JP5941353B2 - タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
少なくともスチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴム成分100質量部に対し、
下記一般式(1)で示される無機化合物粉体5〜30質量部、
シリカ30〜100質量部、および、
不飽和カルボン酸エステル5〜50質量部
を含んでなるタイヤ用ゴム組成物に関する。
mM−xSiOy−zH2O (1)
(式中、Mはアルミニウム、マグネシウム、チタンおよびカルシウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属、該金属の酸化物並びに該金属の水酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の物質であり、mは1〜5のいずれかの整数、xは0〜10のいずれかの整数、yは2〜5のいずれかの整数、zは0〜10のいずれかの整数を表す。)
一般式(2):R1−SH
一般式(3):R2−(S)n−R3
一般式(4):R4−S−M1
一般式(5):R5−S−M2−S−R6
(式中、R1〜R6は、それぞれ独立に、置換もしくは非置換アリール基、置換もしくは非置換へテロアリール基、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、または置換もしくは非置換アラルキル基を表し、M1は1価の金属原子、M2は2価の金属原子、nは1以上の整数を表す。)
本発明にかかわるジエン系ゴム成分は、少なくともスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を含むものである。かかるSBRとしては、いずれのものをも好適に用いることができるが、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)であることが好ましい。SBRにおける結合スチレン量は、10質量%以上が好ましく、より好ましくは15質量%以上である。結合スチレン量が10質量%未満では充分なグリップ力が得られない傾向がある。一方、結合スチレン量は80質量%以下が好ましく、より好ましくは75質量%以下である。結合スチレン量が80質量%を超えると硬度が高くなる傾向がある。
一般式(1)で示される無機化合物粉体において、Mとしてはアルミニウム、その酸化物(例えば、アルミナ)およびその水酸化物(例えば、水酸化アルミニウム)からなる群より選択される少なくとも1種の物質が好ましく、mとしては1〜5の整数が好ましく、xとしては0〜8の整数が好ましく、yとしては2〜5の整数が好ましく、zとしては0〜9の整数が好ましい。
本発明において配合されるシリカとしては、この分野で通常使用されるいずれのものをも好適に使用することができ、そのようなシリカとして、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水ケイ酸)や、湿式法により調製されたシリカ(含水ケイ酸)などが挙げられる。なかでも、表面のシラノール基が多く、シランカップリング剤との反応点が多いという理由から、湿式法により調製されたシリカが好ましい。
シランカップリング剤としては、この分野で通常使用し得るものをいずれも使用することができ、具体的には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系;γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系;3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系;3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。このうち、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド等が好適である。
不飽和カルボン酸エステルの不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの炭素数3〜8のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸が挙げられる。このうち、アクリル酸またはメタアクリル酸が好ましい。また、不飽和カルボン酸エステルのエステルとしては、アルキルエステル、アリールエステル、ビニル(vinyl)エステルなどが挙げられ、このうち、アルキルエステルが好ましい。アルキルエステルを構成するアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がさらに好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。アリールエステルを構成するアリール基としては、フェニル基、ベンジル基、トリル基、o−、m−またはp−キシリル基等が挙げられる。
有機過酸化物からなるラジカル発生剤としては、例えば、熱または酸化還元系の存在下で、パーオキシラジカルを発生するものであればいずれのものも用いることができ、そのような有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド(例えば、日本油脂(株)のパークミル(登録商標)D)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(例えば、日本油脂(株)のパーヘキサ(登録商標)C)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン(例えば、日本油脂(株)のパーヘキシン(登録商標)25B)、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)へキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどが挙げられる。なかでも、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)へキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、またはt−ブチルパーオキサイドが好ましい。
本発明で用いられる有機硫黄化合物には、一般式(2)で示されるもの(チオール型、または、SH型)、一般式(3)で示されるもの(スルフィド型、または、Sn型)、並びに、一般式(4)および(5)で示されるもの(金属塩型、または、SM型)が含まれる。
スチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂とは、スチレンとα−メチルスチレンとを重合させて得られる樹脂である。スチレンとα−メチルスチレンの重合割合については、特に限定されるものではないが、好ましくは、スチレンモノマー約40〜約70質量%およびα−メチルスチレンモノマー約60〜30質量%からなるものであることが好ましい。
不飽和カルボン酸エステルが自己重合を起こす場合がある。一方、配合量は50質量部以下であり、好ましくは35質量部以下である。50質量部を超えると、硬度が高くなり充分なグリップ力が得られなくなる傾向がある。
本発明においては、上述した充填剤以外にも他の充填剤を配合することができ、そのような充填剤としては、例えば、カーボンブラックが挙げられる。該カーボンブラックとしては、その種類は、特に限定されず、この分野で通常使用されるものをいずれも使用することができるが、好ましくは、例えば、FEF,SRF,HAF,ISAF,SAFグレードのもの等が挙げられる。このうち、耐摩耗性を向上させる観点からは、HAF,ISAF,SAFグレードのものがより好ましい。
