JP6067864B2 - 点火器組立体、エアバッグシステム、及び、その検知システム並びに検知方法 - Google Patents
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Description
特許文献6には、中空状の導電性パイプの内側に取り付けられる無線タグであって、導電性パイプと電気的に接続される接点と、導電性パイプの内部において長手方向に沿って配置され、導電性パイプとともに同軸線路を形成する導線と、一端が接点と、他端が導線と電気的に接続される無線タグ回路とを備えたものが開示されている。
さらに、点火装置を含む電子部品は安全上の見地から金属製シールドで保護するのが望ましい。
一方、点火器カラーの内側に無線ICタグ付き点火具が配置されたものは、ICタグ通信用リーダ・ライタとの通信が困難である。すなわち、特許文献1の無線ICタグ付き点火具は、金属管体が無線ICタグにとってモノポールアンテナとして作用するように構成されている。具体的な例として、雷管用金属製管体の全長(軸方向長さ)が65mmのとき、ネットワークアナライザによる測定周波数として2.45GHzの電波信号を採用することで、金属製管体内のICタグに対する高い電波発信効率が得られている。しかしながら、特許文献1の発明では、脚線あるいは金属製管体をモノポールアンテナ等のアンテナとして作用させてICタグの製造情報を得ているため、金属製管体はネットワークアナライザで使用される測定周波数に対し、(1/4)・λあるいは(1/2)・λ等所定の長さが必要となる。
エアバッグシステム用のICタグ通信用リーダ・ライタとして一般的に使用されるUHF (ultra high frequency) 帯の電波を使用する場合、仮に、2.45GHzの電波信号を採用した場合、(1/4)・λ≒30mm、920MHzでは(1/4)・λ≒160mmとなる。そのため、金属製管体が短くて細長い(例えば長さが20mm程度以下)エアバッグシステム用の点火器組立体では、特許文献1の発明を適用し、金属製管体をモノポールアンテナ等所定の長を必要とするアンテナとし、ICタグの製造情報を外部から得るということはできない。
仮に、特許文献2の金属製シールドでは保護されていないRFIDタグをイニシエータに応用した場合は、エアバッグの作動時の衝撃から電子部品を保護できない。
特許文献4の発明は、リーダ・ライタ側に設けたフロントエンドに対しメモリパッケージを対向配置することを前提としており、小さな点火器組立体に組み込まれたICタグの情報の読み書きに適用するのは困難である。すなわち、2つのコイルの同一面の対向を前提にした位置合わせ用の凹凸部は、2つのコイルと凹凸部が同一面に形成できることを前提としている。インフレータなどの点火器組立体内部には2つのコイルを対向させる余地がなく、2つのコイルは狭い隙間を利用し、ほぼ90度の直立関係に配置する必要があるので、平面内で確実に対向させるための凹凸部の機械的勘合技術を、狭い隙間へ適用するのは困難である。
特許文献5の発明は、タイヤのバルブの位置にRFIDタグを設置するように、マーカを設けているが、RFIDタグは金属製シールドでは保護されていない環境にあり、このRFIDタグをイニシエータに応用した場合は、作動時の衝撃から電子部品を保護できない。
特許文献6の発明は、中空状の導電性パイプの内側に取り付けられる無線タグ(ICタグ)に関するものである。無線タグ(RFIDタグ、ICタグ)において使用される電波の周波数が、中空状の導電性パイプに対する遮断周波数よりも低い周波数である場合において、無線タグの導線が導電性パイプとともに同軸線路を形成するように構成されている。導線は、一様な太さと一様なパイプ直径で長く連続する同軸線路を形成するために、特性インピーダンスが整合されるだけの所定の太さと所定の長さなどを必要としており、中心線長が(1/4)・λ以下で、場所によって直径の異なる中空パイプ構造で、さらに長さが短いエアバッグシステム用の点火器組立体に組み込むことはできない。
