JP6006155B2 - 樹脂フィルム及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の他の目的は、例えば500μm以上という厚膜であってもクラックがなく、表面硬度の高い樹脂フィルム、及びその製造方法を提供することにある。
本発明では、硬化性化合物全体に占めるウレタン(メタ)アクリレート(A)の割合を10重量%以上とすることにより、硬化収縮によるクラックやカールの発生を顕著に抑制でき、厚膜化が可能となり、表面硬度の高い樹脂フィルムとすることができる。ウレタン(メタ)アクリレート(A)の量が硬化性化合物全体の10重量%未満では、前記硬化収縮によるクラックやカールの抑制効果が小さくなる。ウレタン(メタ)アクリレート(A)の量は、好ましくは、活性エネルギー線硬化性組成物中の硬化性化合物全体に対して15重量%以上であり、より好ましくは20重量%以上である。ウレタン(メタ)アクリレート(A)は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[方法1]:(X)、(Y)、(Z)を一括混合して反応させる方法。
[方法2]:(X)及び(Y)を反応させて、イソシアネート基を含有するウレタンイソシアネートプレポリマーを形成した後、該プレポリマーと(Z)を反応させる方法。
[方法3]:(Y)及び(Z)を反応させて、イソシアネート基を含有するウレタンイソシアネートプレポリマーを形成した後、該プレポリマーと(X)を反応させる方法。
[方法2−1]:(X)、(Y)を一括混合して反応させる方法。
[方法2−2]:(X)の中に(Y)を滴下して反応させる方法。
[方法2−3]:(Y)の中に(X)を滴下して反応させる方法。
Y−[X−Y]n−X−Y (nは1以上の整数)
Y−[X−Y]n−X−Y (nは1以上の整数)
トリシクロデカンジメタノール(X)としては、特に限定されず、市販品を用いてもよい。市販品として、例えば、商品名「TCD alcohol DM」(オクセア社製)(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール)等が挙げられる。
ポリイソシアネート(Y)としては、特に限定されないが、脂肪族系ポリイソシアネート(脂環式骨格を有するものを含む)が好ましい。このようなポリイソシアネート(Y)としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートを水添して得られるジイソシアネート化合物(例えば水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物)、あるいはこれらジイソシアネートの三量体(ビウレット、ヌレート、又はアダクト化物;3官能のポリイソシアネート)等が挙げられる。前記ジイソシアネート化合物の三量体として、ヌレート型ポリイソシアネートが特に好ましい。ポリイソシアネート(Y)は1種単独で用いてもよく、2以上を組み合わせて用いてもよい。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)としては、特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、これらのラクトン付加物(カプロラクトン付加物等)などのヒドロキシル基を有する単官能の(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、これらのラクトン付加物(カプロラクトン付加物等)などのヒドロキシル基を有する多官能の(メタ)アクリレート化合物等を使用することができる。ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)は1種単独で用いてもよく、2以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における活性エネルギー線硬化性組成物は、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)とともに、その他の硬化性化合物(B)[以下、単に「硬化性化合物(B)」と称する場合がある]を含んでいてもよい。
本発明の樹脂フィルムは、前記式(1)で表されるトリシクロデカン骨格を含む基を分子中に有する4〜12官能のウレタン(メタ)アクリレート(A)を硬化性化合物全体に対して10重量%以上含む活性エネルギー線硬化性組成物からなる薄膜層に、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより製造できる。
以下に、ウレタン(メタ)アクリレートの合成例について説明する。なお、濃度表記の「ppm」、「重量%」、「重量%分」は、特別な記載がない限り、得られるウレタン(メタ)アクリレート含有物全体に対する濃度である。
イソシアネート基濃度は以下のように測定した。なお、測定は100mLのガラスフラスコでスターラーによる攪拌の下で行った。
イソシアネート基濃度(重量%)=(Vb−Vs)×1.005×0.42÷Ws
TCDDM:製品名「TCD alcohol DM」(オクセア社製)
HMDIトリマー:製品名「スミジュールN3300」(住友バイエルウレタン社製;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート由来のヌレート化合物)
