JP6025253B2 - 遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法 - Google Patents

遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6025253B2
JP6025253B2 JP2012261686A JP2012261686A JP6025253B2 JP 6025253 B2 JP6025253 B2 JP 6025253B2 JP 2012261686 A JP2012261686 A JP 2012261686A JP 2012261686 A JP2012261686 A JP 2012261686A JP 6025253 B2 JP6025253 B2 JP 6025253B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium oxide
rutile
sol
transition metal
alkaline
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012261686A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014105150A (ja
Inventor
英和 上田
英和 上田
真功 山口
真功 山口
井筒 裕之
裕之 井筒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taki Chemical Co Ltd
Original Assignee
Taki Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taki Chemical Co Ltd filed Critical Taki Chemical Co Ltd
Priority to JP2012261686A priority Critical patent/JP6025253B2/ja
Publication of JP2014105150A publication Critical patent/JP2014105150A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6025253B2 publication Critical patent/JP6025253B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

本発明は、遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法に関する。
アナターゼ型酸化チタンからなる光触媒は、388nm以下の紫外線を吸収することにより酸化還元作用を発現し、有害物質の分解、抗菌性、超親水現象等の光触媒効果を有することが知られている。しかし、アナターゼ型酸化チタンは可視光には応答しないため、紫外線量が低い屋内照明下では光触媒効果をほとんど示さない。
一方、ルチル型酸化チタンは407nm以下の光、即ち青色の可視光を吸収することができるが、励起電子の還元力が弱いため光触媒効果をほとんど示さない。しかし、近年、ルチル型酸化チタンに遷移金属を担持させることによって可視光照射下で光触媒として機能させる技術が報告されている。
例えば、特許文献1には、白金等の金属を分散させた有機溶媒に二酸化チタン粉末を添加した後、これを乾燥、焼成することにより、青色可視光域であっても光触媒効果を有する金属超微粒子を担持した粉体のルチル型二酸化チタンが得られることが記載されている。
また、非特許文献1には、界面電荷移動による可視光吸収と多電子還元機能を有し、可視光照射下で光触媒機能を発現する銅イオンを担持した粉体のルチル型酸化チタンについて報告されている。
一方、特許文献2の実施例には、白金を担持したルチル型二酸化チタン結晶微粒子又は鉄を担持したルチル型二酸化チタン結晶微粒子をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液中に分散させた溶液をビーズミルによって粉砕することにより、pHが10.5であり平均粒子径が50nm以下である分散液を得る技術が開示されている。
ところで、ナノ粒子分散液(ゾル)の製造方法として、溶媒中で粉砕により微粒子化するブレークダウン(トップダウン)方式と、液体から化学反応等を利用して微粒子を生成させ分散液を作成するビルドアップ(ボトムアップ)方式の2つの方法が知られている。
ビーズミル等の粉砕によるブレークダウン方式は、粉砕装置があれば簡便に実施できるが、粉砕時のメディアの磨耗による不純物の混入、及び均一粉砕の困難性が問題点として指摘されている。
一方、ビルドアップ方式は、製造プロセスが複雑になる傾向があるが、比較的容易に粒子径の均一性が高い微粒子を製造できる利点がある。
特開2000-262906号公報 特開2010−274142号公報
Chemical Physics Letters, 457 (2008) 202-205, Hiroshi Irie et al.
本発明は、ビルドアップ方式によって製造され、可視光下で光触媒活性を示し、基材の意匠性を損なうことなく塗布することが可能であり、さらにアルカリ性の水系バインダーとの混合が可能である可視光応答型光触媒ゾルの開発を課題とするものである。
本発明者らは、下記(1)〜(5)の工程を包含する製造方法により、上記課題が解決されることを見出し本発明の完成に至ったものである。
即ち、本発明は、下記(1)〜(5)の工程を包含することを特徴とする遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法である。
(1)アルカリ水溶液と水溶性チタン化合物を、常にpH9以上を保ちながら中和して水和酸化チタンゲルを得た後、洗浄する第1の工程。
(2)第1の工程で得られた洗浄物を、塩酸又は硝酸でpH3以下に調整した後、加熱する第2の工程。
(3)第2の工程で得られた加熱物から無機酸根を除去する第3の工程。
(4)第3の工程で得られた無機酸根除去物を、水溶性アミン化合物の存在下で加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得る第4の工程。
(5)第4の工程で得られたアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルと、鉄化合物、銅化合物、白金化合物及びパラジウム化合物からなる群より選ばれた1種以上の遷移金属化合物とを混合し、遷移金属を担持させる第5の工程。
本発明の遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルは、長期安定性に優れ、薄膜としたときの透明性、平滑性に優れ、可視光照射下で光触媒活性を示すため、室内環境で使用され高度な意匠性が必要とされる光触媒薄膜用途に特に好適に用いることができる。また、アルカリ性の水系バインダーとの混合が可能であるという利点を有する。
