JP5977103B2 - 定着装置およびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トナーを定着させる定着装置およびこれを備えた画像形成装置に関するものである。
電子写真法に基づいて画像を形成する電子写真方式の画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」という)は、良好な画質品位を有する画像を容易に形成することができ、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置および複合機などに広く利用されている。
画像形成装置の一構成部品である定着装置は、記録媒体上のトナー像を記録媒体に定着させるもので、熱ローラ定着方式とベルト定着方式とがある。一般的に、熱ローラ定着方式の定着装置は、定着ローラおよび加圧ローラが互いに圧接するローラ対となっており、両ローラの少なくとも一方のローラの内部に発熱源としてハロゲンランプを備えている。
この熱ローラ定着方式の定着装置は、ハロゲンランプが定着に必要な所定の温度(以下、「定着温度」という)までローラ対を加熱した後に、未定着トナー像が形成された用紙などの記録媒体が、定着ローラと加圧ローラとの圧接部(定着ニップ部)に供給され、定着ニップ部に伝わる熱と、定着ニップ部の圧力とによって、未定着トナー像を記録媒体上に定着させる。
近年、フルカラー印刷が可能な画像形成装置はプロセス速度の高速化が求められる。これに対応するためには、定着ニップ部における記録媒体搬送方向の幅(ニップ幅)を広くする必要がある。ニップ幅を広くする手段として、定着ローラ(弾性ローラ)の弾性層を厚くしたり、または、弾性ローラ径を大きくするという2つの方法がある。
しかし、弾性ローラの弾性層(シリコーンゴム)の熱伝導性が非常に低いので、弾性ローラ内部に発熱源がある場合、弾性ローラの弾性層を厚くすると、プロセス速度を高速化した場合に、定着ローラの温度が定着温度に追従することができなくなる。また、弾性ローラ径を大きくすると、ウォームアップ時間が長くなり、加熱手段の消費電力が増大する。
上記の問題点を解決するために、定着ローラや加圧ローラに、断熱性に優れたスポンジローラを用い、小型、軽量化、省エネを目指した提案や、スポンジローラ特有の課題解決の提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
一方、ベルト定着方式の定着装置は、定着ローラと、加圧ローラと、定着ベルトとを含み、定着ベルトは、定着ローラと、加熱用ヒータを内部に含む加熱ローラとの間に掛け渡され、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラとが圧接されて定着ニップ部が形成されたものが提案されている。
この種のベルト定着方式では、定着ベルトが、ポリイミドなどからなるベルト基材と、このベルト基材の表面に形成されるシリコーンゴムなどからなるベルト弾性層と、該ベルト弾性層の表面に形成されるフッ素樹脂などからなるベルト離型層とを含み、定着ローラは断熱性に優れたスポンジローラを弾性層に用い、定着ベルトの熱が定着ローラに奪われないようにする工夫がなされている。そのため、熱容量の小さい定着ベルトだけを効率的に加熱することができるので、ウォームアップ時間を短くすることができる。
さらに、特許文献2では、薄肉の定着ローラの内部にランプと圧接部材とを備え、圧接部材と対向する加圧ローラによって、圧接部材と定着ローラとを変形させてトナー定着に必要な定着ニップ部を得るベルト定着方式の定着装置が提案されている。この特許文献2の定着装置では、従来のベルト定着方式に比べて、加熱ローラが省略された分、さらに省エネ性を高めている。
特開2005−309188号公報 特開平9−114296号公報
しかしながら、特許文献2では、薄肉の定着ローラの内部に備えられた圧接部材は、定着ローラに対して固定されたパッド、または表層ゴムでコートされた金属ローラである。圧接部材が固定されたパッドの場合、パッドと定着ローラの摺動性を維持するために、定着ニップの面圧を高めることができず、記録媒体の凹凸に追従できず、微細な光沢ムラが発生したり、また、記録媒体がエンボス紙の場合、エンボス紙の凹部分に定着不良が生じる場合があった。
また、圧接部材が表層ゴムでコートされた金属ローラの場合、金属ローラが厚い場合は変形が不十分となり、必要なニップ幅が得られず、トナー定着が不足する欠点がある。また、金属ローラが薄い場合、金属ローラが変形しても定着ニップ部の面圧が低くなり、記録媒体(用紙)の凹凸に追従できず、微細な光沢ムラが発生したり、また、エンボス紙の凹部分の定着不良が生じる場合がある。
