JP5985975B2 - リチウムイオン二次電池およびリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池およびリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5985975B2
JP5985975B2 JP2012273364A JP2012273364A JP5985975B2 JP 5985975 B2 JP5985975 B2 JP 5985975B2 JP 2012273364 A JP2012273364 A JP 2012273364A JP 2012273364 A JP2012273364 A JP 2012273364A JP 5985975 B2 JP5985975 B2 JP 5985975B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
coupling agent
ion secondary
silane coupling
lithium ion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012273364A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013191539A (ja
Inventor
小林 稔幸
稔幸 小林
心 高橋
高橋  心
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Energy Ltd filed Critical Hitachi Maxell Energy Ltd
Priority to JP2012273364A priority Critical patent/JP5985975B2/ja
Publication of JP2013191539A publication Critical patent/JP2013191539A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5985975B2 publication Critical patent/JP5985975B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は正極活物質の構成に特徴を有するリチウムイオン二次電池、およびそのリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池、ニッケルカドミウム蓄電池およびニッケル水素蓄電池は、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータをはじめとする可搬式情報通信端末、ビデオカメラ、携帯音楽再生機などの電源として広く用いられている。特にリチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度特性や高出力密度特性といった諸特性に優位性があり、その登場以来急速に研究開発が行われ、これら民生機器の標準電池としての地位を確立してきた。
可搬式情報通信端末の高機能化に伴い、電源であるリチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」とも称する)の高エネルギー密度特性の更なる向上、すなわち電池の高容量化が求められている。また、環境面の配慮からサイクル寿命の延命についても望まれている。
通常、リチウムイオン二次電池は、正極、負極、セパレータおよび非水電解液から構成される。正極および負極は、例えば、活物質、導電性を付与する導電材、およびこれらを結着するための結着剤を溶媒中で混合し、集電体上に塗布することにより得られる。例えば、得られた正極および負極をセパレータを介して重ね合わせ、ロール状に捲回して電池缶に挿入し、そこに電解質塩を溶解させた非水性溶媒(有機溶媒)を電解液として注入し、絶縁性のガスケットを介して電池缶に蓋を取り付け密閉する、といった工程により電池が製造される。
こうして得られた電池は、作動電圧が2.5V〜4.2Vの範囲で用いられることが多い。通常、電解液に水を用いるニッケル水素蓄電池や鉛蓄電池などは、水の理論電解電圧が1.229Vであるために、単電池の定格電圧が1.2V〜2.0Vの範囲に限られる。一方、リチウムイオン二次電池で、単電池においてそのような水の理論電解電圧を超える電圧を達成することが可能であることは、非水電解液やセパレータなどの優れた電気化学特性によるところが大きい。
リチウムイオン二次電池の高容量化は、例えば正極および負極の単位面積あたりの塗布量を多くしたり、充電電圧を高めたりすることにより達成可能であり、様々な手法により高容量化が検討されている。
しかしながら、作動電圧いっぱいに高容量で電池を繰り返し充放電した際には、容量劣化を起こし電池寿命が短くなることがある。また、高温環境下で電池を保存したり使用したりした際には、電池内部にてガスが発生し、電池内部の圧力が上昇し、電池が変形したり内部の電解液が漏えいしたりする可能性がある。また、電池内に設けられた圧力により動作する安全機構が誤作動することも考えられる。
特許文献1には、正極製造時にプレスにより破断された正極活物質が水分と反応してガス発生の原因となることを防ぐためにプレス後の正極にシラン化合物を含浸させることを含む、リチウムイオン二次電池の正極の製造方法が開示されている。特許文献2には、電池のサイクル特性の向上を目的として、活物質粒子に含まれるリチウム複合酸化物をシラン化合物で処理し、さらに該シラン化合物の結合基(Si−OH)のうちリチウム複合酸化物と結合せず残存したものを不活性化することを含む、リチウムイオン二次電池の正極の製造方法が開示されている。なお、特許文献1および2ではメチルトリメトキシシランなどのシラン化合物をシランカップリング剤と称しているが、それら化合物は一般的なシランカップリング剤の概念に包含されるものではない。
特開2007−280830号公報 特開2007−242303号公報
特許文献1および2に記載の方法によれば、サイクル特性の向上をある程度図ることはできるが、ガス発生の抑制については十分なものとはいえなかった。そこで本発明は、電池内でのガス発生をさらに抑制し、電池の膨れを低減させたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、正極材料に対して付与されたシラン化合物の正極材料との結合が不安定であり、正極材料表面を十分被覆できていないことが、シラン化合物を用いてもガス発生を十分に抑制することができない原因であると考えた。そこで検討した結果、本発明者らは、正極を製造する際に、正極材料を含む粒子をシランカップリング剤および高分子化合物で処理することにより、正極材料に起因するガス発生をさらに抑制できることを見出した。本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極材料を含む粒子と、前記正極材料と結合可能なシランカップリング剤と、前記シランカップリング剤と結合可能な高分子化合物とから得られる正極活物質を正極に有するリチウムイオン二次電池。
