JP5912224B2 - 白色有機電界発光素子 - Google Patents
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Description
<1> 陽極と陰極との間に、発光層を少なくとも有してなる白色有機電界発光素子であって、前記発光層が、下記構造式(1)で表されるイリジウム錯体化合物を含有することを特徴とする白色有機電界発光素子である。
本発明の白色有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に、発光層を少なくとも有してなる。前記発光層が、前記構造式(1)で表されるイリジウム錯体化合物を含有される。前記構造式(1)で表されるイリジウム錯体化合物は、420nm〜450nm付近の青色の発光強度が高い。これにより、青色の強度が補強され、色のバランス調整が容易となる。
<2> 発光層が、さらに発光可能な発光材料を含有する前記<1>に記載の白色有機電界発光素子である。
<3> 発光材料が、白金錯体発光材料、及びイリジウム錯体発光材料から選択される少なくとも1種である前記<2>に記載の白色有機電界発光素子である。
<4> 発光材料の含有量が、発光層に対して0.01質量%〜60質量%である前記<2>から<3>のいずれかに記載の白色有機電界発光素子である。
<5> 発光材料の発光ピーク波長が、400nm〜800nmである前記<2>から<4>のいずれかに記載の白色有機電界発光素子である。
<6> イリジウム錯体化合物の発光層における含有量が、1質量%〜50質量%である前記<1>から<5>のいずれかに記載の白色有機電界発光素子である。
<7> イリジウム錯体化合物が、400nm〜450nmの青色の発光ピーク波長で発光する前記<1>から<6>のいずれかに記載の白色有機電界発光素子である。
<8> 発光層が、さらにホスト材料を含有する前記<1>から<7>のいずれかに記載の白色有機電界発光素子である。
本発明の白色有機電界発光素子は、陽極と、陰極と、発光層とを有してなり、更に、必要に応じて、その他の層を有してなる。
前記発光層は、前記構造式(1)で表されるイリジウム錯体化合物を少なくとも含み、更に、必要に応じて、発光材料と、ホスト材料と、その他の成分と、を含有してなる。
前記イリジウム錯体化合物としては、下記構造式(1)で表される化合物であり、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記1価アニオン性二座配位子としては、例えば、以下の1価アニオン性二座配位子を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
前記mと前記nとの和としては、3が好ましい。イリジウムは、3価をとりやすく配位子も3で化学的に安定となるので、前記和が3未満又は3を超えると、化学的に不安定となることがある。
前記mと前記nとの和としては、3が好ましいことから、前記構造式(1)としては、下記構造式(2)及び下記構造式(3)で表すことができる。
1質量%〜50質量%が好ましく、2質量%〜20質量%がより好ましく、3質量%〜10質量%が特に好ましい。
前記含有量が、1質量%未満であると、十分に青色の発光が出ないことがあり、50質量%を超えると、濃度消光が著しくなり十分な発光効率が出ないことがある。
前記発光ピーク波長が、400nm未満であると、紫外領域に入り可視光より短波長になることがあり、450nmを超えると、後述する発光材料の発光ピーク波長よりも十分に青くならないことがある。前記ピーク波長は、フォトルミネッセンス測定装置で測定することができる。
前記ホスト材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送性ホスト材料、正孔輸送性ホスト材料などが挙げられる。
前記電子輸送性ホスト材料の電子親和力Eaとしては、2.5eV〜3.5eVが好ましく、2.6eV〜3.2eVがより好ましく、2.8eV〜3.1eVが特に好ましい。
前記電子親和力が、2.5eV未満であると、耐久性が劣り、駆動安定性が低下することがあり、3.5eVを超えると、発光層中の発光材料へ電子が移動しにくくなることがある。
前記イオン化ポテンシャルが、5.7eV未満であると、耐久性が劣り、駆動安定性が低下することがあり、7.5eVを超えると、発光層中の発光材料へ正孔が移動しにくくなることがある。
前記複素環テトラカルボン酸無水物としては、例えば、ナフタレンペリレンなどが挙げられる。
前記金属錯体としては、例えば、フタロシアニン、8−キノリノール誘導体の金属錯体、メタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体などが挙げられる。
前記アゾール誘導体としては、例えば、ベンズイミダゾール誘導体、イミダゾピリジン誘導体などが挙げられる。
前記アジン誘導体としては、例えば、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体などが挙げられる。
これらの中でも、金属錯体、アゾール誘導体、アジン誘導体が好ましく、耐久性の点から金属錯体化合物がより好ましい。
前記アジン配位子としては、例えば、ピリジン配位子、ビピリジル配位子、及びターピリジン配位子などが挙げられる。
