JP6049571B2 - 窒化物半導体薄膜を備えた複合基板の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体薄膜を備えた複合基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、支持基板上に半導体層を備えた複合基板において、金属汚染が無く、且つ半導体層の欠陥の少ない複合基板の製造方法に関する。
窒化物単結晶半導体、特にGaNはバンドギャップが広いことから、青色LEDへの適用、ハイパワーデバイスへの応用が検討されている。GaN薄膜は、通常GaNとの格子定数差の小さいサファイア基板上にGaNをエピタキシャル成長させることで製造しているが、格子定数のミスマッチにより欠陥が発生する。このような欠陥を生じさせないことを目的として、近年、単結晶GaN自立基板の開発がなされてきている。GaN自立基板上にGaNを成長させることは、格子定数差が無いため欠陥の低減が期待できる。
しかしながら、単結晶GaN自立基板は現状コストが高いという問題がある。コストを下げる方策として、例えばSOIやSOSなどにおいて用いられる手法、例えば、単結晶Siに水素などの軽元素イオンをイオン注入した後にSiやサファイアなどの支持基板と貼り合わせてSi薄膜を転写するといった、スマートカット法等をGaN自立基板に適用することが考えられる。この方法を適用することにより、GaN薄膜転写後のGaN自立基板を再度GaN薄膜の転写に再利用することができ、コストを下げることが可能である。
そうした例は、例えば特許文献1において、イオン注入したGaN基板をSi基板と貼り合わせ、800℃以上の熱処理を行うことでSi基板上にGaN薄膜を転写させる記載がなされている。また、非特許文献1、2においては、イオン注入したGaN基板とサファイア基板との貼り合わせの試みが述べられている。
特開2006−210660号公報 O.Moutanabbir et al. , ECS Transactions 16(8), 251-262(2008) O.Moutanabbir and U.Gosele , Journal of Electronic Materials 39(5), 482-488(2010)
しかしながら、特許文献1においては、熱処理を行うとイオン注入した領域での分離が成されず、GaN基板がSi基板から剥がれるという問題が頻発した。また、非特許文献1及び2においても特許文献1と同様に、熱処理時に基板が剥がれるという問題があった。すなわち、GaN基板にイオン注入を行うことでGaN基板の反りが大きくなり、支持基板との貼り合わせがうまく成されず、貼り合わせ後の熱処理によって剥がれが生じてしまうことが述べられている。
上記の対策として、GaN基板の両面からイオン注入をすることによりGaN基板の反りを改善することが検討されているが、この方法ではサファイア基板全面への薄膜転写は成されず、最大でも直径数mmサイズの転写しか成されていない。また、両面にイオン注入を行うと反りは改善されるが、イオン注入の回数が2倍になるためコストがかかる。基板が剥がれる他の要因として基板の表面粗さについても考えられるが、GaN基板表面にSiO層を設けた場合、その表面粗さは0.2nm程度と十分貼り合わせが可能なレベルである。そのため、剥がれが生じる原因は反りが大きく、接合後の熱処理によって剥がれが生じるものと推測する。このように、表面粗さ若しくは反りの改善のみでは、支持基板全面へのGaN薄膜の転写を達成することが困難であった。
以上のことから、イオン注入を用いたGaN基板の薄膜転写は、基板面全体における転写が困難であるという問題があった。
本発明者らが検討したところ、GaN基板の片面にのみイオン注入した反りのある状態であっても、GaN薄膜を支持基板面全体に転写することが可能であることを見出した。すなわち、貼り合わせ前に表面活性化処理を施し一定荷重のもとで貼り合わせを行うことにより接合強度を高め、貼り合わせ後にGaN基板をイオン注入層に沿って剥離して転写する際に貼り合わせの接合界面での剥離が生じる事無く、支持基板面全体にわたってGaN薄膜を転写することが可能となることを見出した。