このように、金属ローラの変形によるニップ形成は、定着ニップの幅と荷重の両立が極めて困難であり、十分な定着性を得ることは難しい。また、金属ローラ表層にゴム層を設け、ハロゲンランプ等の熱を金属層に伝わりにくくすることで、加熱効率を高める工夫がなされているが、金属に比べゴム層はランプからの赤外放射を吸収しやすいので、本来、定着ローラの加熱に必要な熱が、ゴム層に奪われてしまい、逆に加熱効率が低くなり、省エネ性能が低下していた。
本発明は、上記の鑑み、記録媒体のトナー定着性能を良好にすると共に、省エネ性能にも優れた定着装置およびこれを備えた画像形成装置の提供を目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、ローラ形状に形成された定着ローラと、無端状の定着ベルトと、加圧部材と、前記定着ベルトの内側に配設されて赤外線を放射する発熱源とを備え、前記定着ベルトの内側に前記定着ローラが配置され、前記加圧部材が前記定着ベルトを介して前記定着ローラに圧接され、前記加圧部材と前記定着ベルトとの間に記録媒体が通過する定着ニップ部が設けられたベルト定着方式の定着装置であって、前記定着ローラは、定着弾性層を備え、その表層側に赤外線を反射する赤外線反射層として金属層を有する。
上記構成によると、定着部材である定着ローラの表層に赤外線反射層を設け、定着ベルトの内側にある発熱源から発生する輻射熱を、定着ローラの赤外線反射層で反射するので、定着ローラの内部に設けた弾性層が直接輻射熱を受けるのを防止し、弾性層の過熱損傷を防止することができる。
この場合の赤外線反射層は、種々の素材で構成することができるが、赤外線反射率の高い金属から構成し、反射効率の良い定着装置を提供するのが望ましい。
ここで、定着部材である定着ローラと定着ベルトの基材の内面の赤外線に対する反射率に比べて、定着ローラの表面の反射率を高く設定することが好ましい。
なぜならば、定着ローラの表層の赤外線反射率を高くすることで、定着ローラがハロゲンランプなどの発熱源からの輻射熱を受けても吸収されずに反射し、その赤外線の反射によって定着ベルトを加熱する作用がある。定着ベルトの内側に、例えば赤外線吸収層を設けて、反射率を抑えることで、一旦、定着ベルトの内側に達した赤外線は、殆ど反射されることなく、定着ベルトの加熱に寄与することができる。
このように、定着ローラ表層の赤外線の反射率が定着ベルトの内側の反射率に比べて高いことによって、発熱源からの輻射熱を効率よく定着ベルトの加熱に利用することができるので、省エネ性能に優れた定着装置を提供することができる。
定着ローラとして、中心軸より外側に向かって順次配列された、芯金層、定着弾性層、基材層および赤外線反射層の4層から構成された定着ローラを挙げることができる。
上記構成によると、芯金層の表層側に定着弾性層が形成されているので、加圧部材との圧接により定着ニップ幅を広くすることができる。また、定着弾性層としてシリコーンゴム等のゴムを採用した場合、赤外線反射層によりシリコーンゴムが直接輻射熱を受けるのを防止することができる。
また、定着ローラは、芯金層および定着弾性層の2層構造の外周に、基材層および赤外線反射層からなる2層構造のスリーブが被覆された構成を採用することができる。
上記構成によると、基材の表面側に赤外線反射層を積層したスリーブを用いたので、赤外線反射層を薄くすることができ、赤外線反射層の薄型化に伴い、赤外線反射層が金属層の場合、定着ローラの定着弾性層の定着ニップ部における変形をさらに容易にし、十分なニップ幅を確保することができる。
また、前記定着ローラは、定着弾性層の外側に、赤外線反射層が形成された1層以上の構造のスリーブが被覆され、該スリーブの内径が前記定着弾性層の外径よりも大きい構成を採用することができる。
赤外線反射を目的とするスリーブは、少なからず赤外線の吸収によって加熱され、加熱されたスリーブの熱は定着弾性層に移動してしまう。しかし、赤外線反射層を備えたスリーブよりも、定着弾性層の外径が小さいので、スリーブとその内側の定着弾性層とが分離され、スリーブから定着弾性層への熱移動を少なくすることができる。スリーブは定着ニップ部付近においてのみ、弾性層と定着ベルトに接するようになるので、スリーブの熱をより多く定着ベルトに与えることができる。そのため、定着ベルトの加熱効率が向上する。
また、定着ベルトの内側に、定着ベルトを摺動案内する固定部材としてのベルトガイドが設けられた構成を採用することができる。
ベルトガイドを備えることによって、定着ベルトとハロゲンランプ等の発熱源とが接触するのを防止でき、定着ベルトの熱損傷のリスクを低減することができる。また、ハロゲンランプからの赤外線放射ムラにより、定着ベルトが局所的に熱膨張し歪みが発生したり、さらには、この定着ベルトの歪により、ハロゲンランプと接触あるいは蛇行するなどのリスクが発生するが、ベルトガイドを備えることにより、これらのリスクを低減することができる。
