JP6070127B2 - 画像表示装置および画像表示システム - Google Patents

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Description

本発明は、画像表示装置および画像表示システムに関する。
プロジェクターなどの画像表示装置において、観察者に画像を立体的に視認させる技術が提案されている。これは、観察者が右眼と左眼の視点分だけずれた2つの画像、いわゆる視差画像をそれぞれの眼で選択的に見ることにより、画像を立体的に視認するものである。類似の手法により、2人の観察者がそれぞれ異なる画像を視認できる技術も提案されている。
立体画像表示を実現する一つの手段として、右眼用画像と左眼用画像とをフレーム毎に時分割で交互に表示することで立体映像を視認可能とした立体映像表示装置が提案されている。この立体映像表示装置の画像を見る場合、観察者は、右眼と左眼とを交互に開閉するシャッター眼鏡を装着する。右眼用シャッター、左眼用シャッターの開閉の切り換えと右眼用画像、左眼用画像の表示の切り換えとが同期しており、観察者は、右眼用画像を右眼で、左眼用画像を左眼でそれぞれ選択的に視認する。これにより、観察者は見ている画像を立体映像と認識する。
ところが、線順次駆動方式を採用した画像表示装置の場合、右眼用画像と左眼用画像とが切り替わる途中の遷移期間では、一つの画面中に右眼用画像と左眼用画像とが混在する。そのため、クロストークが生じ、観察者は明瞭な立体画像を視認することが難しい。そこで、右眼用画像と左眼用画像とが混在する期間では、右眼用シャッターと左眼用シャッターの双方を閉じた状態とすることで、右眼用画像と左眼用画像とが混在した状態を観察者に知覚させないようにする技術が開示されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
特開2012−145695号公報
ところで、光変調素子の解像度を変えることなく、スクリーン上の解像度を擬似的に向上させる方法が提案されている。これは、画素シフトデバイスを備えたプロジェクターを用いて、スクリーン上に結像される各画素の位置を時間的にずらして投射する方法である。この方法によれば、観察者の眼には、画像を構成する画素の数が倍増して知覚されるため、スクリーン上の画像を擬似的に高精細化することができる。本明細書では、この表示方法のことを「疑似高精細表示」と称する。
上記の立体画像表示技術と疑似高精細表示技術とを併用した場合、シャッター眼鏡を使用する方法では、シャッター眼鏡の開閉周波数が60Hz未満(例えば30Hz)になり、観察者は画像のフリッカーを感じる。この問題を解決するために、光変調素子および画素シフトデバイスの駆動周波数を少なくとも現状の2倍にする必要がある。ところが、光変調素子や画素シフトデバイスの応答速度には限界がある。そのため、光変調素子や画素シフトデバイスの駆動周波数を現状の2倍にすることは困難である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、観察者にフリッカーが認識されにくく、立体画像表示と疑似高精細表示との併用を可能とした画像表示装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様の画像表示装置は、光を射出する光源装置と、複数の画素がマトリクス状に配置され、前記光源装置から射出された光を前記画素毎に変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光を被投射面上に投射する投射装置と、前記被投射面上に投射される前記画素の像の位置をシフトさせる画素シフト装置と、前記光源装置、前記光変調装置、および前記画素シフト装置を制御する制御装置と、を備え、前記光変調装置において、第1画像を形成する第1画像データを書き込む第1画像データ書き込み期間と、第2画像を形成する第2画像データを書き込む第2画像データ書き込み期間と、が交互に繰り返され、前記画素シフト装置において、前記第1画像もしくは前記第2画像を構成する画素の像を第1位置に配置する第1画素位置期間と、前記第1画像もしくは前記第2画像を構成する画素の像を第2位置に配置する第2画素位置期間と、が交互に繰り返され、前記制御装置は、前記第1画像データ書き込み期間と前記第2画像データ書き込み期間との切り替え周波数が、前記第1画素位置期間と前記第2画素位置期間との切り替え周波数よりも大きくなるように、前記光変調装置と前記画素シフト装置とを制御することを特徴とする。
時分割による立体画像表示と疑似高精細表示とを併用する画像表示装置の場合、光変調装置での第1画像データの書き込み動作と第2画像データの書き込み動作との切り替えと、画素シフト装置での第1画素位置と第2画素位置との切り替えと、を組み合わせることになる。2つの切り替えのうち、第1画像データの書き込みと第2画像データの書き込みとの切り替えの周波数は、画面全体のフリッカーに影響を与える。具体的には、第1画像データ書き込み期間と第2画像データ書き込み期間との切り替え周波数が小さいと、画面全体のフリッカーは観察者に認識されやすく、前記切り替え周波数が大きいと、画面全体のフリッカーは観察者に認識されにくい。
一方、画素の位置の切り替えの周波数(第1画素位置期間と第2画素位置期間との切り替えの周波数)は、画素レベルのフリッカーに影響を与える。切り替え周波数が小さいほどフリッカーが認識されやすく、切り替え周波数が大きいほどフリッカーが認識されにくいという傾向は、画像データの書き込みの場合と同様である。しかしながら、画素レベルのフリッカーは、画面全体のフリッカーに比べて観察者に認識されにくいという特性がある。本発明の一態様の画像表示装置では、第1画像データ書き込み期間と第2画像データ書き込み期間との切り替え周波数を、第1画素位置期間と第2画素位置期間との切り替え周波数よりも大きくしている。そのため、画面全体のフリッカーが観察者に認識されにくくなる。
