JP6000761B2 - Egr制御装置 - Google Patents

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Description

本開示の技術は、EGR弁の開度を制御するEGR制御装置に関する。
従来から、エンジンの排気側から吸気側へ排気ガスの一部を還流させる排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)装置が知られている。EGR装置では、その時々の運転状態に応じたEGRガスの目標量が演算され、その目標量の分だけ吸気通路にEGRガスが導入されるようにEGR弁の開度が制御される。
例えば特許文献1では、EGR弁の下流側におけるEGRガスの圧力及び温度と、吸気通路における圧力とに基づいてEGR通路を流通しているEGRガスの量である流通量が演算される。そして、上記流通量に基づくEGR率と上記目標量に基づくEGR率との偏差を求め、その求めた偏差に基づいてこれらのEGR率が一致するようにEGR弁の開度が制御されている。
特開平7−174048号公報
一方、例えば加速時や減速時といった運転状態の過渡期では、エンジンの回転速度や吸入空気量、燃料噴射量等の変化が大きいため、EGR弁の開度にも大きな変化が必要とされる。そのため、特許文献1のように、流通量に基づくEGR率と目標量に基づくEGR率との偏差に基づいてEGR弁の開度が制御されたとしても、目標量と流通量との乖離度が大きくなりやすい。これにより、例えば吸気通路に多量のEGRガスが導入されてしまうことで燃焼不良が生じる虞があった。
本開示の技術は、吸気通路に導入されるEGRガス量の精度を高めることが可能なEGR制御装置を提供することを目的とする。
本開示におけるEGR制御装置の一態様は、エンジンの運転状態に関する情報を取得する取得部と、前記取得部の取得した情報に基づいてEGR弁の開度を制御する制御部と、を備え、前記取得部が、前記EGR弁の上流側におけるEGR通路内の圧力を検出するEGR圧力センサーと、前記エンジンの吸気通路と前記EGR通路との接続部分よりも下流側における吸気通路内の圧力を検出する吸気圧力センサーと、前記EGR弁の上流側におけるEGR通路内の温度を検出するEGR温度センサーと、を含み、前記制御部が、前記取得部が取得した情報に基づいてEGRガスの目標量を演算する目標量演算部と、前記取得部が取得した情報に基づいてEGRガスの流通量を演算する流通量演算部と、前記EGR弁の開度毎に当該EGR弁の有効開口面積が規定された開度データと、前記目標量と前記流通量との差分毎に開度の補正量が規定された補正データとが記憶された記憶部と、前記EGR圧力センサーの検出値、前記吸気圧力センサーの検出値、前記EGR温度センサーの検出値、及び前記目標量に基づいて、前記EGR弁の必要開口面積を演算する面積演算部と、前記目標量と前記流通量とに応じた補正量を前記補正データに基づいて演算する補正量演算部と、前記必要開口面積と前記開度データとに基づいて演算した前記EGR弁の基本開度を前記補正量の分だけ補正することにより前記EGR弁の指示開度を演算する開度演算部と、を含み、前記開度データは、前記開度の増加に対する前記有効開口面積の増加率が小さい第1領域と、前記開度の増加に対する前記有効開口面積の増加率が大きい第2領域とを有し、前記第1領域は、前記開度の最小値寄りの領域と前記開度の最大値寄りの領域とに設定され、前記第2領域は、前記開度の最小値寄りの領域と前記開度の最大値寄りの領域との間の領域に設定され、前記補正データには、前記目標量よりも前記流通量が小さい領域では前記指示開度を前記基本開度よりも大きくする補正量が規定され、前記目標量よりも前記流通量が大きい領域では前記指示開度を前記基本開度よりも小さくする補正量が規定されている。
ここでいう有効開口面積は、予め行なった実験やシミュレーションの結果により得られる開口面積である。この有効開口面積は、例えば、EGR弁が配設されたEGR通路に対して所定流量の排気ガスを供給し、そのときのEGR弁の上流側における圧力と温度、及びEGR弁の下流側の圧力に基づいて逆算されるEGR弁の開口面積である。
本開示におけるEGR制御装置の一態様によれば、EGRガスの目標量、EGR弁の上流側におけるEGRガスの圧力と温度、及びEGRガスと吸入空気との混合気体の圧力に基づいて、上記目標量の分だけ吸入通路にEGRガスを導入するために必要な開口面積であるEGRバルブの必要開口面積が演算される。そして、その演算された必要開口面積と有効開口面積とが等しくなるようにEGR弁の開度が制御される。すなわち、EGR弁の開度がフィードフォワード制御のように制御される。その結果、たとえ運転状態の過渡期であったとしても、EGRガスの目標量とEGR弁の開度変更後における流通量との乖離度が小さくなることから、吸入通路に導入されるEGR量の精度が高められる。
本開示におけるEGR制御装置の他の態様によれば、EGRガスの目標量と流通量との差分に基づいてEGR弁の開度が補正されることから、例えば、EGR弁やEGR通路の製造誤差、煤の堆積によるEGR弁の開口面積やEGR通路の流路断面積の変化、これらが流通量に与える影響が抑えられる。その結果、EGR弁の開度が補正されない場合に比べて、EGRガスの目標量とEGR弁の開度変更後における流通量との乖離度が小さくなることから、吸入通路に導入されるEGR量の精度がさらに高められる。
本開示におけるEGR制御装置の他の態様では、前記取得部が、前記エンジンのインテークマニホールド内の温度である吸気温度を検出する吸気温度センサーと、前記エンジンの回転速度を検出する回転速度センサーと、前記エンジンの吸入空気量を検出する吸入空気量センサーと、を含み、EGRガスの流通量を演算する流通量演算部は、前記吸気圧力センサーの検出値、前記吸気温度センサーの検出値、前記回転速度センサーの検出値、及び前記エンジンの排気量に基づいて作動ガス量を演算し、前記作動ガス量と前記吸入空気量センサーの検出値との差分を前記流通量として演算する。
本開示におけるEGR制御装置の他の態様によれば、インテークマニホールド内の圧力及び温度、エンジンの回転速度と排気量とから演算される単位時間あたりの体積、これらを状態方程式に代入することで作動ガス量が演算される。そして、この作動ガス量と吸入空気量との差分がEGRガスの流通量として演算される。
本開示におけるEGR制御装置の他の態様では、前記EGR圧力センサー及び前記EGR温度センサーは、前記EGR弁と当該EGR弁の上流側に配設されたEGRクーラーとの間に配設される。
本開示におけるEGR制御装置の他の態様によれば、EGR通路にEGRクーラーが配設されていた場合に、EGRクーラーを通過してEGR弁に流入する直前におけるEGRガスの圧力と温度とが検出される。その結果、EGR圧力センサー及びEGR温度センサーによってEGRクーラーに流入する前のEGRガスの圧力及び温度が検出される場合に比べて、面積演算部で演算される必要開口面積の精度が高められる。
本開示の技術におけるEGR制御装置の一実施形態が搭載されるエンジンの概略構成を示す概略構成図。 EGR制御装置の構成を機能的に示した機能ブロック図。 EGR弁の開度と有効開口面積との関係を模式的に示すグラフ。 目標量に対する流通量の差分と補正量との関係を模式的に示すグラフ。 EGR制御装置が実行する処理の流れを示すフローチャート。
以下、本開示におけるEGR制御装置を具体化した一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。まず、EGR制御装置が搭載されるディーゼルエンジンの全体構成について、図1を参照して説明する。
図1に示されるように、ディーゼルエンジン10(以下、単にエンジン10という。)のシリンダーブロック11には、一列に並んだ4つのシリンダー12が形成され、各シリンダー12に作動ガスを供給するためのインテークマニホールド13と、各シリンダー12から排気ガスが排出されるエキゾーストマニホールド14とが接続されている。
