JP6043667B2 - ロッカアーム - Google Patents

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Description

本発明は、ロッカアームに関する。
特許文献1に開示されたロッカアームは、金属板を曲げ加工して成形され、相対向する一対の側壁と、両側壁の長さ方向一端部を連結する第1連結壁と、両側壁の長さ方向途中を連結する第2連結壁とを有している。両側壁の長さ方向他端部には、貫通孔が同軸で形成され、貫通孔に挿通された支軸にローラが回転可能に支持され、ローラにはカムが当接している。第1連結壁には、バルブの上端部に当接するアジャストスクリューが螺着されている。
また、両側壁の長さ方向途中における第1、第2連結壁の間には、側面視U字形の凹部が上方に開放して形成されている。さらに、両側壁間には、第1、第2連結壁同士を架け渡す側面視逆U字形のアーチ部が膨出して形成されている。そして、両凹部とアーチ部とによりロッカシャフトを挿通可能な挿通孔が区画して形成されている。挿通孔は、側面視円形に開口する形態とされ、ロッカシャフトの外径よりも若干大きい内径を有している。かかるロッカシャフトは、カムによってロッカシャフトを支点として揺動され、これによってバルブの開閉を行うようになっている。
特許第4039936号公報
ところで、ロッカアームには、通常、耐摩耗性を向上させるべく、焼き入れ処理が施される。この場合、熱処理時の変形量を加味して加工されるが、いきおい挿通孔の内径が狙った値より大きくなりがちとなる。その結果、ロッカシャフトが挿通孔内で長さ方向にがたつき、安定したアーム比を確保しにくいという事情がある。これに対し、挿通孔の内径を修正するための修正加工が施されると、その分、手間がかかり、コストも上昇するという問題がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ロッカシャフトを受ける部分の厳密な寸法管理を要せず、熱処理時の変形等に対するロバスト性の向上を図ったロッカアームを提供することを目的とする。
本発明は、ロッカシャフトを支点として揺動され、バルブの開閉を行うロッカアームであって、前記ロッカシャフトの荷重を受ける円弧状の軸受部を有し、前記軸受部の曲率半径が、前記ロッカシャフトの半径よりも大きく、且つ、前記軸受部の曲率中心が、前記ロッカシャフトの軸中心とは異なる位置に設けられていて、前記軸受部が、前記ロッカシャフトの外周面の周方向に離れた2箇所に当接するようになっており、底壁及び前記底壁の両側から立ち上がる一対の側壁を備え、前記軸受部が前記底壁に湾曲して形成され、前記側壁には、側面視において前記軸受部と周方向に連続する相手側受部が開口しており、前記相手側受部が前記ロッカシャフトの外周面との間に隙間が形成されるように配置されることにより、前記軸受部が、前記ロッカシャフトの荷重を専ら受けつつ前記ロッカシャフトの外周面に摺接するところに特徴を有する。
上記構成によれば、ロッカシャフトの外径に軸受部の曲率半径を厳密に対応させる必要がないから、寸法管理が容易となり、熱処理時の変形量に対応することができる。一方、そうした比較的ラフな寸法設定であっても、ロッカシャフトの外周面の周方向に離れた2箇所に軸受部が当接することにより、軸受部に対するロッカシャフトのアーム比方向の位置決めがなされるため、安定したアーム比を確保することができる。また、相手側受部もロッカアームとの間に隙間を形成可能な寸法精度で構成されるため、厳密な寸法管理を要せず、製造容易となる。
本発明の実施例1のロッカアームの断面図である。 図1のA−A線断面図である。 ロッカアームの展開図である。 ロッカアームの使用状態を示す全体図である。 実施例2のロッカアームの展開図である。 図2相当図である。
本発明の好ましい形態を以下に示す
記底壁の長さ方向一端部が、前記バルブの上端に当接し、前記底壁の長さ方向他端部が、カムの動きに応じて上下動するものであり、前記両側壁には、前記ロッカシャフトを挿通可能な挿通孔が同軸に形成され、前記挿通孔の孔縁を、前記軸受部と前記相手側受部とが区画し、前記軸受部は、前記底壁の長さ方向途中に湾曲して形成されている。このような構成であれば、ロッカアームが一枚の板材から容易に製造される。
<実施例1>