このリスクが低減するため、定着ベルトの基材には柔軟性の高い材料、例えばポリイミド樹脂を使用することができる。そのため、定着ベルトの柔軟性が高くなり、定着ニップ部における定着ローラの弾性層の変形が、定着ベルトの剛性によって阻害されるために生じる記録媒体の剥離性の低下を防止することができる。
また、ベルトガイドの内面に、発熱源から放射される赤外線を吸収する赤外線吸収層が形成された構成を採用するのが好ましい。これにより、ベルトガイドの内側の赤外線吸収層により反射率を抑えることで、一旦、ベルトガイドの内側に達した赤外線は、殆ど反射されることなく、ベルトガイドの加熱に寄与することになり、加熱されたベルトガイドは、接触している定着ベルトを熱伝導によって加熱することになる。
また、定着ローラの赤外線反射層の赤外線反射率が、前記ベルトガイドの赤外線反射率に比べて高く設定することが好ましい。上記構成によれば、発熱源から放射される赤外線が、定着ローラの赤外線反射層によって反射され、ベルトガイドの内側の赤外線吸収層に向かうことになり、定着ベルトに伝熱される熱効率をさらに良好にすることができる。
なお、定着ベルトは、定着ローラと接するベルト基材と、その表面に形成されるベルト弾性層と、その表面に形成されて記録媒体上のトナー像と接するベルト離型層とを含む構成を採用することができる。
これにより、定着ベルトの柔軟性が高くなり、定着ニップ部における定着ローラの弾性層の変形が、定着ベルトの剛性によって阻害されるのを防止でき、記録媒体の剥離性の低下を防止することができる。
このような定着装置は、記録媒体にトナー像を定着するときの定着性と省エネ性能に優れ、これらを搭載した画像形成装置は、記録媒体の剥離性に優れ、かつ省エネ性能に優れた画像を形成することができる。
以上のとおり、定着ローラの表層が金属層であるので、ハロゲンランプなどの発熱源からの輻射熱を反射し、定着ローラ定着弾性層が直接輻射熱を受けるのを防止することができ、定着弾性層の過熱損傷を防ぐことができる。
本発明の画像形成装置の概略構成図である。 本発明の第1の実施形態における定着装置の断面構成図である。 同じく定着ローラの断面図である。 本発明の第2の実施形態における定着ローラの断面図である。 本発明の第3の実施形態における定着装置の断面構成図である。 本発明の第4の実施形態における定着装置の断面構成図である。
以下、本発明の一実施形態である画像形成装置およびこれに搭載された定着装置を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、各形態に先行する形態において、既に説明している事項に対応している部分には同一の符号を付し、重複する説明を略する場合がある。また、各形態において、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。さらに、各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に、組合せることに支障がなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。さらにまた、各実施形態は本発明に係る技術を具体化するために例示するものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明に係る技術内容は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。
(画像形成装置について)
図1は、本発明の実施形態である画像形成装置100の構成を模式的に示す概略図である。画像形成装置100は、読み取った原稿の画像データやネットワークなどを介して送信された画像データに基づいて、用紙等の記録媒体に対して多色または単色の画像を形成する装置である。
画像形成装置100は、露光ユニット1、感光体ドラム3a〜3d、現像装置2a〜2d、帯電器5a〜5d、クリーニングユニット4a〜4d、中間転写ベルトユニット8、一次転写ローラ6a〜6d、二次転写ローラ11、定着装置12、記録媒体搬送路S1〜S3、給紙カセット10、手差し給紙トレイ20および排紙トレイ15を備えている。
画像形成装置100は、ブラック(K)およびカラー画像を色分解して得られる減法混色の3原色であるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色の各色相に対応した画像データを用いて、各色相に対応した各画像形成ユニットにおいて画像形成を行う。
