JP5977889B2 - モノリス多孔体カラム - Google Patents
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Description
本発明は、3次元連続網目状構造の骨格体を有するモノリス多孔体ロッドの外周側面を金属管で被覆してなるモノリス多孔体カラムに関し、特に、モノリス多孔体を分離材として用いた濾過、抽出、分離等の目的で使用されるモノリス多孔体カラムに関する。
3次元連続網目状構造の骨格体で構成されるモノリス多孔体は、当該骨格体が高い比表面積を有するためカラム(分離媒体)としての使用が可能な材料である。モノリス多孔体をカラムとして効率良く使用するために、例えば、モノリス多孔体を円柱状のロッドに成形し、当該ロッドの外周側面とパイプ等の被覆物の内壁面が隙間なく接合し、当該被覆物で周囲を囲まれたロッド内を、濾過、抽出、分離等の対象となる流体が通流可能な構造とすることが好ましい。尚、3次元連続網目状構造の骨格体の周囲の空間は、モノリス多孔体の貫通孔またはマクロポアと呼ばれており、骨格体自体にその表面から内部に向かって細孔(メソポアとも呼ばれる)が形成されている場合は、当該モノリス多孔体は2段階の階層的多孔構造を有することになる。
掛かる被覆構造の実用に供されているカラムとして、下記の特許文献1〜3等に開示されているような、合成樹脂等の有機物またはガラス等の無機酸化物を加熱して溶融させ、ロッドの外周側面に圧着させて、当該側面に存在する貫通孔をシールし、冷却して被覆することにより作成されたカラムが存在する(以下、第1の従来カラムと称する)。
上記の他に、下記の非特許文献1等に開示されているような、ガラス等で作製された細いキャピラリー管内でモノリス多孔体を直接合成することにより、モノリス多孔体の外周側面とキャピラリー管の内壁面が接合したカラムも存在する(以下、第2の従来カラムと称する)。
Masanori Motooka, et al., "Monolithic silica columns with various skeleton sizes and through-pore sizes for capillary liquid chromatography", Journal of Chromatography A, 961 (2002) pp.53-63
上述の第1の従来カラムは、高速液体クロマトグラフィー(High Perfornamce Liquid Chromatography:HPLC)や超高性能液体クロマトグラフィー(Ultra High Performance Liquid Chromatography:UPLCまたはUHPLC)で使用され、HPLCでは最大400気圧、UPLCでは最大1000気圧程度の高圧下での使用が想定される。
ここで、被覆物としてガラスや合成樹脂等を用いた第1の従来カラムは強度が低く、200気圧を超える高圧下での分離は不可能である。具体的には、掛かる高圧下での分離では、被覆物がガラスの場合は当該ガラスが破砕する虞があり、被覆物が合成樹脂の場合は、被覆物が圧力により変形してモノリス多孔体ロッドと被覆物の間に貫通孔径より大きな隙間が発生し、分離したい成分がモノリス多孔体内部を通過せずにバイパスしてしまうため、カラムとして機能しない虞がある。
更に、HPLCやUPLCではカラムオーブン等を用い概ね90℃の温度下で分離を行う場合もあるため、被覆物が合成樹脂の場合では、加熱により被覆物の耐圧性が著しく低下する虞もある。
更に、上記第2の従来カラムは、キャピラリー管内でスピノーダル分解ゾルゲル法によりモノリス多孔体を直接合成するため、作製できるカラム内径は概ね250μmが上限である。詳細には、スピノーダル分解ゾルゲル法で合成したモノリス多孔体は重縮合過程において収縮するため、キャピラリー管内壁と共有結合した骨格体は、収縮による力を受けることになる。この結果、キャピラリー管の内径が概ね250μm以下であれば、収縮に掛かる力がモノリス多孔体の網目状骨格体を支える力を超えないが、内径が250μmを上回ると、キャピラリー管内壁と共有結合した骨格体が伸びてしまうか、物理的に切断され隙間が発生する。従って、上記第2の従来カラムは、カラム内径の制約から、処理能力に制限があり、用途が限定される。
上述のような過酷条件下での分離には、モノリス多孔体ロッドを被覆する被覆物として機械強度に優れた金属管を使用することが好ましいが、モノリス多孔体ロッドを金属管で被覆したモノリス多孔体カラムは、現状では存在しない。このことは、3次元連続網目状構造のモノリス多孔体として、上記特許文献1〜3等においても一般的に使用されているシリカゲルベースの骨格体等のセラミックス製の骨格体のモノリス多孔体は、非可塑性で脆性破壊し易いため、また、高い寸法精度で加工するのが困難であったため、モノリス多孔体ロッドを金属管で被覆してモノリス多孔体カラムを作製することが、長年に亘り不可能或いは極めて困難であると考えられていたものと推察される。
一方、金属管内にビーズ状の多孔質担体を多数充填した従来のカラムは、上述のようなシール性能の低下や耐圧の問題は生じない。しかし、多孔体がビーズ状であることに起因する種々の問題が生じる。一例として、処理対象の流体は、ビーズ状の多孔体間の隙間を通流することになるが、当該隙間による狭窄箇所が多数存在し、モノリス多孔体の貫通孔と比べて流路抵抗が大きいため、当該流体の圧力損失の増加が問題となる。モノリス多孔体カラムでは、当該圧力損失等の多孔体がビーズ状であることに起因する問題は解消される。また、スピノーダル分解ゾルゲル法で合成したモノリス多孔体では、貫通孔径及び骨格体に形成される細孔径の制御が容易であり、多孔体がビーズ状のカラムに対して、機能的に優れたカラムを提供することができる。
本発明は、上述の従来のカラムの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、例えば200気圧を超える高圧下での使用等の過酷条件下で使用可能な高機能のモノリス多孔体カラムを提供することにある。
本願発明者等は、鋭意研究により、従来、作製が不可能或いは極めて困難と思われていた脆性破壊し易いセラミックス等の無機材料のモノリス多孔体であっても、一定の寸法精度で円柱状のモノリス多孔体ロッドに加工または成形でき、モノリス多孔体ロッドを弾性変形範囲内で0.01mm以上収縮させることで、当該収縮時の応力により、モノリス多孔体ロッドの外周側面が金属管の内壁面を押圧することで、モノリス多孔体ロッドを、モノリス多孔体の3次元連続網目状構造を維持した状態で金属管内に固定でき、且つ、モノリス多孔体ロッドの外周側面と金属管の内壁面を実質的に隙間なく、即ち隙間があってもモノリス多孔体ロッドの貫通孔径以下で、接合し得ることを見出した。更に、モノリス多孔体ロッドを弾性変形範囲内で収縮させる手法として、金属管を加熱してその内径を拡大させた状態で、金属管の加熱前の内径より大きい初期直径のモノリス多孔体ロッドを金属管内に挿通した後に、金属管を冷却することで、金属管の加熱前の内径とモノリス多孔体ロッドの初期直径を適切に選択することで、モノリス多孔体ロッドを弾性変形範囲内で収縮させることが可能であることを見出した。また、モノリス多孔体ロッドの材料として、上述の無機材料以外に、有機無機ハイブリッド材料も、モノリス多孔体ロッドを弾性変形範囲内で収縮させることで、当該収縮時の応力により、モノリス多孔体ロッドの外周面が金属管の内壁面を押圧することで、モノリス多孔体ロッドを、モノリス多孔体の3次元連続網目状構造を維持した状態で金属管内に固定でき、且つ、モノリス多孔体ロッドの外周側面と金属管の内壁面を実質的に隙間なく接合し得ることを見出した。尚、無機材料及び有機無機ハイブリッド材料として、弾性変形可能で、且つ、金属管を加熱してその内径をモノリス多孔体ロッドの弾性変形範囲内で収縮する直径の変化量以上の増分で拡大させるのに必要な加熱温度以上の耐熱性を有するものを利用する。
