JP6068376B2 - 静電荷像現像用カプセルトナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用カプセルトナーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法において形成される静電潜像の現像に用いられる静電荷像現像用カプセルトナーの製造方法に関する。
カプセルトナーは、コアと、コアの表面に形成されたシェル層(カプセル膜)とから構成される。特許文献1には、分散剤が溶解している水系媒体に粉体トナーを固体状態で分散する工程と、該分散物に熱硬化性樹脂のモノマーまたはプレポリマーを含む原料を混合する工程と、該粉体トナーを溶融することなく、該原料を樹脂化して該熱硬化性樹脂を含む薄膜を該トナーの表面に被覆する工程とを具備し、該粉体トナーが粉砕トナーである薄膜被覆トナーの製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のトナーの製造方法では、緻密なシェル層(カプセル膜)を形成することができず、耐熱保存性に劣るという問題がある。
特開2004−138985号公報
本発明は、緻密なシェル層(カプセル膜)を形成することができ、耐熱保存性に優れた、静電荷像現像用カプセルトナーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、カチオン性のモノマー及びカチオン性のプレポリマーの少なくとも一方が分散した水性媒体中で、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するアニオン性の粗粉砕物を微粉砕してコアを得た後、コアの表面でシェル層の重合を行い、コアの表面にシェル層を形成させる静電荷像現像用カプセルトナーの製造方法を要旨とする。
本発明によれば、水性媒体中で粗粉砕物を微粉砕する過程で、粗粉砕物の微粉砕物表面に、カチオン性のモノマーもしくはカチオン性のプレポリマー(例えば、初期縮合物)が付着し、強固で均一なシェル層を形成することができるので、耐熱保存性に優れたトナーを得られる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。
本実施形態に係る静電荷像現像用カプセルトナーの製造方法は、カチオン性のモノマー及びカチオン性のプレポリマーの少なくとも一方を含有するシェル化材料が分散した水性媒体中で、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するアニオン性の粗粉砕物を微粉砕してコアを得た後、前記コアの表面で前記シェル化材料の重合を行い、前記コアの表面にシェル層を形成させることを特徴とする。
本実施形態に係る製造方法で製造される静電荷像現像用カプセルトナーは、多数のトナー粒子(以下、単に「トナー粒子」と称することもある。)を含む。それぞれのトナー粒子は、アニオン性のコアの表面にカチオン性のシェル層(カプセル膜)が形成された構成である。なお、本実施形態においては、シェル層は単一層に限定されず、多層であってもよく、多層の場合は少なくとも最外層がカチオン性を有することが好ましい。
コアがアニオン性を有することで、シェル層の形成時にカチオン性のシェル層の材料をコア表面に引き付けることが可能になる。詳しくは、例えば水性媒体中で負に帯電するコアと、水性媒体中で正に帯電するシェル層の材料とが相互に電気的に引き寄せられ、コアの表面にシェル層が形成される。これにより、分散剤を用いて水性媒体中にコアを高度に分散させずとも、コアの表面に均一なシェル層を形成し易くなる。
コアは、結着樹脂と、内添剤(着色剤、離型剤、電荷制御剤、磁性粉等)とから構成される。
コアにおいては、コア成分の大部分(例えば85%以上)を結着樹脂が占めるため、結着樹脂の極性がコア全体の極性に大きな影響を与える。結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、メチル基等を有している場合には、コアはアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基、アミン、アミド基等を有している場合には、コアはカチオン性になる傾向が強くなる。
コアがアニオン性であることの指標としては、pH4に調整された水性媒体中で測定されるコアのゼータ電位が負極性を示すことが挙げられ、良好なアニオン性を得るためには、pH4におけるコアのゼータ電位は−5mV以下の値を示すことが好ましく、−10mV以下の値を示すことがより好ましい。
本実施形態において、コアがアニオン性であることの別の指標としては、標準キャリアとの摩擦帯電量が−1μC/g以下の値を示すことであり、好ましくは−10μC/g以下である。摩擦帯電量は、コアが正負のうちの何れの極性に帯電されるか、及びコアの帯電され易さの指標となる。標準キャリアと摩擦させた場合のコアの摩擦帯電量は、例えばQMメーター(例えば、TREK社製、MODEL 210HS−2A)により測定することができる。
以下、トナー粒子を構成するコアの全体構成、結着樹脂、内添剤(着色剤、離型剤、電荷制御剤、磁性粉)、シェル層の全体構成、シェル層の成分(電荷制御剤)、及び外添剤について、順に説明する。
〔コア〕
本実施形態のトナー粒子を構成するコアは、結着樹脂及び内添剤(着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉)を含む。ただし、コアが上記成分の全てを有していることは必須ではなく、トナーの用途等に応じて必要のない成分(電荷制御剤、磁性粉等)を割愛してもよい。
〔結着樹脂(コア)〕
結着樹脂は、例えば官能基としてエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、メチル基、カルボキシル基を有する樹脂から構成されることが好ましい。結着樹脂を構成する樹脂としては、分子中に水酸基、カルボキシル基のような官能基を持つ樹脂が好ましい。このような官能基を有するコア(結着樹脂)は、シェル層の材料(例えば、メチロールメラミン)と反応して化学的に結合し易くなる。こうした化学的な結合が生じると、コアとシェル層との結合が強固になる。