また、インフレータなどの点火器組立体においては、点火後、火薬が燃焼し、エアバッグが確実に膨張するが他の機器や身体に損傷があってはならない。そのためには、燃焼がエアバッグの一方向(前方)に向かうような構造、例えば、筒状の金属製点火器カラーの内部に絞り部が形成され、この絞り部が点火器の台座となり、火薬の燃焼によって生じる圧力に伴う後方への反動力を金属のアイレットが食い止めるという構造となっている。この構造でアイレットの後方に位置する信号ピンや信号線が衝撃による損傷から免れる。このような構造は、特許文献6の発明の対象である、平坦な内面をもつ金属製の筒とその中心に1本の中心線が、インピーダンスを決める同軸外形の直径と中心線の太さが所定の寸法に規定されて配置されるという同軸線や管のモデルとは、大きく異なる。
さらに、インフレータなどの点火器組立体では信号の絶縁を規定することはあってもインピーダンスを規定することはなく、信号線も通常複数である。また、同軸線の断面に相当する点火器カラーの直径も、機械的設計の都合が優先しインピーダンスには配慮が無い。そのため、点火器カラーの入り口部や絞り部などで直径が場所によって異なる。さらに信号線も2本の場合では、中心軸から離れているし、信号線が信号ピンに接続され、信号ピンは高周波的等価回路で見た場合、アイレットの面に入りグランドにつながる。特許文献6の発明では信号線が直接無線タグ(ICタグ)につながる構造になっている。
すなわち、特許文献6の発明における同軸線の内部(これは点火器組立体カラーの内部に対応)の中心線(これは信号線に対応)の長さは、アンテナ効果が発揮できる長さ、例えば(1/4)・λ(UHF帯の電波では約8cm程度)などに調整されている。一方、インフレータなどの点火器組立体では、長さが2cm以下などの制約があり、同軸線モデルでの動作理論からはずれてしまう。そこで、同軸線モデルとは違う動作モデルで、点火器組立体におけるICタグ通信を実現する必要が生じる。
また、本発明の他の目的は、ICタグを組み込んだ点火器組立体において、機械的寸法の都合や制約から点火器組立体の長さが短くアンテナとして動作しない寸法であっても、外部からICタグ通信用リーダ・ライタにより容易にICタグの製造情報を得ることができるようにすることにある。
特に、点火器組立体が車体のハンドル等に組み込まれるため、ICタグリーダ/ライタの検出部先端を点火器に直接挿入できない場合でも、例えばハンドルの外から非接触にICタグ通信が可能になる。そのため、ICタグが万が一のリコール回収作業の対象となる場合は、ID番号に基づく生産ロットや出荷情報等の確認が容易となる。
なお、着火電流を供給する部品(電流供給部品)は、ピンに直接接続するコネクタや、溶接やロウ付けで接続されるリードワイヤを指す。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。
点火器200と、この点火器を内部に保持する導電性の点火器カラー305とは、点火器組立体として一体化されている。
点火器200は、チャージホルダ201、ヘッダ202、このヘッダ202に固定された中空円柱状のアイレット209、及び円筒状のカバー203を有している。チャージホルダ201とカバー203とアイレット209の下面(第2の端面)とで囲まれた空間内に点火薬204(点火薬204a,204b)が封入されている。第1の電極(第1導電ピン206(P1)の一端)と第2の電極(第2導電ピン207(P2)の一端に接続されたアイレット209の下面(第2の端面)で構成される電極間がブリッジワイヤ205で電気的に接続されている。導電ピン(P1,P2)の第1、第2の電極側(根元部分)は樹脂製の絶縁層で封止されている。208はガラス部材等の丈夫な絶縁材である。チャージホルダ201、アイレット209及びカバー203は、金属で構成されている。また、平板状のICタグ100が、そのコイル面が第2導電ピンP2に沿うように、また、アイレット209の上面(第1の端面)2090に直立して、樹脂311内に埋設されている。すなわち、樹脂311で構成されたヘッダ202内でかつ、第2導電ピン207(P2)の近傍に、コイル面が第1導電ピン(センターピン、P1)、第2導電ピン(アイレットピン、P2)の中心を通る点火器組立体の中心軸線OH−OH‘と平行な方向になるようにして、特に、グランド(アース)側となる第2導電ピンP2にコイル面の一端が近接して沿うように、また、アイレット209の上面2090に直立するように、平板状のICタグ100が樹脂311内に埋設さている。