インテークマニホールド13に取り付けられる吸気通路15の上流端には、図示されないエアクリーナーが取り付けられている。吸気通路15には、ターボチャージャー16のコンプレッサー17が取り付けられている。吸気通路15には、コンプレッサー17の下流側に、該コンプレッサー17によって圧縮された吸入空気を冷却するインタークーラー18が取り付けられている。
一方、エキゾーストマニホールド14には、排気通路19が接続されている。排気通路19には、上述したコンプレッサー17に連結されるタービン20が取り付けられている。また、エキゾーストマニホールド14には、吸気通路15に接続されて排気ガスの一部を吸気通路15に導入するEGR通路21が接続されている。
EGR通路21には、EGR通路21を流れる排気ガスを冷却するEGRクーラー22が取り付けられている。EGRクーラー22の下流側には、ステッピングモーターを備え、EGR通路21の流路断面積を変更可能なEGR弁23が取り付けられている。吸気通路15には、EGR弁23が開状態にあるときにEGR通路21を通じて排気ガスの一部が導入される。EGR弁23の開度は、EGR制御装置30によって制御される。そして、シリンダー12には、排気ガスと吸入空気との混合気体である作動ガスが供給される。なお、以下では、EGR通路21を流れる排気ガスをEGRガスという。
EGR制御装置30は、エンジン10の運転状態に関する情報を検出する取得部としての各種センサーを備えている。EGR通路21には、EGRクーラー22の下流側且つEGR弁23の上流側にEGR圧力センサー31とEGR温度センサー34とが取り付けられている。EGR圧力センサー31は、EGR弁23に流入する直前のEGRガスの圧力であるEGR圧力Pegを所定の制御周期で検出する。EGR温度センサー34は、EGR弁23に流入する直前のEGRガスの温度であるEGR温度Tegを所定の制御周期で検出する。
また、吸気通路15におけるコンプレッサー17の上流側には、吸入空気量センサー36が取り付けられている。吸入空気量センサー36は、吸気通路15を流れる吸入空気の質量流量である吸入空気量Gaを所定の制御周期で検出する。吸気通路15には、当該吸気通路15とEGR通路21との接続部分よりも下流側に吸気圧力センサー32が取り付けられている。吸気圧力センサー32は、吸気通路15内を流れる作動ガスの圧力である吸気圧力Pwgを所定の制御周期で検出する。
また、インテークマニホールド13には、吸気温度センサー35が取り付けられている。吸気温度センサー35は、シリンダー12に流入する直前の作動ガスの温度である吸気温度Tinを所定の制御周期で検出する。
次に、EGR制御装置30の構成について図2〜図5を参照しながら説明する。
図2に示されるように、EGR制御装置30の制御部45は、CPU、ROM、RAM等で構成されており、各種演算を行なう演算部46と、各種制御プログラムや各種データが格納される記憶部47と、EGR弁23を駆動する弁駆動部48とを備えている。制御部45は、記憶部47に格納された各種制御プログラムや各種データに基づいて各種処理を実行する。
制御部45には、EGR圧力センサー31からEGR圧力Pegを示す検出信号、吸気圧力センサー32から吸気圧力Pwgを示す検出信号が所定の制御周期で入力される。制御部45には、EGR温度センサー34からEGR温度Tegを示す検出信号、吸気温度センサー35から吸気温度Tinを示す検出信号が所定の制御周期で入力される。制御部45には、吸入空気量センサー36から吸入空気量Gaを示す検出信号が所定の制御周期で入力される。
また、制御部45には、エンジン10の回転速度を検出する回転速度センサー37からエンジン10の回転速度NEを示す検出信号が所定の制御周期で入力される。制御部45には、アクセルペダルの開度を検出するアクセル開度センサー38からアクセル開度ACCを示す検出信号が所定の制御周期で入力される。制御部45には、燃料噴射量を制御する燃料噴射制御部39が出力した燃料噴射量Qfを示す信号が所定の制御周期で入力される。制御部45には、EGR弁23の開度を検出するEGR弁開度センサー40からEGR弁23の開度VTaを示す検出信号が所定の制御周期で入力される。
