JP5949747B2 - 放電ランプ用陰極の製造方法および放電ランプ - Google Patents

放電ランプ用陰極の製造方法および放電ランプ Download PDF

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本発明は、ショートアーク型放電ランプ用の陰極の製造方法に関し、特に、先端部にエミッタ物質を含む陰極の製造方法およびこの製造方法により得られた陰極を備える放電ランプに関する。
ショートアーク型放電ランプ(以下、単に「放電ランプ」ともいう。)は、点光源に近いことから、光学系と組み合わせることにより、集光効率の高い露光装置の光源として利用されている。
また、キセノンを封入したショートアーク型放電ランプは、映写機等の光源として利用されている。
従来、この種の放電ランプの陰極には、点灯始動性を高める目的でトリウムなどのエミッタ物質と呼ばれる仕事関数を低下させる材料が添加されていた。特に、トリウムは始動性への貢献が優秀なエミッタ物質として長らく利用されていた。しかしながら、トリウムは放射性の強い物質であり、近年の放射性物質規制によって輸出入の量的制限がかかるようになり、比較的大型の放電ランプにおいては、陰極全体にトリウムを含有させることが困難になっている。
そこで、特許文献1には、陰極の先端部のみにトリウムを含む構造、すなわち、必要な箇所に部分的にトリウムを含有させる構造が開示されている。この陰極は、具体的には、トリウムを含むタングステンを、トリウムを含まない純タングステンと拡散接合により接合し、その後切削して円錐台形状に成形したものである。
このような陰極によれば、放電ランプの点灯中の温度条件、例えば2000〜2400℃においても、陰極先端が脱落しないなど機械的強度が得られる。
特開2012−190627号公報
しかしながら、上記のような陰極の製造方法では、陰極材料を接合するためには、真空装置や加熱・加圧装置など特別な設備が必要となり、これらの設備には高いコストがかかるという問題がある。
また、接合工程において、真空処理、加熱処理、冷却処理などのプロセスに時間を要するという問題がある。さらに、製造時間が長いことによる製造コストも高くなるという問題がある。
本発明の目的は、簡便な方法により短時間で陰極を製造することができ、得られる陰極が、点灯中の高温下においても機械的強度を維持する放電ランプ用陰極の製造方法および放電ランプを提供することにある。
本発明の放電ランプ用陰極の製造方法は、タングステンからなる本体部と、エミッタ物質がドープされたタングステンからなる先端部とが接合されてなる放電ランプ用陰極の製造方法において、
タングステンからなる本体部形成材およびエミッタ物質がドープされたタングステンからなる先端部形成材の少なくとも一方の被接合面に突起部を形成する突起部形成工程と、
前記突起部の先端と前記本体部形成材または前記先端部形成材の被接合面とを対向させて当接させた状態で、前記本体部形成材と前記先端部形成材とを通電させることにより、前記突起部を溶融させ、当該本体部形成材および当該先端部形成材を溶着して接合体を形成する接合工程とを有することを特徴とする。
本発明の放電ランプ用陰極の製造方法においては、前記接合工程により形成された前記接合体を、前記突起部による溶着部分の少なくとも一部が残存するように切削することにより、円錐台形状の先端部を形成する切削工程を有することが好ましい。
本発明の放電ランプ用陰極の製造方法においては、前記突起部が環状に形成されていることが好ましい。
特に、前記本体部形成材および前記先端部形成材の少なくとも一方に、被接合面に露出するエミッタ部材が収容されたエミッタ収容部が形成されており、
前記突起部がエミッタ収容部の開口を取り囲むように形成されていることが好ましい。
本発明の放電ランプ用陰極の製造方法によれば、簡便な方法により短時間で陰極を製造することができ、得られる陰極において、点灯中の高温下においても機械的強度が維持される。
