JP5965792B2 - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Description
しかしながら、塩素や臭素を含有するハロゲン系難燃剤を配合した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、熱安定性の低下を招いたり、成形加工時における成形機のスクリューや成形金型の腐食を招いたりすることがあった。また、リン系難燃剤を配合した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂の特徴である高い透明性を阻害したり、耐衝撃性、耐熱性の低下を招いたりするため、その用途が制限されることがあった。加えて、これらのハロゲン系難燃剤およびリン系難燃剤は、製品の廃棄、回収時に環境汚染を惹起する可能性があるため、近年ではこれらの難燃剤を使用することなく難燃化することが望まれている。
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点を解決することを目的としたものであって、透明性、耐熱性および難燃性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、および、かかる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形品を提供することにある。
<1>(a)式(A)にて表される末端構造を有し、粘度平均分子量が1×104〜5×104の芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、(b)有機スルホン酸金属塩0.005質量部〜0.1質量部を含有する、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
式(A)
<2>式(A)が下記式(B)で表される、<1>に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
式(B)
<3>式(A)が式(C)で表される、<1>に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
式(C)
<4>前記(b)有機スルホン酸金属塩が、フルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩および/またはフルオロアルカンスルホン酸アルカリ土類金属塩である、<1>〜<3>のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
<5>熱安定剤、酸化防止剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、離型剤および着色剤から選択される少なくとも1種類が配合されている、<1>〜<4>のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
<6><1>〜<5>のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形品。
<7><6>に記載の成形品であって、厚さを1.0mmの平板状としたときのヘイズ値が5%以下となる、成形品。
式(A)
ここで、式(A)中、R6〜R9は、それぞれの基がベンゼン環の環状構造を形成する炭素原子の任意の位置にそれぞれ1つずつ結合していることを意味する。すなわち、ベンゼン環の環状構造を形成する炭素原子は6つあるが、そのうち1つは、−炭素炭素三重結合−R1からなる基と結合しており、他の1つは芳香族ポリカーボネート樹脂の主鎖と結合しており、残りの4つの炭素原子がR6〜R9で表される基を有する。以下の一般式についても同様に考える。
式(A)中、R6〜R9は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基が好ましく、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
さらに、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物にあっては、難燃剤として配合する(b)有機スルホン酸金属塩の添加割合が0.1質量部を越えることがないので、ヘイズ値の低い、透明性に優れた成形品を得ることができる。しかも、難燃剤として有機スルホン酸金属塩を用いるため、ハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤を用いた場合のような、熱安定性の低下を招いたり、成形加工時における成形機のスクリューや成形金型の腐食を招いたり、高い透明性を阻害したり、耐衝撃性、耐熱性の低下を招いたりするといった問題が発生することもない。
式(B)
式(B)中、R17〜R21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基が好ましく、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
式(C)
式(C)中、R17〜R21は、式(B)におけるR17〜R21と同義であり、好ましい範囲も同義である。
れる芳香族ポリカーボネート樹脂である。
式(I)
式群(I−1)
式(I)中、R1は式(A)におけるR1と同義であり、好ましい範囲も同義である。式(I)中の2つの末端のR1はそれぞれ同じであっても良いし、異なっていても良い。通常は、同じである。