本発明の一態様の画像表示装置において、前記第1画素位置期間の中に、前記第1画像データ書き込み期間と前記第2画像データ書き込み期間とが含まれ、前記第1画素位置期間に時間的に隣接する前記第2画素位置期間の中に、前記第1画像データ書き込み期間と前記第2画像データ書き込み期間とが含まれる構成としてもよい。
この構成によれば、第1画像データ書き込み期間と第2画像データ書き込み期間との切り替え周波数が、第1画素位置期間と第2画素位置期間との切り替え周波数の2倍となる。これにより、画面全体のフリッカーを観察者に認識されにくくするための構成が実現できる。
本発明の一態様の画像表示装置において、前記第1画像データ書き込み期間と前記第2画像データ書き込み期間との切り替え周波数が60Hzであり、前記第1画素位置期間と前記第2画素位置期間との切り替え周波数が30Hzである構成としてもよい。
この構成によれば、画面全体のフリッカーの周波数が60Hzとなる。これにより、画面全体のフリッカーが観察者に認識されなくなる。
本発明の一態様の画像表示装置では、前記第1画像データ書き込み期間と前記第2画像データ書き込み期間との切り替え周波数が60Hzであり、前記第1画素位置期間と前記第2画素位置期間との切り替え周波数が30Hzである場合、前記第1画像データ書き込み期間において、前記光変調装置に前記第1画像データが繰り返し4回書き込まれ、前記第2画像データ書き込み期間において、前記光変調装置に前記第2画像データが繰り返し4回書き込まれる構成としてもよい。
この構成によれば、第1画像データ書き込み期間および第2画像データ書き込み期間のそれぞれが1/120秒となる。この期間内に第1画像データもしくは第2画像データが4回書き込まれるため、光変調装置を480Hzで駆動すればよい。これにより、画面全体のフリッカーを観察者に認識されにくくするための構成を実現することができる。
本発明の一態様の画像表示装置では、前記第1画像データ書き込み期間と前記第2画像データ書き込み期間との切り替え周波数が60Hzであり、前記第1画素位置期間と前記第2画素位置期間との切り替え周波数が30Hzである場合、前記第1画像データ書き込み期間において、前記光変調装置に前記第1画像データが繰り返し2回書き込まれ、前記第2画像データ書き込み期間において、前記光変調装置に前記第2画像データが繰り返し2回書き込まれる構成としてもよい。
この構成によれば、第1画像データ書き込み期間および第2画像データ書き込み期間のそれぞれが1/120秒となる。この期間内に第1画像データもしくは第2画像データが2回書き込まれるため、光変調装置を240Hzで駆動すればよい。これにより、画面全体のフリッカーを観察者に認識されにくくするための構成が実現することができる。
本発明の一態様の画像表示装置では、第1画像データ書き込み期間もしくは第2画像データ書き込み期間内に第1画像データもしくは第2画像データが複数回書き込まれる場合、前記制御装置は、前記第1画像データの複数回の書き込み期間のうちの少なくとも最初の書き込み期間、および前記第2画像データの複数回の書き込み期間のうちの少なくとも最初の書き込み期間において、前記光源装置を消灯するよう制御する構成としてもよい。
第1画像データ書き込み期間もしくは第2画像データ書き込み期間内に第1画像データもしくは第2画像データが複数回書き込まれる場合、光変調装置において第1画像データと第2画像データとが混在した状態を観察者が視認する場合が考えられる。その場合、第1画像データもしくは第2画像データの複数回の書き込み期間のうちの少なくとも最初の書き込み期間、すなわち2つの画像データが混在する期間で光源装置を消灯することにより、第1画像と第2画像とが混在した状態を観察者が視認することが防止できる。
本発明の一態様の画像表示システムは、本発明の一態様の画像表示装置と、シャッター眼鏡と、を備えた画像表示システムであって、前記第1の画像が右眼用画像であり、前記第2の画像が左眼用画像であり、前記シャッター眼鏡が、右眼用シャッターと左眼用シャッターとを備え、前記制御装置が、前記光源装置、前記光変調装置、および前記画素シフト装置に加えて、さらに前記シャッター眼鏡を制御し、前記制御装置が、前記右眼用画像を形成する右眼用画像データと前記左眼用画像を形成する左眼用画像データとの書き込み動作の切り替えと、前記右眼用シャッターと前記左眼用シャッターとの開閉動作の切り替えと、を同期させることを特徴とする。
この構成によれば、観察者は、シャッター眼鏡を装着することにより、右眼用画像と左眼用画像とからなる視差画像を視認できる。これにより、観察者は、自身の見ている画像を立体画像と認識することができる。
本発明の一態様の画像表示システムにおいて、前記制御装置が、前記光変調装置において前記右眼用画像データと前記左眼用画像データとが混在する期間では、前記右眼用シャッターと前記左眼用シャッターとの双方を閉じるよう前記シャッター眼鏡を制御する構成としてもよい。
この構成によれば、クロストークが抑制され、観察者は明瞭な立体画像を視認することができる。
第1実施形態の画像表示システムを示す概略構成図である。 プロジェクターの液晶ライトバルブおよび画素シフト装置の周辺の構成を示す概略図である。 (A)、(B)画素シフト装置の作用を説明するための図である。 被投射面上で画素の像がシフトする様子を示す図である。 本実施形態の画像表示システムの各構成要素の動作を示すタイミングチャートである。 第1比較例の画像表示システムの各構成要素の動作を示すタイミングチャートである。 第2実施形態の画像表示システムの各構成要素の動作を示すタイミングチャートである。 第2比較例の画像表示システムの各構成要素の動作を示すタイミングチャートである。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図6を用いて説明する。
本実施形態では、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを3組使用したプロジェクター、いわゆる3板式の液晶プロジェクターを備えた画像表示システムを例示する。