演算部46の目標量演算部51は、吸気通路15に供給すべきEGRガスの質量流量である目標量Gegtを演算する。目標量演算部51は、回転速度センサー37の検出値である回転速度NE、アクセル開度センサー38の検出値であるアクセル開度ACC、燃料噴射制御部39が出力した燃料噴射量Qf、これらに基づいてEGRガスの目標量Gegtを演算する。
演算部46の圧力比演算部52は、EGR圧力センサー31の検出値であるEGR圧力Peg、吸気圧力センサー32の検出値である吸気圧力Pwgに基づいて、EGR圧力Pegに対する吸気圧力Pwgの比である圧力比P2/P1(=Pwg/Peg)を演算する。
演算部46の面積演算部53は、目標量Gegtの分だけEGRガスを吸気通路15に導入するために必要なEGR弁23の開口面積である必要開口面積Aneを演算する。面積演算部53は、ベルヌーイの定理に基づく式(1)に下記に示す値を代入することにより必要開口面積Aneを演算する。
Figure 0006000761
G :目標量演算部51の演算結果である目標量Gegt
P1:EGR圧力センサー31の検出値であるEGR圧力Peg
T1:EGR温度センサー34の検出値であるEGR温度Teg
P2/P1:圧力比演算部52の演算結果である圧力比P2/P1
κ :排気ガスの比熱比
A :必要開口面積Ane
R :気体定数
演算部46の基本開度演算部54は、記憶部47に格納されている開度データ55に基づいて、必要開口面積Aneに応じたEGR弁23の基本開度VTstdを演算する。図3に示されるように、開度データ55は、EGR弁23の開度VT毎にEGR弁23の有効開口面積Aefが規定されたデータである。有効開口面積Aefは、予め行なった実験やシミュレーションの結果により得られるEGR弁23の開口面積である。本実施形態では、EGR弁23が所定の開度VTexpに維持されたEGR通路21に対して所定の流量Gexpの排気ガスを供給し、そのときのEGR弁23の上流側における圧力Pexp1と温度Texp、及びEGR弁23の下流側における圧力Pexp2を計測した。そして、上記式(1)に対して、Gに所定流量Gexp、P1に圧力Pexp1、P2に圧力Pexp2、T1に温度Texpを代入して開口面積Aを逆算した。そして、開度VTexpを維持したまま流量Gexpを増減させることで得られた開口面積Aの平均値を開度VTexpにおける有効開口面積Aefとした。基本開度演算部54は、開度データ55から必要開口面積Aneに応じた開度VTを読み出して、その読み出した開度を基本開度VTstdとして演算する。
演算部46の流通量演算部56は、EGR通路21を流通しているEGRガスの質量流量であるEGR流通量Gegaを演算する。EGR流通量Gegaの演算にあたり、流通量演算部56は、まず、状態方程式を用いて、シリンダー12に供給される作動ガスの質量流量である作動ガス量Gwgを演算する。流通量演算部56は、状態方程式P×V=Gwg×R×Tに対して以下に示す値を代入することで作動ガス量Gwgを逆算する。
P:吸気圧力センサー32の検出値である吸気圧力Pwg
V:エンジン10の回転速度NEとエンジン10の排気量Dとの乗算値
T:吸気温度センサー35の検出値である吸気温度Tin
R:気体定数
そして、流通量演算部56は、上記作動ガス量Gwgから吸入空気量センサー36の検出値である吸入空気量Gaを減算することによりEGR流通量Gegaを演算する。
演算部46の補正量演算部57は、記憶部47に格納されている補正データ58に基づいて、EGR弁23の基本開度VTstdに対する補正量VTrevを演算する。補正データ58は、EGRガスの目標量GegtとEGR流通量Gegaとの差分ΔGegに応じたEGR弁23の補正量が規定されたデータである。補正量VTrevは、予め行なった実験やシミュレーションの結果により規定される。