式(I)中、R2〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜9のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基、または、置換基を有してもよい炭素数7〜17のアラルキル基が好ましく、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜9のアルキル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。R2〜R5が有してもよい置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、または、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基および炭素数2〜5のアルケニル基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がさらに好ましい。式(I)には、1つの繰り返し単位に2つのR2が存在するが、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。R3等他の符号についても同様である。
式(I)中、R6〜R9は、式(A)におけるR6〜R9と同義であり、好ましい範囲も同義である。
式(I)中、nは、15〜200の整数が好ましく、20〜150の整数がより好ましい。
式群(I−1)中、R12、R13は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜9のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルコキシ基、または、置換基を有してもよい炭素数6〜12アリール基が好ましく、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜9のアルキル基、または、置換基を有してもよい炭素数6〜12アリール基がより好ましく、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜9のアルキル基がさらに好ましい。R12、R13が有してもよい置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または、ヨウ素原子が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がさらに好ましい。
式群(I−1)中、R14、R15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜9のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルコキシ基、または、置換基を有してもよい炭素数6〜12アリール基が好ましく、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜9のアルキル基、または、置換基を有してもよい炭素数6〜12アリール基がより好ましく、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜9のアルキル基がさらに好ましい。R14、R15が有してもよい置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または、ヨウ素原子であり、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がさらに好ましい。
式群(I−1)中、R16は、置換基を有してもよい炭素数1〜9のアルキレン基が好ましく、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、エチレン、プロピレンがさらに好ましい。R16が有してもよい置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または、ヨウ素原子が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がさらに好ましい。
式群(I−1)中、aは0〜20の整数が好ましく、0〜1の整数がより好ましい。
式群(I−1)中、bは1〜200の整数が好ましく、10〜200の整数がより好ましい。
式(II)におけるR6〜R9は、それぞれ独立に、式(A)におけるR6〜R9と同義であり、好ましい範囲も同義である。
式(II)中、R17〜R21は、式(B)におけるR17〜R21と同義であり、好ましい範囲も同義である。
式(II)におけるnは、式(I)におけるnと同義であり、好ましい範囲も同義である。
式(II)におけるXは、式(I)におけるXと同義であり、好ましい範囲も同義である。
これらの炭酸ジエステル化合物は、単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中における、他の樹脂成分の配合割合は、全樹脂成分の10質量%以下であることが好ましく、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂成分を実質的に含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、例えば、積極的に樹脂成分として配合しないことをいう。一例を挙げれば、全樹脂成分の1質量%以下である。
有機スルホン酸金属塩としては、脂肪族スルホン酸金属塩および芳香族スルホン酸金属塩等が挙げられ、これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、金属塩としては、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩が好ましい。