実施例1で得られた銅担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルのXRDパターンである。
以下、本発明の遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法について説明する。
本発明の遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾル(以下、「本発明のゾル」とも云う)は、下記(1)〜(5)の工程を包含する製造方法によって製造されるものである。
(1)アルカリ水溶液と水溶性チタン化合物を、常にpH9以上を保ちながら中和して水和酸化チタンゲルを得た後、洗浄する第1の工程。
(2)第1の工程で得られた洗浄物を、塩酸又は硝酸でpH3以下に調整した後、加熱する第2の工程。
(3)第2の工程で得られた加熱物から無機酸根を除去する第3の工程。
(4)第3の工程で得られた無機酸根除去物を、水溶性アミン化合物の存在下で加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得る第4の工程。
(5)第4の工程で得られたアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルと、鉄化合物、銅化合物、白金化合物及びパラジウム化合物からなる群より選ばれた1種以上の遷移金属化合物とを混合し、遷移金属を担持させる第5の工程。
先ず、第1の工程について説明する。
アルカリ水溶液に用いる化合物として、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アンモニア等を好例として挙げることができるがこれらに限定されるものではない。アルカリ金属の水酸化物として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が例示でき、アルカリ金属の炭酸塩として、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が例示できる。アルカリ水溶液の濃度は、水溶性チタン化合物を添加してもpH9以上を保つことができ、水和酸化チタンゲルが生成できれば特に制限はなく、適宜設定すればよい。
水溶性チタン化合物として、塩化チタン、オキシ塩化チタン、硫酸チタン、オキシ硫酸チタン等を好例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これら水溶性チタン化合物は水溶液の状態で使用することが作業性の観点から好ましい。その水溶液の濃度は、特に制限されることはなく、適宜設定すればよい。
アルカリ水溶液に対し水溶性チタン化合物を、常にpH9以上を保ちながら中和する方法について説明する。[1]アルカリ水溶液に対し、水溶性チタン化合物を添加し、pH9を下回らない範囲で水溶性チタン化合物の添加を終了する方法、[2]アルカリ水溶液と水溶性チタン化合物を、pH9を下回らないように同時に添加する方法、[3]設計量の内の一部のアルカリ水溶液に対し水溶性チタン化合物を添加するが、pH9を下回らないように残りのアルカリ水溶液を適宜添加する方法が挙げられる。この中でも、[1]の方法が最も容易にpH9以上を保つことができるため特に好ましい。尚、いずれの方法においても、前記pH範囲を保つように撹拌強度、添加方法等を適宜設定すればよい。前記[1]の添加方法については、水溶性チタン化合物添加による溶液pHの局所低下を避けるために、滴下が特に好ましい。水和酸化チタンゲルを得る操作における温度については特段の制限は無く、5〜100℃の範囲内であればよい。
水和酸化チタンゲルの濃度について云えば、酸化チタン濃度(TiO2)として、0.1〜5.0質量%の範囲を例示できる。0.1質量%を下回ると生産効率が悪くなるため、また、5.0質量%を上回ると反応時の撹拌が困難になるため好ましくない。
次に、生成した水和酸化チタンゲルを洗浄する。洗浄は、副生塩や余分なイオン性物質が除去できれば洗浄方法に特に制限はなく、水を添加しながらの限外ろ過、ヌッチェろ過、フィルタープレス等が例示でき、このうち特に限外ろ過が好ましい。洗浄終点の目安として、ろ液ECが0.3〜5mS/cmの時点を挙げることができる。
また、洗浄終了後の水和酸化チタンゲルのpHは概ね10〜12の範囲であり、ECは概ね0.4〜6mS/cmの範囲である。
次に第2の工程では、第1の工程の洗浄後の水和酸化チタンゲルを含む溶液を塩酸及び/又は硝酸でpH3以下に調整した後、加熱する。塩酸及び/又は硝酸の濃度及び量は、前記pH範囲に調整できるように適宜設定すればよい。例として濃塩酸を用いた場合は、溶液中のTiO2に対して濃塩酸(HCl)をモル比で0.6〜2.0の範囲で添加することが好ましい。
加熱時の酸化チタン濃度(TiO2)は1〜8質量%の範囲であることが好ましい。前記範囲で処理することで最終的に粒子径の小さいルチル型酸化チタンを効率的に得ることができる。
加熱温度は、40〜90℃の範囲が好ましい。前記温度範囲において、アナターゼ型酸化チタンが生成せずに、ルチル型酸化チタンが生成し易くなる。また、加熱時間は、ルチル型酸化チタンを充分に生成させるために、10分以上であることが好ましく、特に好ましくは10分〜240分である。より好ましい加熱条件は、45〜75℃で20分〜80分である。
次に第3の工程では、第2の工程で加熱された溶液中の塩素根、硝酸根等の無機酸根の除去を行う。上記無機酸根の除去は、第4の工程において分散性の良好なゾルを得るために必須であり、ルチル型酸化チタン(TiO2)に対し無機酸根をモル比で0.01以下とすることが推奨される。その方法は特に限定されないが、例えば、第2の工程の加熱物を、[1]限外ろ過洗浄する方法、[2]限外ろ過洗浄した後、アルカリ水溶液で中和し、その中和物をさらに洗浄する方法、[3]アルカリ水溶液で中和した後、洗浄する方法等が挙げられる。この中でも特に[3]の方法が最も効率的に無機酸根を除去することができるため、好適である。
前記[3]の方法においては、まず、第2の工程の加熱物にアルカリ水溶液を添加して中和する。アルカリ水溶液の添加時の溶液温度に関しては、特段制約はないが一般的には5〜90℃が良い。アルカリ水溶液の化合物としては、第1の工程で例示した化合物を挙げることができるが、分散剤として作用するアンモニアが特に好ましい。アルカリ水溶液の濃度と量は適宜設定すればよいが、アルカリ水溶液添加後の溶液pHが5.5以上となるように設定することが好ましい。尚、後の洗浄工程で液の粘性が高く洗浄が困難な場合は、中和した後に加熱エージングを行っても良い。加熱エージングを行う場合は50〜100℃で1〜5時間行うことが好ましい。続いて、中和した溶液を洗浄する。洗浄方法は第1の工程に記載した方法を例示することができ、このうち限外ろ過が特に好ましい。限外ろ過を例にとると、系外へ排出されるろ液のECをおよそ500μS/cm以下まで洗浄することにより、ルチル型酸化チタン(TiO2)に対し無機酸根をモル比で0.01以下にまで除去することができる。より好ましくは、ろ液ECが50μS/cm以下となるまで洗浄することにより、塩素根、硝酸根等の無機酸根だけでなくその他のイオン性物質、例えば、Na+、K+等のアルカリ金属及び遊離のアンモニア等を限外ろ過による洗浄限界まで除去することができる。
