JP5989033B2 - ポリ(メタ)アクリルイミドフィルム、その易接着性フィルム、及びそのハードコート積層フィルム - Google Patents

ポリ(メタ)アクリルイミドフィルム、その易接着性フィルム、及びそのハードコート積層フィルム Download PDF

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Description

本発明は、ポリ(メタ)アクリルイミドフィルムに関する。更に詳しくは、表面平滑性、透明性、及び外観に優れ、レタデーションの小さいポリ(メタ)アクリルイミドフィルム、ハードコートとの密着強度に優れた易接着性ポリ(メタ)アクリルイミドフィルム、及びタッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として好適なハードコート積層ポリ(メタ)アクリルイミドフィルムに関する。
近年、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ等の画像表示装置上に設置され、表示を見ながら指やペン等でタッチすることにより入力を行うことのできるタッチパネルが普及している。
従来、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板には、耐熱性、寸法安定性、高透明性、高表面硬度、及び高剛性などの要求特性に合致することから、ガラスを基材とする部材が使用されてきた。一方、ガラスには、耐衝撃性が低く割れ易い、加工性が低い、ハンドリングが難しい、比重が高く重い、ディスプレイの曲面化やフレキシブル化の要求に応えることが難しいなどの問題がある。そこでガラスに替わる材料が盛んに研究されており、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、及びノルボルネン系重合体などの透明樹脂フィルム基材の表面に表面硬度と耐擦傷性に優れるハードコートを形成したハードコート積層フィルムが多数提案されている(例えば、特許文献1)。しかし、その耐熱性や寸法安定性は不十分である。
特に透明導電性基板の代替については、透明導電膜を形成する際にプロセス温度を高く保って透明導電膜の結晶化度を高め、表面抵抗を低くしたいところ、透明樹脂フィルム基材の耐熱性が不充分であるため、プロセス温度を上げることができない;透明樹脂フィルム基材の耐熱性が不充分であるため、透明導電性積層フィルムの上に更に薄膜トランジスタを形成することはできない;などの理由により透明樹脂フィルム基材の採用は進んでいない。透明導電性基板の基材には専らガラスが使用されているというのが現状である。
そこで本発明者は、ポリ(メタ)アクリルイミドを透明樹脂フィルム基材として用いることを考えた。ポリ(メタ)アクリルイミドは、アクリル系樹脂の高透明性、高表面硬度、高剛性という特徴はそのままにポリイミド系樹脂の耐熱性や寸法安定性に優れるという特徴を導入し、淡黄色から赤褐色に着色するという欠点を改良した熱可塑性樹脂であり、例えば、特許文献2に開示されている。しかし、通常のTダイ押出法では、表面平滑性、透明性、外観に優れたポリ(メタ)アクリルイミドフィルムを得ることはできなかった。また特許文献3には、「膜厚が薄く、ダイライン、表面粗さおよびフィルムシワが良好なアクリルフィルムおよびその製造方法」が開示されている。ポリ(メタ)アクリルイミドはアクリルとしての特性も有することから、本発明者は特許文献3の技術の適用を試みたが、やはり表面平滑性、透明性、外観に優れたポリ(メタ)アクリルイミドフィルムを得ることはできなかった。
特開2013−208896号公報 特表2011−519999号公報 特開2009−292871号公報
本発明の課題は、表面平滑性、透明性、及び外観に優れ、レタデーションの小さいポリ(メタ)アクリルイミドフィルム、ハードコートとの密着強度に優れた易接着性ポリ(メタ)アクリルイミドフィルム、及び液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ等の画像表示装置の部材(タッチパネル機能を有する画像表示装置及びタッチパネル機能を有しない画像表示装置を含む。)、例えば、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として好適なハードコート積層ポリ(メタ)アクリルイミドフィルムを提供することにある。
本発明者は、鋭意研究した結果、特定の物性を有するポリ(メタ)アクリルイミドフィルムを透明樹脂フィルム基材とすることにより、上記課題を達成できることを見出した。
すなわち、本発明の第一の発明は、下記特性(イ)、及び(ロ)を満たすことを特徴とするポリ(メタ)アクリルイミドフィルムである。
(イ)全光線透過率 90%以上
(ロ)ヘーズ 2.0%以下
本発明の第二の発明は、更に下記特性(ハ)を満たすことを特徴とするポリ(メタ)アクリルイミドフィルムである。
(ハ)レタデーション 50nm以下
本発明の第三の発明は、少なくとも片面の濡れ指数が50mN/m以上であることを特徴とする、第一の発明又は第二の発明に記載のポリ(メタ)アクリルイミドフィルムである。
本発明の第四の発明は、第一〜三の発明の何れか一つに記載のポリ(メタ)アクリルイミドフィルムの少なくとも片面の上に、アンカーコートを形成したことを特徴とする易接着性フィルムである。
本発明の第五の発明は、上記アンカーコートが、アミノ基を有するシランカップリング剤を含むことを特徴とする第四の発明に記載の易接着性フィルムである。
本発明の第六の発明は、上記アンカーコートが、熱可塑性ウレタン系アンカーコートであることを特徴とする第四の発明に記載の易接着性フィルムである。
本発明の第七の発明は、第一の発明又は第二の発明に記載のポリ(メタ)アクリルイミドフィルムの少なくとも片面の上に、ハードコートを形成したことを特徴とするハードコート積層フィルムである。
本発明の第八の発明は、第三の発明に記載のポリ(メタ)アクリルイミドフィルムの濡れ指数が50mN/m以上である面の上に、ハードコートを形成したことを特徴とするハードコート積層フィルムである。
本発明の第九の発明は、上記アンカーコートの上に、更にハードコートを形成したことを特徴とする第四〜六の発明の何れか一つに記載のハードコート積層フィルムである。