図4に示されるように、補正データ58には、目標量GegtよりもEGR流通量Gegaが小さい領域ではEGR弁23の開度を基本開度VTstdよりも大きくする補正量VTrevが規定されている。また、補正データ58には、目標量GegtよりもEGR流通量Gegaが大きい領域ではEGR弁23の開度を基本開度VTstdよりも小さくする補正量VTrevが規定されている。補正量演算部57は、EGRガスの目標量GegtとEGR流通量Gegaとの差分ΔGegに応じた補正量を補正データ58から読み出すことで補正量VTrevを演算する。
演算部46の指示開度演算部59は、基本開度演算部54にて演算された基本開度VTstdに対して、補正量演算部57にて演算された補正量VTrevを加算することによりEGR弁23の目標開度VTtarを演算する。そして、指示開度演算部59は、EGR弁23の開度を開度VTaから目標開度VTtarに変更するために必要な開度である指示開度VTcomを演算し、その演算した指示開度VTcomを弁駆動部48に出力する。
弁駆動部48は、EGR弁23の開度が目標開度VTtarになるように、指示開度演算部59から入力された指示開度VTcomの分だけEGR弁23の開度を変更するための駆動電力を生成し、その生成した駆動電力をEGR弁23に出力する。
次に、EGR制御装置30がEGR弁23の開度を制御する際に実行する処理の流れについて図5を参照して説明する。なお、この処理は、所定の制御周期ごとに実行される。
図5に示されるように、ステップS11において、制御部45は、各種センサーからの検出信号により各種情報を取得する。制御部45は、EGR圧力Peg、吸気圧力Pwg、EGR温度Teg、吸気温度Tin、吸入空気量Ga、回転速度NE、アクセル開度ACC、燃料噴射量Qf、開度VTaを取得する。
次のステップS12において、制御部45は、回転速度NE、アクセル開度ACC、燃料噴射量Qfに基づいて、EGRガスの目標量Gegtを演算する。また、制御部45は、EGR圧力Peg及び吸気通路圧力Pwgに基づいて、圧力比P2/P1を演算する。また、制御部45は、吸気圧力Pin、回転速度NEと排気量D、吸気温度Tinに基づいて、シリンダー12に対する作動ガス量Gwgを演算する。また、制御部45は、作動ガス量Gwg、吸入空気量Gaに基づいて、EGR流通量Gegaを演算する。
次のステップS13において、制御部45は、目標量Gegt、圧力比P2/P1、EGR圧力Peg、EGR温度Tegを上記式(1)に代入することで演算される開口面積Aを必要開口面積Aneとして演算する。
次のステップS14において、制御部45は、開度データ55に基づいて、必要開口面積Aneに応じたEGR弁23の開度である基本開度VTstdを演算する。また、制御部45は、補正データ58に基づいてEGRガスの目標量GegtとEGR流通量Gegaとの差分ΔGegに応じた補正量を補正データ58から読み出すことで補正量VTrevを演算する。
次のステップS15において、制御部45は、上記基本開度VTstdに上記補正量VTrevを加算することによってEGR弁23の目標開度VTtarを演算する。そして、制御部45は、EGR弁開度センサー40の検出値である開度VTaから目標開度VTtarへEGR弁23の開度を変更するために必要な開度である指示開度VTcomを演算する。
次のステップS16において、制御部45は、EGR弁23の開度を指示開度VTcomの分だけ変更するための駆動電力を生成し、その生成した駆動電力をEGR弁23に供給することでEGR弁23を駆動する。こうしてEGR弁23は、目標開度VTtarに制御される。
次に、上述した構成のEGR制御装置30の作用について説明する。
EGR制御装置30では、EGRガスを目標量Gegtだけ吸気通路15に導入するために必要なEGR弁23の開口面積である必要開口面積Aneが演算される。そして、EGR制御装置30では、上記必要開口面積Aneと開度VT毎に有効開口面積Aefが規定された開度データ55とに基づいて、EGR弁23の基本開度VTstdが演算される。EGR制御装置30は、上記基本開度VTstdに基づいてEGR弁23の開度を制御する。
