JP5963665B2 - 2軸励磁発電機 - Google Patents

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Description

この発明は、発電所等に設置される2軸励磁発電機に関するもので、特に2軸励磁発電機の回転子に設けられている界磁巻線に係るものである。
最近、世界的規模において地球環境や資源問題にからみ、太陽光発電設備や風力発電設備の建設が盛んである。この太陽光や風力を利用した発電設備からの発電出力は、季節や天候に支配され必ずしも安定した出力を継続するものではない。従って既設の電力系統に、例えば上記太陽光発電設備からの出力を接続する場合に、その電力系統の安定度を維持するには様々な諸問題点を解消する必要がある。
一方、電力系統安定度改善のための2軸励磁発電機システムというコンセプトが従来より提案されている(例えば、非特許文献1)。
この2軸励磁発電機は、適切な励磁システムを用いることにより、過渡安定度および動態安定度改善に有効な手段であることが知られている。前記の如く太陽光発電設備や風力発電設備他等の自然エネルギー利用の発電設備の計画が盛んになるにつれ、従来型の同期発電機に代替して、上記2軸励磁発電機を用いた発電設備による、安定した電力系統母線の実用化が要請されてきている。
ここで従来型の同期発電機の界磁巻線は、d軸方向に起磁力を発生させるd軸巻線のみで構成されているのに対し、2軸励磁発電機の界磁巻線はd軸巻線およびq軸方向に起磁力を発生させるq軸巻線の2個で構成される。このような2個の巻線を回転子内に設置するには回転子内のスペースを2つの巻線に分配して使用する必要がある。従って従来型の同期発電機と比較して1個の巻線の巻回数が少なくなって起磁力が小さくなる。また2個の巻線は配置の仕方によっては、巻線端部で双方が干渉することになり、巻線構造が複雑化する。
このように2軸励磁発電機の界磁巻線は、より発生磁束を多くすることや巻線端部構造を簡単にする等の巻線構成を採用する必要があるが、現在に至るまでこれらの問題点を解消した先行技術文献は開示されてない。
電気学会論文誌B Vol 124.2004、No5 P697〜P704
この発明は、従来の同期発電機とほぼ同じ発電機体格を保持するとともに、回転子磁束を可能なかぎり大きくするとともに、界磁巻線端部の構造を簡単化するという課題を解消した2軸励磁発電機を提供することを目的としている。
の発明は、2軸励磁発電機であって、回転子の径方向断面において、円周方向に配置されたスロット内に、回転子の軸長手方向に伸延する素コイル群で形成される第1のコイルおよび、第2のコイルが設けられているとともに、座標系として直交するY軸およびX軸とが定義されて、第1のコイルはX軸に対して対称の位置にそれぞれ第1の往復導体がスロットの外径側に配置されるとともに、回転子の一方端のスロット端部において、Y軸にまたがって略U字型部を形成して第1の往復導体をそれぞれ接続しており、第2のコイルはY軸に対して対称の位置にそれぞれ第2の往復導体がスロットの内径側に配置されるとともに、回転子の一方端のスロット端部において、X軸にまたがって略U字型部を形成して第2の往復導体をそれぞれに接続しているものである。
この発明に係る2軸励磁発電機は、上記のような構成を採用しているので、従来の同期発電機とほぼ同等の体格でかつ回転子磁束を大きく発生させることができるとともに、第1のコイル端部と第2のコイル端部が干渉しないために、コイル端部の構造が簡単になるという効果もある。
実施の形態1による回転子断面上のコイル配置およびコイル端部を示す斜視図である。 実施の形態2による回転子断面上のコイル配置およびコイル端部を示す斜視図である。 実施の形態3による回転子断面上のコイル配置およびコイル端部を示す斜視図である。
実施の形態1.
