JP6034034B2 - 鋳造方法・材料及び装置、並びに該方法で製造される鋳造品 - Google Patents

鋳造方法・材料及び装置、並びに該方法で製造される鋳造品 Download PDF

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Description

本発明は、広義には、鋳造方法並びに鋳造方法で用いられる装置及び材料に関する。特に、本発明は、その方法で製造される鋳造製品に耐酸化性表面領域を同時に形成するのに適した金属鋳造方法に関し、当該方法は、その他の点では、特に限定されないが、鉄基合金鋳造及び砂型鋳造方法などの従来の鋳造方法であってもよい。
発電及び航空機産業に用いられるガスタービンエンジンを始めとするガスタービンの内部部品は、高温(多くの場合、1000°F(約540℃)超)で作動可能でなければならない。ガスタービンの効率はその作動温度に依存するので、温度性能の向上したガスタービン部品が絶えず求められている。ガスタービン部品の材料要件の増大に伴って、ガスタービン部品の機械的、物理的及び環境的特性を高めるための様々な処理方法、合金成分及び皮膜が開発されてきた。
耐酸化性及び作動寿命を高めるために、ガスタービンエンジンの内部部品は、しばしば高合金ステンレス鋼、ニッケル及びコバルト合金鋼、コバルト基合金、ニッケル基合金の鋳造品として製造される。これらの合金は、ガスタービン内部の高温及び酸化条件から合金を保護することのできる表面層としての耐酸化性スケールを形成するための金属添加物としてのクロム及び/又はニッケルに依拠している。スケールは、これらの鋼のクロム及びニッケル含有量(例えばオーステナイトステンレス鋼では、約18重量%以上のクロムと約8重量%以上のニッケル、ニッケル及びコバルト合金鋼、ニッケル基合金及びコバルト基合金では約20重量%以上のクロム、ニッケル基合金では約50重量%以上のニッケル)のため、酸化クロム(クロミア;Cr23)及び酸化ニッケル(NiO)を主成分とする。スケールは、部品表面を効果的に不動態化して、部品表面のそれ以上の腐食を防止し、表面下での腐食を抑制する。これらの合金は、耐酸化性の点で優れているが、低合金鋼及び鉄(これらは、通例、10重量%未満のクロム及び存在していたとしてもごく微量のニッケルしか含んでいない)よりもはるかに高価である。
多くの高温用途において酸化アルミニウム(アルミナ;Al23)スケールが酸化クロム及び酸化ニッケルよりも優れた保護性を与え得ることが周知である。例えばRene N5(米国特許第6074602号)等の特定のニッケル基超合金は、安定アルミナスケールの成長を促進するのに十分な量のアルミニウムを含んでいる。しかし、最初の製造プロセスの際に溶融合金鋼にアルミニウムを添加するのは困難であり、実施不能であるか非経済的であることが多い。
代案として、パックセメンテーション、蒸気相(気相)アルミナイジング(VPA)又は化学蒸着(CVD)のような拡散法を用いて、アルミニウムを部品の表面に拡散させることもできる。かかる拡散プロセスでは、部品の表面をアルミニウム含有蒸気と反応させて、部品表面に付加層を形成し、付加層の下に拡散層を形成することが多い。付加層は典型的には耐環境性金属間相MAl(Mは、基板材料に応じて、鉄、ニッケル又はコバルトである。)を含んでおり、拡散層は典型的にはアルミニウムと基板に存在する元素の様々な金属間相及び準安定相を含んでいる。拡散アルミナイジング法は、有効であるが、鋳造後に熱処理を始めとする追加処理工程を必要とするため、用途によっては実施不能となり、いずれの場合も追加のコスト及び時間を必要とする。
米国特許第6074602号
以上の点から、合金成分の含有量が比較的低くても、ガスタービンエンジンの内部部品の場合のように高温酸化性環境中での使用に十分な耐酸化性を示す鉄基合金鋳造製品を製造することが依然として望まれている。
本発明は、鋳造製品を製造するための鋳造方法を提供し、本方法は、製品表面に耐酸化性アルミナ含有スケールを形成することのできる鋳造製品のアルミニウム含有表面領域を形成する。本発明はさらに、本方法の実施に適したフェースコート及び装置並びに本方法で製造される鋳造製品も提供する。
