JP5962019B2 - ソレノイドバルブ - Google Patents

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Description

本発明は、流体の供給先を切り換え可能なソレノイドバルブに関する。
具体的には、通電によってプランジャを往復移動制御するソレノイド部と、取付対象物に挿入しつつ取り付けるスリーブと、このスリーブの内部で前記プランジャの作用で往復移動するバルブとを備える。スリーブは筒状であり、その周壁部には複数の流体連通用の開口を有する。バルブの外周面には、環状に突出する複数のランドが形成してあり、スリーブの往復移動によって前記開口を連通・遮断して所定の流体供給先に流体の供給制御を行う。
従来、この種のソレノイドバルブとしては、例えば特開平11−2354号(特許文献1)に示すものがある。このソレノイドバルブでは、例えば、外部アクチュエータに供給していたオイルがソレノイドバルブに戻されるとき、戻りオイルは、まずバルブの壁部に設けたラジアル油路を介してバルブの内部空間に導入される。このオイルはバルブの往復方向に沿って流動した後、バルブの一方側の端部からソレノイドバルブの外方に排出される。
従来では、このようにバルブの内部空間を有効に利用することで、ボディサイズがコンパクト化され、軽量かつ装着性に優れたソレノイドバルブを得ることができた。
特開平11−2354 (〔0019〕段落)
しかしながら、排出するオイルをバルブの内部空間に沿って流通させる場合、バルブの内面とオイルとの間には幾分かの摩擦力が発生する。この結果、オイルの流通方向に沿った外力がバルブに作用し、ソレノイド部によるバルブの位置制御の精度が損なわれる。
また、バルブの内部に侵入したオイルは幾分かの圧力を保持しているため、この油圧がバルブや当該バルブを押し操作するプランジャ等に作用してバルブを誤動作させる外力となる。
このようにして生じるバルブの誤動作を解消するためにはソレノイド部に相当分の電力を供給する必要がある。そのため、ソレノイド部による電流調整領域の一部が上記誤動作を防止するために消費され、結果的に位置制御能力が低下するという不都合が生じていた。
本発明はこれら不都合を解消するためのものであり、その主な目的は、流体の流通に際して誤動作の少ないバルブを備えたソレノイドバルブを提供することにある。
〔第1の特徴構成〕
本発明に係るソレノイドバルブの第1特徴構成は、通電によってプランジャを往復移動制御するソレノイド部と、ドレイン流路を有する取付対象物に対して、先端部の端面が前記ドレイン流路と対向する状態で取り付けられ、周壁部に複数の開口を有する筒状のスリーブと、外周部に環状に突出形成した複数のランドを有し、前記プランジャの移動に連れて前記スリーブの内周面に沿って摺動可能な筒状のバルブとを備えると共に、前記スリーブの複数の開口として、前記流体の供給元から流体を受け取る流体受取口と、前記バルブの摺動に応じて、流体を所定の流体供給先に対して給排する複数の流体給排口と、前記流体供給先から前記流体給排口に戻された流体を前記スリーブの外部に排出するように前記先端部とは反対側に形成されたドレイン口とを備え、前記ドレイン口から流体を、前記流体受取口および前記複数の流体給排口と隔離した状態で前記ドレイン流路まで導くように、軸方向に沿って前記先端部の端面まで延出形成された溝部を前記スリーブの外表面に設けた点にある。
〔作用効果〕
本構成では、特に、流体供給先から戻される流体を、スリーブの外表面に設けた溝部を介してソレノイドバルブの外部に排出させる。これにより、排出流体が流体給排口に戻されのちソレノイドバルブの外部に排出されるまでの間、排出流体とバルブとの接触機会を最少限に留めることができる。本構成であれば、従来技術のごとく排出流体がバルブの内周面に接触しないから、排出流体とバルブとの間に粘性抵抗が生じることはない。よって、バルブが出退方向の何れかに誤動作するのを防止することができる。
また、従来技術のごとく、バルブの内部空間をドレイン流路として用いる場合には、バルブの内部を流通する排出流体は幾分かの内圧を有している。これはつまり、ソレノイドバルブはコンパクト化を求められるから、バルブの内部断面積を小さくするにも一定の限界があり、バルブの内部空間を流通する排出流体の圧力は大気圧まで低下するとは限らないからである。その場合、残存する流体の圧力がプランジャに作用してプランジャを押し出すことがある。その結果、上記粘性抵抗の作用と相乗してバルブを突出側に移動させることとなる。