次に第4の工程では、第3の工程の無機酸根の除去後の溶液を、水溶性アミン化合物が存在する状態で加熱を行う。一般的には、第4の工程で水溶性アミン化合物を添加する態様が長期安定化の点で好ましい。但し、第1の工程でアルカリ水溶液としてアンモニアを使用した場合、又は、第3の工程においてアンモニアで中和した後、洗浄する方法を適用した場合は、第3の工程の後の溶液中にアンモニアが残存することがある。この残存アンモニア量は製造条件により異なるが、目安としてルチル型酸化チタン(TiO2)に対してモル比で0.1以下である。この残存アンモニア量を勘案して、最終的に得られる本発明のゾル中のルチル型酸化チタン(TiO2)に対してモル比で0.005〜0.5の範囲となるように水溶性アミン化合物の添加量を調整することが好ましい。前記モル比が0.005を下回ると分散安定化効果が充分に得られなくなる。本発明に於いては粒子が小さいため、前記モル比の上限は0.5で十分である。また、0.5を上回ると薄膜生成に好影響を及ぼさない場合がある。
一方、第3の工程の後の溶液中にアンモニアがルチル型酸化チタン(TiO2)に対しモル比で0.005以上残存している場合は、第4の工程で水溶性アミン化合物を添加しないことも態様の一つである。但し、当該態様においては安定なゾルが得られ難い場合があるため、加熱前のルチル型酸化チタン(TiO2)の濃度を低く設定することが好ましい。
本発明に用いる水溶性アミン化合物としては、本発明のゾルのpHをアルカリ性にできれば良く、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、水酸化第四級アンモニウム、アンモニア等が挙げられる。第一級アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン等が挙げられる。第二級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等が挙げられる。第三級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。水酸化第四級アンモニウムとしては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化トリメチルプロピルアンモニウム、水酸化ジメチルジエチルアミン、コリン等が挙げられる。この中でも水酸化第四級アンモニウムとアンモニアが分散安定性の点から好適に使用できる。上記水酸化第四級アンモニウムの中でも、特に本発明のゾルの分散安定化に効果的であることと入手の容易性の点から水酸化テトラメチルアンモニウムとコリンを推奨することができる。
加熱温度は80〜150℃の範囲であることが好ましい。前記加熱温度の範囲において、平均分散粒子径15〜70nmのルチル型酸化チタンの微粒子が得られ易くなる。加熱時間は60〜600分が例示できる。
また、必要に応じて、第4の工程の次に限外ろ過処理や加熱等により濃縮を行うことができる。限外ろ過処理する際には注水洗浄することで、残存する不純物、無機酸根、アルカリ金属をさらに除去することも可能である。この際、ルチル型酸化チタンゾルの分散に必要な分散剤も幾らか除去されるため、得られたゾルが不安定になる恐れがある。このような場合には水溶性アミン化合物を本発明の範囲内で追加添加することにより、長期に渡り安定化させることが可能である。
次に第5の工程では、可視光照射下で光触媒性能を発現させるために、第4の工程で得られたルチル型酸化チタンゾルと、鉄化合物、銅化合物、白金化合物及びパラジウム化合物からなる群より選ばれた1種以上の遷移金属化合物(以下、「遷移金属化合物」と略す)とを混合し、遷移金属を担持させる。遷移金属化合物を混合する方法としては、第4の工程以前に遷移金属化合物を混合する方法、例えば、第3の工程の無機酸根の除去後の溶液に遷移金属化合物を混合し、水溶性アミン化合物の存在下で加熱する方法も一例として考えられる。しかしこの場合、遷移金属化合物存在下でルチル型酸化チタンが結晶成長するので、結晶格子内に遷移金属が取り込まれる傾向にあり、可視光領域の吸収は強くなるが光触媒性能は低下する傾向にある。従って、このような格子欠陥による光触媒性能の低下を引き起こすこと無く、可視光照射下で光触媒性能を発揮するためには、第4の工程までにおいてルチル型酸化チタンの結晶が充分に成長したゾルを得た後、該ゾルと遷移金属化合物とを混合し、遷移金属を担持させることが好適である。
遷移金属化合物の種類としては、アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルと混合した際に、粒子径の顕著な増大や沈降物の発生等の問題を起こさないものであれば特に限定されず、また2種以上の遷移金属化合物を使用してもよい。具体的な遷移金属化合物として下記のものを例示することができる(水和水の記載は省略)。
鉄化合物としては、塩化鉄(II)、酢酸鉄(II)、乳酸鉄(II)、シュウ酸鉄(II)、硫酸アンモニウム鉄(II)、硫酸鉄(II)、リン酸鉄(II)、鉄(II)アセチルアセトナート、塩化鉄(III)、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(III)、リン酸鉄(III)、硫酸鉄(III)アンモニウム、ピロリン酸鉄(III)、クエン酸アンモニウム鉄(III)、シュウ酸鉄(III)アンモニウム、クエン酸鉄(III)、エチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム、鉄(III)アセチルアセトナート等が挙げられる。
銅化合物としては、塩化銅(I)、酸化銅(I)、塩化銅(II)、硝酸銅(II)、硫酸銅(II)、炭酸銅(II)、酸化銅(II)、水酸化銅(II)、塩化アンモニウム銅(II)、塩化カリウム銅(II)、ギ酸銅(II)、酢酸銅(II)、シュウ酸銅(II)、クエン酸銅(II)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム銅、エチレンジアミン四酢酸二銅、銅(II)アセチルアセトナート等が挙げられる。
白金化合物としては、塩化白金(II)カリウム、塩化白金酸(II)アンモニウム、塩化白金(II)ナトリウム、テトラシアノ白金(II)酸カリウム、塩化白金(IV)カリウム、塩化白金酸(IV)、塩化白金(IV)ナトリウム、塩化白金(IV)等が挙げられる。
パラジウム化合物としては、塩化パラジウム、塩化パラジウム(II)アンモニウム、塩化パラジウム(II)カリウム、塩化パラジウム(II)ナトリウム、酢酸パラジウム(II)、硝酸パラジウム(II)、パラジウム(II)アセチルアセトナート、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸アンモニウム、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸カリウム等が挙げられる。