各画像形成ユニットは、同様の構成であり、例えば、ブラック(K)の画像形成ユニットは、感光体ドラム3a、現像装置2a、帯電装置5a、一次転写ローラ6aおよびクリーニングユニット4aなどから構成される。シアン(C)の画像形成ユニットは、感光体ドラム3b、現像装置2b、帯電装置5b、一次転写ローラ6bおよびクリーニングユニット4bなどから構成される。マゼンタ(M)の画像形成ユニットは、感光体ドラム3c、現像装置2c、帯電装置5c、一次転写ローラ6cおよびクリーニングユニット4cなどから構成される。イエロー(Y)の画像形成ユニットは、感光体ドラム3d、現像装置2d、帯電装置5d、一次転写ローラ6dおよびクリーニングユニット4dなどから構成される。
これらの画像形成ユニットは、中間転写ベルトユニット8の中間転写ベルト7の移動方向Bに一列に配列されている。中間転写ベルト7は、4つの画像形成ユニットの上側で、一対のローラ71,72間に掛け渡しされている。
このような画像形成装置100においては、給紙カセット10に収納されている記録媒体を、二次転写ローラ11と中間転写ベルト7との間および定着装置12を経由して、排紙トレイ15に送るための略垂直方向に延びる第1の記録媒体搬送路S1が設けられている。
第1の記録媒体搬送路S1には、給紙カセット10内の記録媒体を一枚ずつ用紙搬送路S1内に繰り出すピックアップローラ161、繰り出された記録媒体を上方に向けて搬送する搬送ローラ251、搬送されてきた記録媒体を所定のタイミングで二次転写ローラ11と中間転写ベルト7との間に導くレジストローラ14、定着装置12を通過した後の記録媒体を搬送する搬送ローラ252、および、記録媒体を排紙トレイ15に排出する排紙ローラ253が配置されている。
画像形成装置100の内部には、手差し給紙トレイ20からレジストローラ14に至る間に、ピックアップローラ162および搬送ローラ254,255,256を配置した第2の記録媒体搬送路S2が形成されている。さらに、排紙ローラ253から第1の記録媒体搬送路S1におけるレジストローラ14の上流側に至る間には、第3の記録媒体搬送路S3が形成されている。
排紙ローラ253は、正逆両方向に回転自在にされており、記録媒体の片面に画像を形成する片面画像形成時、および、記録媒体の両面に画像を形成する両面画像形成における第2面の画像形成時に正転方向に駆動されて記録媒体を排紙トレイ15に排出する。
一方、両面画像形成における第1面の画像形成時には、排紙ローラ253は、用紙の後端が定着装置12を通過するまで正転方向に駆動された後、記録媒体の後端部を挟持した状態で逆転方向に駆動されて、記録媒体を、搬送ローラ257,258が配置された第3の記録媒体搬送路S3内に導く。これによって、両面画像形成時に片面のみに画像が形成された記録媒体は、表裏面および前後端を反転した状態で第1の記録媒体搬送路S1に導かれる。
(定着装置について)
図2は本発明の第1の実施形態である定着装置12の構成を模式的に示す断面図である。図3は定着ローラの拡大断面図である。
定着装置12は、定着部材である定着ローラ21と、加圧部材である加圧ローラ22と、無端状の定着ベルト23とを備える。定着ベルト23の内側に定着ローラ21が配置され、加圧ローラ22が定着ベルト23を介して定着ローラ21に対向するように配置されている。
この定着装置12は、定着ベルト23の内側には、ハロゲンランプからなる発熱源24が設けられ、この発熱源24から放射される輻射熱によって定着ベルト23が加熱され、定着ベルト23と加圧ローラ33とで形成する定着ニップ部Aを、所定の定着速度および複写速度で記録媒体が通過したとき、記録媒体上に担持されている未定着のトナー像を記録媒体上に加熱加圧して定着するベルト定着方式を採用する。
本例のベルト定着方式の定着装置12は、熱容量が小さい定着ベルト23をハロゲンランプ等の発熱源で加熱する構成であるので、ウォームアップ時間が短く、かつ、消費電力の増大を抑えて省エネ化が達成できる。
なお、未定着のトナー像は、例えば、非磁性一成分現像剤(非磁性トナー)、非磁性二成分現像剤(非磁性トナーおよびキャリア)、磁性現像剤(磁性トナー)などの現像剤(トナー)によって形成される。また、定着速度とは所謂プロセス速度であり、複写速度とは、1分間当たりのコピー枚数のことである。また、記録媒体が定着ニップ部Aを通過するときには、定着ベルト23は、記録媒体のトナー像担持面に当接するようになっている。
定着ローラ21は、略円筒形の形状を有するローラ状の部材であり、略円筒形の中心軸から外周に向かって定着芯金25、および定着弾性層26、最外層に赤外線反射層として金属層27が形成されている3層構造である。
