JP5962828B2 - 体外培養による胚の製造方法、並びに胚を選別するための方法、装置、及びシステム - Google Patents
体外培養による胚の製造方法、並びに胚を選別するための方法、装置、及びシステム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5962828B2 JP5962828B2 JP2015162397A JP2015162397A JP5962828B2 JP 5962828 B2 JP5962828 B2 JP 5962828B2 JP 2015162397 A JP2015162397 A JP 2015162397A JP 2015162397 A JP2015162397 A JP 2015162397A JP 5962828 B2 JP5962828 B2 JP 5962828B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- embryo
- cleavage
- condition
- blastocyst stage
- index
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
Description
(1) 受精卵から体外培養された哺乳動物の胚を選別する方法であって、
受精から第一卵割が完了するまでの時間;
第一卵割後かつ第二卵割前の段階での形態;
第三卵割後かつ第四卵割前の段階での形態; 及び
初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量;
のうち2つ以上を指標として胚を選別する工程を含む前記方法。
(2) 前記工程において選別される胚が以下の条件:
受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での染色体数が正常である確率との相関関係に基づいて、当該確率が40%以上となることが確認されている時間であること(条件d1)、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IGF2Rの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.45以上となることが確認されている時間であること(条件d2)、並びに、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IFN-tauの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.2以上となることが確認されている時間であること(条件d3)、から選択される少なくとも1つの条件を満足すること(条件d);
第一卵割後かつ第二卵割前の段階において、2細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件a);
第三卵割後かつ第四卵割前の段階において、5細胞、6細胞、7細胞または8細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件b); 及び
初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量が、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期の胚の酸素消費量と当該胚が脱出胚盤胞に到達する確率との相関関係に基づいて、当該確率が50%以上となることが確認されている酸素消費量であること(条件c);
のうち2つ以上を満足する胚である、(1)の方法。
(3) 哺乳動物がウシであり、
条件dにおける、受精から第一卵割が完了するまでの時間が27時間以下であり、
条件cにおける酸素消費量が単一胚あたり0.91×10-14 mol s-1以上である
(2)の方法。
(4) 体外培養によって、哺乳動物の受精卵から胚を製造する方法であって、
受精から第一卵割が完了するまでの時間;
第一卵割後かつ第二卵割前の段階での形態;
第三卵割後かつ第四卵割前の段階での形態; 及び
初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量;
のうち2つ以上を指標として胚を選別する選別工程を含む前記方法。
(5) 前記選別工程において選別される胚が以下の条件:
受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での染色体数が正常である確率との相関関係に基づいて、当該確率が40%以上となることが確認されている時間であること(条件d1)、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IGF2Rの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.45以上となることが確認されている時間であること(条件d2)、並びに、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IFN-tauの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.2以上となることが確認されている時間であること(条件d3)、から選択される少なくとも1つの条件を満足すること(条件d);
第一卵割後かつ第二卵割前の段階において、2細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件a);
第三卵割後かつ第四卵割前の段階において、5細胞、6細胞、7細胞または8細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件b); 及び
初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量が、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期の胚の酸素消費量と当該胚が脱出胚盤胞に到達する確率との相関関係に基づいて、当該確率が50%以上となることが確認されている酸素消費量であること(条件c);
のうち2つ以上を満足する胚である、(4)の方法。
(6) 哺乳動物がウシであり、
条件dにおける、受精から第一卵割が完了するまでの時間が27時間以下であり、
条件cにおける酸素消費量が単一胚あたり0.91×10-14 mol s-1以上である
(5)の方法。
(7) (1)〜(3)のいずれかの方法により選別された胚、又は(4)〜(6)のいずれかの方法により製造された胚を、雌個体に移植し受胎させる工程を含む、哺乳動物個体の生産方法。
(8) 受精卵から体外培養された哺乳動物の候補胚を選別するための胚選別装置であって、
判別部と、解析部とを含み、
前記判別部が、
候補胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間に関する第1指標情報が、受精から第一卵割が完了するまでの時間に関する第1指標選別基準条件を満足するか否かを判別する第1指標判別部、
候補胚の、第一卵割後かつ第二卵割前の段階での形態に関する第2指標情報が、第一卵割後かつ第二卵割前の段階での形態に関する第2指標選別基準条件を満足するか否かを判別する第2指標判別部、
候補胚の、第三卵割後かつ第四卵割前の段階での形態に関する第3指標情報が、第三卵割後かつ第四卵割前の段階での形態に関する第3指標選別基準条件を満足するか否かを判別する第3指標判別部、及び
候補胚の、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量に関する第4指標情報が、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量に関する第4指標選別基準条件を満足するか否かを判別する第4指標判別部
のうちM個(Mは2、3、又は4の数である)を含み、
前記解析部が、前記判別部において判別された条件のうちN個(Nは2以上M以下の数である)以上を満足する候補胚を、選別すべき胚であると解析する
ことを特徴とする前記胚選別装置。
(9) 画像抽出部を更に備える(8)の胚選別装置であって、