本発明の第十の発明は、上記ハードコート表面の鉛筆硬度が7H以上であることを特徴とする第七〜九の発明の何れか一つに記載のハードコート積層フィルムである。
本発明の第十一の発明は、第一〜十の発明の何れか一つに記載のフィルムの、画像表示装置部材としての使用である。
本発明の第十二の発明は、第一〜十の発明の何れか一つに記載のフィルムを含む画像表示装置部材である。
本発明のポリ(メタ)アクリルイミドフィルムは表面平滑性、透明性、及び外観に優れる。また表面硬度や剛性が高く、色調、耐熱性、及び寸法安定性に優れる。更にレタデーションも小さい。また本発明の易接着性フィルムはハードコートとの密着強度に優れる。更に本発明のハードコート積層フィルムは、高透明性、高表面硬度、高剛性であり、耐熱性や寸法安定性にも優れ、色調も良好である。そのため本発明のフィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ等の画像表示装置の部材(タッチパネル機能を有する画像表示装置及びタッチパネル機能を有しない画像表示装置を含む。)、例えば、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として好適に用いることができる。
本発明のポリ(メタ)アクリルイミドフィルムは、下記特性(イ)及び(ロ)を満たす。好ましくは(イ)〜(ハ)を満たす。そのためタッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として好適に用いることができる。
(イ)全光線透過率 90%以上
(ロ)ヘーズ 2.0%以下
(ハ)レタデーション 50nm以下
ポリ(メタ)アクリルイミドフィルムの全光線透過率が90%以上であると、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として好適に用いることができる。全光線透過率は、高いほど好ましく、好ましくは92%以上である。本明細書において、全光線透過率は、JIS K 7361−1:1997に従い、日本電色工業株式会社の濁度計「NDH2000(商品名)」を用いて測定した値である。
ポリ(メタ)アクリルイミドフィルムのヘーズが2.0%以下であると、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として好適に用いることができる。ヘーズは、低いほど好ましく、好ましくは1.5%以下である。本明細書において、ヘーズは、JIS K 7136:2000に従い、日本電色工業株式会社の濁度計「NDH2000(商品名)」を用いて測定した値である。
ポリ(メタ)アクリルイミドフィルムのレタデーションが50nm以下であると、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として極めて好適に用いることができる。レタデーションは、小さいほど好ましく、より好ましくは40nm以下、更に好ましくは30nm以下である。本明細書において、レタデーションは、王子計測機器株式会社の平行ニコル回転法による位相差測定装置「KOBRA−WR(商品名)」を用いて測定した値である。
ポリ(メタ)アクリルイミドは、アクリル樹脂の高透明性、高表面硬度、高剛性という特徴はそのままにポリイミド樹脂の耐熱性や寸法安定性に優れるという特徴を導入し、淡黄色から赤褐色に着色するという欠点を改良した樹脂であり、しかも熱可塑性を有している。なお本明細書において、ポリ(メタ)アクリルイミドとは、ポリアクリルイミド又はポリメタクリルイミドの意味である。
本発明のフィルムを得るために用いるポリ(メタ)アクリルイミドは、透明樹脂フィルム基材として用いる目的から、高い透明性を有し、着色のないものであること以外は制限されず、任意のポリ(メタ)アクリルイミドを用いることができる、
好ましいポリ(メタ)アクリルイミドとしては、黄色度指数(JIS K 7105:1981に従い測定)が、3以下のものをあげることができる。黄色度指数は、より好ましくは2以下であり、更に好ましくは1以下である。また押出負荷や溶融フィルムの安定性の観点から、好ましいポリ(メタ)アクリルイミドとしてメルトマスフローレート(ISO1133に従い、260℃、98.07Nの条件で測定。)が0.1〜20g/10分のものをあげることができる。メルトマスフローレートは0.5〜10g/10分がより好ましい。更にポリ(メタ)アクリルイミドのガラス転移温度は150℃以上のものが好ましい。より好ましくは170℃以上である。
ポリ(メタ)アクリルイミドの市販例としては、エボニック社の「ACRYMID TT70(商品名)」などをあげることができる。
また上記ポリ(メタ)アクリルイミドには、本発明の目的に反しない限度において、所望により、ポリ(メタ)アクリルイミド以外の熱可塑性樹脂;顔料、無機フィラー、有機フィラー、樹脂フィラー;滑剤、酸化防止剤、耐候性安定剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、及び界面活性剤等の添加剤;などを更に含ませることができる。これらの任意成分の配合量は、通常、ポリ(メタ)アクリルイミドを100質量部としたとき、0.01〜10質量部程度である。
本発明のポリ(メタ)アクリルイミドフィルムを得るための製造方法は、特に制限されないが、例えば、
(A)押出機とTダイとを備える装置を用い、Tダイから、ポリ(メタ)アクリルイミドの溶融フィルムを、連続的に押出す工程;
(B)回転する又は循環する第一の鏡面体と、回転する又は循環する第二の鏡面体との間に、上記ポリ(メタ)アクリルイミドの溶融フィルムを供給投入し、押圧する工程;
を含む方法をあげることができる。
上記押出機としては、任意のものを使用することができ、例えば単軸押出機、同方向回転二軸押出機、及び、異方向回転二軸押出機などをあげることができる。
またポリ(メタ)アクリルイミドの劣化を抑制するため、押出機内を窒素パージすることも好ましい方法の一つである。
更にポリ(メタ)アクリルイミドは吸湿性の高い樹脂であるため、製膜に供する前に、これを乾燥することが好ましい。また乾燥機で乾燥したポリ(メタ)アクリルイミドを、乾燥機から押出機に直接輸送し、投入することも好ましい方法の一つである。乾燥機の設定温度は、好ましくは100〜150℃である。