IPDI:製品名「VESTANAT IPDI」(エボニック社製;イソホロンジイソシアネート)
HEA:製品名「BHEA」(日本触媒社製;アクリル酸2−ヒドロキシエチル)
PETIA:製品名「PETRA」(サイテック社製;水酸基価120mgKOH/gのペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物)
M−403:製品名「アロニックスM−403」(東亞合成社製;ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物)
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、200gのメチルイソブチルケトン(MIBK)、225.9gのIPDIを充填し、攪拌しながら内温を50℃に昇温した。次に0.08gのジブチルスズジラウレートを加え、内温を50℃に保持しつつ、99.8gのTCDDMを1時間かけて滴下した。滴下終了後、50℃で2時間攪拌を継続し、ウレタンイソシアネートプレポリマーの反応を完結させた。なお、反応が完結したことは、反応液中のイソシアネート基濃度が理論終点イソシアネート基濃度以下となったことで確認した(他の合成例も同様)。
本例では、反応液中のイソシアネート基濃度が理論終点イソシアネート基濃度(8.12重量%)以下であることを確認した後、次の操作へ移行した。
次に、内温を70℃に昇温し、0.08gのジブチルスズラウレートを加え、反応温度を70℃に保持しつつ、474.3gのPETIAを2時間かけて滴下した。滴下終了後70℃で1時間攪拌を継続した。イソシアネート基濃度が0.1重量%以下になったことを確認して反応を終了させ、トリシクロデカンジメタノールから水酸基の二つの水素原子を除いた有機基を骨格に有し、官能基数が6のウレタン(メタ)アクリレート含有物(UA1)を得た。
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、200gのメチルイソブチルケトン(MIBK)、516.9gのHMDIトリマーを充填し、攪拌しながら内温を50℃に昇温した。次に0.08gのジブチルスズジラウレートを加え、内温を50℃に保持しつつ、84.1gのTCDDMを1時間かけて滴下した。滴下終了後、50℃で2時間攪拌を継続し、ウレタンイソシアネートプレポリマーの反応を完結させた。
本例では、反応液中のイソシアネート基濃度が理論終点イソシアネート基濃度(8.99重量%)以下であることを確認した後、次の操作へ移行した。
次に、内温を70℃に昇温し、0.08gのジブチルスズラウレートを加え、反応温度を70℃に保持しつつ、199.0gのHEAを2時間かけて滴下した。滴下終了後70℃で3時間攪拌を継続した。イソシアネート基濃度が0.1重量%以下になったことを確認して反応を終了させ、トリシクロデカンジメタノールから水酸基の二つの水素原子を除いた有機基を骨格に有し、官能基数が4のウレタン(メタ)アクリレート含有物(UA2)を得た。
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、200gのメチルイソブチルケトン(MIBK)、407.4gのIPDIを充填し、攪拌しながら内温を50℃に昇温した。次に0.08gのジブチルスズジラウレートを加え、内温を50℃に保持しつつ、179.8gのTCDDMを1時間かけて滴下した。滴下終了後、50℃で2時間攪拌を継続し、ウレタンイソシアネートプレポリマーの反応を完結させた。
本例では、反応液中のイソシアネート基濃度が理論終点イソシアネート基濃度(9.78重量%)以下であることを確認した後、次の操作へ移行した。
次に、内温を70℃に昇温し、0.08gのジブチルスズラウレートを加え、反応温度を70℃に保持しつつ、212.8gのHEAを2時間かけて滴下した。滴下終了後70℃で1時間攪拌を継続した。イソシアネート基濃度が0.1重量%以下になったことを確認して反応を終了させ、トリシクロデカンジメタノールから水酸基の二つの水素原子を除いた有機基を骨格に有し、官能基数が2のウレタン(メタ)アクリレート含有物(UA3)を得た。
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、200gのメチルイソブチルケトン(MIBK)、153.9gのIPDI(0.69モル)を充填し、攪拌しながら内温を70℃に昇温した。次に0.08gのジブチルスズジラウレートを加え、内温を70℃に保持しつつ、646.1gのPETIA(ペンタエリスリトールトリアクリレートとして1.38モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、0.08gのジブチルスズラウレートを加え、さらに70℃で3時間攪拌を継続した。イソシアネート基濃度が0.1重量%以下になったことを確認して反応を終了させ、トリシクロデカンジメタノールから水酸基の二つの水素原子を除いた有機基を骨格に有しない、官能基数が6のウレタン(メタ)アクリレート含有物(UA4)を得た。