より具体的には、上記目的を達成するための本発明に係るモノリス多孔体カラムは、無機材料または有機無機ハイブリッド材料からなる3次元連続網目状構造の骨格体を有し外形が円柱状であるモノリス多孔体ロッドと、前記モノリス多孔体ロッドの外周側面を全周に亘り被覆する円筒状の金属管とを、同軸上に備えたモノリス多孔体カラムであって、
前記モノリス多孔体ロッドの円柱軸心方向に沿って区分される複数の区間の少なくとも一部の区間において、前記金属管に被覆されていない状態での前記モノリス多孔体ロッドの前記軸心方向に垂直な円形断面の直径である初期直径が対応する前記区間の前記金属管の内径より大きく、且つ、前記金属管に被覆されている状態で前記骨格体が弾性変形の範囲内で収縮することで、当該被覆状態の前記モノリス多孔体ロッドの前記円形断面の直径である被覆直径が前記初期直径より小さくなり、前記モノリス多孔体ロッドの外周側面上の前記骨格体が全周に分散して前記金属管の内壁面と接触し、且つ、前記初期直径から前記被覆直径を差し引いた直径収縮量が0.01mm以上であり、且つ、前記モノリス多孔体ロッドの円柱軸心を中心とする回転方向である周方向における前記初期直径のバラツキ幅が前記直径収縮量以下であり、
前記骨格体が、前記金属管の内径が熱膨張により前記直径収縮量以上の増分で拡大するのに必要な加熱温度以上の耐熱性を有することを特徴とする。
前記モノリス多孔体ロッドの円柱軸心方向に沿って区分される複数の区間の少なくとも一部の区間において、前記金属管に被覆されていない状態での前記モノリス多孔体ロッドの前記軸心方向に垂直な円形断面の直径である初期直径が対応する前記区間の前記金属管の内径より大きく、且つ、前記金属管に被覆されている状態で前記骨格体が弾性変形の範囲内で収縮することで、当該被覆状態の前記モノリス多孔体ロッドの前記円形断面の直径である被覆直径が前記初期直径より小さくなり、前記モノリス多孔体ロッドの外周側面上の前記骨格体が全周に分散して前記金属管の内壁面と接触し、且つ、前記初期直径から前記被覆直径を差し引いた直径収縮量が0.01mm以上であり、且つ、前記モノリス多孔体ロッドの円柱軸心を中心とする回転方向である周方向における前記初期直径のバラツキ幅が前記直径収縮量以下であり、
前記骨格体が、前記金属管の内径が熱膨張により前記直径収縮量以上の増分で拡大するのに必要な加熱温度以上の耐熱性を有することを特徴とする。
ところで、前記モノリス多孔体ロッドの外周側面は、3次元連続網目状構造の骨格体を有するモノリス多孔体を円柱状に加工または作製した際の、前記骨格体の外周側面上の断面と、貫通孔の当該外周側面に露出する部分で構成される。従って、前記モノリス多孔体ロッドの外周側面は、連続的な円柱面として観念され、その表面には、前記貫通孔の露出面も含まれるが、前記金属管の内壁面と接触し得る物理的な実体は前記骨格体の外周側面上の断面である。また、前記モノリス多孔体ロッドの円形断面の外周も、連続的な円形として観念されるが、前記骨格体の外周側面上の断面と、前記貫通孔の当該外周側面に露出する部分の夫々の当該円形断面で切断された部分で構成される。
更に、上述のように、前記モノリス多孔体ロッドの外周側面には貫通孔が露出するため、当該外周側面での骨格体と金属管の内壁面との接触では、上述の実質的な接触を意味し、仮に骨格体と金属管の内壁面との間に隙間があっても貫通孔径以下であれば、当該隙間は、モノリス多孔体ロッドの一部と見做せるため、実質的な問題が生じない。また、骨格体と金属管が隙間なく接触している場合も、当該接触は、両者が直接共有結合することではなく、単なる物理的な接触である。
更に、上記特徴のモノリス多孔体カラムは、前記複数の区間の全てにおいて、前記初期直径が対応する前記区間の前記金属管の内径より大きく、且つ、前記金属管に被覆されている状態で前記骨格体が弾性変形の範囲内で収縮することで、前記被覆直径が前記初期直径より小さくなり、前記モノリス多孔体ロッドの外周側面上の前記骨格体が全周に分散して前記金属管の内壁面と接触し、且つ、前記直径収縮量が0.01mm以上であり、且つ、前記初期直径の前記周方向のバラツキ幅が前記直径収縮量以下であることが好ましい。
更に、上記特徴のモノリス多孔体カラムは、前記初期直径の前記軸心方向におけるバラツキ幅が0.07mm以下であり、前記金属管の内径の前記軸心方向及び前記周方向におけるバラツキ幅が0.01mm以下であることが好ましい。更に、前記初期直径の前記軸心方向におけるバラツキ幅が0.03mm以下であることが、より好ましい。
更に、上記特徴のモノリス多孔体カラムは、前記直径収縮量が前記初期直径の2%以下であることが好ましい。
更に、上記特徴のモノリス多孔体カラムは、前記骨格体が、100℃以上の耐熱性を有していることが好ましい。
更に、上記特徴のモノリス多孔体カラムは、前記モノリス多孔体ロッドが、スピノーダル分解ゾルゲル法で作製されたモノリス多孔体で構成されていることが好ましい。
更に、上記目的を達成するための本発明に係るモノリス多孔体カラムの製造方法は、上記特徴のモノリス多孔体カラムの製造方法であって、
3次元連続網目状構造の骨格体を有し前記骨格体の外形が円柱状のモノリス多孔体ロッドを準備する工程と、前記骨格体の外周側面を全周に亘り被覆する円筒状の金属管を準備する工程と、前記金属管を常温から加熱して、熱膨張により、前記金属管の内径を前記モノリス多孔体ロッドの直径より大きくなるように拡張させる工程と、内径が拡張した前記金属管の内部に、前記モノリス多孔体ロッドを挿入した後に、前記金属管を前記常温まで冷却する工程と、を有することを特徴とする。
3次元連続網目状構造の骨格体を有し前記骨格体の外形が円柱状のモノリス多孔体ロッドを準備する工程と、前記骨格体の外周側面を全周に亘り被覆する円筒状の金属管を準備する工程と、前記金属管を常温から加熱して、熱膨張により、前記金属管の内径を前記モノリス多孔体ロッドの直径より大きくなるように拡張させる工程と、内径が拡張した前記金属管の内部に、前記モノリス多孔体ロッドを挿入した後に、前記金属管を前記常温まで冷却する工程と、を有することを特徴とする。
更に、上記特徴のモノリス多孔体カラムの製造方法は、前記モノリス多孔体ロッドが、前記モノリス多孔体ロッドを準備する工程が、前記モノリス多孔体ロッドの初期直径の3倍より大きい直径の第1のモノリス多孔体を、スピノーダル分解ゾルゲル法で作製する工程と、前記第1のモノリス多孔体から、前記初期直径より直径の大きい円柱状の第2のモノリス多孔体をくり抜き、くり抜いた前記第2のモノリス多孔体を旋盤加工して直径が前記初期直径となる前記モノリス多孔体ロッドを作製する工程を含むことが好ましい。
