JP6065472B2 - タイヤモデル作成方法、タイヤ断面形状決定方法、タイヤモデル作成装置、及びプログラム - Google Patents

タイヤモデル作成方法、タイヤ断面形状決定方法、タイヤモデル作成装置、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、コンピュータを用いて作成するタイヤモデル作成方法、タイヤ断面形状決定方法に関し、さらに、タイヤモデル作成装置及びプログラムに関する。
従来、構造体の構造や形状等の設計では、構造体を試作して実験を行うことによって性能評価が行われ、また、構造体の構造解析モデルを作成し、有限要素法等をはじめとする種々の構造解析手法を用いて数値実験を行って性能評価が行われる。さらに、その性能評価の結果に基づいて、構造体や構造解析モデルの再試作・再作成が行われる、いわゆる試行錯誤による設計探索が多かった。そのため、設計者の所望する最適な構造体を設計するには、多大の労力や多大の時間、さらには多大の試作コストを費やす必要があった。
この点については、タイヤ製造業者においても同様であり、空気入りタイヤ(以降、タイヤという)の設計は、試行錯誤による試作や数値実験により、多大な労力、時間およびコストを必要とした。特に、タイヤの回転軸を含む平面で切断した断面形状、すなわちタイヤ断面の形状は、タイヤ性能に大きな影響を及ぼすため、所望のタイヤ性能を得るためには特に慎重に設計する必要があった。
ところで、今日、コンピュータ等による数値計算の高速処理の向上により、最適な製品性能を得るための数値計算による最適設計手法が種々提案されている。これによると、上記問題を解決し、効率よく最適設計を行うことができるとされている。しかし、構造体であるタイヤは、タイヤ断面の形状の規定方法の複雑さに起因して上記最適設計手法が十分に活かされ難いといった問題があった。
これに対して、タイヤ設計に好適に用いられる最適形状設計方法が知られている(特許文献1)。
この最適形状設計方法では、製品形状の複数の基底断面形状を製品形状の固有振動モードの変形形状とし、この基底断面形状を実験計画法に基づき線型的に組み合わせて複数のサンプル製品形状を生成し、この生成されたサンプル製品形状の製品性能の評価値を求め、この製品性能の評価値に基づき、評価値が最適値となる最適製品形状を抽出する。
特開2002−15010号公報
上述の公知の最適形状設計方法をタイヤ断面形状に適用する場合、当該方法は、目標とするタイヤ性能を最適化するために、多様な基底タイヤ断面形状を用いることが好ましい。このためには、タイヤ断面形状における1次及び高次の固有振動モードの変形形状が好適に用いられる。そして、最適なタイヤ断面形状を探索するために作成される試行タイヤ断面形状は、固有振動モードの次数と、固有振動モードの変形形状を基底タイヤ断面形状として線型的に組み合わせるときの重み付けの重み強度の値と、によってつくられる。そして、目標とするタイヤ性能を定めてタイヤ性能を評価するとき、例えばタイヤ断面形状を上述した重み強度の値を種々変化させることでタイヤ断面形状を種々変えながら、新たなタイヤ断面形状を作成する。新たなタイヤ断面形状を作成するたびにこのタイヤ断面形状を有するタイヤモデルを作成してタイヤ性能のシミュレーション計算を行う。例えば、転がり抵抗を低減するためにタイヤモデルを路面モデル上で転がして、この時タイヤ回転軸に作用する前後力を転がり抵抗として算出する。あるいは、摩耗寿命を向上するためにタイヤモデルを路面モデル上で転がして、タイヤモデルと路面モデルとの間に作用するせん断力やタイヤモデルの接地面の路面モデルに対するすべり量等を求めて、摩擦エネルギを算出することにより、摩耗寿命を算出する。
このようなタイヤ性能について、同時に2つ以上のタイヤ性能が予め定められた条件を満足するように、最適なタイヤ断面形状を探索する場合がある。この場合、シミュレーション計算に適したタイヤモデルを用いて精度の高いタイヤ性能の評価を行う点から、異なるメッシュ構造を有するタイヤモデルを作成しなければならない。例えば、転がり抵抗を算出するために行うシミュレーション計算では、サイド部からビード部にかけて細かなメッシュ構造を有するタイヤモデルを使用する。摩耗エネルギを算出するために行うタイヤ性能のシミュレーション計算では、トレッド部において細かなメッシ構造を有するタイヤモデルを使用する。すなわち、タイヤ性能のシミュレーション計算に用いるタイヤモデルは、タイヤ性能に適した異なるメッシュ構造のタイヤモデルが用いられる。
しかし、同じタイヤ断面に対して異なるメッシュ分割を行って作成した異なるメッシュ構造のタイヤモデルを、上述の最適形状設計方法に適用した場合、タイヤモデルのメッシュ構造が異なるため、タイヤモデルにおける1次あるいは高次の固有振動モードの変形形状は微妙に異なる。このため、固有振動モードの変形形状である基底タイヤ断面の形状を重み付けの重み強度を用いて線型的に組み合わせることによってつくられるタイヤ断面の形状は、異なるメッシュ構造を有する上記タイヤモデル間では異なり易い。すなわち、2つ以上のタイヤ性能に対する最適なタイヤ断面の形状は、メッシュ構造の異なるタイヤモデル間で異なり易く、1つの最適なタイヤ断面形状を得ることができない、といった問題があった。つまり、上述した最適形状設計方法をタイヤ断面に適用しても、2つ以上のタイヤ性能に対して最適な1つのタイヤ断面形状を得ることが困難である。
そこで、本発明は、上述の最適形状設計方法を用いる際に、評価しようとするタイヤ性能が2つ以上あっても最適な1つのタイヤ断面の形状を得ることができるタイヤ断面形状決定方法を提供するとともに、2つ以上のタイヤ性能に対して最適な1つのタイヤ断面を得るために、タイヤモデルを効率よく作成することができるタイヤモデル作成方法、タイヤモデル作成装置およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、コンピュータを用いて作成するタイヤモデル作成方法である。当該方法は、
数値解析可能な要素でモデル化された第1のメッシュ構造を有する参照タイヤモデルに関するタイヤ断面の変形形状の情報であって、前記参照タイヤモデルにおける複数の固有振動モード毎のタイヤ断面の変形形状の情報を、コンピュータがメモリから呼び出して、前記固有振動モード毎の前記変形形状を基底タイヤ断面の形状として設定するステップと、
予め定められた1つの基準タイヤ断面に対して、前記参照タイヤモデルの前記第1のメッシュ構造に比べて粗い、異なる第2のメッシュ構造を有する少なくとも2つの基準タイヤモデルを、前記コンピュータが作成するステップと、
前記コンピュータが、前記参照タイヤモデルにおける前記基底タイヤ断面のそれぞれを、前記基準タイヤモデルそれぞれの前記第2のメッシュ構造に合わせて再形成することにより、前記基準タイヤモデルそれぞれの前記第2のメッシュ構造に適合し、かつ、前記基底タイヤ断面のそれぞれに対応したタイヤ断面を有する複数の対応基底タイヤモデルを前記第2のメッシュ構造毎に作成するステップと、
前記第2のメッシュ構造毎に、前記複数の対応基底タイヤモデルのタイヤ断面の形状を重み付け加算することにより、前記コンピュータが、新たなタイヤ断面を有するタイヤモデルを前記第2のメッシュ構造毎に作成するステップと、を有する。
本発明の他の一態様は、コンピュータを用いて決定するタイヤ断面形状決定方法である。当該方法は、
