンズ吸着具において、前記吸着部が球殻凸面形状を有しており、該吸着部の曲率半径が、前記コンタクトレンズの前記内面の曲率半径よりも大きくされているものである。
本態様によれば、吸着部が球殻凸面形状で、且つ略球殻凹面形状のコンタクトレンズの内面の曲率半径よりも大きな曲率半径で構成されていることから、コンタクトレンズ内面と吸着部との間に保存液充填領域を確実に画成しつつ、コンタクトレンズの内面の外周縁部が吸着部に保存液の表面張力により密着されることを、一層確実に実現することができる。これにより、球殻凸面形状の吸着部へ吸着させることによるコンタクトレンズの取り出し操作性の向上を一層有利に実現することが可能となる。
コンタクトレンズ吸着具に関する本発明の第3の態様は、第2の態様に記載されたコンタクトレンズ吸着具において、前記吸着部の曲率半径:Rが、10mm≦R≦15mmの範囲で設定されているものである。
本態様によれば、吸着部の曲率半径:Rが、10mm≦R≦15mmの範囲で設定されていることから、コンタクトレンズの一般的な内面の曲率半径R(例えば8.6mm等)において、コンタクトレンズの内面の外周縁部が吸着部に保存液の表面張力により密着されることを、一層確実に実現することができる。なお、より好ましくは、吸着部の曲率半径:Rが、12mm≦R≦13mmの範囲で設定されている。
コンタクトレンズ吸着具に関する本発明の第4の態様は、第1〜第3の何れか1つの態様に記載されたコンタクトレンズ吸着具において、前記吸着部がRa25.0μm以下の表面粗さを有しているものである。
本態様によれば、吸着部の表面粗さがRa25.0μm以下に設定されていることから、コンタクトレンズの内面の外周縁部における吸着部に対する保存液の表面張力により密着が一層有利に実現される。なお、より好ましくは、吸着部の表面粗さがRa6.3μm以下に設定される。
コンタクトレンズ吸着具に関する本発明の第5の態様は、第1〜第4の何れか1つの態様に記載されたコンタクトレンズ吸着具において、前記把持部がロッド形状を有しており、該把持部の一端部に前記コンタクトレンズ保持部が設けられている一方、前記コンタクトレンズ保持部が、該把持部の他端部と反対側に突出する球殻凸面形状を有しているものである。
本態様によれば、把持部の突出方向と吸着部の突出方向が反対方向とされていることから、把持部の上端部を保持した状態で、コンタクトレンズ保持部の吸着部を、コンタクトレンズ保存ケースの上方から挿入することができ、一層の操作性の向上を図ることができる。
本発明のコンタクトレンズ吸着具によれば、コンタクトレンズ保持部の吸着部にコンタクトレンズの内面を吸着保持した状態で、コンタクトレンズ保存ケースから取り出すことができる。これにより、コンタクトレンズをコンタクトレンズ保存ケースから取り出す際に、コンタクトレンズの内面に指が触れることがなく、指の接触によるコンタクトレンズ内面の汚染を有利に防止できる。しかも、保存液の表面張力を利用して吸着部に吸着保持していることから、従来の如き、スポイト構造やピンセット構造の道具を使用する場合に比して、コンタクトレンズに加わる局所的な外力を大幅に低減できて、コンタクトレンズの破損や傷つきのおそれを解消しつつ、保存液に浸漬されたコンタクトレンズの容易な取り出しが可能とできるのである。
本発明の一実施形態としてのコンタクトレンズ吸着具を示す側面図。 同コンタクトレンズ吸着具の正面図。 同コンタクトレンズ吸着具の平面図。 コンタクトレンズ保存ケースの開蓋時の側面図。 コンタクトレンズ吸着の状態を説明するためのコンタクトレンズ保存ケースを構成する容器本体とコンタクトレンズ吸着具の平面図。 図5におけるVI−VI断面図。 コンタクトレンズ取出し時の状態を説明するための断面説明図。 コンタクトレンズピックアップ時の状態を説明するためのコンタクトレンズ吸着具の底面図。 コンタクトレンズを眼に装用する状態を説明するための側面図であって、手指に内面を上にしてコンタクトレンズが載置された状態を示す。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1〜3には、本発明の第一の実施形態としてのコンタクトレンズ吸着具10が、示されている。このコンタクトレンズ吸着具10は、把持部12と、把持部12に支持されていると共に、後述するように保存液36に浸漬されたコンタクトレンズ24に密着してコンタクトレンズ24を保持するコンタクトレンズ保持部14を備えており、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)の他、ポリスチレン(PS),ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET),アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS)等の公知の合成樹脂材料により射出成形等によって一体形成されている。また、以下の説明において、特に断りの無い限り、上下方向とは、図1における上下方向をいうものとする。