前記判別部が前記第1指標判別部を含む場合には、前記画像抽出部は、候補胚の画像から、第1指標選別基準条件における、受精から第一卵割が完了するまでの時間の閾値の時点における画像、又は、第一卵割の完了時点を確認可能な画像を抽出する、第1画像抽出部を含み、前記第1指標判別部は、前記第1画像抽出部により抽出された画像に基づいて生成された情報を前記第1指標情報として判別を行い、
前記判別部が前記第2指標判別部を含む場合には、前記画像抽出部は、候補胚の画像から、第一卵割後かつ第二卵割前の段階の画像を抽出する、第2画像抽出部を含み、前記第2指標判別部は、前記第2画像抽出部により抽出された画像に基づいて生成された情報を前記第2指標情報として判別を行い、
前記判別部が前記第3指標判別部を含む場合には、前記画像抽出部は、候補胚の画像から、第三卵割後かつ第四卵割前の段階での画像を抽出する、第3画像抽出部を含み、前記第3指標判別部は、前記第3画像抽出部により抽出された画像に基づいて生成された情報を前記第3指標情報として判別を行う
前記胚選別装置。
(10) 受精卵から体外培養された哺乳動物の候補胚を選別するための胚選別システムであって、
(9)の胚選別装置と、
候補胚を撮像し、撮像された画像を前記画像抽出部へと出力する撮像装置とを備え、
前記判別部が前記第4指標判別部を含む場合には、候補胚の、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量を測定し、測定された酸素消費量値を前記第4指標判別部へと出力する酸素消費量測定装置を更に備える
前記胚選別システム。
(11) 受精卵から体外培養された哺乳動物の候補胚を選別するための胚選別方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、該方法が、判別工程と、解析工程とを含み、
前記判別工程が、
候補胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間に関する第1指標情報が、受精から第一卵割が完了するまでの時間に関する第1指標選別基準条件を満足するか否かを判別する第1指標判別工程、
候補胚の、第一卵割後かつ第二卵割前の段階での形態に関する第2指標情報が、第一卵割後かつ第二卵割前の段階での形態に関する第2指標選別基準条件を満足するか否かを判別する第2指標判別工程、
候補胚の、第三卵割後かつ第四卵割前の段階での形態に関する第3指標情報が、第三卵割後かつ第四卵割前の段階での形態に関する第3指標選別基準条件を満足するか否かを判別する第3指標判別工程、及び
候補胚の、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量に関する第4指標情報が、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量に関する第4指標選別基準条件を満足するか否かを判別する第4指標判別工程
のうちM個(Mは2、3、又は4の数である)を含み、
前記解析工程が、前記判別工程において判別された条件のN個(Nは2以上M以下の数である)以上を満足する候補胚を、選別すべき胚であると解析する解析工程を含む、
前記プログラム。
(12) 体外培養によってヒトの受精卵から胚を発生させる方法において、
受精から第一卵割が完了するまでの時間;
第一卵割後かつ第二卵割前の段階での形態;
第三卵割後かつ第四卵割前の段階での形態; 及び
初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量;
のうち2つ以上を指標として胚の受胎率を予測する方法。
(13) 以下の条件:
受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での染色体数が正常である確率との相関関係に基づいて、当該確率が40%以上となることが確認されている時間であること(条件d1)、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IGF2Rの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.45以上となることが確認されている時間であること(条件d2)、並びに、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IFN-tauの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.2以上となることが確認されている時間であること(条件d3)、から選択される少なくとも1つの条件を満足すること(条件d);
第一卵割後かつ第二卵割前の段階において、2細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件a);
第三卵割後かつ第四卵割前の段階において、5細胞、6細胞、7細胞または8細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件b); 及び
初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量が、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期の胚の酸素消費量と当該胚が脱出胚盤胞に到達する確率との相関関係に基づいて、当該確率が50%以上となることが確認されている酸素消費量であること(条件c);
のうち2つ以上を満足する胚を受胎率の高い胚であると予測する、(12)の方法。
第一卵割後かつ第二卵割前の段階での形態;
第三卵割後かつ第四卵割前の段階での形態;
初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量;
のうち2つ以上、好ましくは3つを指標として用いることにより受胎率の高い胚を予測することが可能であることを見出した。3つの指標のうち1つのみを予測指標として用いた場合や、3つの指標のうち1つと他の公知の指標(例えば形態的品質がCode 1であること、拡張胚盤胞に達していること等)とを組み合わせて予測指標として用いた場合には、受胎率の高い胚を選別することはできない。
第一卵割後かつ第二卵割前の段階において、2細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件a);
第三卵割後かつ第四卵割前の段階において、5細胞、6細胞、7細胞または8細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件b);
初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量が、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期の胚の酸素消費量と当該胚が脱出胚盤胞に到達する確率との相関関係に基づいて、当該確率が50%以上となることが確認されている酸素消費量であること(条件c);
のうち2つ以上を満足する胚が、高い受胎率を有することを見出した。
受精から第一卵割が完了するまでの時間
という指標を加えた4つの指標のうち2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つを指標として用いることにより受胎率の高い胚を予測することが可能であることを見出した。
受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での染色体数が正常である確率との相関関係に基づいて、当該確率が40%以上となることが確認されている時間であること(条件d1)、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IGF2Rの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.45以上となることが確認されている時間であること(条件d2)、並びに、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IFN-tauの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.2以上となることが確認されている時間であること(条件d3)、から選択される少なくとも1つの条件を満足すること(条件d);
