以下、本発明に係るオープンカーの上部車体構造を適用した実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るオープンカーの上部車体構造(ロールバー構造)を備えた車両の後方部分を示す斜視図である。図1に示すように、車両1は、車室の床を構成するフロアパネル2と、このフロアパネル2の中央部から上方に突出し車両前後方向に延びるフロアトンネル4と、これらのフロアパネル2及びフロアトンネル4の後端部において斜め上方に傾斜して延びるキックアップパネル6と、このキックアップパネル6の上端部から車両後方に延びルーフ部材格納部Rの床を構成するリヤデッキ10と、リヤデッキ10の後端部で上方に延びるリヤパネル12と、車両の両側面を構成する上下方向に延びる一対のサイドパネル14と、を備えている。
フロアパネル2にはフロアトンネル4の左右両側においてそれぞれ車幅方向に延びる前側シートブラケット(図示せず)と、後ろ側シートブラケット(図示せず)とが設けられ、これらのシートブラケットにシート20が取り付けられている。シート20は周知の機構によって車両前後方向に移動可能に構成されており、乗員の上半身を支持するシートバック22を有する。さらに、シートバック22は周知の機構によって角度変更可能に構成されており、上部中央に乗員の頭部を支持するヘッドレスト部222を有する。
さらに、車両1は、シートバック22の車外側のショルダー部224を囲むロールバー構造30を備えている。このロールバー構造30は、上下方向に延びる逆U字状の形態をなす左右一対のロールバー32と、一対のサイドパネル14の間で車幅方向に延びるクロスバー34と、クロスバー34とサイドパネル14とを連結する左右一対のガセット36と、ロールバー32とサイドパネル14とを連結する左右一対の下方連結部材38と、を備えている。
次に、図2〜図6を参照して、このロールバー構造30のロールバー32の構成をより具体的に説明する。図2は同ロールバー構造の右側のみを示す要部斜視図であり、図3は同ロールバー構造の右側のみを示す要部正面図であり、図4は同ロールバー構造の右側のみを示す要部側面図であり、図5は同ロールバー構造の右側のみを示す要部平面図であり、図6は図3のVI−VI線における同ロールバー構造の断面図である。
まず、図2に示すように、ロールバー32は、1本の楕円断面のパイプを逆U字状に形成したものであり、上下方向に延びるように配置されている。このロールバー32は、シートバック22の側方に位置する車外側脚部322と、シートバック22の車両前後方向の後方においてシートバック22の車幅方向の中央よりも車外側に位置する車内側脚部324と、車外側脚部322と車内側脚部324とをつなぐように逆U字状に大きく曲げられた頂部326と、を有する。
図3に示すように、車外側脚部322は、シートバック22のショルダー部224の高さまで上下方向に延びる車外側脚部鉛直部322aと、シートバック22のショルダー部224の高さから折れ曲って車内側へ向けて傾斜している車外側脚部傾斜部322bとを有する。また、図6に示すように、車外側脚部322は、車外側脚部鉛直部322aをその楕円断面の長径方向を車両の前後方向に平行になるように、配置されている。
図4に示すように、車内側脚部324は、シートバック22のショルダー部224の高さまで上下方向に延びる車内側脚部鉛直部324aと、シートバック22のショルダー部224の高さから折れ曲って車両前後方向の前方へ向けて傾斜している車内側脚部傾斜部324bとを有する。また、図6に示すように、車内側脚部324は、車内側脚部鉛直部324aをその楕円断面の長径方向を車幅方向に平行になるように、配置されている。
図5に示すように、平面視において車外側脚部322は車幅方向に延び、車内側脚部324は車両前後方向に延びている。つまり、車外側脚部322と車内側脚部324とは直角の位置関係にあり、両傾斜部322b及び324bをつなぐようにロールバーの頂部326が形成されている。これによって、ロールバーの頂部326は、平面視において両脚部322及び324が交わる交点となるシートバック22のヘッドレスト部222の車外側であって、ショルダー部224の上方に位置している。
図2〜図5に示すように、車外側脚部322は、その下端部においてフランジ40を介してボルトでリヤデッキ10に固定されている。同様に、車内側脚部324も、その下端部においてフランジ42を介してボルトでリヤデッキ20に固定されている。また、車内側脚部鉛直部324aは、クロスバー34を上下に貫通している。フランジ40及びフランジ42は、ロールバー32の両脚部322及び324にその下端部において溶接によってそれぞれ結合されている。