本発明の第一の態様では、鋳造方法は、キャビティとキャビティ内部の鋳型表面に連続固体フェースコートとを有する鋳型を準備する段階を含む。固体フェースコートは、15重量%以上の金属アルミニウム含有粉体及び任意成分としての活性剤を含む。溶融量の金属合金を鋳型のキャビティ内に導入して、溶融合金を固体フェースコートに接触させる。次いで、鋳型を冷却して、溶融量の合金を凝固させ、合金の鋳造製品を形成する。鋳造プロセスの間、固体フェースコート中の金属アルミニウムの少なくとも一部が表面に拡散して、鋳造製品のアルミニウム含有表面領域が形成される。固体フェースコート中に活性剤が存在する場合、活性剤は粉体と反応して揮発性アルミニウム化合物を生じて、表面への金属アルミニウムの拡散を促進するが、揮発性アルミニウム化合物は次いで固体フェースコートと接する溶融合金及び/又は鋳造製品の表面で反応して、該表面に金属アルミニウムが入り込む。鋳造製品を鋳型から取り外すと、鋳造製品の表面領域の酸化により、鋳造製品の表面上でスケールが成長する。スケールは、鋳造プロセス中に鋳造製品の表面領域に導入されたアルミニウムの酸化により、アルミナを含有する。
本発明の追加の態様は、上述の固体フェースコートの形成に使用するフェースコートゲル、並びに上述の方法で製造された鋳造製品を包含する。アルミナスケールは、鋳造製品の表面上で十分に連続していて、鋳造製品表面の酸化及び腐食を抑制する不動態化層として作用するのに十分な量存在する。
本発明のまた別の態様は、上述の鋳造方法で用いられる固体フェースコート、並びに鋳型及び該鋳型の鋳型キャビティ表面上に連続固体フェースコートを使用する鋳造装置である。固体フェースコートは、15重量%以上の金属アルミニウム含有粉体及び任意成分としての活性剤を含む。鋳型のキャビティは、溶融量の金属合金を受け入れて、溶融合金が固体フェースコートに接触するように適合される。
本発明で使用し得る合金としては、鉄基合金、特に低合金鉄基合金及び鋼が挙げられるが、これらはクロムを含んでいてもよいが、典型的にはニッケルをほとんど或いは全く含んでいないので、ガスタービンエンジン環境に暴露されると適切な耐酸化性を呈さない。本発明は、本方法で形成されるアルミナ含有スケールの不動態化層が役立ち得るニッケル基及びコバルト基合金を始めとする他の合金にも適用できる。本発明の顕著な利点は、固体フェースコートが鋳造方法中に溶融合金と接触し、その結果、溶融中及び/又は凝固中に、固体フェースコートから金属アルミニウムが合金中に拡散して、鋳造製品の表面に連続密着性保護アルミナスケールを形成することのできるアルミニウム富化表面領域が形成されることである。
本発明の一実施形態に係る内部鋳型キャビティ表面に塗工されたフェースコートゲルを示す、鋳型アセンブリの部分断面図である。 図1のフェースコートゲルで形成した固体フェースコートと接触する鋳造製品を示す、図1の鋳型アセンブリの部分断面図である。
以下の発明を実施するための形態から、本発明のその他の態様及び利点をより良く理解できよう。
図1及び図2は、本発明に適用可能な鋳造装置の部分を模式的に示す。装置及び該装置の以下の説明は、金属鋳造品(図2の18)を製造するための鋳造方法で使用できる、例えば永久鋳型又は砂型等の、鋳型10を示す非限定的な説明とみなされる。当技術分野で周知のように、鋳型10は好ましくは、表面をセラミックフェースコートで保護できる耐火材料で形成される。鋳型10は、内部鋳型キャビティ12を形成し、その表面14は、例えばガスタービンエンジンの内部部品等の、所望の形状の鋳造製品18を有する。このような部品の具体的且つ非限定的な例は、ダイヤフラム、シュラウドその他の静止ガスタービン部品である。図2に示すように、鋳型キャビティ表面14には固体フェースコート16が設けられるが、以下にはこのことについて詳細に記載する。
鋳型10、そのキャビティ12及びキャビティ表面14は、どのように製造又は形成してもよいので、本明細書では詳細に論じない。鋳型10及びそのキャビティ12を、1以上のコア(図示せず)と組合せて使用することによって、鋳造製品18の内部に内部キャビティ又は通路を形成してもよい。また、鋳型10を、目的とする鋳造製品18に応じて冷却できるように適合化してもよい。加えて、鋳造される特定の合金に応じて、鋳型10を用いる鋳造方法は、空気中、真空中又は不活性雰囲気中で実施してもよい。使用時に、鋳型10を、例えば約200〜約1000°F(約90〜約540℃)の温度まで予備加熱した後、溶融量の合金を予備加熱された鋳型10に導入し、次に、常法で鋳型10を冷却して、合金の凝固を開始及び完了できる。