本発明の放電ランプ用陰極の製造方法により得られる陰極を備える放電ランプの一例における構成を示す説明用断面図である。 本発明の放電ランプ用陰極の製造方法により得られる陰極の一例における構成を示す説明用断面図である。 図2に示す陰極の製造方法の一例を示す説明用断面図である。 本発明の放電ランプ用陰極の製造方法により得られる陰極の他の例における構成を示す説明用断面図である。 図4に示す陰極の製造方法の他の例を示す説明用断面図である。 本発明の放電ランプ用陰極の製造方法により得られる陰極の他の例における構成を示す説明用断面図である。
<放電ランプ>
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の放電ランプ用陰極の製造方法により得られる陰極を備える放電ランプの一例における構成を示す説明用断面図である。
この放電ランプは、例えば石英ガラスよりなる発光管10を有する。この発光管10は、内部に放電空間Sを形成する外形が回転楕円体状の発光部11と、この発光部11の両端の各々に一体に連設された、管軸に沿って外方に伸びるロッド状の一方の封止部12および他方の封止部13とにより構成されている。
この発光管10の放電空間S内には、陽極20および陰極30が発光管10の軸方向に沿って互いに対向するよう配置されている。
発光管10における発光部11内には、例えば、水銀、キセノンガス等の希ガスなどの発光物質が封入されている。
陽極20および陰極30は、それぞれ支持棒24,34によって保持されている。
一方の封止部12の内部には、モリブデンよりなる金属箔(図示省略)が、例えばシュリンクシールにより気密に埋設されている。この金属箔の一端には、支持棒24の基端が溶接されて電気的に接続されている。また、金属箔の他端には、一方の封止部12の外端から外方に突出する外部リード(図示省略)が溶接されて電気的に接続されている。
他方の封止部13の内部には、モリブデンよりなる金属箔(図示省略)が、例えばシュリンクシールにより気密に埋設されている。この金属箔の一端には、支持棒34の基端が溶接されて電気的に接続されている。また、金属箔の他端には、他方の封止部13の外端から外方に突出する外部リード(図示省略)が溶接されて電気的に接続されている。
この例の放電ランプには、一方の封止部12および他方の封止部13の各々の端部に、口金16,17が設けられている。これらの口金16,17は、それぞれ外部リードに電気的に接続されている。
なお、本発明に係る放電ランプは、垂直点灯する場合もあれば水平点灯する場合もある。
<陰極:第1の実施形態>
図2は、本発明の放電ランプ用陰極の製造方法により得られる陰極の一例における構成を示す説明用断面図である。
この陰極30は、タングステンからなる本体部31と、この本体部31の先端面に接合された、エミッタ物質を含む先端部32とが接合されてなるものである。
この例の本体部31は、円柱状の胴部分31aと、この胴部31aに連続して形成された、先端に向かって小径となる円錐台状の先端部分31bとを有している。
この例の本体部31は、例えば純度99.99質量%の純タングステンからなる。
この例の先端部32は、陰極先端に向かって小径となる円錐台状に形成されている。先端部32の先端面は平坦面とされている。
この例の先端部32は、例えば酸化トリウム(ThO2 )がドープされたタングステン(トリエーテッドタングステン)からなる。先端部32は、主成分であるタングステンに、エミッタ物質としてのトリウムを酸化トリウム(ThO2 )またはトリウム(Th)の状態で担持している。
先端部32におけるエミッタ物質の濃度は、0.1〜5.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.3〜2.5質量%である。
先端部32に含有されるエミッタ物質としては、酸化トリウム以外のものでもよく、例えば、酸化ランタン、酸化セリウムなどの希土類酸化物などであってもよい。
陰極30においては、先端部32に含有されているエミッタ物質が、ランプ点灯中に高温となることによって還元され、トリウム原子となって、タングステン粒の粒界拡散や表面拡散によって温度が高い先端面へ移動し、供給される。これによって、陰極先端面の仕事関数を低下させ、電子放出特性が良好なものとなる。
<放電ランプ用陰極の製造方法>
