フリップチップや各種電子部品を実装するプリント配線基板の電極パターンに対応してはんだペーストを転写するために使用するメタルマスクとして、メタルマスクの下面側(プリント配線基板と接する側)に弾力性がある乳剤を形成し、印刷時にメタルマスクの下面側に形成した乳剤が変形することにより、プリント配線基板表面に形成された電極の凹凸に対応して、メタルマスクとプリント配線基板との隙間を低減することができるようにした。
メタルマスクとしては、各種電子部品の接続に必要なはんだペースト量を転写することが必要である。大形の電子部品を搭載する箇所にはできるだけ多くのはんだペースト量が必要であるが、小形の電子部品の接続には少量のはんだペースト量が望ましく、大形の電子部品と同量のはんだペースト量では、電子部品とプリント配線基板との隙間にはんだペーストが流出し、短絡を起こすことが考えられる。また、フリップチップ等の狭ピッチのパッドでは、非常に微量の迎えはんだペーストを転写する必要がある。
そこで、小形の電子部品の接続に必要な少量のはんだペースト量を転写するためには、メタルマスクの開口部内にはんだペースト吐出性を制御する部材を形成した。また、少なくともはんだペーストを転写するために形成したパターン部のメタルマスクの中で露出したメタル及び乳剤の表面に撥液性の炭化水素膜が形成されたメタルマスクを使用することにより、はんだペーストの離型性が向上し、はんだペーストをプリント配線基板に転写することを可能にした。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は原則として省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
実施例1に係るフリップチップ混載実装方法を、図1を用いて説明する。図1は本実施例1のメタルマスクM11を用いてはんだペースト9を印刷し、各種電子部品(C1、C2、C3)を実装している状況を模擬した局部的な断面図である。図1は簡素化のために、プリント配線基板P11内の配線、パッド電極表面処理膜などの表記を省略している。
また、図2、3、4には、メタルマスクM11の各種電子部品に対応した開口部の局部拡大図を示している。図2(a)は、大形電子部品C1に対応したメタルマスクM11の開口部M1をスキージ面(上側)から見た図であり、図2(b)は、図2(a)のX−Y部の断面図である。図3(a)は、フリップチップC2に対応したメタルマスクM11の開口部M2をスキージ面(上側)から見た図であり、図3(b)は、図3(a)のX’−Y’部の断面図である。図4(a)は、小形電子部品C3に対応したメタルマスクM11の開口部M3をスキージ面(上側)から見た図であり、図4(b)は、図4(a)のX’’−Y’’部の断面図である。
従来の比較例を図5に示し、本実施例1を示した図1と対比しながら説明する。
実施例1の検証実験で使用するはんだペースト9として、(A):LF−204−15((株)タムラ化研製、はんだ粒子の粒径:1〜12μm)および(B):M705−BPS7−T1J(千住金属工業(株)製、はんだ粒子の粒径:1〜6μm)を用いて印刷を行った。
メタルマスクM11には、プリント配線基板P11のパッド(P1、P2、P3)と同一位置に開口部(M1、M2.M3)が形成した。
図1(詳細は図2、3、4)に示す本実施例1のメタルマスクM11は、この開口部に相当する箇所にめっきレジストをフォトリソ法でパターンニングして形成し、Niめっき法によりメタル13を形成した。図5に示す比較例のメタルマスクM11’は、この開口部に相当する箇所をレーザ加工法で形成した。
図1に示すメタルマスクM11には、局部的にはんだペースト9の吐出量を制御する部材M5が形成されている。この部材は、めっきレジストパターンを変えて、積層めっきを行うことで形成した。めっき法により生成した開口部内の凹凸及び開口部周辺のバリは、電解研磨法により除去し、開口部内も含め平滑な表面とした。図5に示す比較例のメタルマスクM11’は、レーザ加工法により生成した開口部内の凹凸及び開口部周辺のバリは、電解研磨法により除去し、開口部内も含め平滑な表面とした。
図1に示すメタルマスクM11の下面(プリント配線基板P11と接する面)には、弾力性がある乳剤14を形成した。乳剤14は、乳剤の液を塗布・乾燥する方法と、乳剤をフィルム状に加工して貼り付ける方法がある。今回は、乳剤の厚さを均一にするため、フィルム状に加工して貼り付ける方法を採用した。エッチングレジストフィルムを貼り付けるのと同様の方法である。その後、メタルマスクM11に形成した開口部(M1、M2、M3)の寸法より10μm大きなフォトマスクを作成し、位置合わせ後、露光・現像して乳剤に開口部を形成した。これにより、メタルマスクM11の開口部より少し大きめの乳剤開口部を作成することができた。図2、3、4に示すように、メタルマスクM11の開口部より乳剤の開口部を大きくした理由は、メタル13と乳剤14との熱膨張係数により、乳剤形成プロセス温度による位置ずれを防止するためと、メタルマスクM11の開口部からはんだペースト9が吐出する際、はんだペースト9の抜け性を向上するためである。
メタルマスクM11の表面には、はんだペースト9との撥液性を向上するため、撥液処理を施した。その一例として、炭化水素膜12を形成する方法を説明する。
まず、メタルマスクM11に、マスキングを行い、炭化水素の膜を成膜する箇所のみを露出させる。メタルマスクM11のパターン形成エリア外周部の露出したメタル部に電源接続端子を取り付け、図示していない成膜装置チャンバー内に入れて材料ガスとして含炭素化合物ガスを導入した状態で電源接続端子を介してメタルマスクM11に高周波電力を印加する。これにより成膜装置のチャンバー内にプラズマを発生させ、メタルマスクM11の表面に存在する汚れを除去した後、雰囲気ガスを導入して、プラズマアシストCVD処理によりメタルマスクM11の表面に炭化水素膜12が形成した。
このようにして、はんだペースト転写パターンを形成したメタルマスクM11の少なくともはんだペースト転写パターン形成部の表面(開口部内を含むメタル13露出部及び乳剤14露出部)に撥液性の炭化水素膜12を形成した。
スキージ1は、ステンレス鋼製の芯材102の周囲にウレタン樹脂101で覆い、その表面に撥液性の膜103を形成した。また、スキージ1のメタルマスクM11と接する先端部には、円弧状の凹形状部8が形成されている。印刷する際には、スキージ1に印圧が付与され、メタルマスクM11のメタルマスク表面に押し付けられた状態で、スキージ1を印刷方向2に動作することにより、はんだペースト9をメタルマスクM11の開口部を通過してプリント配線基板P11上のパッド部に転写することが出来る。
図5に示すスキージ1’は、一般的な印刷に使用されているプリウレタン樹脂からなる平スキージである。
図1(a)又は図5(a)に示すように、プリント配線基板P11には、各種電子部品(C1、C2、C3)に対応したパッド部(P1、P2、P3)が形成されている。プリント配線基板P11は、基材がガラスエポキシ(ガラス繊維を編みこんだものをエポキシ材料で固めたもの)系材料である。また、プリント配線基板P11の高密度配線化に伴い、プリント配線基板P11に形成される銅配線の幅が狭くなってきている。銅配線の抵抗はその断面積により決まることから、銅配線の低抵抗化を実現するため、銅配線の厚さが高くなる傾向にあり、銅配線の段差が大きくなっている。そのため、プリント配線基板P11に形成された銅配線の段差により、ソルダーレジストP4にも大きな凹凸が形成されている。プリント配線基板P11の印刷面には、その前工程において施されたソルダーレジストP4や電極配線(図示せず)等による20μm〜80μm程度の凹凸が存在しているため、ステンレス鋼からメタルマスクM11は、印刷時にこれらプリント配線基板P11の凹凸により局所的に上方へと押し上げられメタルマスクM11とプリント配線基板P11との間に隙間が形成されている。この状態で、プリント配線基板P11の印刷面の凸部により盛り上がったメタルマスクM11の凸部をスキージ1が通過すると、両者の間にギャップが生じることになり、その隙間からはんだペースト9が滲み出し、印刷不良を引き起こす原因となる。