(2)シランカップリング剤がエポキシ基またはアミノ基を有する、(1)に記載のリチウムイオン二次電池。
(3)高分子化合物がカルボキシル基またはスルホ基を有する、(1)または(2)に記載のリチウムイオン二次電池。
(4)正極材料がNiを含む、(1)〜(3)のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
(5)シランカップリング剤が、正極材料100重量部に対して0.01〜5.0重量部の範囲の量で存在する、(1)〜(4)のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
(6)高分子化合物が、正極材料100重量部に対して0.01〜5.0重量部の範囲の量で存在する、(1)〜(5)のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
(7)リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極材料を含む粒子を前記正極材料と結合可能なシランカップリング剤と接触させ、さらに前記シランカップリング剤と結合可能な高分子化合物と接触させる工程を含む、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
(8)シランカップリング剤がエポキシ基またはアミノ基を有する、(7)に記載の方法。
(9)高分子化合物がカルボキシル基またはスルホ基を有する、(7)または(8)に記載の方法。
本発明のリチウムイオン二次電池では、ガス発生の原因となる反応性物質が存在する正極材料表面がシランカップリング剤および高分子化合物により被覆されているため、該反応性物質による電解液の分解などが抑制される。従って、本発明によれば、特に高温環境下における電池内でのガス発生およびそれに起因する電池の膨れが従来よりも低減されたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、従来のものと同様に、正極と負極とがセパレータを介して重ね合わされ、それらが非水電解液と共に、鉄やアルミニウムなどからなる缶やアルミラミネートフィルムからなる容器に封入された構成を有する。以下、本発明のリチウムイオン二次電池の構成について詳細に説明する。
1.正極
本発明のリチウムイオン二次電池の正極は、従来のものと同様に、例えば正極活物質を導電材および結着剤と共に溶媒中に分散させて正極塗工インクを調製し、これを集電体上に塗布し溶媒を除去することにより製造される。
本発明のリチウムイオン二次電池における正極活物質は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極材料を含む粒子、前記正極材料と結合可能なシランカップリング剤、および前記シランカップリング剤と結合可能な高分子化合物から得られる。
(1)正極材料
リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極材料としては、例えば以下のようなものが挙げられる。以下に例示する正極材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
・LiとNiを含むリチウムニッケル複合酸化物(LiNiOなど)
・LiとNiに加えてMで示される少なくとも1種類の遷移金属を含むリチウムニッケル含有遷移金属複合酸化物(LiNi(1−y)など:ここでxは0<x≦1.2、yは0<y<1であり、MはAl、Mg、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Ti、Ge、W、およびZrからなる群、好ましくはMn、Co、およびAlからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素である)
・LiとCoを含むリチウムコバルト複合酸化物(LiCoOなど)
・LiとCoに加えてMで示される少なくとも1種類の遷移金属を含むリチウムコバルト含有遷移金属複合酸化物(LiCo(1−y)など:ここでxは0<x≦1.2、yは0<y<1であり、MはAl、Mg、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Ti、Ge、W、およびZrからなる群、好ましくはMn、Ni、およびAlからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素である)
・その他のリチウム含有複合酸化物(LiMOまたはLiなど:ここでxは0<x≦1であり、yは0<y≦2であり、MはAl、Mg、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Ti、Ge、W、およびZrからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素である)、特にスピネル型リチウム含有複合酸化物
・リチウム含有遷移金属複合カルコゲン化物(二硫化チタン、二硫化モリブデンなどの金属硫化物など)
・オリビン型結晶構造を有するリチウム含有化合物(LiMPO(ここでMはFe、MnおよびNiからなる群から選択される)など)
正極材料の製造過程では、リチウムを所望の化学量論比に対して過剰に加えることがある。その場合、未反応に終わったリチウムが空気中の水分や二酸化炭素と反応するなどして、水酸化リチウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウムなどの形で正極材料の表面に多量に存在することになる。また、リチウム以外のアルカリ金属化合物(例えばACOやAOH:Aはアルカリ金属)が正極材料の表面に存在する場合もある。(以下、そのような正極材料表面に存在するアルカリ金属化合物を「アルカリ金属付着物」とも称する)。正極材料における炭酸リチウムや炭酸水素リチウムなどのアルカリ金属付着物は、電池内でのガス(炭酸ガス)の発生源となることが懸念される。また、そもそも金属酸化物は表面が高活性であるため、正極材料自体、あるいは正極材料表面のアルカリ金属付着物と非水電解液とが反応することもガスの発生源となることが懸念される。