遷移金属化合物の量についていえば、可視光照射下で光触媒機能を発現する量であれば特に限定されないが、最終的に得られる本発明のゾルにおいて、遷移金属が酸化物換算で、ルチル型酸化チタン(TiO2)に対して0.01〜5質量%の範囲となるような量とすることが好ましい。上記範囲が0.01質量%未満の場合または5質量%を超える場合は、光触媒性能が低下する傾向になるので好ましくない。尚、上記酸化物換算において、各遷移金属の酸化物は、鉄がFe2O3、銅がCuO、白金がPtO2、パラジウムがPdOで表されるものである。
遷移金属化合物の添加の形態については、遷移金属化合物が第4の工程で得られたアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルに均一に溶解・分散すれば特に制限はなく、水溶液として添加しても固体のまま添加しても良い。
以上の製造方法により本発明のゾルが得られる。尚、第5の工程では、遷移金属化合物を混合し、溶解・分散させるだけで、遷移金属がルチル型酸化チタンの表面に酸化物、水酸化物又は錯体の形態で担持されると推測される。この理由は、例えば、本発明のゾルを限外ろ過による洗浄を行っても、洗浄前後でゾル中の遷移金属量が蛍光X線分析ではほとんど変化しないためである。
本発明のゾルは可視光照射下においても光触媒機能を発現するが、第5の工程の後にさらに加熱を行うことにより、担持状態がさらに最適化され、光触媒性能が高まる傾向にある。加熱の条件は、遷移金属がルチル型酸化チタンの結晶格子に取り込まれず、且つ、ルチル型酸化チタン表面に強固に担持される温度で行われるのが好ましく、例えば40〜100℃の範囲が挙げられる。100℃を超えて加熱すると、ルチル型酸化チタンの結晶格子中に遷移金属が取り込まれることがあり、光触媒性能が低下する恐れがあるので好ましくない。
以上の工程で得られた遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルは、遷移金属化合物の添加に伴う副生塩やルチル型酸化チタン表面に担持されなかった遷移金属を除去するために洗浄を行っても良い。洗浄方法は上記第1の工程に記載した方法を例示することができ、このうち限外ろ過が特に好ましい。洗浄程度は適宜設定すれば良いが、概ね洗浄ろ液のECが500μS/cm〜30μS/cmとなるまで洗浄することが好ましい。
以下、本発明の遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルについて詳細に説明する。
本発明のゾルは、上記のように遷移金属がルチル型酸化チタンに担持されていると考えられるが、一部に担持されていない遷移金属を含有したものであっても構わない。しかし、担持されていない遷移金属は光触媒機能の向上に対する寄与度が低いため、遷移金属のほぼ全量が担持されていることが好ましく、例えば、遷移金属の含有量が、酸化物換算で、ルチル型酸化チタン(TiO2)に対し、0.01〜5質量%の範囲である。また、上記のように、水溶性アミン化合物の含有量がルチル型酸化チタン(TiO2)に対し、モル比で0.005〜0.5の範囲であることが好ましい。
本発明のゾルはアルカリ性であるが、pHで示すと概ね8以上であることが好ましく、さらに好ましくはpH9.5〜13.0の範囲である。
本発明のゾルの酸化チタンの結晶構造は、ゾルを100℃で乾燥させた後、粉末X線回折によって分析すると、チタンの結晶構造に関してはルチル型構造に由来するピークのみが検出されるので、実質的にルチル型のみがゾル中に含まれる。
本発明のゾルにおけるルチル型酸化チタンの比表面積について云えば、40〜250m2/gであることが好ましい。前記比表面積が40m2/gを下回ると、分散剤の吸着点が減少することでやや分散性が低下し、保存中に沈殿が生じやすくなる。一方、前記比表面積が250m2/gを上回ると、ルチル型酸化チタンの結晶化が不十分なために凝集し易くなり、また、光触媒活性を低下させる傾向がある。前記比表面積のより好ましい範囲は、60〜230m2/gである。
また、本発明のゾルにおけるルチル型酸化チタンの平均分散粒子径は、15〜70nmの範囲であることが好ましい。前記平均分散粒子径は、(株)堀場製作所製「動的光散乱式粒径分布測定装置 LB-500」で測定した際のメジアン径である。本発明のゾルの平均分散粒子径が前記範囲にあれば、とりわけゾルとして安定に分散し、また塗布した場合には平滑で透明な薄膜を得ることができる。前記平均分散粒子径の範囲は、15〜60nmの範囲であることがより好ましい。
本発明のゾルを塗布した場合、平滑で透明な薄膜が得られ易い。例えば、TiO2濃度が3質量%である本発明のゾルをガラス板にスピンコートし(1000rpm、10秒)、105℃で5分乾燥させた薄膜のHazeを日本電色工業(株)製 ヘーズメーター COH400で測定した場合に、Hazeは大略5%以下となる。Hazeは塗膜の濁りを示すものであり、その値が小さいほど透明、平滑な薄膜であるといえる。
本発明のゾルを乾燥させて得られる粉末及び薄膜は、可視光照射下で光触媒機能を発揮する。乾燥条件については、担持した遷移金属が酸化チタンの結晶格子内にドーピングされない温度であれば良く、目安として室温から400℃を例示できる。
また、本発明のゾルは、通常TiO2として2〜20質量%で製造されることが望ましい。2質量%未満は塗布液として利用するのに十分な濃度とはいい難く、製造上、輸送上も経済的でない。一方、20質量%を超えると粘度が高くなり、ハンドリング性が損なわれるため好ましくない。通常は5〜15質量%程度で製造、利用することが好ましい。
本発明のゾルは、水を分散媒としたものであるが、水溶媒を有機溶媒で置換することにより、有機溶媒分散型ゾルとすることもできる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、2-メトキシプロパノール、2-n-ブトキシエタノール等のセロソルブ類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類やホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が例示できる。
また、本発明のゾルは、アルカリ性の水系バインダーと混合して均一分散させることが可能であり、珪酸ナトリウム、珪酸リチウム、珪酸カリウム、炭酸ジルコニルアンモニウム、アルカリ性のシリカゾル、シリコンアルコキシド、シランカップリング剤等がその好例として挙げられる。しかし、その他の中性、酸性バインダーであってもゾル状態を維持することができる範囲内でこれを使用することができる。
本発明のゾルを基材表面に被覆することにより可視光応答型光触媒部材とすることができる。基材は特に制限されるものではなく、例えば、金属、セラミックス、タイル、プラスチック等が挙げられる。被覆方法は、公知の方法を用いればよく、例えば、塗布による被覆後に乾燥させることが一例として挙げられる。
以下、本発明の詳細を実施例を挙げて説明するが、本発明はそれらの実施例によって限定されるものではない。尚、特に断らない限り%は全て質量%を示す。また、各実施例及び比較例におけるゾルの作製では、超音波処理、限外ろ過洗浄処理を除いて、基本的には撹拌下において操作を行うものとする。