ヘッダ202の外周部には、金属製シールド容器(点火器カラー)305が固定されている。この点火器カラーの内側は樹脂312で覆われた筒状のコネクタ差し込み空間(電流供給部品の接続用空間)306となっており、この電流供給部品の接続用の差し込み空間306に、第1導電ピン206と第2導電ピン207とが突出している。点火器カラーの内側には、点火器を所定の位置に配置するための空間314も形成されている。さらに、点火器カラー305の上端面309の一部に、位置決め部310が設けられている。
点火器カラー305の内部に絞り部が形成され、この絞り部の内側に配置された樹脂には、導電ピン(P1、P2)が貫通する孔315,316が形成されている(図2A参照)。点火器カラー305の絞り部は、点火器のヘッダ202の台座となり、火薬の燃焼によって発生する圧力に伴う後方(点火器カラー305側)への反動力を金属のアイレット209が食い止めるという構造となっている。これにより、アイレットの前方の点火薬204による着火に伴い発生したガス発生器の高圧ガスによる衝撃力を、チャージホルダ201、アイレット209及びその内側の絶縁材208等で受け止め、高圧ガスによる衝撃力がエアバッグの方向(前方)に向かい、アイレットの後方のICタグ100や導電ピン、あるいはその後ろの信号線等が衝撃から保護される構造となっている。
図2Aは説明のために、樹脂312が金属製シールド容器(点火器カラー)305に配置された状態となっており、樹脂312には導電ピン(P1、P2)が貫通する孔315,316が形成されているが、これは樹脂312を射出したときに導電ピン(P1,P2)によって形成される孔であり、樹脂312の配置や孔は、本実施例では予め形成されているものではない。
なお、図3に示した、点火器200を含む点火器組立体は、図1Aに示した点火器組立体とは細部の構成が若干異なっているが、導電ピン(P1,P2)の近傍において樹脂の中にICタグ100を設置するという基本的な構成は同じである。
また、486は運転席に設けられた例えば計器類やカーナビケーション装置等の表示パネルであり、この表示パネルの背面やエンジンルーム内に配置された電流供給回路(ECU)とエアバッグ装置484の各点火器(スクイブ)とが、信号ケーブル470で接続されている。コネクタ460から電流供給回路400に至る信号ケーブル470は、少なくとも20cmの長さを有する。なお、運転席には、通常、複数のエアバッグ装置484が組み込まれるが、ここでは、分かり易くするために、1つのエアバッグ装置を前提に説明する。
この電流供給回路400は、例えば自動車のECU内に設けられる。車両に搭載されたエアバッグシステムは、電流供給回路400を含むECUと、このECUと接続され各々ガス発生器300とエアバッグとがケース内に収容された複数のエアバッグモジュール、とを有している。電流供給回路400を含むECUと個々のガス発生器300とが、それぞれ導体によりこれらの各エアバッグモジュールに接続されている。
電流供給回路400は、例えば1枚の基板上に形成される。この基板の一端には、電流供給回路400を、信号ケーブル4701,4702を介して、点火器200の第1導電ピン206(P1)及び第2導電ピン207(P2)に電気的に接続するためのコネクタ460との接続部(接続端子)401,402を備えている。ここでは、説明上第1導電ピン206が正、第2導電ピン207が負(アース)に接続されているとする。電流供給回路400は、基板上に、少なくともスイッチ回路410,411、パルス発生器412、413、断線検知回路414、電圧変換器421及びコンデンサ420等の各素子が配置されたものであり、外部の直流電源であるバッテリー430と、ガス発生器300内に組み込まれた点火器200とを、イグニッションキー431を介して、接続する電流経路の途中に設けられている。電流経路は、1つの点火器200に対して2つずつ存在しており、各々、2本の導線(リードワイヤ)で形成されている。基板上のスイッチ回路410,411、パルス発生器412、413、及び、断線検知回路414はさらに、インターフェース415を介して、マイクロコンピュータユニット(MCU)422に接続されている。MCU422にはROM423が接続され、さらに、インターフェース424を介して、基板外の衝撃検知センサ440、エンジンのコントローラやブレーキセンサ等450に接続されている。