大形の電子部品C1を搭載するパッド部P1は、そのパッド間にソルダーレジストP4が形成されていないが、パッド部P1の外側には、パッド部P1の上にもソルダーレジストP4が形成されている。そのため、メタルマスクM11は、プリント配線基板P11と接した状態ではパッド部P1の外周に形成されたソルダーレジストP4上にあり、パッド間はメタルマスクM11と接触することができない。
フリップチップC2を搭載するパッド部P2は、そのパッド間が狭ピッチなため、ソルダーレジストP4の解像ができないために形成されていない。また、パッド部P2の外側には、パッド部P2の側面にソルダーレジストP4が形成されている。フリップチップC2を搭載するパッド部P2の高さは同一である。しかし、メタルマスクM11は、プリント配線基板P11と接した状態ではパッド部P1やP3の外周に形成されたソルダーレジストP4上にあり、フリップチップC2用のパッド部はメタルマスクM11と接触していない。フリップチップC2のバンプピッチは非常に狭いため、大形電子部品C1や小形電子部品C3と同時にはんだペースト9を印刷で形成すると、メタルマスクM11に形成した開口部M2のアスペクト比(メタルマスク厚/開口幅)が非常に大きくなり、はんだペースト9を吐出することが非常に難しくなる。
本実施例1で使用したフリップチップC2のバンプ径はφ50μmで、そのバンプ中心間のピッチは80μmである。メタルマスクM11には、厚さ50μmのメタル13に、乳剤14を20μmの厚さに形成しているため、メタルマスクM11の厚さは70μmである。メタルマスクM11の開口部M2のアスペクト比(メタルマスク厚/開口幅)は1.4になり、通常の印刷法でははんだペースト9を吐出することが非常に困難である。比較例のメタルマスクM11’では、厚さ50μmのメタル13’であり、メタルマスクM11’の開口部M2’のアスペクト比(メタルマスク厚/開口幅)は1.0になる。このアスペクト比であっても、通常の印刷法でははんだペースト9を吐出することが非常に困難である。
一般的に、アスペクト比(メタルマスク厚/開口幅)が0.5を超えるとはんだペーストを印刷できないといわれている。
本発明の実装装置(プリンタ)に搭載したスキージ1は、ステンレス鋼製の芯材102の周囲にウレタン樹脂101で覆い、その表面のはんだペースト9と接触する部分に撥液性の膜103を形成しており、吐出性を向上するため、スキージ1のメタルマスクM11と接する先端部には、円弧状の凹形状部8を形成した。この円弧状の凹形状部8内で、はんだペースト9が強制的にローリングを行い、はんだペースト9をメタルマスクM11の開口部M2を通過してプリント配線基板P11上のパッド部P2に転写することが出来た。
撥液性の膜103としては、炭素化合物ガスを用いたプラズマCVD(Chemical Vaper Deposition)により、ウレタン樹脂101の先端部付近の表面のはんだペースト9と接触する部分の表面に、撥液性を有するダイヤモンドライクの炭化水素の膜(ダイヤモンドライクカーボン膜)を形成した。
撥液性の膜103の別の形成方法としては、アルコキシシラン含有溶液をスプレー法により塗布して乾燥させることにより、スキージ1のウレタン樹脂101の先端部付近の表面のはんだペースト9と接触する部分の表面に撥液性を有するSiO2を形成することが出来る。
撥液性の膜103の更に別の形成方法としては、スキージ1の少なくともペースト9が接触する部分にテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)をウレタン樹脂に混合し、スプレー法により塗布してスキージの硬化と同様の温度プロファイルで加熱硬化することにより、スキージ1の表面に撥液性を有するテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)を膜形成領域全面に亘って均一に分散した膜を形成することが出来る。
このスキージ1を用いてはんだペースト9をメタルマスクM11の開口部M2を通過してプリント配線基板P11上のパッド部P2に転写するメカニズムについて、図6A及び図6Bを用いて詳細に説明する。
先ず、スキージ1をメタルマスクM11に押し当てながら矢印2の方向に移動させたときに、表面に撥液性の膜103が形成された円弧状の凹形状部8Lからはんだペースト9がメタルマスクM11に形成されたパターン開口部M1、M2、M3を介してプリント配線基板P11上のパッド部P1上に充填される様子を図6Aの(a)〜(e)まで時系列的に並べて模式的に説明する。
図6Aの(a)は、スキージ1の先端の表面に撥液性の膜103が形成された円弧状の凹形状部8が、メタルマスクM11に形成された開口部M1に到達する前の状態を示している。スキージ1は、円弧状の凹形状部8の角部81がメタルマスクM11の表面に押し当てられた状態で円弧状の凹形状部8のもう一方の角部82がメタルマスクM11の表面に対して隙間が空き、角部82近傍の円弧状の凹形状部8の接線方向が図6Aの状態で右下がりになるような状態に設定されている。これにより、円弧状の凹形状部8とメタルマスクM11の表面とで形成される領域は、スキージ1の円弧状の凹形状部8の角部82とメタルマスクM11の表面とで形成されるはんだペースト9の入口(出口)の間隔よりも内部の間隔の方が大きい、内部が膨らんだ空間が形成される。
図6Aの(a)に示したようなスキージ1の円弧状の凹形状部8の角部81がメタルマスクM11に押し当てられた状態で、スキージ1をメタルマスクM11に対して矢印2の方向に移動させると、スキージ1の進行方向前面に供給されたはんだペースト9はスキージ1の先端のはんだペースト初期接触面104で押されてスキージ1と同じ方向に移動する。スキージ1と同じ方向に移動するペースト9の一部は、スキージ1の先端部分の表面に撥液性の膜103が形成された円弧状の凹形状部8の先端のメタルマスクM11の側に突き出している角部82とメタルマスクM11との間の隙間G(図6B参照)から円弧状の凹形状部8の内側に入り込む(図6Aの(a)の(イ)、図6Bの(イ)〜(ロ))。
スキージ1の円弧状の凹形状部8とメタルマスクM11とで形成される領域の内側に入り込んだはんだペースト9は、メタルマスクM11に押し当てられている円弧状の凹形状部8の角部81に突き当たって上方に逃げる(図6Aの(a)の(ロ)、図6Bの(ハ))。上方に逃げたペースト9は、表面に撥液性の膜103が形成された円弧状の凹形状部8に沿って隙間Gの側に進み(図6Bの(ニ)〜(ホ))、隙間Gからスキージ1のはんだペースト初期接触面104の側に押出される(図6Aの(a)の(ハ)、図6Bの(ト))。
スキージ1が矢印2の方向に更に進んで図6Aの(b)のようにスキージ1の円弧状の凹形状部8の先端の角部82がメタルマスクM11に形成された開口部M1の上方に到達すると、隙間Gからスキージ1の円弧状の凹形状部8の角部82とメタルマスクM11との隙間Gから矢印(ハ)に沿ってはんだペースト初期接触面104の側に押出されていたはんだペースト9の一部が開口部M1に押し込まれる(図6Bの(ヘ))。
スキージ1が矢印2の方向に更に進んで図6Aの(c)のようにスキージ1の先端の円弧状の凹形状部8の角部82がメタルマスクM11の開口部M1の上方を通過して円弧状の凹形状部8が開口部M1の上方に到達すると、はんだペースト9を開口部M1に押し込む力が作用しなくなり、図6Aの(a)の状態と同じようにスキージ1の円弧状の凹形状部8の先端の角部82とメタルマスクM11との間の隙間Gから円弧状の凹形状部8の内側に入り込んだペースト9は、表面に撥液性の膜103が形成された円弧状の凹形状部8の上面に沿って隙間Gからスキージ1のはんだペースト初期接触面104の側に押出される(図6A(c)の(ハ))。