結着樹脂を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂の好適な例としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等が挙げられる。中でも、スチレンアクリル系樹脂及びポリエステル樹脂はそれぞれ、トナー中の着色剤の分散性、トナーの帯電性、及び被記録媒体に対する定着性に優れる。
(スチレンアクリル系樹脂から構成される結着樹脂)
結着樹脂を構成するスチレンアクリル系樹脂は、スチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体である。
スチレン系単量体の好適な例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン等が挙げられる。
アクリル系単量体の好適な例としては、(メタ)アクリル酸、特に(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましい。
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシプロピルが好ましい。
スチレンアクリル系樹脂を調製する際に、水酸基を有する単量体(p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル等)を用いることで、スチレンアクリル系樹脂に水酸基を導入できる。例えば水酸基を有する単量体の使用量を適宜調整することで、得られるスチレンアクリル系樹脂の水酸基価を調整することができる。
スチレンアクリル系樹脂を調製する際に、(メタ)アクリル酸を単量体として用いることで、スチレンアクリル系樹脂にカルボキシル基を導入できる。例えば(メタ)アクリル酸の使用量を適宜調整することで、得られるスチレンアクリル系樹脂の酸価を調整することができる。
コアの強度及び定着性を向上させるためには、結着樹脂を構成するスチレンアクリル系樹脂の数平均分子量(Mn)が2000以上3000以下であることが好ましい。スチレンアクリル系樹脂の分子量分布(数平均分子量(Mn)と質量平均分子量(Mw)との比Mw/Mn)は10以上20以下であることが好ましい。スチレンアクリル系樹脂のMnとMwの測定には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いることができる。
(ポリエステル樹脂から構成される結着樹脂)
結着樹脂を構成するポリエステル樹脂は、例えば2価又は3価以上のアルコール成分と、2価又は3価以上のカルボン酸成分とを縮重合や共縮重合することで得られる。
2価又は3価以上のアルコール成分の好適な例としては、ジオール類、ビスフェノール類、3価以上のアルコール類等が挙げられる。
ジオール類としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが好ましい。
ビスフェノール類としては、例えばビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAが好ましい。
3価以上のアルコール類としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが好ましい。
2価又は3価以上のカルボン酸成分の好適な例としては、2価カルボン酸又は3価以上のカルボン酸等が挙げられる。また、これらのカルボン酸成分は、エステル形成性の誘導体(酸ハライド、酸無水物、及び低級アルキルエステル等)として用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1から6のアルキル基を意味する。
2価カルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、アルキルもしくはアルケニルコハク酸が好ましい。さらに、アルケニルコハク酸としては、例えばn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸が好ましい。
3価以上のカルボン酸としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸が好ましい。
ポリエステル樹脂を製造する際に、2価又は3価以上のアルコール成分の使用量と、2価又は3価以上のカルボン酸成分の使用量とをそれぞれ適宜調整することで、ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価を調整することができる。また、ポリエステル樹脂の分子量を上げると、ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価は低下する傾向がある。
コアの強度及び定着性を向上させるためには、結着樹脂を構成するポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)が1200以上2000以下であることが好ましい。ポリエステル樹脂の分子量分布(数平均分子量(Mn)と質量平均分子量(Mw)との比Mw/Mn)は9以上20以下であることが好ましい。ポリエステル樹脂のMnとMwの測定には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いることができる。
結着樹脂が強いアニオン性を得るためには、結着樹脂の水酸基価(OHV値)及び酸価(AV値)がそれぞれ10mgKOH/g以上であることが好ましい。