本発明の実施例1を図1〜図4によって説明する。実施例1のロッカアーム10は、ロッカシャフト60に支持された状態で、カム70により揺動されて、バルブ71の開閉を行うものである。
まず、このロッカアーム10を含む内燃機関の全体構造について簡単に説明する。なお、以下では、内燃機関としてV型エンジンを例示するが、勿論、これに限定されるわけではない。また、図4では片側のシリンダ列のうちの一方側の1つのみを示す。
図4に示すように、シリンダヘッド72にはポート部73(吸気ポート又は排気ポート)が形成され、ポート部73にはステム孔74が連通している。ステム孔74には、ポート部73の吸気口を開閉可能なバルブ71が組み込まれている。バルブ71のバルブステム75はステム孔74から突出し、突出した部分にはバルブスプリング76が装着されてバルブ71を閉弁方向に付勢している。
ロッカアーム10の長さ方向の一端部は、バルブステム75の上端に当接支持され、ロッカアーム10の長さ方向の他端部は、ナット77を介してアジャストスクリュー78に螺着されている。アジャストスクリュー78は、プッシュロッド79の上端に当接支持され、ナット77との螺合量を可変とすることでプッシュロッド79との当接位置を調整可能としている。
プッシュロッド79は、シリンダブロック80の側方に配置され、外郭のホルダプレート81に一体形成された筒状ホルダ82に、油圧タペットやアジャストスクリュー(以下、油圧タペット等83という)がスライド可能に挿入されている。油圧タペット等83の上端はプッシュロッド79の下端に当接し、油圧タペット等83の下端はカムシャフト84に設けられたカム70の外周面に摺動可能に当接している。
続いて、ロッカアーム10の構造について具体的に説明する。
ロッカアーム10は、図1に示すように、アーム本体11を備えている。アーム本体11は、一枚の金属板を図3に示す形状に打ち抜いた後、曲げ加工して形成される。詳細には、アーム本体11は、断面角U字形をなし、長さ方向に延びる帯板状の底壁12と、底壁12の両側縁から立ち上がる一対の側壁13とからなる。
実施例1の底壁12は、全長に亘ってほぼ一定幅で構成されている。底壁12の長さ方向途中には、ロッカシャフト60の荷重を受ける側面視略U字形の軸受部14が形成されている。軸受部14は、底壁12の長さ方向略中間部を下方へ湾曲させてなり、上方へ向けて開放された円弧状の軸受面15を有している。軸受部14の下端部には、屈曲動作の起点となるアール部16が下方へ膨出して形成されている。係るアール部16により応力集中を防止することが可能とされている。
軸受部14の軸受面15は、図1に示すように、ロッカシャフト60の軸中心X1とは異なる位置に曲率中心X21、X22を有している。詳細には、軸受面15の曲率中心X21、X22は、ロッカシャフト60の軸中心X1の斜め上方に位置している。より詳細には、軸受部14の軸受面15のうち、アール部16を挟んで長さ方向の一端側に位置する軸受面15Rは、ロッカシャフト60の軸中心X1の図示斜め左上方に曲率中心X21を有し、アール部16を挟んで長さ方向の他端側に位置する軸受面15Fは、ロッカシャフト60の軸中心X1の図示斜め右上方に曲率中心X22を有している。また、軸受部14の軸受面15(軸面15F、15Rのいずれも含む)は、ロッカシャフト60の半径よりも大きい曲率半径を有している。このため、軸受部14の内部には、ロッカシャフト60の下半部に加えて上半部の一部をも収容可能となる。また、軸受部14の軸受面15には、ロッカシャフト60の外周面の周方向に離れた2箇所に当接可能なシャフト当接部17が形成される。シャフト当接部17は、軸受部14の軸受面15のうち、アール部16を挟んだ長さ方向の2箇所に配置され、ロッカアーム10の揺動に伴いロッカシャフト60の外周面に対して幅方向に略線接触状態で摺接する。ここで、アーム本体11は、シャフト当接部17によってロッカシャフト60に対して長さ方向に位置決めされた状態となる。なお、軸受部14の軸受面15のうち、シャフト当接部17以外の部分は、ロッカシャフト60に実質的に接触しない領域として構成される。