上記特徴のモノリス多孔体カラムまたはその製造方法によれば、3次元連続網目状構造の骨格体を有するモノリス多孔体ロッドを機械強度に優れた金属管で被覆して、モノリス多孔体ロッドの外周側面と金属管の内壁面が実質的に隙間なく接合した、過酷条件下で使用可能な高機能のモノリス多孔体カラムを提供することができる。
ここで、モノリス多孔体ロッドの円柱軸心方向に沿って区分される複数の区間の少なくとも一部の区間において、モノリス多孔体ロッドの初期直径が、金属管の内径より大きいため、モノリス多孔体ロッドが弾性変形してその直径が縮小しない限り、モノリス多孔体ロッドは金属管に内装されることはない。しかし、骨格体が、金属管の内径が熱膨張により初期直径と被覆直径の差以上の増分で拡大するのに必要な加熱温度以上の耐熱性を有することで、加熱状態の直径が拡張された金属管内に、モノリス多孔体ロッドを、骨格体が当該加熱状態で破損或いは変質することなく挿入することができるため、挿入後に金属管を元の常温にまで冷却することで、モノリス多孔体ロッドを、金属管内において弾性変形の範囲内で収縮させることができる。
モノリス多孔体ロッドの直径が、金属管内において弾性変形の範囲内で前記初期直径のバラツキ幅以上の0.01mm以上収縮しているので、高い寸法精度で加工が可能な金属管の内壁面に対して、骨格体を全周に分散して実質的に隙間なく接触することができる。尚、モノリス多孔体ロッドの初期直径と被覆直径の差の上限は、当該被覆直径の収縮が弾性変形の範囲内であること、或いは、骨格体の耐熱温度の制限によって決定される。
尚、上記少なくとも一部の区間では、モノリス多孔体ロッドの直径が金属管内において弾性変形の範囲内で前記初期直径のバラツキ幅以上の0.01mm以上収縮するので、外周側面上の骨格体と金属管の内壁面間が実質的に接触しているので、当該区間の上流側と下流側の間で、モノリス多孔体ロッド内を通流する処理対象の流体が、モノリス多孔体ロッドと金属管の内壁面との間の隙間を通過して未処理のままモノリス多孔体ロッドをバイパスするのを回避できる。
そして、前記モノリス多孔体ロッドの前記初期直径の前記軸心方向におけるバラツキ幅が0.07mm以下であれば、前記軸心方向の一部区間において、モノリス多孔体ロッドと金属管の内壁面との間に隙間が生じる区間ができても、その他の区間で、確実に上述のバイパスを防ぐことができ、しかも、初期直径と被覆直径の差が0.01mmを超えて増加する区間においても、モノリス多孔体ロッドの直径が、金属管内において弾性変形の範囲内で収縮した状態が維持される。
ここで、上記少なくとも一部の区間で、モノリス多孔体ロッドの外周側面と金属管の内壁面が実質的に隙間なく接合することで、当該区間では、上述のバイパスが回避され、処理対象の流体が確実にモノリス多孔体ロッド内を通流するため、モノリス多孔体カラムの本来の機能を或る程度奏することができる。ここで、モノリス多孔体カラムが、処理対象の流体が完全にモノリス多孔体ロッドをバイパスすることを少なくとも回避するためには、モノリス多孔体ロッドの外周側面と金属管の内壁面が実質的に隙間なく接合している区間の長さとして、モノリス多孔体ロッドの貫通孔径の10倍乃至100倍程度の長さは最低限必要であり、更に、当該本来の機能を奏するという目的に沿って言えば、モノリス多孔体ロッドの外周側面と金属管の内壁面が実質的に隙間なく接合している少なくとも一部の区間の各長さの総和は長い方が好ましい。つまり、少なくとも一部の区間の意味するところは、モノリス多孔体ロッドの軸心方向の一部の区間で、モノリス多孔体ロッドの外周側面と金属管の内壁面が実質的に隙間なく接合していない場合が許容され得るということである。
本発明に係るモノリス多孔体カラム(以下、適宜「本カラム」という。)及びその製造方法(以下、適宜「本製造方法」という。)の実施の形態につき、図面に基づいて説明する。
図1に、本カラムの概略構成を模式的に示す本カラムの長手方向(軸心Xの延伸方向、円柱軸心方向に相当)と垂直な横断面における横断面図と、前記軸心Xを含む縦断面における縦断面図を夫々示す。図1に示すように、本カラム1は、モノリス多孔体ロッド2と金属管3で構成されている。モノリス多孔体ロッド2は、無機材料または有機無機ハイブリッド材料からなる3次元連続網目状構造の骨格体を備えて構成される。また、骨格体の周囲の空間がモノリス多孔体ロッド2の貫通孔を構成し、骨格体の表面から内部に向けて細孔が形成されており、本実施形態で使用するモノリス多孔体ロッド2は、当該2種類の細孔(貫通孔と細孔)からなる2重細孔構造となっている。
また、図2に、金属管3をモノリス多孔体ロッド2に同軸上に装着する前の状態におけるモノリス多孔体ロッド2と金属管3夫々の横断面図を示す。尚、図1及び図2では、モノリス多孔体ロッド2の外形寸法に比して、3次元連続網目状構造の貫通孔の孔径が後述するように微細であるので、当該3次元連続網目状構造の記載は省略している。
ここで、説明の便宜上、図2に示すモノリス多孔体ロッド2の単体での常温における直径を初期直径φ02とし、図1に示す金属管3に被覆された状態のモノリス多孔体ロッド2の直径を被覆直径φ12する。また、図2に示す金属管3の単体での常温における内径を初期内径φ03とし、図1に示すモノリス多孔体ロッド2を被覆した状態での当該常温における金属管3の内径及び外径を夫々被覆内径φ13及び被覆外径φ23とする。本実施形態では、図1に示す被覆状態では、モノリス多孔体ロッド2は弾性収縮しており、被覆直径φ12は金属管3の被覆内径φ13と等しい。
尚、常温は、日本工業規格JIS Z 8703の規定では、5〜35℃の範囲内の温度とされており、本実施形態では、一例として、同規格に規定の標準温度(20℃、23℃、25℃の何れか1つ)を使用する。また、以下便宜的に、適宜、長手方向を「x方向」、軸心Xを中心とする径方向を「r方向」、軸心Xを中心とする回転方向である周方向を「θ方向」と夫々称する。尚、x方向、r方向、θ方向は互いに直交する。
次に、本製造方法について、図3に示す概略工程図に沿って説明する。尚、以下の説明で示す寸法は、上記常温下における寸法である。また、当該寸法は一例であり、本カラム1の各部の寸法は、以下に例示する寸法に限定されるものではない。
先ず、モノリス多孔体ロッド2を下記の要領で準備する(工程#1)。工程#1では、スピノーダル分解ゾルゲル法を用いて直径50mm×長さ150mmの乾燥モノリスシリカゲル(モノリス多孔体に相当)を作製し(工程#1A)、得られた乾燥モノリスシリカゲルを直径4mmのモノリスロッドにくり抜き直径3.89mm×長さ120mmの円柱状のモノリス多孔体ロッド2に旋盤加工する(工程#1B)。これにより、直径50mmの乾燥モノリスシリカゲルから、初期直径φ02が3.89mmのモノリス多孔体ロッド2を複数本作製することができる。ここで、当該初期直径φ02のθ方向のバラツキ幅(最大値と最小値の差、以下同様)は0.01mm以内であるのが好ましい。尚、当該初期直径φ02のx方向のバラツキ幅は、0.01mmを超えても、後述するように0.07mm以内、より好ましくは、0.03mm以内であれば良い。よって、本発明においては、初期直径φ02が上述のバラツキ幅に収まっている場合は、モノリス多孔体ロッド2は「円柱状」であると理解される。