結着樹脂の溶解指数(SP値)は10以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましい。上記SP値が10以上であると、水のSP値(23)に近づくため水との親和性を改善でき、結着樹脂の水性媒体への濡れ性が向上する。そのため、分散剤を用いなくとも結着樹脂を含むコアの水性媒体への分散性が向上し、コアが均一に水性媒体に分散し易くなる。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、シェル層に含まれるシェル化材料(例えば、熱硬化性樹脂)の硬化開始温度以下であることが好ましい。こうした結着樹脂を用いれば、高速定着システムにおいても十分な定着性が得られる。熱硬化性樹脂、例えばメラミン系樹脂の硬化開始温度は、一般的に55℃〜100℃程度である。そのため、結着樹脂のTgは、20℃以上55℃以下であることが好ましく、30℃以上50℃以下であることがより好ましい。結着樹脂のTgが20℃以上であると、シェル層の形成時にコアが凝集しにくくなる。
結着樹脂のTgは、示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツルメンツ社製、DSC−6200)を用いて結着樹脂の吸熱曲線を測定することにより、吸熱曲線における比熱の変化点から求めることができる。詳細には、測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25〜200℃かつ昇温速度10℃/分の条件で結着樹脂の吸熱曲線を求め、得られた吸熱曲線に基づいて結着樹脂のTgを求める方法が挙げられる。
結着樹脂の軟化点(Tm)は100℃以下が好ましく、95℃以下がより好ましい。結着樹脂のTmが100℃以下であることで、高速定着時においてもトナーが十分な定着性を得ることが可能になる。また、異なるTmを有する複数の結着樹脂材料を組み合わせることで、結着樹脂のTmを調整することができる。
結着樹脂のTmは、例えば、測定試料を高化式フローテスター(例えば、島津製作所社製、CFT−500D)にセットし、所定の条件で試料を溶融流出させてS字カーブ(温度(℃)/ストローク(mm)に関するS字カーブ)を求め、得られたS字カーブから結着樹脂のTmを読み取ることにより測定できる。
〔着色剤(コア)〕
着色剤としては、例えばトナー粒子の色に合わせて公知の顔料や染料を用いることができる。着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
(黒色着色剤)
本実施形態に係るトナー粒子のコアは、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤は、例えばカーボンブラックから構成される。また、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤等の着色剤を用いて黒色に調色された着色剤も黒色着色剤として利用できる。
(カラー着色剤)
本実施形態に係るトナー粒子のコアは、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤等のカラー着色剤を含有していてもよい。
イエロー着色剤は、例えば縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物から構成されることが好ましい。イエロー着色剤としては、例えばC.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、194等)、ネフトールイエローS、ハンザイエローG、C.I.バットイエローが好ましい。
マゼンタ着色剤は、例えば縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物から構成されることが好ましい。マゼンタ着色剤としては、例えばC.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254等)が好ましい。
シアン着色剤は、例えば銅フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物から構成されることが好ましい。シアン着色剤としては、例えばC.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、C.I.アシッドブルーが好ましい。
〔離型剤(コア)〕
離型剤は、トナーの定着性及び耐オフセット性を向上させる目的で使用される。定着性及び耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
一例では、離型剤が、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスから構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックスのブロック共重合体等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物から構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、ライスワックス等の植物系ワックスから構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックスから構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、オゾケライト、セレシン、ベトロラクタム等の鉱物系ワックスから構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、モンタン酸エステルワックス、カスターワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類から構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、脱酸カルナバワックス等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したワックスから構成されることが好ましい。
〔電荷制御剤(コア)〕