前記ヒドロキシフェニルアゾール配位子としては、例えば、ヒドロキシフェニルベンズイミダゾール配位子、ヒドロキシフェニルベンズオキサゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾピリジン配位子などが挙げられる。
前記アルコキシ配位子としては、炭素数1〜30が好ましく、炭素数1〜20がより好ましく、炭素数1〜10が特に好ましく、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。
前記アリールオキシ配位子としては、炭素数6〜30が好ましく、炭素数6〜20がより好ましく、炭素数6〜12が特に好ましく、例えば、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシなどが挙げられる。
前記ヘテロアリールオキシ配位子としては、炭素数1〜30が好ましく、炭素数1〜20がより好ましく、炭素数1〜12が特に好ましく、例えば、ピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。
前記アルキルチオ配位子としては、炭素数1〜30が好ましく、炭素数1〜20がより好ましく、炭素数1〜12が特に好ましく、例えば、メチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。
前記アリールチオ配位子としては、炭素数6〜30が好ましく、炭素数6〜20がより好ましく、炭素数6〜12が特に好ましく、例えば、フェニルチオなどが挙げられる。
前記ヘテロアリールチオ配位子としては、例えば、炭素数1〜30が好ましく、炭素数1〜20がより好ましく、炭素数1〜12が特に好ましく、例えば、ピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。
前記シロキシ配位子としては、例えば、炭素数1〜30が好ましく、炭素数3〜25がより好ましく、炭素数6〜20が特に好ましく、例えば、トリフェニルシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、トリイソプロピルシロキシ基などが挙げられる。
前記芳香族炭化水素アニオン配位子としては、例えば、炭素数6〜30が好ましく、炭素数6〜25がより好ましく、炭素数6〜20が特に好ましく、例えば、フェニルアニオン、ナフチルアニオン、アントラニルアニオンなどが挙げられる。
前記芳香族ヘテロ環アニオン配位子としては、炭素数1〜30が好ましく、炭素数2〜25がより好ましく、炭素数2〜20が特に好ましく、例えば、ピロールアニオン、ピラゾールアニオン、トリアゾールアニオン、オキサゾールアニオン、ベンゾオキサゾールアニオン、チアゾールアニオン、ベンゾチアゾールアニオン、チオフェンアニオン、ベンゾチオフェンアニオンなどが挙げられる。
これらの中でも、アジン配位子、ヒドロキシフェニルアゾール配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ基、シロキシ配位子、芳香族炭化水素アニオン配位子、芳香族ヘテロ環アニオン配位子が好ましく、アジン配位子、ヒドロキシフェニルアゾール配位子、アリールオキシ配位子、シロキシ配位子、芳香族炭化水素アニオン配位子、芳香族ヘテロ環アニオン配位子がより好ましい。
前記正孔輸送性ホスト材料の電子親和力Eaとしては、1.0eV〜3.0eVが好ましく、1.5eV〜2.8eVがより好ましく、2.0eV〜2.5eVが特に好ましい。
前記電子親和力が、1.0eV未満であると、耐久性が劣り、駆動安定性が低下することがあり、3.0eVを超えると、発光層中の発光材料へ電子が移動しにくくなることがある。
前記イオン化ポテンシャルが、5.0eV未満であると、耐久性が劣り、駆動安定性が低下することがあり、7.0eVを超えると、発光層中の発光材料へ正孔が移動しにくくなることがある。
これらの中でも、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、アザインドール誘導体、アザカルバゾール誘導体、芳香族第三級アミン化合物、チオフェン誘導体が好ましく、分子内にインドール骨格、カルバゾール骨格、アザインドール骨格、アザカルバゾール骨格、芳香族第三級アミン骨格を有するものがより好ましく、カルバゾール骨格を有する化合物が特に好ましい。
また、前記正孔輸送性ホスト材料としては、前記正孔輸送性ホスト材料の水素を一部又は全てを重水素に置換したものを用いることもできる。
前記発光材料とは、前記構造式(1)で表されるイリジウム錯体化合物を除いた発光材料のことを意味する。
前記発光ピーク波長が、450nm未満であると、前記構造式(1)で表されるイリジウム錯体化合物よりも短波長であることがあり、800nmを超えると、可視領域からはずれることがある。前記発光ピーク波長は、フォトルミネッセンス測定装置で測定することができる。なお、前記発光ピーク波長としては、会合発光による発光ピーク波長であってもよい。
前記遷移金属原子としては、例えばルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金などが挙げられる。これらの中でも、レニウム、イリジウム、白金が好ましく、イリジウム、白金が特に好ましい。