上記Tダイとしては、任意のものを使用することが出来、例えばマニホールドダイ、フィッシュテールダイ、及び、コートハンガーダイなどをあげることができる。
Tダイの温度は、ポリ(メタ)アクリルイミドの溶融フィルムを、連続的に押出す工程を安定的に行うために、少なくとも260℃以上に設定することが好ましい。より好ましくは270℃以上である。またポリ(メタ)アクリルイミドの劣化を抑制するため、Tダイの温度は、350℃以下に設定することが好ましい。
またリップ開度(R)と得られるポリ(メタ)アクリルイミドフィルムの厚み(T)との比(R/T)は、レタデーションが大きくならないようにする観点から、5以下が好ましく、2.5以下がより好ましい。また比(R/T)は、押出負荷が過大にならないようにする観点から、1以上が好ましく、1.1以上がより好ましい。
上記第一の鏡面体としては、例えば、鏡面ロール、鏡面ベルトなどをあげることができる。上記第二の鏡面体としては、例えば、鏡面ロール、鏡面ベルトなどをあげることができる。
上記鏡面ロールは、その表面が鏡面加工されたロールであり、金属製、セラミック製、シリコンゴム製などがある。また鏡面ロールの表面については、腐食や傷付きからの保護を目的としてクロームメッキや鉄−リン合金メッキ、PVD法やCVD法による硬質カーボン処理などを施すことができる。
上記鏡面ベルトは、その表面が鏡面加工された、通常は金属製のシームレスのベルトであり、例えば、一対のベルトローラー相互間に掛け巡らされて、循環するようにされている。また鏡面ベルトの表面については、腐食や傷付きからの保護を目的としてクロームメッキや鉄−リン合金メッキ、PVD法やCVD法による硬質カーボン処理などを施すことができる。
上記鏡面加工は、限定されず、任意の方法で行うことができる。例えば、微細な砥粒を用いて研磨することにより、上記鏡面体の表面の算術平均粗さ(Ra)を好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下、十点平均粗さ(Rz)を好ましくは500nm以下、より好ましくは250nm以下にする方法をあげることができる。
理論に拘束される意図はないが、上記の製膜方法で上記特性(イ)〜(ハ)を満たすポリ(メタ)アクリルイミドフィルムが得られるようになるのは、第一鏡面体と第二鏡面体とで、ポリ(メタ)アクリルイミドの溶融フィルムが押圧されることにより、第一鏡面体及び第二鏡面体の高度に平滑な面状態がフィルムに転写され、ダイスジ等の不良箇所が修正されるためと考察できる。
上記面状態の転写が良好に行われるようにするため、第一鏡面体の表面温度は、100℃以上にすることが好ましい。より好ましくは120℃以上、更に好ましくは140℃以上である。一方、フィルムに第一鏡面体との剥離に伴う外観不良(剥離痕)の現れることを防止するため、第一鏡面体の表面温度は好ましくは200℃以下、より好ましくは160℃以下である。
上記面状態の転写が良好に行われるようにするため、第二鏡面体の表面温度は、20℃以上にすることが好ましい。より好ましくは60℃以上、更に好ましくは100℃以上である。一方、フィルムに第二鏡面体との剥離に伴う外観不良(剥離痕)の現れることを防止するため、第二鏡面体の表面温度は好ましくは200℃以下、より好ましくは160℃以下である。
なお第一鏡面体の表面温度を、第二鏡面体の表面温度よりも高くすることが好ましい。これはフィルムを第一鏡面体に抱かせて次の移送ロールへと送り出すためである。
本発明のポリ(メタ)アクリルイミドフィルムの厚みは、特に制限されず、所望により任意の厚みにすることができる。本発明のポリ(メタ)アクリルイミドフィルムの取扱性の観点から、通常20μm以上、好ましくは50μm以上であってよい。また経済性の観点から、通常250μm以下、好ましくは150μm以下であってよい。本発明のポリ(メタ)アクリルイミドフィルムをディスプレイ面板として用いる場合には、剛性を保持する観点から、通常100μm以上、好ましくは200μm以上、より好ましくは300μm以上であってよい。またタッチパネルの薄型化の要求に応える観点から、通常1500μm以下、好ましくは1200μm以下、より好ましくは1000μm以下であってよい。
本発明のポリ(メタ)アクリルイミドフィルムは、少なくともその片面の上に、アンカーコートを形成し、易接着性フィルムとすることができる。また更に上記アンカーコートの上にハードコートを形成し、ハードコート積層フィルムとすることができる。
また本発明のポリ(メタ)アクリルイミドフィルムは、少なくともその片面の上に、ハードコートを形成し、ハードコート積層フィルムとすることができる。
上記アンカーコート又は上記ハードコートを形成するに際し、ポリ(メタ)アクリルイミドフィルムの積層面をコロナ放電処理し、濡れ指数(JISK6768:1999に従い測定)を50mN/m以上にすることが好ましい。何ら処理を行うことなくアンカーコート又はハードコートを形成してもよいが、コロナ放電処理を行うことにより、アンカーコート又はハードコートの形成用塗料の種類を選ばず、良好な層間接着強度を得ることができるようになる。上記濡れ指数は、好ましくは60mN/m以上である。
コロナ放電処理は、絶縁された電極と誘電体ロールとの間にフィルムを通し、高周波高電圧を印加してコロナ放電を発生させ、フィルム表面を処理するというものである。このコロナ放電により酸素などがイオン化し、フィルム表面に衝突することにより、フィルム表面において、樹脂分子鎖の切断や樹脂分子鎖への含酸素官能基付加が起こり、濡れ指数が高くなる。
上記コロナ放電処理の単位面積、単位時間当たりの処理量(S)は、上記の濡れ指数を得る観点から決定され、通常80W・min/m以上、好ましくは120W・min/m以上である。
一方、フィルムの劣化を防止する観点から、処理量(S)は500W・min/m以下に抑えることが好ましい。より好ましくは400W・min/m以下である。
なお処理量(S)は次式で定義される。
S=P/(L・V)
ここでS:処理量(W・min/m);P:放電電力(W);L:放電電極の長さ(m);V:ライン速度(m/min);である。