図1及び図2に示すタイプの鋳型を用いて、様々な合金の鋳造が可能である。本発明が特に対象とするのは、鉄基合金、特に、鋳造製品18に所望のレベルの耐酸化性を実現できる量の、例えば連続酸化クロム又は酸化ニッケルスケール等の連続保護スケールの形成に十分なクロム、ニッケルその他の酸化物形成元素を含有しない、鉄合金及び低合金綱の鋳造である。一例として、特定の鉄基合金は、全体の10重量%以下の合金成分を含有し、残部は鉄及び不可避不純物である場合が多い。このような合金成分は通常、クロム、マンガン、及び炭素のうちの1以上を含む。特に対象とするのは、10重量%以下のクロム及び意図的な添加があったとしても僅か(1重量%未満)なニッケルを含有する鉄基合金、例えば、8〜10重量%のクロム及び1重量%未満のニッケルを含有する一部の低合金綱、1〜8重量%のクロム及び1重量%未満のニッケルを含有するその他の低合金綱、及び1重量%未満のクロム及びニッケルを含有するさらに別の低合金綱である。これらのクロム及びニッケルのレベルは、一般的にガスタービン部品の形成に使用される高合金ステンレス鋼及びニッケル合金鋼とは対象的であり、高温の作動要件に起因して、しばしば18重量%以上のクロム及び/又は8重量%以上のニッケルを含有する。この含有量は、保護表面酸化物の形成に十分である場合が多い。このような合金の注目すべき例は、304、316、310等のステンレス鋼グレード、及び800、625及び738等のニッケルグレードを含む。
本方法の恩恵を、例えばフェライト鋼(一般的なクロム含有量は最大17重量%)等、その他の鉄基合金の鋳造にまで拡大できることは、特筆すべきである。本方法の恩恵は、鉄基合金以外の金属合金、特に鋳造製品18に所望レベルの耐酸化性を実現可能な量の連続保護スケールの形成に十分な量のクロム、ニッケルその他の酸化物形成元素を含有しない金属合金の鋳造にも、拡大可能である。このような合金の注目すべき例は、ガスタービン部品の製造にしばしば使用するタイプの、特定のニッケル基及びコバルト基合金を含む。
本発明の特定の態様は、鋳造製品18の表面領域20(図2)に一定量の金属アルミニウムを拡散させることによって、合金中の酸化物形成元素の不足を補い、鋳造製品18の耐酸化性を促進すること、特に、大部分がアルミナである表面22上の酸化物スケール(図示せず)(換言すると、スケールはその他いずれの個別の酸化成分よりも多い重量のアルミナを含有する)の形成を促進することである。上述のように、図2は、溶融合金を鋳型キャビティ12内に導入すると固体フェースコート16に接触するように、固体フェースコート16を内部キャビティ表面14に塗工した鋳型10の壁区画の断片を表す。固体フェースコート16は金属アルミニウム含有粒子24の分散質を含有するものとして示してあり、金属アルミニウム含有粒子は、固体フェースコート16の15重量%以上、例えば固体フェースコート16の50重量%以上、より好ましくは固体フェースコート16の65重量%以上〜約90重量%をなす。固体フェースコート16の成分は、そのアルミニウム含有量が、鋳造方法中の鋳造製品18内に拡散させる金属アルミニウム源を提供して図2に示す表面領域20を形成するために十分なように、適合される。具体的には、固体フェースコート16中のアルミニウム含有量並びに鋳造方法中の溶融した鉄基合金及び鋳造製品18の温度は、固体フェースコート16から鋳造製品18の表面領域20への金属アルミニウムの拡散を生じるのに十分な組合せである。この効果を生み出すのに十分な最低温度は、部分的に粒子24の組成に依存する。粒子24が本質的にアルミニウム(不純物を伴う)である場合には、約1300°F(約705℃)の温度が適切であると考えられ、粒子24が本質的に、成分の大部分がアルミニウムであるアルミニウム合金である場合には、1400°F(約760℃)の温度が適切であると考えられており、その非限定例は、CrAl、CoAl、NiAl、FeAl、MoAl、MnAl、AlZr及びAlNb合金を含む。以下により詳説するように、表面領域20へのアルミニウムの拡散は、固体フェースコート16中の活性剤の存在によってさらに促進が可能であり、この活性剤は、好ましくは固体フェースコート16の最大約35重量%、例えば固体フェースコート16の約10〜約35重量%、より好ましくは固体フェースコート16の約10〜約20重量%を構成する。固体フェースコート16の残部(もしあれば)は、鋳造方法に対して不活性の固体であってもよい。