本発明の一つの態様では、表面からイオンを注入して内部にイオン注入層を有する窒化物半導体基板を得る工程であって、前記窒化物半導体基板が前記イオン注入した表面を上側としたときに凸状に反った10μm以上で300μm以下のWarpを有する形状である工程と、前記窒化物半導体基板の前記イオン注入した表面と前記窒化物半導体基板と貼り合わせる支持基板の表面との少なくとも一方に表面活性化処理を施す工程と、前記窒化物半導体基板の前記イオン注入した表面と前記支持基板の前記表面とを対向して重ね合わせ、1.0MPa以上で4.0MPa以下の圧力下で貼り合わせる工程と、前記窒化物半導体基板を前記イオン注入層に沿って剥離し、前記支持基板上に窒化物半導体薄膜を転写する工程とを少なくとも含む、窒化物半導体薄膜を支持基板に備えた複合基板の製造方法が提供できる。
本発明により、窒化物半導体基板の表面にイオン注入することにより生じる反りのある状態の窒化物半導体基板を用いても、支持基板面全体に窒化物半導体薄膜を転写することが可能となる。
本発明にかかる複合基板の製造工程の一態様を示す模式図である。
転写する窒化物半導体基板としては、GaN基板やAlN基板を挙げることができるが、単結晶基板としてサイズの大きい点においてGaN基板が好ましい。以下はGaNウェハについて記載する。
GaN単結晶ウェハにおいて、貼り合わせる面はGa面、N面のいずれの面も用いることができる。しかし、通常デバイスにはGa面が用いられるため、貼り合わせ面にはN面を用い、転写後に露出する面をGa面とすることが好ましい。
GaNウェハの表面は、その表面粗さRMS(二乗平均平方根、JIS B 0601)が好ましくは1nm以下、より好ましくは0.5nm以下、さらに好ましくは0.3nm以下とすることが、もう一方の基板である支持基板との貼り合わせを実現する上で好ましい。さらに、貼り合わせ面にピット等の欠陥があると薄膜転写後にその部分がボイドとなるため、欠陥の無いことが好ましい。
半導体基板の表面を平滑にする手法として、一般的に、CMP(化学機械研磨)処理が用いられるが、GaNウェハの表面に直にこの手法を用いて所望の表面粗さRMSや無欠陥を達成することは、現状において容易でなく、歩留まり等が悪くなり、また、コストもかかる。そのため、歩留まり良くGaNウェハ表面を所望の表面粗さRMSとし、転写後のボイド発生を抑えるために、GaNウェハの貼り合わせ面となるイオン注入する表面には、SiO、Si、及びSiO(0<x<2、0<y<1.3)から選ばれる膜を設けることが好ましい。この膜の厚さは、好ましくは10nm〜10μm、より好ましくは20nm〜5μm、さらに好ましくは50nm〜3μmである。10nm未満だと表面粗さRMSを改善する効果が不十分である場合があり、10μmを超えると成膜時に剥がれが生じる場合がある。成膜する手段としては、AP−CVD、LP−CVD、PE−CVDなどの化学的気相成長法や、電子ビーム蒸着、スパッタリング、または、膜の前駆体を含む溶液をスピンコート、ディップコート、スリットコート等から選ばれる手段で成膜した後に熱処理によって所望の膜に転化する方法などを用いることができる。
上記の成膜後に、膜の緻密化や脱ガス処理のため、好ましくは800〜1200℃でアニール処理を行ってもよい。また、成膜後に、その表面粗さRMSを上述した所望の表面粗さRMSとするため、CMPを行うことが好ましい。GaNウェハ上に形成された膜の表面にCMPを行うことで、歩留まり良く所望の表面粗さRMSを達成することが可能となる。但し、成膜後、またはアニール処理後の表面粗さRMSが好ましくは1nm以下、より好ましくは0.5nm以下、さらに好ましくは0.3nm以下の場合には、特にCMPを行わなくてもよい。また、アニール処理が表面粗さRMSに影響を与えない場合であれば、CMPの後に上述したアニール処理を行ってもよい。
GaNウェハ表面に成膜し所望の表面粗さRMSとした後、その表面からイオンを注入し、GaNウェハの内部にイオン注入層を形成する。この際、その表面から所望の深さにイオン注入層を形成できるような注入エネルギーで、所定の線量の水素イオン(H)または水素分子イオン(H )を注入する。このときの条件として、例えば注入エネルギーは50〜100keVとすることができる。HeイオンやBイオン等、同じ効果が得られればどのようなイオンでもかまわず、適宜注入エネルギーを選択してよい。イオン注入深さは、所望のドナー薄膜の厚さによるが、通常、50nm〜2000nmとすることができる。
注入イオンとして水素イオン(H)を用いる場合、そのドーズ量は、例えば1.0×1016atom/cm〜3.0×1017atom/cmであることが好ましい。また、注入イオンとして水素分子イオン(H )を用いる場合、そのドーズ量は、例えば5.0×1015atoms/cm〜1.5×1017atoms/cmであることが好ましい。