前記条件a;
前記条件b; 及び
前記条件c
のうち2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つを満足する胚が、高い受胎率を有することを見出した。
本発明はまた、本発明の方法を実現可能な、受精卵から体外培養された哺乳動物の候補胚を選別するための胚選別装置に関する。
・候補胚を特定する情報(座標等により位置を示す情報)
・良/不良解析結果
・第1指標情報
・第2指標情報
・第3指標情報
・第4指標情報
・第1指標情報に基づく判別結果
・第2指標情報に基づく判別結果
・第3指標情報に基づく判別結果
・第4指標情報に基づく判別結果
第2指標判別基準条件: 受精31時間後(初期卵割終了時)において2細胞であり、且つ、フラグメンテーションが観察されないこと
第3指標選別基準条件: 受精55時間後(第三卵割終了時)において5細胞、6細胞、7細胞、8細胞のいずれかであり、且つ、フラグメンテーションが観察されないこと
第4指標選別基準条件: 受精168時間後(初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期)の、単一胚あたりの酸素消費量が0.91×10-14 mol s-1以上であること
第2指標情報: 受精31時間後における細胞数、及び、フラグメンテーションの有無
第3指標情報: 受精55時間後における細胞数、及び、フラグメンテーションの有無
第4指標情報: 受精168時間後における単一胚あたりの酸素消費量
<材料及び方法>
<培養容器>
本実験では底壁2と、その外周に立設された側壁1とを備える35mm培養皿の中心に25個の微小ウェル4からなる細胞収容部3と、細胞収容部3の周囲を囲む環状の内壁5とが形成された、図1a〜1fに示す培養容器10を用いた。細胞収容部3を構成する各微小ウェル4の直径rは270μmであり、深さLは150μmである。25個の微小ウェル4は5行5列に、ウェル間の間隔aが150μmとなるように配置されている。各微小ウェルの底面6は、外周部から中心に向けて下るように傾斜して、円錐面を形成しており、円錐の中心線と母線とのなす角αが83°である。環状の内壁は直径が7mm、高さが1.5mmである。内壁5は直径dが7mm、高さが1.5mmであり、培養液の液滴を形成するために用いた。
ウシの卵丘-卵母細胞複合体 (COCs)の採取と体外成熟はImaiらの文献(Imai K, Tagawa M, Yoshioka H, Matoba S, Narita M, Inaba Y, Aikawa Y, Ohtake M, Kobayashi S (2006) The efficiency of embryo production by ovum pick-up and in vitro fertilization in cattle. J Reprod Dev 52(suppl): 19-29)に記載の手順に沿って行った。黒毛和種雌牛 (Japanese Black heifers) 又はホルスタイン(Holsteins)から採取された卵巣を、50μg/mlゲンタマイシン(Sigma Chemical, St Louis, MO, USA)が添加された生理的食塩水により洗浄し、該生理的食塩水中で20℃にて約20時間保持した。19ゲージの針を備えた5mLシリンジを用いてCOCsを卵胞 (直径2-6 mm)から吸引し、体外成熟に用いた。体外成熟用媒体として、5%仔ウシ血清(CS; Gibco BRL)が添加された25mM Heptes緩衝TCM199 (M199; Gibco BRL, Grand Island, NY, USA)を用いた。COCsを、35-mmペトリディッシュ(Nunclon Multidishes; Nalge Nunc International, Roskide, Denmark) 中にて、飽和湿度の5% CO2 / 95% 空気の下、パラフィンオイルにより被覆された体外成熟用媒体により2回洗浄した。
上記Imaiらの文献に記載の手順に従い体外受精を行った。具体的には、0.5 ml ストロー中の凍結された黒毛和種雄牛 (Japanese Black bull)の精子サンプルを、37℃湯浴中で30秒間解凍し、次いで、90%Percoll溶液3ml中で2100×gにて10分間遠心処理した。遠心処理により形成されたペレットを6 mlの精子洗浄用液(10 mM ヒポタウリン (Sigma), 2 U/mL ヘパリン(Novo-Heparin Injection 1000; Aventis Pharma Ltd., Tokyo, Japan), 10 mg/ml ウシ血清アルブミン(BSA, 結晶化及び凍結乾燥されたもの; Sigma)が添加されたBrackett and Oliphant solution (BO溶液)(文献:Brackett BG, Oliphant G (1975) Capacitation of rabbit spermatozoa in vitro. Biol Reprod 12: 260-274参照))中に再懸濁させ、遠心処理して、最終濃度を3×106 精子/mlとした。この懸濁液の100μLの液滴を35-mm皿に形成させ、パラフィンオイルで被覆して、受精用液滴とした。COCsを、前記体外成熟用媒体から分離し、10 mg/ml BSAが添加されたBO溶液により洗浄し、各液滴あたり20個のCOCsが含まれるように受精用液滴中に加え、飽和湿度の5% CO2/ 95% 空気の下、38.5℃にて6時間培養した。
殺菌のために培養容器10に2mlのエタノールを添加した。30分後、培養容器からエタノールを除去し、加温プレート上にて空気中で乾燥させ、10分間紫外線殺菌を行った。殺菌後、5% CS が添加された125μl CR1aa媒体を環状の内壁5に囲まれた領域に加え、パラフィンオイルで被覆した。微小ウェル4内の気泡は、容器を外側から叩くことにより追い出した。培養容器は使用前に少なくとも3時間プレインキュベートした。
飽和湿度の5% CO2 / 5% O2 /90% N2の下、5% CS が添加された125μl CR1aa媒体中で、38.5℃にて168時間体外培養を行った。この試験系では培養密度は胚1つあたり5μlである。この培養密度が胚盤胞期までの発生にとり最も有利であることがFujitaらの文献(Fujita T, Umeki H, Shimura H, Kugumiya K, Shiga K (2006) Effect of group culture and embryo-culture conditioned medium on development of bovine embryos. J Reprod Dev 52: 137-142)により報告されている。受精後に、プレインキュベートされた体外培養用媒体中で微細ガラスピペットにより穏やかにピペッティングすることにより、接合子と考えられる細胞を、卵丘細胞及び精子から完全に分離させた。25個の接合子を、培養容器の微小ウェル4内の液滴中に、1つの微小ウェル4に1つの接合子が配置されるように配置した。
個別の胚による酸素消費量をSECMシステム(HV-405; 北斗電工株式会社)により非侵襲的に測定した(Abe H, Hoshi H (2003) Evaluation of bovine embryos produced in high performance serum-free media. J Reprod Dev 49: 193-202、及び、Shiku H, Shiraishi T, Ohya H, Matsue T, Abe H, Hoshi H, Kobayashi M (2001) Oxygen consumption of single bovine embryos probed by scanning electrochemical microscopy. Anal Chem 73: 3751-3758参照)。胚を1つずつ、5mlの胚呼吸アッセイ用媒体2(embryo respiration assay medium-2) (ERAM-2; 株式会社機能性ペプチド研究所製) が満たされたプレート中に移し、微小ウェルの底に沈降させた。プレートを顕微鏡ステージ上の加温プレートに載せてERAM-2液の温度を38.5℃に保持した。酸素消費量の測定は、上記Shiku H らの文献に記載の方法により行った。XYZステージとポテンショスタットはコンピュータにより制御した。ERAM-2液中のPt-マイクロディスク電極(北斗電工株式会社)のボルタンメトリーは、電流電位曲線を示す。胚の表面近傍では、他の電気化学的に活性な化学種からの応答は観察されなかった。胚の酸素消費速度はソフトウェアを用いて算出した。このソフトウェアは、バルク溶液と胚試料表面との間の酸素消費量の差(ΔC)と、1つの胚試料の酸素消費速度 (F, 単位: mol s-1)を球面拡散理論(上記Shiku H らの文献)により推定することができる。前後させて2度電極をスキャンし、各胚試料についてΔCの平均値を推定した。