定着芯金25には、鉄、ステンレス鋼、アルミニウムまたは銅などの金属あるいは、それらの合金などが用いられる。定着弾性層26には、シリコーンゴムまたはフッ素ゴムなどの耐熱性を有するゴム材料が適している。この定着弾性層26のアスカーC(ASKER C)硬さは20〜40度に設定されるのが好ましい。赤外線反射層である金属層27は、ステンレス鋼、銅、Ni(ニッケル)などの赤外線の反射率が比較的高く、酸化などにより変化しにくい材料が好ましい。
本例では、定着ローラ21の直径は30mmである。定着芯金25には、直径15mmのステンレス鋼が用いられ、定着弾性層26には、アスカーC硬さが25度で、厚さ7.5mmのシリコーンスポンジゴムが用いられる。金属層27には、厚み0.05mmのステンレス製のチューブベルトを用い、定着弾性層26に被覆する。金属層27は、ハロゲンランプ24からの輻射熱を反射する作用によって、スポンジローラである定着弾性層26の表層が直接輻射熱を受けることを防止することができ、定着弾性層26の過熱損傷を防ぐ効果がある。
定着ローラ21は、略円筒形の中心軸を中心として回転可能に設けられ、加圧部材である加圧ローラ22の回転に従動して回転する。定着ローラ21が、定着ベルト23を介して加圧ローラ22に圧接することによって、定着ベルト23を介して、定着ローラ21と加圧ローラ22とが互いに当接する部分である定着ニップ部Aが形成される。
加圧ローラ22は、図2に示すように、略円筒形の形状を有するローラ状の部材であり、略円筒形の中心軸から外周に向かって、加圧芯金28、加圧弾性層29および加圧離型層30が形成される3層構造である。
加圧芯金28には、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅などの金属、あるいは、それらの合金などが用いられる。加圧弾性層29には、シリコーンゴムまたはフッ素ゴムなどの耐熱性を有するゴム材料が適している。加圧離型層30にはPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)またはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂が適している。
本例では、加圧ローラ22の直径が30mmである。加圧芯金28には、直径46mm、肉厚1mmの鉄(STKM:機械構造用炭素鋼鋼管)が用いられる。加圧弾性層29には、アスカーC硬さが60度で、厚さ2mmのシリコーンソリッドゴムが用いられる。加圧離型層30には、厚さ50μmのPFAチューブが用いられる。
加圧ローラ22の内部には、加熱源である加圧ローラ用ヒータランプ31が配置される。この加圧ローラ用ヒータランプ31は、加圧ローラ22を加熱する。図示しない制御回路が図示しない電源回路から加圧ローラ用ヒータランプ31に電力を供給(通電)させることによって、加圧ローラ用ヒータランプ31が発光し、加圧ローラ用ヒータランプ31から赤外線が放射される。加圧ローラ22は、その内部が加圧ローラ用ヒータランプ31から放射される赤外線を吸収することによって、加圧ローラ全体が加熱される。本例では、定格電力300Wの加圧ローラ用ヒータランプが使用される。
加圧ローラ22は、略円筒形の中心軸を中心として回転可能に設けられる。加圧ローラ22は、図示しない駆動手段である駆動モータによって回転駆動するローラ状部材である。定着ローラ21は、定着ベルト23を介して加圧ローラ22に圧接することで定着ニップ部Aを形成すると同時に、従動回転することによって定着ベルト23を搬送する。
定着ローラ21と加圧ローラ22とは、所定の荷重、たとえば700Nで互いに圧接される。定着ローラ21と加圧ローラ22とが圧接されると、定着ニップ部Aが形成される。本例では、定着ニップ部Aの記録媒体搬送方向の幅(以下、「定着ニップ幅」という)は7mmである。定着ニップ部Aには、未定着のトナー像Tを担持した記録媒体が給紙される。記録媒体Pが定着ニップ部Aを通過することによって、記録媒体Pにはトナー像が定着される。記録媒体Pが定着ニップ部Aを通過する際、定着ベルト23は、記録媒体Pのトナー像担持面に当接し、加圧ローラ22は、記録媒体におけるトナー像担持面とは反対側の面に当接する。
定着ベルト23は、直径が40mmである。定着ベルト23は、図2に示すように、ベルト基材33と、該ベルト基材33の表面に形成されるベルト弾性層34と、該ベルト弾性層の表面に形成されるベルト離型層35とを含み、さらに定着ベルト23の内側には赤外線吸収層36が設けられた4層構造となっている。
この定着ベルト23のベルト基材33を形成する材料としては、耐熱性および耐久性に優れた耐熱性合成樹脂、または、ステンレスおよびニッケルなどの金属材料が用いられる。耐熱性合成樹脂の中でも、ポリイミド(PI)が好ましい。ベルト基材33の厚さは、ポリイミドなどの樹脂材料を用いる場合には50〜90μmが好ましく、金属材料を用いる場合には30〜70μmが好ましい。本例では、ベルト基材33として、ニッケルが用いられ、その厚さは40μmとなっている。