ただし、信号ケーブル470の一部がステアリングホイール480の金属製の中空リム内に配設される場合には、カプラ472を経由して金属製の中空リムの外部に出ている部分の信号ケーブルの長さが、少なくとも8cm以上必要である。なお、信号ケーブルの長さの上限は特にないが、実用上、1乃至数メートルの範囲内である。
なお、ICタグ100の埋設場所は、第1導電ピン又は第2導電ピンの何れか1つの側でも良いが、図5Aの例では、各点火器の第2導電ピン(P2)側に、ICタグ100が設置されている。このICタグ100は、電流供給回路が信号線で接続された時、外部から各点火器のID番号など固有識別情報や製造情報を取得するのに利用できる。
[変形例]
本発明の実施例2として、点火器組立体は、非導電性の円筒ケース(実施例1のヘッダ相当)内に固定された金属製のインナーカップ(円筒状のカバー)と、このインナーカップ内に固定された金属製の中空円柱状ヘッダ(アイレット)と、インナーカップ内の先端部でかつ中空円柱状ヘッダの一方の端面側に形成される空間に充填される着火薬と、中空円柱状ヘッダの中空部に絶縁材で固定された1本のセンターピン(P1)と、このセンターピンの先端面と中空円柱状ヘッダの一方の端面(第2の端面)との間に架橋され着火薬に接するブリッジワイヤと、センターピン(P1)の他端に接続されるリード線と、インナーカップ内においてセンターピンと中空円柱状ヘッダ及びリード線を絶縁する絶縁体と、センターピンに対応する筒状のコネクタ差し込み空間とを備えている。この場合、平板状のICタグが、(P1)に対応づけて、センターピンに平行になるように配置し、中空円柱状ヘッダ(アイレット)の他方の端面(第1の端面)に直立若しくはそれに近い角度になるように、インナーカップ内の絶縁体に埋め込まれていれば良い。この場合も、センターピンに接続されるコネクタからカプラを経由して点火器駆動回路に至るまでの信号ケーブルの長さ(=Lc)が、少なくとも20cm、好ましくは30cm以上の長さを有する。
図8Cは、図8Aにおいて、検出部510のコイルとICタグのコイルアンテナ102とが、磁力線Φ1ループで相互誘導結合する関係を説明する図である。ここでは、結合に無関係のピンP1,P2及び樹脂などの表示を省略している。なお、磁力線Φ1は、1次と2次のコイル面を複数本貫通しているが、1本の点線ループで代表している。1次コイルとなる検出部510のコイル面から外側へ向かう磁力線Φ1は、2次コイルに相当するICタグのコイルアンテナ102をくぐり抜けて、その反対側からループ状に、検出部510のコイル面の内側をくぐって戻ってくる、という閉じたループを形成する。すなわち、2つのコイル面を貫通するように共通の磁力線で束ねる関係が、相互誘導である。
このように、ICタグのコイルと検出部510の微小ループとは、トランスの1次コイル、2次コイルに相当する相互誘導の関係が成り立つ。信号伝送部の高周波電流を1次電流とすると、この1次電流によって誘起した磁力線がICタグのコイルアンテナに2次電流を発生させる。この2次電流で動作したICタグ100は、そのIDなどの識別情報の他固有情報の信号を、信号伝送部を逆に辿って、内部の高周波アンテナ回路へ返す。ICタグ通信用リーダ/ライタ装置500から見たときの感度は、信号伝送部とタグ100が接近しているほど高い感度になる。そのため、嵌合部503が点火器200の位置決め部310、例えば凹凸構造や目印合わせなどの位置決め部、と一致したとき、検出部510の直下直近においてICタグ100を検出し、その結果が、ICタグ通信用リーダ/ライタ装置500の表示部502に表示される。
検出部510のコイル直径は5mm、ICタグは2.5mm角のコイルを持つ(株)日立化成IM5−PK2525型タグである。回転角θ(OV−OV‘に対する角度)が90°から135°にわたって、検出部510によりICタグ100を確実に検知できた。図9Aには、検知できた領域を検知エリアSとして表示している。
しかし、回転角θが0°と180°で挟まれる−90°や−135°の領域では、ICタグ100を検知できなかった。この検出実験例によると、検出部510はICタグ100を所定の位置でかつ検出コイルの寸法範囲内の分解能で、確実に検出できることを示している。すなわち、点火器200を点火器カラー305へ、誤って、P1とP2の位置を逆に差しこんでしまうような誤組立品の検知を容易に行える。