また、正極材料のうち、特にリチウムに加えてニッケルを含むリチウムニッケル複合酸化物やリチウムニッケル含有遷移金属複合酸化物を使用すると電池の高容量化が期待できるが、例えば電池を4.2Vまで充電する際にはより多くのリチウムを構造から引き抜くことになるため、そのリチウムの引き抜きにより正極材料の化学的な安定性は低下すると考えられる。さらに、ニッケルはコバルトなどと比較しても特に活性が高いため、より非水電解液と反応しやすいと考えられる。従って、ニッケルを含む正極材料を用いる場合には、特にガスの発生量が多くなることが懸念される。
本発明のリチウムイオン二次電池における正極活物質は、正極材料に加えて、正極材料と結合可能なシランカップリング剤を含む。「正極材料と結合可能」とは、シランカップリング剤が、正極材料自体あるいはその表面のアルカリ金属付着物と反応し、共有結合などの何らかの化学結合により結合することができることを意味する。シランカップリング剤は、正極材料の表面を被覆するような形態で正極活物質中に存在し、正極材料あるいはその表面のアルカリ金属付着物に起因してガスが発生するのを抑制する。シランカップリング剤については後に詳述する。
本発明のリチウムイオン二次電池における正極活物質は、上述したシランカップリング剤と結合可能な高分子化合物をさらに含む。「シランカップリング剤と結合可能」とは、高分子化合物が、シランカップリング剤と反応し、共有結合などの何らかの化学結合により結合することができることを意味する。高分子化合物は、シランカップリング剤により被覆された正極材料をさらに被覆するような形態で正極活物質中に存在する。高分子化合物は、シランカップリング剤による被覆を補強する役割を果たすと考えられる。高分子化合物については後に詳述する。
本発明において、正極材料はリチウム以外の金属としてニッケルを50モル%以上含む組成を有するものが好ましい。上述のとおり、ニッケルを多く含む正極材料を用いることにより電池の高容量化が期待でき、一方、懸念されるガスの発生についてはシランカップリング剤および高分子化合物を用いることにより十分抑制できるからである。そのような正極材料としては、LiNiα(1−α)(ここで、xは0<x≦1.2であり、αは0.5≦α≦1であり、MはAl、Mg、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Ti、Ge、W、およびZrからなる群、好ましくはMn、Co、およびAlからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素である)で示される組成を有するものが挙げられる。
上述したような正極材料の製造方法は従来公知である。例えば構成元素源となる化合物を所望の比で混合した後に焼成するなどの方法により製造することができる。また、そのようにして得られた正極材料は、必要に応じて粉砕や造粒などに供してもよく、所望の粒子径を持った粒子あるいは所望の粒径分布を有する二次粒子とすることもできる。
本発明において「リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極材料を含む粒子」とは、実質的に正極材料からなる、すなわち正極材料を90重量%以上、特に95%以上、とりわけ99%以上含む粒子を意味し、あるいは場合により正極材料のみからなる粒子を意味する。
(2)シランカップリング剤
本発明におけるシランカップリング剤は、上述の正極材料と結合可能な構造を有する。「シランカップリング剤」とは、一般式:Y−SiR (OR3−n[式中、RはC1−6アルキル基(特にメチル)、RはC1−6アルキル基またはC1−6アルコキシC1−6アルキル基(特にメチル、エチルまたは2−メトキシエチル)、Yは反応性官能基含有部分を示し、nは0または1(特に0)である]で表される化合物である。シランカップリング剤は、例えばケイ素上のアルコキシ基(上記一般式のOR)が水により加水分解されてシラノールとなり、それにより生じたヒドロキシ基が、正極材料表面に存在するヒドロキシ基との間で脱水縮合することにより正極材料と結合する。
本発明におけるシランカップリング剤は、上記の一般式においてYで表される反応性官能基含有部分に、1個または複数個の反応性官能基を有することが好ましい。Yで表される反応性官能基含有部分は、例えば直鎖または分岐鎖のC1−18アルキル基(特にC1−12アルキル基、とりわけC1−6アルキル基)であって、炭素鎖の末端もしくは中間部分に1個または複数個の反応性官能基を有するような構造を有する。
シランカップリング剤が有する反応性官能基としては、エポキシ基、アミノ基などが挙げられる。そのような官能基を有することにより、後述する高分子化合物が該官能基を介して結合することができ、正極材料表面の被覆をより均一かつ安定したものにするのに貢献する。なお、シランカップリング剤は1分子中に複数種の反応性官能基を有していてもよい。また、シランカップリング剤は複数種を混合して用いてもよい。
本発明において好ましいシランカップリング剤としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩などが挙げられる。
シランカップリング剤は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)やジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エタノールなどの有機溶媒に希釈して用いることができる。
シランカップリング剤は、正極材料100重量部に対して0.01〜5.0重量部、特に0.01〜3.0重量部、0.01〜1.0重量部、とりわけ0.05〜0.1重量部の範囲の量で正極活物質中に存在することが好ましい。この範囲の量であれば、正極材料の被覆に起因する電池性能の低下を防ぎつつ、特に高温環境下でのガス発生を十分抑制することができる。
(3)高分子化合物
本発明における高分子化合物は、上述のシランカップリング剤と結合可能な構造を有する。シランカップリング剤がエポキシ基、アミノ基などの官能基を有する場合、高分子化合物はそれらの官能基と反応性である官能基を有することが好ましい。高分子化合物は、シランカップリング剤と結合する官能基としてカルボキシル基またはスルホ基を有することが好ましい。そのような官能基は、高分子化合物中に複数種含まれていてもよく、高分子化合物は複数種を混合して用いてもよい。高分子化合物は、そのような官能基を介して、正極材料と結合したシランカップリング剤と結合することができ、正極材料表面の被覆をより均一かつ安定したものにすることができる。また、カルボキシル基やスルホ基の存在は、イオン交換樹脂などと同様の機構により高分子化合物にリチウムイオン伝導性を与えることになり、正極材料が被覆されていることに起因する抵抗上昇および電池性能の低下を防ぐ効果も奏する。
本発明において好ましい高分子化合物としては、カルボキシル基含有高分子化合物として、ポリアクリル酸、およびポリメタクリル酸を、スルホ基含有高分子化合物として、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、およびスルホメチル化ポリエーテルスルホンをそれぞれ挙げることができる。