上記工程#1Aでは、乾燥モノリスシリカゲルは、例えば、特開平7−41374号公報の「無機系多孔質体の製造方法」に開示されている原理に基づくスピノーダル分解ゾルゲル法を使用して作製するが、本実施形態では、一例として、スピノーダル分解ゾルゲル法に氷冷法を応用して以下の要領で作製する。純水5kgに、純水で作成した氷5kgを加え、酢酸を5.4mL添加し、ポリエチレングリコール(MW10000)0.8kgを加えた後、強撹拌し均一溶液とした後、テトラメトキシシラン5kgを添加して5℃以下の冷却下において60分撹拌を続ける。得られたゾルをアクリル容器20本(内径66mm×高さ200mm)に小分けして密閉した後に、40℃の湯浴内に浸して3日間静置し湿潤モノリスゲルを得る。得られた湿潤モノリスゲルにエージングを施した後、ステンレス製密閉式耐圧容器に移して0.1Mアンモニア水溶液に浸漬させ、密閉下にて120℃で20時間オートクレーブ処理を行い、純水と2−プロパノールに浸漬させ洗浄してから自然乾燥させ、650℃で5時間焼結し上記乾燥モノリスゲル(直径50mm×長さ150mm)を得る。貫通孔の水銀圧入法で測定した平均孔径は約2μmである。尚、本実施形態では、乾燥モノリスゲルの貫通孔径及び細孔径は特定のものに限定されるものではないが、一例として、貫通孔径としては、サブミクロンから100μm程度までのものが想定される。また、細孔径は、貫通孔径より小さく、一例として2nmから400nm程度までのものが想定される。モノリス多孔体は、3次元連続網目状構造を備えていれば良く、必ずしも2段階の階層的多孔構造を有している必要はない。
工程#1Bでは、乾燥モノリスシリカゲルの直径(50mm)は、モノリス多孔体ロッド2の初期直径φ02に旋盤加工の切削代を加えた加工前直径(4mm)の12.5倍となっており、乾燥モノリスシリカゲルからは最大100個程度のモノリス多孔体ロッド2が得られる。因みに、乾燥モノリスシリカゲルの直径とモノリス多孔体ロッド2の加工前直径の比が約2.3で乾燥モノリスシリカゲルからは3個のモノリス多孔体ロッド2が得られ、当該直径比が約2.5で4個のモノリス多孔体ロッド2が得られ、当該直径比が3で7個のモノリス多孔体ロッド2が得られる。当然ながら、当該直径比が大きい程、1つの乾燥モノリスシリカゲルから得られるモノリス多孔体ロッド2の個数は多くなる。当該直径比が10以上であれば、1つの乾燥モノリスシリカゲルから最大80個程度のモノリス多孔体ロッド2を得ることができる。このように、同じ乾燥モノリスシリカゲルから多数のモノリス多孔体ロッド2を作製することで、最終的に作製される本カラム1の例えば圧力損失等の特性バラツキを抑制することができる。一例として、1つの乾燥モノリスシリカゲルから得られる100個程度のモノリス多孔体ロッド2の圧力損失のバラツキは3%程度以内に抑えることができるのに対して、異なる乾燥モノリスシリカゲルから得られたモノリス多孔体ロッド2の圧力損失のバラツキは10%程度まで上昇する場合がある。
次に、上記常温において、初期内径φ03が、工程#1で準備されたモノリス多孔体ロッド2の初期直径φ02(3.89mm)より小さい3.88mmの金属管3を準備する(工程#2)。本実施形態では、金属管3として長さ30mmのステンレス管(SUS316パイプ)を使用する。金属管3の初期外径は初期内径φ03より一定量(管厚の2倍)大きければ、特に限定されないが、本実施形態では、6.35mmのものを使用する。つまり、金属管3の管壁の厚みは1.23mmである。ここで、初期内径φ03の寸法精度として、当該初期内径φ03のθ方向及びx方向のバラツキ幅が0.01mm以内のものを使用するのが好ましい。また、初期直径φ02と初期内径φ03の差(φ02−φ03)は、以下の数1に示す不等式を満足するように設定する。
但し、上記不等式は、x方向に沿って区分される少なくとも一部区間において満足されれば良い。しかし、初期直径φ02のx方向のバラツキ幅を0.06mm以内、初期内径φ03のx方向のバラツキ幅を0.01mm以内と制限することで、初期直径φ02と初期内径φ03の差を、x方向に沿ってほぼ全区間で上記不等式の範囲内に収めることができる。上記不等式の右辺の(φ02×0.02)は、初期直径φ02が3.89mmの場合、0.0778mmとなる。
次に、工程#2で準備した金属管3を、管状炉内で加熱し、熱膨張により初期内径φ03を初期直径φ02のバラツキ幅の最大値より大きく拡径させる(工程#3)。加熱温度は、加熱開始前の常温から加熱温度に至る温度上昇幅に、金属管3の当該温度上昇範囲における平均熱膨張係数と金属管3の初期内径φ0を乗じた値が、初期直径φ02の最大値と初期内径φ0の差に所定のマージンを加えた値となる温度として概算できる。
次に、工程#3で拡径した金属管3内に、工程#1で作製されたモノリス多孔体ロッド2を挿入し、金属管3を常温まで冷却する(工程#4)。この結果、金属管3の内径が、初期内径φ03とほぼ同じ被覆内径φ13まで収縮し、モノリス多孔体ロッド2の直径が、初期直径φ02から被覆内径φ13と同じ被覆直径φ12まで収縮して、モノリス多孔体ロッド2が、その外周側面の全周に亘って、金属管3の内壁面によって締め付けられる。
ここで、後に詳細に説明するが、SUS316のヤング率(弾性係数)が193KN/mm2であるのに対して、モノリス多孔体ロッド2のヤング率が0.12〜0.13KN/mm2であるので、金属管3の内壁面とモノリス多孔体ロッド2の外周側面において、径方向に同じ応力が働いているとして、その弾性変形による歪み量は、モノリス多孔体ロッド2の方が金属管3より約1485〜1608倍程度大きくなる。このため、金属管3の内径の弾性変形量は数nm〜10nmオーダーとなり無視できる範囲となるので、金属管3の初期内径φ03と被覆内径φ13は実質的に同じであると見做せる。また、後述する実験サンプル2〜4で実測した初期内径φ03と被覆内径φ13は同じであった。更に、金属管3の被覆内径φ13はモノリス多孔体ロッド2の被覆直径φ12と等しい。従って、上記数1の不等式は、初期直径φ02と初期内径φ03の差(φ02−φ03)がモノリス多孔体ロッド2の初期直径φ02と被覆直径φ12の差(φ02−φ12)と実質的に等しいので、モノリス多孔体ロッド2の直径収縮量(φ02−φ12)に、そのまま妥当し、下記の数2に示す不等式となる。
引き続き、金属管3からはみ出ているモノリス多孔体ロッド2を切断して、モノリス多孔体ロッド2の端面を、金属管3の端面と同一面となるように、例えば紙ヤスリ(#1000)等で研磨して平滑化する(工程#5)。以上の工程#1〜#5を経て、図1に示す本カラム1が作製される。尚、必要に応じて、本カラム1を使用するに際して、図4に示すように、本カラム1の両端に、後述する市販のカラムエンド4を装着する。
次に、本製造方法で作製した本カラム1のモノリス多孔体ロッド2の外周側面と金属管3の内壁面の間の密着性について検証した実験結果について説明する。
モノリス多孔体ロッド2の初期直径φ02が、3.88mm、3.89mm、3.92mm、3.95mm、及び、3.96mmの5種類のモノリス多孔体ロッド2を作製し、上記製造方法の工程#3及び#4の要領で、初期内径φ03が3.88mmの金属管3(SUS316パイプ)に挿入して、5種類の本カラム1の実験サンプル1〜5を夫々5個ずつ作製した。尚、実験サンプル1〜4における工程#3での加熱温度は850℃で、実験サンプル5の同加熱温度は900℃とした。各実験サンプルは、デジタルノギス(株式会社ミツトヨ製、製品名:AbSolute、繰り返し精度:0.01mm)により、x方向の両端と中央の3点と、θ方向の90°異なる2点について測定した初期直径φ02のバラツキ幅が0mmで、x方向の両端の2点とθ方向の90°異なる2点について測定した初期内径φ03のバラツキ幅が0mmのものを使用した。