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、200gのメチルイソブチルケトン(MIBK)、153.9gのIPDI(0.69モル)を充填し、攪拌しながら内温を70℃に昇温した。次に0.08gのジブチルスズジラウレートを加え、内温を70℃に保持しつつ、1340gのM−403(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとして1.38モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、0.08gのジブチルスズラウレートを加え、さらに70℃で3時間攪拌を継続した。イソシアネート基濃度が0.1重量%以下になったことを確認して反応を終了させ、トリシクロデカンジメタノールから水酸基の二つの水素原子を除いた有機基を骨格に有しない、官能基数が10のウレタン(メタ)アクリレート含有物(UA5)を得た。
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、500gのメチルイソブチルケトン(MIBK)、160.0gのイソホロンジイソシアネート3量体(0.24モル)を充填し、攪拌しながら内温を70℃に昇温した。次に0.08gのジブチルスズジラウレートを加え、内温を70℃に保持しつつ、214.8gのペンタエリスリトールトリアクリレート(0.72モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、0.08gのジブチルスズラウレートを加え、さらに70℃で3時間攪拌を継続した。イソシアネート基濃度が0.1重量%以下になったことを確認して反応を終了させ、トリシクロデカンジメタノールから水酸基の二つの水素原子を除いた有機基を骨格に有しない、官能基数が9のウレタン(メタ)アクリレート含有物(UA6)を得た。
合成例で調製したウレタン(メタ)アクリレート含有物、光重合開始剤、メチルイソブチルケトン(MIBK)を、表1に示す組成(数字は重量部)となるように遮光瓶に入れて混合し、活性エネルギー線硬化性組成物を調製した。なお、表中の光重合開始剤1は、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASF社製、製品名「IRGACURE184」)、光重合開始剤2は、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(BASF社製、製品名「IRGACURE907」)である。また、ウレタン(メタ)アクリレートの欄の「UA1」等の下の括弧内の数字は1分子中の(メタ)アクリロイル基の官能基数を示す。
フィルム作製法1:活性エネルギー線硬化性組成物を、ワイヤーバー♯38を用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(基材;厚さ125μm、商品名「O321E」、三菱樹脂社製)上に流延させた後、80℃の乾燥機にて溶剤を乾燥除去した。窒素雰囲気下にて、高圧水銀灯からの紫外線を照射した後、基材から剥離することにより、所定の厚み(20μm、100μm)の樹脂フィルムを得た。
フィルム作製法2:活性エネルギー線硬化性組成物を、テフロン(登録商標)シャーレ上に流延させた後、80℃の乾燥機にて溶剤を乾燥除去した。窒素雰囲気下にて、高圧水銀灯からの紫外線を照射した後、テフローンシャーレから剥離することにより、所定の厚み(200μm、1000μm)の樹脂フィルムを得た。
各実施例及び比較例で得られた樹脂フィルムの特性を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
JIS K−5600に準じて測定した。
各実施例及び比較例で得られた樹脂フィルムを目視観察し、カール及びクラックの有無及び程度を下記の基準で評価した。なお、カールが「△」であっても、用途によっては支障なく使用できる場合がある。
<カール>
○:なし
△:僅かにカールが観察された
×:カールがはっきりと観察された
<クラック>
○:なし
△:僅かにクラックが観察された
×:多数のクラックが観察された
Claims (7)
- 厚みが25μmを超える請求項1記載の樹脂フィルム。
- 厚みが500μm以上である請求項1又は2記載の樹脂フィルム。
- 前記活性エネルギー線硬化性組成物が、前記式(1)で表されるトリシクロデカン骨格を含む基を分子内に有する4〜12官能のウレタン(メタ)アクリレート(A)に加え、他の硬化性化合物(B)として多官能(メタ)アクリレートを含む請求項1〜3の何れか1項に記載の樹脂フィルム。
- 前記活性エネルギー線硬化性組成物が、前記式(1)で表されるトリシクロデカン骨格を含む基を分子内に有する4〜12官能のウレタン(メタ)アクリレート(A)に加え、他の硬化性化合物(B)として4官能以上の多官能(メタ)アクリレートを含む請求項1〜4の何れか1項に記載の樹脂フィルム。
- 前記式(1)で表されるトリシクロデカン骨格を含む基を分子内に有する4〜12官能のウレタン(メタ)アクリレート(A)を含む4官能以上の多官能(メタ)アクリレートの総量が、活性エネルギー線硬化性組成物中の硬化性化合物全体に対して30重量%以上である請求項1〜5の何れか1項に記載の樹脂フィルム。
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