数値解析可能な要素でモデル化された第1のメッシュ構造を有する参照タイヤモデルに関するタイヤ断面の変形形状の情報であって、前記参照タイヤモデルにおける複数の固有振動モード毎のタイヤ断面の変形形状の情報を、コンピュータがメモリから呼び出して、前記固有振動モード毎の前記変形形状を基底タイヤ断面の形状として設定するステップと、
予め定められた1つの基準タイヤ断面に対して、前記参照タイヤモデルの前記第1のメッシュ構造に比べて粗い、異なる第2のメッシュ構造を有する少なくとも2つの基準タイヤモデルを、前記コンピュータが作成するステップと、
前記コンピュータが、前記参照タイヤモデルにおける前記基底タイヤ断面のそれぞれを、前記基準タイヤモデルそれぞれの前記第2のメッシュ構造に合わせて再形成することにより、前記基準タイヤモデルそれぞれの前記第2のメッシュ構造に適合し、かつ、前記基底タイヤ断面のそれぞれに対応したタイヤ断面を有する複数の対応基底タイヤモデルを前記第2のメッシュ構造毎に作成するステップと、
前記第2のメッシュ構造毎に、前記複数の対応基底タイヤモデルのタイヤ断面の形状を重み付け加算することにより、前記コンピュータが、新たな試行タイヤ断面を有する少なくとも2つの試行タイヤモデルを作成するステップと、
前記コンピュータが、少なくとも2つの前記試行タイヤモデルを用いて、前記試行タイヤモデル毎に異なるタイヤ性能のシミュレーションを行うことにより、前記試行タイヤ断面の形状について複数の性能評価を行うステップと、
前記コンピュータが、前記重み付け加算に用いる重み強度の値の変更を行って、前記複数の性能評価を行うことにより、前記複数の性能評価が予め定められた条件に適合する試行タイヤ断面の形状を最適なタイヤ断面形状として決定するステップと、を有する。
さらに、本発明の他の一態様は、タイヤモデル作成装置である。当該装置は、
数値解析可能な要素でモデル化された第1のメッシュ構造を有する参照タイヤモデルに関するタイヤ断面の変形形状の情報であって、前記参照タイヤモデルにおける複数の固有振動モード毎のタイヤ断面の変形形状の情報を、メモリから呼び出して、前記固有振動モード毎の前記変形形状を基底タイヤ断面の形状として設定する設定部と、
予め定められた1つの基準タイヤ断面の形状に対して、前記参照タイヤモデルの前記第1のメッシュ構造に比べて粗い、異なる第2のメッシュ構造を有する少なくとも2つの基準タイヤモデルを作成する基準タイヤモデル作成部と、
前記参照タイヤモデルにおける前記基底タイヤ断面のそれぞれを、前記基準タイヤモデルそれぞれの前記第2のメッシュ構造に合わせて再形成することにより、前記基準タイヤモデルそれぞれの前記第2のメッシュ構造に適合し、かつ、前記基底タイヤ断面のそれぞれに対応したタイヤ断面を有する複数の対応基底タイヤモデルを前記第2のメッシュ構造毎に作成する対応基底タイヤモデル作成部と、
前記第2のメッシュ構造毎に、前記複数の対応基底タイヤモデルのタイヤ断面の形状を重み付け加算することにより、新たなタイヤ断面を有するタイヤモデルを前記第2のメッシュ構造毎に作成する試行タイヤモデル作成部と、を有する。
さらに、本発明の他の一態様は、タイヤモデル作成方法をコンピュータに実行させるコンピュータが読み取り可能なプログラムである。当該プログラムは、
数値解析可能な要素でモデル化された第1のメッシュ構造を有する参照タイヤモデルに関するタイヤ断面の変形形状の情報であって、前記参照タイヤモデルにおける複数の固有振動モード毎のタイヤ断面の変形形状の情報を、コンピュータがメモリから呼び出して、前記固有振動モード毎の前記変形形状を基底タイヤ断面の形状として設定する手順と、
予め定められた1つの基準タイヤ断面の形状に対して、前記参照タイヤモデルの前記第1のメッシュ構造に比べて粗い、異なる第2のメッシュ構造を有する少なくとも2つの基準タイヤモデルを、前記コンピュータが作成する手順と、
前記コンピュータが、前記参照タイヤモデルにおける前記基底タイヤ断面のそれぞれを、前記基準タイヤモデルそれぞれの前記第2のメッシュ構造に合わせて再形成することにより、前記基準タイヤモデルそれぞれの前記第2のメッシュ構造に適合し、かつ、前記基底タイヤ断面のそれぞれに対応したタイヤ断面を有する複数の対応基底タイヤモデルを前記第2のメッシュ構造毎に作成する手順と、
前記第2のメッシュ構造毎に、前記複数の対応基底タイヤモデルのタイヤ断面を重み付け加算することにより、前記コンピュータが、新たなタイヤ断面を有するタイヤモデルを前記第2のメッシュ構造毎に作成する手順と、を有し、前記手順をコンピュータに実行させる。
本発明のタイヤ断面形状決定方法では、評価しようとするタイヤ性能が2つ以上あっても最適な1つのタイヤ断面形状を得ることができる。また、タイヤモデル作成方法、タイヤモデル作成装置、及びプログラムによれば、2つ以上のタイヤ性能に対して最適な1つのタイヤ断面を得るために、タイヤモデルを効率よく作成することができる。このため、タイヤモデル作成方法、タイヤモデル作成装置、及びプログラムは、タイヤ断面形状決定方法に有効に用いることができる。
本実施形態のタイヤモデル作成方法を実施し、さらに、本実施形態のタイヤ断面形状決定方法を実施するタイヤ断面形状決定装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態で用いる参照タイヤモデルの一例のプロファイル断面の右半分を示す半断面図である。 (a),(b)は、本実施形態の基準タイヤモデルのタイヤ断面の例を示す図である。 本実施形態で用いる基準タイヤモデルの節点に与える変位を説明する図である。 本実施形態のタイヤ断面形状決定方法のフローの一例を示す図である。 (a),(b)は、本実施形態で用いる2つの基準タイヤモデルを用いて、最適なタイヤ断面形状を決定したときの結果の一例を示す図である。
以下、本実施形態のタイヤモデル作成方法、タイヤ断面形状決定方法、タイヤモデル作成装置、及びプログラムについて、添付図面に示す実施形態に基いて説明する。本実施形態のタイヤモデル作成方法は、本実施形態のタイヤ断面形状決定方法の一部分に用いられる。
(タイヤモデル作成方法の概要)
一般的に、数値解析可能な要素でモデル化されたタイヤモデルは、タイヤ性能の評価のために行うシミュレーション計算(例えば、有限要素法を用いたシミュレーション計算)に用いられるが、シミュレーション計算を精度良くかつ効率よく行って短時間に正確なタイヤ性能の評価を行うために、タイヤ性能に応じてメッシュ構造が異なる。このメッシュ構造が異なることに起因して、基底タイヤ断面となるタイヤモデルにおける1次固有振動モードあるいは高次固有振動モードの変形形状もメッシュ構造に応じて僅かに異なる。このため、この基底タイヤ断面を用いて上述した最適形状設計方法によりタイヤ断面形状を決定すると、タイヤモデルのメッシュ構造によって異なるタイヤ断面形状が決定される、すなわち、評価するタイヤ性能に応じて異なるタイヤ断面形状が決定されることになる。
このため、本実施形態では、数値解析可能な要素でモデル化された1つの参照タイヤモデルの固有振動モードの変形形状を基底タイヤ断面の形状として有する対応基底タイヤモデルを作成する。この対応基底タイヤモデルは、タイヤ性能毎の評価のためのシミュレーション計算に好適に用いることのできる基準タイヤモデルのメッシュ構造を有する。本実施形態では、この対応基底タイヤモデルを重み付け加算することにより、タイヤ性能の評価に用いることができる試行タイヤモデルを作成する。したがって、本実施形態では、シミュレーション計算に適した基準タイヤモデルそれぞれのメッシュ構造に合わせた種々の試行タイヤモデルを効率よく作成することができる。