アルカリ金属として、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウムを挙げることができる。アルカリ土類金属として、カルシウム、ストロンチウム等が挙げられる。本発明で用いる有機スルホン酸金属塩の好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属であり、より好ましくはナトリウム、カリウムである。このような金属を採用することにより、燃焼時の炭化層形成を効果的に促進し、高い透明性も維持できるという効果が得られる。
フルオロアルカン−スルホン酸金属塩として、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができ、アルカリ金属塩が好ましい。
フルオロアルカンスルホン酸金属塩の炭素数としては、1〜8が好ましく、2〜4がより好ましい。このような範囲とすることにより、高い透明性を維持できるという効果が得られる。
好ましいフルオロアルカン−スルホン酸金属塩の具体例として、パーフルオロブタン−スルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタン−スルホン酸カリウム、パーフルオロエタン−スルホン酸ナトリウム、パーフルオロエタン−スルホン酸カリウム、等を挙げることができる。
芳香族スルホンスルホン酸アルカリ金属塩の具体例としては、3,4−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカリウム塩、4,4′−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、4,4′−ジブロモフェニル−スルホン−3−スルホン酸のカリウム塩、ジフェニルスルホン−3,3′−ジスルホン酸のジナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3,3′−ジスルホン酸のジカリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム塩、p−トルエンスルホン酸カリウム塩、p−スチレンスルホン酸カリウム塩等を挙げることができる。
尚、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対する、有機スルホン酸金属塩の添加質量は、上記のとおり、0.005質量部〜0.1質量部であるが、好ましくは0.01質量部〜0.1質量部、より好ましくは0.03質量部〜0.09質量部である。
また、本発明では、有機スルホン酸金属塩以外の難燃剤を配合してもよいが、他の難燃剤の配合量は、組成物の全質量の0.001質量%以下であることが好ましい。
また、所望の諸物性を著しく損なわない限り、帯電防止剤、蛍光増白剤、防曇剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤等を添加してもよい。
離型剤の添加割合は、配合する場合、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、また、2質量部以下、より好ましくは1質量部以下である。離型剤の添加割合が下限値以下の場合、離型性の効果が十分でない場合があり、離型剤の添加割合が上限値を超える場合、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染等が生じる可能性がある。
着色剤の添加割合は、配合する場合、芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、例えば5質量部以下、好ましくは3質量部以下、より好ましくは2質量部以下である。着色剤の添加割合が多すぎると耐衝撃性が十分で無くなる可能性がある。
窒素気流下で撹拌子を入れた500ml三口フラスコに、4−ヨードフェノール8.8278g(0.040mol)、パラジウム触媒0.4038g(0.58mmol)、銅触媒0.1107g(0.58mmol)、トリフェニルホスフィン0.1515g(0.58mmol)、エチニルベンゼン5.3426g(0.052mmol)、トリエチルアミン300mlを入れて、室温で24時間反応させた。
溶液をろ別、ジエチルエーテルで抽出、HClで溶媒のトリエチルアミンを取り除き、蒸留水で洗浄を行い、40℃、6時間減圧乾燥、昇華精製を行った。
その結果、白色粉末を6.31g(収率:81%)得た。得られた化合物の1HNMR、13CNMRを測定し、すべてのシグナルの帰属から、目的としたp−フェニルエチニルフェノールが合成されていることを確認した。
ジムロート管、窒素気流下で撹拌子を入れた100ml三口フラスコに、3−ブロモフェノール9.9845g(0.058mol)、無水酢酸17mlを入れ、150℃、2時間反応させた。反応物を室温まで冷却し、蒸留水を加えた。ジエチルエーテルで抽出、蒸留水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで脱水し、エバポレーターで濃縮することで、3−ブロモフェニルアセテートを得た。
ジムロート管、窒素気流下で撹拌子を入れた100ml三口フラスコに、前述のように合成した3−ブロモフェニルアセテート12.432g(0.58mmol)、エチニルベンゼン7.8366g(0.077mmol)、トリフェニルホスフィン0.1445g(0.501mmol)、トリエチルアミン78mlを入れ、アルミホイルで容器を覆い、光を遮った。ここに別の容器で調整したパラジウム触媒0.0722g(0.010mmol)、銅触媒0.0291g(0.153mmol)、トリエチルアミン5mlの混合物を入れて、120℃、12時間反応させた。
反応物を室温まで冷却、ろ過を行い、ジエチルエーテルで抽出し、0.1NのHClで溶媒のトリエチルアミンを取り除いた。この溶液を蒸留水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで脱水しエバポレーターで濃縮し、3−フェニルエチニルアセテートを得た。