次に、図7を参照して、このロールバー構造30のクロスバー34の構成を具体的に説明する。図7はクロスバー34を示す斜視図である。図7に示すように、クロスバー34は矩形状の閉断面構造を有する。クロスバー34は、上壁部342と、下壁部344と、前側縦壁部346と、後側縦壁部348と、を有する。クロスバー34の前側縦壁部346の両端部には、左右一対のボルト通し孔346aが上下に2つ形成されている。
また、クロスバー34の上壁部342及び下壁部344には、ボルト通し孔346aよりも車幅方向内側の位置に左右一対の開口部342a及び344aが形成され、該開口部342a及び344aにロールバー32の車内側脚部鉛直部324aが上下方向に貫通するようになっている。
開口部342a及び344aの大きさは、ロールバー32の車内側脚部鉛直部324aの楕円断面よりも少し大きく形成されており、車内側脚部鉛直部324aが容易に挿入できるようになっている。また、後述するように、車外側脚部鉛直部324aとクロスバー34の上壁部342及び下壁部344とを、開口部342a及び344aに沿って溶接できるように、適切な隙間関係となるような大きさに設定されている。
次に、図8を参照して、このロールバー構造30のガセット36の構成を具体的に説明する。図8はガセット36を示す斜視図である。図8に示すように、ガセット36は車両前後方向の前方に向けて開放したコの字状の断面を有する板状部材であって、車外側端部において車両前後方向に延びる第1直線部362と、車内側端部において車幅方向に延びる第2直線部364と、第1直線部362と第2直線部364とをつなぐ連結部366と、を有している。
ガセット36の第1直線部362及び第2直線部364には、それぞれボルト通し孔362a及び364aが上下に2つそれぞれ形成されている。また、ガセット36の連結部366は、車両前後方向の前方に向けて突出すように円弧状の形態を有しており、サイドパネル14から車内側に突出すリヤホィールハウス部142との干渉を回避している。
次に、図9を参照して、このロールバー構造30の下方連結部材38の構成を具体的に説明する。図9は下方連結部材38を示す斜視図である。図9に示すように、下方連結部材38は、フランジ382と、パイプ384と、クランプ部386と、を有する。フランジ382には複数のボルト通し孔382aが形成されている。クランプ部386は車幅方向に分離することができる一対の車外側クランプ386aと車内側クランプ386bとを含んでおり、車両前後方向の両端部にそれぞれ通し孔46が形成されている。
車外側クランプ386a及び車内側クランプ386bは板状の部材であって、組み合わされた状態において開口部386cが形成され、該開口部386cにロールバー32の車外側脚部鉛直部322aが上下方向に貫通するようになっている。
開口部386cの大きさは、一対のクランプ386a及び386bの合せ部を除いて、ロールバー32の車外側脚部鉛直部322aの大きさと同じか少し小さくなっており、ロールバー32の車外側脚部鉛直部322aを強固に把持できるようになっている。車外側クランプ386aと車内側クランプ386bには、前後方向両端部において、それぞれ一対のボルト通し孔が形成されている。また、パイプ384と車外側のクランプ386aは溶接によって接合されており、同様にフランジ382とパイプ384も溶接によって接合されている。
次に、図2及び図3を参照して、ロールバー32とクロスバー34との連結構造について説明する。図2に示すように、まず、ロールバー32の車内側脚部鉛直部324aをクロスバー34の上壁部342及び下壁部344に形成された開口部342a及び344aに上方から挿入して所定の位置まで貫通させる。次に、ロールバー32の車内側脚部鉛直部324aとクロスバー32の上壁部342及び下壁部344を、開口部342a及び344aに沿って図3中Fで示すように全周にわたって溶接して、ロールバー32とクロスバー34とを強固に結合している。
次に、クロスバー34とガセット36とサイドパネル14との結合構造について説明する。図2に示すように、まず、クロスバー34の前側壁部346の一方の端部に形成した上下2つのボルト通し孔346aにガセット36の第2直線部364に形成した上下2つのボルト通し孔364aを合わせて、ガセット36の第2直線部364をクロスバー34の前側縦壁部346に当接させて、前後方向に延びるボルト及びナットを用いてボルト通し孔346a及び364aを介してガセット36をクロスバー34に締結する。