より詳細には、把持部12はロッド形状を有しており、把持部12の一端部たる下端部にはコンタクトレンズ保持部14が設けられている一方、把持部12の他端部たる上端部16は把持し易いように扁平形状とされている。また、把持部12は、コンタクトレンズ保持部14の中心軸上に対して一方の側(図1中右方向)に僅かに傾斜して形成されている。
また、コンタクトレンズ保持部14は、薄肉円板形状の基端部20と、基端部20の中央部分から把持部12の上端部16と反対側に突出する略球殻凸面形状の吸着部22が一体的に設けられた構造とされている。
一方、コンタクトレンズ吸着具10を用いて吸着されるコンタクトレンズ24は、図4〜5に示す如き公知のコンタクトレンズ保存ケース26において、後述する保存液36に浸漬された状態で、収容保存されている。このコンタクトレンズ保存ケース26は、上方に開口する一対の収容凹所28、28が一体形成された容器本体30と、それぞれの収容凹所28、28を覆蓋する一対の蓋体32,32を含んで構成されている。これら一対の収容凹所28、28は互いに同様の構造とされている。
収容凹所28は、上方に開口する上方開口部34が形成された略有底円筒形状とされており、上方開口部34の内径寸法は、収容すべきコンタクトレンズ24のレンズ径寸法よりも大きく且つ、コンタクトレンズ吸着具10のコンタクトレンズ保持部14が挿入可能な大きさとされている。また、収容凹所28には、コンタクトレンズ24と保存液36が収容されており、内面38を上方に向けた状態のコンタクトレンズ24を浸漬するのに十分な量の保存液36で充填されている。なお、収容されるコンタクトレンズ24や保存液36の種類や材質等は限定されるものでないが、本実施形態において、コンタクトレンズ24は、例えば、HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)やシリコーンハイドロゲルを素材とする親水性ソフトコンタクトレンズとされると共に、保存液36は、コンタクトレンズ24を眼内に装着して使用し得る状態に保存維持せしめ得るものであれば何れでもよく、無菌水溶液,等浸透圧食塩水やそれらに殺菌成分が含有されたもの等とされる。また、収容されるコンタクトレンズ24の形状も特に限定されたものではないが、例えばベースカーブである内面38の曲率半径が8.1〜9.0mmで、レンズ外形が13.8〜14.4mmのものが想定され得る。
図5〜6に示すように、コンタクトレンズ保持部14の吸着部22の曲率半径:Rは、コンタクトレンズ24の内面38の曲率半径(ベースカーブ):rよりも大きくされている。より具体的には、吸着部22の曲率半径:Rは、10mm≦R≦15mmの範囲で設定されており、コンタクトレンズ24のベースカーブである内面38の曲率半径:r(8.1mm≦r≦9.0mm)よりも大きくされている。また、図5から明らかな通り、吸着部22の外径は、コンタクトレンズ24の外形よりも大きく、収容凹所28の上方開口部34の内径よりも小さく形成されている。
また、コンタクトレンズ保持部14の吸着部22は充分に滑らかな面により形成されており、具体的には、表面粗さRaが25μm以下、より好ましくは、6.3μm以下の滑面とされる。なお、表面粗さRaは、表面粗さのJIS規格(JIS B 0601−2001)に基づくものである。
このような構造とされた、本実施形態のコンタクトレンズ吸着具10の使用手順について、図7〜9を用いて説明する。まず本実施形態のコンタクトレンズ吸着具10を用いてコンタクトレンズ24を取り出す際には、開蓋されたコンタクトレンズ保存ケース26の収容凹所28内にコンタクトレンズ吸着具10のコンタクトレンズ保持部14を、収容凹所28に貯留された保存液36の液面40より下方に入れ込む。この時、把持部12がコンタクトレンズ保持部14の中心軸上から傾けて形成されていることから、把持部12を把持する使用者の手により収容凹所28が上方から覆い隠されることが回避される。従って十分な視認性を確保しつつ、コンタクトレンズ保持部14に設けられた吸着部22がコンタクトレンズ24の内面38に対向するように、コンタクトレンズ吸着具10を位置決めして収容凹所28内に挿入する作業が容易となり、操作性の向上が図られる。このように、コンタクトレンズ保持部14に設けられた吸着部22がコンタクトレンズ24の内面38の外周縁部42に近接されると、保存液36の表面張力が働いて、図7(a)に示すように、コンタクトレンズ24の内面38を覆蓋して、コンタクトレンズ24の内面38と吸着部22の間に閉状の保存液充填領域44を画成した状態で、コンタクトレンズ24が吸着部22に吸着保持される。