高分子化合物は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)やジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エタノールなどの有機溶媒に希釈して用いることができる。
高分子化合物は、正極材料100重量部に対して0.01〜5.0重量部、特に0.01〜3.0重量部、0.01〜1.0重量部、0.05〜1.0重量部、とりわけ0.1〜0.5重量部の範囲の量で正極活物質中に存在することが好ましい。この範囲の量であれば、正極材料の被覆に起因する電池性能の低下を防ぎつつ、特に高温環境下でのガス発生を十分抑制することができる。
(4)正極の製造方法
本発明のリチウムイオン二次電池における正極は、例えば以下の手順に従って製造することができる。
まず、上記(1)〜(3)で説明した正極材料を含む粒子、シランカップリング剤および高分子化合物を用いて正極活物質を製造する。正極材料を含む粒子を最初にシランカップリング剤と接触させて、該粒子にシランカップリング剤の被膜を形成させる。シランカップリング剤は、上述したNMPなどの有機溶媒に希釈して用いることが好ましい。次に、シランカップリング剤の被膜が形成された粒子に、さらに高分子化合物を接触させ、シランカップリング剤の被膜の上に高分子化合物の被膜を形成させる。高分子化合物も、上述したNMPなどの有機溶媒に希釈して用いることが好ましい。
ここで、シランカップリング剤を接触させる工程と、高分子化合物を接触させる工程は、個別に、連続して、または同時に行うことができる。「個別に」とは、粒子にシランカップリング剤を接触させた後、一度乾燥させて溶媒を除去するなどし、その後に高分子化合物を接触させることを意味する。「連続して」とは、粒子にシランカップリング剤を接触させた後、乾燥させずにそのまま高分子化合物と接触させることを意味する。「同時に」とは、粒子にシランカップリング剤と高分子化合物を同時に接触させることを意味する。
正極材料を含む粒子に形成されたシランカップリング剤および高分子化合物による被膜は、飛行時間型2次イオン質量分析計(TOF−SIMS)によって確認することができる。
次に、得られた正極活物質を導電材および結着剤と共に溶媒中に分散させて正極塗工インクを調製し、これを集電体上に塗布し、乾燥させて溶媒を除去することにより正極が得られる。
正極の導電性を向上させる目的で、正極塗工インクには導電材を用いることが好ましい。導電材としては、炭素の微細粒子や炭素繊維などを挙げることができる。具体的には、カーボンブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどを利用できる。なお、導電性を付与する目的が達成されればこれらに限定されず、金属材料や導電性高分子を用いることも可能である。また、これらの材料は複数種を混合して用いてもよい。導電材の使用量は特に限定されないが、正極活物質100重量部に対して0.1〜10重量部、特に1〜5重量部の範囲の量で含まれていることが好ましい。
正極塗工インクに用いる結着剤としては、リチウムイオン二次電池で一般的に使用されるものを使用することができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFP)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体などを利用できる。特に好ましい結着剤はポリフッ化ビニリデンである。結着剤は複数種を混合して用いてもよい。結着剤の使用量は特に限定されないが、正極活物質100重量部に対して0.1〜5重量部、特に1〜5重量部の範囲の量で含まれていることが好ましい。
分散溶媒は、各成分が溶解されれば特に限定されず、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが利用できる。分散溶媒としてはNMPが好ましい。
正極塗工インクを集電体に塗布する方法は、従来公知のものを利用できる。正極塗工インクの塗布は、例えばバーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、スリットコーター、ダイコーター、ドクターブレード、キャスト装置、スプレー装置などの適切な装置を用いて行うことができる。
集電体に塗布された正極塗工インクの塗工面は、適宜プレスなどの平滑化処理により圧縮、研削することができる。これについても、ロールプレス法や平板プレス法など従来公知の方法により行うことができる。塗工面の平滑化処理や塗工層の圧縮処理は、表面平滑度や塗工層の厚みが所望の状態となるように複数回実施してもよい。
以上、正極の製造方法について説明したが、正極活物質の製造以外については、上述した方法に限られるものではなく、他の方法により正極を製造することもできる。
2.負極
本発明のリチウムイオン二次電池の負極には、従来用いられているリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物を用いることが可能であり、天然黒鉛、鱗片状や塊状などの人造黒鉛、石油コークスや石炭ピッチコークスなどから得られる易黒鉛化材料を2500℃以上の温度で熱処理したもの、メソフェーズピッチ系黒鉛、フルフリルアルコールなどのフラン樹脂などを焼成した非晶質炭素、炭素繊維、炭素粒子表面に金属を担持した材料、ならびにリチウム、銀、アルミニウム、スズ、ケイ素、インジウム、ガリウム、およびマグネシウムからなる群から選択される金属またはその合金もしくはその酸化物などを用いることができる。さらにチタン酸リチウムなども用いることができる。これらの材料は、複数種を組み合わせて用いてもよい。
3.セパレータ
本発明のリチウムイオン二次電池のセパレータは、正極と負極を隔離して短絡を防ぐことができるものであれば、電池に悪影響を及ぼさないものである限りどのような材質のものを用いてもよい。セパレータの具体例としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルなどのポリマーからなるもの、ガラス繊維を用いたガラスクロスからなるものなどが挙げられ、特にポリオレフィンからなるものが好ましい。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられ、例えばそれらの材料からなるフィルムを重ね合わせたものをセパレータとして使用することができる。セパレータの通気度(sec/100mL)は、10〜1000、特に50〜800、特に90〜700の範囲内であることが好ましい。
4.非水電解液
本発明のリチウムイオン二次電池に用いる非水電解液は、非水性溶媒(有機溶媒)と電解質塩を含む。