また、底壁12の長さ方向の他端部には、アジャストスクリュー78を挿通可能な貫通孔18が形成され、貫通孔18の下側の開口縁部に、円筒状のボス部19が突出して形成されている。ボス部19の内周面には、アジャストスクリュー78に螺合可能なねじ部21が形成されている。このため、ボス部19に螺挿されたアジャストスクリュー78の先端部に上方からナット77がねじ込まれることにより、アジャストスクリュー78がアーム本体11に固定されるようになっている。そして、カム70の駆動によりプッシュロッド79が上下動すると、それに応じてアジャストスクリュー78も上下動し、言い換えれば、底壁12の長さ方向の他端部も上下動するようになっている。
また、底壁12の長さ方向の一端部には、バルブステム75の上端に当接可能なバルブ当接部22が下方へ緩く湾曲して形成されている。なお、底壁12は、軸受部14からバルブ当接部22にかけてやや上り勾配で傾斜している。ここで、アジャストスクリュー78が上昇すると、ロッカアーム10がロッカシャフト60を支点として揺動して、バルブ当接部22が下降し、バルブ71がバルブスプリング76のバネ力に抗して押し下げられて、バルブ71が開状態となる。一方、アジャストスクリュー78が下降すると、ロッカアーム10がロッカシャフト60を支点として揺動して、バルブ当接部22が上昇し、バルブ71がバルブスプリング76のバネ力により引き上げられて、バルブ71が閉状態となる。
両側壁13は、アーム本体11の全長に亘る範囲に形成され、長さ方向に沿って互いにほぼ平行に対向して配置されている。アジャストスクリュー78の先端部分及びナット77は、両側壁13の長さ方向の他端部に両側方から覆われるようになっている。
両側壁13には、長さ方向に関して軸受部14と同じ位置(長さ方向略中間部)に、挿通孔23が同軸に貫通して形成されている。図1に示すように、挿通孔23の孔縁には、軸受部14とともにロッカシャフト60の外周を取り囲む相手側受部24が形成されている。相手側受部24は、軸受部14の長さ方向の両端で且つ幅方向の両端から立ち上がる一対の対向縁25と、両対向縁25間を結ぶ長さ方向に沿った上縁26とを有し、側面視門型に開口する形態とされている。相手側受部24は、ロッカシャフト60に実質的に接触しない状態とされ、ロッカシャフト60の外周面との間には隙間Sが確保されている。
また、相手側受部24と軸受部14とが側面視して周方向に連続することにより、ロッカシャフト60を挿通可能な側面視非円形の挿通部27が形成されることになる。この場合、挿通部27の下部において、ロッカシャフト60の重力方向に位置する軸受部14が専ら荷重を受けることにより、挿通部27の上部において、ロッカシャフト60の外周上部と相手側受部24との間に形成される隙間Sが許容されることになる。
次に、アーム本体11の製造手順を簡単に説明する。
まず、一枚の金属板を打ち抜いて図3に示すブランク材を製造する。ブランク材には、底壁12を挟んだ幅方向両側に一対の側壁13が連成され、両側壁13の長さ方向略中間部に、長さ方向に細長い長円形の挿通孔23が開設されている。続いて、底壁12の長さ方向の他端部にバーリング加工を施してボス部19を形成し、且つ、ボス部19の内周面にねじ部21を螺刻する。そして、図3の点線で示す折れ線28に沿って折り曲げることにより、両側壁13を立ち上げ、さらに、底壁12の長さ方向略中間部を下方へ湾曲させて、軸受部14を形成する。すると、両側壁13と底壁12との間に挿通部27が形成される。なお、両側壁13と軸受部14とは同時に形成されるものであってもよい。また、挿通部27の形成後、従来であれば、ロッカシャフト60に対して挿通部27に相当する部分を厳密に芯出しする必要があったが、実施例1の場合、挿通部27とロッカシャフト60のそれぞれの中心が位置ずれしているため、ロッカシャフト60に対する挿通部27の芯出しが実質的に不要となり、作業性が大幅に改善されることになる。
その後、アーム本体11には、耐摩耗性を向上させるべく、軟窒化、浸炭窒化、浸炭等の熱処理が施される。熱処理に起因して挿通部27の径寸法が変化するものの、実施例1の場合、軸受部14の2箇所にシャフト当接部17が確保されていれば、ロッカシャフト60に対する位置決めを果たすことができるため、挿通部27の径寸法の変化に対する許容範囲を大きくとることができ、熱処理に対するロバスト性を向上させることができる。