[実施例1]
3.2%水酸化ナトリウム水溶液20722gにオキシ塩化チタン水溶液(TiO2=27.4%、Cl=32.7%)1200gをローラーポンプを用いて30分かけて添加した。得られた水和酸化チタンゲルのpHは13.1であった。これを限外ろ過洗浄し、ろ液ECが1.0mS/cmになるまで洗浄を行い、洗浄水和酸化チタンゲルを得た(TiO2=4.5%、pH11.1、EC 1.2mS/cm)。この洗浄水和酸化チタンゲル4000gに純水220gと35%塩酸を282g添加した(pH0.4)。この溶液を60℃に加温し30分経過した時点で18%アンモニア水溶液をpH8.0になるまで添加した後、これを95℃に加温し2時間加熱した。これを限外ろ過洗浄し、ろ液ECが35μS/cmになるまで洗浄を行い、ルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲルを得た(TiO2=10.5%、pH8.1、EC 0.56mS/cm、比表面積275m2/g)。この酸化チタンゲル1600gに25%水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、「TMAH」という)23.0gを添加し、120℃で5時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た(TiO2=10.4%、TMAH/TiO2(モル比)=0.03、NH3/TiO2(モル比)=0.04、Cl/TiO2(モル比)=0.0004、Na/TiO2(モル比)=0.02、pH12.2、平均分散粒子径36nm、比表面積80m2/g)。このアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル100gに水酸化銅(II)を0.013g添加し溶解・分散させることで銅担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。
上記で得られたゾルにおける銅の担持状態を調べるために、該ゾルを限外ろ過による洗浄を行い、洗浄前後の銅含量を蛍光X線分析により調査した。その結果、洗浄前後で銅含量に変化が無いことを確認した。
[実施例2]
実施例1のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル100gに酸化銅(I)を0.009g添加し溶解・分散させることで銅担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。
[実施例3]
実施例1のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル100gに塩化鉄(III)水溶液(Fe2O3濃度=5%)を0.21g添加し、超音波処理により鉄担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。
[実施例4]
実施例1のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル100gにシュウ酸鉄(III)アンモニウム・3水和物を0.056g添加し溶解・分散させることで鉄担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。
[実施例5]
実施例1のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル100gに塩化パラジウム(II)を0.015g添加し、超音波処理によりパラジウム担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。
[実施例6]
実施例1のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル100gに塩化白金(IV)酸・6水和物を0.024g添加し、超音波処理により白金担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。
[実施例7]
実施例1のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル100gに水酸化銅(II)を0.064g添加し溶解・分散させることで銅担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。
[実施例8]
実施例1のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル100gに水酸化銅(II)を0.128g添加し溶解・分散させることで銅担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。
[実施例9]
実施例1のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル100gに水酸化銅(II)を0.013g添加した後、90℃で1時間加熱することで銅担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。
[実施例10]
実施例1のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル100gに水酸化銅(II)を0.013g添加した後、90℃で1時間加熱した。これをろ液ECが0.1mS/cmになるまで限外ろ過洗浄することで銅担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。
[実施例11]
実施例1のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル100gにシュウ酸鉄(III)アンモニウム・3水和物を0.056g添加した後、90℃で1時間加熱した。これをろ液ECが0.1mS/cmになるまで限外ろ過洗浄することで鉄担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。
[実施例12]
実施例1の洗浄水和酸化チタンゲル800gに純水1756gと35%塩酸を56.3g添加した(pH0.8)。この溶液を60℃に加温し30分経過した時点で18%アンモニア水溶液をpH8.0になるまで添加し、室温まで放冷した。これを限外ろ過洗浄し、ろ液ECが35μS/cmになるまで洗浄を行い、ルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲルを得た(TiO2=6.5%、pH7.5、EC 0.49mS/cm、比表面積305m2/g)。この酸化チタンゲル300gを120℃で5時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た(TiO2=6.5%、NH3/TiO2(モル比)=0.04、Cl/TiO2(モル比)=0.0004、Na/TiO2(モル比)=0.02、pH10.7、平均分散粒子径32nm、比表面積120m2/g)。このアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル200gに水酸化銅(II)を0.016g添加し溶解・分散させることで銅担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。