卵割状態および胚の形態をSomfai Tらの文献(Somfai T, Inaba Y, Aikawa Y, Ohtake M, Kobayashi S, Konishi K, Imai K (2009) Relationship Between the Length of Cell Cycles, Cleavage Pattern and Developmental Competence in Bovine Embryos Generated by In Vitro Fertilization or Parthenogenesis. J Reprod Dev 56: 200-207)の記載に沿って評価した。胚を、飽和湿度の5% CO2 / 5% O2/90% N2の下、38.5℃にて培養した。発生を、リアルタイムCulture Cell Monitoring System (CCM-M1.4Z; 株式会社アステック)を用いてモニタリングした。168時間の培養期間中に、胚の写真を、倍率4倍のplain objectiveを用いて15分間隔で673枚撮影した。蓄積された画像をCCM-M1.4 software (株式会社アステック)を用いて解析した。
レシピエントとなる黒毛和種/ホルスタイン交配種の性周期を3mlプロスタグランジンF2αにより同期化した。後述する指標に基づき選別された受精後7日目の胚を1つ、同期化されたレシピエントの黄体側子宮角に発情後7〜8日目に移植した。レシピエントはいずれも同様に給餌し管理して、少なくとも1日に2回、朝と夜に発情行動を観察した。
胚移植後30日目及び60日目に超音波検査法(HS101V; 本多電子株式会社) を用いて受胎診断を行った。受胎していることは、子宮内の胎仔を観察することと、胎仔の心臓の拍動を認めることで確認した。
以下の指標を用いた。なお、下記指標1及び2は従来から胚の選別に用いられている。
指標2: 受精168時間後に拡張胚盤胞に達していること。
指標3: 受精31時間後(初期卵割終了時)において2細胞であり、且つ、フラグメンテーションが観察されないこと。
指標4: 受精55時間後(第三卵割終了時)において5細胞、6細胞、7細胞、8細胞のいずれかであり、且つ、フラグメンテーションが観察されないこと。
指標5: 受精168時間後(初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期)の、単一胚あたりの酸素消費量が0.91×10-14 mol s-1以上であること。
上記各指標を満足する移植胚の数と、受胎率の関係を次表に示す。なお、受胎の有無は胚移植後60日目の観察結果である。
指標1及び2の一方又は両方と、指標3、4、5の1つとを組み合わせて満足する移植胚であっても、受胎率はいずれも70%未満であった。
上記指標3〜5は、実験1の前に実施された予備検討の結果から、受胎率の高い胚であることを予測する因子として有用であることが予測されていた。以下、予備検討の手順および結果を示す。
本実験において用いた胚はウシ (Bos taurus) の胚である。
以下の指標を予測因子の候補とした。
受精55時間後(第三卵割終了時):割球数、割球の均一性、フラグメンテーションの有無。
受精168時間後(初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期):胚盤胞のステージ(拡張胚盤胞まで到達しているか否か)、酸素消費量。
胚の総細胞数、内部細胞塊(inner cell mass, ICM)細胞数、栄養外胚葉(trophectoderm, TE)細胞数、ICM細胞率、透明帯脱出(ハッチング)率と、胚移植時の受胎率とは正の相関を示すことが知られている。
胚における細胞の分布を、Thouasらの文献(Thouas GA, Korfiatis NA, French AJ, Jones GM, Trounson AO (2001) Simplified technique for differential staining of inner cell mass and trophectoderm cells of mouse and bovine blastocysts. Reprod Biomed Online 3: 25-29.)の手順に従って、ICMとTEとの分染法を行い評価した。
Yamanakaらの文献(Yamanaka K, Sugimura S, Wakai T, Kawahara M, Sato E (2009) Difference in sensitivity to culture condition between in vitro fertilized and somatic cell nuclear transfer embryos in pigs. J Reprod Dev 55: 299-304)の手順に従い、TUNELアッセイによりアポトーシス陽性細胞を検出した。
透明帯から完全に抜け出た胚の割合。胚の拡大像を目視して判断する。
胚の拡大像を目視し、割球の大きさの不均一性を判断する。
各予測因子(指標)と、胚の総細胞数、ICM細胞数、TE細胞数、総細胞数に対するICM細胞数の割合(ICM%)、アポトーシス陽性細胞率、胚の透明帯脱出率との関係を重回帰分析した結果を以下にまとめる。
<染色体数>
リアルタイム細胞培養観察装置で発生過程を追跡した後、胚盤胞(初期胚盤胞もしくは拡張胚盤胞)へ達した胚の酸素消費をSECMにより解析した。なお、本実験において用いた胚はウシ (Bos taurus) の胚である。染色体の解析は、Somfaiら(2010)に準じて行った。酸素消費量を測定した後、100ng/ml vinblastine(ビンブラスチン)5%CS添加CR1aaで17時間培養し、細胞周期を分裂期(M期)で停止させた。0.4mlの1%クエン酸ナトリウムで胚を処理した後、0.02ml酢酸メタノール(1:1)を同液に注入し胚を固定した。10分後、胚をスライドグラスに乗せた。少量(1μl)の酢酸を胚に滴下した後、酢酸エタノール(1:3)で再固定した。染色体サンプルは十分風乾させた後,2%ギムザ液で10分間染色した。染色体標本は光学顕微鏡で観察した。染色体数はNIH ImageJ(v.1.40)で解析した。解析した全ての細胞が60本の染色体(58本の常染色体,2本の性染色体)を伴う胚を正常とし、それ以外を異常胚とした。タイムラプスと酸素消費量の結果から染色数に関与する要因(パラメータ)をロジスティック回帰分析により解析した。結果、第一卵割の終了時間と割球数および第3卵割終了時の割球数で有意な相関関係を示した(表8)。
リアルタイム細胞培養観察装置で発生過程を追跡した後、胚盤胞(初期胚盤胞もしくは拡張胚盤胞)へ達した胚の酸素消費をSECMにより解析した。なお、本実験において用いた胚はウシ (Bos taurus) の胚である。酸素消費量を測定後、50μlのRNA抽出液(Arcturus)に胚を一個ずつ入れ、42℃で30分間培養した。トータルRNAはPicoPure RNA Isolation Kit(Arcturus)を用い、メーカーの使用説明に準じて抽出した。cDNAへの逆転写にはRevaTra Ace qPCR RT Kit (Toyobo Bio)を用いた。定量リアルタイムRT-PCRはStepOnePlusTMを用いて行った。リアルタイムPCRの反応条件は以下の通り。95℃20秒の1サイクル,95℃3秒, 60℃10秒および72℃20秒の43サイクル。H2AFZ (配列番号15) を内部標準とし、各遺伝子(AKR1B1, IGF2R, IFN-tau, PLAC8およびCDX2)の相対的遺伝子発現を算出した。タイムラプスと酸素消費量の結果から,各遺伝子発現に関与する要因(パラメータ)を多重回帰分析により解析した。結果、第一卵割の終了時間および割球数がIGF2R遺伝子(配列番号13) 発現およびIFN-tau遺伝子(配列番号14)発現との有意な相関関係を示した(表10及び11)。第一卵割の終了時間が延長するにつれて,IGF2およびIFN-tauの発現量(H2AFZの発現量を1としたときの相対的発現量)は減少した(表12及び図26)。