しかし、本構成のごとく、排出流体をスリーブの外周面に沿って流通させることで上記不都合は解消される。このように、本構成であれば、流体を排出する際にバルブを誤動作させることがなく、制御性に優れたソレノイドバルブを得ることができる。
また、溝部をスリーブの先端部の端面まで延出させることで、流体供給先から戻された流体のドレイン過程で、流体がバルブに接触する機会が実質的にゼロとなる。よって、バルブの誤動作を最小限に留めることができる。
さらに、流体のドレイン流路の改善をスリーブの改良のみによって行うことができ、例えば取付対象物の側では特段の改良が不要であるから、汎用性に優れたソレノイドバルブを得ることができる。
〔第2の特徴手段〕
本発明のソレノイドバルブの第2の特徴構成は、前記流体受取口および前記複数の流体給排口が、前記周壁部に対して周方向に沿う長孔形状に構成され、前記溝部が、前記流体受取口および前記複数の流体給排口と交差することなく直線状に延出している点にある。
〔第3の特徴手段〕
本発明のソレノイドバルブの第3の特徴構成は、前記スリーブに、前記先端部から長手方向において順に、第1流体給排口、前記流体受取口、第2流体給排口、前記ドレイン口を形成してある点にある。
〔作用効果〕
従来、流体受取口を挟んだ両側に第1流体給排口と第2流体給排口とを振り分けて設ける場合、何れの流体給排口に戻された流体も共通のドレイン流路から排出させるために、何れか一方の流体給排口に戻る流体は、バルブの内部空間を介して他方の流体給排口に係る流体に合流させることが多い。つまり、流体給排口を振り分け形成した場合には、バルブの内部空間はドレイン流路の一部として使用することが通例であった。
その点、本構成のソレノイドバルブは、スリーブの外表面を流体の排出流路として利用するから、特に、流体受取口の両側に流体給排口を備えたソレノイドバルブにおいて、流体給排口を振り分け配置するという構成は維持しつつもバルブに誤動作を生じさせないという点で非常に有効である。
〔第4の特徴手段〕
本発明のソレノイドバルブの第4の特徴構成は、前記スリーブの先端部に、前記取付対象物に対する前記スリーブの挿入固定姿勢を決定する係合部を設けた点にある。
〔作用効果〕
本発明のソレノイドバルブは、溝部とその他の第1流体給排口等との配置関係に制限がある。そのため、取付対象物に設けた流体流路などに対して位置の整合性をとる必要がある。本構成のごとくスリーブの先端部に係合凹部を設け、取付対象物には係合凸部を設けておくことで、スリーブの取付作業が容易となる。
本発明の要部を示す断面図 スリーブの外観構造を示す斜視図
(概要)
本発明に係るソレノイドバルブを、以下、図1乃至図2に基づいて説明する。
図1に示すごとく、本発明のソレノイドバルブは、取付対象物1の外側に露出した状態で取り付けられるソレノイド部Aと、取付対象物1の内部に挿入した状態で取り付けられる流路切換部Bとを備えている。
ソレノイド部Aには、通電によって磁界を発生させるコイル2、及び、発生した磁界によってコイル2の中心位置で往復移動するプランジャ3等を備えている。コイル2に供給する電力は、ソレノイド部Aを内包するケース4の端部に設けられたコネクタ5から入力する。
流路切換部Bは、主にプランジャ3によって押し動作されるバルブ6と、当該バルブ6を往復移動自在に内挿するスリーブ7とバネ8とを備えている。バルブ6はプランジャ3によって一方の端部を押し操作される。バルブ6の他方の端部は、当該バルブ6とスリーブ7との間に設けられたバネ8によってプランジャ3の側に付勢されている。ドレイン口73の位置からソレノイド部Aの側には、取付対象物1とスリーブ7との間をシールするOリング9を設けてある。これにより、スリーブ7の外側の余剰の流体がソレノイド部Aの側に漏洩するのを防止している。
(バルブ)
バルブ6は、図1に示すごとく円筒形状を呈する。バルブ6は、プランジャ3の押し操作とバネ8の戻し操作とによってスリーブ7の内周面に沿って摺動する。バルブ6の外周部には、環状に突出形成した複数のランドLを備えている。本実施形態では三つのランドLを示している。各ランドLの外周面には、円周方向に沿って筋状の切込み65を設けてある。この切込み65は、流体を保持するものであり、スリーブ7に対するバルブ6の摺動性を確保する。
バルブ6の筒壁部62のうち各ランドLどうしの間には特に孔部を形成しない。孔部を設けないことで、従来のソレノイドバルブのようにバルブ6の内部空間をドレイン流路としては利用しないこととしている。この部分に孔部を形成しないことで、筒壁部62の強度が高まり、バルブ6を曲がり難くすることができる。