ここで、例えば、EGR弁23が開状態にあるとき、その開口部分の開口縁にはEGRガスと開口縁との摩擦によって流速の著しく遅い境界層が形成される。そのため、この境界層を考慮せずにEGR弁の開度が制御されるとなれば、該境界層の分だけ開口面積が少なくなることでEGR弁の開度に対するEGRガスの流通量が少なくなってしまう。
この点、上述した開度データ55では、予め行なった実験の結果に基づいて上記式(1)から逆算される開口面積Aを有効開口面積Aefとしている。また、開度データ55には、EGR弁23の開度VT毎に有効開口面積Aefが規定されている。すなわち、開度データ55には、上記境界層が考慮された開口面積が有効開口面積Aefとして開度毎に規定されている。そして、EGR弁23の開度がフィードフォワード制御のように制御されることから、たとえ運転状態の過渡期であったとしても、EGRガスの目標量GegtとEGR弁23の開度変更後におけるEGR流通量Gegaとの乖離度が小さくなる。その結果、吸気通路15に導入されるEGRガス量の精度が高められる。
また、EGR弁23は、EGRガスの流通経路において、EGR圧力センサー31と吸気圧力センサー32との間に配設されている。すなわち、EGR弁23が可変オリフィスとしての役割を果たすため、EGR流通量Gegaを演算するためのオリフィスを別途EGR通路21に配設する必要がない。そのため、EGR通路21に別途オリフィスが配設される場合に比べて、EGR通路21におけるEGRガスの圧力損失が低減される。その結果、吸気通路15に対して導入可能なEGRガスも増量される。
また、EGR通路21そのものの流路断面積に基づいてEGR流通量Gegaが演算される場合に比べて、EGR圧力センサー31の検出値であるEGR圧力Pegと吸気圧力センサー32の検出値である吸気圧力Pwgとの圧力差が大きくなる。そのため、上記式(1)に基づいて演算される必要開口面積Aneの精度も高められる。その結果、EGRガスを目標量Gegtに制御するためのEGR弁23の基本開度VTstdに関する精度も高められる。
一方、EGR通路21やEGR弁23には、流路断面積や開口面積に製造誤差が存在する。また、例えば煤の堆積といった経年劣化によってEGR通路21の流路断面積やEGR弁23の開口面積に変化が生じる。そのため、こうした製造誤差や経年劣化を考慮した場合と考慮しない場合とでは、同一条件下においてEGR弁23が同じ開度に制御されたとしても、EGRガスの流通量が互いに異なることになる。
この点、EGR制御装置30では、EGR弁23の目標開度VTtarは、EGRガスの目標量GegtとEGR流通量Gegaとの差分ΔGegに基づいて補正データ58から選択される補正量VTrevが基本開度VTstdに加算された開度である。そのため、例えば、EGR通路21及びEGR弁23の製造誤差や経年劣化によってEGR通路21におけるEGRガスの圧力損失が大きくなったとしても、EGR弁23の目標開度VTtarが基本開度VTstdよりも大きくなるように補正される。その結果、EGR弁23の目標開度VTtarが基本開度VTstdから補正されない場合に比べて、EGRガスの目標量GegtとEGR弁の開度変更後におけるEGR流通量Gegaとの乖離度がさらに小さくなる。すなわち、吸気通路15に導入されるEGRガス量の精度がさらに高められる。
また、EGR圧力センサー31及びEGR温度センサー34は、EGR弁23とEGRクーラー22との間に配設されており、EGRクーラー22による冷却後のEGRガスであって、EGR弁23に流入する直前のEGRガスの圧力及び温度を計測している。その結果、EGRクーラー22に流入するEGRガスの圧力及び温度が検出される場合に比べて、EGR圧力Peg及びEGR温度Tegの精度が高められることから、面積演算部53の演算結果である必要開口面積Aneの精度も高められる。