本発明の放電ランプ用陰極の製造方法は、タングステンからなる本体部と、エミッタ物質を含む先端部とが接合されてなる放電ランプ用陰極の製造方法において、本体部形成材および先端部形成材の少なくとも一方の被接合面に突起部を形成する突起部形成工程と、突起部の先端と本体部形成材または先端部形成材の被接合面とを対向させて当接させた状態で、本体部形成材と先端部形成材とを通電させることにより、突起部を溶融させ、当該本体部形成材および当該先端部形成材を溶着して接合体を形成する接合工程とを有し、接合工程の後、接合体を、突起部による溶着部分の少なくとも一部が残存するように切削することにより、円錐台形状の先端部を形成する切削工程を有することが好ましい。
以下、図2に示す陰極の製造方法の一例について具体的に説明する。
(1)突起部形成工程
図3(a)に示すように、本体部形成材41と先端部形成材42とを用意する。この本体部形成材41は、製造すべき陰極30の本体部31における胴部分31aの径と同等の径を有する円柱状の形状を有する。また、先端部形成材42は、本体部形成材41の径と同等の径を有する円柱状の形状を有する。
次に、図3(b)に示すように、先端部形成材42の被接合面42sに突起部43を形成する。
突起部43の形成方法としては、例えば旋盤などで切削する方法が挙げられる。
この例の突起部43は、先端部形成材42の被接合面42sの中央領域を取り囲むように円環状に形成されており、突起部43の端面43sは平坦面とされている。
この例の突起部43の陰極30の軸方向に沿った断面形状は、長方形状である。
本発明においては、突起部43は、後述する切削工程において切削される領域部分(以下、「被切削部分」ともいう。)より陰極の中心軸側に形成されることが必須である。
突起部43の高さは、0.1〜1.0mmであることが好ましく、突起部43の端面43sの幅は、1〜3mm程度であることが好ましい。突起部43は、先端部形成材42の被接合面42sの中央領域を取り囲むように円環状に複数形成することもできる。
また、突起部43の端面43sの面積(Sw)は、後述する実験例からも示されるように、接合強度の観点から、本体部形成材41または先端部形成材42の被接合面の面積(S)の0.3倍以上であることが好ましく、より好ましくは0.5倍以上0.8倍以下である。
(2)接合工程
図3(c)に示すように、先端部形成材42に形成された突起部43の端面43sと本体部形成材41の被接合面41sとを、先端部形成材42の中心軸と本体部形成材41の中心軸とが一致した状態で対向させて当接させる。この状態を維持したまま、本体部形成材41と先端部形成材42とを接合方向に加圧した状態で通電させることにより、突起部43を加熱溶融させ、本体部形成材41および先端部形成材42を溶着して接合体45を形成する。このとき、本体部形成材41および先端部形成材42を通電加熱することにより、熱容量の大きい母体の材料よりも先に、熱容量の小さい突起部43のみが溶融することとなる。このように、突起部43のみが溶融することにより、突起部43と、対向する本体部形成材41の被接合面41sとが接着し、本体部形成材41と先端部形成材42とが溶着され、接合体45が形成される。
ここで、形成された接合体45においては、本体部形成材41の被接合面41sと先端部形成材42の被接合面42sとの界面(以下、「接合面」ともいう。)において、溶融された突起部43によって溶着された部分(以下、「溶着部分」ともいう。)43X以外の領域は、溶着されていない。
通電条件としては、各形成材の寸法や突起部の寸法によって異なるが、電流量が例えば5,000〜10,000A、通電時間が例えば5〜20秒間である。
以上のような接合工程によれば、従来の拡散接合に比べて、短時間での接合が可能となり製造時間を短縮することができる。ここで、従来の拡散接合においては、各形成材の被接合面において、溶融点以下の温度で溶融させず接合させるため、1回の接合時間がおよそ15〜20分間程度である。
また、完全な平面同士で接合する方法ではないが、接合面の周方向に均一な溶着部分43Xを形成することにより、接合面での接合に準じた接合強度を得ることができる。