定着ベルト23のベルト弾性層34を構成する材料は、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないが、さらに耐熱性にも優れるものが好ましい。例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコンゴムなどが用いられるが、これらの中でも、特にゴム弾性に優れるシリコーンゴムが好ましい。
定着ベルト23のベルト弾性層34の厚さは、150〜300μmであることが好ましい。この厚さの範囲内であれば、ベルト弾性層34の弾性効果を維持しつつ、断熱性を低く抑えることができるので、省エネルギー効果が発揮される。また、このベルト弾性層34のJIS−A硬さは30度以下である。本例では、ベルト弾性層34として、JIS−A硬さが25度で、厚さ200μmのシリコーンゴムが使用される
定着ベルト23のベルト離型層35は、PFAまたはPTFEなどのフッ素樹脂からなる層であり、その厚さは10〜50μmである。本例では、ベルト離型層35として、厚さ30μmのPFAチューブが使用される。
定着ベルト23の内部には、発熱源としてヒータランプ24が配置される。図示しない制御回路が、図示しない電源回路からヒータランプに電力を供給(通電)させることによって、ヒータランプが発光し、ヒータランプ24から赤外線が放射される。定着ベルト23の内側の赤外線吸収層36がヒータランプ24から放射される赤外線を吸収することによって、定着ベルト23が加熱される。本例では、定格電力1200Wのヒータランプが使用される。
上記構成においては、定着ローラ21の定着弾性層26としてシリコーンゴムを使用した場合、シリコーンゴムの赤外線吸収率が90%以上あり、赤外線の輻射熱を吸収して温度上昇しやすい性質があるが、定着ローラ21の表層を金属層27とし、ハロゲンランプ24などの発熱源からの輻射熱を反射する作用を有するので、定着ローラ21の弾性層であるシリコーンゴムが直接輻射熱を受けることを防ぐことができ、シリコーンゴム表層の過熱損傷を防ぐことができる。
また、従来のベルト定着方式の定着装置に使用される定着ローラでは、金属ローラ(芯金)の表層にゴム材料からなる定着弾性層がコーティングされており、定着弾性層の断熱によって、金属ローラの加熱を防いでいるが、ゴム材料は金属材料に比べて赤外線の反射率が低く、ハロゲンランプの輻射熱を受けると、そのまま吸収してしまうので、定着ローラに接する定着ベルト内部の加熱効率が低下する課題がある。
また、従来のベルト定着方式の定着装置に使用される定着ローラにおいて、金属ローラの金属層が厚い場合は、定着ローラの変形が不十分となり、必要なニップ幅が得られず、定着が不足する課題がある。逆に、金属ローラの金属層が薄い場合は、変形しても定着ニップ部の面圧が低くなり、記録媒体の凹凸に追従できず、微細な光沢ムラが発生したり、また、記録媒体がエンボス紙の場合、エンボス紙の凹部分の定着不良が生じる課題があった。このように、従来のベルト定着方式の定着装置に使用される定着ローラでは、ニップ幅の確保と、面圧の確保の両立が難しいといった課題があった。
これに対して、本例の定着装置12に使用される定着ローラ21は、その表層が赤外線反射層である金属層27で被覆されており、表層の赤外線反射率が高いので、定着ローラ21がハロゲンランプ24からの輻射熱を受けても、これを吸収せずに反射して定着ベルトを加熱する作用がある。また、表層の金属層27が、輻射熱や、定着ニップ部Aで定着ベルト23からの熱伝導により加熱されても、金属層27の内側スポンジ層(弾性層)の断熱作用によって、定着ローラ21の内部まで熱が伝達しにくい作用がある。さらに、定着ベルト23の内側にある赤外線吸収層36によって、一旦定着ベルト23の内側に達した赤外線は、殆ど反射されること無く定着ベルト23の加熱に寄与する。
金属層27としては、アルミニウム、銀、金などの赤外線反射率が高い材料や、ニッケルやスチールなど赤外線反射率が吸収率を上回りかつ機械的強度が高い材料が適している。本例では厚み50um、内径φ30.25mmのスチールベルトを外径φ30mmの定着弾性層に被覆したものが用いられる。
このように、定着ローラ21の表層は、赤外線の反射率が定着ベルト23の内側の反射率に比べて高いことなどによって、発熱源であるハロゲンランプからの輻射熱を効率よく定着ベルト23の加熱に利用することができるので、省エネ性能に優れた定着装置12を提供することができる。
また、定着ローラ21のスポンジ層(弾性層)の変形によって、定着ローラ21の表層に金属層27があっても、十分な定着ニップ幅Aが得られるとともに、面圧も確保できるので、定着ニップ幅の確保と面圧の確保とを両立することができる。