本実施形態のタイヤ断面形状作成方法は、後述するタイヤ断面形状決定装置10(図1参照)を用いて行われる。タイヤ断面形状決定装置10は、コンピュータにより構成される。装置10は、本実施形態のタイヤモデル作成装置を含み、本実施形態のタイヤモデル作成方法及びタイヤ断面形状決定方法を行う。
まず、装置10は、数値解析可能な要素でモデル化されたメッシュ構造を有する参照タイヤモデルに関するタイヤ断面の変形形状の情報であって、参照タイヤモデルにおける複数の固有振動モード毎のタイヤ断面の変形形状の情報を、メモリから呼び出して、固有振動モード毎の変形形状を基底タイヤ断面の形状として設定する。
次に、装置10は、定められた1つの基準タイヤ断面の形状に対して、参照タイヤモデルのメッシュ構造に比べて粗いメッシュ分割がなされた基準タイヤモデルを作成する。
この後、装置10は、参照タイヤモデルにおける基底タイヤ断面のそれぞれを、基準タイヤモデルのメッシュ構造に合わせて再形成することにより、基準タイヤモデルのメッシュ構造に適合し、かつ、基底タイヤ断面のそれぞれに対応したタイヤ断面を有する複数の対応基底タイヤモデルを作成する。
装置10は、作成した複数の対応基底断面タイヤモデルのタイヤ断面を重み付け加算することにより、新たなタイヤ断面を有するタイヤモデルを作成する。このタイヤモデルが、複数のタイヤ性能のそれぞれが与えられた条件を満足するような最適なタイヤ断面形状を探索する際に用いる試行タイヤモデルとして用いられる。
このように、本実施形態では、複数の対応基底タイヤモデルを作成するとき、参照タイヤモデルにおける基底タイヤ断面のそれぞれを、基準タイヤモデルのメッシュ構造に合わせて再形成することにより、基準タイヤモデルのメッシュ構造に適合し、かつ、基底タイヤ断面のそれぞれに対応したタイヤ断面を有する対応基底タイヤモデルを作成するので、基準タイヤモデルのメッシュ構造が異なっても、同じタイヤ断面の形状を有する。タイヤモデルのメッシュ構造が評価しようとするタイヤ性能に応じて異なっており、評価しようとするタイヤ性能が2つ以上あっても、最適な1つのタイヤ断面形状を得ることができる。
以下、タイヤ断面形状決定装置10から順に詳細な説明をする。
(タイヤ断面形状決定装置)
図1は、タイヤモデル作成方法を実施し、タイヤ断面形状決定方法を実施するタイヤ断面形状決定装置(以降、装置という)10の構成を示すブロック図である。
装置10は、CPU12、メモリ14、入出力部16、及びバス18を有するコンピュータである。入出力部16は、マウスやキーボード等の入力操作デバイス18と、プリンタやディスプレイ等の出力装置20と接続されている。メモリ14には、本実施形態のタイヤモデル作成方法及びタイヤ断面形状決定方法を実現するためのプログラムが記憶されており、このプログラムが呼び出されて起動されることにより装置10が構築される。装置10がプログラムを呼び出して実行することにより、装置10に処理モジュール22が形成される。処理モジュール22の各部分は、実質的な計算をCPU12に行わせるソフトウェアモジュールである。したがって、処理モジュール22は、CPU12、メモリ14、及び入出力部16と、バス18を介して機能的に形成される部分である。
処理モジュール22は、設定部24、基準モデル作成部26、対応基底タイヤモデル作成部28、試行タイヤモデル作成部30、評価部32、及び決定部34を有する。
設定部24は、数値解析可能な要素でモデル化されたメッシュ構造を有する参照タイヤモデル40(図2参照)に関するタイヤ断面の変形形状の情報であって、参照タイヤモデル40における複数の固有振動モード毎のタイヤ断面の変形形状の情報を、メモリ14から呼び出して、固有振動モード毎の変形形状を基底タイヤ断面の形状として設定する。
図2は、参照タイヤモデル40の一例のプロファイル断面の右半分を示す半断面図である。図2は、参照タイヤモデル40の内部は黒く示されている。これは、メッシュ分割によるメッシュ構造が極めて細かく、要素の境界線及び節点が重なって紙面上つぶれた状態で記されている。図2中のセンタラインCL近傍の領域Aを一部拡大して示している。参照タイヤモデル40では、ベルト材、プライ材、インナーライナ、トレッドゴム、ビード、サイドゴム、ビードフィラー等の構成部材毎の各領域が数値可能な要素で区分けされている。
参照タイヤモデル40における複数の固有振動モード毎のタイヤ断面の変形形状の情報は、参照タイヤモデル40について、ビード部を固定して固有値解析を行うことにより得られたタイヤ断面における1次固有振動モード及び2次以降の固有振動モードから選択された複数の振動モードである。この情報は、固有振動の振動次数毎に、メモリ40に記憶されている。したがって、複数の固有振動モードの中から、どの固有振動モードの変形形状を選択するか、固有振動モードの変形形状を出力装置20に出力させながら、オペレータによる入力操作デバイス18からの入力を受け付けることにより、設定部24は、選択する固有振動モードの変形形状を定める。これにより、設定部24は、固有振動モードの変形形状を基底タイヤ断面の形状として設定する。選択する固有振動モードの変形形状は、例えば、1次固有振動モードの変形形状、2〜6次の固有振動モードの変形形状が挙げられる。
なお、設定部14が用いる参照タイヤモデル40の固有振動モードの変形形状については、設定部14が、参照タイヤモデル40の固有値解析を行うことにより、固有振動モードを予め求めて固有振動モードの変形形状をメモリ14に記憶させてもよい。設定部24は、参照タイヤモデル40を構成する情報(節点の位置情報、各要素を構成する節点の情報、各要素の材料定数など)を集めて参照タイヤモデル40を予め作成し、メモリ14に記憶させてもよい。
なお、固有値解析に用いる参照タイヤモデル40は、ゴム部材に対して弾性定数が極めて高いベルト材等の構成部材の弾性定数は、必ずしも実際のベルト材等の弾性定数を用いなくてもよい。さらには、参照タイヤモデル40は、構成部材の配置を再現したモデルでなくてもよく、単一の材料定数を要素に与えたモデルであってもよい。また、トレッドパターンにおける溝のように、局所的に急激な形状変化をする部分はモデル化を省略してもよい。
基準モデル作成部26は、予め定められた1つの基準タイヤ断面に対して、参照タイヤモデル40のメッシュ構造に比べて粗いメッシュ分割がなされた基準タイヤモデルを作成する。基準モデル作成部36は、1つの基準タイヤ断面に対してメッシュ構造が異なる少なくとも2つの基準タイヤモデルを作成する。以降では、代表して2つの基準タイヤモデルを作成する場合を説明する。基準タイヤモデルを作成する数は、入力操作デバイス18を用いたオペレータの入力に応じて設定される。基準タイヤモデルのメッシュ構造は、予めメモリ14に記憶されているメッシュ分割アルゴリズムにしたがってメッシュ分割を行うことにより作成されてもよいし、基準モデル作成部36が、予めメモリ14に記憶された所望のメッシュ構造を有する基準タイヤモデルを選択して呼び出すことにより、2つの基準タイヤモデルを作成することもできる。
