JP5922443B2 - 高温型燃料電池を有するガスタービンコンバインド発電システムおよびその運転方法 - Google Patents

高温型燃料電池を有するガスタービンコンバインド発電システムおよびその運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば固体酸化物形燃料電池とされた高温型燃料電池を有するガスタービンコンバインド発電システムおよびその運転方法に関するものである。
例えば固体酸化物形燃料電池(SOFC)に代表される高温型燃料電池は、高効率な燃料電池として知られている。
このような高温型燃料電池は、イオン電導率を高めるために作動温度が高くされているので、ガスタービンシステムの圧縮機から吐出され、ガスタービンの排ガス熱を利用して高温とされた吐出空気を空気極側に供給する空気(酸化剤)として使用できる、また、高温型燃料電池で利用できなかった高温の排出燃料をガスタービンの燃焼器の燃料として使用することもできる。
このため、たとえば、特許文献1に示されるように、高効率を達成できる発電システムとして固体酸化物形燃料電池とガスタービンとを組み合わせたコンバインド発電システムが提案されている。
特許文献1には、燃料電池から排出された排出燃料ガスおよび空気がガスタービン燃焼器に導かれるようになっている。また、ガスタービン燃焼器に供給する燃料ガスが不足しないように、燃料ガス分配部8(特許文献1の図1参照)にて分配された燃料ガスが燃料電池をバイパスしてガスタービン燃焼器に補助燃料ガスとして直接供給されるようになっている。
特開2003−36872号公報
しかし、特許文献1のようにガスタービン燃焼器に補助燃料ガスを供給するようにしても、ガスタービンの運転圧力が変化する場合には以下のような問題がある。
ガスタービンの負荷を増大させるためにガスタービンの運転圧力を増加させる際には、圧縮機の吸込空気流量を増大させるために圧縮機の吸込空気流量調整ベーン(いわゆるインレットガイドベーン;以下「IGV」という。)の開度を増大させる場合がある。IGVの開度を増大させると、圧縮機の吐出空気量が増大するとともに、圧縮機出口圧力が上昇し、増大した吐出空気は先ず燃料電池へと導かれる。しかし、燃料電池の系内容積は、一般にガスタービン系内容積よりも大きいので、吐出空気量が増大しても、当初は燃料電池内の圧力を増大させるために空気が蓄積されて消費されるだけで、応答良く燃料電池から空気や排出燃料ガスが排出されない。これでは、ガスタービン燃焼器に導かれる空気および排出燃料ガスが所望値に達せず、排出燃料ガスと補助燃料ガスとの比率すなわち燃料組成が変化して安定した燃焼がガスタービン燃焼器にて行われないおそれがある。
一方、ガスタービンの負荷を減少させるためにガスタービンの運転圧力を減少させる際には、圧縮機の吸込空気流量を減少させるために圧縮機のIGVの開度を減少させる。IGVの開度を減少させると、圧縮機の吐出空気量が減少するとともに、圧縮機出口圧力が低下し、減少した吐出空気は先ず燃料電池へと導かれる。しかし、燃料電池の系内容積は、一般にガスタービン系内容積よりも大きいので、吐出空気量を減少させても、燃料電池内で既に高めの圧力に保有されている保有ガスが押し出されてしまい、ガスタービン燃焼器に導かれる空気および排出燃料ガスが過剰となってしまう。これでは、ガスタービン燃焼器に導かれる空気および排出燃料ガスが過剰となり、排出燃料ガスと排出補助燃料ガスとの比率すなわち燃料組成が変化して安定した燃焼がガスタービン燃焼器にて行われないおそれがある。
以上のように、ガスタービンの運転圧力が増加あるいは減少する過渡期には、ガスタービン燃焼器に供給される燃料組成が変化してしまい、燃焼が不安定になり、燃焼振動や失火、あるいはNOxの上昇といった不具合が生じるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ガスタービンの運転圧力が変化する過渡期であってもガスタービン燃焼器にて安定した燃焼を行うことができる高温型燃料電池を有するガスタービンコンバインド発電システムおよびその運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の高温型燃料電池を有するガスタービンコンバインド発電システムおよびその運転方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる高温型燃料電池を有するガスタービンコンバインド発電システムは、圧縮機、燃焼器、ガスタービン、及び発電機を備えるガスタービンシステムと高温型燃料電池を有するコンバインド発電システムにおいて、燃料ガスおよび空気が供給されて発電する高温型燃料電池本体と、燃料ガス源から前記高温型燃料電池本体へ燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路と、前記高温型燃料電池本体から排出された排出燃料ガスを前記燃焼器へと導く燃料ガス排出流路と、前記圧縮機からの吐出空気を前記高温型燃料電池本体へ供給する空気供給流路と、前記高温型燃料電池本体から排出された排出空気を前記燃焼器へと導く空気排出流路と、前記燃焼器に対して、前記燃料ガス排出流路とは別に、燃料ガスを供給する補助燃料ガス供給流路と、前記ガスタービンシステムの負荷に応じた負荷を前記高温型燃料電池本体に通常時負荷指令値として与えて、該高温型燃料電池本体に供給する燃料ガス量を調整する制御部とを備え、前記制御部は、前記空気供給流路を介して前記高温型燃料電池本体内に供給される空気圧力が過渡的に増加する圧力増加時に、該高温型燃料電池本体に与える負荷を、前記通常時負荷指令値に対して所定値を増加させた圧力増加時負荷指令値として与え、かつ/または、前記空気供給流路を介して前記高温型燃料電池本体内に供給される空気圧力が過渡的に減少する圧力減少時に、該高温型燃料電池本体に与える負荷を、前記通常時負荷指令値に対して所定値を減少させた圧力減少時負荷指令値として与えることを特徴とする。
高温型燃料電池本体では、燃料ガス源から導かれた燃料ガスと、ガスタービンシステムの圧縮機から導かれた空気によって発電が行われる。このときの高温型燃料電池本体の負荷は、ガスタービンシステムの負荷に応じて(例えばガスタービンシステムの負荷に対する所定の比率として)、通常時負荷指令値として与えられる。与えられる通常負荷指令値に応じて、高温型燃料電池本体に供給される燃料ガス流量が決定される。
ガスタービンシステムの燃焼器には、高温型燃料電池本体から排出された排出燃料ガスと、補助燃料ガス供給流路から導かれた補助燃料ガスと、高温型燃料電池本体から排出された排出空気とが導かれて燃焼が行われる。燃焼器にて発生した燃焼ガスがガスタービンに導かれてガスタービンが回転され、ガスタービンの回転力によって発電機が駆動されて発電が行われる。
一般に、高温型燃料電池は、ガスタービンの系内容積に比べて大きい系内容積を有する。そのため、ガスタービンの系内圧力を上昇させようとして高温型燃料電池本体内に供給する空気および燃料ガスを増加させても、空気および燃料ガスの供給量を上昇させた当初は、供給された空気および燃料ガスが高温型燃料電池本体内の圧力を上げるためだけに蓄積されて消費されてしまい、ガスタービンへ供給される排出燃料ガスおよび排出空気が所望値に達しないおそれがある。そうすると、燃焼器における補助燃料ガスに対する排出燃料ガスの流量が変化して燃料組成が変化し、不安定な燃焼を導くおそれがある。
そこで、本発明では、高温型燃料電池本体内に供給される空気圧力が過渡的に増加する圧力増加時に、上述の通常時負荷指令値に対して所定値を増加させた圧力増加時負荷指令値として与えて、通常時負荷指令値よりも増加させた負荷分に対応する排出燃料ガス流量を高温型燃料電池本体内に上乗せして供給することとした。これにより、圧力上昇時に高温型燃料電池本体から供給される排出燃料ガス流量を増大させることができるので、補助燃料ガスに対する排出燃料ガスの流量を略一定に保つことができる。
一方、上述の通り、一般に、高温型燃料電池は、ガスタービンの系内容積に比べて大きい系内容積を有する。そのため、ガスタービンの系内圧力を減少させようとして高温型燃料電池本体内に供給する空気および燃料ガスを減少させても、空気および燃料ガスの供給量を減少させた当初は、高温型燃料電池本体内に既に保有している空気および燃料ガスの圧力が依然として高いため、排出空気および排出燃料ガスがガスタービン側に押し出されて過剰に供給されてしまい、ガスタービンへ供給される燃料ガスおよび空気が所望値よりも一時的に増大してしまう。そうすると、燃焼器における補助燃料ガスに対する排出燃料ガスの流量が変化して燃料組成が変化し、不安定な燃焼を導くおそれがある。