上記アンカーコートを形成するためのアンカーコート剤としては、得られる易接着性フィルムをタッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として用いる目的から、高い透明性を有し、着色のないものであること以外は制限されず、例えば、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、アクリルウレタン、及びポリエステルウレタンなどの公知のものを使用することができる。中でもハードコートとの接着強度向上の観点から、熱可塑性ウレタン系アンカーコート剤が好ましい。
上記熱可塑性ウレタン系アンカーコート剤の市販例としては、例えば、和信化学工業株式会社の「ワシンコート(商品名)」などをあげることができる。
また上記アンカーコート剤としては、シランカップリング剤を含む塗料を用いることもできる。シランカップリング剤は、加水分解性基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;アセトキシ基等のアシルオキシ基;クロロ基等のハロゲン基;など)、及び有機官能基(例えば、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、イソシアネート基など)の少なくとも2種類の異なる反応性基を有するシラン化合物であり、ハードコートとの接着強度を向上させる働きをする。中でもハードコートとの接着強度向上の観点から、アミノ基を有するシランカップリング剤が好ましい。
上記シランカップリング剤を含む塗料は、シランカップリング剤を主として(固形分として50質量%以上)含む塗料であってよい。好ましくは上記塗料の固形分の75質量%以上がシランカップリング剤である。より好ましい割合は90質量%以上である。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどをあげることができる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング株式会社、東京化成工業株式会社などの市販品がある。
上記アンカーコート剤を塗布する方法は、制限されず、公知のウェブ塗布方法を使用することができる。具体的には、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアナイフコートおよびダイコートなどの方法があげられる。このとき、必要に応じて任意の希釈溶剤、例えば、メタノール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、酢酸nブチル、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、及びアセトンなどを使用することができる。
また上記アンカーコート剤には、本発明の目的に反しない限度において、酸化防止剤、耐候性安定剤、耐光性安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、帯電防止剤、界面活性剤、着色剤、赤外線遮蔽剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、フィラー等の添加剤を1種、又は2種以上含ませてもよい。
上記アンカーコート剤のウェット塗布膜を乾燥する方法は、制限されず、公知の方法を使用することができる。
アンカーコートの乾燥厚みは、通常0.01〜5μm程度、好ましくは0.1〜2μmである。
上記ハードコートを形成するための塗料としては、得られるハードコート積層フィルムをタッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として用いる目的から、高い透明性を有し、着色のないものあること以外は、制限されず、任意の塗料を用いることができる。
好ましいハードコート形成用塗料としては、更に表面硬度、耐傷付性にも優れたハードコートを形成することのできるものをあげることができ、具体的には、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をあげることができる。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線により重合・硬化して、ハードコートを形成することが可能なものであり、活性エネルギー線硬化性樹脂を、1分子中に2以上のイソシアネート基(−N=C=O)を有する化合物及び/又は光重合開始剤と共に含む組成物をあげることができる。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリアクリル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート、及び、ポリエーテル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有プレポリマー又はオリゴマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルセロソルブ(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、及び、トリメチルシロキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有単官能反応性モノマー;N−ビニルピロリドン、スチレン等の単官能反応性モノマー;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2‘−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオキシフェニル)プロパン、及び、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プロパン等の(メタ)アクリロイル基含有2官能反応性モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有3官能反応性モノマー;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有4官能反応性モノマー;及び、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有6官能反応性モノマーなどから選択される1種以上を、あるいは上記1種以上を構成モノマーとする樹脂をあげることができる。上記活性エネルギー線硬化性樹脂としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