コアには電荷制御剤を含んでいてもよい。本実施形態ではコアがアニオン性(負帯電性)を有するため、コアでは負帯電性の電荷制御剤を使用してもよい。電荷制御剤は、帯電安定性や帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性や安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。帯電立ち上がり特性は、所定の帯電レベルに短時間でトナーを帯電可能か否かの指標になる。
〔磁性粉(コア)〕
コアには磁性粉を含んでいてもよい。トナーを1成分現像剤として使用する場合、磁性粉の使用量は、トナー全量100質量部に対して35質量部以上60質量部以下であることが好ましく、40質量部以上60質量部以下であることがより好ましい。
磁性粉は、例えば鉄(フェライト、マグネタイト等)、強磁性金属(コバルト、ニッケル等)、鉄及び/又は強磁性金属を含む合金、鉄及び/又は強磁性金属を含む化合物、熱処理等の強磁性化処理を施された強磁性合金、二酸化クロムから構成されることが好ましい。
磁性粉の粒子径は、0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。こうした範囲に磁性粉の粒子径がある場合は、結着樹脂中に磁性粉を均一に分散させ易くなる。
〔シェル層〕
シェル層を形成するシェル化材料としては、アニオン性のコア(芯材)にカチオン性のカプセル材をイオン的に引き付けコアの表面に付着させ表面重合する、いわゆるin−situ重合を行うことができる材料であれば特に限定はなく、熱硬化性材料が好ましい。熱硬化性材料としては、アミノ基(−NH)を有するアミノ樹脂と総称されるものが好ましい。アミノ樹脂としては、例えば、メラミン樹脂又はその誘導体(メチロールメラミン等)、グアナミン樹脂又はその誘導体(ベンゾグアナミン等)、アセトグアナミン、スピログアナミン、スルホアミド樹脂、尿素(ユリア)樹脂又はその誘導体、グリオキザール樹脂、アニリン樹脂が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また、アミノ樹脂としては、窒素元素を分子骨格に有する材料も挙げられ、ポリイミド樹脂、マレイド系重合体、ビスマスイミド、アミノビスマスイミド、ビスマスイミドトリアジン等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
さらに、アミノ樹脂としては、アミノアルデヒド樹脂が挙げられる。アミノアルデヒド樹脂とは、メラミン、グアナミン等のアミノ化合物(トリアジン化合物等)を、ホルムアルデヒド等のアルデヒドとの反応により付加重合させ、メチロール化(一般的にアルキロール化)したものを縮重合させて得られる樹脂の総称であり、具体的には、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン尿素アルデヒド樹脂が挙げられる。
シェル化材料としては、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂等の窒素元素を含むアミノアルデヒド樹脂等のカチオン性のモノマー又はカチオン性のプレポリマーが用いられるが、水系でのアニオン系の固体粒子表面に適度に吸着し、カプセル化と共に、カプセルの硬化反応が完了するまでトナー粒子同士が凝集しないように分散安定性を維持できるメラミンホルムアルデヒド初期縮合物(プレポリマー)がより好ましい。これは、水系でのアニオン系の固体粒子表面に適度に吸着し、トナー粒子表面でin-situ重合するためには、水及びトナー粒子表面との親和性のバランスが特に重要である。トナー粒子表面にシェル化材料が吸着し、トナー粒子表面の官能基(−OH基、−COOH基)とインタラクションを形成すると共に、シェル化材料の硬化反応が完了するまでコア同士が凝集しないように水中でのコアの分散安定性を維持する必要があるからである。即ち、水に対する親和性が高くても低くても良くなく適正な領域が存在する。
シェル層の厚さは20nm以下であり、1nm以上10nm以下であることが好ましい。シェル層の膜厚が厚すぎると、十分な定着性が得られない。シェル層の厚さは、シェル層を構成する樹脂(例えば、メラミン系樹脂等の熱硬化性樹脂)単独の場合に換算した厚みを意味し、熱硬化性樹脂に改質剤等を添加して柔軟性を持たせた場合は上記範囲に限定されるものではない。なお、熱可塑系のカプセル剤の場合には膜が薄いと十分なブロッキング効果が得られないため、50nm以上の厚膜になる傾向がある。
シェル層の厚みは、例えば、以下のようにして測定することができる。即ち、トナー粒子を、常温硬化性のエポキシ樹脂中に十分に分散し、40℃の雰囲気にて2日間硬化させて硬化物を得る。この硬化物を四三酸化オスミウムにて染色した後、ダイヤモンドナイフをセットしたミクロトーム(例えば、ライカ社製、EM UC6)にて切り出し、厚さ約200nmの薄片試料を得る。そして、この試料の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)(例えば、日本電子社製、JSM−6700 F)にて撮影する。
画像解析ソフトウェア(例えば、三谷商事社製、WinROOF)でTEM撮影像を解析することで、シェル層の厚さを計測する。具体的には、トナー粒子の断面の略中心で直交する2本の直線を引き、この2本の直線上の、シェル層と交差する4箇所の長さを測定する。そして、測定された4箇所の長さの平均値を測定対象である1個のトナー粒子のシェル層の厚みとする。トナーに含まれる10個以上のトナー粒子についてシェル層の厚みを測定し、得られた10個以上の測定値の平均値を評価値とする。
なお、シェル層の厚みが小さい場合は、TEM画像上でのコアとシェル層との界面が不明瞭になるため、シェル層の厚みの測定が困難な場合がある。このような場合は、TEM撮影と電子エネルギー損失分光法(EELS)とを組み合わせてコアとシェル層との界面を明確にすることにより、シェル層の厚みを測定する。具体的には、TEM画像中で、EELSを用いてシェル層の材質に特徴的な元素(窒素元素)のマッピングを行ことでシェル層の厚みを特定する。