さらに、接合面において、溶着されていない領域があることにより、先端部の熱が本体部に伝導し難く、先端部の温度が高温に維持されるので、エミッタ効率が維持される。
(3)切削工程
図3(d)に示すように、接合工程により形成された接合体45を、溶着部分43Xの少なくとも一部が残存するように例えば旋盤などで切削することにより、円錐台形状の先端部32を形成する(図3(d)の破線部分参照)。
切削工程においては、溶着部分43Xの全てが除去されないように切削することが必須であるが、得られる陰極の機械的強度の観点から、溶着部分43Xよりも外側の部分を切削することが好ましい。すなわち、被切削部分が溶着部分43Xと一部重なっていてもよいが、被切削部分が溶着部分43Xよりも外側であることが好ましい。
なお、図3(d)の例では、本体部形成材41の一部についても切削されているが、先端部形成材42のみを切削してもよい。
<陰極:第2の実施形態>
図4は、本発明の放電ランプ用陰極の製造方法により得られる陰極の他の例における構成を示す説明用断面図である。
この陰極30Aは、タングステンからなる本体部31と、この本体部31の先端面に接合された、エミッタ物質を含む先端部32とが接合されてなるものである。
本体部31には、円柱状の形状を有するエミッタ部材Eが収容されたエミッタ収容部44が設けられている。
エミッタ部材Eは、その先端面(図4における上面)が先端部32の底面に密着している。
エミッタ部材Eは、エミッタ物質が含有されてなるものであり、具体的には、高融点金属材料およびエミッタ物質の焼結体により構成されている。
エミッタ部材Eを構成する高融点金属材料としては、タングステン、モリブデンなどを用いることができる。
エミッタ部材Eにおけるエミッタ物質の濃度は、10〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜50質量%である。
図4に示す陰極においては、本体部31にエミッタ収容部44が設けられていることの他は、図2に示す陰極の構成と同様であるので、その他の構成の説明は省略する。
<放電ランプ用陰極の製造方法>
以下、図4に示す陰極の製造方法の一例について具体的に説明する。
(1)突起部形成工程
図5(a)に示すように、本体部形成材41と先端部形成材42とを用意する。この本体部形成材41は、製造すべき陰極30Aの本体部31における胴部分31aの径と同等の径を有する円柱状の形状を有し、当該本体部形成材41の中心部に中心軸に沿って円柱状の空間を有するエミッタ収容部44が形成されている。また、先端部形成材42は、本体部形成材41の径と同等の径を有する円柱状の形状を有する。そして、本体部形成材41の被接合面41sに露出するようにエミッタ部材Eをエミッタ収容部44に配置する。
次に、図5(b)に示すように、先端部形成材42の被接合面42sに突起部43を切削などにより形成する。
この例の突起部43は、エミッタ収容部44の開口を取り囲む位置に円環状に形成されており、突起部43の端面43sは平坦面とされている。
この例の突起部43の陰極30Aの軸方向に沿った断面形状は、長方形状である。
本発明においては、この実施形態のように、本体部形成材および先端部形成材の少なくとも一方に、エミッタ収容部を形成する場合において、突起部は、環状に形成されていることが好ましく、特に、突起部がエミッタ収容部の開口を取り囲む位置に環状に形成されていることが好ましい。これは、接合工程において、エミッタ部材の露出面を確保しながら、その外周を溶着することが好ましいためである。これにより、エミッタ部材が先端部の底面に接触すると共に、その外周の溶着部によって密閉されるので、エミッタ部材からのエミッタ物質を先端部に確実に供給すると共に、エミッタ物質が漏出することを抑制することができる。
(2)接合工程
図5(c)に示すように、先端部形成材42に形成された突起部43の端面43sと本体部形成材41の被接合面41sとを、先端部形成材42の中心軸と本体部形成材41の中心軸とが一致した状態で対向させて当接させる。この状態を維持したまま、本体部形成材41と先端部形成材42とを接合方向に加圧した状態で通電させることにより、突起部43を加熱溶融させ、本体部形成材41および先端部形成材42を溶着して接合体45を形成する。