また、流通量演算部56では、吸気圧力センサー32の検出値である吸気圧力Pwg、吸気温度センサー35の検出値である吸気温度Tin、回転速度センサー37の検出値である回転速度NE、及びエンジン10の排気量Dに基づいて作動ガス量Gwgが演算される。そして、流通量演算部56では、作動ガス量Gwgと吸入空気量センサー36の検出値である吸入空気量Gaとに差分がEGR流通量Gegaとして演算される。このようにEGR流通量Gegaが演算され、そのEGR流通量Gegaがフィードバックされることで、吸気通路15に導入されるEGRガス量の精度が高められる。
以上説明したように、上記実施形態のEGR制御装置30によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)EGRガスの目標量GegtとEGR弁23の開度変更後におけるEGR流通量Gegaとの乖離度が小さくなる。その結果、吸気通路15に導入されるEGRガス量の精度が高められる。
(2)EGR弁23が可変オリフィスとしての役割を果たすため、EGR通路21に別途オリフィスが配設される場合に比べて、EGR通路21におけるEGRガスの圧力損失が低減される。その結果、吸気通路15に対して導入可能なEGRガスも増量される。
(3)EGR通路21そのものの流路断面積に基づいてEGR流通量Gegaが演算される場合に比べて、圧力差が大きくなることで必要開口面積Aneの精度も高められる。その結果、EGR弁23の基本開度VTstdに関する精度も高められる。
(4)EGR弁23の指示開度VTcomが基本開度VTstdから補正されない場合に比べて、EGRガスの目標量GegtとEGR弁の開度変更後におけるEGR流通量Gegaとの乖離度がさらに小さくなる。その結果、吸気通路15に導入されるEGRガス量の精度がさらに高められる。
(5)EGR圧力センサー31及びEGR温度センサー34が、EGR弁23とEGRクーラー22との間に配設されている。そのため、EGRクーラー22に流入するEGRガスの圧力及び温度が検出される場合に比べて、必要開口面積Aneの精度が高められる。
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・EGR流通量Gegaの演算方法は、作動ガス量Gwgから吸入空気量Gaを減算することに限られるものではない。例えば、排気通路19を流れる排気ガスの質量流量を計測あるいは演算により求めて、作動ガス量Gwgから当該排気ガスの質量流量を減算することにより演算されてもよい。
・EGR圧力センサー31は、EGRクーラー22の上流側に配設されていてもよい。このとき、上記式(1)に代入されるP1は、必要開口面積Aneの精度を高めるうえで、EGRクーラー22におけるEGRガスの圧力損失が考慮されることが好ましい。
・EGR温度センサー34は、EGRクーラー22の上流側に配設されていてもよい。このとき、上記式(1)に代入されるT1は、必要開口面積Aneの精度を高めるうえで、EGRクーラー22におけるEGRガスの温度変化が考慮されることが好ましい。
・EGR通路21には、EGRクーラー22が配設されていなくてもよい。
・制御部45は、流通量演算部56、補正量演算部57、記憶部47に格納された補正データ58、これらが割愛された構成であってもよい。すなわち、制御部45は、基本開度演算部54によって演算された基本開度VTstdを目標開度VTtarとして指示開度VTcomを演算してもよい。
・EGRガスの目標量Gegtは、エンジン10の運転状態に関する情報に基づいて演算されればよく、上記実施形態のように回転速度NE、アクセル開度ACC、燃料噴射量Qfに基づいて演算されるものに限られない。目標量Gegtは、例えば、回転速度NEと燃料噴射量Qfとに基づいて演算されてもよい。
・EGR制御装置30は、1つの電子制御ユニットであってもよいし、複数の電子制御ユニットで構成されていてもよい。
・EGR制御装置30が適用されるエンジンは、ガソリンエンジンであってもよい。