そこで、本発明では、高温型燃料電池本体内に供給される空気圧力が過渡的に減少する圧力減少時に、上述の通常時負荷指令値に対して所定値を減少させた圧力減少時負荷指令値として与えて、通常時負荷指令値よりも減少させた負荷分に対応する燃料ガス流量を高温型燃料電池本体内に減じて供給することとした。これにより、圧力減少時に高温型燃料電池本体から供給される排出燃料ガス流量を減少させることができるので、補助燃料ガスに対する排出燃料ガスの流量を略一定に保つことができる。
このように、本発明によれば、高温型燃料電池本体内に供給される空気圧力が過渡的に増減する際に、ガスタービンシステムの燃焼器に供給される排出燃料ガスと補助燃料ガスの比率すなわち燃料組成を略一定に制御することができるので、不安定な燃焼を回避でき、燃焼器におけるNOxの増大や、燃焼振動、失火等を防ぐことができる。
なお、高温型燃料電池としては、典型的には、固体酸化物形燃料電池(SOFC)や溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)が挙げられる。
さらに、本発明のコンバインド発電システムでは、前記制御部は、前記圧縮機の吸込空気流量を制御する流量制御ベーンの開度変化に基づいて、前記高温型燃料電池本体に供給される空気の過渡的な圧力変化を検出することを特徴とする。
ガスタービンシステムの圧縮機の吸込空気流量を制御する流量制御ベーンの開度変化に応じて圧縮機からの吐出空気の流量が変化する。そこで、流量制御ベーンの開度変化に基づいて高温型燃料電池本体に供給される空気の過渡的な圧力変化を検出することとした。
なお、流量制御ベーンの開度変化は、開度検出センサによって開度を直接計測することとしても良いし、ガスタービンシステムに与えられる負荷変化速度指令値から演算によって推定しても良い。
さらに、本発明のコンバインド発電システムでは、前記制御部は、前記ガスタービンシステムに与えられる負荷変化速度指令値に基づいて、前記高温型燃料電池本体に供給される空気の過渡的な圧力変化を検出することを特徴とする。
ガスタービンシステムに与えられる負荷の変化に応じて、圧縮機からの吐出空気の流量が変化する。そこで、ガスタービンシステムに与えられる負荷変化速度指令値に基づいて高温型燃料電池本体に供給される空気の過渡的な圧力変化を検出することとした。このように、流量制御ベーンの先行指令値となる負荷変化速度指令値を用いることとしたので、応答性を高めることができる。
なお、ガスタービンシステムの負荷変化速度指令値に基づいて高温型燃料電池本体に供給される空気の圧力変化を演算により直接推定しても良いし、あるいは、ガスタービンシステムの負荷変化速度指令値に基づいて圧縮機の流量制御ベーンの開度変化を演算によって推定し、この流量制御ベーンの開度変化から高温型燃料電池本体に供給される空気の圧力変化を検出しても良い。
さらに、本発明のコンバインド発電システムでは、前記制御部は、前記空気供給流路の圧力に基づいて、前記高温型燃料電池本体に供給される空気の過渡的な圧力変化を検出することを特徴とする。
高温型燃料電池本体に供給される空気の圧力変化は、空気供給流路の圧力変化に相当する。そこで、空気供給流路の圧力変化に基づいて高温型燃料電池本体に供給される空気の過渡的な圧力変化を直接的に検出することとした。これにより、高い精度にて制御を行うことができる。
空気供給流路の圧力変化を検出するには、圧力センサを空気供給流路に取り付けることが好ましく、圧力センサの取り付け位置としては、圧縮機の吐出口近傍でも良いし、高温型燃料電池本体の入口近傍でも良い。
また、本発明のコンバインド発電システムの運転方法は、圧縮機、燃焼器、ガスタービン、及び発電機を備えるガスタービンシステムと高温型燃料電池を有するコンバインド発電システムの運転方法において、前記コンバインド発電システムは、燃料ガスおよび空気が供給されて発電する高温型燃料電池本体と、燃料ガス源から前記高温型燃料電池本体へ燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路と、前記高温型燃料電池本体から排出された排出燃料ガスを前記燃焼器へと導く燃料ガス排出流路と、前記圧縮機からの吐出空気を前記高温型燃料電池本体へ供給する空気供給流路と、前記高温型燃料電池本体から排出された排出空気を前記燃焼器へと導く空気排出流路と、前記燃焼器に対して、前記燃料ガス排出流路とは別に、燃料ガスを供給する補助燃料ガス供給流路と、前記ガスタービンシステムの負荷に応じた負荷を前記高温型燃料電池本体に通常時負荷指令値として与えて、該高温型燃料電池本体に供給する燃料ガス量を調整する制御部とを備え、前記制御部により、前記空気供給流路を介して前記高温型燃料電池本体内に供給される空気圧力が過渡的に増加する圧力増加時に、該高温型燃料電池本体に与える負荷を、前記通常時負荷指令値に対して所定値を増加させた圧力増加時負荷指令値として与え、かつ/または、前記空気供給流路を介して前記高温型燃料電池本体内に供給される空気圧力が過渡的に減少する圧力減少時に、該高温型燃料電池本体に与える負荷を、前記通常時負荷指令値に対して所定値を減少させた圧力減少時負荷指令値として与えることを特徴とする。