前記錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry,Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」Springer−Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社、1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。
前記配位子としては、例えば、ハロゲン配位子、芳香族炭素環配位子、含窒素ヘテロ環配位子、ジケトン配位子、カルボン酸配位子、アルコラト配位子、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子などが挙げられる。これらの中でも、含窒素ヘテロ環配位子が特に好ましい。
前記ハロゲン配位子としては、例えば、塩素配位子などが挙げられる。
前記芳香族炭素環配位子としては、例えば、シクロペンタジエニルアニオン、ベンゼンアニオン、ナフチルアニオンなどが挙げられる。
前記含窒素ヘテロ環配位子としては、例えば、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、フェナントロリンなどが挙げられる。
前記ジケトン配位子としては、例えば、アセチルアセトンなどが挙げられる。
前記カルボン酸配位子としては、例えば、酢酸配位子などが挙げられる。
前記アルコラト配位子としては、例えば、フェノラト配位子などが挙げられる。
前記二座のモノアニオン性配位子としては、例えば、ピコリナート(pic)、アセチルアセトナート(acac)、ジピバロイルメタナート(t−ブチルacac)などが挙げられる。
上記以外の配位子としては、例えば、Lamanskyらの国際公開第2002/15645号パンフレットの89頁〜91頁に記載の配位子が挙げられる。
前記R11及びR12は、互いに隣接するものどうしで結合して、窒素原子、硫黄原子、酸素原子を含んでいてもよい環を形成してもよく、5員環、6員環などが好適に挙げられる。該環は更に置換基で置換されていてもよい。
前記含有量が、0.01質量%未満であると、十分に発光していないため白色とすることができないことがあり、60質量%を超えると、濃度消光が起こることがある。
前記厚みが、1nm未満であると、発光層として形成されず劣化が著しいことがあり、100nmを超えると、電圧が極端に上昇することがある。前記厚みは、分光光度計で測定することができる。
前記陽極としては、前記発光層に正孔を供給する電極としての機能を有していれば特に制限されない。本発明の白色有機電界発光素子の性質上、前記陽極及び前記陰極のうち少なくとも一方は透明であることが好ましい。
前記陽極としては、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、白色有機電界発光素子の用途、目的に応じて公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
前記陽極を構成する材料としては、例えば、導電性金属酸化物、金属、これらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、無機導電性物質、有機導電性材料、これらとITOとの積層物などが挙げられる。
前記導電性金属酸化物としては、例えば、アンチモン、フッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)などが挙げられる。
前記金属としては、例えば、金、銀、クロム、ニッケルなどが挙げられる。
前記無機導電性物質としては、例えば、ヨウ化銅、硫化銅などが挙げられる。
前記有機導電性材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどが挙げられる。
前記湿式方式としては、例えば、印刷方式、コーティング方式などが挙げられる。
前記化学的方式としては、例えば、CVD、プラズマCVD法などが挙げられる。
前記物理的方式としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
前記陰極としては、前記発光層に電子を注入する電極としての機能を有していれば特に制限されない。
前記陰極としては、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機電界発光素子の用途、目的に応じて公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
前記陰極を構成する材料としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、その他の金属、これらの金属の合金などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することが好ましい。
前記アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウムなどが挙げられる。
前記アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウムなどが挙げられる。
前記その他の材料としては、例えば、金、銀、鉛、アルミニウムなどが挙げられる。
前記希土類金属としては、例えば、インジウム、イッテルビウムなどが挙げられる。