また、孔部を設ける場合には、バルブ6の内部を流体の流通空間として利用することが多いが、そのためには所定の大きさの孔部を設ける必要がある。よって、孔部を形成する限り、当該筒部の軸方向長さを所定の長さに構成する必要があり、バルブ6の長さが大きくなってしまう。しかしながら、本構成のバルブでは孔部を設ける必要がないため、バルブ6の長さが短くでき、更には、ソレノイドバルブの長さを短くすることができる。
尚、バルブ6の端部のうち、プランジャ3の側の端部近傍に形成した小孔64は、ソレノイド部Aの内部に存在する流体をバルブ6の内部空間63に連通させるものである。これにより、ソレノイド部Aの内部に残存する流体がバルブ6の往復移動の妨げになるのを防止している。
尚、バルブ6の端部であってプランジャ3を設けたのとは反対側の端部は開口状態に構成してある。当該端部の外側はバネ8の配置空間となり、さらにドレイン流路10に連通している。
バルブ6を構成する材質としては、アルミニウム等の軽量の金属を用いることができる。バルブ6が軽量であれば、制御の応答性が向上する。
また、他の材料としては、各種の樹脂材料を用いることもできる。例えば、PPS(
ポリフェニレンサルファイド樹脂)やPES(ポリエーテルサルホン樹脂)等が好適である。樹脂を用いることで、従来のアルミニウムなどで構成したものに比べてさらに軽量となり加工も容易となる。さらに、これらの樹脂にカーボン繊維等の強化繊維を混入することで樹脂の強度及び剛性を大幅に向上させることができる。
(スリーブ)
ソレノイドバルブの一方側には、自身の周壁部71に複数の開口72を有する筒状のスリーブ7を設けてある。複数の開口72は、たとえば、流体供給元からの流体を受け取る流体受取口72aと、バルブ6の摺動に応じて、流体を所定の流体供給先に対して給排する複数の流体給排口72bとを備えている。さらに、スリーブ7は、これら複数の開口72の他に、流体供給先から流体給排口72bに戻された流体をスリーブ7の外部に排出するドレイン口73を備えている。
より、具体的には、図1に示すごとく、スリーブ7の先端部の側から順に、第1流体給排口721b、流体受取口72a、第2流体給排口722b、ドレイン口73を形成してある。これらは、図2に示すように、筒状の周壁部71に対して周方向に沿う長孔形状に構成してある。
さらに、周壁部71の外面には、ドレイン口73に連通する溝部74を構成してある。当該溝部74は、第1流体給排口721bや流体受取口72a等と交差することなく前記スリーブ7の長手方向に沿って延出させてある。本実施形態では、ドレイン口73がスリーブ7のうち最も基端側に形成してあり、溝部74がスリーブ7の反対側の端部にまで延出している。
このように溝部74をスリーブ7の全長に亘って設けることで、これまでのソレノイドバルブに対して主にスリーブの形状のみを変更すればよい。そのため、取付対象物1である例えばエンジンブロックなどを改良する必要がなく、汎用性の広いソレノイドバルブを得ることができる。
図1(b)はバルブ6が最も飛び出した状態を示している。バルブ6の中央のランドLがスリーブ7の先端側に移動し、第2流体給排口722bとドレイン口73とが連通している。この結果、流体供給先から戻された流体が、第2流体給排口722bおよびドレイン口73を介して溝部74に流通し、さらに、スリーブ7の先端まで流通したのち、ドレイン流路10を介して排出される。
このとき、溝部74を流れる流体の圧力は、流体供給先に吐出する場合に比べて低圧である。しかし、溝部74を流れる流量は吐出する側の量と同等の場合がある。そのため、溝部74を流れる流体は溝部74の壁面や取付対象物1の内面との間に粘性抵抗を発生させる。ただし、これらは、バルブの移動に殆ど影響しないから、本発明のソレノイドバルブにおいては、バルブの制御性が極めて向上する。
尚、溝部74からドレイン流路10の側に流出した流体の圧力が、バルブ6の内部空間63を介して例えばプランジャ3の端面などに作用し、バルブ6が移動する可能性の有無が懸念される。しかしながら、ドレイン流路10の断面積と内部空間63の断面積とを比較した場合、本実施形態の装置ではドレイン流路10の方を広く形成してある。よって、溝部74からドレイン流路10に達した流体の圧力は更に低下する傾向にあり、排出される流体がバルブ6に及ぼす影響は極めて小さい。このように、溝部74をスリーブ7の端部まで形成することで、バルブ6に対する流体圧の影響を最小に留めることができる。