10…ディーゼルエンジン、11…シリンダーブロック、12…シリンダー、13…インテークマニホールド、14…エキゾーストマニホールド、15…吸気通路、16…ターボチャージャー、17…コンプレッサー、18…インタークーラー、19…排気通路、20…タービン、21…EGR通路、22…EGRクーラー、23…EGR弁、30…EGR制御装置、31…EGR圧力センサー、32…吸気圧力センサー、34…EGR温度センサー、35…吸気温度センサー、36…吸入空気量センサー、37…回転速度センサー、38…アクセル開度センサー、39…燃料噴射制御部、40…EGR弁開度センサー、45…制御部、46…演算部、47…記憶部、48…弁駆動部、51…目標量演算部、52…圧力比演算部、53…面積演算部、54…基本開度演算部、55…開度データ、56…流通量演算部、57…補正量演算部、58…補正データ、59…指示開度演算部。

Claims (3)

  1. エンジンの運転状態に関する情報を取得する取得部と、
    前記取得部の取得した情報に基づいてEGR弁の開度を制御する制御部と、を備え、
    前記取得部が、
    前記EGR弁の上流側におけるEGR通路内の圧力を検出するEGR圧力センサーと、
    前記エンジンの吸気通路と前記EGR通路との接続部分よりも下流側における吸気通路内の圧力を検出する吸気圧力センサーと、
    前記EGR弁の上流側におけるEGR通路内の温度を検出するEGR温度センサーと、を含み、
    前記制御部が、
    前記取得部が取得した情報に基づいてEGRガスの目標量を演算する目標量演算部と、
    前記取得部が取得した情報に基づいてEGRガスの流通量を演算する流通量演算部と、
    前記EGR弁の開度毎に当該EGR弁の有効開口面積が規定された開度データと、前記目標量と前記流通量との差分毎に開度の補正量が規定された補正データとが記憶された記憶部と
    前記EGR圧力センサーの検出値、前記吸気圧力センサーの検出値、前記EGR温度センサーの検出値、及び前記目標量に基づいて、前記EGR弁の必要開口面積を演算する面積演算部と、
    前記目標量と前記流通量とに応じた補正量を前記補正データに基づいて演算する補正量演算部と、
    前記必要開口面積と前記開度データとに基づいて演算した前記EGR弁の基本開度を前記補正量の分だけ補正することにより前記EGR弁の指示開度を演算する開度演算部と、を含み、
    前記開度データは、前記開度の増加に対する前記有効開口面積の増加率が小さい第1領域と、前記開度の増加に対する前記有効開口面積の増加率が大きい第2領域とを有し、
    前記第1領域は、前記開度の最小値寄りの領域と前記開度の最大値寄りの領域とに設定され、
    前記第2領域は、前記開度の最小値寄りの領域と前記開度の最大値寄りの領域との間の領域に設定され、
    前記補正データには、前記目標量よりも前記流通量が小さい領域では前記指示開度を前
    記基本開度よりも大きくする補正量が規定され、前記目標量よりも前記流通量が大きい領域では前記指示開度を前記基本開度よりも小さくする補正量が規定されている
    ことを特徴とするEGR制御装置。
  2. 前記取得部が、
    前記エンジンのインテークマニホールド内の温度である吸気温度を検出する吸気温度センサーと、
    前記エンジンの回転速度を検出する回転速度センサーと、
    前記エンジンの吸入空気量を検出する吸入空気量センサーと、を含み、
    EGRガスの流通量を演算する流通量演算部は、
    前記吸気圧力センサーの検出値、前記吸気温度センサーの検出値、前記回転速度センサーの検出値、及び前記エンジンの排気量に基づいて作動ガス量を演算し、前記作動ガス量と前記吸入空気量センサーの検出値との差分を前記流通量として演算する
    請求項に記載のEGR制御装置。
  3. 前記EGR圧力センサー及び前記EGR温度センサーは、
    前記EGR弁と当該EGR弁の上流側に配設されたEGRクーラーとの間に配設される
    請求項1または2に記載のEGR制御装置。
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