イオン注入後のGaNウェハは、イオン注入した表面を上側としたときに凸状の反りが発生する。反りの指標としてはWarpを用いることができる。Warpは、SEMI規格のMF1390によって評価されるアンクランプ状態でのウェハの変形(反り)を表すものであり、具体的には、アンクランプ状態における3点基準面とウェハ表面との最大距離及び最小距離の和で表され、例えば、FlatMaster200XRA−Wafer(Corning Tropel製)で測定することができる。Warpを用いた場合にウェハの反りは、Warpが300μm以下である事が好ましい。より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。Warpが300μmより大きくなると、その後の貼り合わせが困難となる。下限については、元の基板のWarp、サイズ、及び水素イオンのドーズ量に依存するが、10μmである。反りの大きさの制御は、たとえば注入する水素イオンのドーズ量、基板のサイズ、及び基板の厚さなどにより制御することが可能である。
支持基板は目的及び用途により選択されるが、好ましくは窒化物半導体基板と異なる基板であり、代表的な基板の例としては、シリコン、サファイア、アルミナ、SiC、AlN、SiN、及びダイヤモンドなどの単結晶あるいは多結晶基板を挙げることができる。多結晶基板については、シリコンなどの基板上に設けた薄膜として用いてもよい。また、これらの支持基板の表面粗さRMSも、上記で説明したGaNウェハと同様の貼り合わせが可能なレベルの粗さRMSとすることが好ましい。多結晶基板または多結晶薄膜を用いる場合には、その表面にSiO2などの膜を上記の方法で成膜し、CMPを行って表面粗さRMSを小さくすることができる。
GaNウェハと支持基板との貼り合わせにおいては、貼り合わせる前にGaNウェハと支持基板との少なくともいずれか一方の貼り合わせ面について表面活性化処理を施し、その後、加圧することによって貼り合わせして接合が成されることが重要である。
表面活性化処理の方法としては、プラズマ処理、オゾン水処理、UVオゾン処理、イオンビーム処理等が挙げられる。例えば、プラズマで処理をする場合、真空チャンバ中に洗浄した基板を載置し、プラズマ用ガスを減圧下で導入した後、100W程度の高周波プラズマに5〜10秒程度さらし、表面をプラズマ処理する。プラズマ用ガスとしては、表面を酸化する場合には酸素ガス、酸化しない場合には水素ガス、窒素ガス、アルゴンガス、又は、これらの混合ガスを用いることができる。プラズマで処理することにより、基板表面の有機物が酸化して除去され、さらに表面のOH基が増加し活性化する。オゾンで処理をする場合は、純水中にオゾンガスを導入し、活性なオゾンで表面を活性化することができ、UVオゾン処理をする場合は、大気もしくは酸素ガスに短波長のUV光(波長195 nm程度)を照射し、活性なオゾンを発生させることで表面を活性化することができる。イオンビーム処理をする場合は、高真空中(<1×10−6Torr)でAr等のイオンビームを表面に当て、活性度が高いダングリングボンドを露出させることで行うことができる。
この処理は、GaNウェハのイオン注入した表面、及び、GaNウェハと貼り合わせる支持基板の表面の両方について行うのがより好ましいが、いずれか一方だけ行ってもよい。表面活性化処理をしないと、貼り合わせ面での接合力が弱く、熱処理時に基板間の剥がれが生じGaN薄膜の転写はほとんど生じない。
表面活性化処理後、GaNウェハのイオン注入した表面とGaNウェハと貼り合わせる支持基板の表面とを対向して重ね合わせ、加圧下で貼り合わせ接合させる。接合時に加圧が無いと、支持基板面の一部にしかGaN薄膜の転写は生じない。それゆえ、支持基板面全体にわたってGaN薄膜の転写を行うには、表面活性化処理だけでなく加圧も必要となる。
加圧方法としては、静水圧プレス、一軸加圧プレス、加圧ロール、平板プレス、熱プレス等が挙げられる。加圧の圧力は、0.5〜5.0MPaが好ましい。より好ましくは0.7〜4.5MPa、さらに好ましくは1.0〜4.0MPaである。圧力が0.5MPaより低いと支持基板の一部にしか転写せず加圧する効果が小さく、5.0MPaを超えると基板が破損する恐れがある。また、加圧の保持時間は圧力によって異なるが、好ましくは1〜600秒、より好ましくは10〜500秒、さらに好ましくは30〜400秒である。加圧時間が1秒より短いと支持基板の一部にしか転写せず加圧する効果が不十分な場合があり、600秒を超えると支持基板全面に転写はするが、効果は変わらずプロセス時間が長くなる。