本実施形態の画像表示システムは、時分割による立体画像表示と疑似高精細表示とを併用したものである。この画像表示システムによれば、観察者は、高精細な立体画像を視認することができる。
図1は、本実施形態の画像表示システムの概略構成図である。図2は、プロジェクターの液晶ライトバルブおよび画素シフト装置周辺の構成を示す概略図である。図3(A)、(B)は、画素シフト装置の作用を説明するための図である。図4は、スクリーン上で画素の像がシフトする様子を示す図である。図5は、画像表示システムの各構成要素の動作を示すタイミングチャートである。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素により寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
図1に示すように、本実施形態の画像表示システム1は、プロジェクター2(画像表示装置)と、シャッター眼鏡4と、スクリーン33(被投射面)と、を備えている。プロジェクター1は、光源8(光源装置)と、インテグレーター光学系9と、色光分離導光光学系10と、3組の液晶ライトバルブ11R,11G,11B(光変調装置)と、色光合成光学系12と、投射装置7と、画素シフト装置3と、制御装置5と、を備えている。
光源8は、液晶ライトバルブ11R,11G,11Bを照明する光を射出する。液晶ライトバルブ11R,11G,11Bは、複数の画素がマトリクス状に配置され、光源8から射出された光を画素毎に変調する。投射装置7は、液晶ライトバルブ11R,11G,11Bにより変調された光をスクリーン33上に投射する。画素シフト装置3は、スクリーン33上に投射される画素の像の位置をシフトさせる。制御装置5は、光源8、液晶ライトバルブ11R,11G,11B、および画素シフト装置3を制御する。
以下、プロジェクター1の各構成要素について説明する。
光源8は、例えば超高圧水銀ランプやキセノンランプ等から構成される。光源8は、光源ランプ13と、リフレクター14と、を備えている。光源ランプ13は、白色光を射出する。リフレクター14は、光源ランプ13から射出された白色光を反射してインテグレーター光学系9に向けて射出させる。
インテグレーター光学系9は、第1レンズアレイ15と、第2レンズアレイ16と、重畳レンズ17と、を備えている。第1レンズアレイ15、第2レンズアレイ16のそれぞれは、複数の単位レンズがマトリクス状に配列されたフライアイレンズ等から構成される。インテグレーター光学系9は、光源8から射出された光の照度分布を各液晶ライトバルブ11R,11G,11B上で略均一化する機能を有する。
色光分離導光光学系10は、ダイクロイックミラー18と、ダイクロイックミラー19と、反射ミラー20と、反射ミラー21と、反射ミラー22と、入射側レンズ23と、リレーレンズ24と、を備えている。ダイクロイックミラー18、ダイクロイックミラー19は、入射した白色光に含まれる所定の波長帯域の色光を選択的に反射させ、それ以外の波長帯域の色光を透過させる機能を有する。
具体的には、ダイクロイックミラー18は、白色光のうちの緑色光LGと青色光LBとを反射させ、赤色光LRを透過する。ダイクロイックミラー19は、ダイクロイックミラー18で反射した色光のうち、緑色光LGを緑色光変調用液晶ライトバルブ11Gに向けて反射させ、青色光LBを透過する。反射ミラー20は、ダイクロイックミラー18を透過した赤色光LRを赤色光変調用液晶ライトバルブ11Rに向けて反射させる。
入射側レンズ23、反射ミラー21、リレーレンズ24、および反射ミラー22は、ダイクロイックミラー19を透過した青色光LBを青色光変調用液晶ライトバルブ11Bに導く。入射側レンズ23は、リレーレンズ24に光を効率良く入射させる。リレーレンズ24は、入射側レンズ23近傍の光を青色光変調用液晶ライトバルブ11Bに伝達する。このようなリレー光学系により、入射側レンズ23に入射した青色光LBは、光強度分布が略保存された状態で光損失を殆ど伴うことなく、空間的に離れた青色光変調用液晶ライトバルブ11Bに伝達される。
赤色光変調用液晶ライトバルブ11R、緑色光変調用液晶ライトバルブ11G、青色光変調用液晶ライトバルブ11Bのそれぞれは、図2に示すように、入射側偏光板25aと、液晶パネル25Pと、射出側偏光板25bと、を備えている。例えば、赤色光変調用液晶ライトバルブ11Rは、入射側偏光板25aと、液晶パネル25Pと、射出側偏光板25bと、を備えている。
液晶パネル25Pは、図2では1枚の板状に示しているが、一対の透明基板と、一対の透明基板間に挟持された液晶層と、を備えている。液晶パネル25Pには、透過率を独立に制御可能な複数の画素がマトリクス状に配列されている。液晶パネル25Pの光透過領域には、複数の走査線と複数のデータ線とが互いに交差して設けられている。隣り合う走査線と隣り合うデータ線とにより囲まれた矩形状の領域が画素である。緑色光変調用液晶ライトバルブ11G、青色光変調用液晶ライトバルブ11Bの構成も、赤色光変調用液晶ライトバルブ11Rと同様である。
例えば、赤色光変調用液晶ライトバルブ11Rは、入射した赤色光の透過率を画像データに基づいて変調し、赤色の光学像を内包した画像光として射出する。緑色光変調用液晶ライトバルブ11G、青色光変調用液晶ライトバルブ11Bの作用も、赤色光変調用液晶ライトバルブ11Rと同様である。
本実施形態に係るプロジェクター2の液晶ライトバルブ11R,11G,11Bの駆動方式として、線順次駆動方式が採用されている。線順次駆動方式では、複数のデータ線に画像データが並行して供給される一方、複数の走査線が一方の走査線から他方の走査線に向けて順次に駆動される。すなわち、走査線が線順次に走査される。これにより、各走査線に対応する行方向に並ぶ複数の画素(画素群)に画像データが順次書き込まれる。
本実施形態において、画像データは、右眼用画像データ(第1画像データ)と、左眼用画像データ(第2画像データ)と、で構成されている。右眼用画像データは、線順次で各液晶ライトバルブ11R,11G,11Bに書き込まれる。左眼用画像データは、右眼用画像データが書き込まれる期間と時間的に隣接する期間に線順次で同一の液晶ライトバルブ11R,11G,11Bに書き込まれる。