非水性溶媒としては、特に限定されないが、高誘電率のものが好ましく、カーボネート類を含むエステル類がより好ましい。中でも、誘電率が30以上のエステルを使用することが特に好ましい。そのような高誘電率のエステルとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、イオウ系エステル(エチレングリコールサルファイトなど)などが挙げられる。これらの中でも環状エステルが好ましく、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートやフルオロエチレンカーボネートなどの環状カーボネートが特に好ましい。また、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどに代表される低粘度の極性鎖状カーボネート系化合物、脂肪族の分岐鎖のカーボネート系化合物も用いることができる。環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒、中でもエチレンカーボネート、ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートの混合物が特に好ましい。
非水性溶媒としては、プロピオン酸メチルなどの鎖状アルキルエステル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルなどの鎖状リン酸エステル、3−メトキシプロピオニトリルなどのニトリル系溶媒、デンドリマーとデンドロンに代表されるエーテル結合を有する分岐型化合物なども用いることができる。
また、非水性溶媒としてはフッ素系の溶媒も用いることができる。フッ素系の溶媒としては、例えば、H(CFOCH、COCH、H(CFOCHCH、H(CFOCHCF、H(CFCHO(CFHなど、または、CFCHFCFOCH、CFCHFCFOCHCHなどの直鎖構造の(パーフロロアルキル)アルキルエーテル、または、イソ(パーフロロアルキル)アルキルエーテル、すなわち、2−トリフロロメチルヘキサフロロプロピルメチルエーテル、2−トリフロロメチルヘキサフロロプロピルエチルエーテル、2−トリフロロメチルヘキサフロロプロピルプロピルエーテル、3−トリフロロオクタフロロブチルメチルエーテル、3−トリフロロオクタフロロブチルエチルエーテル、3−トリフロロオクタフロロブチルプロピルエーテル、4−トリフロロデカフロロペンチルメチルエーテル、4−トリフロロデカフロロペンチルエチルエーテル、4−トリフロロデカフロロペンチルプロピルエーテル、5−トリフロロドデカフロロヘキシルメチルエーテル、5−トリフロロドデカフロロヘキシルエチルエーテル、5−トリフロロドデカフロロヘキシルプロピルエーテル、6−トリフロロテトラデカフロロヘプチルメチルエーテル、6−トリフロロテトラデカフロロヘプチルエチルエーテル、6−トリフロロテトラデカフロロヘプチルプロピルエーテル、7−トリフロロヘキサデカフロロオクチルメチルエーテル、7−トリフロロヘキサデカフロロオクチルエチルエーテル、7−トリフロロヘキサデカフロロヘキシルオクチルエーテルなどが挙げられる。さらに、イソ(パーフロロアルキル)アルキルエーテルと、直鎖構造の(パーフロロアルキル)アルキルエーテルとを併用することもできる。
電解質塩としては、リチウムの過塩素酸塩、有機ホウ素リチウム塩、含フッ素化合物のリチウム塩、リチウムイミド塩などのリチウム塩を用いることができ、具体的には、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSOなどが挙げられる、これらのリチウム塩の中では、含フッ素有機リチウム塩を好適に用いることができる。
非水電解液中における電解質塩の濃度は、0.3mol/L以上、特に0.7mol/L以上であって、1.7mol/L以下、特に1.2mol/L以下であることが好ましい。この範囲内であれば、電解質濃度が低すぎてイオン伝導度が小さくなったり、高すぎて溶解しきれない電解質塩が析出したりすることがない。
非水電解液には、電池の性能を向上させる各種の添加剤を添加してもよい。例えば、C=C不飽和結合を分子内に有する化合物を添加した非水電解液では、電池の充放電サイクル特性の低下をさらに抑制できる場合がある。このようなC=C不飽和結合を分子内に有する化合物としては、例えば、C11(フェニルシクロヘキサン)などの芳香族化合物、H(CFCHOOCCH=CH、F(CFCHCHOOCCH=CHなどのフッ素化された脂肪族化合物、フッ素含有芳香族化合物などが挙げられる。また、1,3−プロパンスルトン、1,2−プロパジオール硫酸エステルをはじめとするイオウ元素を有する化合物(例えば、鎖状または環状スルホン酸エステルや、鎖状または環状の硫酸エステルなど)やビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、フッ化エチレンカーボネートなども使用できる。これらの各種添加剤の添加量は、非水電解液全量中、例えば0.05〜5重量部とすることが好ましい。
5.リチウムイオン二次電池の形状
本発明のリチウムイオン二次電池は、上述したような正極と負極とをセパレータを介して重ね合わせて、非水電解液と共に、鉄やアルミニウムなどからなる缶やアルミラミネートフィルムからなる容器に封入して製造される。リチウムイオン二次電池は、その容器の形状により、角型や円筒などの形状とすることができる。
角型電池は、円筒電池と比較すると、内部でのガス発生による変形が一様ではなく、投影面積が最大となるような面に垂直な方向への変形量が大きい。変形の生じた電池は、本来設計された寸法を超えた大きさになると考えられる。例えば、携帯電話などに電池を利用する場合、電池の厚みが増加することで電池を搭載する部分をカバーすることができなくなり、外観上の美観を損ねるばかりか、電池が露出することにより機器の故障等を招く恐れがある。その点、本発明のリチウムイオン二次電池によれば、電池内部でのガス発生を抑制することができ、そのような不具合が生じることがない。従って、本発明のリチウムイオン二次電池は角型の形状とする際に、特に有利である。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更して実施することができる。
<実施例1>
1.正極活物質への被膜の付与
正極活物質としてリチウム、ニッケル、コバルト、アルミの遷移金属複合酸化物を用いた。この正極活物質を原子吸光分析法により元素分析したところ、LiNi0.6Co0.2Al0.2の組成が確認された。(以下、この複合酸化物を「NCA正極材」と称する。)カップリング剤とポリマーは、予めN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させたものを用いた。