(3)切削工程
図5(d)に示すように、接合工程により形成された接合体45を、溶着部分43Xの少なくとも一部が残存するように例えば旋盤などで切削することにより、円錐台形状の先端部32を形成する(図5(d)の破線部分参照)。
以上のように、本発明の放電ランプ用陰極の製造方法においては、本体部形成材と先端部形成材とを通電加熱することによって突起部が溶融され、これにより、本体部形成材と先端部形成材とが溶着して接合するので、従来の拡散接合に比べて、簡便で、短時間での接合が可能となり製造時間を短縮することができる。
本発明においては、上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、エミッタ収容部は、本体部形成材および先端部形成材の少なくとも一方に形成されればよく、図6に示す陰極30Bのように、先端部32を形成するための先端部形成材にエミッタ収容部44が形成されていてもよい。
また例えば、突起部は、本体部形成材および先端部形成材の少なくとも一方に形成されればよく、突起部が、本体部形成材および先端部形成材の双方に形成される場合には、双方の突起部の端面(先端)同士が対向するように形成されることが好ましい。
さらに例えば、突起部は、環状に形成されていることに限定されず、例えば円盤状に形成されていてもよい。突起部が環状に形成されている場合でも、部分的に間隙がある状態でもよい。また、突起部の陰極の軸方向に沿った断面形状としては、例えば、台形状、矩形状などが挙げられるが、突起部の端面は、平坦面であることに限定されず、曲面であってもよい。
〔実験例〕
各形成材の接合において、拡散接合によって得られた接合体と、本発明に係る突起部を溶着すること(以下、「突起溶着」ともいう。)によって得られた接合体との接合強度を測定した。
具体的には、純タングステンからなる外径φ15mm、全長80mmのタングステン棒(本体部)と、ThO2 をドープしたタングステン(ThO2 の濃度:2質量%)からなる外径φ15mm、全長80mmのトリエーテッドタングステン棒(先端部)との接合を、拡散接合と突起溶着とで行い、得られた接合体の引張強度をそれぞれ測定した。なお、突起溶着については、先端部の被接合面に高さ1mmの突起部を円環状に形成した。また、突起部の端面の面積を「Sw(mm2 )」とし、先端部の被接合面の面積を「S(mm2 )」としたとき、突起部の端面の面積Swが、0.2×S、0.3×S、0.5×SおよびSである場合について行った。
Figure 0005949747
表1の結果より、本発明に係る突起溶着においては、突起部の端面の面積Swが0.3×S以上である場合に、拡散接合を上回る接合強度が得られることが確認された。
〈実施例1〉
以下に示す工程を経て、陰極〔1〕を作製した。
(1)突起部形成工程
下記寸法となるように、各形成材を切削処理し、表面を研磨・洗浄処理し、水素処理を1000℃で行った。なお、突起部は先端部形成材に形成した。
本体部形成材(41)の寸法:外径10mm、全長18mm
本体部形成材(41)の材質:純タングステン
先端部形成材(42)の寸法:外径10mm、全長10mm
先端部形成材(42)の材質:ThO2 をドープしたタングステン(ThO2 の濃度:2質量%)
突起部(43)の寸法:外径7mm、幅2.4mm、高さ1mm(突起部の端面の面積が先端部形成材の被接合面の面積の0.3倍)
(2)接合工程
突起部(43)の端面(43s)と先端部形成材(42)の被接合面(42s)とを対向させて当接させ、本体部形成材と先端部形成材とを加圧条件:5kNで加圧し、通電条件:電流10,000A、10秒間で通電させた。
(3)切削工程
接合工程により形成された接合体を、下記の寸法となるように切削した後、洗浄を行い、真空熱処理を行い、7kWのキセノンランプの陰極〔1〕を作製した。
陰極(30)の寸法:外径10mm、全長21mm、先端角40度
〈実施例2〉
以下に示す工程を経て、陰極〔2〕を作製した。
(1)突起部形成工程