なお本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの意味である。
上記1分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、メチレンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート;トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体等のポリイソシアネート;及び、上記ポリイソシアネートのブロック型イソシアネート等のウレタン架橋剤などをあげることができる。これらをそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、架橋の際には、必要に応じてジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジエチルヘキソエートなどの触媒を添加してもよい。
上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、4−メチルベンゾフェノン、4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタール等のベンゾイン系化合物;アセトフェノン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系化合物;メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン系化合物;チオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2、4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;アセトフェノンジメチルケタール等のアルキルフェノン系化合物;トリアジン系化合物;ビイミダゾール化合物;アシルフォスフィンオキサイド系化合物;チタノセン系化合物;オキシムエステル系化合物;オキシムフェニル酢酸エステル系化合物;ヒドロキシケトン系化合物;及び、アミノベンゾエート系化合物などをあげることができる。これらをそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、帯電防止剤、界面活性剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、汚染防止剤、印刷性改良剤、酸化防止剤、耐候性安定剤、耐光性安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤、フィラーなどの添加剤を1種、又は2種以上含んでいてもよい。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に必要に応じて用いる任意成分の中で、好ましいものとしては、平均粒子径1nm〜300nmの微粒子をあげることができる。上記微粒子を活性エネルギー線硬化性樹脂成分100質量部に対して1〜300質量部、好ましくは20〜100質量部使用することによりハードコートの硬度を高めることができる。
上記微粒子としては、無機微粒子、有機微粒子のどちらも使用することができる。無機微粒子としては、例えば、シリカ(二酸化珪素);酸化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物、酸化アンチモン、酸化セリウム等の金属酸化物微粒子;弗化マグネシウム、弗化ナトリウム等の金属弗化物微粒子;金属微粒子;金属硫化物微粒子;金属窒化物微粒子;などをあげることができる。有機微粒子としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エチレン系樹脂、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとの硬化樹脂などの樹脂ビーズをあげることができる。これらは、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また微粒子の塗料中での分散性を高めたり、得られるハードコートの硬度を高めたりする目的で、当該微粒子の表面をビニルシラン、アミノシラン等のシラン系カップリング剤;チタネート系カップリング剤;アルミネート系カップリング剤;(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基やエポキシ基などの反応性官能基を有する有機化合物;脂肪酸、脂肪酸金属塩等の表面処理剤などにより処理したものを使用してもよい。
これらの中でより硬度の高いハードコートを得るためにシリカ、酸化アルミニウムの微粒子が好ましく、シリカの微粒子がより好ましい。シリカ微粒子の市販品としては、日産化学工業株式会社のスノーテックス(商品名)、扶桑化学工業株式会社のクォートロン(商品名)などをあげることができる。
上記微粒子の平均粒子径は、ハードコートの透明性を保持する観点、及びハードコートの硬度改良効果を確実に得る観点から、通常、300nm以下、好ましくは200nm以下、より好ましくは120nm以下である。一方、平均粒子径の下限は特にないが、通常入手可能な粒子は細かくてもせいぜい1nm程度である。
なお本明細書において、微粒子の平均粒子径は、日機装株式会社のレーザー回折・散乱式粒度分析計「MT3200II(商品名)」を使用して測定した粒子径分布曲線において、粒子の小さい方からの累積が50質量%となる粒子径である。
また上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、塗工し易い濃度に希釈するため、必要に応じて溶剤を含んでいてもよい。溶剤は硬化性樹脂組成物の成分、及び、その他の任意成分と反応したり、これらの成分の自己反応(劣化反応を含む)を触媒(促進)したりしないものであれば、特に制限されない。例えば、1−メトキシ−2−プロパノール、酢酸エチル、酢酸nブチル、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ダイアセトンアルコール、及びアセトンなどをあげることができる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、これらの成分を混合、攪拌することにより得られる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物などの塗料を用いてハードコートを形成する方法は特に制限されず、公知のウェブ塗布方法を使用することができる。具体的には、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアナイフコート及びダイコートなどの方法をあげることができる。