本発明によれば、高温型燃料電池本体内の圧力が過渡的に増減する際に、ガスタービンシステムの燃焼器に供給される排出燃料ガスと補助燃料ガスの比率すなわち燃料組成を略一定に制御することができるので、不安定な燃焼を回避でき、燃焼器におけるNOxの増大や、燃焼振動、失火等を防ぐことができる。
本発明の高温型燃料電池ガスタービンコンバインド発電システムの第1実施形態を示した概略構成図である。 圧力上昇時の変化を示したグラフである。 圧力減少時の変化を示したグラフである。 圧力変化を検出する制御を示した制御ブロック図である。 第2実施形態にかかる高温型燃料電池ガスタービンコンバインド発電システムの圧力変化を検出する制御を示した制御ブロック図である。 第3実施形態にかかる高温型燃料電池ガスタービンコンバインド発電システムを示した概略構成図である。 図6の高温型燃料電池ガスタービンコンバインド発電システムの圧力変化を検出する制御を示した制御ブロック図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1には、第1実施形態にかかる高温型燃料電池ガスタービンコンバインド発電システム1が示されている。高温型燃料電池ガスタービンコンバインド発電システム1は、高温型燃料電池である固体酸化物形燃料電池(以下「SOFC」という。)3と、ガスタービンシステム5と、蒸気タービンシステム6とを備えている。
ガスタービンシステム5は、空気を圧縮する圧縮機7と、空気と燃料ガスを燃焼する燃焼器9と、燃焼器9から排出された燃焼ガスによって回転駆動されるガスタービン11と、ガスタービン11の回転力を得て発電する発電機(図示せず)とを備えている。
圧縮機7の空気吸込側には、吸込空気の流量を制御するためのインレットガイドベーン(以下「IGV」という。)10が設けられている。図示しない制御部により、このIGV10の開度を調整することで吸込空気流量が調整される。
燃焼器9には、SOFC本体15から燃料ガス排出流路L2を介して導かれる燃料排出ガスが導かれるようになっている。また、燃焼器9には、図示しない燃料ガス源から補助燃料ガス供給経路L6を介して直接的に補助燃料が供給される。補助燃料の流量は、制御部によって、燃料ガス排出流路L2から導かれる燃料ガスに対する所定の割合で調整される。燃料ガスとしては、例えば、ガス化したLNG(液化天然ガス)が用いられる。
さらに、燃焼器9には、SOFC本体15から空気排出流路L5を介して導かれる排出空気が導かれるようになっている。
ガスタービン11の下流側の排ガス流路には、排ガスボイラ17が設けられている。この排ガスボイラ17にて、復水器19から導かれる復水が加熱されて蒸気が生成させるようになっている。
蒸気タービンシステム6は、排ガスボイラ17から導かれた蒸気によって回転駆動する蒸気タービン21と、蒸気タービン21にて仕事を終えた蒸気を液化する復水器19と、蒸気タービン21によって駆動されて発電する発電機(図示せず)とを備えている。
SOFC3は、SOFC本体15と、SOFC本体15の燃料極側に接続された燃料系統23と、SOFC本体15の空気極側に接続された空気系統25とを主要構成としている。
SOFC本体15は、密閉容器16内に配置され、特に限定されるものではないが、例えば複数の円筒形とされたセラミック製の燃料電池セル管(以下、単に「セル管」という。)を備えている。セル管は、基体管の外表面に複数のセルが軸線方向に並べられて形成された構成とされている。セルは、燃料極膜、電解質膜及び空気極膜から構成される。そして、各セル間には、インターコネクタが設けられている。
セルは、水素又は一酸化炭素を含む燃料ガスを燃料極膜(アノード電極)に供給し、かつ酸素を含む酸化剤ガスを空気極膜(カソード電極)に供給することにより、水又は二酸化炭素の合成反応を生じさせることによって電解質膜の両端で起電力を発生するものである。