黒毛和牛より経腟生体卵子吸引(OPU)により卵丘細胞卵子複合体(COCs)を採取し、22時間の体外成熟培養(IVM)後、体外受精(IVF)に供した。体外受精をリアルタイム細胞培養観察装置により発生過程を追跡し、胚盤胞(初期胚盤胞もしくは拡張胚盤胞)へ達した胚の酸素消費をSECMにより解析した。以下に示した指標により胚を選別し、仮親に移植した。胚移植後30および60日に超音波診断により受胎の有無を確認した。
Code: Robertson I, Nelson RE (1998) Certification and identification of the embryo. In: D.A. Stringfellow and S.M. Seidel, Editors, Manual of the international embryo transfer society, IETS, Savoy, Illinois 103-116.での定義に従う。具体的にはCode1は生存細胞が全体の85%以上,Code2は生存細胞が全体の50%以上の胚盤胞もしくは拡張胚盤胞を指す。「Code1-2」は「Code1もしくは2」を意味する。
指標#1:受精から第一卵割完了までの時間が27時間であること。
指標#2:受精31時間後(初期卵割終了時)において2細胞であり、且つ、フラグメンテーションが観察されないこと。
指標#3:受精55時間後(第三卵割終了時)において6細胞、7細胞、8細胞のいずれかであり、且つ、フラグメンテーションが観察されないこと。
指標#4:受精168時間後(初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期)の、単一胚あたりの酸素消費量が0.91×10-14 mol s-1以上であること。
Claims (20)
- 受精卵から体外培養された哺乳動物の胚を選別する方法であって、
第一卵割後かつ第二卵割前の段階での形態;
第三卵割後かつ第四卵割前の段階での形態; 及び
初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量;
を指標として胚を選別する工程を含む、
前記工程において選別される胚が以下の条件:
第一卵割後かつ第二卵割前の段階において、2細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件a);
第三卵割後かつ第四卵割前の段階において、5細胞、6細胞、7細胞または8細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件b); 及び
初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量が、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期の胚の酸素消費量と当該胚が脱出胚盤胞に到達する確率との相関関係に基づいて、当該確率が50%以上となることが確認されている酸素消費量であること(条件c);
を満足する胚である
前記方法。 - 前記工程において更に
受精から第一卵割が完了するまでの時間;
を指標として胚を選別する、請求項1の方法。 - 前記工程において選別される胚が更に以下の条件:
受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での染色体数が正常である確率との相関関係に基づいて、当該確率が40%以上となることが確認されている時間であること(条件d1)、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IGF2Rの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.45以上となることが確認されている時間であること(条件d2)、並びに、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IFN-tauの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.2以上となることが確認されている時間であること(条件d3)、から選択される少なくとも1つの条件を満足すること(条件d);
を満足する胚である、請求項2の方法。 - 哺乳動物がウシであり、
条件dにおける、受精から第一卵割が完了するまでの時間が27時間以下である
請求項3の方法。 - 体外培養によって、非ヒト哺乳動物の受精卵から胚を製造する方法であって、
第一卵割後かつ第二卵割前の段階での形態;
第三卵割後かつ第四卵割前の段階での形態; 及び
初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量;
を指標として胚を選別する選別工程を含む、
前記工程において選別される胚が以下の条件:
第一卵割後かつ第二卵割前の段階において、2細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件a);
第三卵割後かつ第四卵割前の段階において、5細胞、6細胞、7細胞または8細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件b); 及び
初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量が、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期の胚の酸素消費量と当該胚が脱出胚盤胞に到達する確率との相関関係に基づいて、当該確率が50%以上となることが確認されている酸素消費量であること(条件c);
を満足する胚である
前記方法。 - 前記工程において更に
受精から第一卵割が完了するまでの時間;
を指標として胚を選別する、請求項5の方法。 - 前記工程において選別される胚が更に以下の条件:
受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での染色体数が正常である確率との相関関係に基づいて、当該確率が40%以上となることが確認されている時間であること(条件d1)、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IGF2Rの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.45以上となることが確認されている時間であること(条件d2)、並びに、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IFN-tauの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.2以上となることが確認されている時間であること(条件d3)、から選択される少なくとも1つの条件を満足すること(条件d);
を満足する胚である、請求項6の方法。 - 非ヒト哺乳動物がウシであり、
条件dにおける、受精から第一卵割が完了するまでの時間が27時間以下である
請求項7の方法。 - 前記哺乳動物が非ヒト哺乳動物である請求項1〜4のいずれかの方法により選別された胚、又は請求項5〜8のいずれかの方法により製造された胚を、雌個体に移植し受胎させる工程を含む、非ヒト哺乳動物個体の生産方法。
- 受精卵から体外培養された哺乳動物の候補胚を選別するための胚選別装置であって、
判別部と、解析部とを含み、
前記判別部が、
候補胚の、第一卵割後かつ第二卵割前の段階での形態に関する第2指標情報が、第一卵割後かつ第二卵割前の段階での形態に関する第2指標選別基準条件を満足するか否かを判別する第2指標判別部、