表面領域20は、拡散方法に起因するアルミニウム含有量が鋳造製品18の残部のアルミニウム含有量(もしあれば)を超えるという点において、鋳造製品18のアルミニウム富化表面領域20ともいえる。表面領域20におけるアルミニウム含有量は、表面領域20によって画定された鋳肌22が、鋳造製品18の耐酸化性の促進に十分な量のアルミナを含有する連続酸化物スケールを形成できるように、好ましくは10重量%超、より好ましくは12重量%超である。特に適切な範囲は、表面領域20の14重量%〜約40重量%のアルミニウムであると考えられている。表面領域20内のアルミニウム含有量は、一般的に1種以上の金属間化合物の形態であり、その構成は、鋳肌22の組成に依存する。例えば、鉄基の鋳肌はFeAl金属間化合物を形成し、ニッケル基の鋳肌はNiAl金属間化合物を形成し、コバルト基の鋳肌はCoAl金属間化合物を形成する。表面領域20は好ましくは、鋳造製品18の表面22の少なくとも50μm下、例えば鋳肌22の約50〜約300μmの範囲、及び可能であればさらに下(例えば約400μm)に、延在する。拡散方法に起因して、アルミニウム含有量は、領域20の厚みを通じて均一にはならず、鋳肌22から離れる方向に減少する傾向があり、表面領域20とバルク鋳造品との間の界面におけるアルミニウム含有量が、鋳造製品18の形成に使用する合金中のアルミニウム含有量(もしあれば)と本質的に等しくなるように適合される。
固体フェースコート16中のアルミニウム体積は、固体フェースコート16が形成される個々の方法に起因する、個別の粒子24の形態である。具体的には、図1は、鋳型10の表面14に塗工されたフェースコートゲル26を示しており、フェースコートゲル26はその後、加熱され、図2に示す固体フェースコート16を形成する。フェースコートゲル26は、アルミニウム含有粒子24及び活性剤を含有し、これらは両方とも、粒子24が、活性剤によって形成された固体バインダー相によって図2の固体フェースコート16中に分散されるように、図1のフェースコートゲル26中に懸濁される。固体フェースコート16中の粒子24の分散及び表面領域20へのアルミニウムの拡散を促進するために、粒子24及び活性剤は好ましくは粉体の形態である。アルミニウム含有粒子24に適した粒子径範囲は、最大約100メッシュ(約149μm)、より好ましくは約200〜約325メッシュ(約74〜約44μm)の範囲である。本発明の適用に適した活性剤は、周知のハロゲン化物活性剤、特にフッ化ナトリウム(NaF)、フッ化カリウム(KF)、塩化アンモニウム(NH4Cl)、フッ化アンモニウム(NH4F)、臭化アンモニウム(NH4Br)、ヨウ化アンモニウム(NH4I)、及び重フッ化アンモニウム(NH4HF2)等のフッ化物又は塩化物塩を含む。固体フェースコート16が溶融合金の高熱に曝されると、活性剤が固体フェースコート16中のアルミニウムと反応して揮発性ハロゲン化アルミニウム(例えばAlF3)を形成し、その後、鋳肌22及び/又は固体フェースコート16と接触する溶融合金の表面と反応して、アルミニウムが堆積及び拡散してアルミニウム含有表面領域20を形成する。
粒子24及び活性剤の他に、フェースコートゲル26の組成は、有機ポリマーバインダーからなる。適切なバインダーは、固体フェースコート16がバインダー残留物によって汚染されないように、いかなる残留物も残さずに焼尽すべきである。これらの基準を満たす適切なバインダーの具体例は、Vitta社より市販されている水性有機ポリマーバインダーVITTA GEL(登録商標)である。その他の有機ポリマーバインダーも使用可能であると思われる。フェースコートゲル26を十分に加熱すると、バインダーがすっかり焼尽するので、固体フェースコート16は本質的に、活性剤によって形成された固体バインダー相中のアルミニウム又はアルミニウム合金の粒子24である。有機ポリマーバインダーは好ましくは、フェースコートゲル26の70重量%以下、より好ましくは20から50重量%をなし、残部は好ましくは粒子24及び活性剤である(例えば、上述の好ましい範囲を得るには、約40〜約60重量%の粒子24及び約10〜約20重量%の活性剤)。フェースコートゲル26は、フェースコートゲル26の鋳型表面14への塗工を促進する十分量の有機ポリマーバインダーを含有する。このため、フェースコートゲル26中のポリマーバインダーの量は、粉末粒子24の粒径及び量、並びに活性剤の形態及び量に依存する。粒子24及び有機ポリマーバインダーのみを用いてフェースコートゲル26を形成することも本発明の範囲に含まれ、その結果、固体フェースコート16は本質的に、全体が金属アルミニウム又はアルミニウム合金の層であってもよい。