次に、ガセット36の第1直線部362をサイドパネル14に当接させて、第1直線部362に形成した上下2つのボルト通し孔362aを介して車幅方向に延びるボルトを用いてガセット36をサイドパネル14に直接に締結する。
次に、ロールバー32と下方連結部材38とサイドパネル14との結合構造について説明する。まず、下方連結部材38から車内側クランプ386bを除いた状態で、ロールバー32の車外側脚部鉛直部322aに下方連結部材38の車外側クランプ386aを当接させる。次に、下方連結部材38の車内側クランプ386bを、ロールバー32の車外側脚部鉛直部322aを把持するように車外側クランプ386aに位置を合わせて、ボルトによって仮止めする。
次に、下方連結部材38のフランジ382を、フランジに形成した複数のボルト通し孔382aを介してボルトを用いて、サイドパネル14に直接締結する。最後に、一対のクランプ386を仮止めしていたボルトを本締めする。
次に、この実施形態の作用を説明する。まず、図10を参照して、ルーフ部材格納軌跡を車両前後方向の前方に寄せることを説明する。図10はルーフ部材の格納軌跡とロールバー構造との位置関係を説明する側面図であり、太線でこの実施形態に係るロールバー構造30及びそのルーフ部材50の格納軌跡52を示し、細線で従来のロールバー構造70及びそのルーフ部材80の格納軌跡82を示す。
図10に示すように、ロールバー32の車外側脚部322をシートバック22の側方に配置し、車内側脚部324をシートバック22の車両前後方向の後方であってヘッドレスト部222よりも車外側に配置しており、つまり、ロールバー32の両脚部322及び324の前後位置を異にして配置している。これによって、両脚部322及び324を逆U字状に連結したロールバー32の頂部326は、車外側脚部322と車内側脚部324との間に位置することになるため、従来のロールバー構造70に係るロールバー72の頂部726よりも車両前後方向の前方に位置することになる。
また、ロールバー32の車内側脚部324は、シートバック22のショルダー部224の高さで車両前後方向の前方に折り曲げられているため、さらに、ロールバー32の頂部326は車両前後方向の前方に位置することになる。この結果、ロールバー32の頂部326と従来のロールバー構造70に係るルーフ部材80の格納軌跡82との間の距離が拡大するため、ルーフ部材50の格納軌跡52を車両前後方向の前方に寄せると共にルーフ部材格納部Rを車両前後方向の前方に寄せることが可能となる。
すなわち、シート20の最後方位置を車両前後方向の前方に寄せることなくルーフ部材50の格納軌跡52のみを前側に寄せることが可能となる。従って、シートの所望の前後移動量を確保しながら、図10に示すように、寸法Lだけ車室の前後寸法を短縮することが可能となる。
さらに、ロールバー32の頂部326とルーフ部材50の格納軌跡52との間の拡大した距離を、ロールバー32の頂部326を前側に寄せることに活用するのに加えて、ロールバー32の頂部326を高くすることにも活用してもよい。図11を参照して具体的に説明する。図11はロールバー構造に基づく乗員保護空間Sを示す車両の側面図であり、太線で単に車両前後方向の前方に寄せただけのロールバー32の頂部326及び乗員保護空間境界線328を示し、細線で前方に寄せつつ高くしたロールバー33の頂部336及び乗員保護空間境界線338を示す。
ここで、車両1のフロントピラー16の頂部と、ロールバーの頂部とを結んだ線を、乗員保護空間境界線328、338として、該乗員保護空間境界線より下方の車室内の空間を乗員保護空間Sとする。図11に示されるように、ロールバー32の頂部326を高くすることによって、乗員保護空間Sを乗員保護空間境界線328から乗員保護空間境界線338まで角度αだけ増大させることができる。従って、ロールバー構造に基づく乗員保護性能を向上できる。
次に、図12を参照して、車両横転時におけるロールバーの作用開始のタイミングを早まることを説明する。図12は、ロールバー構造に基づく乗員保護空間Sを示す車両の正面図であり、太線でこの実施形態に係るロールバー構造30及び乗員保護空間境界線329を示し、細線で従来のロールバー構造70及びこのロールバー構造に基づく乗員保護空間境界線729を示す。
図12に示すように、ロールバーの両脚部をそれぞれシートバック22のヘッドレスト部222よりも車外側に配置しているため、両脚部を逆U字状に連結したロールバー32の頂部326は、シートバック22のヘッドレスト部222よりも車外側に位置することになる。このため、ロールバー32の頂部326は、従来のロールバー構造70の頂部726よりも図12中Aで示す距離だけ車外側に位置している。