候補胚の、第三卵割後かつ第四卵割前の段階での形態に関する第3指標情報が、第三卵割後かつ第四卵割前の段階での形態に関する第3指標選別基準条件を満足するか否かを判別する第3指標判別部、及び
候補胚の、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量に関する第4指標情報が、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量に関する第4指標選別基準条件を満足するか否かを判別する第4指標判別部
を含み、
前記解析部が、前記判別部において判別された条件の全てを満足する候補胚を、選別すべき胚であると解析する、
前記第2指標選別基準条件が、第一卵割後かつ第二卵割前の段階において、2細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件a)、という条件であり、
前記第3指標選別基準条件が、第三卵割後かつ第四卵割前の段階において、5細胞、6細胞、7細胞または8細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件b) 、という条件であり、
前記第4指標選別基準条件が、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量が、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期の胚の酸素消費量と当該胚が脱出胚盤胞に到達する確率との相関関係に基づいて、当該確率が50%以上となることが確認されている酸素消費量であること(条件c)、という条件である
ことを特徴とする前記胚選別装置。 - 前記判別部が、
候補胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間に関する第1指標情報が、受精から第一卵割が完了するまでの時間に関する第1指標選別基準条件を満足するか否かを判別する第1指標判別部
をさらに含む
請求項10の胚選別装置。 - 前記第1指標選別基準条件が、
受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での染色体数が正常である確率との相関関係に基づいて、当該確率が40%以上となることが確認されている時間であること(条件d1)、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IGF2Rの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.45以上となることが確認されている時間であること(条件d2)、並びに、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IFN-tauの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.2以上となることが確認されている時間であること(条件d3)、から選択される少なくとも1つの条件を満足すること(条件d)、という条件である
請求項11の胚選別装置。 - 画像抽出部を更に備える請求項10〜12のいずれか1項の胚選別装置であって、
前記判別部が前記第1指標判別部を含む場合には、前記画像抽出部は、候補胚の画像から、第1指標選別基準条件における、受精から第一卵割が完了するまでの時間の閾値の時点における画像、又は、第一卵割の完了時点を確認可能な画像を抽出する、第1画像抽出部を含み、前記第1指標判別部は、前記第1画像抽出部により抽出された画像に基づいて生成された情報を前記第1指標情報として判別を行い、
前記判別部が前記第2指標判別部を含む場合には、前記画像抽出部は、候補胚の画像から、第一卵割後かつ第二卵割前の段階の画像を抽出する、第2画像抽出部を含み、前記第2指標判別部は、前記第2画像抽出部により抽出された画像に基づいて生成された情報を前記第2指標情報として判別を行い、
前記判別部が前記第3指標判別部を含む場合には、前記画像抽出部は、候補胚の画像から、第三卵割後かつ第四卵割前の段階での画像を抽出する、第3画像抽出部を含み、前記第3指標判別部は、前記第3画像抽出部により抽出された画像に基づいて生成された情報を前記第3指標情報として判別を行う
前記胚選別装置。 - 受精卵から体外培養された哺乳動物の候補胚を選別するための胚選別システムであって、
請求項13の胚選別装置と、
候補胚を撮像し、撮像された画像を前記画像抽出部へと出力する撮像装置とを備え、
前記判別部が前記第4指標判別部を含む場合には、候補胚の、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量を測定し、測定された酸素消費量値を前記第4指標判別部へと出力する酸素消費量測定装置を更に備える
前記胚選別システム。 - 受精卵から体外培養された哺乳動物の候補胚を選別するための胚選別方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、該方法が、判別工程と、解析工程とを含み、
前記判別工程が、
候補胚の、第一卵割後かつ第二卵割前の段階での形態に関する第2指標情報が、第一卵割後かつ第二卵割前の段階での形態に関する第2指標選別基準条件を満足するか否かを判別する第2指標判別工程、
候補胚の、第三卵割後かつ第四卵割前の段階での形態に関する第3指標情報が、第三卵割後かつ第四卵割前の段階での形態に関する第3指標選別基準条件を満足するか否かを判別する第3指標判別工程、及び
候補胚の、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量に関する第4指標情報が、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量に関する第4指標選別基準条件を満足するか否かを判別する第4指標判別工程
を含み、
前記解析工程が、前記判別工程において判別された条件の全てを満足する候補胚を、選別すべき胚であると解析する解析工程を含み、
前記第2指標選別基準条件が、第一卵割後かつ第二卵割前の段階において、2細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件a)、という条件であり、
前記第3指標選別基準条件が、第三卵割後かつ第四卵割前の段階において、5細胞、6細胞、7細胞または8細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件b) 、という条件であり、
前記第4指標選別基準条件が、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量が、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期の胚の酸素消費量と当該胚が脱出胚盤胞に到達する確率との相関関係に基づいて、当該確率が50%以上となることが確認されている酸素消費量であること(条件c)という条件である
前記プログラム。 - 前記判別工程が、
候補胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間に関する第1指標情報が、受精から第一卵割が完了するまでの時間に関する第1指標選別基準条件を満足するか否かを判別する第1指標判別工程
をさらに含む
請求項15のプログラム。 - 前記第1指標選別基準条件が、
受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での染色体数が正常である確率との相関関係に基づいて、当該確率が40%以上となることが確認されている時間であること(条件d1)、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IGF2Rの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.45以上となることが確認されている時間であること(条件d2)、並びに、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IFN-tauの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.2以上となることが確認されている時間であること(条件d3)、から選択される少なくとも1つの条件を満足すること(条件d)、という条件である、