本実施形態において、少なくとも2つの基準タイヤモデルを作成するのは、タイヤ性能の評価を行うためにシミュレーション計算を行うとき、シミュレーション計算に適し、かつタイヤ性能の評価を正確に行うことができるメッシュ構造を有する基準タイヤモデルを用意するためである。2つの基準タイヤモデルは、予め定められた1つの基準タイヤ断面を用いて作成される。したがって、作成される基準タイヤモデルは、同じ基準タイヤ断面の形状を有する。図3(a),(b)は、作成された基準タイヤモデル40,50のタイヤ断面の例を示す図である。基準タイヤモデル50および基準タイヤモデル60は、参照タイヤモデル40に比べてメッシュ構造が粗い。ここで、基準タイヤモデルのメッシュ構造が粗く、参照タイヤモデルのメッシュ構造が細かいとは、参照タイヤモデルの各構成要素における要素数及び節点数が、基準タイヤモデルの各構成要素における要素数及び節点数に比べて多いことを意味する。特に、参照タイヤモデル40のタイヤ断面と基準タイヤモデル50,60のタイヤ断面(基準タイヤ断面)とが同じである場合、基準タイヤモデル50,60のメッシュ構造が粗く、参照タイヤモデル40のメッシュ構造が細かいとは、参照タイヤモデル40のタイヤ断面と基準タイヤモデル50,60のタイヤ断面を重ねたとき、基準タイヤモデルの各要素中に、参照タイヤモデル50,60の節点が全くないか、あっても1個であることをいう。基準タイヤモデル50,60のメッシュ構造が細かく、参照タイヤモデル40のメッシュ構造が粗い場合、後述するように、参照タイヤモデル40における基底タイヤ断面のそれぞれを、基準タイヤモデル50,60それぞれのメッシュ構造に合わせて再形成するとき、再形成後のタイヤ断面形状は多角形形状になり易く、また再形成の処理が適切にできない場合がある。このため、基準タイヤモデル50,60のメッシュ構造は粗く、参照タイヤモデル40のメッシュ構造は細かい。
対応基底タイヤモデル作成部28は、参照タイヤモデル40における基底タイヤ断面のそれぞれを、基準タイヤモデル50,60それぞれのメッシュ構造に合わせて再形成することにより、基準タイヤモデル50,60それぞれのメッシュ構造に適合し、かつ、基底タイヤ断面のそれぞれに対応したタイヤ断面を有する複数の対応基底タイヤモデルを基準タイヤモデル50,60毎に作成する。すなわち、対応基底タイヤモデル作成部28は、基準タイヤモデル50,60のメッシュ構造に合わせて、基準タイヤモデル50,60の基準タイヤ断面を基底タイヤ断面に変更することで、対応基底タイヤモデルを作成する。いいかえると、対応基底タイヤモデル作成部28は、基準タイヤモデル50,60における基準タイヤ断面の形状を、設定部24で設定した参照タイヤモデル40における基底タイヤ断面の形状に変更する処理を行う。具体的には、基準タイヤモデル50,60と参照タイヤモデル40とはメッシュ構造が異なるので、対応基底タイヤモデル作成部28は、参照タイヤモデル40における基底断面をつくる複数の節点の変位を補間して、基準タイヤモデル40における節点に与える変位を作成することにより、対応基底タイヤモデルを作成する。なお、参照タイヤモデル40のタイヤ断面の形状は、基準タイヤモデル50,60に用いた基準タイヤ断面の形状と同じであることが好ましい。この場合、同じタイヤ断面を有するので、基準タイヤモデル50,60のタイヤ断面を参照タイヤモデル40のタイヤ断面に重ねたとき、基準タイヤモデル50,60のいずれの節点も、参照タイヤモデル40のいずれかの要素中に包含される。このとき、対応基底タイヤモデル作成部28は、基準タイヤモデル50,60の節点に変位を与えて基準タイヤモデル50,60を変形させることにより基底タイヤ断面のそれぞれを再形成する。このとき、基準タイヤモデル50,60の節点には、以下の変位が与えられる。すなわち、節点に与えられる変位は、基準タイヤモデル50,60の当該節点を包含する参照タイヤモデル40の要素を構成する複数の参照節点の固有振動モードの変形形状における変位、すなわち、参照タイヤモデル40の当初のタイヤ断面から基底タイヤ断面に形状変化するときの各節点の変位を、基準タイヤモデル50,60の当該節点の位置に応じて補間することに得られる変位である。図4は、基準タイヤモデル50,60の節点N1に与える変位を説明する図である。節点N1は、参照タイヤモデル40の要素Eに包含されている。したがって、節点N1に与えるべき変位は、要素Eを構成する参照節点Na,Nb,Nc,Ndに与えられている固有振動モードの変形形状における変位(設定部24において参照タイヤモデル40のタイヤ断面を基底タイヤ断面に形状変化するために各節点に与えた変位)を、節点N1の要素E内の位置に応じて補間することにより得られる変位である。補間は、周知の補間方法が用いられる。節点N1がいずれの要素Eにも包含されない場合、対応基底タイヤモデル作成部28は、節点N1に最も近い要素を見つけ出し、見つけ出した要素を構成する参照節点を用いて外挿補間を行うこともできる。対応基底断面タイヤモデルは、複数の基底タイヤ断面毎に、さらには、基準タイヤモデル50,60のメッシュ構造毎に作成される。したがって、基底タイヤ断面が6個設定され、メッシュ構造の異なる基準タイヤモデルが2つ作成される場合、合計12個(=6個×2つ)の対応基底断面タイヤモデルが作成される。
試行タイヤモデル作成部30は、複数の対応基底断面タイヤモデルのタイヤ断面を重み付け加算することにより、新たなタイヤ断面を有する試行タイヤモデルを作成する。具体的には、試行タイヤモデル作成部30は、対応基底断面タイヤモデルの各節点における変位(基準タイヤモデル50,60からの変位)を重み付け加算することにより、基準タイヤモデル50,60のメッシュ構造毎に、1つの試行タイヤモデルを作成する。重み付け加算は、複数の対応基底断面タイヤモデル毎に重み強度の値を割り当てることにより行われる。例えば6つの対応基底断面タイヤモデルがある場合、重み強度の値を0より大きく1以下の数値を6個定めて割り当てることにより、1つの試行タイヤモデルが作成される。重み強度の値は、後述する決定部34から指定される。したがって、試行タイヤモデル作成部30は、基準モデル作成部26において2つの基準タイヤモデル50,60が作成されたとき、基準タイヤモデル50,60に対応したメッシュ構造を有する2つの試行タイヤモデルを作成する。
評価部32は、試行タイヤモデル作成部30で作成された試行タイヤモデルを用いてタイヤ性能のシミュレーション計算を行うことにより、試行タイヤモデルのタイヤ断面形状に関してタイヤ性能の評価を行う。タイヤ性能は、例えば、転がり抵抗、摩耗寿命、偏摩耗、振動乗心地性能、タイヤ騒音、ベルトの耐久性能、タイヤの横ばね定数(横剛性)あるいは縦ばね定数(縦剛性)等を含む。数値解析可能な要素でモデル化されたタイヤモデルのメッシュ構造は、これらのタイヤ性能の評価が適切にできるようにタイヤ性能毎に異なる。このため、基準モデル作成部26において、2つの基準タイヤモデル50,60が作成された場合、2つのタイヤ性能の評価を行うためのシミュレーション計算を行う。シミュレーション計算としては、例えば有限要素法によるシミュレーション計算が挙げられるは、有限要素法に限定されない。具体的には、基準タイヤモデル50のメッシュ構造は、図3(a)に示すように、サイド部からビード部にかけた領域においてメッシュ分割が、基準タイヤモデル60に比べて細かい。一方、基準タイヤモデル60のメッシュ構造は、図3(b)に示すように、トレッド部においてメッシュ分割が、基準タイヤモデル50に比べて細かい。基準タイヤモデル50は、転がり抵抗を評価するために作成されたものであり、基準タイヤモデル60は、摩耗寿命を評価するために作成されたものである。このため、転がり抵抗の評価を行うためのシミュレーション計算は、図3(a)に示す基準タイヤモデル50のメッシュ構造を有する試行タイヤモデルを用いて行われる。摩耗寿命の評価を行うためのシミュレーション計算は、図3(b)に示す基準タイヤモデル60のメッシュ構造を有する試行タイヤモデルを用いて行われる。このように、数値解析可能な要素でモデル化されたタイヤモデルのメッシュ構造をタイヤ性能毎に分けるのは、短時間に効率よくタイヤ性能の評価をするためである。