NCA正極材に、該正極材に対して0.05重量%の量の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学工業製:カップリング剤A)を加え、混錬機で20分間混錬した。次に、正極材に対して0.1重量%の量のポリアクリル酸(和光純薬工業製:ポリマーA)を加え、さらに20分間混錬した。
2.正極の調製
上記1で得られた被膜を有する正極活物質、導電材としてのアセチレンブラック、および結着剤としてのポリフッ化ビニリデンを94:3:3の重量比となるように秤量し、これを溶媒であるNMPに分散させて正極塗工インクを調製した。得られた塗工インクを、アルミ箔からなる集電体にバーコーターを用いて塗布した。乾燥させることにより溶媒を除去し、ロールプレス装置を用いてプレスした。プレス後、4.9cmの大きさに切り出して正極を得た。正極活物質の塗布密度は200g/mであった。
3.負極の調製
グラファイト、炭素繊維およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)を86:10:4の重量比となるように秤量し、これを溶媒であるNMPに分散させて負極塗工インクを調製した。得られた塗工インクを、銅箔からなる集電体にバーコーターを用いて塗布した。乾燥させることにより溶媒を除去し、ロールプレス装置を用いて嵩密度が1.0g/cmになるようプレスした。プレス後、4.9cmの大きさに切り出して負極を得た。
4.電解液
エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートを体積比で1:1:1となるよう混合し、そこにLiPFを1mol/dmとなるように溶解させて電解液を得た。
5.ガス発生量評価
上記2で作製した正極と上記3で作製した負極との間にポリオレフィン系のセパレータを挿入し、アルミラミネートを使用して作製したラミネートセルにそれらを入れた。上記4で調製した電解液を注入してラミネートセルを閉じ、ラミネート電池を得た。作製したラミネート電池は、4.2Vに充電後2.5Vまで放電するサイクルを3回行った後、再度4.2Vに充電した。その後、ラミネート電池を解体し、ラミネート電池2個分の正極を取り出した。取り出した正極を新しい電解液と共に小さなラミネート袋に入れ、溶着して密閉し、体積を測定した。ラミネート袋を85℃の恒温槽に入れて24時間保存した後、室温まで冷却してから再度体積を測定した。加熱前後の体積変化からラミネート袋内のガス発生量を評価した。
6.角型電池評価
上記2と同様に作製した正極と、上記3と同様に作製した負極(いずれも電極の切り出しサイズのみ異なる)とを用いて角型電池を作製した。正極と負極の間にポリオレフィン系のセパレータを挿入し、これを長手方向に巻き取るように扁平円形状に捲回して電池群を作製した。作製した電池群と上記4で調製した電解液を角型の缶に入れて蓋をし、角型電池を得た。作製した角型電池は、4.2Vに充電後2.5Vまで放電するサイクルを3回行い、初期特性を確認した。再度4.2Vに充電後、85℃の恒温槽に入れて24時間保存し、室温まで冷却してから電池の厚みを測定した。電池の厚みは電池の中心点で測定した。加熱前後の電池の厚みの変化から電池の膨れを評価した。
7.評価結果
上記5のガス発生量評価の結果、0.22mLのガスが発生していた。また、上記6の角型電池評価の結果、角型電池の初期容量は735mAhであり、加熱後の電池の厚みは1.2mm増加していた。
<実施例2>
工程1において、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(カップリング剤A)をNCA正極材に対して0.1重量%の量となるように添加した以外は実施例1と同様にした。
ガス発生量評価の結果、0.23mLのガスが発生していた。また、角型電池評価の結果、角型電池の初期容量は744mAhであり、加熱後の電池の厚みは1.3mm増加していた。
<実施例3>
工程1において、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(カップリング剤A)をNCA正極材に対して0.1重量%の量となるように添加し、ポリアクリル酸(ポリマーA)をNCA正極材に対して0.5重量%の量となるように添加した以外は実施例1と同様にした。
ガス発生量評価の結果、0.23mLのガスが発生していた。また、角型電池評価の結果、角型電池の初期容量は733mAhであり、加熱後の電池の厚みは1.3mm増加していた。
<実施例4>
工程1において、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(カップリング剤A)をNCA正極材に対して0.1重量%の量となるように添加し、ポリアクリル酸(ポリマーA)に替えてポリスチレンスルホン酸(シグマアルドリッチ製:ポリマーB)を用い、NCA正極材に対して0.1重量%の量となるように添加した以外は実施例1と同様にした。
ガス発生量評価の結果、0.22mLのガスが発生していた。また、角型電池評価の結果、角型電池の初期容量は740mAhであり、加熱後の電池の厚みは1.2mm増加していた。
<実施例5>
工程1において、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(カップリング剤A)に替えて3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−402、信越化学工業製:カップリング剤B)を用い、NCA正極材に対して0.1重量%の量となるように添加した以外は実施例1と同様にした。
ガス発生量評価の結果、0.22mLのガスが発生していた。また、角型電池評価の結果、角型電池の初期容量は738mAhであり、加熱後の電池の厚みは1.2mm増加していた。
<比較例1>
カップリング剤およびポリマーを使用せず、NCA正極材を未処理のまま使用した以外は実施例1と同様にした。
ガス発生量評価の結果、0.33mLのガスが発生していた。また、角型電池評価の結果、角型電池の初期容量は760mAhであり、加熱後の電池の厚みは1.8mm増加していた。
<比較例2>
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(カップリング剤A)をNCA正極材に対して0.1重量%の量となるように添加し、ポリマーを添加しなかった以外は実施例1と同様にした。
ガス発生量評価の結果、0.26mLのガスが発生していた。また、角型電池評価の結果、角型電池の初期容量は740mAhであり、加熱後の電池の厚みは1.5mm増加していた。
<比較例3>
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(カップリング剤A)を添加しなかった以外は実施例1と同様にした。