ジムロート管、窒素気流下で撹拌子を入れた100ml三口フラスコに、前述のように合成した3−フェニルエチニルアセテートを含む溶液、炭酸カリウム9.6778g(0.041mmol)、メタノール70mlを入れ、90℃、4時間反応させた。反応溶液に蒸留水を加え、エバポレーターでメタノールを除去した。0.1NのHClを加えてジエチルエーテルで抽出、蒸留水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで脱水、エバポレーターにかけた。その後、クロロホルムでカラムクロマトグラフィーを行い、精製を行った。さらに、ヘキサンで再結晶、35℃、6時間減圧乾燥を行い、昇華精製を行った。
その結果、白色粉末を1.53g(収率:13.6%)得た。得られた化合物の1HNMR、13CNMRを測定し、すべてのシグナルの帰属から、目的としたm−フェニルエチニルフェノールが合成されていることを確認した。
5w/w%の水酸化ナトリウム水溶液1100mlに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「BPA」と略称:新日鐵化学工業株式会社製)91.2g(0.4mol)とハイドロサルファイト0.1gを溶解した。
これにメチレンクロライド400mlを加えて撹拌しつつ、15℃に保ちながら、ついでホスゲン52gを約1g/分の速度で吹き込んだ。
ホスゲン吹き込み終了後、末端停止剤として前記p−フェニルエチニルフェノール(A)3.1g(0.016mol)を加え激しく撹拌して、反応液を乳化させ、乳化後、0.4mlのトリエチルアミンを加え、20〜27℃にて約1時間撹拌し、重合させた。
重合終了後、反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液(水相)の導電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返した。得られた重合体溶液を、45℃に保った温水に滴下し、溶媒を蒸発除去して白色粉末状沈殿物を得た。
得られた沈殿物を濾過し、105℃、24時間乾燥して、重合体粉末を得た。
この重合体の粘度平均分子量は23500であった。得られた重合体を赤外線吸収スペクトルにより分析した結果、1770cm-1付近の位置にカルボニル基による吸収、1240cm-1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合を有するポリカーボネート樹脂(以下「PC−A」と略称)であることが確認された。
5w/w%の水酸化ナトリウム水溶液550mlにBPAを45.6g(0.2mol)とハイドロサルファイト0.05gを溶解した。
これにメチレンクロライド200mlを加えて撹拌しつつ、15℃に保ちながら、ついでホスゲン26gを約1g/分の速度で吹き込んだ。
ホスゲン吹き込み終了後、末端停止剤として前記m−フェニルエチニルフェノール(B)1.52g(0.008mol)を加え激しく撹拌して、反応液を乳化させ、乳化後、0.2mlのトリエチルアミンを加え、20〜27℃にて約1時間撹拌し、重合させた。
重合終了後、反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液(水相)の導電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返した。得られた重合体溶液を、45℃に保った温水に滴下し、溶媒を蒸発除去して白色粉末状沈殿物を得た。得られた沈殿物を濾過し、105℃、24時間乾燥して、重合体粉末を得た。
この重合体の粘度平均分子量は21800であった。得られた重合体を赤外線吸収スペクトルにより分析した結果、1770cm-1付近の位置にカルボニル基による吸収、1240cm-1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合を有するポリカーボネート樹脂(以下「PC−B」と略称)であることが確認された。
三菱エンジニアリングプラスチックス社製 商品名「ユーピロン(登録商標)S−3000、以下「PC−C」と略称」、粘度平均分子量:21,300(末端構造はp−tert−ブチルフェノール)を用いた。
<BPAと1,2−ビス(3−ヒドロキシルフェニル)アセチレンとの共重合>
5w/w%の水酸化ナトリウム水溶液1100mlにBPA87.6g(0.384mol)と1,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)アセチレン(以下「Ace」と略称:みどり化学株式会社製)3.4g(0.016mol)と ハイドロサルファイト0.1gを溶解した。
これにメチレンクロライド400mlを加えて撹拌しつつ、15℃に保ちながら、ついでホスゲン52gを約1g/分の速度で吹き込んだ。
ホスゲン吹き込み終了後、末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノール2.4g(0.016mol)を加え激しく撹拌して、反応液を乳化させ、乳化後、0.4mlのトリエチルアミンを加え、20〜27℃にて約1時間撹拌し、重合させた。
重合終了後、反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液(水相)の導電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返した。得られた重合体溶液を、45℃に保った温水に滴下し、溶媒を蒸発除去して白色粉末状沈殿物を得た。得られた沈殿物を濾過し、105℃、24時間乾燥して、重合体粉末を得た。