図10は、エアバッグ装置を備えた自動車用の運転席付近における、ICタグ通信用リーダ/ライタ装置500によるICタグの製造情報の読み取り状態を示す図である。電流供給回路(ECU)400とエアバッグ装置484の各スクイブのコネクタ460とが、20cm以上の長さを有する信号ケーブル470及びコネクタ472で接続されている。
本発明の点火器組立体の位置決め部は、機械的な構造で確保するものに限定されない。実施例4では、光学式検知機構を採用する。
ここでは、本発明の第1乃至第4の何れかの実施例に係る点火器組立体を含むエアバッグ装置が、自動車の車体のステアリングホイールの内部等に組み込まれ、ガス発生器300やこれに接続する信号ケーブル470が配線された車両搭載後における、ステアリングホイールの外部からハンディタイプのICタグ通信用リーダ/ライタ装置500により、ICタグと通信する方法について説明する。
先にも述べた通り、エアバッグシステム用のICタグ通信用リーダ・ライタ500には、高出力で遠方まで届くICタグの電波として、一般に、UHF帯の電波が使用される。但し、ICタグ100は、ガス発生器300の点火器カラー(金属製シールド容器)305の内部に組み込まれている。すなわち、外部から直接ICタグ100と通信するための電波が、ガス発生器300の内部に入らない構造となる。そのため、ICタグ通信用リーダ・ライタにより、ICタグの製造情報を外部から直接得ることはできない。
一方、本発明によれば、図4や図5Bに示したように、エアバッグ装置484のガス発生器300には、コネクタ460を介して信号ケーブル470が接続される。この場合、ICタグ100は、点火器200の内部の導電ピン(P2若しくはP1)の根本に近接して配置されている。そして、この導電ピンは、ガス発生器300の外部に続く信号ケーブルにそれぞれ繋っている。重要なのは、ICタグ100の直近の導電ピンにつながる信号ケーブルが、1本以上接続されていること、及び、信号ケーブルが少なくとも20cm以上の長さを有することである。
なお、助手席や後座席等のガス発生器300や点火器200の配置も、高周波等価回路で見た場合、同等となるため、ハンドル周りの図で代表し、図示を省略する。
運転席付近の信号ケーブル470は、ステアリングホイール480や車体を構成する金属材料で覆われている部分もあるが、金属材料では覆われず非金属材料のみで覆われている部分もある。リーダ/ライタ装置500では、信号ケーブル470が金属材料では覆われていない部分を利用して、放射電波RaによるICタグの製造情報の読み取りを行う。
図11Aに示したように、ICタグ通信用リーダ/ライタ装置500から発射したUHF帯の放射電波Raが、信号ケーブル470(4701,4702)にあたり、これらの信号線上に、同相(同じ方向)に流れる高周波電流iを誘起する。この高周波電流がコネクタや信号線の屈曲等で生ずる反射電流とさらに干渉して、周期的大きさの定在波を形成する。図11Aでは、この定在波が発生している様子を、高周波回路の等価回路図として簡略化して示している。なお、定在波の最小部を節部STとすると、節間距離Lcoは半波長、節間の中間点は電流の定在波が最大の腹部となる。また、等価回路図中、アイレット209及びハンドル480や車体の金属構造物をアース側、あるいはグランドG側とし、ICタグ100の組み込まれている部分の構造が、グランドGで囲まれている様子を分かり易く示している。
ICタグ100は、導電ピンP2に並行に近接し、アイレット209の火薬とは反対側の面(第1の端面)2090に直立若しくはそれに近い角度で、配置されていることが重要である。このような配置により、アイレットがグランドG側として機能し、磁束が増加する、すなわち、高周波電流iと高周波電流i‘とによる相互誘導の結合密度が高くなる。
ICタグ通信用リーダ/ライタ装置500による放射電波の波長に比べて長さの長い信号ケーブルがあれば、信号ケーブルには少なくとも1つ以上の定在波が発生する。例えば、UHF帯の920MHzの周波数の電波の場合、節間距離Lcoが略16cmとなり、20cm以上の長さの信号ケーブルには、少なくとも1つ以上の定在波が発生し、高周波電流iに対する相互誘導電流によりICタグ100を動作させる。信号ケーブルの一部が金属材で囲まれている場合でも、全長が20cm以上、かつ、金属材の外部に出ている部分の信号ケーブルの長さが少なくとも8cm以上であれば、高周波電流iによりICタグ100を動作させることが可能である。リーダ/ライタ装置500で、照射された地点から遠くに行くに従い、定在波は、様々なロスのために弱くなる周期波となる。