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施の形態1による2軸励磁発電機100の回転子1を示す図である。尚この図1では固定子部分は図示省略している。ここで図1(a)は回転子の径方向断面上のコイル配置を示す図であり、図1(b)は回転子の一方端におけるスロット端部1aにおけるコイル端部を示す斜視図である。
図1(a)において、2軸励磁発電機100の回転子1には径方向断面に複数のスロット4が軸長手方向に伸延して設けられている。このスロット4は所定の深さを有し、円周上に等間隔に配置されている。図1(a)に示すように回転子1の径方向断面上において、座標系としてY−Y軸(以降、Y軸と称す)とこれに直交するX−X軸(以降、X軸と称す)が定義され、このX軸に対して上下、対称の位置に、各スロット4に配置される図示簡略化した複数の素コイル群によって形成される第1のコイル2が設けられている。尚ここで素コイルとは、所定の本数を有する導体に所定の絶縁が施されて、所定数のスロット4内、図1(a)では3本のスロット4内にそれぞれ配置されたものを称している。そしてこの第1のコイル2は後述する図1(b)に示すように軸長手方向に伸延する往復導体を結ぶようスロット端部1aにて、各素コイル毎にY軸をまたがって接続するよう設けられている。また図1(a)に示すように、Y軸に対して左右対称の位置に第2のコイル3が設けられ、上記第1のコイル2と同様にスロット端1aにてX軸をまたがって各素コイル毎に接続するよう設けられている。
ここで上記第1のコイル2は2軸励磁発電機100において、例えばd軸巻線であり、第2のコイル3はq軸巻線を示すものであり、コイルの励磁電流の向きを図1(a)に示す。この励磁電流によって第1のコイル2による回転子磁束20がY軸方向に、第2のコイル3による回転子磁束30がX軸方向に生成される。
尚図1(a)では第1のコイル2、第2のコイル3ともに便宜上ひとかたまりのコイルで図示したが、実施の形態1ではそれぞれ3個の素コイルが3個のスロット4内に配置されており、これら素コイル数はこの例に限定されるものではない。
図1(b)は回転子1の一方端である反コイル励磁用端子側における回転子1のスロット端部1aを示す斜視図である。このスロット端部1aにおいて前述したように第1のコイル2はY軸をまたがるように略U字型部2aを形成して素コイルの往復導体を結ぶよう設けられている。また第2のコイル3もX軸をまたがるように略U字型部3aを形成して同様に設けられている。
これら第1のコイル2の略U字型部2aと第2のコイル3の略U字型部3aとは、回転子1の軸長手方向において同一面内に、つまりスロット端部1aから同一長さとなるよう設けられている。尚図1(a)では円周上にスロット4が局部的に設けられ、このスロット4に第1のコイル2と第2のコイル3が同じ素コイル数で配置する例を示したが、異数のスロット内に素コイルが配置された場合であってもよい。また図1(a)ではスロット4が円周上に複数個局部的に設けられた例を示したが、全円周にわたって複数個のスロット4が設けられた場合であってもよく、また第1のコイル2と第2のコイル3が同数の素コイル数あるいは異数の配置の構成であってもよい。
このように実施の形態1による2軸励磁発電機100は、その回転子1の構造において第1のコイル2をY軸にまたがるよう、第2のコイル3をX軸にまたがるよう配置した構成を採用したので、スロット端部1aにおいて第1のコイル2と第2のコイル3とが交差、干渉しない端部構造となり、端部構造の簡単化、小型化が達成され、エネルギー消費量の低減がはかれ、ひいては製造コストの低減が行えるという効果があるとともに、2つの軸方向に対してそれぞれ任意の大きさの回転子磁束を発生できるという機能も有する。
実施の形態2.