ガス発生量評価の結果、0.26mLのガスが発生していた。また、角型電池評価の結果、角型電池の初期容量は744mAhであり、加熱後の電池の厚みは1.5mm増加していた。
以上の実施例1〜5および比較例1〜3の結果を表1にまとめた。
Figure 0005985975
実施例1〜5における角型電池の厚み増加量およびガス発生量は、比較例1〜3のものと比べていずれも少なかった。これは、カップリング剤とポリマーとを併用したことにより、カップリング剤とポリマーのいずれかのみ使用した場合(比較例2および3)、あるいはいずれも使用しなかった場合(比較例1)と比較してガスの発生が抑制されたことを示す。また、実施例1〜5における角型電池の初期容量は、カップリング剤およびポリマーを全く使用しなかった比較例1と比べても遜色はなかった。
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を詳細に説明することのみをその目的とするものであり、本発明は説明した全ての構成を備えるものに限定されない。実施例の構成の一部を他のものに置き換えることが可能であり、実施例の構成に他の構成を加えることも可能である。

Claims (8)

  1. リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極材料を含む粒子と、前記正極材料と結合可能なシランカップリング剤と、前記シランカップリング剤と結合可能な高分子化合物とから得られる正極活物質を正極に有し、
    前記シランカップリング剤が、正極材料100重量部に対して0.01〜5.0重量部の範囲の量で存在し、かつ正極材料の表面を被覆しており、
    前記高分子化合物が、前記シランカップリング剤により被覆された正極材料をさらに被覆している、リチウムイオン二次電池。
  2. シランカップリング剤がエポキシ基またはアミノ基を有する、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 高分子化合物がカルボキシル基またはスルホ基を有する、請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 正極材料がNiを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 高分子化合物が、正極材料100重量部に対して0.01〜5.0重量部の範囲の量で存在する、請求項1〜のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  6. リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極材料を含む粒子を前記正極材料と結合可能なシランカップリング剤と接触させてシランカップリング剤により被覆し、さらに前記シランカップリング剤と結合可能な高分子化合物と接触させて高分子化合物により被覆する工程を含む、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
  7. シランカップリング剤がエポキシ基またはアミノ基を有する、請求項に記載の方法。
  8. 高分子化合物がカルボキシル基またはスルホ基を有する、請求項またはに記載の方法。
JP2012273364A 2012-02-15 2012-12-14 リチウムイオン二次電池およびリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 Active JP5985975B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012273364A JP5985975B2 (ja) 2012-02-15 2012-12-14 リチウムイオン二次電池およびリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012030841 2012-02-15
JP2012030841 2012-02-15
JP2012273364A JP5985975B2 (ja) 2012-02-15 2012-12-14 リチウムイオン二次電池およびリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013191539A JP2013191539A (ja) 2013-09-26
JP5985975B2 true JP5985975B2 (ja) 2016-09-06

Family

ID=49391556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012273364A Active JP5985975B2 (ja) 2012-02-15 2012-12-14 リチウムイオン二次電池およびリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5985975B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6051929B2 (ja) * 2013-02-25 2016-12-27 東洋インキScホールディングス株式会社 二次電池電極形成用組成物、二次電池電極、及び二次電池
JP2015118871A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 凸版印刷株式会社 非水電解質二次電池用負極、及び非水電解質二次電池
EP3528324B1 (en) * 2014-06-12 2021-11-17 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Coated lithium-nickel composite oxide particles and method for producing coated lithium-nickel composite oxide particles
CN104538637A (zh) * 2014-12-29 2015-04-22 东莞新能源科技有限公司 一种锂离子二次电池及其制备方法
TWI581484B (zh) * 2014-12-31 2017-05-01 財團法人工業技術研究院 電池電極漿料組成物
EP3408884A4 (en) * 2016-01-25 2019-09-18 Hydro-Québec CORE-SHELL ELECTRODE MATERIAL PARTICLES AND THEIR USE IN ELECTROCHEMICAL CELLS
TWI682578B (zh) 2017-12-12 2020-01-11 財團法人工業技術研究院 正極板與正極板漿料的形成方法