ハードコートの厚みは、表面硬度の観点から、17μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましく、25μm以上が更に好ましい。一方、ウェブのハンドリング性の観点から、ハードコートの厚みは、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
測定方法
(イ)全光線透過率:
JIS K 7361−1:1997に従い、日本電色工業株式会社の濁度計「NDH2000(商品名)」を用いて測定した。
(ロ)ヘーズ:
JIS K 7136:2000に従い、日本電色工業株式会社の濁度計「NDH2000(商品名)」を用いて測定した。
(ハ)レタデーション:
王子計測機器株式会社の平行ニコル回転法による位相差測定装置「KOBRA−WR(商品名)」を用いて測定した。
(ニ)表面外観:
フィルム表面を、蛍光灯の光の入射角をいろいろと変えて当てながら目視観察し、以下の基準で評価した。
◎:表面にうねりや傷がない。間近に光を透かし見ても、曇感がない。
○:間近に見ると、表面にうねりや傷を僅かに認める。間近に光を透かし見ると、僅かな曇感がある。
△:表面にうねりや傷を認めることができる。また曇感がある。
×:表面にうねりや傷を多数認めることができる。また明らかな曇感がある。
(ホ)色調:
JIS K 7105:1981に従い、島津製作所社製の色度計「SolidSpec−3700(商品名)」を用いて黄色度指数(YI)を測定した。
(へ)鉛筆硬度:
JIS K 5600−5−4に従い、750g荷重の条件で、三菱鉛筆株式会社の鉛筆「ユニ(商品名)」を用いて、評価した。ハードコート積層ポリ(メタ)アクリルイミドフィルムについては、ハードコート表面を評価した。
(ト)線膨張係数(熱寸法安定性):
JIS K 7197:1991に従い測定した。セイコーインスツル株式会社の熱機械的分析装置(TMA)「EXSTAR6000(商品名)」を用いた。試験片は、縦20mm、横10mmの大きさで、フィルムのマシン方向(MD)が試験片の縦方向となるように採取した。試験片の状態調節は、温度23℃±2℃、相対湿度50±5%で24時間とし、フィルムの物性値としての寸法安定性を測定する目的から、測定最高温度における状態調節は行わなかった。チャック間距離は10mm、温度プログラムは、温度20℃で3分間保持した後、昇温速度5℃/分で温度270℃まで昇温するプログラムとした。線膨張係数は、得られた温度−試験片長さ曲線から、ポリ(メタ)アクリルイミドフィルムは、低温側温度30℃、高温側温度200℃として、ハードコート積層ポリ(メタ)アクリルイミドフィルムは低温側温度30℃、高温側温度250℃として、計算した。
(チ)碁盤目試験(ハードコートとの密着性):
JIS K 5600−5−6:1999に従い、ハードコート積層フィルムのハードコート面側から、碁盤目の切れ込みを100マス(1マス=1mm×1mm)入れた後、密着試験用テープを碁盤目へ貼り付けて指でしごいた後、剥がした。評価基準はJISの上記規格の表1に従った。但し、本明細書では分類0を◎、分類1を○、分類2を△、分類3を×、分類4を××、分類5を×××と表記している。
(リ)指すべり性:
ハードコート積層フィルムのハードコート面を人差し指で上下左右や円状になぞり、思い通りになぞることができたか否かの印象により評価した。試験は10名が各々行い、思い通りになぞれた場合を2点、ほぼ思い通りになぞれた場合を1点、指が引っ掛かるなどして思い通りになぞれなかった場合を0点として各人の点数を集計し、以下の基準で評価した。
◎:16〜20点
△:10〜15点
×:0〜9点
(ヌ)耐汚染性(油性マジック):
ハードコート積層フィルムのハードコート表面を油性赤マジックによりスポット汚染した後、汚染部分を時計皿で被覆し、室温で24時間放置した。次いで、汚染部分を、イソプロピルアルコールを十分含ませたキムワイプ(商品名)を用いて、キムワイプ(商品名)に新たに汚れが付かなくなるまで拭いて洗浄した後、上記部分を目視観察し、以下の基準で評価した。
◎:汚染無し
○:汚染が僅かに残っている
△:汚染がかなり残っている
×:汚染が著しく残っている
(ル)水接触角:
協和界面科学株式会社の接触角計「CA−V型(商品名)」を用い、ハードコート積層フィルムのハードコート表面について、25℃、1気圧で測定した。
(ヲ)耐擦傷性:
縦200mm×横25mmのサンプルを、縦方向がフィルムのマシン方向となるように採取し、これをハードコートが表面になるようにJIS L 0849の学振試験機に置いた。続いて、学振試験機の摩擦端子に#0000のスチールウールを取り付けた後、500g荷重を載せ、試験片の表面を100往復擦った。上記表面を目視観察し、以下の基準で評価した。
◎:傷がない
○:1〜5本の傷がある
△:6〜10本の傷がある
×:11本以上の傷がある
(ワ)印刷適性:
株式会社サクラクレパスの油性マーカー「マイネームツイン(商品名)」の極細側を用い、ハードコート積層フィルムのハードコート表面に筆頭発明者の名前を記入し、以下の基準で評価した。
◎:かすれ、はじきのない、きれいな文字が書けている。
○:書いた文字に僅かにかすれ、はじきが認められる。
×:かすれ、はじきにより、書いた文字に不明瞭な部分がある。
使用した原材料
(A)ポリ(メタ)アクリルイミド:
(A−1)エボニック社のポリ(メタ)アクリルイミド「ACRYMID TT70(商品名)」
(B)アンカーコート剤:
(B−1)信越化学工業株式会社のN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン「信越シリコーンKBE−603(商品名)」1質量部と;変性アルコール溶剤「エタノール/イソプロピルアルコール/メタノール=80/20/1(体積比)の混合溶剤」100質量部とを;混合攪拌して得た。