スキージ1が矢印2の方向に更に進んで図6Aの(d)のようにメタルマスクM11に押し付けられているスキージ1の円弧状の凹形状部8の角部81がメタルマスクM11の開口部M1の上方に到達する。ここで、表面に撥液性の膜103が形成された円弧状の凹形状部8の内部で角部81に突き当ったはんだペースト9の一部はメタルマスクM11の開口部M1に押し込まれて残りは上方に逃げて(図6A(d)の(ロ))、円弧状の凹形状部8の上面に沿って隙間Gからスキージ1のはんだペースト初期接触面104の側に押出される(図6A(d)の(ハ))。
スキージ1が矢印2の方向に更に進んで図6Aの(e)のように、スキージ1の円弧状の凹形状部8の角部81がメタルマスクM11の開口部M1を通り過ぎると開口部M1によるパッド部P1上へのはんだペースト9によるパターン形成は、終了する。
このように、円弧状の凹形状部8が形成されたスキージ1を用いることにより、メタルマスクM11の開口部M1にはんだペースト9を、図6Aの(b)の状態と(d)の状態との2回に亘って押し込むので、開口部M1にはんだペースト9を確実に充填することができる。
ここで、図6Aの(b)において、はんだペースト9がスキージ1の表面に撥液性の膜103が形成された円弧状の凹形状部8の内部でローリングしてその一部がメタルマスクM11の開口部M1の内部に押し込められる状態について図6Bを用いて更に詳しく説明する。
図6Bでは、スキージ1先端の表面に撥液性の膜103が形成された円弧状の凹形状部8におけるはんだペースト9のスキージ1との相対的な位置の変化を、矢印で示す。なお、図6Bにおいてはんだペースト9の動きを示す矢印に付した(イ)〜(ト)は、図6Aに記載した(イ)〜(ホ)とは直接的には関連しない。
スキージ1の円弧状の凹形状部8の下端のエッジ部81がメタルマスクM11に押し付けられた状態で、矢印2の方向に進むとき、スキージ1の前方に供給されたはんだペースト9は、スキージ1に形成された円弧状の凹形状部8のメタルマスクM11と接触している側と反対側の端部82とメタルマスクM11との間の隙間Gから、矢印(イ)に沿って表面に撥液性の膜103が形成された円弧状の凹形状部8とメタルマスクM11とで形成される空間の内部に入り込み、矢印(ロ)の方向に進む。
このとき既に矢印(ロ)の位置に存在していたペースト9は、矢印(イ)の方向から進んできたはんだペースト9により、矢印(ロ)の方向に沿って円弧状の凹形状部8の端部81の側に押し出される。端部81はメタルマスクM11と接触しているために、端部81に到達したはんだペースト9は矢印(ハ)の方向に沿って上方に押し上げられ、その後、矢印(ニ)に沿って隙間Gの方向に押し戻される。
これにより既に矢印(ハ)及び矢印(ニ)の位置に存在していたはんだペースト9は円弧状の凹形状部8の壁面に形成された撥液性の膜103に沿って(ニ)の位置から更に逆の方向に押し戻されて端部82Lの接線方向に沿った下向きの力を受けて矢印(ホ)の方向に押し出される。矢印(ホ)の方向に押し出されたはんだペースト9は、接線の方向が図6Bで右側に下がっている端部82の先端部で更に下向きの力を受けて押し出され、その一部は矢印(ヘ)に沿ってメタルマスクM11に形成された開口部M1の内部に押し込まれて、開口部M1の内部がはんだペースト9で充填され、プリント配線基板P11上のパッド部P1と接続する。
開口部M1に入りきれなかったはんだペースト9は、端部82とメタルマスクM11との隙間Gから矢印(ト)に沿ってスキージ1のペースト初期接触面104の側に排出される。即ち、円弧状の凹形状部8とメタルマスクM11とで形成される領域の内部に入り込んだはんだペースト9が、表面に撥液性の膜103が形成された円弧状の凹形状部8の内部でローリングして再び円弧状の凹形状部8の外部に排出される。
このようにして、スキージ1が矢印2の方向に進むときにスキージ1に形成された円弧状の凹形状部8の端部82とメタルマスクM11との間の隙間Gから円弧状の凹形状部8とメタルマスクM11とで形成される領域の内部に入り込んだはんだペースト9は、表面に撥液性の膜103が形成された円弧状の凹形状部8の壁面に沿ってローリングして端部82とメタルマスクM11との間の隙間Gから円弧状の凹形状部8の外側に排出されるときにはんだペースト9は下向き即ちプリント基板P11に押し付けられる力を受け、その一部がメタルマスクM11に形成された開口部M1の内部に押し込まれることにより、開口部M1の内部に確実にはんだペースト9が充填される。
小形の電子部品C3を搭載するパッド部P3は、そのパッド間及びパッド部P3の周辺にソルダーレジストP4が形成されている。そのため、メタルマスクM11は、プリント配線基板P11とパッド部P3に形成されたソルダーレジストP4とが接している。小形電子部品C3の場合は、はんだペースト9の転写量が大形電子部品C1ほど必要がなく、はんだペースト9の転写量を少なくする工夫が必要である。
図1の(a)は、メタルマスクM11とプリント配線基板P11とを対向させ、メタルマスクM11に形成した開口部M1、M2、M3とプリント配線基板P11上のパッド部P1、P2、P3とを位置合わせしている状態である。一方、比較例の図5(a)の場合も同様である。
図1の(b)は、メタルマスクM11とプリント配線基板P11とを接触させ、スキージ1ではんだペースト9をメタルマスクM11の開口部(M1、M2、M3)からプリント配線基板P11のパッド部(P1、P2、P3)に転写している状況である。
図1の(b)に示したスキージ1には、ステンレス鋼製の心材102があるため、剛性が高く、メタルマスクM11の開口部内へのめり込みが少なく、メタルマスクM11内へはんだペースト9を充填できている。図5の(b)に示したスキージ1’は、平スキージのため、印刷時の印圧により変形し、メタルマスクM11’の開口部M1’内のはんだペースト9を掻き出している。
図1の(b)では、メタルマスクM11の形成した乳剤14が印刷時の印圧により変形し、メタルマスクM11とプリント配線基板P11とが密着している。そのため、ソルダーレジストP4がないパッド部P1の外周部に隙間が生じることがない。図5の(b)では、メタルマスクM11’とプリント配線基板P11との間に隙間があり、はんだペーストがその隙間に流出している。
図1の(c)は、はんだペーストの印刷が完了し、メタルマスクM11とプリント配線基板P11との版離れを行った状態である。メタルマスクM11の露出部に撥液性の炭化水素膜12が形成されているため、はんだペースト9を良好に離型することができた。
一方、比較例の図5の(c)にもはんだペーストの印刷が完了し、メタルマスクM11とプリント配線基板P11との版離れを行った状態を示すが、各種電子部品に対応したパッド部へのはんだペースト転写量にばらつきが生じ、はんだペーストのツノ911が形成されたり、はんだペーストが転写できていないところ912が発生した。
図1の(c)において、大形電子部品C1を搭載するプリント配線基板P11のパッド部P1には、メタルマスクM11の開口部M1に相当する体積のはんだペースト91が転写された。
これに対して、比較例の図5の(c)に示した大形電子部品C1を搭載するプリント配線基板P11のパッド部P1には、メタルマスクM11’の開口部M1’に相当する体積より少ないはんだペースト91’が転写され、メタルマスクM11’の開口部M1’にはんだペースト96’が残存し、メタルマスクM11’裏面(プリント配線基板P11と接する面)にはんだペースト96”が裏回りしている。メタルマスクM11’とはんだペースト9’との離型性が悪いため、プリント配線基板P11上のパッド部P1には、転写されたはんだペースト91’にツノ911が発生している。