燃料極膜は、例えば、ニッケル/イットリア安定化ジルコニアで形成されている。電解質膜は、例えば、イットリア安定化ジルコニアで形成されている。空気極膜は、例えば、ランタンマンガネートで形成されている。インターコネクタ膜は、隣り合うセル同士を電気的に接続し、例えば、ランタンクロマイトで形成されている。
燃料系統23は、図示しない燃料ガス源からSOFC本体15の燃料極側へ燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路L1と、SOFC本体15の燃料極側から排出された排出燃料ガスを燃焼器9へと導く燃料ガス排出流路L2とを備えている。また、燃料系統23は、燃料ガス排出流路L2の中途位置の分岐点22から分岐して、燃料ガス供給流路L1の合流点24へと接続される燃料ガス再循環流路L3を備えている。ここで、燃料ガスは燃料ガス供給経路L1またはSOFC本体15で図示しない改質手段により、水素や一酸化炭素を含む燃料ガスに改質されていることが望ましい。
燃料ガス再循環流路L3には、燃料ガス排出流路L2から分岐した排出燃料ガスを燃料ガス供給流路L1へ押し込むための燃料ガス再循環ブロワ27が設けられている。燃料ガス再循環流路L3により、未利用の燃料を再循環させることで燃料利用率を向上させると共に、SOFC本体15の発電反応で得られた水蒸気を燃料ガス供給経路L1に投入することで、改質反応に必要な水蒸気を確保することができる。
空気系統25は、圧縮機7から吐出空気をSOFC本体15へと導く空気供給流路L4と、SOFC本体15の空気極側から排出された排出空気を燃焼器9へと導く空気排出流路L5とを備えている。
上記構成の高温型燃料電池ガスタービンコンバインド発電システム1は、以下のように動作する。
例えば電力を供給する系統側の要求に応じて、制御部にて、ガスタービンシステム5が出力する電力に応じたガスタービン負荷指令値が決定される。ガスタービン負荷指令値が決定されると、ガスタービン負荷指令値に応じたSOFC3の負荷指令値をSOFC通常負荷指令値として決定する。SOFC通常負荷指令値は、ガスタービン負荷指令値に対する所定の比率として決定される。すなわち、SOFC通常負荷指令値は、ガスタービン負荷指令値に関連付けられて決定される。
ガスタービン負荷指令値およびSOFC通常負荷指令値が決定されると、これらの合計負荷に応じた燃料ガス量および空気量が決定される。決定された燃料ガス量を供給するように、燃料ガス源から燃料ガス供給流路L1を介して燃料ガスがSOFC本体15へと導かれる。また、決定された空気量を供給するように、制御部によってIGV10の開度が所定値に調整され、IGV10から空気を吸い込み圧縮機7で圧縮した後に、空気供給流路L4を介して圧縮空気がSOFC本体15へと導かれる。
燃料ガスおよび圧縮空気が導かれたSOFC本体15内では、燃料電池反応によって発電が行われる。
SOFC本体15にて反応を終えた燃料ガスは、未反応の燃料ガスとともに、燃料ガス排出流路L2を介して燃焼器9へと導かれる。一部の排出燃料ガスは、燃料ガス再循環流路L3を介して燃料ガス供給流路L1へと送給されて再利用される。
SOFC本体15にて反応を終えた空気は、空気排出流路L5を介して燃焼器9へと導かれる。
燃焼器9では、補助燃料ガス供給流路L6を介して導かれた補助燃料ガスとともに、燃料ガス排出流路L2から導かれた排出燃料ガスと、空気排出流路L5から導かれた排出空気とが燃焼を行う。
燃焼器9にて発生した高温高圧の燃焼ガスは、ガスタービン11へと導かれガスタービン11を回転駆動する。このガスタービン11の回転駆動によって、図示しない発電機が駆動されて発電が行われる。
ガスタービン11から排出された排ガスは、排ガスボイラ17にて復水を加熱した後に、図示しない煙突から大気へと放出される。
排ガスボイラ17にて加熱されて生成された蒸気は、蒸気タービン21へと導かれ、蒸気タービン21を回転駆動する。この蒸気タービン21の回転駆動によって、図示しない発電機が駆動されて発電が行われる。蒸気タービン21にて仕事を終えた蒸気は、復水器19へと導かれて液化されて復水となる。
次に、ガスタービン負荷指令値が変化する過渡期における制御について説明する。
図2には、ガスタービン負荷指令値が増加する場合の制御が示されている。
同図に示されているように、ガスタービン負荷指令値が時刻t1から増大すると、これに連動してSOFC負荷指令値も時刻t1から同様に増大する。この時のSOFC負荷指令値は、ガスタービン負荷指令値に連動して決定されるSOFC通常負荷指令値とされる。