評価部32は、入力操作デバイス18により予め設定されたタイヤ性能の評価値、例えば固有振動数、縦ばね定数、横ばね定数、前後ばね定数、転がり抵抗、ベルト間における層間剪断歪み、摩耗予測値、あるいは、タイヤが地面に接地したときの接地圧力の値等を数値計算によって算出する。これらの具体的な計算は、周知の方法であるので説明は省略される。勿論、基準タイヤモデル50,60のメッシュ構造は、評価しようとするタイヤ性能と関係付けられており、タイヤ性能の評価に用いるシミュレーション計算に適したメッシュ構造を有する基準タイヤモデルが基準モデル作成部26で作成される。
決定部34は、試行タイヤモデル作成部30において行う重み付け加算に用いる重み強度の値を変更して作成する試行タイヤモデルを用いて評価部32でタイヤ性能の評価を行わせる。決定部34は、このタイヤ性能の評価の結果が予め設定された条件を満足する試作タイヤモデルを、重み強度の値を変更しながら探索して、このタイヤ性能の評価が予め定められた条件に適合したタイヤ断面形状を決定する。
より具体的には、決定部34は、試行タイヤモデル作成部30が、決定部34から与えられた重み強度の値を用いて試行タイヤモデルを作成するように、試行タイヤモデル作成部30に指示をする。
決定部34は、公知の実験計画法に従って、重み強度の値について水準を振り、この値を対応基底タイヤモデルのそれぞれに割り付けることで、試行タイヤモデル作成部30に試行タイヤモデルを作成させる。あるいは、決定部34は、重み強度の値を設定された範囲内で一定の大きさずつ変更して、対応試行タイヤモデルのそれぞれに割り当てて、試行タイヤモデル作成部30に試行タイヤモデルを作成させる。
決定部34が、重み強度の値を設定された範囲内で一定の大きさずつ変更して対応試行タイヤモデルのそれぞれに割り当てることにより、試行タイヤモデル作成部30に試行タイヤモデルを作成させる場合、決定部34は、作成した試行タイヤモデル毎に評価部34で得られるタイヤ性能の評価値に基づいて、タイヤ断面形状の設計空間を、曲面近似関数を用いて応答曲面関数として定める。この応答曲面関数は、タイヤ基底断面を重み付け加算に用いた重み強度を設計変数とする。すなわち、応答曲面関数は、基底断面を重み付け加算に用いる重み強度を設計変数として、タイヤ性能の評価値を、曲面近似関数を用いて表したものである。例えば、6つの重み強度の値を定めることにより、1つのタイヤ断面が定まり、曲面近似関数により1つの評価値が得られる。ここで、曲面近似関数は、チェビシェフの直交多項式やn次多項式、動径基底関数法(RBF)やクリギング法等による関数が挙げられる。そして、得られた曲面近似関数に基づき、例えば多目的遺伝的アルゴリズム等の発見的手法や、勾配法などの数理計画法を用いて最適タイヤ断面形状、すなわち、設定された条件を満足するタイヤ性能を有する試行タイヤモデルのタイヤ断面の形状の探索を行う。ここで、試行タイヤモデルはメッシュ構造が異なる2つのタイヤモデルであるので、試行タイヤモデルのタイヤ断面形状は正確には2つ存在する。しかし、上述したように、参照タイヤモデル40の固有振動モードの変形形状を持つ基底タイヤ断面の形状を基準タイヤモデル50,60のメッシュ構造に合わせて再形成した対応基底タイヤモデルを用い、重み付け強度の値によって1つのタイヤ断面の形状が定まるので、1つのタイヤ断面の形状に対して、異なる2つのタイヤ性能の評価結果を得ることができる。本実施形態では、2つの基準タイヤモデル50,60を作成し、2つの試行タイヤモデルを、2つのタイヤ性能の評価を行うための2つのシミュレーション計算に用いるので、タイヤ性能の評価値も2つ存在する。この場合、曲面近似関数も2つ作成される。したがって、決定部34は、2つの曲面近似関数を用いて、2つの評価値が予め設定された条件を満足するときの重み強度の値を探索する。
決定部30は、こうして、予め設定された条件を2つのタイヤ性能の評価値が満足するように、タイヤ断面形状を探索して、タイヤ性能に適合したタイヤ断面形状を決定する。予め設定された条件とは、例えば、タイヤ性能の評価値の範囲、タイヤ性能の評価値の最小値、あるいはタイヤ性能の評価値の最大値等である。
決定部34では、重み強度の値を変更して最適なタイヤ断面形状を作成するので、タイヤ性能の評価を達成する重み強度の値を抽出することで、参照タイヤモデル40の固有振動モードの変形形状から、最適なタイヤ断面形状を容易に求めることができる。このとき、参照タイヤモデル40の基底タイヤ断面及び対応基底タイヤモデルを固定した状態で、重み付け強度の値を変更するので、2つの試行タイヤモデルのメッシュ構造が異なる場合であっても、1つの最適なタイヤ断面形状を決定することができる。
なお、得られた最適なタイヤ断面形状の情報は、出力装置20に出力される他、図示されないタイヤ加硫用金型を作成するCADシステム等に送られる。あるいは、得られた最適なタイヤ断面形状は、タイヤデフレート時のタイヤ断面形状の情報として、あるいは、インモールドタイヤ断面形状の情報として、メモリ14に記憶され、さらに、図示されないハードディスクや記録メディア等に記録される。
また、決定部34は、最適な評価値が得られない場合、得られた評価値の中で最適な状態に最も近い評価値を持つタイヤ断面形状の情報を参照タイヤモデル40のタイヤ断面の形状とするように、参照タイヤモデル40を設定部24において作成し直し、固有値解析を行ってタイヤ断面における固有振動モードの変形形状を取得してもよい。設定部24は、このタイヤ断面における固有振動モードの変形形状の情報を、メモリ14に記憶させることができる。こうして、メモリ14に記憶され、修正された固有振動モードの変形形状の情報は、試行タイヤモデルの作成に用いることができる。
(プログラム)
コンピュータを上述した装置10として機能させる、タイヤモデルを作成するプログラムは、以下の手順を含む。
すなわち、タイヤモデル作成方法をコンピュータに実行させるコンピュータが読み取り可能なプログラムは、
(A)数値解析可能な要素でモデル化されたメッシュ構造を有する参照タイヤモデル40に関するタイヤ断面の変形形状の情報であって、参照タイヤモデル40における複数の固有振動モード毎のタイヤ断面の変形形状の情報を、コンピュータがメモリ14から呼び出して、固有振動モード毎の変形形状を基底タイヤ断面の形状として設定する手順と、
(B)前記コンピュータが、定められた1つの基準タイヤ断面に対して、参照タイヤモデル40のメッシュ構造に比べて粗い基準タイヤモデル50,60を作成する手順と、
(C)前記コンピュータが、参照タイヤモデル40における基底タイヤ断面のそれぞれを、基準タイヤモデル50,60のメッシュ構造に合わせて再形成することにより、基準タイヤモデル50,60のメッシュ構造に適合し、かつ、基底タイヤ断面のそれぞれに対応したタイヤ断面を有する複数の対応基底タイヤモデルを作成する手順と、
(D)前記コンピュータが、複数の対応基底断面タイヤモデルのタイヤ断面を重み付け加算することにより、新たなタイヤ断面を有するタイヤモデルを作成する手順と、を含む。