図1の(c)に示したフリップチップC2を搭載するプリント配線基板P11のパッド部P2には、メタルマスクM11の開口部M2からはんだペースト92が転写された。しかし、アスペクト比が大きいため、開口部M2に相当する体積を転写することができない。フリップチップC2を搭載する場合には、迎えはんだペーストが必要であるが、はんだペースト転写量として大形電子部品C1ほど大量に転写すると、マウンタでのフリップチップC2搭載時にはんだペースト92がつぶれ、隣接するパッド上のはんだペースト92と短絡することがある。フリップチップC2に必要な量の迎えはんだをメタルマスクM11を介してプリント配線基板P11上に転写す場合には、メタルマスクM11の厚さと開口サイズで制御する必要がある。本実施例1では、吐出性に優れたスキージ1を採用しているため、はんだペースト9の吐出量を少なくするように制御することができた。そのため、フリップチップC2を搭載するためのメタルマスクM11の開口部M2内には、一定の量のはんだペースト94が残存している。
一方、図5の(c)のフリップチップC2を搭載するプリント配線基板P11のパッド部P2’には、メタルマスクM11’の開口部M2’からパッド部P2に転写されるはんだペースト92’の量に差が生じ、適正なはんだペースト92’の転写ができなかった。これは、マスクM11´に形成された開口部M2´のアスペクト比が大きいため、平スキージ1’では良好な吐出ができず、はんだペースト9を一定の量で転写することができなかったためである。図5に示した比較例では、メタルマスクM11´と接触する部分に円弧状の凹形状が形成されていない平スキージ1’を採用しているため、はんだペースト9の吐出量を制御することができなかった。そのため、フリップチップC2を搭載するためのメタルマスクM11’の開口部M2’内には、はんだペースト94’が大量に残存している。
図1の(c)に示した小形電子部品C3を搭載するプリント配線基板P11のパッド部P3には、メタルマスクM11の開口部M3からはんだペースト93が転写された。小形電子部品C3を搭載する場合には、パッド部P3に転写されるはんだペースト93の量が大形電子部品C1の場合より少ない量である必要がある。なぜならば、はんだペースト転写量として大形電子部品C1のパッド部P1への転写量と同様に大量に転写すると、マウンタで小形電子部品C3をパッド部P3に搭載する時にはんだペースト93がつぶれてしまい、パッド部P3の間にはんだペーストが流出し短絡してしまうことがある。小形電子部品C3に対応するパッド部P3に適切な量のはんだペースト93を転写すためには、メタルマスクM11の開口部C3の内部に部材M5を形成してはんだペースト93の転写量を制御する必要がある。本実施例1では、吐出性に優れたスキージ1を採用しているため、はんだペースト9の吐出量を少なくするように制御することができた。そのため、小形電子部品C3を搭載するためのメタルマスクM11の開口部M3内には、一定の量のはんだペースト95が残存している。
一方、比較例である図5の(c)の小形電子部品C3を搭載するプリント配線基板P11のパッド部P3’には、大形電子部品C1の場合と同様に、メタルマスクM11’の開口部M3’からはんだペースト93’が転写された。小形電子部品C3を搭載する場合には、パッド部P3に転写するはんだペースト93´の量を大形電子部品C1を搭載するパッド部P1の場合より少なくすることが必要であるが、はんだペースト9’の転写量として大形電子部品C1を搭載するパッド部P1の場合と同様に大量に転写されてしまった。また、メタルマスクM11’とはんだペースト9’との離型性が悪いため、大形電子部品C1と同様にメタルマスクM11’の開口部M3’にはんだペースト95’が不均一に残存している。メタルマスクM11’とはんだペースト9’との離型性が悪いため、プリント配線基板P11上のパッド部P3には、転写されたはんだペースト93’にツノ931が発生している。
図1の(d)は、マウンタにより各種電子部品を搭載した状態を示す図である。各種電子部品の搭載位置に対応したパッド部P1〜P3にそれぞれ適量のはんだペースト9を転写することができているため、各種電子部品とも良好な搭載ができている。
一方、比較例の図5の(d)もマウンタにより各種電子部品を搭載した状態を示す図である。各種電子部品の搭載位置に対応したパッド部P1〜P3にそれぞれ適量のはんだペースト9を転写することができていないため、各種電子部品とも良好な搭載ができていない。
図1の(e)は、各種電子部品を搭載したプリント配線基板P12を熱処理プロファイルを適正化した窒素雰囲気のリフロー炉内で熱処理を加えた後のプリント配線基板P13である。各種電子部品がプリント配線基板P11と良好な接続ができた。
一方、比較例の図5の(e)は、各種電子部品を搭載したプリント配線基板P12を熱処理プロファイルを適正化した窒素雰囲気のリフロー炉内で熱処理を加えた後のプリント配線基板P13’である。大形電子部品C1の搭載箇所では、過剰に転写されたはんだペーストにより局部的に短絡が発生している箇所がある。また、フリップチップC2搭載箇所では、はんだペーストが転写されていないための断線や多く転写された箇所の短絡が見られた。さらに、小形電子部品C3搭載箇所では、過剰に転写されたはんだペーストによりプリント配線基板P11と小形電子部品C3との隙間にはんだペーストが流れ込み短絡を起こした。このように、各種電子部品がプリント配線基板P11と良好な接続ができていない。
そのため、従来の工法では、各種電子部品に対応したメタルマスクを使用し、複数回の印刷を繰り返す必要がある。そのため、製造タクトが長く、生産性に問題がある。
また、一部のプリント配線基板では、リフロー後に再度はんだペーストを印刷する場合もあり、より難易度の高い印刷が必要になる。
実施例1に係るメタルマスク11を搭載するプリンタP1の構成を、図7を用いて説明する。図7は本実施例1のメタルマスクM11を搭載したプリンタP1の正面図である。図7は簡略化のために、装置の架台や側壁、支柱、支持部材などの表示を省略している。
プリンタP1は、メタルマスク部110、被印刷物支持テーブル部23、1対のスキージ部120Lと120R、スキージ駆動機構部130、および制御部21を備えている。
メタルマスク部110は、被印刷物(例えばプリント配線基板)6の所望の回路パターンに対応して穿設されたパターン開口部が設けられたメタルマスク11と、メタルマスク11を囲むテンションメッシュで緊張状態を保持した平面視矩形状の版枠22と、この版枠を支持する支持部材111とを備えて構成されている。被印刷物支持テーブル部23は、被印刷物6を載置するテーブル231、テーブル231に載置された被印刷物6を固定するチャック部232、テーブル231を上下に駆動する上下駆動部233を備えている。スキージ部120Lは、スキージ1L、スキージホルダ3L、スキージホルダ固定治具16L、スキージヘッド15Lエアシリンダ24Lを備えている。スキージ部120Rも同様に、スキージ1R、スキージホルダ3R、スキージホルダ固定治具16R、スキージヘッド15Rおよびエアシリンダ24Rを備えている。エアシリンダ24Lと24Rとは支持部材25に固定されており、エアシリンダ24Lと24Rとそれぞれ接続しているスキージ部120Lとスキージ部120Rとを上下に駆動する。また、支持部材25は、駆動軸27と係合している軸受け部26Lと26Rとで支持されている。駆動軸27はボールねじで構成され、モータ30で回転駆動されることにより駆動軸27と係合している軸受け部26Lと26Rとが図の左右方向に移動し、スキージ部120Lとスキージ部120Rとがガイド軸28に沿って図の左右方向に移動する。駆動軸27とガイド軸28とは、左右1対の固定板29Lと29Rとで支持されている。