請求項16のプログラム。 - 体外培養によって、哺乳動物の受精卵から胚を培養する方法であって、
第一卵割後かつ第二卵割前の段階での形態;
第三卵割後かつ第四卵割前の段階での形態; 及び
初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量;
を指標として胚を選別する選別工程を含む、
前記工程において選別される胚が以下の条件:
第一卵割後かつ第二卵割前の段階において、2細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件a);
第三卵割後かつ第四卵割前の段階において、5細胞、6細胞、7細胞または8細胞であり且つフラグメンテーションを有していないこと(条件b); 及び
初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期での酸素消費量が、初期胚盤胞期、胚盤胞期又は拡張胚盤胞期の胚の酸素消費量と当該胚が脱出胚盤胞に到達する確率との相関関係に基づいて、当該確率が50%以上となることが確認されている酸素消費量であること(条件c);
を満足する胚である
前記方法。 - 前記工程において更に
受精から第一卵割が完了するまでの時間;
を指標として胚を選別する、請求項18の方法。 - 前記工程において選別される胚が更に以下の条件:
受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での染色体数が正常である確率との相関関係に基づいて、当該確率が40%以上となることが確認されている時間であること(条件d1)、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IGF2Rの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.45以上となることが確認されている時間であること(条件d2)、並びに、受精から第一卵割が完了するまでの時間が、胚の、受精から第一卵割が完了するまでの時間と、当該胚の胚盤胞期での遺伝子IFN-tauの、遺伝子H2AFZの発現量を1とした相対的発現量との相関関係に基づいて、当該相対的発現量が0.2以上となることが確認されている時間であること(条件d3)、から選択される少なくとも1つの条件を満足すること(条件d);
を満足する胚である、請求項19の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015162397A JP5962828B2 (ja) | 2010-06-30 | 2015-08-20 | 体外培養による胚の製造方法、並びに胚を選別するための方法、装置、及びシステム |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2010149500 | 2010-06-30 | ||
| JP2010149500 | 2010-06-30 | ||
| JP2015162397A JP5962828B2 (ja) | 2010-06-30 | 2015-08-20 | 体外培養による胚の製造方法、並びに胚を選別するための方法、装置、及びシステム |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2011144932A Division JP5807288B2 (ja) | 2010-06-30 | 2011-06-29 | 体外培養による胚の製造方法、並びに胚を選別するための方法、装置、及びシステム |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2016128400A Division JP6168202B2 (ja) | 2010-06-30 | 2016-06-29 | 体外培養による胚の製造方法、並びに胚を選別するための方法、装置、及びシステム |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2015204846A JP2015204846A (ja) | 2015-11-19 |
| JP5962828B2 true JP5962828B2 (ja) | 2016-08-03 |
Family
ID=54602267
Family Applications (2)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2015162397A Active JP5962828B2 (ja) | 2010-06-30 | 2015-08-20 | 体外培養による胚の製造方法、並びに胚を選別するための方法、装置、及びシステム |
| JP2016128400A Active JP6168202B2 (ja) | 2010-06-30 | 2016-06-29 | 体外培養による胚の製造方法、並びに胚を選別するための方法、装置、及びシステム |
Family Applications After (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2016128400A Active JP6168202B2 (ja) | 2010-06-30 | 2016-06-29 | 体外培養による胚の製造方法、並びに胚を選別するための方法、装置、及びシステム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (2) | JP5962828B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107047455A (zh) * | 2017-03-17 | 2017-08-18 | 枞阳县恒祥生态农业有限公司 | 一种提高土鸡种蛋受精率的方法 |
| WO2018179971A1 (ja) * | 2017-03-31 | 2018-10-04 | ソニー株式会社 | 情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び観察システム |
| EP4145389A1 (en) | 2021-09-01 | 2023-03-08 | SCREEN Holdings Co., Ltd. | Image processing method, fertilized egg evaluation method, computer program and recording medium |
| JP2023035518A (ja) * | 2021-09-01 | 2023-03-13 | 株式会社Screenホールディングス | 画像処理方法、コンピュータープログラムおよび記録媒体 |
| JP2023035517A (ja) * | 2021-09-01 | 2023-03-13 | 株式会社Screenホールディングス | 画像処理方法、受精卵の評価方法、コンピュータープログラムおよび記録媒体 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3693907B2 (ja) * | 2000-10-13 | 2005-09-14 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 哺乳動物胚の無侵襲的品質評価方法及びその装置 |
| EP1819811A1 (en) * | 2004-11-17 | 2007-08-22 | ReproCure, LLC | Methods of developing a stem cell line |
| US20100041090A1 (en) * | 2006-06-16 | 2010-02-18 | Unisense Fertilitech A/S | Embryo quality assessment based on blastomere division and movement |