(タイヤ断面形状決定方法)
次に、本実施形態のタイヤ断面形状決定方法について説明する。
図5は、本実施形態のタイヤ断面形状決定方法のフローの一例を示す図である。
まず、設定部24は、数値解析可能な要素でモデル化されたメッシュ構造を有する参照タイヤモデル40に関するタイヤ断面の変形形状の情報であって、参照タイヤモデル40における複数の固有振動モード毎のタイヤ断面の変形形状の情報を、メモリ14から呼び出して、固有振動モード毎の変形形状を基底タイヤ断面の形状として設定する(ステップS10)。設定された基底タイヤ断面の情報は、メモリ14に記憶される。
メモリ14には、参照タイヤモデル40に対して固有値解析を行って得られたタイヤ断面における1次固有振動モード及び2次以降の固有振動モードから選択された複数の固有振動モードの情報が記憶されていることが好ましい。また、別途コンピュータを用いて固有値解析を行って得られた固有振動モードの情報が、入出力部16からメモリ14に送られて記憶されてもよい。この場合、固有値解析に用いる参照タイヤモデル40のゴム部材に対して弾性定数が極めて高いベルト材等の構成部材の弾性定数は、必ずしも実際のベルト材等の構成部材の弾性定数を用いなくてもよい。また、参照タイヤモデル40は、構成部材の配置を再現したモデルでなくてもよく、単一の材料定数を要素に与えたモデルであってもよい。また、トレッドパターンにおける溝のように、局所的に急激な形状変化をする部分はモデル化を省略してもよい。
次に、基準モデル作成部26は、定められた1つの基準タイヤ断面に対して、参照タイヤモデル40のメッシュ構造に比べて粗い、少なくとも2つの異なるメッシュ分割が施された、異なるメッシュ構造を有する少なくとも2つの基準タイヤモデル50,60を作成する(ステップS20)。ここで、定められた1つの基準タイヤ断面は、参照タイヤモデル40におけるタイヤ断面と同じであってもよく、異なってもよい。しかし、参照タイヤモデル40のタイヤ断面と、基準タイヤモデル50,60におけるタイヤ断面が同じ形状であることが、基準タイヤモデル50,60と同じタイヤ断面を有する参照タイヤモデル40の固有振動モードの変形形状を用いてタイヤ断面を効率よく修正できる(重み強度の値を用いて修正できる)点で好ましい。作成される基準タイヤモデル50,60は、ベルト材や各種ゴム部材等の構成部材に対応して区分けされた要素で構成され、各要素における弾性定数を含む材料定数は、実際の構成部材の材料定数が用いられる。基準タイヤモデル50,60の材料定数に、実際の構成部材の材料定数が用いられるのは、後述するように、基準タイヤモデル50,60のタイヤ断面を修正した試行タイヤモデルを用いてタイヤ性能の評価のためのシミュレーション計算を行うからである。
作成した基準タイヤモデル50,60の情報は、メモリ14に記憶される。
次に、対応基底タイヤモデル作成部28は、メモリ14に記憶した基準タイヤモデル50,60、及び基底タイヤ断面の情報を呼び出す。対応基底タイヤモデル作成部28は、参照タイヤモデル40における基底タイヤ断面のそれぞれを、2つの基準タイヤモデル50,60それぞれのメッシュ構造に合わせて再形成することにより、基準タイヤモデル50,60それぞれのメッシュ構造に適合し、かつ、基底タイヤ断面のそれぞれに対応したタイヤ断面を有する複数の対応基底タイヤモデルを作成する(ステップS30)。すなわち、対応基底タイヤモデル作成部28は、2つの基準タイヤモデル50,60のメッシュ構造に合わせて、基準タイヤモデル50,60の基準タイヤ断面を基底タイヤ断面に変更することで、対応基底タイヤモデルを作成する。具体的には、基準タイヤモデル50,60と参照タイヤモデル40とはメッシュ構造が異なるので、対応基底タイヤモデル作成部28は、参照タイヤモデル40における基底断面形状をつくる複数の節点の変位を用いて補間して、基準タイヤモデル40における節点の変位を作成することにより、対応基底タイヤモデルを作成する。作成した対応基底タイヤモデルの情報は、メモリ14に記憶される。
次に、試行タイヤモデル作成部30は、メモリ14に記憶された対応基底タイヤモデルの情報を呼び出す。試行タイヤモデル作成部30は、基準タイヤモデル50,60毎に、複数の対応基底タイヤモデルのタイヤ断面を重み付け加算することにより、新たなタイヤ断面を試行タイヤ断面として有する試行タイヤモデルを、基準タイヤモデル50,60のメッシュ構造毎に作成する。
例えば6つの対応基底断面タイヤモデルがある場合、重み強度の値を0より大きく1以下の数値を6個定めることにより、基準タイヤモデルのメッシュ構造毎に、1つの試行タイヤモデルが作成される。重み強度の値は、後述する決定部34から指定される。したがって、試行タイヤモデル作成部30は、基準モデル作成部26において2つの基準タイヤモデル50,60が作成されたとき、基準タイヤモデル50,60に対応したメッシュ構造を有する2つの試行タイヤモデルを作成する。作成された試行タイヤモデルの情報は、メモリ14に記憶される。
評価部32は、2つの試行タイヤモデルの情報をメモリ14から呼び出して、2つの試行タイヤモデルのそれぞれを用いて、試行タイヤモデル毎に異なるタイヤ性能のシミュレーション計算を行う。シミュレーション計算は、例えば有限要素法を用いて行われる。タイヤ性能は、予め設定されている。これにより、評価部32は、試行タイヤ断面の形状について複数の性能評価を行う。例えば、転がり抵抗を評価する場合、シミュレーション計算は、試行タイヤモデルのタイヤ空洞領域に予め定めた空気圧が働くように空気を充填することを模擬した空気圧充填処理と、空気圧充填処理の施された試行タイヤモデルを、路面を模擬した路面モデル上に予め定めた負荷荷重で押し付ける処理と、路面モデル上に押し付けられて荷重が負荷された試行タイヤモデルを路面モデル上で予め定めた転動速度で転動させる処理と、試行タイヤモデルの転動中に試行タイヤモデルの回転軸に作用する前後力を転がり抵抗として算出する処理と、を含む。勿論、転がり抵抗を評価するためのシミュレーション計算については、上記処理に限らず、従来より公知の処理を用いることもできる。一方、摩耗寿命を評価する場合、シミュレーション計算は、例えば、試行タイヤモデルのタイヤ空洞領域に予め定めた空気圧が働くように空気を充填することを模擬した空気圧充填処理と、空気圧充填処理の施された試行タイヤモデルを、路面を模擬した路面モデル上に予め定めた負荷荷重で押し付ける処理と、路面モデル上に押し付けられて荷重が負荷された試行タイヤモデルを路面モデル上で予め定めた転動速度で転動させる処理と、試行タイヤモデルの転動中に試行タイヤモデルのトレッド部の接地面に作用するせん断力とすべり量を算出して、接地面に作用する摩擦エネルギを算出する処理と、を含む。タイヤ性能としてシミュレーション計算で算出する項目は、例えば、転がり抵抗の値や摩耗エネルギを含む摩耗寿命の評価値の他、固有振動数、縦ばね定数、横ばね定数、前後ばね定数、転がり抵抗、ベルト間における層間剪断歪み、摩耗予測値、あるいは、スティフナー部材の所定位置における応力分布や応力歪みの値、さらには、タイヤが地面に接地したときの接地圧力の値を含むことができる。これらの具体的な計算は、周知の方法であるので説明は省略される。