なお、高周波電流iの大きさは、μAのオーダーであり、点火器200のスクイブを動作させるのに必要な電流、例えば120mA〜1Aのオーダーの電流に比べて非常に小さい値なので、この高周波電流iにより自動車に組み込まれた点火器200が動作しエアバックが誤差動するという恐れは皆無である。
さらに、点火器200やガス発生器300がエアバッグ装置として自動車に組み込まれた後では、ハンドルなどの外部から、ICタグ情報を検知可能である。そのため、エアバッ点火器200グ装置として自動車に組み込まれた後、ハンドルを分解してガス発生器300の点火器200に接続されている信号ケーブルやコネクタを外し、検出部510をコネクタの差し込み空間306に差し込むといった作業が不要になる。このため、エアバッグ装置のリコール検査等においては、調査コストを大幅に引き下げるなど、迅速な安全点検に寄与できる。
また、各実施例の適用例として、自動車用のエアバッグ装置を例に挙げたが、点火器組立体の長さLbが20mm程度以下と短く、かつ、点火器組立体の外部に信号ケーブルが延びる構成であれば、エアバッグ装置以外の装置にも、本発明を適用可能である。
Claims (15)
- 点火器と該点火器を内部に保持する導電性の点火器カラーとが絶縁層を介して一体化された点火器組立体であって、
前記点火器は、
前記絶縁層によって少なくとも一部が覆われた金属製のアイレットと、
該アイレットを内側に保持する金属製のカバーと、
前記カバー内でかつ前記アイレットの一端面に接する空間内に配置された着火薬と、
前記アイレットの前記一端面に接続された発熱体と、
前記発熱体に電気的に接続された少なくとも1本の導電ピンとを備え、
前記導電ピンの他端は、前記点火器カラーの外部から前記発熱体に着火電流を供給する電流供給回路が接続されるように、前記絶縁層から露出しており、
前記絶縁層内でかつ前記導電ピンの近傍に、ICタグが配置されており、
前記ICタグは、ICチップと、該ICチップの周囲に巻かれたコイルアンテナとを有し、
前記点火器組立体の長さは、前記ICタグのリーダ/ライタ装置に使用される電波の波長λの1/4よりも短く、
前記ICタグは、前記アイレットの前記一端面とは反対側の他端面付近に直立若しくはそれに近い角度で、かつ、前記コイルアンテナの面が前記導電ピンと平行若しくはそれに近い角度になるようにして、配置されている
ことを特徴とする点火器組立体。 - 請求項1において、
前記ICタグは平板状であり、
前記アイレットが中空円柱状であり、
該ICタグの平板の一辺が前記アイレットの前記他端面上に配置され、前記絶縁層内に埋設されている
ことを特徴とする点火器組立体。 - 請求項2において、
前記ICタグのコイルアンテナは、平面コイルであり、
前記導電ピンの他端は、少なくとも1本の信号ケーブルにより前記点火器組立体の外に引き出され、前記電流供給回路に接続可能に構成されており、
前記ICタグは、前記導電ピンに対して、前記信号ケーブルを介して前記導電ピンに供給される高周波電流により発生する磁力線が前記ICチップの周囲に巻かれた前記コイルアンテナに誘起する相互誘導電流により、前記ICタグが動作するような位置関係に配置されている
ことを特徴とする点火器組立体。 - 請求項3において、
前記導電ピンは、
前記アイレットの中空部を経て該アイレットの前記一端面において前記発熱体に電気的に接続された第1導電ピンと、
前記アイレットの前記他端面に電気的に接続された第2導電ピンとを有し、
前記ICタグが前記アイレットの前記他端面上に直立して、かつ、前記第2導電ピンに沿って前記絶縁層内に埋設されている
ことを特徴とする点火器組立体。 - 請求項3において、
前記点火器組立体の長尺軸方向の長さLbが20mmあるいはそれ以下であり、
前記導電ピンの他端は、前記点火器カラーの電流供給部品の接続用空間に延びている
ことを特徴とする点火器組立体。 - 請求項5において、
前記点火器は、車輌の人員拘束装置を瞬間的に作動させるための点火器であり、
前記点火器カラー及び前記信号ケーブルは、車体若しくはステアリングホイール内に組み込まれて設置されており、
前記導電ピンに前記信号ケーブルを接続するコネクタから前記電流供給回路に至るまでの前記信号ケーブルの長さLcが、少なくとも20cmの長さを有する