| JP2010004789A (ja) * | 2008-06-26 | 2010-01-14 | Nikon Corp | 胚観察装置 |
-
2015
- 2015-08-20 JP JP2015162397A patent/JP5962828B2/ja active Active
-
2016
- 2016-06-29 JP JP2016128400A patent/JP6168202B2/ja active Active
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP6168202B2 (ja) | 2017-07-26 |
| JP2016168059A (ja) | 2016-09-23 |
| JP2015204846A (ja) | 2015-11-19 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP5807288B2 (ja) | 体外培養による胚の製造方法、並びに胚を選別するための方法、装置、及びシステム | |
| JP6168202B2 (ja) | 体外培養による胚の製造方法、並びに胚を選別するための方法、装置、及びシステム | |
| Mateusen et al. | Porcine embryo development and fragmentation and their relation to apoptotic markers: a cinematographic and confocal laser scanning microscopic study | |
| Gambini et al. | Equine cloning: in vitro and in vivo development of aggregated embryos | |
| Gonzales et al. | Prediction of the developmental potential of hamster embryos in vitro by precise timing of the third cell cycle | |
| Kadarmideen et al. | Genomic selection of in vitro produced and somatic cell nuclear transfer embryos for rapid genetic improvement in cattle production | |
| Mullaart et al. | Embryo biopsies for genomic selection | |
| EP2971059B1 (en) | A method and quality control molecular based mouse embryo assay for use with in vitro fertilization technology | |
| Giassetti et al. | ARRDC5 expression is conserved in mammalian testes and required for normal sperm morphogenesis | |
| Huayhua et al. | Blastulation time measured with time-lapse system can predict in vitro viability of bovine blastocysts | |
| Hoelker et al. | Molecular signatures of bovine embryo developmental competence | |
| US10667499B2 (en) | Method and quality control molecular based mouse embryo assay for use with in vitro fertilization technology | |
| Hoelker et al. | Bovine blastocyst diameter as a morphological tool to predict embryo cell counts, embryo sex, hatching ability and developmental characteristics after transfer to recipients | |
| Malin et al. | Intracytoplasmic sperm injection zone: insights and applications from a university-based assisted reproduction laboratory | |
| US20230313233A1 (en) | Methods of Genomic Evaluation in Livestock | |
| Olsson et al. | Live births from urine derived cells | |
| JP5030039B2 (ja) | 幹細胞の分化能の評価方法 | |
| US20260102239A1 (en) | Methods of establishing stem cell cultures from low-quality embryos to increase the rate of genetic progress | |
| WO2024117221A1 (ja) | 胚を選別するための方法 | |
| Kij-Mitka et al. | Cat presumptive zygotes assessment in relation to their development | |
| Canizo et al. | The guinea pig: A new model for human preimplantation development | |
| Fluks et al. | Cytoplasmic movement velocity in unfertilized mouse oocytes: a supportive but not definitive marker of embryo quality | |
| Crozet et al. | The filipodia-like protrusions of adjacent somatic cells shape the developmental potential of mouse oocytes | |
| Oatley et al. | The evolutionarily conserved gene Arrdc5 is required for male fertility | |
| Derkach et al. | Effects of insulin-like growth factor-1 and fibroblast growth factor-2 on the in vitro maturation of bovine oocytes |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150917 |
|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150917 |
|
| A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20151030 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20151030 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160531 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160613 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5962828 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