保存液充填領域44の容量は、保存液36の粘弾性や、保存液36にかかる重力等を考慮して、コンタクトレンズ24の内面38の外周縁部42と吸着部22の表面張力による密着が破られない程度に、任意に設定され得る。より具体的には、ベースカーブ8.6mmで直径14.2mmのコンタクトレンズ24の場合、吸着部22の曲率半径R10mmでは保存液充填領域44の容量77μlとなり、吸着部22の曲率半径R15mmでは保存液充填領域44の容量180μlとなり、さらに、吸着部22の曲率半径Rが非常に大きく略平坦面では保存液充填領域44の容量325μlとなる。
そして、コンタクトレンズ吸着具10のコンタクトレンズ保持部14を、図7(b)に示すように、収容凹所28から取り出す。この時、コンタクトレンズ24は、コンタクトレンズ24の内面38と吸着部22の間の保存液充填領域44に充填された保存液36の表面張力により、吸着部22に吸着保持されたままの状態で取り出される。次に、図7(c)に示すようにコンタクトレンズ吸着具10を裏返し、図8に示すように親指46と人差指48等でコンタクトレンズ24の外面50の外周縁部52を押し、表面張力を破る。これにより、保存液充填領域44に収容された保存液36が流れ出すことにより、表面張力による密着が速やかに解消され、コンタクトレンズ保持部14の吸着部22からコンタクトレンズ24を取り外すことができる。そして、コンタクトレンズ24の外面50の外周縁部52を親指46と人差指48等の間で挟んで保持したまま、図9に示すように他の指の腹にコンタクトレンズ24を載せ替えて、角膜上に装着する。なお、コンタクトレンズ吸着具10は、吸着部22からコンタクトレンズ24を取り出した後は、繰り返して頻回使用される。
以上述べてきたように、本実施形態のコンタクトレンズ吸着具10を用いれば、コンタクトレンズ保存ケース26の内部で保存液36に浸漬されたコンタクトレンズ24を、コンタクトレンズ保持部14の吸着部22にコンタクトレンズ24の内面38を吸着保持した状態で、コンタクトレンズ保存ケース26から取り出すことができる。これにより、コンタクトレンズ24を取り出す際に、コンタクトレンズ24の内面38に指が触れることがなく、指の接触によるコンタクトレンズ24の内面38の汚染を有利に防止できる。しかも、狭いコンタクトレンズ保存ケース26内に指を挿し入れて操作する必要がなく、コンタクトレンズ24を爪等で傷付ける可能性を低減できる。また、吸着部22に吸着保持されたコンタクトレンズ24の外面50の外周縁部52を親指46と人差指48や中指の間で挟んで保持することにより、吸着部22からコンタクトレンズ24を取り外すと共に、他の指の腹にコンタクトレンズ24を載せ替えて、角膜上に装着できる。従って、コンタクトレンズ24の内面38に指が接触することなく、少ない操作回数でコンタクトレンズ24を角膜上に装着できることから、操作性の向上と、コンタクトレンズ24への汚れ付着防止を達成することができる。
また、コンタクトレンズ24の内面38の吸着部22への吸着は、コンタクトレンズ24の内面38の外周縁部42が吸着部22に保存液36の表面張力により密着されることにより、コンタクトレンズ24の内面38と吸着部22との間に保存液充填領域44を画成した状態で実現される。それ故、保存液36中のコンタクトレンズ24の内面38に吸着部22を近付けるだけで、保存液36の表面張力により吸着部22に吸い寄せられ、吸着することができる。これにより、従来の如き、スポイト構造やピンセット構造の道具を使用する場合に比して、コンタクトレンズ24に加わる局所的な外力を大幅に低減できて、コンタクトレンズ24の破損や傷つきのおそれを解消しつつ、保存液36に浸漬されたコンタクトレンズ24の容易な取り出しが可能となるのである。