貼り合わせた基板は、接合強度の増大のために必要に応じて熱処理を施してもよい。場合によって、貼り合わせる工程において熱プレス機等を用いて圧力下で貼り合わせながら熱処理を施してもよいし、貼り合わせる工程の後であって支持基板上にGaN薄膜を転写する工程前に、貼り合わせた基板に熱処理を施す工程を含んでもよい。
熱処理温度は、好ましくは100〜300℃である。熱処理時間は、熱処理温度と材料に応じて決められ、好ましくは10分〜24時間の範囲で選択される。熱処理温度が高すぎたり、熱処理時間が長すぎたりすると、ひび割れ、剥離等が発生する恐れがある。場合によって、熱処理は、好ましくはアルゴン、窒素、ヘリウム、またはこれらの混合ガスの存在下で行われることができる。
貼り合わせ工程の後、GaNウェハをイオン注入層に沿って剥離することにより、支持基板上にGaN薄膜の転写を達成することができる。剥離を行う方法として、可視光照射や熱を加えることによる剥離、または機械的衝撃を与えて剥離することが挙げられる。上記の剥離を行う方法は単独で用いてもよいし、複数組み合わせて用いてもよい。
可視光照射による剥離の場合、GaNウェハの内部に形成されたイオン注入界面近傍がアモルファス化していることによって、可視光の吸収を受けやすく、エネルギーを選択的に受容しやすいという機構によってイオン注入層を脆化させ剥離することが可能である。また、この剥離方法は、機械的剥離よりも簡易であるため好ましい。可視光の光源は、Rapid Thermal Annealer(RTA)、グリーンレーザー光、又はフラッシュランプ光であることが好ましい。
また、イオン注入層に衝撃を与えて機械的剥離を行う場合、加熱に伴う熱歪、ひび割れ、貼り合わせた面の剥離等が発生するおそれがない。機械的剥離は、一端部から他端部に向かうへき開によるものが好ましい。へき開用部材として、好ましくは楔状の部材、例えば楔(くさび)をイオン注入層(注入界面)に挿入し、楔による変形でへき開を進行させて剥離する方法であってもよい。この方法の使用に際しては、楔が接触する部分での傷やパーティクルの発生や、楔を打ち込むことにより生じるウェハの過大な変形による基板割れの発生を回避するように留意する。イオン注入層に衝撃を与えるためには、例えば、ガスや液体等の流体のジェットを貼り合わせたウェハの側面から連続的又は断続的に吹き付ければよいが、衝撃による機械的剥離が生じる方法であれば特に限定はされない。
このようにして、GaNウェハの表面にイオン注入することにより生じるウェハに反りのある状態でもGaN薄膜を支持基板面全体に転写することが可能となる。
本発明にかかる複合基板の製造工程は、特に限定されるものではないが、その一態様を図1に示す。これによれば、GaNウェハ1の表面にSiO膜2を形成し、その表面からイオン3を注入してイオン注入層4を形成する(a)。さらに、イオン注入した表面2aと支持基板であるサファイア基板5の貼り合わせ面5aにイオンビーム6の照射による表面活性化処理を施し(b及びc)、これらの面を対向して重ね合わせ、例えば、250℃下で圧力7を印加したまま保持して貼り合わせる(d)。その後、貼り合わせた基板8のイオン注入層4に楔状の治具を挿入し、イオン注入層4に沿ってGaNウェハ1bを剥離することにより、サファイア基板5上にGaN薄膜1aが転写した複合基板9を得ることができる(e)。
<実施例1>
窒化物半導体基板として、外径2インチ、厚さ350μmの単結晶GaNウェハを用い、そのN面側にプラズマCVD法を用いてSiOを300nm堆積し成膜した。GaNウェハのSiO膜面側からHイオンを2.0×1017atoms/cmで注入した。イオン注入後のGaNウェハはイオン注入面を上側としたときに凸形状であり、Warpは40μmであった。なお、WarpはFlatMaster200XRA−Wafer装置(Corning Tropel社製)を用いてアンクランプの状態で測定した。続いて、GaNウェハ上のSiO膜の表面にCMPを行い、表面粗さRMS(JIS B 0601)が0.2nmとなるように調整し、貼り合わせが可能なレベルの粗さRMSとした。
支持基板として上記GaNウェハと同サイズのサファイアウェハを用いた。サファイアウェハ及びGaNウェハのSiO膜面にイオンビーム照射で表面活性化処理を実施した。その後、表面活性化処理した各面を対向させて重ね合わせ、一軸加圧プレスを用いて4.0MPaの圧力で60秒保持し、GaNウェハとサファイアウェハとを貼り合わせて接合体を得た。これを250℃で熱処理を行った後、楔状の部材を用いて機械的衝撃を加えることでGaNウェハの剥離を行い、GaN薄膜が転写したサファイアウェハを得た。