このような書込み動作が繰り返され、赤色光変調用液晶ライトバルブ11R、緑色光変調用液晶ライトバルブ11G、青色光変調用液晶ライトバルブ11Bの各画素には、右眼用画像データと左眼用画像データとが交互に繰り返し書き込まれる。各液晶ライトバルブ11R,11G,11Bは、入射した光を、右眼用画像データに基づいて変調して右眼用画像光として射出するとともに、左眼用画像データに基づいて変調して左眼用画像光として射出する。なお、各書き込み動作の周期については後述する。
図2に示すように、色光合成光学系12は、クロスダイクロイックプリズム26と、色選択偏光変換素子27と、を備えている。クロスダイクロイックプリズム26は、4つの三角柱プリズムが互いに貼り合わされたものである。三角柱プリズムにおいて貼り合わされる面は、クロスダイクロイックプリズム26の選択反射面になる。クロスダイクロイックプリズム26の内部には、第1の選択反射面26aと第2の選択反射面26bとが互いに直交して形成されている。第1の選択反射面26aは、赤色光LRを反射させて緑色光LGを透過させる面である。第2の選択反射面26bは、青色光LBを反射させて緑色光LGを透過させる面である。
クロスダイクロイックプリズム26に入射した緑色光LGは、選択反射面26a、選択反射面26bを通ってそのまま射出される。クロスダイクロイックプリズム26に入射した赤色光LRは、第1の選択反射面26aで選択的に反射して、緑色光LGの射出方向と同じ方向に射出される。青色光LBは、第2の選択反射面26bで選択的に反射して、緑色光LGの射出方向と同じ方向に射出される。
色選択偏光変換素子27は、入射光のうち、特定の波長帯域の色光の偏光状態を選択的に変換する。各液晶ライトバルブ11R,11G,11Bから射出される画像光は、射出側偏光板25b(図2参照)を透過した直線偏光である。各色光の偏光状態は、クロスダイクロイックプリズム26における色光合成の効率を考慮して設定される。例えば、緑色光LGはP偏光の状態、赤色光LRおよび青色光LBはS偏光の状態でそれぞれクロスダイクロイックプリズム26に入射し、カラー画像を形成する画像光に合成されて射出される。
クロスダイクロイックプリズム26から射出された画像光は、色選択偏光変換素子27に入射する。このとき、緑色光LGの偏光方向のみが90°回転してS偏光となる。これにより、色選択偏光変換素子27からは、偏光状態が全てS偏光に揃った3つの色光LR,LG,LBからなる画像光が射出される。このように、色光合成光学系12により3つの色光LR,LG,LBが合成され、カラー画像を表す光が形成される。合成された画像光は、画素シフト装置3に向けて射出される。
なお、各液晶ライトバルブ11R,11G,11Bから射出側偏光板25b(図2参照)を透過して射出される各色光LR,LG,LBが、全て同じ状態の直線偏光(例えばS偏光)となる構成を採用することもできる。クロスダイクロイックプリズム26の前段で各色光の偏光状態が既に揃えられている場合には、色選択偏光変換素子27を用いる必要はない。
画素シフト装置3は、図1、図2に示すように、偏光回転素子28と、偏光切替素子29と、複屈折光学素子30と、を備えている。画素シフト装置3は、色光合成光学系12から射出された画像光の光路の位置を所定時間毎に平行シフトさせる。これにより、画素シフト装置3からは、光路が所定時間毎に交互に切り替わり、互いにずれた光路を通って射出される。
偏光回転素子28は、色選択偏光変換素子27の後段(光射出側)に配置されている。偏光回転素子28は、色選択偏光変換素子27から射出された画像光の偏光方向を偏光切替素子29の光軸に対して所定の方向に回転させる機能を有する。偏光回転素子28は、例えば1/2波長板で構成される。色選択偏光変換素子27から射出された画像光の偏光方向が偏光切替素子29の光軸に対して既に所定の方向となっている場合には、偏光回転素子28を備えていなくてもよい。
偏光切替素子29は、偏光回転素子28の後段(光射出側)に配置されている。偏光切替素子29は、偏光回転素子28から射出された画像光の偏光方向を時分割で切り替え、偏光軸が互いに直交する直線偏光を交互に射出させる。偏光切替素子29は、例えばTNモードやπセルと呼ばれる高速切り替えが可能な液晶素子で構成される。ただし、偏光切替素子29として、バーチカルアライメントモード(VAモード)等の他のモードの液晶素子を採用することもできる。ただし、TNモードの液晶素子は他のモードの液晶素子に比べて応答速度が速く、かつ、表示画像の色合いが変わりにくい。このような観点から、偏光切替素子29として、TNモードの液晶素子を採用することが好ましい。
複屈折光学素子30は、偏光切替素子29の光射出側に配置されている。複屈折光学素子30は、例えば方解石や水晶、あるいは液晶を配向させた液晶セル、高分子配向体等の屈折率異方性を有する部材で構成される。複屈折光学素子30は、入射する光の偏光方向に応じて異なる屈折作用を発現する。この作用により、複屈折光学素子30は、偏光切替素子29から入射された光の光路をその偏光方向に応じて平行シフトさせ、入射された光を射出端面の異なる位置から射出させる。
図1および図2では、便宜上、偏光切替素子29と複屈折光学素子30とを互いに離間して示している。ただし、各液晶ライトバルブ11R,11G,11Bからの画像光による中間像が偏光切替素子29上に結像される場合には、複屈折光学素子30を偏光切替素子29の極近傍に配置することが望ましい。例えば、複屈折光学素子30を偏光切替素子29に密接させて配置することが望ましい。その理由は、この構成であれば、中間像の極近傍で光路を変更できる結果、投射表示時の画質劣化を抑制でき、高画質な高精細画像表示を実現できるからである。また、偏光回転素子28も含めた3つの素子をガラス基板等で挟持して一体化した構成であってもよい。
以下、画素シフトの原理について説明する。