(B−2)和信化学工業株式会社の熱可塑性ウレタン系アンカーコート剤「ワシンコートVH KE−21クリアー(商品名)」90質量部と;和信化学工業株式会社の熱可塑性ウレタン系アンカーコート剤「ワシンコートVHKE−21Bマット(商品名)」10質量部と;プロピレングリコールモノメチルエーテル100質量部とを;混合攪拌して得た。
(B−3)信越化学工業株式会社の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン「信越シリコーンKBE−403(商品名)」1質量部と;変性アルコール溶剤「エタノール/イソプロピルアルコール/メタノール=80/20/1(体積比)の混合溶剤」100質量部とを;混合攪拌して得た。
(C)ハードコート形成用塗料
(C−1)下記(c1)30質量部、下記(c2)70質量部、下記(c4)4質量部、及びメチルエチルケトン30質量部を混合攪拌して得た。
(C−2)下記(c1)65質量部、下記(c3)65質量部、下記(c4)6.5質量部、下記(c5)5.9質量部、及びメチルエチルケトン25質量部とメチルイソブチルケトン10質量部を混合攪拌して得た。
(C−3)下記(c1)65質量部、下記(c3)65質量部、下記(c4)6.5質量部、下記(c6)0.55質量部、及びメチルエチルケトン25質量部とメチルイソブチルケトン10質量部を混合攪拌して得た。
(C−4)下記(c1)65質量部、下記(c3)65質量部、下記(c4)6.5質量部、下記(c7)0.55質量部、及びメチルエチルケトン25質量部とメチルイソブチルケトン10質量部を混合攪拌して得た。
(C−5)下記(c1)65質量部、下記(c3)65質量部、下記(c4)6.5質量部、下記(c8)0.55質量部、及びメチルエチルケトン25質量部とメチルイソブチルケトン10質量部を混合攪拌して得た。
(c1)日本化薬株式会社のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート;
(c2)ビーエーエスエフ社のポリエーテルアクリレートとナノシリカ(平均粒子径20nm)との50:50(質量比)混合塗料「LaromerPO9026(商品名)」;
(c3)ビッグケミー・ジャパン株式会社のヘキサンジオールジアクリレートと表面処理ナノシリカ(平均粒子径20nm)との50:50(質量比)混合塗料「NANOBYK−3605(商品名)」;
(c4)双邦實業股分有限公司のフェニルケトン系光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)「SB−PI714(商品名)」;
(c5)ビッグケミー・ジャパン株式会社の水酸基含有シリコン変性アクリル系表面調節剤「BYK−SILCLEAN3700(商品名)」;
(c6)ビッグケミー・ジャパン株式会社のアクリル系表面調節剤「BYK−352(商品名)」;
(c7)ビッグケミー・ジャパン株式会社のアクリル系表面調節剤「BYK−358N(商品名)」;
(c8)共栄社化学株式会社の変性シリコン系表面調節剤「ポリフローKL−403(商品名)」;
実施例1
上記(A−1)を用い、50mm押出機(L/D=29、CR=1.86のWフライトスクリュウを装着)、ダイ幅680mmのTダイ、鏡面ロールと鏡面ベルトを備えた装置を使用し、押出機からTダイの温度設定C1/C2/C3/AD/D1〜D6=280/300/320/320/320〜320℃、Tダイのリップ開度0.5mm、スクリュウ回転数90rpm、鏡面ロール表面温度140℃、鏡面ベルト表面温度120℃、鏡面ベルトの押圧1.4MPa、引取速度5.6m/minの条件で、厚さ250μmのフィルムを製膜した。得られたフィルムについて上記(イ)〜(ト)の試験を行った。結果を表1に示す。
実施例2〜6、比較例1
鏡面ロール表面温度、鏡面ベルト表面温度を表1又は2に示すように変更したこと以外は、全て実施例1と同様に行った。結果を表1又は2に示す。
比較例2
鏡面ロール表面温度を220℃に変更したこと以外は、全て実施例1と同様に行った。鏡面ロールとの剥離に伴う剥離痕のため、外観が著しく不良であった。そのため(イ)〜(ハ)、(ホ)〜(ト)の評価は省略した(表には示していない。)。
比較例3
鏡面ベルト表面温度を220℃に変更したこと以外は、全て実施例1と同様に行った。鏡面ベルトとの剥離に伴う剥離痕のため、外観が著しく不良であった。そのため(イ)〜(ハ)、(ホ)〜(ト)の評価は省略した(表には示していない。)。
実施例7
上記(A−1)を用い、50mm押出機(L/D=29、CR=1.86のWフライトスクリュウを装着)、ダイ幅680mmのTダイ、第一鏡面ロールと第二鏡面ロールを備えた装置を使用し、押出機からTダイの温度設定C1/C2/C3/AD/D1〜D6=280/300/320/320/320〜320℃、Tダイのリップ開度0.5mm、スクリュウ回転数90rpm、第一鏡面ロール表面温度140℃、第二鏡面ロール表面温度40℃、鏡面ロール同士の押圧1.4MPa、引取速度5.6m/minの条件で、厚さ250μmのフィルムを製膜した。得られたフィルムについて上記(イ)〜(ト)の試験を行った。結果を表2に示す。
実施例8
引取速度を2.6m/minとし、フィルム厚みを550μmに変更したこと以外は、全て実施例3と同様に行った。結果を表2に示す。
実施例9
引取速度を2.6m/minとし、フィルム厚みを550μmに変更したこと以外は、全て実施例7と同様に行った。結果を表2に示す。
Figure 0005989033
Figure 0005989033
実施例10
上記実施例3で得たポリ(メタ)アクリルイミドフィルムの片面に処理量167W・min/m(放電電力500W、放電電極の長さ1m、ライン速度3m/min)の条件で、コロナ放電処理を行った。次に上記(B−1)をコロナ放電処理面に、フィルムメイヤーバー方式の塗工装置を使用して、乾燥膜厚みが0.5μmとなるように塗布し、易接着性ポリ(メタ)アクリルイミドフィルムを得た。得られた易接着性ポリ(メタ)アクリルイミドフィルムについて上記(イ)、(ロ)、(ニ)、(ホ)の試験を行った。続いて、上記塗料(C−1)を、上記で得た易接着性ポリ(メタ)アクリルイミドフィルムの易接着面に、ダイ方式の塗工装置を使用して、乾燥厚みが25μmとなるように塗布し、ハードコート積層フィルムを得た。得られたハードコート積層フィルムについて上記(イ)、(ロ)、(ニ)〜(チ)の試験を行った。結果を表3に示す。