次に、決定部34は、試行タイヤモデルの作成回数が予め定めた回数N以上であるか否かを判定する(ステップS60)。判定の結果が否定である場合(試行タイヤモデルの作成回数が予め定めた回数Nより少ない場合)、決定部34は、重み強度の値を変更する(ステップS70)。すなわち、試行タイヤモデル作成部30において試行タイヤモデルを作成するために用いる重み付け加算用の重み強度の値の変更を行って、試行タイヤモデルのタイヤ断面形状である試行タイヤ断面の形状について、2つのタイヤ性能の評価を繰り返す。
決定部34は、ステップS70では、具体的には、決定部34から与えられた重み強度の値を変更して試行タイヤモデル30が試行タイヤモデルを作成するように、試行タイヤモデル作成部30に指示をする。決定部34は、公知の実験計画法に従って重み強度の値について水準を振り、この値を対応基底タイヤモデルに割り付けることで、試行タイヤモデル作成部30に試行タイヤモデルを作成させる。あるいは、決定部34は、重み強度の値を設定された範囲内で一定の大きさずつ変更して試行タイヤモデル作成部30に試行タイヤモデルを作成させる。
ステップS60における判定の結果が肯定である場合(試行タイヤモデルの作成回数が予め定めた回数N以上の場合)、決定部34は、2つのタイヤ性能の評価の結果が予め定められた条件を満足する試行タイヤ断面の形状を探索して、上記条件に適合する最適な試行タイヤ断面形状を決定する(ステップS80)。
ステップS60における判定が肯定である場合、決定部34は、作成した試行タイヤモデル毎に評価部32で得られたタイヤ性能(2つのタイヤ性能)の評価値に基づいて、試行タイヤモデルのタイヤ断面形状の設計空間を、曲面近似関数を用いて応答曲面関数として定める。この応答曲面関数は、試行タイヤモデルの作成のための重み付け加算に用いた重み強度を設計変数とする。応答曲面関数は、2つのタイヤ性能に関するものであるので、2つある。すなわち、2つの応答曲面関数は、重み付け加算に用いる重み強度を設計変数として、それぞれのタイヤ性能の評価値を、曲面近似関数を用いて表したものである。そして、得られた曲面近似関数に基づき、例えば多目的遺伝的アルゴリズム等の発見的手法や、勾配法などの数理計画法を用いて最適タイヤ断面形状の探索を行う。
こうして、決定部34は、2つのタイヤ性能の評価の結果が予め設定された条件を満足する重み強度の値を見出し、この重み強度の値から作成されるタイヤ断面の形状を、最適なタイヤ断面形状として決定する。
最適なタイヤ断面形状は、試行タイヤモデルのタイヤ断面の形状であり、試行タイヤモデルは、参照タイヤモデル40の固有振動モードの変形形状を、基準タイヤモデル50,60のメッシュ構造に適合するように再形成して得られた対応基底タイヤモデルに基いて作成されている。このため、タイヤ性能が2つあっても(メッシュ構造の異なる基準タイヤモデルが2つあっても)、最適な1つのタイヤ断面形状を得ることができる。
なお、本実施形態では、評価するタイヤ性能およびタイヤ性能に合わせて作成する基準タイヤモデルは2つに限定して説明したが、評価するタイヤ性能および作成する基準タイヤモデルの数は3つ以上であってもよい。
図6(a),(b)は、上述の方法を用いて、基準タイヤモデル50及び基準タイヤモデル60を用いて、最適なタイヤ断面形状を決定したときの結果の一例を示す図である。図6(a),(b)には、基準タイヤモデル50,60の他に、最適なタイヤ断面を有する、異なるメッシュ構造を有するタイヤモデルA,Bを示している。
図6(a),(b)に示すタイヤモデルA,Bのタイヤ断面は、参照タイヤモデル40の固有振動モードの変形形状を、基準タイヤモデル50,60のメッシュ構造に合わせて再形成したタイヤ断面を重み付け加算することにより得られたものであるので、図6(a),(b)に示すようにタイヤモデルA,Bは、同じタイヤ断面を示す。すなわち、評価しようとするタイヤ性能が2つ以上あり、これに対応して基準タイヤモデルが2つ以上作成されても、最適な1つのタイヤ断面を持つタイヤモデルを得ることができる。
また、本実施形態のタイヤモデル作成方法では、1つの参照タイヤモデル40の固有振動モードの変形形状を基底タイヤ断面の形状として有するように、シミュレーション計算に適したメッシュ構造を有する対応基底タイヤモデルを作成する。この対応基底タイヤモデルのタイヤ断面を重み付け加算することにより、タイヤ性能の評価に用いる試行タイヤモデルを作成する。したがって、評価するタイヤ性能に応じて異なるメッシュ構造を有する基準タイヤモデル50,60を用いても、1つの参照タイヤモデル40の固有振動モードの変形形状を有する基底タイヤ断面を重み付け加算して得られるタイヤ断面を有するタイヤモデルとなっている。これより、基準タイヤモデルそれぞれのメッシュ構造に合わせた種々の試行タイヤモデルを効率よく作成することができる。
基底断面の設定のために用いる固有振動モードは、参照タイヤモデル40に対して固有値解析を行って得られたタイヤ断面における1次固有振動モード及び2次以降の固有振動モードから選択された複数の振動モードであるので、参照タイヤモデル40の多様な変形形状を用いてタイヤ断面形状を作成することができる。
また、参照タイヤモデル40のタイヤ断面は、基準タイヤモデル50,60に用いた基準タイヤ断面と同じ形状であるので、基準タイヤモデル50,60と同じタイヤ断面を有する参照タイヤモデル40の固有振動モードの変形形状を用いてタイヤ断面形状を効率よく修正できる。このとき、基準タイヤモデル40のいずれの節点も、参照タイヤモデル50,60のいずれかの要素中に位置することが好ましい。本実施形態では、対応基底タイヤモデルを作成するとき、基準タイヤモデル50,60の節点に変位を与えて基準タイヤモデル50,60を変形させることにより基底タイヤ断面形状のそれぞれを再形成する。このとき、基準タイヤモデル50,60の節点に与えられる変位は、図4に示すように、基準タイヤモデル50,60の当該節点N1を包含する参照タイヤモデル40の要素Eを構成する複数の参照節点Na,Nb,Nc,Ndにおける基底タイヤ断面形状の変位を用いて、基準タイヤモデル50,60の当該節点N1の位置に応じて補間をすることに得られる変位である。このため、参照タイヤモデル40における基底タイヤ断面のそれぞれを、基準タイヤモデル50,60それぞれのメッシュ構造に合わせて精度高く再形成することができる。
本実施形態のタイヤ断面形状決定方法は、上記タイヤモデル作成方法を用いてタイヤ断面形状を得るので、複数のタイヤ性能が定められた条件を満足するような1つの最適なタイヤ断面形状を効率よく決定することができる。
以上、本発明のタイヤモデル作成方法、タイヤ断面形状決定方法、タイヤモデル作成装置、及びプログラムについて詳細に説明したが、本発明のタイヤモデル作成方法、タイヤ断面形状決定方法、タイヤモデル作成装置、及びプログラムは上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよい。
10 タイヤ断面形状決定装置
12 CPU
14 メモリ
16 入出力部
18 バス
18 入力操作デバイス
20 出力装置
22 処理モジュール
24 設定部
26 基準モデル作成部
28 対応基底タイヤモデル作成部
30 試行タイヤモデル作成部
32 評価部
34 決定部
40 参照タイヤモデル
50,60 基準タイヤモデル

Claims (7)

  1. コンピュータを用いて作成するタイヤモデル作成方法であって、