JP7097271B2 (ja) * 2018-09-21 2022-07-07 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池用被覆正極活物質、リチウムイオン電池用正極スラリー、リチウムイオン電池用正極、及び、リチウムイオン電池
US12463213B2 (en) 2019-02-19 2025-11-04 Jfe Steel Corporation Positive electrode active material for lithium-ion secondary cell, and lithium-ion secondary cell
EP3993104A4 (en) 2019-08-06 2024-09-25 Murata Manufacturing Co., Ltd. POSITIVE ELECTRODE ACTIVE MATERIAL, POSITIVE ELECTRODE AND SECONDARY BATTERY
JP7331958B2 (ja) 2020-01-31 2023-08-23 株式会社村田製作所 二次電池用正極活物質、二次電池用正極および二次電池
JP2022083861A (ja) * 2020-11-25 2022-06-06 パナソニックIpマネジメント株式会社 化学電池およびその製造方法
WO2022198657A1 (zh) * 2021-03-26 2022-09-29 宁德新能源科技有限公司 一种正极补锂材料、包含该材料的正极极片和电化学装置
KR20250002523A (ko) * 2022-07-11 2025-01-07 컨템포러리 엠퍼렉스 테크놀로지 (홍콩) 리미티드 복합 재료 및 이의 제조 방법, 전극, 이차배터리 및 전기 장치

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4826199B2 (ja) * 2005-10-14 2011-11-30 株式会社豊田中央研究所 水系リチウム二次電池
JP5678419B2 (ja) * 2009-08-27 2015-03-04 日産自動車株式会社 電池用電極およびその製造方法
JP5168399B2 (ja) * 2010-10-26 2013-03-21 大日本印刷株式会社 非水電解液二次電池用電極板、非水電解液二次電池、電池パック、及び非水電解液二次電池用電極板の製造方法
JP5794614B2 (ja) * 2011-03-29 2015-10-14 国立大学法人九州工業大学 加熱炉用ローラー

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013191539A (ja) 2013-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5985975B2 (ja) リチウムイオン二次電池およびリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法
JP5455975B2 (ja) 正極活物質、並びにこれを用いたリチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池
JP6549565B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池
CN101894975B (zh) 具有稳定电极的长寿命的锂电池
CN103988349B (zh) 非水系电解质二次电池用正极材料及其制造方法、及使用了该正极材料的非水系电解质二次电池
US9257697B2 (en) Positive electrode material, manufacturing method thereof, positive electrode for non-aqueous rechargeable battery, and non-aqueous rechargeable battery
JP5894513B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極及びその製造方法
CN103250282A (zh) 用于二次电池的正极活性材料
CN111295788A (zh) 锂二次电池用正极活性物质、锂二次电池用正极、锂二次电池
JP5357517B2 (ja) リチウムイオン二次電池
EP2190054A1 (en) Nonaqueous electrolyte solution for secondary battery and nonaqueous electrolyte secondary battery
WO2007010915A1 (ja) 非水電解質二次電池及びその製造方法
JP7135282B2 (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、および、非水系電解質二次電池
CN101800303A (zh) 非水电解质二次电池用负极活性物质及其制造方法以及非水电解质二次电池
KR20180044285A (ko) 비수계 전해질 이차 전지용 정극 활물질과 그의 제조 방법 및 비수계 전해질 이차 전지
JPWO2010125729A1 (ja) 非水電解質二次電池用正極板およびその製法並びに非水電解質二次電池
CN108370068A (zh) 非水电解质添加剂、包括该非水电解质添加剂的非水电解质和包括该非水电解质的锂二次电池
CN106848396A (zh) 一种复合聚合物电解质及其制备方法与应用
JPWO2013073288A1 (ja) リチウムイオン二次電池
JP2008198524A (ja) 非水電解質二次電池
JP5691828B2 (ja) 二次電池
KR20210126569A (ko) 전해질용 조성물, 비수 전해질 및 비수 전해질 이차 전지
JP2015195195A (ja) 非水電解質二次電池
WO2014136794A1 (ja) リチウム二次電池
US20230420749A1 (en) Secondary battery electrode additive

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150316

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160303

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160804

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5985975

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250