〔電荷制御剤(シェル層)〕
本実施形態ではシェル層がカチオン性(正帯電性)を有するため、シェル層では正帯電性の電荷制御剤を使用してもよい。
〔外添剤〕
なお、本実施形態においては、トナー粒子の流動性及び取扱性を向上させるため、シェル層の表面に外添剤を付着させてもよい。以下、外添剤により処理される前の粒子を「トナー母粒子」と記載する。流動性及び取扱性の向上の点から、外添剤の使用量は、トナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましく、2質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
外添剤は、例えばシリカ、またはアルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、もしくはチタン酸バリウムのような金属酸化物から構成されることが好ましい。
外添剤の粒子径は、流動性及び取扱性の向上の点から、0.01μm以上1μm以下であることが好ましい。
次に、本実施形態に係るトナーをキャリアと混合して2成分現像剤として使用する場合について説明する。所望する画像濃度を得、トナー飛散を抑制するためには、トナーの含有量は、2成分現像剤の質量に対して3質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。
〔キャリア〕
例えば磁性キャリアを使用することが好ましい。磁性キャリアは、例えばキャリア芯材と、キャリア芯材を被覆する樹脂層とから構成される。または、樹脂中に磁性粒子を分散させたキャリア芯材を樹脂層で被覆したものでも良い。
一例では、キャリア芯材が、鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、もしくはコバルト等の粒子、又はこれらの材料とマンガン、亜鉛、及びアルミニウム等の金属との合金の粒子から構成されることが好ましい。別の一例では、キャリア芯材が、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金等の粒子から構成されることが好ましい。別の一例では、キャリア芯材が、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム等のセラミックスの粒子から構成されることが好ましい。別の一例では、キャリア芯材が、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子から構成されることが好ましい。
キャリア芯材を被覆する樹脂層は、例えば(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフィン系重合体(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、アミノ樹脂から構成されることが好ましい。
磁性及び流動性を向上させるためには、キャリアの粒子径は、20μm以上120μm以下が好ましく、25μm以上80μm以下がより好ましい。粒子径は電子顕微鏡等で観察することにより測定することができる。
次に、本実施形態に係るカプセルトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るカプセルトナーの製造方法は、予め微粉砕した粗粉砕物を、カチオン性のモノマー及びカチオン性のプレポリマーの少なくとも一方が分散した水性媒体中に分散させて、シェル層の重合を行うのではなく、粗粉砕物の微粉砕を上記水性媒体中で行うことが特徴である。この製造方法によれば、水性媒体中で粗粉砕物を微粉砕する過程で、粗粉砕物の微粉砕物表面に、カチオン性のモノマーもしくはカチオン性のプレポリマー(例えば、初期重合物)が付着するため、強固で均一なシェル層を形成することができ耐熱保存性が向上する。
上記水性媒体中で微粉砕する前の粗粉砕物の体積平均粒子径は、6μm以上、500nm以下であることが好ましい。粗粉砕物の体積平均粒子径が6μm未満であると、粗粉砕物が予め微粉砕されているためそれ以上微粉砕する必要がなく、この粗粉砕物を前記水性媒体中に分散させてシェル層の重合を行ったとしても、シェル層が十分に形成できないおそれがあり、耐熱保存性が劣るトナーが得られる傾向がみられる。
〔粗粉砕物からなるコアの形成〕
コアは、例えば粉砕分級法(溶融混練法)により形成される。この方法によれば、結着樹脂中に内添剤を良好に分散させることが可能になる。
(粉砕分級法によるコアの形成)
結着樹脂の材料と内添剤の材料とを混合し、混合物を溶融混練する。次に、溶融混練物を粉砕し粗粉砕物を得る。
このようにして、微粉砕を行う前の粗粉砕物を作製する。この場合、粗粉砕物の体積平均粒子径は、上述のように6μm以上であることが好ましい。
〔シェル層の形成〕
シェル層の形成に際しては、まず、溶媒のpHを調整する。溶媒のpHは、例えば酸性物質により4程度に調整されるのが好ましい。分散液のpHを4程度の酸性側に調整することで、シェル層の形成に用いられる材料の重縮合反応が促進される。続けて、pHを調整した溶媒(水性媒体)にカチオン性のシェル層の材料を溶解させる。
(粗粉砕物の微粉砕)
続けて、シェル層の材料を溶解させた水性媒体中に、前述の方法で作製した粗粉砕物を添加し、粗粉砕物を微粉砕させて分散させる。溶媒中にコアが均一に分散されると、均一なシェル層が得やすくなる。具体的には、粗粉砕物を添加したシェル層の材料を溶解させた水性媒体中に、粉砕部材(例えば、直径1mmのガラスビーズ)を所定量(例えば1500g)添加し、卓上サンドミル等を用いて所定時間(例えば3時間)、微粉砕処理をする。
なお、粉砕部材はガラスビーズに限定されず、例えばジルコニアビーズ、アルミナビーズ等硬度が高く、耐酸性を有しトナー材料を化学的に変化させない部材から適宜選択して使用することができる。また、微粉砕の方法も粉砕部材を用いた方法に限定されず、粉砕部材を使用せずに粗粉砕物を微粉砕することも可能である。