ことを特徴とする点火器組立体。 - ガス発生器と、点火器組立体と、電流供給回路とを含むエアバッグ装置であって、
前記点火器組立体は、点火器と該点火器を内部に保持する導電性の点火器カラーとが絶縁層を介して一体化された構成であり、
前記点火器は、
前記絶縁層によって少なくとも一部が覆われた金属製のアイレットと、
該アイレットを内側に保持する金属製のカバーと、
前記カバー内でかつ前記アイレットの一端面に接する空間内に配置された着火薬と、
前記アイレットの前記一端面に接続された発熱体と、
前記絶縁層を貫通し、前記発熱体に電気的に接続された少なくとも1本の導電ピンとを備え、
前記導電ピンの他端は、前記点火器カラーの外部から前記発熱体に着火電流を供給する電流供給回路が接続されるよう、前記絶縁層から露出しており、
前記絶縁層内でかつ前記導電ピンの近傍に、ICタグが配置されており、
前記ICタグは、ICチップと、該ICチップの周囲に巻かれたコイルアンテナとを有し、
前記点火器組立体の長さは、前記ICタグのリーダ/ライタ装置に使用される電波の波長λの1/4よりも短く、
前記ICタグは、前記アイレットの前記一端面とは反対側の他端面付近に直立若しくはそれに近い角度で、かつ、前記コイルアンテナの面が前記導電ピンと平行若しくはそれに近い角度になるようにして、配置されており、
前記導電ピンの他端は、少なくとも1本の信号ケーブルにより前記点火器組立体の外に引き出され、前記電流供給回路に接続可能に構成されている
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項7において、
前記点火器カラー及び前記信号ケーブルは、車体若しくはステアリングホイール内に組み込まれて設置されており、
前記信号ケーブルに、前記ICタグのリーダ/ライタ装置による放射電波による定在波を発生させ、該定在波により前記ICタグの内部のコイルアンテナに相互誘導電流を誘起し、前記ICタグを動作させる
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項8において、
前記導電ピンに前記信号ケーブルを接続するコネクタから前記電流供給回路に至るまでの前記信号ケーブルの長さLcが、少なくとも20cmの長さを有し、
前記ICタグは、前記導電ピンに対して、前記信号ケーブルを介して前記導電ピンに供給される高周波電流により発生する磁力線が前記ICチップの周囲に巻かれた前記コイルアンテナに誘起する相互誘導電流により、前記ICタグが動作するような位置関係に配置されている
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - ICタグ通信用リーダ/ライタ装置を用いた、点火器組立体の検知システムであって、
前記点火器組立体は、
点火器カラーと、
前記点火器カラーに絶縁層を介して固定された点火器とを備え、
前記点火器は、
前記絶縁層によって少なくとも一部が覆われた金属製のアイレットと、
該アイレットを内側に保持する金属製のカバーと、
前記カバー内でかつ前記アイレットの一端面に接する空間内に配置された着火薬と、
前記アイレットの前記一端面に接続された発熱体と、
前記絶縁層を貫通し、前記発熱体に電気的に接続された少なくとも1本の導電ピンとを備え、
前記導電ピンの他端は、前記点火器カラーの外部から前記発熱体に着火電流を供給する電流供給回路が接続されるよう、前記絶縁層から露出しており、
前記絶縁層内でかつ前記導電ピンの近傍に、ICタグが配置されており、
前記ICタグは、ICチップと、該ICチップの周囲に巻かれたコイルアンテナとを有し、
前記点火器組立体の長さは、前記ICタグ通信用リーダ/ライタ装置に使用される電波の波長λの1/4よりも短く、
前記ICタグは、前記アイレットの前記一端面とは反対側の他端面付近に直立若しくはそれに近い角度で、かつ、前記コイルアンテナの面が前記導電ピンと平行若しくはそれに近い角度になるようにして、配置されており、
前記信号ケーブルに、前記ICタグ通信用リーダ/ライタ装置による放射電波による定在波を発生させ、該定在波により前記ICタグの内部のコイルアンテナに相互誘導電流を誘起し、前記ICタグを動作させる
ことを特徴とする点火器組立体の検知システム。 - 請求項10において、
