JP6030963B2 - レゾネータ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、特定周波数の吸気騒音を低減するレゾネータ室を、連通路を介して吸気通路に連通させたレゾネータ構造に関する。
従来、エンジンのクランク室内で発生したブローバイガスは、吸気系に還流されて再燃焼処理される。このブローバイガスには、多量の水分が含まれており、吸気系を流れる空気が極低温の場合、プローバイガスが吸気にさらされて急冷されると、この水分が出口付近に付着して氷結する。これが繰り返されると成長して大きな氷塊となる。
ブローバイガスを、スロットル弁上流に配設されているレゾネータを経て吸気系に還流させる構造のものでは、レゾネータの吸気系に開口する開口部付近にブローバイガスに含まれている水分が氷結し、これにより形成された氷塊が剥離すると、それがスロットル弁に噛み込まれて、このスロットル弁の作動不調を起因する。更に、電子制御スロットルでは、スロットル弁が氷塊を噛み込むことで、アクチュエータ類が損傷を受ける可能性がある。
そのため、ブローバイガスに含まれている水分を急冷され難くする技術が種々提案されている。例えば、特許文献1(特開2006−63884号公報)には、ブローバイガス還流ホースを接続する内管と、この内管を囲むように配置されていると共に吸気通路に開口されている外管とを有し、内管の下流端を外管内で、吸気通路側に向かって斜めにカットした状態で開口させた技術が開示されている。
この文献に開示されている技術によれば、ブローバイガスに含まれている水分が内管の先端に凝結した場合、この凝結水は先端のカット面を伝わって滴下するので、凝結水が滞り難く、氷結した氷が大きく成長することがない。
特開2006−63884号公報
しかし、上述した文献に開示されている技術では、ブローバイガス還流ホースが内管に直接接続されているため、ブローバイガスに含まれている多量の水分が、そのままエンジンに供給され易くなり、エンジン出力が変動する不具合がある。
又、水分が氷結した場合、氷塊がそのまま落下するので、スロットル弁に噛み込まれ易くなり、スロットル弁の動作不調を招く可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑み、ブローバイガスがレゾネータを経て吸気系に流出される場合であっても、ブローバイガスに含まれている水分によりエンジンの出力が大きく変動することがなく、更に、この水分が氷結して形成された氷塊がスロットル弁に噛み込まれてスロットル弁の動作不調を起因することのないレゾネータ構造を提供することを目的とする。
本発明によるレゾネータ構造は、特定周波数の吸気騒音を低減する第1、第2レゾネータ室と、前記第1、第2レゾネータ室とエンジンに新気を供給する吸気通路とを連通する第1、第2連通路と、前記第1レゾネータ室と前記エンジン内とを連通して該エンジン内のブローバイガスを換気する換気通路とを備え、前記第1、第2連通路が仕切壁を介して隣接され、前記吸気通路にレゾネータ取付孔が開口され、前記レゾネータ取付孔に装着された前記第1、第2連通路の下端が前記吸気通路から該レゾネータ取付孔内に後退され、前記仕切壁の下端が前記第1、第2連通路の下端から前記第1、第2レゾネータ室内側に後退されている。
本発明によれば、吸気通路に連通するレゾネータ取付孔に装着された第1連通路を形成する壁面の下端をレゾネータ取付孔内に後退させたので、この壁面の下端と吸気通路との間に空間が形成され、これにより、壁面下端の開口が広く確保されるため、第1レゾネータ室に新気を容易に流入させることができる。その結果、第1レゾネータ室でブローバイガスと新気とを混合させることができ、極低温の新気が通過する吸気通路に、レゾネータを経てブローバイガスを流出させても、このブローバイガスは既に冷却されているため、吸気通路側に大きな氷塊が形成されることはない。そのため、この氷塊が剥離して吸気通路の下流に配設されているスロットル弁に噛み込まれても、容易に破砕することができ、スロットル弁に動作不調が生じることはない。
又、ブローバイガスは第1レゾネータ室内で新気と混合されるため、この新気が極低温の場合、ブローバイガスに含まれている水分は第1レゾネータ室内で急冷されて氷結される。従って、吸気通路に流出するブローバイガス中の水分は少なくなり、これによりエンジンの出力が大きく変動することはない。