コアを良好に分散させる方法としては、例えば分散液を強力に撹拌できる装置を用いて機械的に分散させる方法が好ましい。強力に撹拌できる装置としては、プライミックス社製のハイビスミックス等が挙げられる。ただしこれに限られず、コアを分散させる方法は任意である。
続けて、上記ガラスビーズ等の粉砕部材をろ過等により除去した後、コアを添加した溶媒の温度を所望の温度にして、所定の時間その温度を維持(保温)する。そして、この温度にてシェル層の形成(例えば硬化反応)が進行する。この際、コアが表面張力によって収縮することで、軟化したコアが球形化することがある。
シェル層の形成を良好に進行させるためには、シェル層を形成する際の溶液の温度(反応温度)が40℃以上95℃以下であることが好ましく、50℃以上80℃以下であることがより好ましい。また、コアを構成する結着樹脂が水酸基又はカルボキシル基を有する樹脂(例えばポリエステル樹脂)から構成され、シェル層がカチオン性のモノマーもしくはプレポリマーから構成される場合において、シェル層を形成する際の温度が40℃以上95℃以下であれば、コア表面に露出する水酸基又はカルボキシル基と、シェル層を構成する樹脂のメチロール基とが反応して、コアを構成する結着樹脂とシェル層を構成する樹脂との間に共有結合が形成され易くなる。これにより、コア表面と強固に結合したにシェル層をコア表面に形成することが可能になる。
続けて、溶媒のpHを例えば7に調整し、フラスコの内容物を常温まで冷却する。この溶媒には、アニオン性のコアと、コアの表面を被覆するカチオン性のシェル層とから構成されるトナー母粒子が含まれる。
〔洗浄〕
トナー母粒子の形成後、トナー母粒子の洗浄を行う。例えばブフナーロートを用いて分散液からトナー母粒子のウエットケーキをろ取し、トナー母粒子のウエットケーキを再度イオン交換水に分散させてトナー母粒子を洗浄する。そして、イオン交換水による同様の洗浄を数回繰り返し、ろ液及び洗浄水は排水として回収する。ただしこれに限られず、トナー母粒子の洗浄方法は任意である。
ろ液の導電率は、トナー帯電量の環境変動が大きくなるのを抑制するため、10μS/cm以下であることが好ましい。ろ液の導電率は、例えば、堀場製作所社製のHoriba COND METER ES−51を用いて測定することができる。
〔乾燥〕
例えばスプレードライヤー、流動層乾燥機、真空凍結乾燥器、減圧乾燥機により洗浄後のトナー母粒子を乾燥する。この際、スプレードライヤーを用いれば、乾燥中のトナー母粒子の凝集を抑制することが可能になる。ただしこれに限られず、トナー母粒子の乾燥方法は任意である。
〔外添〕
トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる。外添剤を付着させる方法としては、例えば外添剤がトナー母粒子表面に埋没しないように条件を調整して、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等の混合機によりトナー母粒子と外添剤とを混合する方法が好ましい。ただしこれに限られず、トナー母粒子に対する外添方法は任意である。例えば乾燥工程でスプレードライヤーを用いる場合には、トナー母粒子の分散液と共に、シリカ等の外添剤の分散液を噴霧できる。その結果、乾燥工程と外添工程を同時に行うことが可能になる。
以上説明した本実施形態に係るカプセルトナーの製造方法によれば、耐熱保存性に優れたカプセルトナーが得られる。このカプセルトナーは、電子写真法等が適用される画像形成装置において好適に使用できる。
つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例に先立ち、以下のようにして粗粉砕物を作製した。
〔作製例1〕
(粗粉砕物1の作製)
以下の特性を有するポリエステル樹脂を結着樹脂として用いた。このポリエステル樹脂のOHV値は2mgKOH/g、AVは3mgKOH/g、Tmは100℃、Tgは48℃であった。このポリエステル樹脂100質量部に対し、着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:3(フタロシアニン顔料)を5質量部、離型剤としてエステルワックス(日油社製、WEP−3)を5質量部配合し、混合機(ヘンシェルミキサー)を用いて混合した後、2軸押出機(池貝社製、PCM−30)で混練したチップを、機械式粉砕機(ターボ工業社製、ターボミル)にて体積平均粒子径80μmに粉砕し粗粉砕物1を得た。
(コア相当品1の帯電量の測定)
上記のようにして作製した粗粉砕物1の帯電量を、以下のようにして測定した。すなわち、まず上記粗粉砕物の作製に基づき混練したチップを、機械式粉砕機(ターボ工業社製、ターボミル)にて体積平均粒子径6μmに粉砕した。その後、分級機(日鉄鉱業社製、エルボージェット)にて分級し、体積平均粒子径が6μmのコア相当品1を得た。次に、ターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製、型番T2F、設定条件96rpm)を用いて、標準キャリアN−01(日本画像学会から提供される負帯電極性トナー用標準キャリア)10gと、この標準キャリアに対して7質量%のコア相当品1とを30分間混合した。得られた混合物を測定試料として標準キャリアと摩擦させた場合の粗粉砕物の帯電量をQMメータ(TREK社製、MODEL 210HS−2A)で測定した。その結果、上記コア相当品1の帯電量は−1μC/gであり、アニオン性を示した。
〔作製例2〕
(粗粉砕物2の作製)
以下の特性を有するポリエステル樹脂を結着樹脂として用いた。このポリエステル樹脂のOHV値は4mgKOH/g、AVは8mgKOH/g、Tmは100℃、Tgは48℃であった。このポリエステル樹脂を用い、粗粉砕物1と同様にして体積平均粒子径80μmの粗粉砕物2を得た。
(コア相当品2の帯電量の測定)