本実施形態では、図4に示すように、スクリーン33上に投射された画素像F1,F2が正方形状であるとする。そして、画素シフト装置3を機能させない(画素をシフトさせない)ときの画素像(実線F1で示す)の位置を基準として、画素シフト装置3を機能させた(画素をシフトさせた)ときの画素像(破線F2で示す)を315°方向にシフトさせる。逆に、シフトさせたときの画素像F2の位置から見ると、シフトさせないときの画素像F1を135°方向にシフトさせる。なお、上記のシフト方向は、x軸の正方向を基準として反時計回りに見た角度で示す。以下の説明では、シフトさせないときの画素像の位置を第1画素位置と称し、シフトさせたときの画素像の位置を第2画素位置と称する。
画素像F1,F2のシフト量Sfは、画素ピッチ(Px=Py)の1/√2倍とする。このように、画素像F1,F2のシフト方向を135°−315°方向とし、画素像F1,F2のシフト量Sfを画素ピッチ(Px=Py)の1/√2倍とすると、第2画素位置における画素像F2は、第1画素位置における画素像F1に対して、水平方向に1/2画素ピッチ、かつ垂直方向に1/2画素ピッチだけずれた位置に配置される。
複屈折光学素子30に入射した画像光の振る舞いについて、図3(A)、(B)を用いて説明する。
図3(A)、(B)は、複屈折光学素子30の作用を説明するための図である。
図3(A)、(B)に示すように、複屈折光学素子30の光学軸P1は紙面に平行な面内に配置されているとする。図3(A)において、複屈折光学素子30に入射する偏光L1は常光であり、その偏光方向Pは紙面に垂直である。図3(B)において、複屈折光学素子30に入射する偏光L2は異常光であり、その偏光方向Pは紙面に平行である。すなわち、常光(偏光L1)は、光学軸P1の方向と光の進行方向によって作られる平面に直角な振動面を持ち、異常光(偏光L2)は、光学軸P1の方向と光の進行方向によって作られる平面に直角な振動面を持つ。
図3(A)に示すように、入射した偏光L1(常光)の振動面(偏光方向Pと入射光L1の中心軸とを含む面)内に複屈折光学素子30の光学軸P1が存在しない場合、偏光L1はその光路を変えずに射出される。一方、図3(B)に示すように、入射した偏光L2(異常光)の振動面(偏光方向Pと入射光の中心軸とを含む面)内に複屈折光学素子30の光学軸P1が存在する場合、複屈折光学素子30の常光屈折率と異常光屈折率との差で決まる偏向角θに応じて、入射した偏光L2はその光路を変えて射出される。
ここで、厚み(光の入射方向の寸法)Tの複屈折光学素子30の入射端面30aと射出端面30bとが平行な場合、入射端面30aから入射した偏光は、その光路がシフト量Dだけ平行にシフトした状態で射出端面30bから射出される。シフト量Dは偏向角θと厚みTに依存し、D=T・tanθで表される。したがって、偏光切替素子29から射出された偏光が常光の場合、その偏光は光路を変えずに射出される。一方、偏光切替素子29から射出された光が異常光の場合、その偏光は、光路をシフト量Dだけ平行にシフトさせた状態で射出される。
例えば、シフト量Dを上述の画素ピッチ(Px=Py)の1/√2倍である画素像のシフト量Sfに一致するように設定する。このとき、図4に示すように、第1画素位置における画素像F1と第2画素位置における画素像F2とは、水平方向、垂直方向ともに画素ピッチPx、Pyの1/2だけずれた位置に表示される。
図1に戻って、投射装置7は、画素シフト装置3から射出された光をスクリーン33上に投射する。これにより、スクリーン33には各液晶ライトバルブ11R,11G,11Bで生成された画像が拡大して表示される。投射装置7は、例えば複数組の投射レンズや絞り等を含んで構成される。
以下、図5および図6を用いて、液晶ライトバルブ11R,11G,11Bへの右眼用画像データおよび左眼用画像データの書き込み動作の切り替え周期と、画素シフト装置3における画素像F1,F2の位置の切り替え周期と、の関係について説明する。
図5は、本実施形態の画像表示システム1の各構成要素の動作を示すタイミングチャートである。以下では、説明の都合上、1つのフレームのフレーム周波数を60Hzとし、1フレーム期間TFを1/60秒とする。1つのフレームは2つのフィールドで構成され、1つのフィールドのフィールド周波数を120Hzとし、1フィールド期間Tfを1/120秒とする。
液晶ライトバルブ11R,11G,11Bの動作については、第1フィールド期間Tf1(図5の左端の期間)を左眼用画像データLの書き込みに割り当て、第1フィールド期間Tf1と時間的に隣接する第2フィールド期間Tf2(図5の左から2番目の期間)を右眼用画像データRの書き込みに割り当てる。以降、この書き込み動作を繰り返す。すなわち、奇数番目のフィールド期間Tf(2n−1)(n:自然数)が左眼用画像データ書き込み期間となり、偶数番目のフィールド期間Tf(2n)(n:自然数)が右眼用画像データ書き込み期間となる。したがって、左眼用画像データ書き込み期間、右眼用画像データ書き込み期間はそれぞれ1/120秒である。左眼用画像データ書き込み期間と右眼用画像データ書き込み期間との切り替え周波数は60Hzである。
1つのフィールド期間Tfは長さが均等な4つのサブフィールド期間Tsfに分割される。1つのサブフィールド期間Tsfでは、左眼用画像データL、右眼用画像データRのいずれか一方が液晶ライトバルブ11R,11G,11Bに線順次駆動で1回書き込まれる。そのため、1フィールド期間Tf内で同じ画像データが4回書き込まれる。1サブフィールド期間Tsfは1/480秒であり、液晶ライトバルブ11R,11G,11Bの駆動周波数は480Hzである。
ただし、図5に示す例では、第1フィールド期間Tf1の第1〜第3サブフィールド期間で左眼用画像データが3回書き込まれた後(図5でL1と記したサブフィールド期間)、第1フィールド期間Tf1の第4サブフィールド期間では右眼用画像データの書き込みが始まる(図5でL1/R2と記したサブフィールド期間)。同様に、第2フィールド期間Tf2の第1〜第3サブフィールド期間で右眼用画像データが3回書き込まれた後(図5でR2と記したサブフィールド期間)、第2フィールド期間Tf2の第4サブフィールド期間では左眼用画像データの書き込みが始まる(図5でR2/L2と記したサブフィールド期間)。