また、吸着部22が球殻凸面形状で且つ略球殻凹面形状のコンタクトレンズ24の内面38の曲率半径(例えば8.1〜9.0mm)よりも大きな曲率半径(例えば10mm〜15mm)で構成されていること、また吸着部22の表面粗さがRa25.0μm以下に設定されていることから、コンタクトレンズ24の内面38と吸着部22との間に保存液充填領域44を確実に画成しつつ、コンタクトレンズ24の内面38の外周縁部42が吸着部22に保存液36の表面張力により密着されることを、一層確実に実現することができる。
さらに、把持部12の突出方向と吸着部22の突出方向が反対方向とされており、しかも把持部12がコンタクトレンズ保持部14の中心軸上から傾けて形成されていることから、把持部12の上端部16を保持した状態で、コンタクトレンズ保持部14の吸着部22を、コンタクトレンズ保存ケース26の斜め上方から挿入しても、十分な視認性を確保しつつコンタクトレンズ保持部14に設けられた吸着部22をコンタクトレンズ24の内面38に対向する位置に位置決めして近接させることが可能となることから、一層の操作性の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、これら実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
球殻凸面形状の吸着部22は、コンタクトレンズ24の内面38との間に保存液充填領域44を画成しコンタクトレンズ24を吸着し得るものであれば、曲率半径Rを必ずしも一定とする必要はなく、非球面形状などとしてもよい。また、吸着部22の一部に平面部を設けたり、吸着部22を多面体形状としてもよい。
また、把持部12はロッド形状に限定されるものではなく、平板形状などでもよい。さらにコンタクトレンズ保持部14を支持し且つ把持できるものであれば何れでもよく、例えばコンタクトレンズ保持部14の基端部20の外周縁部から吸着部22と反対側に突出する筒状部などにより把持部12を構成してもよい。
また、把持部12はコンタクトレンズ保持部14の中心軸上から傾けて形成されるものに限定されるものではなく、コンタクトレンズ保持部14の中心軸上に構成してもよいし、さらに把持部12に手指で把持する部分に手指に対応する凹みを設ける等してもよい。
また、コンタクトレンズ吸着具10を透明な合成樹脂材料で形成して、コンタクトレンズ保持部14を通して上部からコンタクトレンズ24等が視認出来るようになし、更なる操作性の向上を図ってもよい。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
10:コンタクトレンズ吸着具、12:把持部、14:コンタクトレンズ保持部、16:上端部(他端部)、22:吸着部、24:コンタクトレンズ、36:保存液、38:内面、42:外周縁部、44:保存液充填領域

Claims (5)

  1. 保存ケース内において凹状の内面を上方の開口部に向けて保存液に浸漬されたコンタクトレンズを使用者が取り出して装用するために用いられる、保存ケースから該コンタクトレンズを取り出すためのコンタクトレンズ吸着具であって、
    把持部と、
    前記把持部に支持されていると共に、前記保存液に浸漬された前記コンタクトレンズに密着して該コンタクトレンズを保持するコンタクトレンズ保持部を備えており、
    前記コンタクトレンズ保持部において、前記コンタクトレンズの前記内面の外周縁部に近接して内面を覆蓋することで該内面との直接的な対向面間に前記保存液を介在させて該保存液の表面張力作用で該コンタクトレンズを吸着保持する、外部へ非接続の閉状とされた保存液充填領域を画成する吸着部を設けたこと
    を特徴とするコンタクトレンズ吸着具。
  2. 前記吸着部が球殻凸面形状を有しており、該吸着部の曲率半径が、前記コンタクトレンズの前記内面の曲率半径よりも大きくされている請求項1に記載のコンタクトレンズ吸着具。
  3. 前記吸着部の曲率半径:Rが、10mm≦R≦15mmの範囲で設定されている請求項2に記載のコンタクトレンズ吸着具。
  4. 前記吸着部がRa25. 0μm以下の表面粗さを有している請求項1〜3の何れか1項に記載のコンタクトレンズ吸着具。
  5. 前記把持部がロッド形状を有しており、該把持部の一端部に前記コンタクトレンズ保持部が設けられている一方、前記コンタクトレンズ保持部が、該把持部の他端部と反対側に突出する球殻凸面形状を有している請求項1〜4の何れか1項に記載のコンタクトレンズ吸着具。
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