時刻t2になると、空気流量増加およびガスタービン系内圧力を上げるために、IGV10の開度が増大するように変化する。IGV10の開度が増大すると、圧縮機7出口からSOFC本体15に向けて流れる空気圧力(空気供給流路L4の圧力)が増大する。
制御部は、IGV10の開度の時刻t2(例えば空気圧力0.65〜1.15MPa)における増大開始を検出し、SOFC負荷指令値を通常指令値から所定値を増加させた圧力増加時負荷指令値として与え、SOFC負荷指令値を増大させる。
時刻t3(例えば空気圧力1.3〜2.3MPa)になると、IGV10の開度が所定値に到達し、一定となる。これに応じて、圧縮機7出口からSOFC本体15に向けて流れる空気圧力(空気供給流路L4の圧力)も一定となる。
制御部は、IGV10の開度の変化が終わったことを時刻t3にて検出し、SOFC負荷指令値を圧力増加時負荷指令値から減じて通常負荷指令値として与え、SOFC負荷指令値を減少させる。
そして、ガスタービン負荷指令値は、時刻t4にて所定の負荷に到達し、一定の負荷にて制御される。これに連動してSOFC負荷指令値も時刻t4にて一定の負荷にて制御される。
図3には、ガスタービン負荷指令値が減少する場合の制御が示されている。
同図に示されているように、ガスタービン負荷指令値が時刻t5から減少すると、これに連動してSOFC負荷指令値も時刻t5から同様に減少する。この時のSOFC負荷指令値は、ガスタービン負荷指令値に連動して決定されるSOFC通常負荷指令値とされる。
時刻t6になると、空気流量減少およびガスタービン系内圧力を下げるために、IGV10の開度が減少するように変化する。IGV10の開度が減少すると、圧縮機7出口からSOFC本体15に向けて流れる空気圧力(空気供給流路L4の圧力)が減少する。
制御部は、IGV10の開度の時刻t6における減少開始を検出し、SOFC負荷指令値を通常指令値から所定値を減少させた圧力減少時負荷指令値として与え、SOFC負荷指令値を減少させる。
時刻t7になると、IGV10の開度が所定値に到達し、一定となる。これに応じて、圧縮機7出口からSOFC本体15に向けて流れる空気圧力(空気供給流路L4の圧力)も一定となる。
制御部は、IGV10の開度の変化が終わったことを時刻t7にて検出し、SOFC負荷指令値を圧力減少時負荷指令値から増加させて通常負荷指令値として与え、SOFC負荷指令値を増加させる。
そして、ガスタービン負荷指令値は、時刻t8にて所定の負荷に到達し、一定の負荷にて制御される。これに連動してSOFC負荷指令値も時刻t8にて一定の負荷にて制御される。
図4には、制御部にてSOFC負荷指令値を決定する制御ブロック図が示されている。
制御部は、IGV10の各時刻における開度を開度検出センサの計測値から得て、IGV開度変化速度を演算する。一方、制御部は、ガスタービン(GT)吸気温度を温度センサの計測値から得る。そして、IGV開度変化速度から得られる圧力変化をGT吸気温度で補正して、圧縮機7出口における吐出空気の圧力変化速度を推定値として計算する。
次に、計算によって得られた圧力変化速度に基づいて、上限設定値および下限設定値を超えないようにSOFC負荷指令値の計算を行い、圧力増大時負荷指令値の増加幅または圧力減少時負荷指令値の減少幅を決定する。
なお、図4にて破線で示されているように、IGV10の開度変化は、上述した開度検出センサによって開度を直接計測することに代えて、ガスタービンシステム5に与えられる負荷変化速度指令値から演算によってIGV10の開度変化速度を推定しても良い。
このように、本実施形態では、図2に示したように、ガスタービン負荷指令値が変化してSOFC本体15に供給される空気流量が増加する過渡期に、SOFC負荷指令値をSOFC通常負荷指令値から圧力増加時負荷指令値に設定することにした。これにより、SOFC本体15内に供給される空気圧力が過渡的に増加する圧力増加時に、SOFC通常時負荷指令値に対して所定値を増加させた圧力増加時負荷指令値として与えて、SOFC通常時負荷指令値よりも増加させた負荷分に対応する燃料ガスをSOFC本体15内に上乗せして供給することとした。これにより、圧力上昇の過渡期にSOFC本体15から燃焼器9に供給される排出燃料ガス流量を補助燃料ガスに対して略一定に保つことができる。