<実施例2>
1.0MPaの圧力で300秒保持し、GaNウェハとサファイアウェハとを貼り合わせて接合体を得た以外は、実施例1と同様にして、GaN薄膜が転写したサファイアウェハを得た。
<実施例3>
実施例1と同様の条件で、GaNウェハのN面側にSiOを300nm堆積し、SiO膜面側からHイオンを4.3×1017atoms/cmで注入した。イオン注入後の基板はイオン注入面を上側としたときに凸形状であり、Warpは260μmであった。続いて、GaNウェハ上のSiO膜の表面にCMPを行い、表面粗さRMSが0.2nmとなるように調整し、貼り合わせが可能なレベルの粗さとした。
支持基板としてサファイアウェハを用い、その後の工程においては、加圧時間を120秒とした以外は、実施例1と同様にして、GaN薄膜が転写したサファイアウェハを得た。
<実施例4>
支持基板としてシリコンウェハを用いた以外は実施例1と同様にして、GaN薄膜が転写したシリコンウェハを得た。
<実施例5>
実施例1と同様の条件で、GaNウェハのN面側にSiNを300nm堆積し、SiN膜面側からHイオンを4.3×1017atoms/cmで注入した。イオン注入後の基板形状はイオン注入面側を上側としたときに凸形状であり、Warpは50μmであった。続いて、GaNウェハ上のSiN膜の表面にCMPを行い、表面粗さRMSが0.2nmとなるように調整し、貼り合わせが可能なレベルの粗さとした。
支持基板としてサファイアウェハを用い、その後の工程は実施例1と同様にして、GaN薄膜が転写したサファイアウェハを得た。
<比較例1>
貼り合わせ時に未加圧の状態で外周部をピンで押すことで接合を行った以外は、実施例1と同様にして、GaN薄膜が転写したサファイアウェハを得た。
<比較例2>
加圧する前に表面活性化処理を行わない以外は、実施例1と同様にして、GaN薄膜が転写したサファイアウェハを得た。
<比較例3>
7.0MPaの圧力で60秒保持し、GaNウェハとサファイアウェハとを貼り合わせて接合体を得た以外は、実施例1と同様にして、接合を行った。得られた接合体を取り出したところ、サファイア基板にクラックが発生していた。
<比較例4>
実施例1と同様の条件で、GaNウェハのN面側にSiOを300nm堆積し、SiO膜面側からHイオンを5.0×1017atoms/cmで注入した。イオン注入後の基板形状はイオン注入面を上側としたときに凸形状であり、Warpは350μmであった。続いて、GaNウェハ上のSiO膜の表面にCMPを行い、表面粗さRMSが0.2nmとなるように調整し、貼り合わせが可能なレベルの粗さとした。
サファイアを支持基板として、その後の表面活性化処理、加圧による接合及び熱処理に至る工程は、実施例1と同じ条件で行った。熱処理後の接合体の状態を観察したところ、中心付近のみ転写されており、外周部分には転写されなかった。
上記の実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例4の接合時の条件及び転写結果を表1に示す。
Figure 0006049571
実施例1と比較例1、2を比べると、表面活性化処理又は所定の加圧処理のいずれかが無いとGaN薄膜の転写はうまくいかず、両者の処理を用いることによって初めてウェハ面全体への転写が可能となった。比較例3では、加圧時の圧力が高すぎることでウェハの損傷が発生した。すなわち、圧力には上限があり、それは5.0MPa程度である。また、実施例1、3及び比較例4では、GaNウェハのWarpが異なっており、Warpが大きく成り過ぎると圧力を大きくしても転写しない領域が発生した。このことより、Warpは300μm以下となるように条件を制御する必要がある。
なお、本願の出願当初の特許請求の範囲は以下の通りである。
[請求項1]表面からイオンを注入して内部にイオン注入層を有する窒化物半導体基板を得る工程であって、前記窒化物半導体基板が前記イオン注入した表面を上側としたときに凸状に反った10〜300μmのWarpを有する形状である工程と、
前記窒化物半導体基板の前記イオン注入した表面と、前記窒化物半導体基板と貼り合わせる支持基板の表面との少なくとも一方に表面活性化処理を施す工程と、
前記窒化物半導体基板の前記イオン注入した表面と前記支持基板の前記表面とを対向して重ね合わせ、0.5〜5.0MPaの圧力下で貼り合わせる工程と、