液晶ライトバルブ11R,11G,11Bには線順次駆動で各画像データが書き込まれるため、一方の画像データから他方の画像データに書き換えるサブフィールド期間Tsfでは液晶ライトバルブ11R,11G,11Bに2つの画像データが混在する。つまり、上記の例では、第1フィールド期間Tf1の第4サブフィールド期間(L1/R2)において、それ以前のサブフィールド期間で既に書き込まれていた左眼用画像データの一部に右眼用画像データが混在する。同様に、第2フィールド期間Tf2の第4サブフィールド期間(R2/L2)において、それ以前のサブフィールド期間で既に書き込まれていた右眼用画像データの一部に左眼用画像データが混在する。すなわち、各フィールド期間Tfのうちの第4サブフィールド期間は、液晶ライトバルブ11R,11G,11B上に左眼用画像データと右眼用画像データとが混在する期間である。以下、この期間を遷移期間と称する。
これに対応して、シャッター眼鏡4の動作については、左眼用画像データ書き込み期間には左眼用シャッター4Lを開け、右眼用シャッター4Rを閉じる(図1参照)。右眼用画像データ書き込み期間には右眼用シャッター4Rを開け、左眼用シャッター4Lを閉じる。ただし、左眼用画像データと右眼用画像データとが混在する遷移期間では、左眼用シャッター4L、右眼用シャッター4Rの双方を閉じる。その理由は、遷移期間において左眼用シャッター4L、右眼用シャッター4Rのいずれかが開いていると、左眼用画像と右眼用画像が混在した状態が、開いているシャッターの側の観察者の眼に入り、明瞭な立体表示が見られなくなる虞があるからである。
一方、画素シフト装置3の動作については、2フィールド期間毎、すなわち1フレーム期間毎にスクリーン33上の画素像F1,F2の位置を切り替える。図5の例では、第1フィールド期間Tf1で画素像F1の位置を第1画素位置としたとき、第2フィールド期間Tf2〜第3フィールド期間Tf3で画素像F2の位置を第2画素位置に切り替え、第4フィールド期間Tf4〜第5フィールド期間Tf5で画素像F1の位置を再度第1画素位置に切り替える。以降、この動作を繰り返す。図5では、第1画素位置を「位置A」、第2画素位置を「位置B」と記載する。したがって、第1画素位置期間、第2画素位置期間はそれぞれ1/60秒である。第1画素位置期間と第2画素位置期間との切り替え周波数は30Hzである。
このように、第1画素位置期間、第2画素位置期間のそれぞれに、右眼用画像データ書き込み期間と左眼用画像データ書き込み期間とが含まれる。これにより、第1画像データ書き込み期間と第2画像データ書き込み期間との切り替え周波数が、第1画素位置期間と第2画素位置期間との切り替え周波数の2倍となる。制御装置5は、右眼用画像データ書き込み期間と左眼用画像データ書き込み期間との切り替え周波数が、第1画素位置期間と第2画素位置期間との切り替え周波数よりも大きくなるように、液晶ライトバルブ11R,11G,11Bと、画素シフト装置3と、シャッター眼鏡4と、を制御する。
本実施形態の場合、左眼用画像データ書き込み期間と右眼用画像データ書き込み期間との切り替え周波数は60Hzであるため、画面全体のフリッカーは発生しない。一方、第1画素位置期間と第2画素位置期間との切り替え周波数が30Hzであるため、画素レベルのフリッカーが発生する。ところが、画素レベルのフリッカーは、画面全体のフリッカーに比べて観察者に認識されにくいという特性がある。したがって、本実施形態によれば、観察者にフリッカーが認識されることなく、立体画像表示と疑似高精細表示との併用を可能とした画像表示システムを実現することができる。液晶ライトバルブ11R,11G,11Bや画素シフト装置3の偏光切替素子29(液晶素子)を更に倍のスピードで駆動する必要はない。
図6は、第1比較例の画像表示システムの各構成要素の動作を示すタイミングチャートである。
第1比較例の場合、1フィールド期間Tf毎に第1画素位置と第2画素位置とを交互に切り替えている。したがって、第1画素位置期間、第2画素位置期間はそれぞれ1/120秒である。第1画素位置期間と第2画素位置期間との切り替え周波数は60Hzである。
一方、画像データの書き込みについては、2フィールド期間(1フレーム期間)毎に左眼用画像データと右眼用画像データとを交互に書き換えている。したがって、左眼用画像データ書き込み期間、右眼用画像データ書き込み期間はそれぞれ1/60秒である。左眼用画像データ書き込み期間と右眼用画像データ書き込み期間との切り替え周波数は30Hzである。第1比較例においても、1フィールド期間内で同じ画像データが4回書き込まれる。液晶ライトバルブの駆動周波数が480Hzである点は上記第1実施形態と同じである。
第1比較例の場合、第1画素位置期間と第2画素位置期間との切り替え周波数が60Hzであるため、画素レベルのフリッカーは発生しない。ところが、左眼用画像データ書き込み期間と右眼用画像データ書き込み期間との切り替え周波数が30Hzであるため、画面全体のフリッカーは発生する。したがって、観察者にフリッカーが認識されてしまう。この動作シーケンスにおいて、左眼用画像データ書き込み期間と右眼用画像データ書き込み期間との切り替え周波数を60Hzにしようとすると、画素シフト装置の偏光切替素子(液晶素子)を更に倍のスピードで駆動する必要が生じ、応答速度の観点から実現が困難である。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図7を用いて説明する。
本実施形態の画像表示システムの基本構成は第1実施形態と同様である。各構成要素の動作シーケンスが第1実施形態と異なる。
図7は、本実施形態の画像表示システムの各構成要素の動作を示すタイミングチャートである。