制御部21は、プリンタP1の各部の動作を制御する。まず、制御部21からの制御信号で1対のエアシリンダ24Lと24Rとを駆動するエアシリンダ駆動部31を制御することにより、1対のエアシリンダ24Lと24Rとをそれぞれ駆動する。また制御部21からの制御信号により、モータ30のドライバ部32を制御してモータ30を正逆方向に回転させる。更に、制御部21からの制御信号により、被印刷物支持テーブル部23のチャック部232を駆動するチャック駆動部34を制御してテーブル231に載置された被印刷物6を固定するチャック部232の開閉動作を行わせる。更にまた、制御部21からの制御信号により被印刷物支持テーブル部23の上下駆動部233を駆動するテーブル駆動部33を制御して、テーブル231を上下に移動させる。更にまた、制御部21からの制御信号により被印刷物支持テーブル部23のチャック232の駆動部34を制御してチャック232の開閉を行う。
以上の構成を備えたプリンタの動作について図8のフロー図を用いて説明する。
まず、図示していない搬送手段により被印刷物6を搬送して被印刷物支持テーブル23上に載置し(S201)、チャック部232で被印刷物6を被印刷物支持テーブル23上に固定して保持する。次に、テーブル駆動部32で上下駆動部233を駆動してテーブル231を上昇させ(S202)、被印刷物6をメタルマスク部110のメタルマスク11に密着させる。次にエアシリンダ駆動部31でエアシリンダ24Lを駆動してスキージヘッド15Lを下降させ(S203)、スキージ1Lをメタルマスク11に密着させる(S204)。このとき、1対のスキージ部120Lと120Rとは、図7の左端の部分に位置している。
次に、この状態で図示していないはんだペースト供給手段によりスキージ1Lの近傍にはんだペーストを供給する(S205)。はんだペーストが供給されたら、ドライバ部32を制御してモータ30を駆動し、ボールねじで構成された駆動軸27を回転させることにより1対のスキージ部120Lと120Rとその先端に取り付けたスキージ1Lをメタルマスク11に押し付けた状態でメタルマスク11に沿って図3の左側から右側に向けて移動させることによりはんだペーストによるメタルマスク11のパターンを被印刷物6上に印刷する(S206)。スキージ1Lが所定の距離移動した後、ドライバ部32はモータ30の駆動を停止してスキージ1Lの移動を停止させる。
次にエアシリンダ駆動部31でエアシリンダ24Lを駆動してスキージヘッド15Lを上昇させ(S207)、スキージ1Lをメタルマスク11から引き離す。次に、テーブル駆動部33で上下駆動部233を制御してテーブル231を下降させ(S208)、チャック部232で保持された被印刷物6をメタルマスク11から引き剥がす。テーブル231が下降端に達したら上下駆動部233によるテーブル231の加工は停止し、チャック駆動部34を制御して被印刷物6を保持しているチャック部232を開放し、図示していないハンドリング手段により被印刷物6をテーブル231から取り外す(S209)。この取り出した基盤が処理する最後の基板であるか否かを判定し(S210)、最後の場合には処理を終了する。
一方、次に処理する基板が有る場合には、S201からの処理フローを再び実行する。ただし、この場合には、S203でスキージヘッド15Rを下降させ、S204、S206、S207ではスキージ1Lを1Rに置き換えた処理を行う。また、メタルマスク11に密着させたスキージ1Rを図1の右側から左側に向けて移動させて印刷を行う。このように、スキージ1Lと1Rとを交互に用いて印刷を行うことにより供給されたはんだペーストは常にメタルマスクと密着しているスキージの進行方向に対して前方に有ることになり、はんだペーストを有効に使うことができる。
このように、本実施例1のメタルマスクM11をプリンタに搭載し、スキージ1L、1Rを用いて印刷することにより、メタルマスクM11の開口部における開口面積の大小に関わらず、一回の印刷工程で、はんだペースト9を精度良く安定してプリント配線基板P11に転写することができるようになった。
このようにしてはんだペースト9が転写されたプリント基板P11´に図示していないマウンタで各種電子部品を搭載してプリント基板P12を作成し、このフリップチップや各種電子部品を搭載したプリント基板P12を窒素雰囲気のリフロー炉内で熱処理を加えることにより、各種電子部品をはんだ接続により精度良く実装したプリント配線基板P13を作成することができるようになった。
エリアアレイバンプ型フリップチップ実装用チップおよびプリント配線板を用いて、迎えはんだ印刷の位置ずれ状況を検証した。はんだ印刷法に使用したメタルマスクは、本実施例による電鋳法(めっきプロセス)で開口部を形成したメタルマスクと、図5で説明した比較例で説明したレーザ加工法で開口部を形成したメタルマスクの2種類のメタルマスクによる印刷性の差を検証した。
図1及び図5で説明したように、ソルダーレジスト直下の銅配線により、フリップチップ実装用プリント配線板の表面に約5μmの段差が形成されている。そのため、メタルマスクのみではメタルマスクとプリントプリント配線板の間に段差が生じ、十分に密着できていないと思われる。そのため、局部的に10μm程度の位置ずれが生じ、ソルダーレジスト開口部内にはんだペーストが十分に充填せず、電極パッド部が露出している箇所が見られた。これは、メタルマスク露出部全面に撥液性のADC処理を施したため、スキージとメタルマスクとの摩擦が低減したためと思われる。
また、このプリント配線板は、電極パッドがソルダーレジストで囲まれているため、はんだペーストがソルダーレジスト上に留まったが、狭ピッチ対応の電極バンプでは、電極パッド間にソルダーレジストが無いため、接続不良の原因になる可能性があると思われる。
一方、電鋳法で作製したメタルのプリントプリント配線板側に乳剤を形成したメタルマスクでは、はんだ印刷時のスキージに付加した印圧で柔軟性のある乳剤が変形し、プリント配線板の表面に段差があってもメタルマスクとプリントプリント配線板との間を密着することができる。また、電鋳法により作製したメタルマスクは、めっきレジストをフォトリソで形成するため、高精度に開口パターンを形成することができる。そのため、エリアアレイバンプ型フリップチップ実装用プリント配線板の全てのソルダーレジスト開口部内にはんだペーストが十分に充填したものと考えられる。レーザ加工により製造したメタルマスクに比べ、電鋳法により製造したメタルマスクは、狭ピッチのフリップチップ実装用プリント配線板には、有効と考えられる。
次に、フリップチップや各種電子部品をプリント基板P12搭載した後にプリント基板P12を窒素雰囲気のリフロー炉内で熱処理を加えるプロセスについて説明する。各種電子部品を搭載したプリント基板P12を窒素雰囲気のリフロー炉内で熱処理するプロセスにおいては、窒素リフロー炉の窒素リフロー工程(75ppm未満の低酸素濃度)により、溶融したはんだによりフリップチップや各種電子部品のバンプとプリント配線板のパッドとを接続し、フリップチップや各種電子部品を実装したプリント配線板を超音波洗浄後、アンダーフィルを充填し、熱硬化する。
リフロー工程中に、はんだが溶融する際にはんだが電極パッドに吸い寄せられ、電極パッド部全面を覆うようにはんだが形成される。フリップチップとプリント配線板との間に適正な量のはんだが存在する場合には、フリップチップ側のパッドとプリント配線板側のパッドとの間に存在するはんだが、それらのパッドをひきつける役目を果たすことができる。この現象をセルフアライメントという。搭載したフリップチップや各種電子部品とプリント配線板との間に適正な量のはんだが存在する場合には、マウンタの搭載精度よりフリップチップや各種電子部品の実装載位置精度が良好になる。はんだ量が少ない場合には、フリップチップや各種電子部品側の電極パッドとプリント配線板側の電極パッドとをひきつけることができず、マウンタでフリップチップや各種電子部品をプリント配線板に搭載した位置で固定されるため、フリップチップ実装載位置精度は、マウンタの搭載精度となる。また、はんだ量が過剰に多い場合には、パッド間のはんだが相互に融着し、短絡を起こすことが懸念され、相互にはんだがパッド位置にひきつけるため、フリップチップ搭載位置が不安定になる可能性がある。同様に、はんだペースト印刷時の電極パッド間へのはんだペーストの流出による電極パッド間の短絡が無ければ、若干のはんだペーストの印刷位置ずれがあっても許容できる。