因みに、図1(a)の状態では、バルブ6の先端が、第1流体給排口721bがスリーブ7の内部に貫通する位置まで引退している。この場合には、流体供給先から戻された流体は、スリーブ7の内部に設けたバネ8の内装空間を介してドレイン流路10に排出される。バネ8の内装空間にある流体の圧力がバルブ6やプランジャ3の動きに影響するか否かが懸念されるが、前記内装空間に隣接してドレイン流路10が配置してあるから、この場合にも流体の圧力は直ちに低下すると考えられる。
また、第1流体給排口721bの壁面とバルブ6の先端との隙間から内装空間の側に流入する流体の流れ方向は、プランジャ3の側ではなく、明らかにバルブ6から離れる側に向く。この点からもバルブ6の内部に対する流体の影響は小さいと判断してよい。
尚、溝部74は、スリーブ7の長手方向に沿って全長に設ける必要はない。例えば、スリーブ7の長手方向の半分の長さにだけ溝部74を設け、残りは、スリーブ7の外面に対向する取付対象物1の内面に別の溝部を形成しても良い。
この場合には、取付対象体の側に特段の加工を施す必要が生じるものの、スリーブ7の外表面に対する加工度が低減する。そのため、スリーブ7に加工する第1流体給排口721bや流体受取口72aの配設の自由度を高めることができる。
本発明のソレノイドバルブは、上述のごとく、溝部74とその他の第1流体給排口721b等との配置関係に制限がある。そのため、取付対象物1に設けた流体流路などとも位置の整合性をとる必要がある。当該ソレノイドバルブの取付姿勢を所定の姿勢とするために、例えば図1に示すように、スリーブ7の先端部に係合部としての係合凹部75を設け、取付対象物1には係合凸部11を設けておくとよい。
或いは、ケース4には固定フランジ41を備えているが、この固定フランジ41の取り付け位置を溝部74の位置と関連付けしておき、取付対象物1の所定の位置に対して固定フランジ41を取り付けるようにしても良い。
スリーブ7は、各種の材料で構成することができる。例えば、鋼やアルミニウムなどの金属材料で構成可能である。また、各種の樹脂材料あるいは強化繊維を混入した樹脂材料で構成することもできる。
溝部74の形成方法としては、用いる材料によって各種選択の余地がある。例えば、研削・焼結・鋳造・射出成形・鍛造など各種の方法を採用可能である。
本発明のソレノイドバルブは、例えば、エンジンの各部にオイルを供給する制御部として用いるなど、流体制御により機械的要素を動作制御する各種の装置に適用することができる。
取付対象物 1
プランジャ 3
スリーブ 7
バルブ 6
周壁部 71
開口 72
流体受取口 72a
流体給排口 72b
第1流体給排口 721b
第2流体給排口 722b
ドレイン口 73
溝部 74
係合部 75
ランド L

Claims (4)

  1. 通電によってプランジャを往復移動制御するソレノイド部と、
    ドレイン流路を有する取付対象物に対して、先端部の端面が前記ドレイン流路と対向する状態で取り付けられ、周壁部に複数の開口を有する筒状のスリーブと、
    外周部に環状に突出形成した複数のランドを有し、前記プランジャの移動に連れて前記スリーブの内周面に沿って摺動可能な筒状のバルブとを備えると共に、
    前記スリーブの複数の開口として、前記流体の供給元から流体を受け取る流体受取口と、
    前記バルブの摺動に応じて、流体を所定の流体供給先に対して給排する複数の流体給排口と、
    前記流体供給先から前記流体給排口に戻された流体を前記スリーブの外部に排出するように前記先端部とは反対側に形成されたドレイン口とを備え、
    前記ドレイン口から流体を、前記流体受取口および前記複数の流体給排口と隔離した状態で前記ドレイン流路まで導くように、軸方向に沿って前記先端部の端面まで延出形成された溝部を前記スリーブの外表面に設けたソレノイドバルブ。
  2. 前記流体受取口および前記複数の流体給排口が、前記周壁部に対して周方向に沿う長孔形状に構成され、
    前記溝部が、前記流体受取口および前記複数の流体給排口と交差することなく直線状に延出している請求項1に記載のソレノイドバルブ。
  3. 前記スリーブに、前記先端部から長手方向において順に、第1流体給排口、前記流体受取口、第2流体給排口、前記ドレイン口を形成してある請求項1又は2に記載のソレノイドバルブ。
  4. 前記スリーブの先端部に、前記取付対象物に対する前記スリーブの挿入固定姿勢を決定する係合部を設けてある請求項1〜3の何れか一項に記載のソレノイドバルブ。
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