下記寸法となるように、各形成材を切削処理し、表面を研磨・洗浄処理し、水素処理を1000℃で行った。なお、突起部は先端部形成材に形成し、本体部形成材にエミッタ収容部を形成した。
本体部形成材(41)の寸法:外径8mm、全長41.5mm
本体部形成材(41)の材質:純タングステン
先端部形成材(42)の寸法:外径8mm、全長10mm
先端部形成材(42)の材質:CeO2 をドープしたタングステン(CeO2 の濃度:2質量%)
突起部(43)の寸法:外径5.6mm、幅1.1mm、高さ1mm(突起部の端面の面積が先端部形成材の被接合面の面積の0.3倍)
エミッタ収容部(44)の寸法:孔径2.5mm、全長3mm
エミッタ部材(E)の材料:CeO2 ,ZrO2 ,Wの焼結体
(2)接合工程
エミッタ収容部(44)にエミッタ部材(E)を挿入し、突起部(43)の端面(43s)と先端部形成材(42)の被接合面(42s)とを対向させて当接させ、本体部形成材と先端部形成材とを加圧条件:3kNで加圧し、通電条件:電流6,000A、10秒間で通電させた。
(3)切削工程
接合工程により形成された接合体を、下記の寸法となるように切削した後、洗浄を行い、真空熱処理を行い、2kWの高圧UVランプの陰極〔2〕を作製した。
陰極(30)の寸法:外径8mm、全長50mm、先端角40度
〈比較例1〉
実施例1において、突起部形成工程において突起部を形成せず、接合工程において、真空処理、加熱処理(1800℃、7分間)および冷却処理により拡散接合を行ったことの他は同様にして比較用陰極〔1〕を作製した。
得られた陰極〔1〕,〔2〕および比較用陰極〔1〕の引張強度を測定したところ、同程度の接合強度であった。
以上の結果から明らかなように、実施例1および2に係る陰極〔1〕,〔2〕によれば、拡散接合に比べ短時間で接合することができ、得られる陰極が、拡散接合による接合の場合と同等の機械的強度を有していることが確認された。
10 発光管
11 発光部
12 一方の封止部
13 他方の封止部
16,17 口金
20 陽極
24 支持棒
30,30A,30B 陰極
31 本体部
31a 胴部分
31b 先端部分
32 先端部
34 支持棒
41 本体部形成材
41s 被接合面
42 先端部形成材
42s 被接合面
43 突起部
43s 端面
43X 溶着部分
44 エミッタ収容部
45 接合体
E エミッタ部材
S 放電空間

Claims (4)

  1. タングステンからなる本体部と、エミッタ物質がドープされたタングステンからなる先端部とが接合されてなる放電ランプ用陰極の製造方法において、
    タングステンからなる本体部形成材およびエミッタ物質がドープされたタングステンからなる先端部形成材の少なくとも一方の被接合面に突起部を形成する突起部形成工程と、
    前記突起部の先端と前記本体部形成材または前記先端部形成材の被接合面とを対向させて当接させた状態で、前記本体部形成材と前記先端部形成材とを通電させることにより、前記突起部を溶融させ、当該本体部形成材および当該先端部形成材を溶着して接合体を形成する接合工程とを有することを特徴とする放電ランプ用陰極の製造方法。
  2. 前記接合工程により形成された前記接合体を、前記突起部による溶着部分の少なくとも一部が残存するように切削することにより、円錐台形状の先端部を形成する切削工程を有することを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ用陰極の製造方法。
  3. 前記突起部が環状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放電ランプ用陰極の製造方法。
  4. 前記本体部形成材および前記先端部形成材の少なくとも一方に、被接合面に露出するエミッタ部材が収容されたエミッタ収容部が形成されており、
    前記突起部がエミッタ収容部の開口を取り囲む位置に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の放電ランプ用陰極の製造方法。
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