実施例11〜13
コロナ放電処理量を、放電電力を調節して、表3に示す値に変更したこと以外は、全て実施例10と同様に行った。結果を表3に示す。
実施例14
アンカーコート剤として上記(B−1)の替わりに上記(B−2)を用いたこと以外は、全て実施例10と同様に行った。結果を表3に示す。
実施例15
アンカーコート剤として上記(B−1)の替わりに上記(B−3)を用いたこと以外は、全て実施例12と同様に行った。結果を表3に示す。
参考例1
コロナ放電処理を行わなかったこと以外は、全て実施例15と同様に行った。結果を表3に示す。
Figure 0005989033
実施例16
上記実施例3で得たポリ(メタ)アクリルイミドフィルムの両面に処理量167W・min/m(放電電力500W、放電電極の長さ1m、ライン速度3m/min)の条件で、コロナ放電処理を行った。両面とも濡れ指数は64mN/mであった。次に上記(B−2)を、両面に、フィルムメイヤーバー方式の塗工装置を使用して、乾燥膜厚みが0.5μmとなるように塗布し、易接着性ポリ(メタ)アクリルイミドフィルムを得た。得られた易接着性ポリ(メタ)アクリルイミドフィルムについて上記(イ)、(ロ)、(ニ)、(ホ)の試験を行った。(イ)全光線透過率は92%、(ロ)ヘーズは0.2%、(ニ)表面外観は両面とも◎、(ホ)黄色度指数は0.5であった。続いて、上記で得た易接着性ポリ(メタ)アクリルイミドフィルムの、一方の面にはタッチ面側ハードコート形成用塗料として上記(C−2)を、ダイ方式の塗工装置を使用して、乾燥厚みが25μmとなるように塗布し;他方の面には印刷面側ハードコート形成用塗料として上記(C−3)を、ダイ方式の塗工装置を使用して、乾燥厚みが25μmとなるように塗布し、タッチパネルのディスプレイ面板向けのハードコート積層フィルムを得た。得られたハードコート積層フィルムについて上記(イ)、(ロ)、(ニ)〜(ワ)の試験を行った。結果を表4に示す。なおハードコート表面の試験は、表の欄に、「タッチ面側ハードコートの評価結果/印刷面側ハードコートの評価結果」、のように表記している。例えば鉛筆硬度の欄は、タッチ面側ハードコートの鉛筆硬度は9H、印刷面側ハードコートの鉛筆硬度は9Hなので、「9H/9H」と表記している。また「―」は、タッチ面側又は印刷面側として要求されない特性であるため、試験を省略したという意味である。
実施例17
実施例16で得た易接着性フィルムに、印刷面側ハードコートを形成するための塗料として、上記塗料(C−3)に替えて、上記塗料(C−4)を使用して印刷面側ハードコートを形成したこと以外は、全て実施例16と同様に行った。結果を表4に示す。
実施例18
実施例16で得た易接着性フィルムに、印刷面側ハードコートを形成するための塗料として、上記塗料(C−3)に替えて、上記塗料(C−5)を使用して印刷面側ハードコートを形成したこと以外は、全て実施例16と同様に行った。結果を表4に示す。
実施例19
タッチ面側ハードコートの乾燥厚みを20μm、印刷面側ハードコートの乾燥厚みを15μmとしたこと以外は、全て実施例16と同様に行った。結果を表4に示す。
Figure 0005989033
本発明の実施例は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ等の画像表示装置の部材(タッチパネル機能を有する画像表示装置及びタッチパネル機能を有しない画像表示装置を含む。)、例えば、タッチパネルのディスプレイ面板や透明導電性基板として好適な物性を発現している。一方、比較例1は全光線透過率、透明性に劣る。
本発明の実施例1で製膜に用いた装置の概念図である。
1:Tダイ
2:溶融フィルム
3:鏡面ロール
4:鏡面ベルト
5:一対のベルトローラー

Claims (4)

  1. 下記特性(イ)、及び(ロ)を満たすことを特徴とするポリ(メタ)アクリルイミドフィルム
    (イ)全光線透過率 90%以上;
    (ロ)ヘーズ 2.0%以下;
    の製造方法であって、
    (A)押出機とTダイとを備える装置を用い、Tダイから、ポリ(メタ)アクリルイミドの溶融フィルムを、連続的に押出す工程;
    (B)回転する又は循環する第一の鏡面体と、回転する又は循環する第二の鏡面体との間に、上記ポリ(メタ)アクリルイミドの溶融フィルムを供給投入し、押圧する工程;
    (C)上記工程(B)で押圧されたフィルムを上記第一の鏡面体に抱かせて次の移送ロールへと送り出す工程;を含み、
    ここで上記第一の鏡面体の表面温度が100〜200℃であること;
    上記第二の鏡面体の表面温度が20〜160℃であること;及び
    上記第一の鏡面体の表面温度を上記第二の鏡面体の表面温度よりも20〜100℃高くすること;
    を特徴とする方法。
  2. ハードコート積層フィルムの製造方法であって、
    (1)請求項1に記載の方法によりポリ(メタ)アクリルイミドフィルムを生産する工程;及び、
    (2)上記工程で得たポリ(メタ)アクリルイミドフィルムの少なくとも片面の上にハードコートを形成する工程;を含む方法。
  3. ハードコート積層フィルムの製造方法であって
    (1)請求項1に記載の方法によりポリ(メタ)アクリルイミドフィルムを生産する工程;及び、
    (3)上記工程で得たポリ(メタ)アクリルイミドフィルムの少なくとも片面をコロナ放電処理し、当該処理面の濡れ指数を50mN/m以上にする工程;
    (4)上記工程(3)でコロナ放電処理された面に、アミノ基を有するシランカップリング剤を含む塗膜を形成する工程;
    (5)上記工程(4)で形成したアミノ基を有するシランカップリング剤を含む塗膜面に、厚み17〜100μmのハードコートを形成する工程;
    を含む方法。
  4. 画像表示装置部材の製造方法であって、
    請求項1〜3の何れか1項に記載の方法によりフィルムを生産する工程;及び
    上記工程で得たフィルムを画像表示装置部材として使用する工程;
    を含む方法。
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