[実施例13]
実施例1の洗浄水和酸化チタンゲル1000gに純水430gと35%塩酸を70.4g添加した(pH0.6)。この溶液を60℃に加温し100分経過した時点で18%アンモニア水溶液をpH5.5になるまで添加し、室温まで放冷した。これをろ液ECが35μS/cmになるまで限外ろ過洗浄し、ルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲルを得た(TiO2=6.5%、pH7.5、EC 0.33mS/cm、比表面積305m2/g)。この酸化チタンゲル300gに25%TMAH 2.7gを添加し、90℃で5時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た(TiO2=6.4%、TMAH/TiO2(モル比)=0.03、NH3/TiO2(モル比)=0.001、Cl/TiO2(モル比)=0.0011、Na/TiO2(モル比)=0.002、pH10.8、平均分散粒子径24nm、比表面積198m2/g)。このアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル200gに水酸化銅(II)を0.015g添加し溶解・分散させることで銅担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。
[実施例14]
実施例13のルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲル300gに50%トリイソプロパノールアミン(以下、「TIPA」という)を3.4g添加した後、120℃で3時間加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た(TiO2=6.4%、TIPA/TiO2(モル比)=0.03、NH3/TiO2(モル比)=0.001、Cl/TiO2(モル比)=0.0011、Na/TiO2(モル比)=0.002、pH10.0、平均分散粒子径40nm、比表面積80m2/g)。このアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル200gに水酸化銅(II)を0.015g添加し、撹拌下で90℃1時間加熱した。これをろ液ECが0.1mS/cmになるまで限外ろ過洗浄することで銅担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得た。
[比較例1]
実施例1のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル100gに塩化コバルト(II)水溶液(CoO濃度=5%)0.21g添加した後、撹拌、超音波処理しゾルを得た。
[比較例2]
実施例1のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル100gに塩化マンガン(II)水溶液(MnO濃度=5%)0.21g添加した後、撹拌、超音波処理しゾルを得た。
[比較例3]
実施例1の洗浄水和酸化チタンゲル800gに純水44gと35%塩酸を56.3g添加した(pH0.5)。この溶液を60℃に加温し30分経過した時点で10%水酸化ナトリウム水溶液をpH5.5になるまで添加した。これを限外ろ過洗浄し、ろ液ECが35μS/cmになるまで洗浄を行い、ルチル型結晶構造を持つ酸化チタンゲルを得た(TiO2=6.5%、pH7.2、EC 0.35mS/cm、比表面積310m2/g)。この酸化チタンゲル300gを120℃で5時間水熱処理したが、得られた溶液は粘度が高くスラリー状の外観であり、ゾルは得られなかった。
[比較例4]
実施例1のアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを用いた。即ち、このゾルは遷移金属化合物を添加していないものである。
[比較例5]
純水95gとルチル型酸化チタン粉末((株)高純度化学製)5gと25%TMAH 0.68gを混合し、120℃で5時間水熱処理を行ったが、ゾルは得られなかった。
[比較例6]
純水95gとルチル型酸化チタン粉末((株)高純度化学製)5gに塩化鉄(III)水溶液(Fe2O3濃度=5%)0.1gと25%TMAH 0.68gを混合し、120℃で5時間水熱処理したが、ゾルは得られなかった。
[参考例]
多木化学(株)製アナターゼ型酸化チタンゾル「タイノック A-6」を用いた。
〈分析〉
以下、「ゾル」とは上記各実施例、比較例で最終的に得られたゾル、及び参考例のゾルのことをいう。
[結晶構造]
結晶構造は、ゾルを100℃で乾燥させたものを(株)島津製作所製 X線回折装置 XRD-7000で測定して解析した。
その結果、実施例1〜14及び比較例1〜6のいずれにおいてもルチル型酸化チタンの結晶構造が認められた。
代表例として、実施例1の銅担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルのXRDパターンを図1に示した。
[アンモニア量]
ゾルのアンモニア量をTecator社製 ケルダール自動蒸留滴定装置 ケルテック 2300により測定した。
[炭素を含有した水溶性アミン量]
炭素を含有した水溶性アミン、即ちTMAH及びTIPAを用いて作製したゾルについては、島津製作所製 全有機体炭素計 TOC-Vを用いて全有機炭素量 TOC(%)を測定し、下式からルチル型酸化チタン(TiO2)に対する水溶性アミンのモル比を計算した。
(式) 水溶性アミン/TiO2(モル比)={TOC÷(水溶性アミンの炭素数×12)}÷(TiO2濃度÷80)
[遷移金属の含有量]
ゾルを300℃で乾燥させた後、フィリップス製 蛍光X線分析装置 PW-2400により測定した。
[平均分散粒子径]
ゾルをTiO2濃度1%に希釈した後、(株)堀場製作所製 動的光散乱色粒度分布測定装置 LB-500により測定した。
[比表面積]
ゾル中の粒子の比表面積は、日本ベル(株)製 高精度比表面積・細孔分布測定装置 BELSORP-miniにより測定し、BET法で解析することで求めた。
[塗膜Haze]
ゾルを純水でTiO2濃度3%に希釈した後、それをガラス基板上に1000rpmで10秒間スピンコートした。これを105℃で5分乾燥させた後、その薄膜のHazeを日本電色工業(株)製 ヘーズメーター COH400で測定した。
[光触媒性能(可視光)]
アセトアルデヒドの分解試験にて評価を行った。
先ず、ゾルを100℃で乾燥して得られた乾燥粉0.5gを直径2.5cmの円盤容器に平らに載せた。この円盤容器をセパラブルフラスコ(容量1900ml)の所定の位置にセットし、蓋を閉じた。そこにアセトアルデヒドガス(465ppm)を25秒間流し込み(初期値約80ppmとなるように設定)、容器内の撹拌羽根を回転させた状態で20分間放置した。その後、初期の容器内アセトアルデヒド濃度を検知管(ガステック 92M)で測定した。