前記合金としては、例えば、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金などが挙げられる。
これらの中でも、電子注入性の点で、アルカリ金属、アルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを含有する材料が特に好ましい。前記アルミニウムを含有する材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01質量%〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)を意味する。
前記湿式方式としては、例えば、印刷方式、コーティング方式などが挙げられる。
前記化学的方式としては、例えば、CVD、プラズマCVD法などが挙げられる。
前記物理的方式としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。
前記厚みが、10nm未満であると、酸化して劣化することがあり、1,000nmを超えると、成膜時に放射熱を得ることで劣化することがある。前記厚みは、触針式段差計で測定することができる。
本発明の白色有機電界発光素子としては、前記その他の層としては、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層、基板などが挙げられる。
前記正孔注入層及び正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。該正孔注入層及び正孔輸送層は、単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
これらの層に用いられる正孔注入材料、又は正孔輸送材料としては、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよく、また、無機化合物であってもよい。
前記正孔注入材料及び正孔輸送材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピロール誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、チオフェン誘導体、有機シラン誘導体、カーボン、三酸化モリブデンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電子受容性ドーパントとしては、電子受容性で有機化合物を酸化する性質を有すれば、無機化合物であってもよく、有機化合物であってもよい。
前記無機化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハロゲン化金属、金属酸化物などが挙げられる。
前記ハロゲン化金属としては、例えば、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、五塩化アンチモンなどが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、五酸化バナジウム、三酸化モリブデンなどが挙げられる。
前記有機化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば置換基としてニトロ基、ハロゲン、シアノ基、トリフルオロメチル基等を有する化合物、キノン系化合物、酸無水物系化合物、フラーレンなどが挙げられる。
これらの電子受容性ドーパントは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層であり、上述したように、前記電子輸送層の三重項エネルギーは、陰極側隣接層の三重項エネルギーよりも大きいことが好ましい。
前記キノリン誘導体としては、例えば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソクプロイン;BCP)、BCPにLiをドープしたもの、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)などの8−キノリノール又はその誘導体を配位子とする有機金属錯体、BAlq(ビス−(2−メチル−8−キノリノラト)−4−(フェニル−フェノラト)−アルミニウム(III))などが挙げられる。これらの中でも、BCPにLiをドープしたもの、BAlqが特に好ましい。
前記電子輸送層は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記電子注入層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。
前記電子注入層は、1種又は2種以上の材料からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
前記電子注入層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1nm〜200nmが好ましく、0.2nm〜100nmがより好ましく、0.5nm〜50nmが特に好ましい。
本発明の白色有機電界発光素子としては、前記基板上に設けられていることが好ましく、陽極と基板とが直接接する形で設けられていてもよいし、中間層を介在する形で設けられていてもよい。
前記基板の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機材料、有機材料などが挙げられる。