    数値解析可能な要素でモデル化された第1のメッシュ構造を有する参照タイヤモデルに関するタイヤ断面の変形形状の情報であって、前記参照タイヤモデルにおける複数の固有振動モード毎のタイヤ断面の変形形状の情報を、コンピュータがメモリから呼び出して、前記固有振動モード毎の前記変形形状を基底タイヤ断面の形状として設定するステップと、
    予め定められた1つの基準タイヤ断面に対して、前記参照タイヤモデルの前記第1のメッシュ構造に比べて粗い、異なる第2のメッシュ構造を有する少なくとも2つの基準タイヤモデルを、前記コンピュータが作成するステップと、
    前記コンピュータが、前記参照タイヤモデルにおける前記基底タイヤ断面のそれぞれを、前記基準タイヤモデルそれぞれの前記第2のメッシュ構造に合わせて再形成することにより、前記基準タイヤモデルそれぞれの前記第2のメッシュ構造に適合し、かつ、前記基底タイヤ断面のそれぞれに対応したタイヤ断面を有する複数の対応基底タイヤモデルを前記第2のメッシュ構造毎に作成するステップと、
    前記第2のメッシュ構造毎に、前記複数の対応基底タイヤモデルのタイヤ断面の形状を重み付け加算することにより、前記コンピュータが、新たなタイヤ断面を有するタイヤモデルを前記第2のメッシュ構造毎に作成するステップと、
    を有することを特徴とするタイヤモデル作成方法。
  2. 前記固有振動モードは、前記参照タイヤモデルに対して固有値解析を行って得られたタイヤ断面における1次固有振動モード及び2次以降の固有振動モードから選択された複数の振動モードである、請求項1に記載のタイヤモデルの作成方法。
  3. 前記参照タイヤモデルのタイヤ断面の形状は、前記基準タイヤモデルに用いた基準タイヤ断面の形状と同じである、請求項1または2に記載のタイヤモデルの作成方法。
  4. 前記基準タイヤモデルのタイヤ断面を前記参照タイヤモデルのタイヤ断面に重ねたとき、前記基準タイヤモデルのいずれの節点も、前記参照タイヤモデルのいずれかの要素中に包含され、
    前記対応基底タイヤモデルを作成するとき、前記基準タイヤモデルの節点に変位を与えて前記基準タイヤモデルを変形させることにより前記基底タイヤ断面の形状のそれぞれを再形成し、
    前記基準タイヤモデルの節点に与える変位は、当該節点を包含する前記参照タイヤモデルの要素を構成する複数の参照節点の前記固有振動モードの変形形状における変位を、前記基準タイヤモデルの当該節点の位置に応じて補間して得られる変位である、請求項3に記載のタイヤモデルの作成方法。
  5. タイヤ断面形状を、コンピュータを用いて決定するタイヤ断面形状決定方法であって、
    数値解析可能な要素でモデル化された第1のメッシュ構造を有する参照タイヤモデルに関するタイヤ断面の変形形状の情報であって、前記参照タイヤモデルにおける複数の固有振動モード毎のタイヤ断面の変形形状の情報を、コンピュータがメモリから呼び出して、前記固有振動モード毎の前記変形形状を基底タイヤ断面の形状として設定するステップと、
    予め定められた1つの基準タイヤ断面に対して、前記参照タイヤモデルの前記第1のメッシュ構造に比べて粗い、異なる第2のメッシュ構造を有する少なくとも2つの基準タイヤモデルを、前記コンピュータが作成するステップと、
    前記コンピュータが、前記参照タイヤモデルにおける前記基底タイヤ断面のそれぞれを、前記基準タイヤモデルそれぞれの前記第2のメッシュ構造に合わせて再形成することにより、前記基準タイヤモデルそれぞれの前記第2のメッシュ構造に適合し、かつ、前記基底タイヤ断面のそれぞれに対応したタイヤ断面を有する複数の対応基底タイヤモデルを前記第2のメッシュ構造毎に作成するステップと、
    前記第2のメッシュ構造毎に、前記複数の対応基底タイヤモデルのタイヤ断面の形状を重み付け加算することにより、前記コンピュータが、新たな試行タイヤ断面を有する少なくとも2つの試行タイヤモデルを作成するステップと、
    前記コンピュータが、少なくとも2つの前記試行タイヤモデルを用いて、前記試行タイヤモデル毎に異なるタイヤ性能のシミュレーションを行うことにより、前記試行タイヤ断面の形状について複数の性能評価を行うステップと、
    前記コンピュータが、前記重み付け加算に用いる重み強度の値の変更を行って、前記複数の性能評価を行うことにより、前記複数の性能評価が予め定められた条件に適合する試行タイヤ断面の形状を最適なタイヤ断面形状として決定するステップと、
    を有することを特徴とするタイヤ断面形状決定方法。
  6. タイヤモデル作成装置であって、
    数値解析可能な要素でモデル化された第1のメッシュ構造を有する参照タイヤモデルに関するタイヤ断面の変形形状の情報であって、前記参照タイヤモデルにおける複数の固有振動モード毎のタイヤ断面の変形形状の情報を、メモリから呼び出して、前記固有振動モード毎の前記変形形状を基底タイヤ断面の形状として設定する設定部と、
    予め定められた1つの基準タイヤ断面の形状に対して、前記参照タイヤモデルの前記第1のメッシュ構造に比べて粗い、異なる第2のメッシュ構造を有する少なくとも2つの基準タイヤモデルを作成する基準タイヤモデル作成部と、
    前記参照タイヤモデルにおける前記基底タイヤ断面のそれぞれを、前記基準タイヤモデルそれぞれの前記第2のメッシュ構造に合わせて再形成することにより、前記基準タイヤモデルそれぞれの前記第2のメッシュ構造に適合し、かつ、前記基底タイヤ断面のそれぞれに対応したタイヤ断面を有する複数の対応基底タイヤモデルを前記第2のメッシュ構造毎に作成する対応基底タイヤモデル作成部と、
    前記第2のメッシュ構造毎に、前記複数の対応基底タイヤモデルのタイヤ断面の形状を重み付け加算することにより、新たなタイヤ断面を有するタイヤモデルを前記第2のメッシュ構造毎に作成する試行タイヤモデル作成部と、
    を有することを特徴とするタイヤモデル作成装置。
  7. タイヤモデル作成方法をコンピュータに実行させるコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
    数値解析可能な要素でモデル化された第1のメッシュ構造を有する参照タイヤモデルに関するタイヤ断面の変形形状の情報であって、前記参照タイヤモデルにおける複数の固有振動モード毎のタイヤ断面の変形形状の情報を、コンピュータがメモリから呼び出して、前記固有振動モード毎の前記変形形状を基底タイヤ断面の形状として設定する手順と、
    予め定められた1つの基準タイヤ断面の形状に対して、前記参照タイヤモデルの前記第1のメッシュ構造に比べて粗い、異なる第2のメッシュ構造を有する少なくとも2つの基準タイヤモデルを、前記コンピュータが作成する手順と、
    前記コンピュータが、前記参照タイヤモデルにおける前記基底タイヤ断面のそれぞれを、前記基準タイヤモデルそれぞれの前記第2のメッシュ構造に合わせて再形成することにより、前記基準タイヤモデルそれぞれの前記第2のメッシュ構造に適合し、かつ、前記基底タイヤ断面のそれぞれに対応したタイヤ断面を有する複数の対応基底タイヤモデルを前記第2のメッシュ構造毎に作成する手順と、
    前記第2のメッシュ構造毎に、前記複数の対応基底タイヤモデルのタイヤ断面を重み付け加算することにより、前記コンピュータが、新たなタイヤ断面を有するタイヤモデルを前記第2のメッシュ構造毎に作成する手順と、を有する、前記手順をコンピュータに実行させるプログラム。
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