本実施形態の場合、液晶ライトバルブ11R,11G,11Bの動作について、第1フィールド期間Tf1(図7の左端の期間)を左眼用画像データLの書き込みに割り当て、第2フィールド期間Tf2(図7の左から2番目の期間)を右眼用画像の書き込みRに割り当てる。以降、この書き込み動作を繰り返す。すなわち、奇数番目のフィールド期間Tf(2n−1)(n:自然数)が左眼用画像データ書き込み期間となり、偶数番目のフィールド期間Tf(2n)(n:自然数)が右眼用画像データ書き込み期間である。よって、左眼用画像データ書き込み期間、右眼用画像データ書き込み期間はそれぞれ1/120秒である。左眼用画像データ書き込み期間と右眼用画像データ書き込み期間との切り替え周波数は60Hzである。
1つのフィールド期間Tfは長さが均等な2つのサブフィールド期間Tsfに分割される。1つのサブフィールド期間Tsfでは、左眼用画像データ、右眼用画像データのいずれか一方が液晶ライトバルブ11R,11G,11Bに線順次駆動で1回書き込まれる。そのため、1フィールド期間Tf内で同じ画像データが2回書き込まれる。1サブフィールド期間は1/240秒であり、液晶ライトバルブ11R,11G,11Bの駆動周波数は240Hzである。
ただし、図7に示す例では、第1フィールド期間Tf1の第1サブフィールド期間で左眼用画像データが1回書き込まれた後(図7でL1と記したサブフィールド期間)、第1フィールド期間の第2サブフィールド期間では右眼用画像データの書き込みが始まる(図7でL1/R2と記したサブフィールド期間)。同様に、第2フィールド期間Tf2の第1サブフィールド期間で右眼用画像データが1回書き込まれた後(図7でR2と記したサブフィールド期間)、第2フィールド期間Tf2の第2サブフィールド期間では左眼用画像データの書き込みが始まる(図7でR2/L2と記したサブフィールド期間)。
第1フィールド期間Tf1の第2サブフィールド期間において、それ以前のサブフィールド期間で既に書き込まれていた左眼用画像データの一部に右眼用画像データが混在する。同様に、第2フィールド期間Tf2の第2サブフィールド期間において、それ以前のサブフィールド期間で既に書き込まれていた右眼用画像データの一部に左眼用画像データが混在する。すなわち、各フィールド期間のうちの第2サブフィールド期間は、液晶ライトバルブ上に左眼用画像データと右眼用画像データとが混在する遷移期間である。
これに対応して、シャッター眼鏡4の動作については、右眼用画像データと左眼用画像データとが混在する遷移期間については、左眼用シャッター4L、右眼用シャッター4Rの双方を閉じる。そして、左眼用画像データの上に左眼用画像データを再度書き込む期間は左眼用シャッター4Lを開け、右眼用シャッター4Rを閉じる。右眼用画像データを再度書き込む期間では右眼用シャッター4Rを開け、左眼用シャッター4Lを閉じる。この基本動作は第1実施形態と同様である。
一方、画素シフト装置3の動作については、2つのフィールド期間Tf毎にスクリーン33上の画素像F1,F2の位置を切り替える。図5の例では、第1フィールド期間Tf1で画素像F1の位置を第1画素位置としたとき、第2フィールド期間Tf2〜第3フィールド期間Tf3で画素像F2の位置を第2画素位置に切り替え、第4フィールド期間Tf4〜第5フィールド期間Tf5で画素像F1の位置を再度第1画素位置に切り替える。以降、この動作を繰り返す。したがって、第1画素位置期間、第2画素位置期間はそれぞれ1/60秒である。第1画素位置期間と第2画素位置期間との切り替え周波数は30Hzである。これについては第1実施形態と同様である。
本実施形態の場合も、第1画像データ書き込み期間と第2画像データ書き込み期間との切り替え周波数が60Hzであり、第1画素位置期間と第2画素位置期間との切り替え周波数が30Hzである。したがって、液晶ライトバルブ11R,11G,11Bを240Hz駆動とした場合も、観察者にフリッカーが認識されることなく、立体画像表示と疑似高精細表示との併用を可能とした画像表示システムを実現することができる。液晶ライトバルブ11R,11G,11Bや画素シフト装置3の偏光切替素子29(液晶素子)を更に倍のスピードで駆動する必要はない。
図8は、第2比較例の画像表示システムの各構成要素の動作を示すタイミングチャートである。
第2比較例の場合、1フィールド期間Tf毎に第1画素位置と第2画素位置とを交互に切り替えている。したがって、第1画素位置期間、第2画素位置期間はそれぞれ1/120秒である。第1画素位置期間と第2画素位置期間との切り替え周波数は60Hzである。
一方、画像データの書き込みについては、2フィールド期間(1フレーム期間)毎に左眼用画像データと右眼用画像データとを交互に書き換えている。よって、左眼用画像データ書き込み期間、右眼用画像データ書き込み期間はそれぞれ1/60秒である。左眼用画像データ書き込み期間と右眼用画像データ書き込み期間との切り替え周波数は30Hzである。第2比較例においても、1フィールド期間Tf内で同じ画像データが2回書き込まれる。液晶ライトバルブの駆動周波数が240Hzである点は上記第2実施形態と同じである。
第2比較例の場合、第1画素位置期間と第2画素位置期間との切り替え周波数が60Hzであるため、画素レベルのフリッカーは発生しない。ところが、左眼用画像データ書き込み期間と右眼用画像データ書き込み期間との切り替え周波数が30Hzであるため、画面全体のフリッカーは発生する。したがって、観察者にフリッカーが認識されてしまう。この動作シーケンスにおいて、左眼用画像データ書き込み期間と右眼用画像データ書き込み期間との切り替え周波数を60Hzにしようとすると、画素シフト装置の偏光切替素子(液晶素子)を更に倍のスピードで駆動する必要が生じ、応答速度の観点から実現が困難である。
シャッター眼鏡による構成以外に、右眼用画像、左眼用画像の切り替えに応じて、射出される光の偏光状態あるいは波長を変換する装置をプロジェクターに設け、射出される光の偏光状態あるいは波長に対応した光を透過するフィルターを眼鏡の左右それぞれに設ける構成としてもよい。この場合には、遷移期間に光源を消灯する構成とすることが望ましい。これにより、遷移期間に右眼用画像と左眼用画像とが混在した画像が観察者に届くことを抑制できる。