第1実施形態による吸気系の概略平面図 同、レゾネータの外観図 同、図1のIII-III断面図 同、吸気ダクトの斜視図 同、レゾネータのロアケースの斜視図 同、レゾネータのアッパケースの斜視図 同、図7のVII−VII断面図 同、図7の断面図を吸気通路側から見た斜視図 第2実施形態による図7相当の断面図 同、図9の断面図吸気通路側から見た斜視図
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1〜図8に本発明の第1実施形態を示す。図1、図2の符号1は吸気ダクトで、図4に示すように、この吸気ダクト1はL字状に屈曲形成されており、この吸気ダクト1の上流端に、クリーナエレメント2aを内装するエアクリーナ2が連通され、又、吸気ダクト1の下流側にスロットルチャンバ3が接続され、このスロットルチャンバ3にスロットル弁3aが介装されている。更に、このスロットルチャンバ3の下流側に、図示しない吸気マニホルドを介して各気筒の吸気ポートが連通されている。
又、この吸気ダクト1の上部にレゾネータ4が併設されている。レゾネータ4は、主部4aと、この主部4aの基部から側方へ延出する副部4bとで、平面視が略L字状をなしていると共に、図3に示すように略菱形断面に形成されて、この菱形断面の一辺が吸気ダクト1上に対峙されている。更に、このレゾネータ4は、略菱形断面の対角線を境界として、図5に示すロアケース5と、図6に示すアッパケース6とに分割され、両ケース5,6の接合面が溶着等により水密状態で互いに固着されている。
このレゾネータ4は複合型レゾネータであり、内部にロアケース5とアッパケース6とに各々形成されている仕切壁5a,6aの端面が互いに接合されて異なる容積を有する第1、第2レゾネータ室7a,7bが形成され、この各レゾネータ室7a,7bにより、エンジンから伝播される異なる2つの特定周波数域の吸気騒音が共鳴作用により低減(消音)される。尚、この各レゾネータ室の形状、容積は、搭載されているエンジンの排気量や特性に応じて、特定周波数域の吸気騒音を効果的に低減(消音)できる値に設定されている。
図5に示すように、ロアケース5は、仕切壁5aによって区画されている第1レゾネータ室7a側の主部4aと副部4bとが連続する部位である稜部側の底部にニップル5bが設けられている。このニップル5bにはエンジン内(本実施形態ではクランク室内)のブローバイガスを換気する換気通路9が接続されている。
尚、図示しないが、スロットル弁3aの下流側にはクランク室内のブローバイガスを吸気系に還流させるためのブローバイガス還流通路が接続されている。このブローバイガス還流通路には通路断面積を調整する流量制御弁としての図示しないPCVバルブが設けられている。
又、このロアケース5の主部4a側の底面に比較的広い口径の連通管8が形成されている。この連通管8は、丁度、その中心を仕切壁5aが貫通しており、上端8aが主部4a内に設定高さだけ突出され、下端8bが主部4aの底面から下方に設定高さだけ突出されている。更に、この下端8bが、吸気ダクト1の上面に開口されているレゾネータ取付孔1aに気密を保持した状態で取付けられている。
一方、図7、図8に示すように、連通管8内は仕切壁5aと一体の管内仕切壁5cにて、第1レゾネータ室7aに連通する第1連通路8cと、第2レゾネータ室7bに連通する第2連通路8dとに区画されている。換言すれば、各連通路8c,8dは管内仕切壁5cと連通管8とで囲まれた壁面によってそれぞれ形成されていることになる。第1、第2レゾネータ室7a,7bは、この各連通路8c,8dを介して吸気通路1cに各々連通されている。
ここで、換気通路9は、クランク室内のブローバイガスを換気するもので、通常は、上述したブローバイガス還流通路から吸気系にブローバイガスが流出され、一方、この換気通路9からクランク室に新気が導入されてクランク室内が換気される。その際、PCVバルブの前後差圧が小さくなることで一時的に開弁できない状況となる場合がある。そのときは、この換気通路9がブローバイガス還流通路として機能する。
この換気通路9がブローバイガス還流通路として機能すると、図3に示すように、ニップル5bを経て第1レゾネータ室7aにブローバイガスが流入し、このブローバイガスに含まれている水分の中で液化されたものは、この連通管8の上端8a側の突出高さが堰となって、第1レゾネータ室7aに滞留される。