上記と同様にしてコア相当品2の帯電量を測定した結果、−7μC/gであり、アニオン性を示した。
〔作製例3〕
(粗粉砕物3の作製)
以下の特性を有するポリエステル樹脂を結着樹脂として用いた。このポリエステル樹脂のOHV値は10mgKOH/g、AVは22mgKOH/g、Tmは100℃、Tgは48℃であった。このポリエステル樹脂を用い、粗粉砕物1と同様の工程を経て、体積平均粒子径80μmの粗粉砕物3を得た。
(コア相当品3の帯電量の測定)
上記と同様にしてコア相当品3の帯電量を測定した結果、−10μC/gであり、アニオン性を示した。
〔作製例4〕
(粗粉砕物4の作製)
以下の特性を有するポリエステル樹脂を結着樹脂として用いた。このポリエステル樹脂のOHV値は20mgKOH/g、AVは40mgKOH/g、Tmは100℃、Tgは48℃であった。このポリエステル樹脂を用い、粗粉砕物1と同様の工程を経て、体積平均粒子径80μmの粗粉砕物4を得た。
(コア相当品4の帯電量の測定)
上記と同様にしてコア相当品4の帯電量を測定した結果、−20μC/gであり、アニオン性を示した。
〔比較作製例5〕
(粗粉砕物5の作製)
以下の特性を有するスチレンアクリル樹脂を結着樹脂として用いた。このスチレンアクリル共重合体のAVは2mgKOH/g、Tmは100℃、Tgは48℃であった。このスチレンアクリル樹脂を用い、粗粉砕物1と同様の工程を経て、体積平均粒子径80μmの粗粉砕物5を得た。
(コア相当品5の帯電量の測定)
上記と同様にしてコア相当品5の帯電量を測定した結果、+10μC/gであり、カチオン性を示した。
〔比較作製例6〕
(コア6の作製)
上述の粗粉砕物3の作製と同様にして、混練したチップを体積平均粒子径80μmに粉砕した。その後、機械式粉砕機(ターボ工業社製、ターボミル)にて体積平均粒子径6μmに微粉砕後、分級機(日鉄鉱業社製、エルボージェット)にて分級し、体積平均粒子径が6μmのコア6を得た。
(コア6の帯電量の測定)
上記と同様にしてコア6の帯電量を測定した結果、−10μC/gであり、アニオン性を示した。
〔実施例1〕
(カプセルトナーの作製)
卓上サンドミル(林商店社製)のベッセルに、イオン交換水300mlを入れ、1N−塩酸を加えて、ベッセル内の水性媒体のpHを4に調整した。これにシェル化材料であるカチオン性のヘキサメチロール化物(昭和電工社製、ミルベン607)を6.6g添加し溶解した。この水溶液に上記粗粉砕物1 300gを添加し、さらに300gのイオン交換水を添加した。ここへ直径1mmのガラスビーズ1500gを加え、卓上サンドミルでHighモードにて3時間処理した。ガラスビーズをろ過、除去した液を、容量1リットルの3つ口フラスコに入れ、30℃のウオーターバス中にセットし、攪拌機(IKA社製、品番:RW20デジタル)を用い、攪拌速度100rpmで攪拌しながら1℃/分の速度で昇温し、70℃で2時間保持した。その後、1N−水酸化ナトリウム液(中和剤)を加えてpH7にまで中和し、ろ過によってカプセルトナーを分散液から回収した。
(洗浄及び乾燥)
トナー母粒子(コア及びシェル層)の形成後、ブフナーロート(ヌッチェ)を用いて分散液を吸引ろ過(固液分離)した。これにより、ウェットケーキ状のトナー母粒子を得た。その後、イオン交換水にトナー母粒子を分散させた。さらに、ろ過と分散とを繰り返して、トナー母粒子を洗浄した。イオン交換水100gにトナー母粒子10gを分散させた分散液の導電率が4μS/cm以下になるまでろ過及び分散を繰り返した。この導電率が10μS/cm以下であれば、トナーの帯電性にほとんど影響を与えないと考えられる。導電率の測定には、株式会社堀場製作所製の電気伝導率計「HORIBA ES−51」を用いた。添加したシェル層の材料(モノマー又は樹脂)は、ほとんどろ液に含まれていなかった。洗浄後のろ液及び洗浄液のTOC(全有機炭素)濃度はそれぞれ8mg/L以下であった。TOC濃度の測定には、オンラインTOC計(株式会社島津製作所製「TOC−4200」)を用いた。
続けて、洗浄されたウェットケーキ状のトナー母粒子を解砕し、真空オーブンを用いてトナー母粒子を乾燥した。
(外添)
上記乾燥後のトナー母粒子100質量部と、乾式シリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製「REA90」)1質量部とを、5Lの混合機(日本コークス工業株式会社製「ヘンシェルミキサー」)を用いて混合した。これにより、トナー母粒子の表面に外添剤が付着してなるカプセルトナーを作製した。
〔実施例2〕
上記粗粉砕物1に代えて、上記で作製した粗粉砕物2を使用した以外は、実施例1と同様にしてカプセルトナーを作製した。
〔実施例3〕
上記粗粉砕物1に代えて、上記で作製した粗粉砕物3を使用した以外は、実施例1と同様にしてカプセルトナーを作製した。
〔実施例4〕
上記粗粉砕物1に代えて、上記で作製した粗粉砕物4を使用した以外は、実施例1と同様にしてカプセルトナーを作製した。
〔比較例1〕
上記粗粉砕物1に代えて、上記で作製した粗粉砕物5を使用した以外は、実施例1と同様にしてカプセルトナーを作製した。
〔比較例2〕
シェル化材料として、カチオン性のヘキサメチロール化物(昭和電工社製、ミルベン607)6.6gに代えて、アニオン性のレゾール樹脂(DIC社製、TD4304)5.3gを使用した以外は、実施例3と同様にしてカプセルトナーを作製した。
〔比較例3〕
温度計及び撹拌羽根を備えた容量1リットルの3つ口フラスコを準備し、ウォーターバスを用いてフラスコ内温度を30℃に保持した。そして、フラスコ内にイオン交換水300mlを入れ、さらに1N−塩酸を加えて、フラスコ内の水性媒体のpHを4に調整した。このフラスコ内に、シェル化材料であるヘキサメチロール化物(昭和電工社製、ミルベン607)を6.6g添加し、フラスコの内容物を撹拌してヘキサメチロール化物を水性媒体に溶解させた。次にフラスコ内(シェル化材料が溶解した酸性水溶液)に、上記で作製した粗粉砕物6を300g添加し、十分攪拌した。さらに300mlのイオン交換水を追加し攪拌しながら1℃/分の速度で昇温し70℃で2時間保持した後、1℃/分の速度で分散液を室温まで冷却した。次に1N−水酸化ナトリウム水溶液(中和剤)を加えてpH7になるまで分散液を中和し、ろ過によってカプセルトナーを分散液から回収した。その後、実施例1と同様に、洗浄、乾燥した後、乾式シリカ微粒子を外添して、カプセルトナーを作製した。