前記導電ピンの他端は、前記点火器カラー内の電流供給部品の接続用空間に延びており、
前記接続用空間を、前記ICタグ通信用リーダ/ライタ装置により前記ICタグを検出する窓として利用するように構成されており、
前記点火器カラーに、前記ICタグの位置に対応した、前記ICタグ通信用リーダ/ライタ装置用の、位置決め部が設けられており、
前記ICタグ通信用リーダ/ライタ装置は、ICタグ通信用の電磁波を放射するアンテナ回路及び検出部を備えており、
前記ICタグ通信用リーダ/ライタ装置の嵌合部を前記点火器カラーの位置決め部に嵌合させた状態において、前記検出部のコイル部が前記ICタグのコイルと相互誘導状態になり、
前記検出部と前記ICタグが所定の距離内に固定されているときは、前記検出部と前記ICタグは磁束により電磁結合し、
前記検出部と前記ICタグが所定の距離外に固定されているときは、前記検出部と前記ICタグは磁束による検出可能な範囲の外となる
ことを特徴とする点火器組立体の検知システム。 - ICタグ通信用リーダ/ライタ装置を用いた、点火器組立体の検知方法であって、
前記点火器組立体は、
位置決め部を有する点火器カラーと、
前記点火器カラー内に絶縁層を介して固定された点火器とを備え、
前記点火器は、
前記絶縁層によって少なくとも一部が覆われた金属製のアイレットと、
該アイレットを内側に保持する金属製のカバーと、
前記カバー内でかつ前記アイレットの一端面に接する空間内に配置された着火薬と、
前記アイレットの前記一端面に接続された発熱体と、
前記絶縁層を貫通し、前記発熱体に電気的に接続された少なくとも1本の導電ピンとを備え、
前記導電ピンの他端は、前記点火器カラーの外部から前記発熱体に着火電流を供給する電流供給回路が接続されるよう、前記絶縁層から露出しており、
前記絶縁層内でかつ前記導電ピンの近傍に、ICタグが配置されており、
前記ICタグは、ICチップと、該ICチップの周囲に巻かれたコイルアンテナとを有し、
前記点火器組立体の長さは、前記ICタグ通信用リーダ/ライタ装置に使用される電波の波長λの1/4よりも短く、
前記ICタグは、前記アイレットの前記一端面とは反対側の他端面付近に直立若しくはそれに近い角度で、かつ、前記コイルアンテナの面が前記導電ピンと平行若しくはそれに近い角度になるようにして、配置されており、
前記導電ピンの他端は、少なくとも1本の信号ケーブルにより前記点火器組立体の外に引き出され、前記電流供給回路に接続可能に構成されており、
前記信号ケーブルに、前記ICタグ通信用リーダ/ライタ装置による放射電波による定在波を発生させ、該定在波により前記ICタグの内部のコイルアンテナに相互誘導電流を誘起し、前記ICタグを動作させる
ことを特徴とする点火器組立体の検知方法。 - 請求項12において、
前記導電ピンに前記信号ケーブルを接続するコネクタから前記電流供給回路に至るまでの前記信号ケーブルの長さLcが、少なくとも20cmの長さを有する
ことを特徴とする点火器組立体の検知方法。 - 請求項13において、
前記点火器組立体の長尺軸方向の長さLbは20mmあるいはそれ以下であり、
前記導電ピンの他端は、前記点火器カラーの前記信号ケーブル接続用の空間に延びており、
前記接続用の空間を、前記ICタグ通信用リーダ/ライタ装置により前記ICタグを検出する窓として利用し、
前記ICタグ通信用リーダ/ライタ装置を前記点火器カラーの前記位置決め部にセットし、
前記検出部と前記ICタグとの磁束による電磁結合を検知したとき時、一対の前記導電ピンが前記点火器に対して正規の位置に接続されていると判定し、
前記検出部と前記ICタグとの磁束による電磁結合を検出できない時、前記一対の導電ピンが前記点火器に対して正規の位置に接続されていないと判定する
ことを特徴とする点火器組立体の検知方法。 - 請求項14において、
前記ICタグは、前記コイルアンテナの面が前記導電ピンと平行に配置されており、
前記ICタグは、前記検出部の高周波の1次電流から前記コイルアンテナに高周波の2次電流を誘導することで動作し、該ICタグの情報が2次電流から1次電流へと逆に辿るように誘導されることにより、前記ICタグ通信用リーダ/ライタ装置とのICタグ通信を行う
ことを特徴とする点火器組立体の検知方法。
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