実験サンプル1(φ02=3.88mm)は、モノリス多孔体ロッド2に力を加えると、5個中全てにおいて、モノリス多孔体ロッド2が金属管3から抜け落ちた。これより、モノリス多孔体ロッド2の初期直径φ02が、金属管3の初期内径φ03と、測定誤差範囲内で同じ場合は、モノリス多孔体ロッド2の外周側面が、金属管3の内壁面から締め付けられていないことが明らかである。
実験サンプル2〜4(φ02=3.89mm,3.92mm,3.95mm)は、各サンプルで、5個中全てにおいて、モノリス多孔体ロッド2が金属管3から抜け落ちずに、モノリス多孔体ロッド2の外周側面が金属管3の内壁面から適度に締め付けられていることが確認できた。
実験サンプル5(φ02=3.96mm)は、工程#3の加熱温度が850℃では、金属管3の内径が、初期直径φ02(3.96mm)より十分に拡径せず、モノリス多孔体ロッド2を金属管3内に挿入できなかったため、加熱温度を900℃まで上昇させて、挿入したところ、5個中全てにおいて、モノリス多孔体ロッド2が金属管3から抜け落ちた。これは、900℃の高温下で、モノリス多孔体ロッド2の骨格体が焼結して、直径が収縮したことにより、結果として、金属管3の初期内径φ03より小さくなったものと考えられる。
実験サンプル2〜4の結果より、初期直径φ02と初期内径φ03の差(φ02−φ03)は、0.01mm以上、0.07mm以下の範囲で、良好な結果が得られることが分かる。当該範囲は、上記数1の不等式を満足する。尚、実験サンプル5の場合、初期直径φ02と初期内径φ03の差(φ02−φ03)は、0.08mmで、初期直径φ02(3.96mm)の2%(0.0792mm)を僅かに超過し、上記数1の不等式を満足しない。実験サンプル5では、乾燥モノリスシリカゲルのモノリス多孔体ロッド2が900℃の高温下で耐熱性を有さず、焼結により変質してしまうため、初期直径φ02と初期内径φ03の差(φ02−φ03)の上限は、初期直径φ02の約2%に抑えられている。しかし、金属管3の材料として、SUS316より6%程度以上熱膨張係数の大きい材料を使用することで、実験サンプル5の場合でも850℃の加熱温度で作製可能となる。また、金属管3の初期内径φ03が上記実験サンプルより6%程度以上大きい場合(4.12mm以上)でも、850℃の加熱温度で作製可能となる。つまり、初期直径φ02と初期内径φ03の差(φ02−φ03)の上限としての初期直径φ02の2%は、おおよその目安であって、当該上限は、モノリス多孔体ロッド2の耐熱上限温度と、金属管3の熱膨張係数及び初期内径φ03の大きさに依存して、初期直径φ02の2%を下回る場合も、逆に上回る場合もあり得る。一方、初期直径φ02と初期内径φ03の差(φ02−φ03)の下限は、上記実験結果より、金属管3の熱膨張係数及び初期内径φ03に関係なく、0.01mmとするのが好ましい。尚、初期直径φ02と初期内径φ03の差(φ02−φ03)の範囲は、直径収縮量(φ02−φ12)の範囲となる。
図5に、実験サンプル2(φ02=3.89mm)と同じ初期直径φ02と初期内径φ03の本カラム1のモノリス多孔体ロッド2の外周側面と金属管3の内壁面の一部の接触面の状態を示すSEM(走査型電子顕微鏡)写真(2値化処理後)を示す。図5より、モノリス多孔体ロッド2の骨格体と金属管3の内壁面が物理的に接触し、両者の間隙部分も貫通孔の平均孔径(2μm)以下であることが確認できる。これより、本カラム1においては、モノリス多孔体ロッド2の外周側壁と金属管3の内壁面の間に、貫通孔の平均孔径(2μm)より大きな間隙が形成されないことより、処理対象の流体がモノリス多孔体ロッド2内をバイパスして通流するのが抑制され、高性能な分離装置として使用することができる。
次に、実験サンプル2〜4のモノリス多孔体ロッド2の弾性収縮時におけるr方向の応力を計算した結果について説明する。尚、当該計算は、下記の数3を使用した。数3の計算式は、中実円柱体Aと円筒体Bの夫々が弾性変形して円筒体B内に中実円柱体Aが嵌め込まれているモデルを想定したもので、本実験サンプルの場合、モノリス多孔体ロッド2を中実円柱体A、金属管3を円筒体Bとして計算した。数3の計算式中、Pは応力であり、δはモノリス多孔体ロッド2の直径収縮量(φ02−φ12)であり、E1とv1はモノリス多孔体ロッド2のヤング率とポアソン比、E2とV2は金属管3のヤング率とポアソン比である。被覆外径φ23と被覆内径φ13(=被覆直径φ12)は、夫々、6.35mmと3.88mmである。ヤング率E1とヤング率E2として、上述の0.12〜0.13KN/mm2と193KN/mm2を使用した。また、ポアソン比v1、v2として何れも0.3の場合を想定した。実験サンプル2〜4の場合、直径収縮量δは、夫々、0.01mm、0.04mm、0.07mmである。
図6に、実験サンプル2〜4の夫々における応力の計算結果を示す。計算結果に幅があるのは、モノリス多孔体ロッド2のヤング率(実測値)に幅があるためである。モノリス多孔体ロッド2の直径収縮量(φ02−φ12)が、0.01mm、0.04mm、0.07mmと増加すると、応力も、44〜48MPa、176〜191MPa、309〜334MPaと略線形に増加している。モノリス多孔体ロッド2の単体での降伏点(弾性限界)の測定値は4〜5N/mm2(400〜500MPa)であるので、実験サンプル2〜4のモノリス多孔体ロッド2の収縮は弾性範囲内であると言える。尚、本計算では、モノリス多孔体ロッド2のポアソン比v1を0.3と仮定した。本実験サンプルでは、r方向への圧縮に伴うx方向への伸長が見られるので、当該ポアソン比v1は0以上である。r方向への圧縮がモノリス多孔体ロッド2の貫通孔内の空間によって吸収される程度が大きいと、当該ポアソン比v1は0.3より更に小さくなると想定される。また、当該ポアソン比v1が0.3より小さくなると、上記応力の計算結果は、図6に示す値より減少するので、実験サンプル2〜4のモノリス多孔体ロッド2の収縮は弾性範囲内であると言える。
更に、実験サンプル2〜4に対して、金属管3を850℃まで加熱して膨張させ、金属管3からモノリス多孔体ロッド2を外した結果、各モノリス多孔体ロッド2の直径は、夫々の初期内径φ02に戻っていることも確認した。この点からも、実験サンプル2〜4のモノリス多孔体ロッド2の収縮が弾性範囲内であることは確かである。
尚、モノリス多孔体ロッド2は、貫通孔径が上記範囲(サブミクロン〜100μm程度)で変化しても、骨格体が3次元連続網目状構造を備える点に変わりはなく、その弾性特性が大きく変わらないと考えられる。よって、貫通孔径が変化しても、モノリス多孔体ロッド2の外周側面上の骨格体と金属管3の内壁面との間の密着性(接触面に掛かる応力)に大きな差はないと考えられる。