これによって、乗員保護空間Sを乗員保護空間境界線729から乗員保護空間境界線329まで角度βだけ増大させることができる。つまり、乗員保護空間境界線729と乗員保護空間境界線329との間のなす角度βだけ、車両横転時にロールバーの作用開始を早めることができる。従って、ロールバー構造に基づく乗員保護性能を向上できる。
次に、図13及び図14を参照して、シートバック22の後傾量を増大させることを説明する。図13は、最後方位置にあるシートのシートバックの後傾量を説明する平面図であり、図14は、最後方位置にあるシートのシートバックの後傾量を説明する側面図である。太線でこの実施形態に係るロールバー構造30及び最後方位置にあるシート20のシートバック22を最も後傾させた状態22aを示し、細線で従来のロールバー構造70及び最後方位置にあるシート20のシートバック22を最も後傾させた状態22a’を示す。
図13及び図14に示すように、従来のロールバー構造70のロールバー72の頂部726は、シートバック22のヘッドレスト部222と正対する位置関係にある。このため、従来のロールバー構造70では、シート20の最後方位置においては、シートバック22のヘッドレスト部222とロールバー72の頂部726が接触する位置までしか、シートバック22を後傾させることができず、最も後傾した状態は22a’で示した状態に留まる。
対して、この実施形態に係るロールバー構造30においては、ロールバー32の頂部326は上述したようにシートバック22のヘッドレスト部222を車外側に避けてショルダー部224の上方に位置しているので、シートの最後方位置においてシートバック22を後傾させても、ロールバー32の頂部326とシートバック22のヘッドレスト部222が干渉することはなく、図14中22aで示した状態にまでシートバック22を後傾させることが可能となる。
つまり、この実施形態に係るロールバー構造30では、ロールバー32の頂部326によってはシートバック22の後傾を制限されることはなく、図14に示すように角度γだけ従来のロールバー構造70よりもシートバック22の後傾量を増大させることができる。従って、シート20の最後方位置においてシートバック22の後傾量を増大させることができるため、より体型の大きな乗員に対しても適正な運転姿勢を提供することが可能となる。
また、図3及び図4に示すように、この実施形態に係るロールバー構造30では、車外側脚部鉛直部322aはシートバック22の側方に位置しており、ショルダー部224まで上下に延びている。これによって、側面衝突時等にサイドパネル14が車体から受ける側突荷重がシート20に伝わるのに抗することができるため、シートバック22に直接に側突荷重が伝わることを回避できる。従って、ロールバー構造に基づく乗員保護性能を向上できる。
また、左右一対のロールバー32はそれぞれフランジ40及び42を介してリヤデッキ10にボルトで強固に結合されており、且つ、両車内側脚部324はそれぞれクロスバー34に車内側脚部324を上下に貫通させると共に、クロスバー34の上壁部342及び下壁部344と溶接して接合されており、両車外側脚部322はそれぞれ下方連結部材38によってサイドパネル14と結合されている。
さらに、クロスバー34は、左右一対のガセット36によってサイドパネル14に結合されている。つまり、左右一対のロールバー32は、クロスバー34によって結合されており、ガセット36と下方連結部材38を用いてさらにサイドパネル14に結合されている。
これによって、車両の横転時にロールバー32が路面から受ける力がサイドパネル14とクロスバー34とに分散される。また、側面衝突時等にサイドパネル14が車体側方から受ける側突荷重が、ガセット36及び下方連結部材38を介して左右一対のロールバー32とクロスバー34とに分散される。その結果、車両の横転時にロールバー32に作用する力や側突荷重に対する、ロールバー構造30の耐力をより一層向上できる。
また、この実施形態に係るロールバー32は一端部の車外側脚部322をシートバック22の側方に配置して、他端部の車内側脚部324をシートバック22の後方に配置している。つまり、両脚部322及び324は、それぞれ車幅方向及び車両前後方向に位置をずらして配置しているため、車幅方向及び車両前後方向のいずれかの方向からの外力がロールバー32に作用しても、ロールバー32の車外側脚部322と車内側脚部324との間に効果的に支え合う関係が成立することになり、車幅方向及び車両前後方向のいずれの方向からの外力に対しても、常に効果的に抗することができる。