前記無機材料としては、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、無アルカリガラス、ソーダライムガラスなどが挙げられる。
前記有機材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレンなどが挙げられる。
前記基板の構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、また、単一部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよい。前記基板は透明でも不透明でもよく、透明な場合は無色透明でも有色透明でもよい。
前記透湿防止層(ガスバリア層)の材料としては、例えば、窒化珪素、酸化珪素等の無機物などが挙げられる。
前記透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
前記電子ブロック層は、陰極側から発光層に輸送された電子が陽極側に通り抜けることを防止する機能を有する層であり、通常、発光層と陽極側で隣接する有機化合物層として設けられる。
前記電子ブロック層を構成する化合物としては、例えば前述の正孔輸送性ホスト材料として挙げたものが利用できる。また、前記電子ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
前記電子ブロック層の形成方法としては、特に制限はなく、公知の方法に従って形成することができるが、例えば、蒸着法、スパッタ法等の乾式製膜法、湿式塗布法、転写法、印刷法、インクジェット方式などにより好適に形成することができる。
前記電子ブロック層の厚みとしては、1nm〜200nmが好ましく、1nm〜50nmがより好ましく、3nm〜10nmが特に好ましい。
本発明の白色有機電界発光素子は、保護層によって全体が保護されていてもよい。
前記保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni、MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、TiO2、SiNx、SiNxOy、MgF2、LiF、AlF3、CaF2、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質などが挙げられる。
本発明の白色有機電界発光素子としては、封止容器を用いて全体が封止されていてもよい。更に、前記封止容器と白色有機電界発光素子の間の空間には、水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。
前記水分吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
前記不活性液体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばパラフィン類、流動パラフィン類、フッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類などが挙げられる。
本発明の白色有機電界発光素子としては、大気からの酸素や水分による素子性能劣化を樹脂封止層により封止することで抑制するようにしてもよい。
前記樹脂封止層の樹脂素材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂、エステル系樹脂などが挙げられる。これらの中でも、水分防止機能の点からエポキシ樹脂が特に好ましい。前記エポキシ樹脂の中でも熱硬化型エポキシ樹脂、又は光硬化型エポキシ樹脂が好ましい。
図1は、本発明の白色有機電界発光素子の層構成の一例を示す概略図である。白色有機電界発光素子10としては、基板1上に形成された陽極2と、正孔注入層3と、正孔輸送層4と、発光層5と、電子輸送層6と、電子注入層7と、陰極8とをこの順に積層してなる。なお、陽極2と陰極8とは電源を介して互いに接続されている。
<白色有機電界発光素子の作製>
厚み0.5mm、2.5cm角のガラス基板を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。このガラス基板上に真空蒸着装置(ALS社製E−200)を用いて真空蒸着法にて以下の各層を蒸着した。なお、以下の実施例及び比較例における真空蒸着法は、全て同条件で行い、蒸着速度は、特に断りのない場合は0.2nm/秒である。蒸着速度は水晶振動子を用いて測定した。また、蒸着温度は、20℃であり、圧力は、1×10−4Paである。また、以下の各層の厚みは水晶振動子を用いて測定した。
陽極(ITO)上に、下記構造式で表される4,4’,4”−トリス(N,N−(2−ナフチル)−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)に、下記構造式で表されるF4−TCNQを0.3質量%ドープした正孔注入層を厚みが120nmになるように真空蒸着することにより形成した。
次に、電子注入層上に、陰極としてパターニングしたマスク(発光領域が2mm×2mmとなるマスク)を設置し、金属アルミニウムを厚み100nmとなるように真空蒸着することにより形成した。