上記実験サンプル1〜5では、金属管3として初期内径φ03が3.88mmのSUS316パイプを使用したが、金属管3として初期内径φ03が50.00mm、長さ100mmのSUS316パイプを使用した場合についても、本製造方法で作製した本カラム1のモノリス多孔体ロッド2の外周側面と金属管3の内壁面の間の密着性について検証を行った。モノリス多孔体ロッド2は、本製造方法の工程#1Aでスピノーダル分解ゾルゲル法を用いて作製された乾燥モノリスシリカゲルを、小径のロッドにくり抜かず、そのまま旋盤により直径50.01mm×長さ110mmと直径50.03mm×長さ110mmに加工したものを使用した。この場合、金属管3の初期内径φ03が上記実験サンプル1〜5より約13倍大きいので、工程#3における金属管3の加熱温度は100℃程度まで低くすることができる。本検証実験では、金属管3を電気炉にて100℃まで加熱し、モノリス多孔体ロッド2を挿入した後、常温まで冷却して、2種類の実験サンプル6及び7を作製した。実験サンプル6の初期直径φ02が50.01mmで、実験サンプル7の初期直径φ02が50.03mmである。モノリス多孔体ロッド2の直径収縮量(φ02−φ12)は、実験サンプル6が0.01mmで、実験サンプル7が0.03mmである。これらの直径収縮量は、夫々、初期直径φ02の約0.02%と約0.06%に相当する。実験サンプル6及び7の何れにおいても、実験サンプル2〜4と同様に、モノリス多孔体ロッド2が金属管3から抜け落ちずに、モノリス多孔体ロッド2の外周側面が金属管3の内壁面から適度に締め付けられていることが確認できた。
金属管3の初期内径φ03が3.88mmから50.00mmまで大きくなると、直径収縮量が同じ場合、上述の応力が10分の1以下に低下するが、上記実験サンプル6の結果より、直径収縮量が0.01mm(初期直径φ02の約0.02%)であれば、モノリス多孔体ロッド2の外周側面と金属管3の内壁面の間の密着性に問題はない。尚、金属管3の初期内径φ03が50.00mmで、直径収縮量が0.01mmの場合の応力を、上記数3を用いて計算すると約3.4〜3.7MPaとなり、モノリス多孔体ロッド2が十分な応力で金属管3により締め付けられていることが分かる。金属管3の初期内径φ03が50mm程度では、直径収縮量0.01mmでも当該密着性は問題ないが、金属管3の初期内径φ03が50mmを超えて更に大きくなる場合には、一定以上の応力を確保するために、直径収縮量は、初期直径φ02の0.02%以上が好ましい。つまり、直径収縮量は、0.01mmまたは初期直径φ02の0.02%の何れか大きい方の値以上が好ましい。
次に、図4に模式的に示すように、本カラム1の両端に、市販のクロマトカラムエンド4(スウェージロック社製)を装着して、高速液体クロマトグラフィー用のカラムを作製し、その性能評価を行った。当該性能評価の結果を説明する前に、先ず、本カラム1の両端にカラムエンド4を装着した端部構造について、簡単に説明する。カラムエンド4は、本カラム1に処理対象の流体(移動相)を供給するためのチューブ5、或いは、本カラム1で処理された後の流体を回収するためのチューブ5を、本カラム1と接続するための継手部材である。尚、図4中の各部の寸法比は必ずしも実物の寸法比と一致していない。
図4に示すように、カラムエンド4は、大まかに3つの部分(中央部分6、カラム側部分7、チューブ側部分8)に分解される。中央部分6は、金属管3の端部の外周部の全周を側方から覆う第1筒状部9と、第1筒状部9の一端を塞ぐ蓋部材10が一体化して形成されている。第1筒状部9の内壁のx方向に垂直な断面形状は円形であり、筒状部9の外周部分には雄ネジが形成されており、カラム側部分7と螺合するように構成されている。また、第1筒状部9の他端側は、内径がテーパ状に拡径している。蓋部材10には、軸心X部分にx方向に貫通する空洞11が形成されている。当該空洞11は、x方向に4つの部分で構成され、本カラム1側から、便宜的に第1空洞部分、第2空洞部分、第3空洞部分、第4空洞部分と呼ぶ。第1空洞部分の孔径が最も小さく、金属管3の被覆内径φ13及びチューブ5の外径より小径である。第2空洞部分の孔径は、チューブ5の外径と同じで、第2空洞部分まで、チューブ5の先端が挿入される。第3空洞部分は孔径が、第2空洞部分の孔径から第4空洞部分の孔径まで連続的に拡径するテーパ状の空洞部分である。第4空洞部分の内壁には、雌ネジが形成されており、チューブ側部分8と螺合するように構成されている。蓋部材10のx方向に垂直な断面形状が6角形に形成されている。
本実施形態では、中央部分6は、更に、金属管3の端面と蓋部材10の間の第1筒状部9で囲まれた空間に、第1空洞部分の孔径から金属管3の端面に向かって徐々に孔径が広がるテーパ状の開口を有する仕切り部材12を備える。尚、仕切り部材12を備える代わりに、第1空洞部分の金属管3側に、金属管3の端面に向かって孔径が徐々に広がるテーパ状構造を蓋部材10の一部として追加しても良い。
カラム側部分7は、金属管3の端部の外周部を覆うとともに、第1筒状部9の外周部分の雄ネジと螺合する雌ネジが内壁部に形成された第2筒状部13と、第1楔部材14と、第1リング部材15を備えて構成される。第1筒状部9と第2筒状部13が螺合することで、第1楔部材14が、第1筒状部9の先端部分のテーパ部分と第1リング部材15により押え付けられて、金属管3の端部の外周部を周囲から締め付ける構造となっている。第1筒状部9のx方向に垂直な断面形状も6角形に形成されている。
チューブ側部分8は、チューブ5が挿通する貫通孔を備え、第4空洞部分に挿入する部分の外周部分に、第4空洞部分の雌ネジと螺合する雄ネジが形成され、第4空洞部分からチューブ5側に突出する部分のx方向に垂直な断面形状が6角形に形成された第3筒状部16と、チューブ5が挿通する貫通孔を備えた第2リング部材17と、第2楔部材18を備えて構成される。第3筒状部16と蓋部材10が螺合することで、第2楔部材18が、第3空洞部分のテーパ部分と第2リング部材17により押え付けられて、チューブ5の外周部を周囲から締め付ける構造となっている。
尚、カラムエンド4の構造は、図4に示す構造に限定されるものではなく、カラム側部分7と金属管3の間の固定構造、チューブ側部分8とチューブ5の間の固定構造は、図4に示す構造から適宜変形可能である。
次に、本製造方法で作製した本カラム1の両端に図4に示すクロマトカラムエンド4を備えた、高速液体クロマトグラフィー用のカラムとしての性能評価の結果を説明する。
評価用の実験サンプルとして、下記の5種類の実験サンプル8〜12を用意した。実験サンプル10以外は、同じものを5個作製した。実験サンプル8は、モノリス多孔体ロッド2の初期直径φ02が、3.88mm〜3.89mmの範囲でx方向に変化するテーパ状に加工されており、x方向における初期直径φ02のバラツキ幅は0.01mmである。実験サンプル9は、モノリス多孔体ロッド2の初期直径φ02が、3.89mm〜3.90mmの範囲でx方向に変化するテーパ状に加工されており、x方向における初期直径φ02のバラツキ幅は0.01mmである。実験サンプル10は、モノリス多孔体ロッド2の初期直径φ02が、3.92mm〜3.93mmの範囲でx方向に変化するテーパ状に加工されており、x方向における初期直径φ02のバラツキ幅は0.01mmである。実験サンプル11は、モノリス多孔体ロッド2の初期直径φ02が、3.89mm〜3.92mmの範囲でx方向に変化するテーパ状に加工されており、x方向における初期直径φ02のバラツキ幅は0.03mmである。実験サンプル12は、モノリス多孔体ロッド2の初期直径φ02が、3.89mm〜3.93mmの範囲でx方向に変化するテーパ状に加工されており、x方向における初期直径φ02のバラツキ幅は0.04mmである。各実験サンプル8〜12は、実験サンプル1〜5と異なり、金属管に被覆される前のモノリス多孔体ロッド2の初期外径φ02に、x方向に0.01mm〜0.04mmのバラツキ幅を持たせてあり、その外形は厳密には円柱体ではなく僅かに円柱台(本発明上は円柱体)となっている。その他の点は、実験サンプル1〜5と同様であり、初期内径φ03が3.88mmの金属管3(SUS316パイプ)を使用して、上記製造方法の工程1〜4の要領で、加熱温度850℃で金属管3を加熱膨張させて、上記テーパ状に加工された各モノリス多孔体ロッド2を挿入して、5種類の実験サンプル8〜12が作製されている。