(第2の実施形態)
図4は第2の実施形態における定着ローラの断面図である。図に示すように、定着ローラ21は、中心軸から外周に向かって、定着芯金25、定着弾性層26からなる2層構成の定着ローラに、樹脂製の基材27aに表層が赤外線反射層である金属層27である2層構成のスリーブを被覆することによって、4層構成の定着ローラとしたものである。
樹脂製の基材27aがスリーブに必要な機械的強度を保持する役割を果たせるので、金属層27は機械的強度が必要なく、赤外線反射率が高い材料を選定することができる。
円筒状の基材27aは、厚み50〜90μm程度の耐熱性および耐久性に優れた耐熱性合成樹脂、例えば、ポリイミド(PI)が用いられ、金属層27としては、5〜50μmのアルミニウムが用いられている。
上記構成においては、基材27aと金属層27との2層構成のスリーブを用いているので、金属層単一のスリーブに比べ、ハロゲンランプの赤外線を反射する作用は保ちつつ、金属層27を薄くすることができる。金属層27を薄くすると、定着弾性層26(スポンジ層)の変形がさらに容易になり、十分な定着ニップ幅を確保することができる。そのため、定着温度を下げることができ、また、定着ニップ部Aから出た部分における定着弾性層(スポンジ層)の変形戻りが速くなり、記録媒体の剥離性を向上することができる。
(第3の実施形態)
図5は第3の実施形態を示す定着装置の断面図である。図に示すように、定着ローラ21は、中心軸から外周に向かって、定着芯金25、定着弾性層26からなる2層構成の定着ローラに、赤外線反射層である金属層27である1層構成のスリーブを被覆することによって、3層構成の定着ローラとしたものである。
ここで、定着弾性層26の外径よりも、金属層27の内径が大きく、金属層27が定着弾性層26に殆ど密着しないようにしている。
上記構成によると、定着弾性層26としてシリコーンゴム等のゴムを採用した場合、赤外線の吸収によって加熱された金属層27からの熱伝導によるシリコーンゴムへの熱移動を少なくすることができる。そして、加熱された金属層27の熱は、定着ニップ部分において、定着ベルト23を通じて、記録媒体(用紙)上のトナーに伝達する。
このように、金属層27の熱は、記録媒体(用紙)上のトナーの加熱に役立てることができ、加熱効率が向上する。例えば、2層構成の定着ローラの外径がφ27mm、金属層27の内径がφ30mmとすると、加熱時の定着弾性層26の熱膨張があったとしても、金属層27が定着弾性層26に殆ど密着しないようにすることができる。
(第4の実施形態)
図6は第4の実施形態を示す定着装置の断面図である。本例では、定着ベルト23の内側に、定着ベルト23が摺動案内される固定部材としてベルトガイド38が設けられている。ベルトガイド38は、定着ベルト23の内側で、定着ローラ21の配置位置、より詳しくは定着ニップ部Aを除いて配置される。
したがって、ベルトガイド38の断面形状は定着ニップ部Aが開放した断面C字形に形成されている。ベルトガイド38の断面形状は、定着ベルト23の摺動性を向上させるため真円形状が好ましいが、これに限定されるものではなく、楕円形状、その他の形状であってもよい。
ベルトガイド38の内側には、発熱源であるハロゲンランプ24が配設されている。このベルトガイド38の配置は、定着ベルト23がハロゲンランプ24に接触するのを防止する機能を備えている。
ベルトガイド38の素材はアルミニウム、ステンレス鋼などの金属が好ましく、ベルトガイド38の内側には、ハロゲンランプ24から放射される赤外線に対して吸収率の高い赤外線吸収層39が設けられている。赤外線吸収層39は、公知の被膜または塗料等によって形成することができる。
本例では、定着ベルト23の内面側のほとんどを摺動案内するベルトガイド38の内側に赤外線吸収層39を設けたので、定着ベルト23は、ベルト基材33、ベルト弾性層34およびベルト離型層35の3層構造としている。
また、ベルトガイド38と定着ローラ21の赤外線反射率を対比した場合、ベルトガイド38の赤外線吸収層39により、定着ローラ21の表面側の金属層27の赤外線反射率の方が高くなっている。
また、本例では、ベルトガイド38は、厚さ0.5mmのステンレス鋼が用いられている。なお、定着ベルト23と接するベルトガイド38の表層には、フッ素樹脂コートを施すことで、摺動性を高めるようにしても良い。
上記構成において、ハロゲンランプ24から放射される赤外線はベルトガイド38の内側にある赤外線吸収層39により吸収されてベルトガイド38を加熱する。そのため、ベルトガイド38に接触して摺動する定着ベルト23は、ベルトガイド38からの熱伝導によって伝熱され加熱されることになる。