以上により作製した積層体を、アルゴンガスで置換したグローブボックス内に入れ、ステンレス製の封止缶、及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ株式会社製)を用いて封止した。以上により、実施例1の白色有機電界発光素子を作製した。
作製した実施例1の白色有機電界発光素子の駆動電圧、外部量子効率、及び純白色からの色度のずれ(Δ色度)を以下のように評価した。
KEITHLEY社製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電流通電時の電圧を計測した。
KEITHLEY社製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電流を実施例1の白色有機電界発光素子に印加し、発光させた。発光時の輝度をトプコン社製輝度計BM−8を用いて測定した。発光スペクトルと発光波長は、島津製作所製の発光スペクトル測定システム(ELS1500)を用いて測定した。これらの数値をもとに、外部量子効率を輝度換算法により算出した。
東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧を実施例1の白色有機電界発光素子に印加して発光させた。発光スペクトルを島津製作所製の発光スペクトル測定システム(ELS1500)で測定し、得られたスペクトルからCIE表色系を用いx値とy値を算出した。
純白色からの色度のずれ(Δ色度)は、純白色(x=0.33,y=0.33)からのx値、y値のずれ量(Δx、Δy)よりΔ色度=(Δy2+Δx2)0.5を算出した。
<白色有機電界発光素子の作製>
実施例1において、イリジウム錯体化合物Aを下記構造式で表されるイリジウム錯体化合物Bに代えた以外は、実施例1と同様にして実施例2の白色有機電界発光素子を作製した。イリジウム錯体化合物Bの発光ピーク波長を発光スペクトル測定システムで測定したところ、620nmであった。
実施例1と同様に、作製した白色有機電界発光素子の駆動電圧、外部量子効率、純白色からの色度のずれ(Δ色度)を評価した。
<白色有機電界発光素子の作製>
実施例1において、発光層を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にして実施例3の白色有機電界発光素子を作製した。
実施例1と同様に、作製した白色有機電界発光素子の駆動電圧、外部量子効率、純白色からの色度のずれ(Δ色度)を評価した。
−発光層の作製−
ホスト材料である上記構造式で表される化合物Bを84.98質量%と、該化合物Bに対して上記構造式で表されるイリジウム錯体化合物Aを5質量%、下記構造式で表される青色に発光する下記構造式で表される発光材料Cを10質量%、及び上記構造式で表される赤色発光する発光材料Bを0.02質量%ドープした発光層を厚みが30nmとなるように真空蒸着法により形成した。なお、発光材料Cの発光ピーク波長を発光スペクトル測定システムで測定したところ、淡い青(474nm)と、サブピークとして緑(502nm)、赤(590nm)であった。
<白色有機電界発光素子の作製>
実施例1において、発光層を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にして実施例4の白色有機電界発光素子を作製した。
実施例1と同様に、作製した白色有機電界発光素子の駆動電圧、外部量子効率、純白色からの色度のずれ(Δ色度)を評価した。
−発光層の作製−
ホスト材料である上記構造式で表される化合物Bを55質量%と、該化合物Bに対して上記構造式で表されるイリジウム錯体化合物Aを5質量%、及び上記構造式で表される発光材料Cを40質量%ドープした発光層を厚みが50nmとなるように真空蒸着法により形成した。
<白色有機電界発光素子の作製>
実施例4において、上記構造式で表される発光材料Cを下記構造式で表される発光材料Dに代えた以外は、実施例4と同様にして実施例5の白色有機電界発光素子を作製した。なお、発光材料Dの発光ピーク波長を発光スペクトル測定システムで測定したところ、446nmであった。
実施例1と同様に、作製した白色有機電界発光素子の駆動電圧、外部量子効率、純白色からの色度のずれ(Δ色度)を評価した。
<白色有機電界発光素子の作製>
実施例4において、ホスト材料としての上記構造式で表される化合物Bを下記構造式で表される化合物Cに代えた以外は、実施例4と同様にして実施例6の白色有機電界発光素子を作製した。
実施例1と同様に、作製した白色有機電界発光素子の駆動電圧、外部量子効率、純白色からの色度のずれ(Δ色度)を評価した。
<白色有機電界発光素子の作製>
実施例4において、上記構造式で表されるイリジウム錯体化合物Aを上記構造式で表されるイリジウム錯体化合物Bに代えた以外は、実施例4と同様にして実施例7の白色有機電界発光素子を作製した。
実施例1と同様に、作製した白色有機電界発光素子の駆動電圧、外部量子効率、純白色からの色度のずれ(Δ色度)を評価した。
<白色有機電界発光素子の作製>
実施例1において、発光層を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にして実施例8の白色有機電界発光素子を作製した。
実施例1と同様に、作製した白色有機電界発光素子の駆動電圧、外部量子効率、純白色からの色度のずれ(Δ色度)を評価した。
−発光層の作製−