本カラム1の上記性能評価は、高速液体クロマトグラフィーにて、ヘキサン:2−プロパノール(体積比98:2)の移動相を、流量1.0mL/分で、本カラム1の実験サンプル8〜12に通流し、ベンゼン、ニトロベンゼン、オルト‐ニトロアニソールの3成分の分離を行い評価することで行った。各成分は254nmの吸収波長にてカラム出口にてオンライン検出した。
下記の表1に、実験サンプル毎の性能評価結果を示す。評価結果は、夫々カラムとして正常に機能した良品数とサンプル数の比(歩留り)で示している。
実験サンプル8は、5個中全てがカラムとして機能していない。モノリス多孔体ロッド2は、x方向の少なくとも1箇所では、直径収縮量0.01mmで収縮して、金属管3に被覆されていると考えられるが、当該少なくとも1箇所を除く大半の部分では、直径収縮量0.01mm未満であり、加工精度を考慮すると、モノリス多孔体ロッド2の外周側面と金属管3の内壁面の間に、モノリス多孔体ロッド2の貫通孔の平均孔径(2μm)より有意に大きな間隙が存在し、移動相の少なくとも一部がモノリス多孔体ロッド2をバイパスして、当該間隙を通流したものと推察される。
実験サンプル9は、5個中全てがカラムとして機能した。実験サンプル10は、1個中1個がカラムとして機能した。実験サンプル11は、5個中4個がカラムとして機能した。実験サンプル12は、5個中1個がカラムとして機能した。
一例として、実験サンプル10におけるクロマトグラム及び3成分のピークテーブルを夫々図7と下記の表2に示す。図7及び表2に示す結果から3成分とも全て分離しており、クロマトグラフィー用カラムとして機能していることが確認された。実験サンプル9、11及び12におけるクロマトグラムも、図7に示す実験サンプル10のものと同じであるので記載を省略する。
表1に示す実験サンプル8と実験サンプル9の評価結果の差より、本カラム1をクロマトグラフィー用カラムとして使用するには、初期直径φ02と初期内径φ03の差(φ02−φ03)は、x方向の全領域で0.01mm以上であることが望ましいと判断される。他方、実験サンプル1〜5の検証結果より、x方向の一部区間において、上記差(φ02−φ03)が0.01mm以上であれば、当該一部区間で、モノリス多孔体ロッド2の外周側面と金属管3の内壁面の間の密着性が確保されるため、例えば、本カラム1を単にフィルタとして使用することは可能と考えられる。
更に、表1に示す実験サンプル9〜12の評価結果の差より、モノリス多孔体ロッド2の初期直径φ02のx方向のバラツキ幅が0.03mm以上から歩留りの低下が見られ、同バラツキ幅が0.04mm以上では、急激に歩留りが悪化する。これより、本カラム1をクロマトグラフィー用カラムとして使用するには、初期直径φ02のx方向のバラツキ幅は0.03mm以下に抑えることが望ましいと判断される。他方、実験サンプル1〜5の検証結果より、同じ金属管3の初期内径φ03に対して、上記差(φ02−φ03)が0.01mm〜0.07mmの範囲でモノリス多孔体ロッド2の外周側面と金属管3の内壁面の間の密着性が確保されるため、初期直径φ02のx方向のバラツキ幅が0.07mm以下であれば、少なくともx方向の一部区間において、当該密着性が確保され、例えば、本カラム1を単にフィルタとして使用することは可能と考えられる。
以上、本カラム1及び本製造方法について詳細に説明したが、本カラム1を構成するモノリス多孔体ロッド2と金属管3の材料は、上記実施形態で説明したものに限定されるものではない。
例えば、モノリス多孔体ロッド2の材料は、必ずしもシリカ(SiO2)に限定されるものではなく、ケイ素、リン、セレン等の非金属元素の酸化物、及び、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム等の金属元素の酸化物、等の無機材料(セラミックス)、及び、それらの複合体が利用できる。
モノリス多孔体がシリカの場合、純シリカ前駆体の主成分として、水ガラス(ケイ酸ナトリウム水溶液)、或いは、無機または有機シラン化合物が使用できる。無機シラン化合物の原料の一例として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−イソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類が挙げられる。
また、モノリス多孔体ロッド2の材料は、無機材料に限定されるものではなく、有機無機ハイブリッド材料も利用できる。有機無機ハイブリッド材料としては、その構造にSi−C結合を有するもの、一例として、下記の化1〜化3に示す化学式の構造単位を備える重合体または共重合体が想定される。尚、下記の化学式中のRはアルキル基である。また、化3の化学式中のR’はアルキレン基である。
また、モノリス多孔体ロッド2が有機無機ハイブリッド材料である場合、有機シラン化合物のみを原料とするもの、または、無機シラン化合物と有機シラン化合物を混合したものが挙げられる。有機シラン化合物の一例として、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドデシル、フェニル、ビニル、ヒドロキシル、エーテル、エポキシ、アルデヒド、カルボキシル、エステル、チオニル、チオ、アミノ等の置換基を有するトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、トリフェノキシシラン等のトリアルコキシシラン類、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、エチルジエトキシシラン、エチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン類、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン等のモノアルコキシシラン類等が挙げられる。また、モノアルキル、ジアルキル、フェニルトリエトキシ等の架橋反応速度制御基置換体を含むアルコキシシリケートやその二量体であるジシラン、三量体であるトリシランといったオリゴマー等もシリカ前駆体として想定される。上述の加水分解性シランは、種々の化合物が市販されており、容易且つ安価に入手可能であり、ケイ素−酸素結合からなる3次元架橋体を形成するゾルゲル反応を制御することも容易である。
金属管3の材料としては、ステンレス以外にも、アルミニウムや、鉄、金、銀、銅、チタン等の遷移金属からなる金属材料が利用できる。