≪評価≫
実施例及び比較例のカプセルトナーを用いて、下記の基準に従い各特性の評価を行った。これらの結果を、下記の表1に併せて示した。
〔シェル層の重合性〕
シェル層の重合の評価は、反応中にトナーの凝集が発生し固化したものを×、トナーが凝集しなかったものを○とした。
〔定着性〕
(キャリアの作製)
ポリアミドイミド樹脂30gを水2Lで希釈した後、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(FEP)120gを分散させ、さらに酸化ケイ素3gを分散させた被覆層形成液を得た。この被覆層形成液と、ノンコートフェライトEF−35B(パウダーテック社製、35μm)10kgとを、流動床被覆装置(フロイント産業社製、フローコーターFM−MINI)に投入して被覆を行った。その後、250℃で1時間、焼付けを行いキャリアを作製した。
(現像剤の作製)
上記キャリア300gと、実施例もしくは比較例のカプセルトナー30gとを、500mlのポリボトルに秤量し、ターブラー・ミキサー(シンマルエンタープライザス社製、T2F型)で30分間混合して、現像剤を作製した。
評価機として定着温度が可変できるように改造したカラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ社製、TASKalfa 5550ci)を用い最低定着可能温度を特定した。調製した2成分現像剤を評価機のシアン用の現像器に投入し、試料(トナー)を評価機のシアン用のトナーコンテナに投入した。評価条件は線速200mm/秒で8mmのニップ間を形成し、定着温度を100℃から200℃まで5℃刻みで上昇させて、最低定着温度を測定した。ニップ通過時間は40msecであった。90g/cmの用紙に1.0mg/cmのトナーを現像してソリッド画像を用紙に形成し、温度を調整した定着器を通過させて、その定着性を評価した。定着性は、折擦り試験(折り目の定着剥がれ幅の測定)で確認した。具体的には、以下のような方法で最低定着温度を求めた。
ソリッド画像が定着された紙について折擦り試験を行った。詳しくは、画像を形成した面が内側となるように紙を半分に折り曲げ、布帛で覆った1kgの分銅を用いて、折り目上を5往復摩擦した。続けて、紙を広げ、紙の折り曲げ部(ソリッド画像が定着された部分)を観察した。そして、折り曲げ部のトナーの剥がれの長さ(剥がれ長)を測定した。剥がれ長が1mm以下となる定着温度のうちの最低温度を、最低定着温度とした。
(評価)
○:最低定着温度が160℃以下
×:最低定着温度が165℃以上
〔耐熱保存性〕
20gのポリ容器にカプセルトナー3gを秤量し、オーブンにて60℃で3時間加温後に取り出した。25℃×65%の環境下で30分間静置した後、質量既知の目開き105μmの篩に保存後のカプセルトナーを載せ、その重量を測定した。目開き105μm、質量既知の63μm、質量既知の45μmの篩いを、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製、PT−E)にセットし、パウダーテスターを用いて重ねた篩を5メモリ30秒間振動させた。その後、各篩の重量を測定することで、各篩上に残留したカプセルトナーの質量を求めた。求めた各篩上に残留したカプセルトナーの質量を用いて下式から耐熱保存後のカプセルトナーの凝集度を算出し、以下の評価基準により耐熱保存性を評価した。
(105μm篩上の重量)/3×100 ・・・(a)
(63μm篩上の重量)/3×100×3/5・・・(b)
(45μm篩上の重量)/3×100×1/5・・・(c)
凝集度(%)=(a)+(b)+(c)
◎:凝集度2%未満
○:凝集度2%以上15%未満
×:凝集度15%以上
Figure 0006068376
上記表1の結果から、実施例1〜4は、シェル層の重合性が良好で薄くて強靭なシェル層を形成できたため、定着性及び耐熱保存性が優れていた。実施例1〜4では、水性媒体中でガラスビーズを用いてトナー混練物を粉砕しているため、新たな界面が発生しながら水性媒体と瞬時に接することで、濡れ性が向上し、重合反応後の耐熱保存性が向上するものと考えられる。
これに対して、比較例1は、カチオン性の粗粉砕物5を使用しており、トナーの凝集が発生し固化したため、定着性及び耐熱保存性の評価ができなかった。
比較例2は、アニオン性のシェルモノマーを使用しており、トナーの凝集が発生し固化したため、定着性及び耐熱保存性の評価ができなかった。
比較例3は、予め微粉砕したコア6を使用しており、シェル層が十分に形成できなかったため、耐熱保存性が劣っていた。
本発明は、電子写真法において形成される静電潜像の現像に用いられる静電荷像現像用カプセルトナーの製造方法として利用することができる。

Claims (3)

  1. カチオン性のモノマー及びカチオン性のプレポリマーの少なくとも一方を含有するシェル化材料が分散した水性媒体中で、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するアニオン性の粗粉砕物を微粉砕してコアを得た後、前記コアの表面で前記シェル化材料の重合を行い、前記コアの表面にシェル層を形成させることを特徴とする静電荷像現像用カプセルトナーの製造方法。
  2. 水性媒体中で粉砕部材を用いて粗粉砕物を微粉砕し、前記水性媒体中から前記粉砕部材を除去した後、前記シェル化材料の重合を行う、請求項1に記載の静電荷像現像用カプセルトナーの製造方法。
  3. 粉砕部材がビーズである、請求項2に記載の静電荷像現像用カプセルトナーの製造方法。
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