また、本実施形態では、図3に示したように、IGV10の開度が減少する過渡期に、SOFC負荷指令値をSOFC通常負荷指令値から圧力減少時負荷指令値に設定することにした。これにより、SOFC本体15内に供給される空気圧力が過渡的に減少する圧力減少時に、SOFC通常時負荷指令値に対して所定値を減少させた圧力減少時負荷指令値として与えて、SOFC通常時負荷指令値よりも減少させた負荷分に対応する燃料ガスをSOFC本体15内に減じて供給することとした。これにより、圧力減少の過渡期にSOFC本体15から燃焼器9に供給される排出燃料ガス流量を補助燃料ガスに対して略一定に保つことができる。
このように、本実施形態によれば、SOFC本体15内に供給される空気圧力が過渡的に増減する際に、ガスタービンシステム5の燃焼器9に供給される排出燃料ガスと補助燃料ガスの比率すなわち燃料組成を略一定に制御することができるので、不安定な燃焼を回避でき、燃焼器9におけるNOxの増大や、燃焼振動、失火等を防ぐことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態に対して、SOFC本体15に供給される空気の圧力の増減を検出する手法が異なり、その他の構成については同様である。したがって、以下では空気圧力の増減を検出する手法について説明する。
図5に示されているように、本実施形態では、第1実施形態のようにIGV10の開度を用いずにSOFC本体15に供給される空気の圧力変化を得るようになっている。制御部は、ガスタービン(GT)負荷指令と、ガスタービン(GT)吸気温度と、ガスタービン(GT)負荷変化速度指令とを用いて計算を行い、SOFC本体15に供給される空気の圧力変化速度を推定する。そして、計算によって得られた圧力変化速度に基づいて、上限設定値および下限設定値を超えないようにSOFC負荷指令値の計算を行い、圧力増大時負荷指令値の増加幅または圧力減少時負荷指令値の減少幅を決定する。
このように、本実施形態によれば、IGV10の開度を用いずに、IGV開度の先行指令値であるGT負荷変化速度指令を用いることができるので、より応答性を高めることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図6及び図7を用いて説明する。
本実施形態は、上記の各実施形態に対して、SOFC本体15に供給される空気の圧力の増減を検出する手法が異なる。
図6には、本実施形態の高温型燃料電池ガスタービンコンバインド発電システム1’が示されている。このコンバインド発電システム1’は、図1に示した第1実施形態に対して、空気供給経路L4に圧力センサ30が追加されている点で相違し、その他は同様である。したがって、共通する構成については同一符号を付しその説明を省略する。
圧力センサ30は、OFC本体15の入口近傍に設けられている。これにより、SOFC本体15に供給される空気圧力を検出することができる。圧力センサ30にて検出された計測データは、制御部へ送信される。なお、圧力センサ30は、図6に破線で示されているように、空気供給経路L4の圧縮機7の出口近傍に設置して、圧縮機7から吐出される空気圧力を検出するようにしても良い。
図7に示されているように、制御部は、SOFC本体15の入口空気圧力またはガスタービン(GT)出口空気圧力を圧力センサ30の計測結果から得て、SOFC本体15に供給される空気の圧力変化速度を得る。そして、計測によって得られた圧力変化速度に基づいて、上限設定値および下限設定値を超えないようにSOFC負荷指令値の計算を行い、圧力増大時負荷指令値の増加幅または圧力減少時負荷指令値の減少幅を決定する。
このように、本実施形態によれば、SOFC本体15に供給される空気の圧力を圧力センサ30によって直接計測することとしたので、高い精度にて制御を行うことができる。
なお、上述した実施形態では、高温型燃料電池の一例として固体酸化物形燃料電池(SOFC)を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)といったように500℃以上で動作する他の高温型燃料電池であってもよい。
1,1’ 高温型燃料電池ガスタービンコンバインド発電システム
3 固体酸化物形燃料電池(高温型燃料電池)
5 ガスタービンシステム
6 蒸気タービンシステム
7 圧縮機
9 燃焼器
10 IGV(流量制御ベーン)
11 ガスタービン
15 SOFC本体(高温型燃料電池本体)
16 密閉容器
19 復水器
21 蒸気タービン
22 分岐点
23 燃料系統
24 合流点
25 空気系統
27 燃料ガス再循環ブロワ
30 圧力センサ
L1 燃料ガス供給流路
L2 燃料ガス排出流路
L3 燃料ガス再循環流路