次に、紫外線カットフィルターを通した蛍光灯光を照射し(サンプル位置で約1mW/cm2(405nm))、上記検知管で1時間ごとに3時間後までのアセトアルデヒド濃度測定を行った。
検知管による測定では、密閉容器1900mlから検知管を装着した検知器で100mlのガスを引き抜くことで測定が行われ、その後大気開放することで減圧を解除する。この際、ガス濃度が低下するので、式1で補正した。
(式1) アセトアルデヒド濃度(ppm)=アセトアルデヒド測定値(ppm)×0.95n (nは測定回数)
また、分解性能を示す指標として式2からアセトアルデヒド減少率を計算した。
(式2)アセトアルデヒド減少率(ppm/h)=−{(照射3時間後のアセトアルデヒド濃度−初期のアセトアルデヒド濃度)/3}
サンプルを入れない状態で上記と同条件でブランク測定をしたところ、アセトアルデヒド減少率は0.8ppm/hであったので、各サンプルのアセトアセトアルデヒド減少率から0.8ppm/hを引いた値を光触媒活性値とした。
[光触媒性能(紫外光)]
蛍光灯をブラックライトに変更し、紫外線カットフィルターをはずした以外は可視光での試験と同様に行った。測定位置に置ける紫外線強度(365nm)は約0.35mW/cm2である。ブランク測定時のアセトアルデヒド減少率は1.2ppm/hであったので、各サンプルのアセトアセトアルデヒド減少率から1.2ppm/hを引いた値を光触媒活性値とした。
ゾルの分析値を表1に示し、ゾルの評価を表2に示した。
また、50℃で30日間静置保存したときの安定性について調べたところ、実施例1〜14及び比較例1、2、4ではいずれも性状の変化は認められなかったが、比較例5、6では沈殿の発生が認められた。
表2の結果より、実施例1〜14のゾルは、塗膜にしたときの透明性が高く、且つ、可視光照射下においても高い光触媒活性を有することが示された。



































Figure 0006025253





Figure 0006025253

Claims (7)

  1. 下記(1)〜(5)の工程を包含することを特徴とする遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法。
    (1)アルカリ水溶液と水溶性チタン化合物を、常にpH9以上を保ちながら中和して水和酸化チタンゲルを得た後、洗浄する第1の工程。
    (2)第1の工程で得られた洗浄物を、塩酸又は硝酸でpH3以下に調整した後、加熱する第2の工程。
    (3)第2の工程で得られた加熱物から無機酸根を除去する第3の工程。
    (4)第3の工程で得られた無機酸根除去物を、水溶性アミン化合物の存在下で加熱することでアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを得る第4の工程。
    (5)第4の工程で得られたアルカリ性ルチル型酸化チタンゾルと、鉄化合物、銅化合物、白金化合物及びパラジウム化合物からなる群より選ばれた1種以上の遷移金属化合物とを混合し、遷移金属を担持させる第5の工程。
  2. 遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾル中の
    水溶性アミン化合物の含有量が、ルチル型酸化チタン(TiO2)に対し、モル比で0.005〜0.5の範囲である
    請求項1記載の遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法。
  3. 遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾル中の
    遷移金属の含有量が、酸化物換算で、ルチル型酸化チタン(TiO2)に対し、0.01〜5質量%の範囲である
    請求項1又は2記載の遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法。
  4. 水溶性アミン化合物が、水酸化第四級アンモニウム及び/又はアンモニアである請求項1〜3のいずれか1項記載の遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法。
  5. 第3の工程が、第2の工程で得られた加熱物をアルカリ水溶液で中和した後、洗浄する工程である請求項1〜4のいずれか1項記載の遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法。
  6. 第2の工程の加熱温度が40〜90℃であり、第4の工程の加熱温度が80〜150℃である請求項1〜5のいずれか1項記載の遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法。
  7. 第5の工程で得られた遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルを、さらに40〜100℃で加熱することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法。
JP2012261686A 2012-11-29 2012-11-29 遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法 Active JP6025253B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012261686A JP6025253B2 (ja) 2012-11-29 2012-11-29 遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012261686A JP6025253B2 (ja) 2012-11-29 2012-11-29 遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014105150A JP2014105150A (ja) 2014-06-09
JP6025253B2 true JP6025253B2 (ja) 2016-11-16

Family

ID=51026948

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012261686A Active JP6025253B2 (ja) 2012-11-29 2012-11-29 遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6025253B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102015114757A1 (de) 2014-09-04 2016-03-10 Seoul Viosys Co., Ltd Photokatalytischer filter, verfahren zu dessen herstellung und verfahren zu dessen reaktivierung