本発明のゴム組成物には、一般的なゴム用架橋系を用いることができ、かかる目的には、通常、架橋剤と加硫促進剤とを組み合わせて用いる。ここで、架橋剤としては、例えば、硫黄が挙げられる。架橋剤の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して、硫黄分として0.1質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。0.1質量部未満では、加硫ゴムの耐破壊性および低発熱性が低下する傾向がある。一方、架橋剤の配合量は10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。10質量部を超えると、ゴム弾性が失われる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、タイヤの製造に使用され、通常の方法により、タイヤとすることができる。すなわち、必要に応じて前記成分を適宜配合した混合物をロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混錬りし、未加硫の段階でタイヤの各部剤の形状に合わせて押出し加工し、タイヤ成形機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得ることができ、これに、注入ガスとして、通常の空気を入れ、空気入りタイヤとすることができる。なお、注入ガスとしては、通常の空気の他、酸素分圧を調整した空気、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることもできる。本発明のゴム組成物においては、構成成分として不飽和カルボン酸エステルを含むため、混錬りは、該不飽和カルボン酸エステルが揮発しない温度域で行うことが好ましい。そのような温度は、不飽和カルボン酸エステルの種類にもよるが、通常、例えば、80〜100℃である。
<ゴム組成物の製造に用いた各種薬品>
SBR:旭化成(株)製のスチレンブタジエンゴム「タフデン4350」(結合スチレン量=39質量%)
無機化合物粉体:昭和電工(株)製のハイジライト H−43(水酸化アルミニウム、平均粒径:0.75μm)
シリカ:東ソー・シリカ(株)製のニップシールVN3
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイヤブラックA(N110)(N2SA:142m2/g)
不飽和カルボン酸エステル:アクリル酸tert−ブチル(沸点:127℃、密度:0.88)
ラジカル発生剤:日本油脂(株)製のパークミルD(分子量:270、比重:1.11、T10:116.4℃)
有機硫黄化合物:和光純薬工業(株)製のペンタクロロチオフェノール(分子量:282.40)
STY−AMS樹脂(スチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂):アリゾナケミカル社製のSylvares SA85(軟化点:85℃、Mw:700)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−260(アロマオイル)
老化防止剤1:フレキシス社製のサントフレックス13(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
老化防止剤2:フレキシス社製のノクラック224(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体)
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
表1記載の配合に従い、上記ゴム各種薬品(硫黄および加硫促進剤を除く)を、バンバリーミキサーにて、150℃で5分間混錬りし、混練り物を得た。得られた混錬物に、硫黄ならびに加硫促進剤を添加して、オープンロールを用いて、120℃で5分間混錬りし、未加硫ゴム組成物を得た。該未加硫ゴム組成物を、170℃で20分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
表1記載の配合に従い、対応原料化合物を参考例1と同様に処理して、それぞれ、対応する未加硫ゴム組成物および加硫ゴム組成物を得た。
(1)耐摩耗性
前記ゴム組成物からなるトレッドを有するサイズ195/65R15のタイヤを作製しタイヤを用いて、ドライアスファルトのウェット路面のテストコースにて、20kmの実車走行を行なった。その際のタイヤトレッドゴムの残溝量を計測した(新品時15mm)。残溝量が多いほど、耐摩耗性能に優れる。比較例1の残溝量を100として指数表示した。結果を表1に示す。数値が大きいほど、耐摩耗性が高いことを示す。
前記ゴム組成物からなるトレッドを有するサイズ195/65R15のタイヤを作製した。このタイヤを用いて、ドライアスファルトのウェット路面のテストコースにて10周(1周:2km)の実車走行を行なった。その際における、操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが、5点を基準として、10段階で評価した。数値が大きいほどウェット路面におけるグリップ性能が高いことを示す。
Claims (7)
- 少なくともスチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴム成分100質量部に対し、
下記一般式(1)で示される無機化合物粉体5〜30質量部、
シリカ30〜100質量部、
不飽和カルボン酸エステル5〜50質量部、および、
有機過酸化物からなるラジカル発生剤0.02〜5.0質量部
を含んでなるタイヤ用ゴム組成物。
mM−xSiOy−zH2O (1)
(式中、Mはアルミニウム、マグネシウム、チタンおよびカルシウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属、該金属の酸化物並びに該金属の水酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の物質であり、mは1〜5のいずれかの整数、xは0〜10のいずれかの整数、yは2〜5のいずれかの整数、zは0〜10のいずれかの整数を表す。) - 前記無機化合物粉体の平均粒径が0.01〜10μmである、請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
- Mがアルミナおよび/または水酸化アルミニウムである、請求項1または2記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 有機硫黄化合物0.02〜5.0質量部および/またはスチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂5〜50質量部を更に含んでなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 有機硫黄化合物が、下記一般式(2)〜(5)のいずれかによって表される化合物からなる群から選択される1種または2種以上である、請求項4記載のタイヤ用ゴム組成物。
一般式(2):R1−SH
一般式(3):R2−(S)n−R3
一般式(4):R4−S−M1
一般式(5):R5−S−M2−S−R6
(式中、R1〜R6は、それぞれ独立に、置換もしくは非置換アリール基、置換もしくは非置換へテロアリール基、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、または置換もしくは非置換アラルキル基を表し、M1は1価の金属原子、M2は2価の金属原子、nは1以上の整数を表す。) - スチレン/α−メチルスチレンコポリマー樹脂のMwが200〜20000である、請求項4または5記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物をトレッドに用いてなる空気入りタイヤ。
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