従来のフラックス転写法は、マウンタ内でフラックス転写を行う必要があり、スループット向上には限界があると考えられる。スループットを向上するには、フラックスを印刷するか迎えはんだ印刷法を用いることで、プリンタとマウンタとのライン構成で機能分離することが有効と考えられる。以下に実施例2として、フラックスを転写するプリンタとフリップチップなどの電子部品を搭載するマウンタとのライン構成で機能分離した構成について説明する。
実施例1と同様の方法ではんだペースト9をプリント配線基板P11に転写し、各種電子部品を実装したプリント配線基板P13を作成した。メタルマスクM11、スキージ1などの構成は、実施例1で説明したものと同様である。
以下、本発明の実装装置を用いた具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。図9は一部省略した電子部品の実装装置J1を示し、図10はプリンタの要部(印刷ステーション)の正面図、図11Aはプリンタの要部の右側面図、図11BはスキージJ33Bの先端部分付近の拡大図、図12は電子部品を装着するマウンタの平面図、図13はプリンタのマーク検出ステーションの斜視図、図14はプリンタとマウンタの制御ブロック図、図15はプリンタのバッドマーク検出装置のブロック図を示す。
先ず、図9において、本発明の実施形態の電子部品の実装装置J1は、メタルマスク上のはんだペースト或いはフラックスをスキージを移動させることによりプリント配線基板P上、即ちランド上に印刷用パターン孔を介して塗布するプリンタJ2、プリント配線基板上に前記はんだペースト或いはフラックスを介して電子部品を装着するマウンタJ3、J4を備え、それぞれは例えばLANJ101で接続されている。
プリンタJ2の印刷ステーションJ201は、図10に示すように、基台J11上に設置された基板支持テーブルJ12と、この基板支持テーブルJ12の上方に配置されたメタルマスク支持手段J13と、基板支持テーブルJ12とメタルマスク支持手段J13の間に配置され基板支持テーブルJ12によって支持されたプリント配線基板Pに対角線上の位置に付された基板認識マークKMを撮像する第1撮像手段J14と、メタルマスク支持手段J13の上方に配置されメタルマスク支持手段J13に支持されたメタルマスクSに付されたメタルマスク認識マークを撮像する第2撮像手段J15と、メタルマスクSの上方に配置された一対の印刷ヘッドJ16A、J16B(図11A参照)と、基板Pを基板支持テーブルJ12上に供給する供給コンベアJ17と、基板Pを基板支持テーブルJ12上から排出する排出コンベアJ18と、第1及び第2撮像手段J14、J15で撮像した画像を映し出す後述のモニタJ47(図14参照)とを備えている。
前記基板支持テーブルJ12は、水平方向に延びるX軸の方向(図10参照)に移動するための第1移動機構J21と、この第1移動機構J21上に設けられ水平面内で回転するための回転機構J22と、この回転機構J22上に設けられ垂直方向に延びるZ軸の方向に移動するための第2移動機構J23と、この第2移動機構J23上に設けられた基板支持プレートJ24と、この基板支持プレートJ24の上面に設けられ基板PをX軸方向に搬送する搬送機構(図示せず)とを備えている。
前記メタルマスク支持手段J13は、メタルマスクSの下面の周縁部を支持するメタルマスク支持枠J25と、該メタルマスク支持枠J25の上方に配置されメタルマスクSをメタルマスク支持枠J25に圧接する1対のシリンダJ26と、水平方向に延びるY軸の方向に移動するための移動機構J27とを備えている。
第1撮像手段J14は、基板認識カメラJ28と、この基板認識カメラJ28をX軸及びY軸方向に移動させる移動機構J29と、基板支持テーブルJ12上の基板Pに光を照射する照明装置(図示せず)とを備えている。また、第2撮像手段15は、メタルマスク認識カメラJ31と、このカメラJ31をX軸方向に移動させる移動機構J32と、基板支持テーブルJ12上の基板Pに光を照射する照明装置(図示せず)とを備えており、カメラ31は印刷ヘッド16A、16Bの移動機構J34によってY軸方向に移動するようになっている。
なお、図11Aに示すように、印刷ヘッドJ16A、J16BはY軸方向に間隔をおいて配置され、下端部にそれぞれスキージJ33A、J33Bが取り付けられており、前記移動機構J34によって同時にY軸方向に移動すると共に垂直移動機構J35A、J35Bによってそれぞれ個別にZ軸方向に移動する。そして、印刷ヘッドJ16A、J16Bが図11Aの左方向へ移動する際には右側の印刷ヘッドJ16Aが下降してスキージJ33AがメタルマスクS上を摺動し、図11Aの右方向へ移動する際には左側の印刷ヘッドJ16Bが下降してスキージJ33BがメタルマスクS上を摺動する。したがって、印刷ヘッドJ16A、J16Bの一回の往復移動で二回の印刷処理が行われる。ここで、スキージJ33A及びスキージJ33Bの印刷ヘッドJ16A及びJ16Bへの取り付けは、実施例1で説明した図7に示した場合のように、逆ハの字型に取り付けてもよい。
図11Bは、スキージJ33Bの先端部分を拡大した図である。スキージJ33Bの先端部分のメタルマスクSと接触する側には、実施例1において図6A及び図6Bを用いて説明したのと同様に、円弧状の凹部8´が形成されている。この円弧状の凹部8´の一方の端部81´はマスクと接触し、他方の端部82´は、図6Bで説明したように、マスクSとの間にギャップGが形成されるようにして印刷ヘッドJ16Bに取り付けられている。また、この円弧状の凹部8´を含むはんだペーストと接触する部分には、実施例1で説明したように撥液性の膜103´が形成れている。
前記供給コンベアJ17は基板支持テーブルJ12を図10の左方向に移動させることによって基板支持テーブルJ12と連結され、この状態で供給コンベアJ17を駆動すると基板支持テーブルJ12の搬送機構が連動するようになっている。また、排出コンベアJ18は、基板支持テーブルJ12を図10の右方向に移動させることによって基板支持テーブルJ12と連結され、この状態で排出コンベアJ18を駆動すると基板支持テーブルJ12の搬送機構が連動するようになっている。
また、供給コンベアJ17はその下流側が印刷ステーションJ201の上流側に位置したマーク検出ステーション(以下、検出ステーションという)J102に延びている。
以下、検出ステーションJ102に設けられたマーク検出装置J103について、図10及び図13に基づいて説明する。J104はマークセンサであり、Y軸方向に延びたビームJ105沿い後述するY軸駆動モータJ106によって移動可能に設けられている。このマークセンサJ104は、例えば反射型のセンサであり、発光部であるLEDから下方へ発光し、反射して戻ってきた光を受光し、受光量に基づいてマークを検出する。また、ビームJ105はX軸方向に延びたビーム駆動軸J107に沿い後述するX軸駆動モータJ111によってX軸方向に移動可能に設けられている。
次に、図12のマウンタJ3の平面図に基づき説明すると、該マウンタJ3の基台J52上には種々の電子部品を夫々その部品取出し部(部品吸着位置)に1個ずつ供給する部品供給ユニットJ53が複数並設されている。対向する部品供給ユニットJ53群の間には、供給コンベアJ54、位置決め部J55及び排出コンベアJ56が設けられている。