以上説明したように、実施例1のロッカアーム10によれば、軸受部14の曲率半径がロッカシャフト60の半径よりも大きく、軸受部14の曲率中心X21、X22がロッカシャフト60の軸中心X1とは異なる位置に設けられており、これによって、軸受部14がロッカシャフト60の外周面の周方向に離れた2箇所に当接するシャフト当接部17を有するようになるため、ロッカアーム10を製造するに際し、ロッカシャフト60の外径に軸受部14の曲率半径を厳密に対応させる必要がない。その結果、寸法管理が容易となり、熱処理時の変形量に柔軟に対応することができる。一方、そうした比較的ラフな寸法設定をしていても、軸受部14の2箇所にシャフト当接部17が確保されていれば、軸受部14に対するロッカシャフト60のアーム比方向(ロッカアーム10の長さ方向)の位置決めがなされるため、所定のアーム比を得ることができる。
<実施例2>
図5及び図6は、本発明の実施例2のロッカアーム10Aを示す。実施例2では、軸受部14Aが幅広に形成されており、ロッカシャフト60に対する軸受部14Aの面圧を低下させた構造になっている。
実施例2の場合、軸受部14Aは、図6に示すように、底壁12の他の部分よりも幅広となり、幅方向に関して両側壁13の外側面とほぼ同じ位置に、幅方向の両端縁が位置するようになっている。図5に示すように、展開形状によれば、両側壁13の挿通孔23が門型のスリットとして開設されており、両挿通孔23が底壁12の幅方向中央を挟んで対称に配置されている。そして、両挿通孔23のスリットの両端間を通る折れ線28に沿って両側壁13が立ち上げ形成されることにより、スリット内に突出する突片29が底壁12側に残って軸受部14Aの幅広部分を形成するようになっている。
実施例2によれば、ロッカシャフト60に対する軸受部14Aの面圧を低下させることができるため、軸受部14Aの耐久性を向上させることができる。また、かかる面圧の低い軸受部14Aを実施例1と同様に簡単に製造することができる。なお、実施例2は、軸受部14A以外は、実施例1と同様の構造であるため、図面には、実施例1と同様の部分に同一符号を付してある。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)底壁の長さ方向他端部にローラが軸支され、ローラにカムが当接する構成であってもよい。
(2)両側壁は、少なくとも相手側受部を有していればよく、アーム本体の全長に亘って形成されている必要はない。
(3)アジャストスクリューに代えて、ラッシュアジャスタが設けられるものであってもよい。
(4)ボス部に代えて、別体のナット部材を底壁に溶接等して固定するものであってもよい。
(5)軸受部の軸受面のうち、アール部を挟んで長さ方向両側に位置する軸受面が、互いに同じ曲率中心を有するものであってもよい。
S…隙間
X1…軸中心
X21、X22…曲率中心
10、10A…ロッカアーム
11…アーム本体
12…底壁
13…側壁
14、14A…軸受部
15…軸受面
17…シャフト当接部
23…挿通孔
24…相手側受部
60…ロッカシャフト
71…バルブ

Claims (2)

  1. ロッカシャフトを支点として揺動され、バルブの開閉を行うロッカアームであって、
    前記ロッカシャフトの荷重を受ける円弧状の軸受部を有し、前記軸受部の曲率半径が、前記ロッカシャフトの半径よりも大きく、且つ、前記軸受部の曲率中心が、前記ロッカシャフトの軸中心とは異なる位置に設けられていて、前記軸受部が、前記ロッカシャフトの外周面の周方向に離れた2箇所に当接するようになっており、
    底壁及び前記底壁の両側から立ち上がる一対の側壁を備え、前記軸受部が前記底壁に湾曲して形成され、前記側壁には、側面視において前記軸受部と周方向に連続する相手側受部が開口しており、前記相手側受部が前記ロッカシャフトの外周面との間に隙間が形成されるように配置されることにより、前記軸受部が、前記ロッカシャフトの荷重を専ら受けつつ前記ロッカシャフトの外周面に摺接することを特徴とするロッカアーム。
  2. 前記底壁の長さ方向一端部が、前記バルブの上端に当接し、前記底壁の長さ方向他端部が、カムの動きに応じて上下動するものであり、前記両側壁には、前記ロッカシャフトを挿通可能な挿通孔が同軸に形成され、前記挿通孔の孔縁を、前記軸受部と前記相手側受部とが区画し、前記軸受部は、前記底壁の長さ方向途中に湾曲して形成されていることを特徴とする請求項1記載のロッカアーム。
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