このとき、ベルトガイド38を備えることによって、定着ベルト23とハロゲンランプ24とが接触することを防止することができ、定着ベルト23の熱損傷を低減することができる。また、ハロゲンランプ24から放射された赤外線による定着ベルト23への加熱は、一旦、ベルトガイド38で吸熱された後、ベルトガイド38からの熱伝導により定着ベルト23に伝熱される。そのため、ハロゲンランプ24からの赤外線放射ムラによる定着ベルト23の局所的な熱膨張に起因して、定着ベルト23に歪みが発生したり、この歪により定着ベルト23が蛇行したりするリスクを低減することができる。
このリスク低減により、定着ベルト23は、その基材33に柔軟性の高い材料、例えばポリイミド樹脂を使用することができる。そのため、定着ニップ部Aにおける定着ローラ21の定着弾性層26(スポンジ層)の変形が、定着ベルト23の剛性によって阻害されることで起こる記録媒体Pの剥離性の低下を防止することができる。
また、定着ローラ21の表層の赤外線反射率を高くすることで、定着ローラ21がハロゲンランプ24などの発熱源からの赤外線の輻射熱を受けても吸収されずに反射し、その赤外線の反射によって定着ベルト23やベルトガイド38を効率良く加熱することができる。
このように、定着ローラ21表層の赤外線の反射率が定着ベルト23の内側の反射率に比べて高いことによって、発熱源からの輻射熱を効率よく定着ベルト23の加熱に利用することができるので、省エネ性能に優れた定着装置を提供することができる。
そして、上記のような、剥離性と省エネ性に優れた定着装置12を搭載した画像形成装置100では、剥離性と省エネ性能に優れた画像を形成することができる。
12 定着装置
21 定着ローラ
22 加圧ローラ
23 定着ベルト
24 ハロゲンランプからなる発熱源
25 定着芯金
26 定着弾性層
27 赤外線反射層(金属層)
28 加圧芯金
29 加圧弾性層
30 加圧離型層
31 加圧ローラ用ヒータランプ
33 ベルト基材
34 ベルト弾性層
35 ベルト離型層
36 赤外線吸収層
38 ベルトガイド

Claims (9)

  1. ローラ形状に形成された定着ローラと、無端状の定着ベルトと、加圧部材と、前記定着ベルトの内側に配設されて赤外線を放射する発熱源とを備え、前記定着ベルトの内側に前記定着ローラが配置され、前記加圧部材が前記定着ベルトを介して前記定着ローラに圧接され、前記加圧部材と前記定着ベルトとの間に記録媒体が通過する定着ニップ部が設けられたベルト定着方式の定着装置であって、前記定着ローラは、定着弾性層を備え、その表層側に赤外線を反射する赤外線反射層として金属層を有することを特徴とする定着装置。
  2. 前記赤外線反射層の反射率が、赤外線反射層と接する前記定着ベルトの内面側の基材の赤外線に対する反射率に比べて高い請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着ローラが、中心軸より外側に向かって順次配列された、芯金層、定着弾性層、基材層および前記赤外線反射層の4層から構成されている、請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記定着ローラは、前記芯金層および前記定着弾性層の2層構造の外周に、前記基材層および前記赤外線反射層からなる2層構造のスリーブが被覆されている、請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記定着ローラは、前記定着弾性層の外側に、前記赤外線反射層を備えた1層以上の構造のスリーブが被覆されており前記スリーブの内径が前記定着弾性層の外径よりも大きい請求項3または4に記載の定着装置。
  6. 前記定着ベルトの内側に、定着ベルトを摺動案内する固定部材としてのベルトガイドが設けられた請求項1〜5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記定着ローラの赤外線反射層としての金属層の赤外線反射率が、前記ベルトガイドの内面側の赤外線反射率に比べて高い、請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記定着ベルトは、前記定着ローラと接するベルト基材と、前記ベルト基材の表面側のベルト弾性層と、前記ベルト弾性層の表面側において記録媒体上のトナー像と接するベルト離型層とを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の定着装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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