フェースコートゲル26は、従来の混合機を用いる標準的手法によって用意が可能であり、その後例えば浸漬、噴霧その他の適切な手法によって、鋳型キャビティ表面14上に固体フェースコート16を形成するための従来方法を受けることができる。フェースコートゲル26は、例えばキャビティ表面14上のフェースコートゲル26の所望の厚みを達成するために、単一層又は多層として塗工可能である。フェースコートゲル26の粘度は好ましくは、フェースコートゲル26が、少なくとも50μm、より好ましくは約100〜約300μmの範囲の最終厚みを達成するように、鋳型表面14に塗工できるように適合される。フェースコートゲル26の好適な厚みは、そのアルミニウム含有量及び表面領域20に望ましいアルミニウム含有量を含む、様々な要因に依存する。
溶融合金を鋳型キャビティ12に導入する前に、好ましくは、フェースコートゲル26を加熱して、ポリマーバインダーを焼尽させ、図2に示す固体フェースコート16を形成する。上述の組成を有するフェースコートゲル26は、活性剤によって形成される固体バインダー相において分散したアルミニウム含有粒子24を含む固体フェースコート16を生じる。固体フェースコート16を形成するためのフェースコートゲル26の加熱は、溶融合金を鋳型キャビティ12に導入するのに先立って、約200〜約500°F(約90〜約260℃)の範囲の温度で実施可能である。この処理は、溶融合金の鋳型キャビティ12への導入に先立って、鋳型10の予備加熱の際に実施可能である。溶融合金が固体フェースコート16と接触すると、粒子24の組成物、特にその金属アルミニウム含有物が、溶融及び凝固中、固体フェースコート16から合金中に拡散し、アルミニウム富化表面領域20を形成する。固体フェースコート16の固体バインダー相中に活性剤がある場合には、これが固体フェースコート16中のアルミニウムと反応することによって、アルミニウムの表面領域20内への堆積及び拡散をさらに促進し、揮発性ハロゲン化アルミニウムを形成し、その後、凝固が進むにつれて、固体フェースコート16並びに鋳肌22と接触している溶融合金の表面と反応する。
上述のように、表面領域20のアルミニウム含有量は、鋳造製品18の表面22上に、連続的な接着性のアルミナ含有酸化物スケールを形成する十分量である。酸化物スケールは、酸化物スケールが存在してアルミニウム富化表面領域20全体を覆うという点において、連続的である。このような酸化物スケールは、酸素の存在下で鋳造製品18を高温に曝した結果として、表面領域20によって画定された鋳肌22上で熱的に成長する。この曝露は、鋳造製品18から生成される部品の作動環境の結果、又は酸化物スケールを熱的に成長させることを特に目的とする熱処理の結果であってもよい。或いは、又はこれに加えて、合金の所望の機械的特性を生じるために実施可能な鋳造製品18の熱処理の間に、酸化物スケールの成長を生じることも可能である。十分な耐酸化性を提供するために、スケールは好ましくは、12重量%以上のアルミナ、及びより好ましくは15重量%以上のアルミナを含有し、残部は、例えばクロム及びニッケル等、その他の酸化物形成元素を含有する鉄基合金の結果として形成される酸化物である。本方法では、低合金鉄基合金の使用が好ましいので、鋳造製品18を形成するスケールの、酸化クロム及び酸化ニッケル含有量は、アルミナよりも少なく、より典型的には、約10重量%以下の酸化クロムを含有し、酸化ニッケルを殆ど又は全く含有しない。
以上より、本発明によって、例えばガスタービンエンジンの様々な内部部品等、様々な高温用途において、より高価なクロム−ニッケル合金鋼の代わりに低合金鉄基合金を使用できるようになる。本発明は、その大部分の構成要素がアルミナである、より保護性の高い酸化物スケールを用いて低合金鉄基合金の耐酸化性を改善することにより、この態様を実現する。
特定の実施形態について本発明を説明したが、当業者であればその他の形態を採用できよう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
10 鋳型