前記窒化物半導体基板を前記イオン注入層に沿って剥離し、前記支持基板上に窒化物半導体薄膜を転写する工程と
を少なくとも含む、窒化物半導体薄膜を支持基板に備えた複合基板の製造方法。
[請求項2]前記貼り合わせる工程において前記圧力下で貼り合わせながら100〜300℃で熱処理を施すか、または、前記貼り合わせる工程の後であって前記支持基板上に前記窒化物半導体薄膜を転写する工程前に、前記貼り合わせた基板を100〜300℃で熱処理を施す工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
[請求項3]前記貼り合わせる工程における前記圧力が、1〜600秒間保持される請求項1または2に記載の製造方法。
[請求項4]前記窒化物半導体基板に前記イオンを注入する工程の前に、前記窒化物半導体基板の前記イオンを注入する表面にSiO 、Si 及びSiO (0<x<2、0<y<1.3)から選択される膜を形成する工程を含む請求項1〜3のいずれか一つに記載の製造方法。
[請求項5]前記貼り合わせる工程における前記窒化物半導体基板及び前記支持基板の各貼り合わせ表面の表面粗さRMSが、1nm以下である請求項1〜4のいずれか一つに記載の製造方法。
[請求項6]前記窒化物半導体基板が、GaN基板またはAlN基板である請求項1〜5のいずれか一つに記載の製造方法。
[請求項7]前記支持基板が、シリコン、サファイア、アルミナ、SiC、AlN、SiN及びダイヤモンドからなる群から選択される請求項1〜6のいずれか一つに記載の製造方法。
1 GaNウェハ
1a GaN薄膜
1b 剥離後のGaNウェハ
2 SiO
2a イオン注入した表面
3 イオン
4 イオン注入層
5 サファイア基板(支持基板)
5a 貼り合わせ面
6 イオンビーム
7 圧力
8 貼り合わせた基板
9 複合基板

Claims (7)

  1. 表面からイオンを注入して内部にイオン注入層を有する窒化物半導体基板を得る工程であって、前記窒化物半導体基板が前記イオン注入した表面を上側としたときに凸状に反った10μm以上で300μm以下のWarpを有する形状であり、前記WarpがSEMI規格のMF1390によって評価されるアンクランプ状態での反りを表す工程と、
    前記窒化物半導体基板の前記イオン注入した表面と、前記窒化物半導体基板と貼り合わせる支持基板の表面との少なくとも一方に表面活性化処理を施す工程と、
    前記窒化物半導体基板の前記イオン注入した表面と前記支持基板の前記表面とを対向して重ね合わせ、1.0MPa以上で4.0MPa以下の圧力下で貼り合わせる工程と、
    前記窒化物半導体基板を前記イオン注入層に沿って剥離し、前記支持基板上に窒化物半導体薄膜を転写する工程と
    を少なくとも含む、窒化物半導体薄膜を支持基板に備えた複合基板の製造方法。
  2. 前記貼り合わせる工程において前記圧力下で貼り合わせながら100℃以上300℃以下で熱処理を施すか、または、前記貼り合わせる工程の後であって前記支持基板上に前記窒化物半導体薄膜を転写する工程前に、前記貼り合わせた基板を100℃以上300℃以下で熱処理を施す工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記貼り合わせる工程における前記圧力が、1秒間以上で600秒間以下保持される請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記窒化物半導体基板に前記イオンを注入する工程の前に、前記窒化物半導体基板の前記イオンを注入する表面にSiO、Si及びSiO ら選択される膜を形成する工程を含み、前記式中、xとyがそれぞれ0<x<2、0<y<1.3を満たす請求項1ないし3のいずれか一つに記載の製造方法。
  5. 前記貼り合わせる工程における前記窒化物半導体基板及び前記支持基板の各貼り合わせ表面の表面粗さRMSが、1nm以下である請求項1ないし4のいずれか一つに記載の製造方法。
  6. 前記窒化物半導体基板が、GaN基板またはAlN基板である請求項1ないし5のいずれか一つに記載の製造方法。
  7. 前記支持基板が、シリコン、サファイア、アルミナ、SiC、AlN、SiN及びダイヤモンドからなる群から選択される請求項1ないし6のいずれか一つに記載の製造方法。
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