JP6144311B2 (ja) * 2014-09-30 2017-06-07 ソウル バイオシス カンパニー リミテッドSeoul Viosys Co.,Ltd. 混合ガスに対する除去性能に優れた光触媒フィルタおよびその製造方法
JP2016194035A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 Toto株式会社 水性コーティング組成物
JP2016193801A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 多木化学株式会社 ニオブ及び/又はタンタルがドープされた酸化チタンゾルの製造方法
JP2020182918A (ja) * 2019-05-09 2020-11-12 Dic株式会社 酸化チタン組成物の製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06293519A (ja) * 1992-07-28 1994-10-21 Ishihara Sangyo Kaisha Ltd 酸化チタンの粒子と膜の製造方法
US7521039B2 (en) * 2002-11-08 2009-04-21 Millennium Inorganic Chemicals, Inc. Photocatalytic rutile titanium dioxide
JP2006335619A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Showa Denko Kk 酸化チタン粒子、その製造方法及び応用
JP4730400B2 (ja) * 2007-10-09 2011-07-20 住友化学株式会社 光触媒体分散液
JP5317486B2 (ja) * 2008-01-31 2013-10-16 日揮触媒化成株式会社 ルチル型酸化チタン微粒子の製造方法
JP2010274142A (ja) * 2009-04-30 2010-12-09 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 光触媒粒子の分散液及びその製法
JP5552378B2 (ja) * 2010-06-17 2014-07-16 イサム塗料株式会社 可視光応答型光触媒含有内装塗料組成物と、それを含む塗膜
JP2012096133A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd 消臭性ルチル型酸化チタン微粒子および該微粒子を含む消臭性塗膜形成用塗布液、消臭性塗膜付基材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014105150A (ja) 2014-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2366667B1 (en) Titanium oxide sol manufacturing method
CN102471088B (zh) 光催化材料及其制备方法
US8986580B2 (en) Visible-light-responsive titanium oxide microparticle dispersion, and process for production thereof
JP6025253B2 (ja) 遷移金属担持アルカリ性ルチル型酸化チタンゾルの製造方法
JP5447178B2 (ja) 可視光応答型酸化チタン系微粒子分散液及びその製造方法
Reszczynska et al. Pr-doped TiO2. The effect of metal content on photocatalytic activity
JP5212353B2 (ja) 可視光応答型酸化チタン系微粒子分散液およびその製造方法
KR20130000667A (ko) 수열합성법을 이용한 이산화티탄 광촉매 제조방법
Mahdavi et al. Synthesis and application of gadolinium-doped ZnO/silica mesoporous nanocomposite for methylene blue removal
JP4783315B2 (ja) 光触媒分散体
JP5282735B2 (ja) 可視光応答型酸化チタン系微粒子分散液およびその製造方法
JP2009056348A (ja) 光触媒分散液
KR102945495B1 (ko) 산화티타늄 입자, 산화티타늄 입자 분산액 및 산화티타늄 입자 분산액의 제조 방법
CN116113494A (zh) 氧化钛粒子、其分散液、光催化剂薄膜、表面具有光催化剂薄膜的构件和氧化钛粒子分散液的制造方法
JP4521801B2 (ja) 有機溶媒分散型酸化チタンゾル及びその製造方法
KR20070092627A (ko) 광촉매 분산체
CN103501897A (zh) 制造以二氧化钛为基础的光催化剂的方法
JP6076019B2 (ja) アルカリ性ルチル型酸化チタンゾル
TWI712563B (zh) 氧化鋅/氧化錫奈米複合材料的製備方法
JP2008150232A (ja) 光触媒酸化チタン原料用メタチタン酸スラリー及びその製造方法
JP2021175696A (ja) 酸化チタン粒子、その分散液、光触媒薄膜、光触媒薄膜を表面に有する部材及び酸化チタン粒子分散液の製造方法
TWI638781B (zh) Method for preparing zinc oxide/tin dioxide nano composite material
WO2021140346A1 (en) Self-binding suspensions comprising titanium dioxide and zinc oxide nanoparticles and coated substrates prepared using the self-binding suspensions
TWI701217B (zh) 氧化鎂/二氧化錫奈米複合材料的製備方法
Nguyen et al. Removal of ß-naphthol in Water via Photocatalytic Degradation over N-TiO 2/SiO 2 Nanocomposite under Simulated Solar Light Irradiation.

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151021

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161007

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6025253

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250