12 キャビティ
14 表面
16 フェースコート
18 鋳造品
20 領域
22 表面
24 粒子
26 ゲル

Claims (10)

  1. 金属合金から鋳造製品(18)を製造する方法であって、
    キャビティ(12)とキャビティ内部の鋳型表面(14)に連続固体フェースコート(16)とを有する鋳型(10)を準備する段階であって、固体フェースコート(16)が、固体フェースコートの重量を基準にして、15重量%以上の金属アルミニウム含有粉体及びハライド活性剤を含む段階と、
    溶融量の金属合金を鋳型(10)のキャビティ(12)内に導入して、溶融金属合金を固体フェースコート(16)と接触させるとともに、活性剤を、固体フェースコート中の金属アルミニウムと反応させて揮発性ハロゲン化アルミニウを生じさせる、段階と、
    溶融量の金属合金を冷却・凝固させて金属合金の鋳造製品(18)を形成すべく、鋳型(10)を冷却する段階であって、冷却時に、揮発性ハロゲン化アルミニウの少なくとも一部が、固体フェースコート(16)と接する溶融量の金属合金及び/又は鋳造製品(18)の表面で反応して、金属アルミニウムが鋳造製品(18)の表面(22)中に浸透して、鋳造製品(18)にアルミニウム含有表面領域(20)を形成する段階と、
    鋳造製品(18)を鋳型(10)から取り出す段階と、
    鋳造製品(18)の表面領域(20)の酸化により鋳造製品(18)の表面(22)でスケールを成長させる段階であって、スケールが、鋳造製品(18)の表面領域(20)のアルミニウムの酸化によるアルミナを含む段階と
    を含む方法。
  2. 前記固体フェースコート(16)中の金属アルミニウム含有粉体がアルミニウム及び不可避不純物からなる、請求項1記載の方法。
  3. 前記固体フェースコート(16)中の金属アルミニウムが、CrAl、CoAl、NiAl、FeAl、MoAl、MnAl、AlZr及びAlNb合金からなる群から選択されるアルミニウム合金の形態である、請求項1記載の方法。
  4. 前記金属アルミニウム含有粉体が、活性剤を含有する固体バインダー相中に分散されており、前記活性剤が、固体フェースコート(16)中の金属アルミニウムとの反応による揮発性ハロゲン化アルミニウムの形成によって表面領域(20)への金属アルミニウムの拡散を促進するハライド活性剤であり、該揮発性ハロゲン化アルミニウムが、前記導入段階で固体フェースコート(16)と接触する溶融合金の表面と反応し、冷却段階で鋳造製品(18)の表面(22)と反応する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。
  5. 金属アルミニウム含有粉体及び活性剤を有機ポリマーバインダー中に含むフェースコートゲル(26)を形成する段階と、
    フェースコートゲル(26)を鋳型表面(14)に塗工する段階と、
    フェースコートゲル(26)を加熱して、有機ポリマーバインダーを焼尽させ、活性剤によって形成された固体バインダー相中に金属アルミニウムが分散されている固体フェースコート(16)を形成する段階と
    をさらに含む、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記金属合金が10重量%以下の合金成分を含有し、残部が鉄及び不可避不純物である、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記金属合金が10重量%以下のクロム及び1重量%以下のニッケルを含有する、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記スケールのアルミナ含有量が12重量%以上である、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記鋳造製品(18)の表面領域(20)鋳造製品(18)の表面(22)下50μm以上延在する、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の方法。
  10. 前記鋳造製品(18)がガスタービンエンジン部品である、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
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