更に、図7、図8に示すように、吸気ダクト1の上部に穿設されているレゾネータ取付孔1aは内壁面1bに貫通されており、従って、当然、この内壁面1bに開口するレゾネータ取付孔1aは内壁面1bに沿った形状となっている。このレゾネータ取付孔1aに装着されている連通管8は、図7の図面視における下端8bの両側がレゾネータ取付孔1a内に後退されており、この下端8bの管内仕切壁5cに対応する部位は内壁面1bから吸気通路1c側にやや露出されている。更に、管内仕切壁5cの下端5dが連通管8の下端8bよりも内方に後退されており、これにより、両下端5d,8b間に空間が確保されている。換言すれば、管内仕切壁5cの下端5dは、内壁面1b側からレゾネータ取付孔1a内に完全に没入された形状となっている。
次に、このような構成による本実施形態の作用について説明する。エンジンが稼働すると、エアクリーナ2から吸い込まれた新気が、吸気通路1cを通りスロットルチャンバ3に設けられているスロットル弁3aを通過して、エンジンに供給される。
その際、吸気通路1cを通過する新気を介してエンジンから伝播される特定周波数域の吸気騒音が、複合型レゾネータ4に形成されている第1レゾネータ室7a、及び第2レゾネータ室7bの共鳴作用により低減(消音)される。尚、2種類の特定周波数は、エンジンの排気量や特性に応じて機種毎に相違しているため、この各レゾネータ室7a,7bの形状、容積はエンジン毎に最適な値に設定されている。
一方、図示しないブローバイガス還流通路に設けられているPCVバルブが一時的に開弁できない状態となると、エンジンのクランク室内のブローバイガスが、換気通路9を経てレゾネータ4の第1レゾネータ室7aに流入される。この第1レゾネータ室7aに流入されたブローバイガスは、第1レゾネータ室7aの内壁に衝突する等して含有する水分が液滴されて、図3に示すように底面に滞留される。
その結果、エンジンに供給されて再燃されるブローバイガスに含有されている水分量が減少される。この場合、図5、図7に示すように、連通管8の上端8aが第1レゾネータ室7aに所定高さ突出されているため、この第1レゾネータ室7aの底面に滞留する水分は、この連通管8にて堰き止められ、吸気通路1c側へ一気に排出されてしまうことはなく、ブローバイガスに含まれている水分によるエンジン出力の変動を抑制することができる。更に、第1レゾネータ室7a内には複数のリブが形成されており、この各リブによっても滞留する水分は堰き止められる。従って、本実施形態によるレゾネータはブローバイガス処理機能の一部を兼用していることになる。
ところで、外気温が−30℃等の極寒地での走行では、吸気ダクト1を通過する極低温の新気とブローバイガスとが混合されると、このブローバイガスが急冷され、このブローバイガスに含まれている水分が氷結する。このブローバイガス中の水分が氷結しても、形成される氷塊は小さいため、スロットル弁3aにて噛み砕かれ、スロットル弁3aの動作に支障を来すことはない。しかし、例えば、ブローバイガス中の水分が連通管8の下端8b付近で着氷されると、そこに新たな水分が氷結し、やがて大きな氷塊に成長する。そして、大きく成長した氷塊が剥離されるとスロットル弁3aに噛み込まれて、当該スロットル弁3aが動作不調を起因することになる。
これに対し、本実施形態では、図7、図8に示すように、比較的広い口径の連通管8の下端8bの大部分を吸気ダクト1の内壁よりも内側に後退させると共に、管内仕切壁5cの下端5dを連通管8の下端8bよりも内側に後退させて、吸気通路1cの内壁面1bと下端5dとの間に空間を形成している。こうすることで、連通管8の下端8b側の間口が広く確保され、この第1レゾネータ室7aに対して新気が流入し易くなり、第1レゾネータ室7aに新気の出入流を生じさせることができる。尚、第2レゾネータ室7bにも新気の出入流が生じている。
このように、本実施形態では、第1レゾネータ室7aの特に主部4aに、連通管8を介して新気の出入流を生じさせるようにしたので、第1レゾネータ室7aに流入されたブローバイガスは、この第1レゾネータ室7aに流れ込んだ新気と混合され急冷された後、吸気通路1c側へ流出される。その結果、このブローバイガスに含まれている水分の大部分は第1レゾネータ室7a内で氷結され壁面などに着氷される。