具体的に説明する。例えば、車両の横転時において車体の前後方向の外力がロールバー32に作用した場合、車外側脚部322はその断面形状が楕円であって長径が車両前後方向に平行になるように配置されているので、前後方向の外力に対して効果的に抗することができ、さらに、車外側脚部322の後方には車内側脚部324が配置されているため、車外側脚部322は前後方向の荷重に対して車内側脚部324によってその効果的姿勢を持って支持される。
同様に、車幅方向の外力がロールバー32に作用した場合、車内側脚部324はその断面形状が楕円であって長径が車幅方向に平行になるように配置されているので、車幅方向の外力に対して効果的に抗することができる。さらに、車内側脚部324の車外側には車外側脚部322が配置されているため、車内側脚部324は車幅方向の荷重に対して車外側脚部322によってその効果的姿勢をもって支持される。従って、ロールバー32は、車幅方向又は車両前後方向のいずれの方向からの外力に対しても、常に効果的に抗することができる。
また、図3に示すように、ロールバー32の車外側脚部322は、シートバック22の側方に位置しているが、シートバック22のショルダー部224の高さから車内側へ折り曲げられ、車外側脚部傾斜部322bを形成している。これによって、シートバック22の側方の車外側脚部322とシートバック後方の車内側脚部324とを単に逆U字状に連結する場合に比して、ロールバー32の頂部326の車外側への突出しを低減することができる。
これによって、ルーフの側部形状とロールバー32との隙間を拡大することができるため、ルーフの側部形状の車内側への絞込みが可能となり、ルーフの側部形状のデザイン自由度を向上できる。
また、ロールバー32の車外側脚部322は、下方連結部材38のクランプ386を介してサイドパネル14に結合されている。これによって、サイドパネルに設けられた取り付け孔(図示せず)のロールバーの車外側脚部322に対する上下位置がずれた場合であっても、クランプ部386をロールバー32の車外側脚部鉛直部322aに沿って移動させることによって、組み付け位置のずれを吸収することができる。従って、下方連結部材38の組み付け性を向上できる。
また、図6に示すように、この実施形態に係るロールバー構造30では、楕円断面のロールバー32を採用している。ロールバー32の断面を楕円にすることによって、省スペース化を図りつつ丸パイプと同じ強度を確保している。具体的には、車外側脚部322は車幅方向に薄くなるよう配置されているため、シートバック22又はサイドパネル14の車幅方向の寸法を低減することなく、シートバック22の側方にロールバー32の車外側脚部322を配置することができる。
また、車内側脚部324は車両前後方向に薄くなるように配置されているため、シートバック22の後方に配置しても、ルーフ部材格納部の車両前後方向の寸法を拡大できる。このため、ルーフ部材格納部をさらに車両前後方向の前方に寄せることができるため、シートの前後移動量を確保しながら、車室の前後寸法の低減を可能とする。
また、図14を参照して、駐車場でのシートバック22を後傾させての休憩時には、着座者の顔がロールバー32の車外側脚部322により、車両側方視から部分的に隠ぺいされるので、着座者が感ずる車外の眩しさや、車外からの覗かれ感を軽減することができる。
次に、図15を参照して、オープンカーの上部車体構造の他の実施形態について説明する。図15は本発明に係るオープンカーの上部車体構造の他の実施形態を示す斜視図である。
上記の実施形態においては、ロールバー32を楕円断面のパイプを採用しているが、図15に示すように、サイドパネル14とシートバック22との間の空間を確保(例えばシートバックの車幅方向寸法を低減する)することによって、丸断面のパイプを採用できる。これによって、ロールバー32をより一層、容易に形成できる。
さらに、上記の実施形態においては、ロールバー32の車内側脚部がクロスバー34を上下に延びるように貫通して、その一端部がフランジ42を介してリヤデッキ10にボルトで固定されているが、図15に示すように、クロスバー34の下壁部344から少し突出す位置に留めてリヤデッキに固定しなくてもよい。これによって、クロスバー34とリヤデッキ10との間に小物入れ用の空間を設けたり、ルーフ部材格納部Rを増大したりすることができる。
なお、本発明は、以上の実施形態に示すものに限らず、特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲から逸脱することなく、各種変形および変更を行うことも可能である。