次に、実施の形態2を図に基づいて説明する。
図2(a)は前述した実施の形態1の図1(a)と同様の回転子径方向断面上のコイル配置を示す図であり、図2(b)は同様のコイル端部を示す斜視図である。
図2(a)において、上、下、第2のコイル3はスロット4の回転子1の内径側に配置されており、この第2のコイル3の上部であってスロット4の外径側に上、下、第1のコイル2が配置されている。そしてこの実施の形態2では、第1のコイル2および第2のコイル3を形成するそれぞれの各素コイルが6つのスロット4内に配置した例を示している。前述した実施の形態1と同様にスロット端部1aにて第1のコイル2の各素コイルはY軸をまたがって略U字型部2aを形成するよう接続されて設けられており、また第2のコイル3の各素コイルはX軸をまたがって略U字型部3aを形成するよう接続されて設けられている。
このように、この実施の形態2では前述した実施の形態1と同様に第1のコイル2と第2のコイル3とが交差、干渉しない端部構造を採用することができ、端部構造の簡単化、低コスト化が達成可能となる。またコイル中心間の距離が大きくなり、有効磁極面積が大きくなり、より発生磁束量が多くなりそれに伴い回転子起磁力が増大化する。
実施の形態3.
次に、実施の形態3を図に基づいて説明する。
図3(a)は実施の形態1の図1(a)と同様の回転子径方向断面上のコイル配置を示す図であり、図3(b)は同様のコイル端部を示す斜視図である。
図3(a)において、径方向断面上において座標系として直交するY軸とX軸と、ならびにこのY軸とX軸とによって形成される第1象限、第2象限、第3象限、第4象限が定義されている。そして第1のコイル2は第2象限と第4象限に配置され、第2のコイル3は第1象限と第3象限に配置されており、前述した実施の形態1と同様にスロット端部1aにおいて、それぞれに略U字型部2a、3aを形成するよう設けられている。
上記第1のコイル2の生成する回転子磁束20は、図3(a)に示すように第1象限と第3象限とを結ぶ線の方向にあり、また第2のコイル3の生成する回転子磁束30は、第2象限と第4象限を結ぶ方向にある。また図3(b)に示すように第1のコイル2の略U字型部2aは、前記第1象限と第3象限とを結ぶ線をまたぐように形成されており、第2のコイル3の略U字型部3aは前記第2象限と第4象限とを結ぶ線をまたぐように形成されている。さらに、第1のコイルの略U字型部2aの端面2bと、第2のコイル3の略U字型部3aの端面3bとは軸長手方向にスタッガされて配置されている。つまり端面3bが端面2bよりもスロット端部1aから軸長手方向に離れた個所に位置するよう設けられている。尚このスタッガ配置は端面2bが端面3bよりもスロット端部1aから軸長手方向に離れたスタッガ配置であってもよい。
このような構成を採用することによって、有効磁極面積がさらに大となり、発生磁束量が大きくなり回転子起磁力の増加をきたすという効果がある。
尚、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 回転子、1a スロット端部、2 第1のコイル、2a 略U字型部、
2b 端面、3 第2のコイル、3a 略U字型部、3b 端面、4 スロット、
20 第1のコイルによる回転子磁束、30 第2のコイルによる回転子磁束、
100 2軸励磁発電機。

Claims (3)

  1. 2軸励磁発電機であって、回転子の径方向断面において、円周方向に配置されたスロット内に、前記回転子の軸長手方向に伸延する素コイル群で形成される第1のコイルおよび、第2のコイルが設けられているとともに、座標系として直交するY軸およびX軸とが定義されて、前記第1のコイルは前記X軸に対して対称の位置にそれぞれ第1の往復導体が前記スロットの外径側に配置されるとともに、前記回転子の一方端のスロット端部において、前記Y軸にまたがって略U字型部を形成して前記第1の往復導体をそれぞれ接続しており、前記第2のコイルは前記Y軸に対して対称の位置にそれぞれ第2の往復導体が前記スロットの内径側に配置されるとともに、前記回転子の一方端のスロット端部において、前記X軸にまたがって略U字型部を形成して前記第2の往復導体をそれぞれに接続していることを特徴とする2軸励磁発電機。
  2. 前記第1のコイルが発生する回転子磁束は前記Y軸方向にあり、前記第2のコイルが発生する回転子磁束は前記X軸方向にあることを特徴とする請求項1に記載の2軸励磁発電機。
  3. 前記第1のコイルの略U字型部の軸長手方向の端面と前記第2のコイルの略U字型部の軸長手方向の端面とは軸長手方向の同一面内にあることを特徴とする請求項に記載の2軸励磁発電機。
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