従って、連通管8の下端8bから吸気通路1c側へ流出されるブローバイガスは既に冷却され、しかも、ブローバイガスに含まれている大部分の水分は第1レゾネータ室7aで氷結されているため、連通管8の下端8b周辺に着氷する水分は少なく、大きな氷塊が形成されることはない。従って、この下端8bの周辺に着氷した氷塊が剥離して、スロットル弁3aに噛み込まれても、容易に破砕することができるので、スロットル弁3aが動作不調を生じることはない。更に、ブローバイガスに含まれている水分の多くは、第1レゾネータ室7a内を流れる吸気と混合し、拡散された状態で氷結されるため、第1レゾネータ室7aに大きな氷塊が形成されることはない。
尚、本実施形態では、吸気通路1cを流れる新気に対して管内仕切壁5cの指向方向は特に限定していないが、図1に示すように、連通管8に形成した第2連通路8dに対して第1連通路8cを新気の流れに対して下流側に配設すると共に、管内仕切壁5cを新気の流れに対峙させる構造が望ましい。こうすることで、新気が連通管8の下端8bと管内仕切壁5cの下端5dとの間に空間を経て第1レゾネータ室7a側へより流入し易くさせることができる。
[第2実施形態]
図9、図10に本発明の第2実施形態を示す。尚、上述した第1実施形態と同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。
上述した第1実施形態では、レゾネータ4に設けられている連通管8の下端8bが、平坦に形成されているが、本実施形態では、この下端8bを、管内仕切壁5cを挟む両側から、この管内仕切壁5cの下端5d側へ逆V字状にカットさせたものである。
このような構成にすることで、図9、図10に示すように、連通管8の下端8bをレゾネータ取付孔1a内に完全に没入させることができる。その結果、吸気通路1cを通過してエンジン側へ供給される新気が、連通管8の下端8bに対して直接接触し難くなり、この下端8b周辺に対する着氷をより一層防止することができる。
又、この場合、上述した第1実施形態と同様、管内仕切壁5cを、第1連通路8c側を下流として新気の流れに対峙する方向に指向させることで、第1レゾネータ室7aへ新気を流入し易くさせることができる。
尚、本発明は、上述した各実施形態に限るものではなく、例えば、レゾネータ4は第1レゾネータ室7aのみで形成された単型レゾネータであっても良い。
1…吸気ダクト、
1a…レゾネータ取付孔、
1b…内壁面、
1c…吸気通路、
3a…スロットル弁、
4…レゾネータ、
5a…仕切壁、
5c…管内仕切壁、
5d…下端、
7a…第1レゾネータ室、
7b…第2レゾネータ室、
8…連通管、
8a…上端、
8b…下端、
8c…第1連通路、
8d…第2連通路、
9…換気通路

Claims (4)

  1. 特定周波数の吸気騒音を低減する第1、第2レゾネータ室と、
    前記第1、第2レゾネータ室とエンジンに新気を供給する吸気通路とを連通する第1、第2連通路と、
    前記第1レゾネータ室と前記エンジン内とを連通して該エンジン内のブローバイガスを換気する換気通路と
    を備え、
    前記第1、第2連通路が仕切壁を介して隣接され、
    前記吸気通路にレゾネータ取付孔が開口され、
    前記レゾネータ取付孔に装着された前記第1、第2連通路の下端が前記吸気通路から該レゾネータ取付孔内に後退され、
    前記仕切壁の下端が前記第1、第2連通路の下端から前記第1、第2レゾネータ室内側に後退されている
    ことを特徴とするレゾネータ構造。
  2. 前記第1、第2連通路が前記第1、第2レゾネータ室の底部から所定高さ突出されている
    ことを特徴とする請求項1記載のレゾネータ構造。
  3. 前記換気通路が前記第1レゾネータ室の底部に連通されている
    ことを特徴とする請求項1或いは2記載のレゾネータ構造。
  4. 前記第1連通路が前記第2連通路よりも新気の流れに対して下流側に配設されていると共に、前記仕切壁が新気の流れに対峙する方向に指向されている
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のレゾネータ構造。
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