J58A、J58BはX方向に長い一対のビームであり、夫々Y軸モータJ59の駆動によりネジ軸J60を回転させ、左右一対のガイドJ61に沿ってプリント配線基板Pや部品供給ユニットJ53の部品吸着取出し位置上方を個別にY方向に移動する。そして、各ビームJ58A、J58Bにはその長手方向、即ちX方向にX軸モータJ62(図14参照)によりガイド(図示せず)に沿って移動する装着ヘッドJ57A、J57Bが夫々設けられている。各装着ヘッドJ57A又はJ57Bには2本の吸着ノズルJ67を上下動させるための上下軸モータJ63がそれぞれ2個搭載され、また鉛直軸周りに回転させるためのθ軸モータJ64がそれぞれ2個搭載されている。従って、2個の装着ヘッドJ57A、J57Bの各吸着ノズルJ67はX方向及びY方向に移動可能であり、垂直線回りに回転可能で、かつ上下動可能となっている。
J66は部品認識カメラで、吸着ノズルJ67に吸着保持された電子部品を撮像する。J68は基板認識カメラで、前記プリント配線基板Pに付された位置決めマークである基板認識マークKMを撮像する。
次に図14のプリンタJ2とマウンタJ4の制御ブロック図について説明する。初めにプリンタ2について説明すると、J43は統括制御装置としてのCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)であり、J44は記憶装置としてのRAM(ランダム・アクセス・メモリ)で種々の情報が格納されている。そして、前記RAM:J44に格納された印刷動作及びマーク検出に係わる種々の情報に基づき、記憶装置としてのROM(リ−ド・オンリー・メモリ)J45に格納された印刷動作及びマーク検出動作に係わる動作プログラムに従って印刷動作及びマーク検出が行われる。
J46はインターフェースであり、モニタJ47、タッチパネルスイッチJ48、駆動回路J49、認識処理装置J50及びマーク検出装置J103等が接続されている。そして、前記モニタJ47には種々の前記タッチパネルスイッチJ48が設けられ、作業者がタッチパネルスイッチJ48を操作することにより、印刷及びマーク検出に係る種々の設定を行うことができる。
また、マーク検出装置J103のY軸駆動モータJ106は、マークセンサY軸駆動モータ用ドライバ(以下、Y軸駆動ドライバという。)J110を介してインターフェースJ46に接続されている。また、X軸駆動モータJ111は、マークセンサX軸駆動モータ用ドライバ(以下、X軸駆動ドライバという。)J112を介してインターフェースJ46に接続されている。
次にマウンタJ4について説明すると、マウンタJ4の各要素はCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)J71が統括制御しており、この制御に係るプログラムを格納するROM(リ−ド・オンリー・メモリ)J72及び各種データを格納するRAM(ランダム・アクセス・メモリ)J73が接続されている。また、CPU:J71には操作画面等を表示するモニタJ75及び該モニタJ75の表示画面に形成された入力手段としてのタッチパネルスイッチJ76がインターフェースJ77を介して接続されている。また、X方向に長い前後一対のビームJ58A、J58BをY方向に移動させるY軸モータJ59、前記各ビームJ58A、J58Bに沿って吸着ノズルJ67を備えた装着ヘッドJ57A、J57BをX方向に移動させるX軸モータJ62、吸着ノズルJ67を上下動させるための上下軸モータJ63、吸着ノズルJ67を鉛直軸周りに回転させるためのθ軸モータJ64等が駆動回路J78、インターフェースJ77を介して前記CPUJ71に接続されている。
前記RAM:J73には、部品装着に係るプリント配線基板Pの種類毎に装着データが記憶されており、その装着順序毎(ステップ番号毎)に、プリント配線基板P内での各電子部品の装着座標のX方向、Y方向及び角度情報や、電子部品を供給する各部品供給ユニットの配置番号情報等が格納されている。また前記RAM:J73には、前記各部品供給ユニットの部品供給ユニット配置番号に対応した各電子部品の種類の情報、即ち部品配置データが格納されており、更には形状データ・認識データ・制御データ・部品供給データから成る部品ライブラリデータが格納されている。
J79はインターフェースJ77を介して前記CPU:J71に接続される認識処理装置で、前記吸着ノズルJ67に吸着保持された電子部品を部品認識カメラJ66により撮像された画像の認識処理や、プリント配線基板Pに付された基板認識マークKMを基板認識カメラJ68により撮像された画像の認識処理が該認識処理装置J79にて行われ、CPU:J71に処理結果が送出される。即ち、CPU:J71は部品認識カメラJ66により撮像された画像を認識処理(位置ずれ量の算出など)するように且つ基板認識カメラ68により撮像された画像の認識処理するように指示を認識処理装置J79に出力すると共に、認識処理結果を認識処理装置J79から受取るものである。
そして、インターフェースJ77がLAN:J101を介してプリンタJ2のインターフェースJ46に接続されている。
次に、互いに独立した回路が形成された複数の領域をもつ割り基板(多面取基板)であるプリント配線基板Pに印刷するときのプリンタJ2の動作を説明する。先ず、プリント配線基板Pを検出ステーションJ102で供給コンベアJ17上に載置すると、フォトセンサ(図示せず)がこれを検知して基板ストッパ(図示せず)が下降し、基板Pを搬送中に動かないように押さえる。
そして、検出ステーションJ102において、CPU:J43から駆動信号がX軸駆動ドライバJ112に出力され、X軸駆動モータJ111が駆動してビームJ105がX軸方向に移動し、更に、CPU:J43から駆動信号がY軸駆動ドライバJ110に出力され、Y事軸駆動モータJ106が駆動してマークセンサJ104がビームJ105に沿って移動し、割り基板の領域(以下、割り基板部という。)J124ごとに割り基板部に付された不良の旨を表すマークJ123(図16参照)を検出する。
このように、印刷ステーションJ201で塗布される前に、その上流側に位置した検出ステーションJ102でマークセンサJ104によってプリント配線基板のマークを検出するので、マークを確実に検出することができ、誤ったマークについての情報が下流側のマウンタに送られることを回避できる。
そして、マークセンサJ104がマークJ123を検出したときには、検出したマークJ123の情報、即ち、マークが付されていた割り基板部J124の番号、プリント配線基板Pの番号等の情報がインターフェースJ46を介してCPU:J43へ送られ、更に、CPU:J43からRAM:J44に送られて格納される。そして、プリント配線基板Pの総ての割り基板部J124についての検出動作が終了すると、基板支持テーブルJ12が図10の左方向に移動し、供給コンベアJ17と連結される。
そして、供給コンベアJ17が駆動され、これに基板支持テーブルJ12の搬送機構が連動して基板Pが基板支持テーブル12上に搬送され、所定位置に達すると供給コンベアJ17が停止する。そして、位置決め機構(図示せず)によって基板Pが基板支持テーブル12上に位置決めされた後、基板支持テーブルJ12が右方向に移動して最初の位置(以下、「原点位置」と称する。)に復帰する。
次に、第1撮像手段J14の基板認識カメラJ28がX軸方向及びY軸方向に移動してプリント配線基板Pの対角線上の位置の二個の基板認識マークKMを撮像し、その画像は認識処理装置J50により認識処理される。そして、CPU:J43が認識処理装置J50の認識処理結果から基板認識マークKMの位置座標を得て、この位置情報をRAM:J44に格納させる(図14参照)。