L4 空気供給流路
L5 空気排出流路
L6 補助燃料供給流路

Claims (5)

  1. 圧縮機、燃焼器、ガスタービン、及び発電機を備えるガスタービンシステムと高温型燃料電池を有するコンバインド発電システムにおいて、
    燃料ガスおよび空気が供給されて発電する高温型燃料電池本体と、
    燃料ガス源から前記高温型燃料電池本体へ燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路と、
    前記高温型燃料電池本体から排出された排出燃料ガスを前記燃焼器へと導く燃料ガス排出流路と、
    前記圧縮機からの吐出空気を前記高温型燃料電池本体へ供給する空気供給流路と、
    前記高温型燃料電池本体から排出された排出空気を前記燃焼器へと導く空気排出流路と、
    前記燃焼器に対して、前記燃料ガス排出流路とは別に、燃料ガスを供給する補助燃料ガス供給流路と、
    前記ガスタービンシステムの負荷に応じた負荷を前記高温型燃料電池本体に通常時負荷指令値として与えて、該高温型燃料電池本体に供給する燃料ガス量を調整する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記空気供給流路を介して前記高温型燃料電池本体内に供給される空気圧力が過渡的に増加する圧力増加時に、該高温型燃料電池本体に与える負荷を、前記通常時負荷指令値に対して所定値を増加させた圧力増加時負荷指令値として与え、
    かつ/または、
    前記空気供給流路を介して前記高温型燃料電池本体内に供給される空気圧力が過渡的に減少する圧力減少時に、該高温型燃料電池本体に与える負荷を、前記通常時負荷指令値に対して所定値を減少させた圧力減少時負荷指令値として与えることを特徴とするコンバインド発電システム。
  2. 前記制御部は、前記圧縮機の吸込空気流量を制御する流量制御ベーンの開度変化に基づいて、前記高温型燃料電池本体に供給される空気の過渡的な圧力変化を検出することを特徴とする請求項1に記載のコンバインド発電システム。
  3. 前記制御部は、前記ガスタービンシステムに与えられる負荷変化速度指令値に基づいて、前記高温型燃料電池本体に供給される空気の過渡的な圧力変化を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンバインド発電システム。
  4. 前記制御部は、前記空気供給流路の圧力に基づいて、前記高温型燃料電池本体に供給される空気の過渡的な圧力変化を検出することを特徴とする請求項1に記載のコンバインド発電システム。
  5. 圧縮機、燃焼器、ガスタービン、及び発電機を備えるガスタービンシステムと高温型燃料電池を有するコンバインド発電システムの運転方法において、
    前記コンバインド発電システムは、燃料ガスおよび空気が供給されて発電する高温型燃料電池本体と、
    燃料ガス源から前記高温型燃料電池本体へ燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路と、
    前記高温型燃料電池本体から排出された排出燃料ガスを前記燃焼器へと導く燃料ガス排出流路と、
    前記圧縮機からの吐出空気を前記高温型燃料電池本体へ供給する空気供給流路と、
    前記高温型燃料電池本体から排出された排出空気を前記燃焼器へと導く空気排出流路と、
    前記燃焼器に対して、前記燃料ガス排出流路とは別に、燃料ガスを供給する補助燃料ガス供給流路と、
    前記ガスタービンシステムの負荷に応じた負荷を前記高温型燃料電池本体に通常時負荷指令値として与えて、該高温型燃料電池本体に供給する燃料ガス量を調整する制御部と、
    を備え、
    前記制御部により、
    前記空気供給流路を介して前記高温型燃料電池本体内に供給される空気圧力が過渡的に増加する圧力増加時に、該高温型燃料電池本体に与える負荷を、前記通常時負荷指令値に対して所定値を増加させた圧力増加時負荷指令値として与え、
    かつ/または、
    前記空気供給流路を介して前記高温型燃料電池本体内に供給される空気圧力が過渡的に減少する圧力減少時に、該高温型燃料電池本体に与える負荷を、前記通常時負荷指令値に対して所定値を減少させた圧力減少時負荷指令値として与えることを特徴とするコンバインド発電システムの運転方法。
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