シャッター眼鏡を用いる方式の場合にも、遷移期間に光源を消灯する構成とすることができる。この場合には、シャッター眼鏡の左右のシャッターを同時に閉じる期間を設ける必要がなくなる。これにより、シャッターの応答時間によって発生する明るさのロスやクロストークを抑制することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記実施形態では、液晶素子からなる偏光切替素子と複屈折光学素子とを組み合わせた画素シフト装置の例を示したが、例えば光変調素子や各種光学素子を機械的に振動させるなど、他の方式の画素シフト装置を用いてもよい。また、上記実施形態では、画素を斜め方向にシフトさせ、水平方向、垂直方向の双方で擬似的に解像度を向上させる構成を採用した。しかしながら、画素のシフト方向は必ずしも斜め方向に限らず、水平方向、垂直方向のいずれか一方としてもよい。その構成の場合、水平方向、垂直方向のいずれか一方で解像度を擬似的に向上させることができる。
上記実施形態では、画像表示システムを構成するプロジェクターとして3板式の透過型液晶プロジェクターを例示したが、他の方式のプロジェクターもしくは画像表示装置に用いてもよい。また、上記実施形態では、第1画像を右眼用画像、第2画像を左眼用画像とし、立体画像表示を可能とする画像表示システムを例示したが、例えば異なる方向から見る2人の観察者の各々に異なる画像を視認できる画像表示システムに本発明を適用してもよい。
1…画像表示システム、2…プロジェクター、3…画素シフト装置、4…シャッター眼鏡、4L…左眼用シャッター、4R…右眼用シャッター、5…制御装置、7…投射装置、8…光源(光源装置)、11R,11G,11B…液晶ライトバルブ(光変調装置)、33…スクリーン、F1,F2…画素像、L…左眼用画像データ(第1画像データ)、R…右眼用画像データ(第2画像データ)。

Claims (8)

  1. 光を射出する光源装置と、
    複数の画素がマトリクス状に配置され、前記光源装置から射出された光を前記画素毎に変調する光変調装置と、
    前記光変調装置により変調された光を被投射面上に投射する投射装置と、
    前記被投射面上に投射される前記画素の像の位置をシフトさせる画素シフト装置と、
    前記光源装置、前記光変調装置、および前記画素シフト装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記光変調装置において、第1画像を形成する第1画像データを書き込む第1画像データ書き込み期間と、第2画像を形成する第2画像データを書き込む第2画像データ書き込み期間と、が交互に繰り返され、
    前記画素シフト装置において、前記第1画像もしくは前記第2画像を構成する画素の像を第1位置に配置する第1画素位置期間と、前記第1画像もしくは前記第2画像を構成する画素の像を第2位置に配置する第2画素位置期間と、が交互に繰り返され、
    前記制御装置は、前記第1画像データ書き込み期間と前記第2画像データ書き込み期間との切り替え周波数が、前記第1画素位置期間と前記第2画素位置期間との切り替え周波数よりも大きくなるように、前記光変調装置と前記画素シフト装置とを制御することを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記第1画素位置期間の中に、前記第1画像データ書き込み期間と前記第2画像データ書き込み期間とが含まれ、前記第1画素位置期間に時間的に隣接する前記第2画素位置期間の中に、前記第1画像データ書き込み期間と前記第2画像データ書き込み期間とが含まれることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記第1画像データ書き込み期間と前記第2画像データ書き込み期間との切り替え周波数が60Hzであり、前記第1画素位置期間と前記第2画素位置期間との切り替え周波数が30Hzであることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
  4. 前記第1画像データ書き込み期間において、前記光変調装置に前記第1画像データが繰り返し4回書き込まれ、前記第2画像データ書き込み期間において、前記光変調装置に前記第2画像データが繰り返し4回書き込まれることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
  5. 前記第1画像データ書き込み期間において、前記光変調装置に前記第1画像データが繰り返し2回書き込まれ、前記第2画像データ書き込み期間において、前記光変調装置に前記第2画像データが繰り返し2回書き込まれることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
  6. 前記制御装置は、前記第1画像データの複数回の書き込み期間のうちの少なくとも最初の書き込み期間、および前記第2画像データの複数回の書き込み期間のうちの少なくとも最初の書き込み期間において、前記光源装置を消灯するよう制御することを特徴とする請求項4または5に記載の画像表示装置。
  7. 請求項1から6までのいずれか一項に記載の画像表示装置と、シャッター眼鏡と、を備えた画像表示システムであって、
    前記第1画像が右眼用画像であり、前記第2画像が左眼用画像であり、
    前記シャッター眼鏡が、右眼用シャッターと左眼用シャッターとを備え、
    前記制御装置が、前記光源装置、前記光変調装置、および前記画素シフト装置に加えてさらに前記シャッター眼鏡を制御し、
    前記制御装置が、前記右眼用画像を形成する右眼用画像データと前記左眼用画像を形成する左眼用画像データとの書き込み動作の切り替えと、前記右眼用シャッターと前記左眼用シャッターとの開閉動作の切り替えと、を同期させることを特徴とする画像表示システム。
  8. 前記制御装置が、前記光変調装置において前記右眼用画像データと前記左眼用画像データとが混在する期間では、前記右眼用シャッターと前記左眼用シャッターとの双方を閉じるよう前記シャッター眼鏡を制御することを特徴とする請求項7に記載の画像表示システム。
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