また、第2撮像手段J15のメタルマスク認識カメラJ31がX軸方向及びY軸方向に移動してメタルマスクS上の二個のメタルマスク認識マークを撮像し、その画像は認識処理装置J50により認識処理される。そして、CPUJ43が認識処理装置J50の認識処理結果からメタルマスク認識マークSMの位置座標を得て、この位置情報をRAM:J44に格納させる。そして、CPU:J43はRAM:J44に格納された各基板認識マークKMの位置と各メタルマスク認識マークSMの位置とを比較して基板PとメタルマスクSとを相対的に位置決めさせるために位置ズレ量を算出して、RAM:J44に格納させる。このズレ量は、一方のX方向がΔx1で、Y方向がΔy1であり、他方のX方向がΔx2で、Y方向がΔy2である。
従って、このズレ量に基づいて、CPU:J43は基板支持テーブルJ12の移動機構J21、回転機構J22、メタルマスク支持手段J13の移動機構J27を駆動回路J49を介して駆動し、プリント配線基板PとメタルマスクSの相対的な位置ズレを補正して位置決めする。
次に、印刷ヘッドJ16A、J16Bの一方が、例えば右側の印刷ヘッドJ16Aが垂直移動機構J35Aにより下降して、スキージJ33Aが移動機構J34によってY軸方向に移動して、スキージJ33AがメタルマスクS上を摺動することによりメタルマスクSに開設された印刷用パターン孔を介してはんだペースト或いはフラックスであるはんだペーストをプリント配線基板Pのランド上に塗布する。
なお、前記プリンタ2は前記位置ズレ量をRAM:J44に格納する際に、前記マウンタJ4に前記位置ズレ量を送信するので、マウンタJ4のCPU:J71はこの受信した前記位置ズレ量を格納する。
従って、マウンタJ4はプリント配線基板P上に電子部品を装着する際に、この受信した前記位置ズレ量を加味することとなる。
このように、プリンタJ2の印刷ステーションJ201ではんだペーストをプリント配線基板Pのランド上に塗布しているとき、この塗布動作と並行して検出ステーションJ102では、次のプリント配線基板Pが供給コンベアJ17上に載置され、上記の検出動作のときと同様に、マークセンサJ104がビームJ105に沿って移動し、割り基板部J124ごとに割り基板部に付された不良の旨を表すマークJ123を検出する(図16参照)。
そして、マークが検出されたときには、マークJ123の情報がRAM:J44に格納される。
以後、同様に、印刷ステーションJ201でのプリント配線基板P上への塗布動作と並行して検出ステーションJ102では、割り基板部J124ごとにマークJ123の検出動作が行われるので、印刷ステーションJ201での塗布動作へのマークの検出動作の影響を極力少なくすることができ、この結果、塗布動作の遅れを回避し、プリンタJ1でのタクトタイムを極力短くすることができる。
また、塗布動作が終了したプリント配線基板Pは搬出コンベアJ18へ送られる。そして、更に、CPU:J43が搬出コンベア18へ搬送信号を出力すると、同時にCPU:J46はマークJ123の情報をインターフェースJ46及びLAN:J112を介してマウンタJ4に送信する。
この結果、マウンタJ4では、プリンタJ1からプリント配線基板Pが搬送されると同時に、そのプリント配線基板Pに関するマーク情報を受信する。そして、マークJ123の情報を受信したCPU:J71はRAM:J73に格納する。
以下、割り基板であるプリント配線基板Pへの電子部品の装着動作について説明する。
プリント配線基板Pが上流側のプリンタJ1よりマウンタJ3に受継がれて供給コンベアJ54上に存在すると、供給コンベアJ54上のプリント配線基板Pを位置決め部J55へ移動させ、位置決め固定する。そしてRAM:J73に格納された装着データ、即ちプリント配線基板P上の装着すべきXY座標位置、鉛直軸線回りへの回転角度位置及びFDR番号(各部品供給ユニットJ53の配置番号)等が指定された装着データ、更に、上流のプリンタJ1から送信され、RAM:J73に格納されていたバッドマークについての情報に従い、装着すべき電子部品を所定の部品供給ユニットJ53からの吸着ノズルJ67による取出し、及びプリント配線基板Pへの装着が行われる。
即ち、Y方向はY軸モータJ59を駆動させて一対のガイドJ61に沿ってビームJ58A又はJ58Bを移動させ、X方向はX軸モータJ62を駆動させて対応する装着ヘッドJ57A又はJ57Bの吸着ノズルJ67のいずれかを装着すべき電子部品を所定の部品供給ユニットJ53上方に移動させ、上下軸モータJ63を駆動させて吸着ノズルJ67を下降させて電子部品を吸着して取出すこととなる。
更に、部品認識カメラJ66上方に吸着ノズルJ67を移動させながら吸着保持された電子部品を撮像(フライ撮像)して認識処理装置J79で認識処理し、またビームJ58A又はJ58Bをプリント配線基板P上方へ移動させてプリント配線基板Pに付された基板認識マークKMを撮像して認識処理装置J79で認識処理する(図14と同様)。
そして、CPU:J71は前述の位置ズレ量Δx1、Δy1及びΔx2、Δy2を、認識処理装置J79で認識処理した各基板認識マークKMの座標に加算(加味)して、擬似的に各スクリーン認識マークの座標を得る。
更に、CPU:J71は基板認識マークKMの代わりにこの得られた擬似的な各スクリーン認識マークの座標を基準として、RAM:J73に格納された装着データの各電子部品の装着座標から現実に電子部品を装着する座標を求める。即ち、電子部品の搭載すべき位置である、電子部品に対応した一対のはんだペーストの中心への搭載座標を把握する。そして、このように得られたプリント配線基板Pの搭載座標に、認識処理装置J79で認識処理した吸着ノズルJ67に吸着保持された各電子部品の位置ズレ量も加味して、それぞれ装着ヘッドの吸着ノズルJ67に吸着保持された電子部品を装着する。
このように、プリント配線基板Pへの電子部品の装着動作が行われているとき、CPU:J77は、上流のプリンタJ1から送信され、RAM:J73に格納されていたバッドマークについての情報に従い、バッドマークが付された割り基板部J124には電子部品を装着しないようにY軸モータJ59等が制御される。この結果、マウンタJ3でのバッドマーク検出動作を省略でき、マウンタJ3でのタクトタイムを極力短くすることができる。更に、上述したように、プリンタJ1でのバッドマーク検出の塗布動作への影響を極力小さくし、塗布動作の遅れを回避することができ、プリンタJ1からバッドマーク検出の動作及び塗布動作を終了してプリント配線基板Pを下流のマウンタJ3へ遅れることなく搬出することができるので、プリンタJ1とマウンタJ3とを組み合わせた実装装置でのプリント配線基板Pの製造時間を一層短縮することができる。
そして、1枚のプリント配線基板P上へ装着すべき電子部品を全て終了するまで、電子部品の取出し、認識、装着が繰り返され、全て終了すると、位置決め部55から排出コンベア56にプリント配線基板Pが搬送され、1枚目のプリント配線基板Pの電子部品装着に係る生産が終了し、2枚目のプリント配線基板Pに対する生産が行われることとなる。
また、排出コンベアJ56に搬送されたプリント配線基板Pは、排出コンベアJ56から下流のマウンタJ4の供給コンベアJ54へ搬送される。そして、プリント配線基板Pの供給コンベアJ54への搬送開始と同時に、搬送が開始されたプリント配線基板Pについてのバッドマーク情報がマウンタJ3からマウンタJ4へ送信される。マウンタJ4では、送信されてきたバッドマーク情報がマウンタJ3と同様にRAMに格納され、電子部品を対応しているプリント配線基板Pに装着するときには、バッドマーク情報に基づいて各種電子部品が装着される。
このように、バッドマークが付された割り基板部J124についてのバッドマーク情報はマウンタJ3からマウンタJ4へ送信されるので、マウンタJ4でのバッドマーク検出動作を省略でき、マウンタJ3でのタクトタイムを極力短くすることができる。
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。