ホスト材料である上記構造式で表される化合物Bを42質量%と、該化合物Bに対して上記構造式で表されるイリジウム錯体化合物Aを8質量%、及び上記構造式で表される発光材料Cを50質量%ドープした発光層を厚みが30nmとなるように真空蒸着法により形成した。
<白色有機電界発光素子の作製>
実施例1において、発光層を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にして比較例1の白色有機電界発光素子を作製した。
実施例1と同様に、作製した白色有機電界発光素子の駆動電圧、外部量子効率、純白色からの色度のずれ(Δ色度)を評価した。
−発光層の作製−
ホスト材料である上記構造式で表される化合物Bを84.8質量%と、該化合物Bに対して上記構造式で表される発光材料Cを15質量%、上記構造式で表される発光材料Aを0.1質量%及び上記構造式で表される発光材料Bを0.1質量%ドープした発光層を厚みが30nmとなるように真空蒸着法により形成した。
<白色有機電界発光素子の作製>
実施例1において、上記構造式で表されたイリジウム錯体化合物Aを上記構造式で表される発光材料Dに代えた以外は、実施例1と同様にして比較例2の白色有機電界発光素子を作製した。
実施例1と同様に、作製した白色有機電界発光素子の駆動電圧、外部量子効率、純白色からの色度のずれ(Δ色度)を評価した。
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 陰極
Claims (6)
- 陽極と陰極との間に、発光層、及び正孔輸送層を少なくとも有してなる白色有機電界発光素子であって、
前記発光層が、下記構造式(1)で表されるイリジウム錯体化合物を含有し、かつ
前記発光層が、さらに少なくとも1つの発光可能な発光材料を含有し、
前記発光材料が、下記の一般式(1)、一般式(2)、及び一般式(3)のいずれかで表されるイリジウム錯体、又は下記の白金錯体のいずれかであり、
前記正孔輸送層が、少なくともN,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(NPD)を含有することを特徴とする白色有機電界発光素子。
但し、前記構造式(1)中、Aは、−C(R4)−又は−N−を表し、Bは、−C(R7)−又は−N−を表し、
R1、R2、R4〜R7は、それぞれ独立して、水素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基、炭素数2〜20のアルキルアルコキシ基、炭素数7〜20のアリールアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のジアルキルアミノ基、炭素数2〜20のヘテロ環基を表し、R4とR5、R4とR6は、互いに連結されて飽和又は不飽和の炭素環、飽和又は不飽和のヘテロ環を形成していてもよく、
R3は、水素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、塩素原子、臭素原子及び沃素原子から選択されるハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基、炭素数2〜20のアルキルアルコキシ基、炭素数7〜20のアリールアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基、炭素数1〜20のジアルキルアミノ基、炭素数2〜20のヘテロ環基を表し、
Xは、下記のいずれかから選択される1価アニオン性二座配位子を表し、
mは、2又は3を表し、nは、0又は1を表し、mとnとの和は、3である。
ただし、前記一般式(1)、(2)及び(3)中、nは、1〜3の整数を表す。X−Yは、二座配位子を表す。環Aは、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子のいずれかを含んでいてもよい環構造を表す。R 11 は、置換基を表し、m1は、0〜6の整数を表す。m1が2以上の場合には隣接するR 11 どうしが結合して窒素原子、硫黄原子及び酸素原子のいずれかを含んでいてもよい環を形成してもよく、該環は更に置換基により置換されていてもよい。R 12 は、置換基を表し、m2は、0〜4の整数を表す。m2が2以上の場合には隣接するR 12 どうしが結合して窒素原子、硫黄原子及び酸素原子のいずれかを含んでいてもよい環を形成してもよく、該環は更に置換基により置換されていてもよい。なお、R 11 とR 12 とが結合して窒素原子、硫黄原子及び酸素原子のいずれかを含んでいてもよい環を形成してもよく、該環は更に置換基により置換されていてもよい。
- 発光材料の含有量が、発光層に対して0.01質量%〜60質量%である請求項1に記載の白色有機電界発光素子。
- 発光材料の発光ピーク波長が、400nm〜800nmである請求項1から2のいずれかに記載の白色有機電界発光素子。
- イリジウム錯体化合物の発光層における含有量が、1質量%〜50質量%である請求項1から3のいずれかに記載の白色有機電界発光素子。
- イリジウム錯体化合物が、400nm〜450nmの青色の発光ピーク波長で発光する請求項1から4のいずれかに記載の白色有機電界発光素子。
- 発光層が、さらにホスト材料を含有する請求項1から5のいずれかに記載の白色有機電界発光素子。
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