また、モノリス多孔体ロッド2の材料と金属管3の材料の組み合わせに係る制約として、上述の本製造方法の工程#3で示したように、金属管3を加熱してその内径を、モノリス多孔体ロッド2の初期直径φ02より大きく拡張させる場合の加熱温度は、金属管3の熱膨張係数(線膨張係数)で決まるが、当該加熱温度に対して耐熱性のあるモノリス多孔体ロッド2の材料を選択することになる。逆に、モノリス多孔体ロッド2の材料が決まっている場合で、金属管3の寸法等が決まっている場合は、その耐熱温度より加熱温度が高くならない熱膨張係数の金属材料で金属管3を構成する必要がある。
更に、本製造方法も、上記実施形態で説明した工程#1〜#5に限定されるものではない。
上述の本製造方法の工程#1Aでは、一例として、スピノーダル分解ゾルゲル法に氷冷法を応用してモノリス多孔体を合成したが、モノリス多孔体の合成方法としては、モノマーを均一溶液のゾルとし加水分解及び重縮合させ、ゾルゲル転移を行いゲル化させてモノリスゲルを得る手順のものであれば、上記実施形態の手順に限定されるものではない。また、上記実施形態で例示した分量、温度、処理時間等は一例であり、適宜必要に応じて変更可能である。
更に、上述の本製造方法の工程#1Bでは、モノリス多孔体ロッド2の初期直径φ02のθ方向及びx方向のバラツキを抑制して高精度に円柱状に加工するために、旋盤を使用したが、旋盤以外にも、フライス盤、ボール盤等の加工機具を使用しても良く、更に、最終的な仕上げ加工に、紙や布等を用いて手動で研磨しても良い。
上述の本製造方法では、工程#3において、金属管3を加熱してその内径を、モノリス多孔体ロッド2の初期直径φ02より大きく拡張させたが、逆に、モノリス多孔体ロッド2を冷却して、その直径を初期直径φ02から縮小させ、金属管3の初期内径φ03より小さくした後、金属管3内に挿入するようにしても良い。
尚、金属管3を加熱する、或いは、モノリス多孔体ロッド2を冷却して、金属管3内に、その初期内径φ03より初期直径φ02の大きいモノリス多孔体ロッド2を挿入して、元の常温状態に戻すことで、モノリス多孔体ロッド2を金属管3内に装着させる手法は、モノリス多孔体ロッド2を被覆する被覆管が、金属管以外にも、例えば、石英ガラス管や樹脂管にも応用できる。
また、上述の本製造方法の工程#5で行った本カラム1の端部の処理も、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、端面の研磨方法や、装着するカラムエンド4等は、適宜変更可能である。
本発明に係るモノリス多孔体カラムは、3次元連続網目状構造の骨格体を有するモノリス多孔体ロッドの外周側面を金属管で被覆してなるモノリス多孔体カラム、特に、モノリス多孔体を分離材として用いた濾過、抽出、分離等の目的で使用されるモノリス多孔体カラムに利用可能である。
1: モノリス多孔体カラム
2: モノリス多孔体ロッド
3: 金属管
4: カラムエンド
5: チューブ
6: カラムエンドの中央部分
7: カラムエンドのカラム側部分
8: カラムエンドのチューブ側部分
9: 第1筒状部
10: 蓋部材
11: 空洞
12: 仕切り部材
13: 第2筒状部
14: 第1楔部材
15: 第1リング部材
16: 第3筒状部
17: 第2リング部材
18: 第2楔部材
X: モノリス多孔体カラムの軸心
2: モノリス多孔体ロッド
3: 金属管
4: カラムエンド
5: チューブ
6: カラムエンドの中央部分
7: カラムエンドのカラム側部分
8: カラムエンドのチューブ側部分
9: 第1筒状部
10: 蓋部材
11: 空洞
12: 仕切り部材
13: 第2筒状部
14: 第1楔部材
15: 第1リング部材
16: 第3筒状部
17: 第2リング部材
18: 第2楔部材
X: モノリス多孔体カラムの軸心
Claims (6)
- 無機材料または有機無機ハイブリッド材料からなる3次元連続網目状構造の骨格体を有し外形が円柱状であるモノリス多孔体ロッドと、前記モノリス多孔体ロッドの外周側面を全周に亘り被覆する円筒状の金属管とを、同軸上に備えたモノリス多孔体カラムの製造方法であって、
前記モノリス多孔体ロッドを準備する工程と、
前記金属管を準備する工程と、
前記金属管を常温から加熱して、熱膨張により、前記金属管の内径を前記モノリス多孔体ロッドの直径より大きくなるように拡張させる工程と、
内径が拡張した前記金属管の内部に、前記モノリス多孔体ロッドを挿入した後に、前記金属管を前記常温まで冷却する工程と、を有し、
前記モノリス多孔体ロッドの円柱軸心方向に沿って区分される複数の区間の少なくとも一部の区間において、前記金属管に被覆されていない状態での前記モノリス多孔体ロッドの前記軸心方向に垂直な円形断面の直径である初期直径が対応する前記区間の前記金属管の内径より大きく、且つ、前記金属管に被覆されている状態で前記骨格体が弾性変形の範囲内で収縮することで、当該被覆状態の前記モノリス多孔体ロッドの前記円形断面の直径である被覆直径が前記初期直径より小さくなり、前記モノリス多孔体ロッドの外周側面上の前記骨格体が全周に分散して前記金属管の内壁面と接触し、且つ、前記初期直径から前記被覆直径を差し引いた直径収縮量が0.01mm以上であり、且つ、前記モノリス多孔体ロッドの円柱軸心を中心とする回転方向である周方向における前記初期直径のバラツキ幅が前記直径収縮量以下であり、
前記骨格体が、前記金属管の内径が熱膨張により前記直径収縮量以上の増分で拡大するのに必要な加熱温度以上の耐熱性を有し、
前記モノリス多孔体ロッドを準備する工程が、前記モノリス多孔体ロッドの前記初期直径の3倍より大きい直径の第1のモノリス多孔体を、スピノーダル分解ゾルゲル法で作製する工程と、前記第1のモノリス多孔体から、前記初期直径より直径の大きい円柱状の第2のモノリス多孔体をくり抜き、くり抜いた前記第2のモノリス多孔体を旋盤加工して直径が前記初期直径となる前記モノリス多孔体ロッドを作製する工程を含むことを特徴とするモノリス多孔体カラムの製造方法。 - 前記複数の区間の全てにおいて、前記初期直径が対応する前記区間の前記金属管の内径より大きく、且つ、前記金属管に被覆されている状態で前記骨格体が弾性変形の範囲内で収縮することで、前記被覆直径が前記初期直径より小さくなり、前記モノリス多孔体ロッドの外周側面上の前記骨格体が全周に分散して前記金属管の内壁面と接触し、且つ、前記直径収縮量が0.01mm以上であり、且つ、前記初期直径の前記周方向のバラツキ幅が前記直径収縮量以下であることを特徴とする請求項1に記載のモノリス多孔体カラムの製造方法。
- 前記初期直径の前記軸心方向におけるバラツキ幅が0.07mm以下であり、前記金属管の内径の前記軸心方向及び前記周方向におけるバラツキ幅が0.01mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のモノリス多孔体カラムの製造方法。
- 前記初期直径の前記軸心方向におけるバラツキ幅が0.03mm以下であることを特徴とする請求項3に記載のモノリス多孔体カラムの製造方法。
- 前記直径収縮量が前記初期直径の2%以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のモノリス多孔体カラムの製造方法。
- 前記骨格体が、100℃以上の耐熱性を有していることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のモノリス多孔体カラムの製造方法。
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