この重合体の粘度平均分子量は23900であった。得られた重合体を赤外線吸収スペクトルにより分析した結果、1770cm-1付近の位置にカルボニル基による吸収、1240cm-1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合を有するポリカーボネート樹脂(以下「PC−D」と略称)であることが確認された。
難燃剤として、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩、大日本化学インキ工業株式会社製「商品名:メガファックF−114P」を使用した。
安定剤として、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト:ADEKA社製「商品名:アデカスタブ2112」、離型剤(1)として、ペンタエリスリトールテトラステアレート、コグニスジャパン株式会社製「商品名:ロキシオールVPG861」、および、離型剤(2)として、ステアリン酸オクタデシル、日本油脂株式会社製「商品名:ユニスター M9676」を使用した。
透明性と色相の試験においては、得られたサンプルを、120℃で5時間乾燥した後、卓上射出成形機(HAAKE社製:MiniJet)にて、シリンダー温度300℃、金型温度100℃、余熱時間3分間、射出圧力900mbの条件で射出成形を行い、長さ50mm、幅30mm、厚さ1.0mmのプレート状成形品を試験片1として成形した。
難燃性の試験においては、得られたサンプルを、120℃で5時間乾燥した後、卓上射出成形機(HAAKE社製:MiniJet)にて、シリンダー温度300℃、金型温度100℃、余熱時間3分間、射出圧力900mbの条件で射出成形を行い、Izod成形品を試験片2として成形した。その後、成形したサンプルを用いてJIS K7201に従って燃焼試験を行い、酸素指数の値を測定した。酸素指数の数値が大きいほど燃え難く、27を超えるものは自消性プラスチックに分類される。
Haze(ヘイズ値)(単位:%):
JIS K−7105に準じ、前記の試験片1(1mm厚)を試験片とし、日本電色工業(株)製のNDH−2000型ヘイズメーターでヘイズ値(単位「%」)を測定した。ヘイズ(Haze)は、樹脂の濁度の尺度として用いられる値であり、数値が小さい程、透明性が高いことを示し、好ましい。結果を表1に示す。なお、表中、「Haze」と表記する。
YI値:
前記の試験片1(1mm厚)を試験片とし、JIS K−7105に準拠し、日本電色工業(株)製のSE2000型分光式色彩計で、透過法によりYI値(Yellow Index)を測定した。YI値が小さいほど樹脂の黄変度合いが低いことを示し好ましい。結果を表1に示す。なお、表中、「YI」と表記する。
Tg(ガラス転移温度)(単位:℃):
授記PC−A〜PC−Dの各樹脂について、JIS K−7121に準じ、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製のDSC7020型高感度型示差走査熱量計でTgを測定した。Tgの数値が大きい程、耐熱性に優れることを示し、好ましい。結果を表1に示す。なお、表中、「Tg」と表記する。
上記で成形した試験片2(Izod試験片)を、温度23℃、相対湿度50%の恒温室の中で48時間調湿し、JIS K−7201「酸素指数法による高分子材料の燃焼試験方法」に準拠して試験を行った。本試験で燃焼酸素指数(LOI値)が26以上のものは防炎性(自己消火性)を有しているとされる。なお、表中、「LOI」と表記する。
Claims (7)
- (a)式(A)にて表される末端構造を有し、粘度平均分子量が1×104〜5×104の芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、(b)有機スルホン酸金属塩0.005質量部〜0.1質量部を含有する、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
式(A)
(式(A)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜9の直鎖または分岐構造のアルキル基、炭素数2〜9の直鎖または分岐構造のアルケニル基、炭素数1〜9の直鎖または分岐構造のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜9の直鎖または分岐構造のヒドロキシアルケニル基、炭素数1〜9の直鎖または分岐構造のハロアルキル基、炭素数2〜9の直鎖または分岐構造のハロアルケニル基、および置換基を有していてもよい炭素数6〜12のアリール基から選ばれる。R6〜R9は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、および、炭素原子数1〜9のオキシアルキル基から選ばれる。) - 前記(b)有機スルホン酸金属塩が、フルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩および/またはフルオロアルカンスルホン酸アルカリ土類金属塩である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 熱安定剤、酸化防止剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、離型剤および着色剤から選択される少なくとも1種類が配合されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形品。
- 請求項6に記載の成形品であって、厚さを1.0mmの平板状としたときのヘイズ値が5%以下となる、成形品。
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