JP6070980B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。特に、内燃機関の吸気負圧を利用してブレーキ操作力を倍力する倍力装置であるブレーキブースタに供給するべき負圧を調節するための制御に関する。
従来より、車両の制動時に必要となる操作力、即ちブレーキペダルの踏力を軽減するために、内燃機関の吸気負圧を利用して踏力を倍力するブレーキブースタが採用されている(例えば、下記特許文献を参照)。この種のブレーキブースタは、吸気負圧が蓄えられる定圧室と、大気圧が導き入れられる変圧室とを有している。運転者がブレーキペダルを踏んでいないときには、定圧室と変圧室とが連通し、かつ変圧室への大気圧の導入が遮断されている。そして、運転者によりブレーキペダルが踏まれると、定圧室と変圧室とが遮断され、かつ変圧室に大気圧が導入されて、定圧室と変圧室との圧力差による倍力作用が生じる。
特開2003−148194号
運転者が殆どまたは全くアクセルペダルを踏み込んでいない状態で車両が惰性走行する、いわゆるコースト走行時には、スロットルバルブの開度が0またはほぼ0となり、ポンピングロスが増大する。このとき、内燃機関がエンジンブレーキ作用を営み、運動エネルギを消耗してゆく。
その運動エネルギを用いてオルタネータを駆動し発電する、つまりは運動エネルギを電気エネルギとして回収する回生制動を行えば、車両の実効的な燃費の向上に寄与し得る。
回生制動の際には、スロットルバルブの開度を大きく開き、エンジンブレーキ作用を低減させることが理想的である。しかしながら、スロットルバルブを開くと、吸気通路におけるスロットルバルブの下流側に発生する吸気負圧が消失する。さすれば、ブレーキブースタに十分な負圧を供給できなくなるおそれがある。
本発明は、ブレーキブースタに供給するべき負圧を確保しながら、ポンピングロス(または、エンジンブレーキ作用)をできるだけ抑制することを所期の目的としている。
本発明では、内燃機関の気筒への燃料供給を一時的に停止する燃料カットを開始したとき、吸気通路におけるスロットルバルブの下流側の負圧をブレーキブースタに供給するべき負圧の目標値に近づけるように、スロットルバルブの開度を縮小する操作を行い、その後、吸気通路におけるスロットルバルブの下流側の負圧が前記目標値に到達しまたは当該目標値を少しく超えた時点で、ブレーキブースタに実際に供給される負圧が前記目標値に到達するよりも前に、スロットルバルブの開度を再び拡大させる操作を開始することを特徴とする内燃機関の制御装置を構成した。
並びに、本発明では、内燃機関の気筒への燃料供給を一時的に停止する燃料カットを開始したとき、吸気通路におけるスロットルバルブの下流側の負圧をブレーキブースタに供給するべき負圧の目標値に近づけてゆくとともに、スロットルバルブの下流側の負圧とブレーキブースタに実際に供給される負圧との差が所定以上に広がらないように、スロットルバルブの開度を徐々に縮小する操作を行うことを特徴とする内燃機関の制御装置を構成した。
本発明によれば、ブレーキブースタに供給するべき負圧を確保しながら、コースト走行時のポンピングロスを抑制することができる。
本発明の一実施形態における内燃機関の概略構成を示す図。 同実施形態の制御装置が実行する処理の手順例を示すフロー図。 同実施形態の制御装置が実行する処理の手順例を示すフロー図。 燃料カット中の吸気負圧及びブレーキブースタの定圧室内負圧の変動の推移を示す図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に、車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式ガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
本実施形態の車両には、ブレーキブースタ5が付帯している。ブレーキブースタ5は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側の部位、より具体的にはサージタンク33から吸気負圧を導き入れ、その負圧を用いてブレーキペダルの踏力を倍力する、この分野では広く知られているものである。ブレーキブースタ5は、負圧を蓄える定圧室と、大気圧が加わる変圧室とを有し、定圧室が負圧管路51を介してサージタンク33に接続している。負圧管路51は、スロットルバルブ32の下流側の吸気負圧を定圧室へと導く。負圧管路51上には、負圧を定圧室内に留め、定圧室に正圧が加わることを防止するためのチェックバルブ52を設けてある。
運転者によりブレーキペダルが操作されていないとき、定圧室と変圧室とが連通し、かつ変圧室が大気圧から隔絶される。ブレーキペダルが操作されると、定圧室と変圧室との間が遮断され、かつ変圧室に大気が導入される。結果、定圧室と変圧室との圧力差が、ブレーキペダルの踏力を倍力する制御圧力となる。ブレーキブースタ5により増幅されたブレーキ踏力は、マスタシリンダ(図示せず)において液圧力に変換され、液圧回路(図示せず)を介してブレーキキャリパやホイールシリンダといったブレーキ装置(図示せず)に伝達される。
また、内燃機関のクランクシャフトには、巻掛伝動装置(ベルト及びプーリ、またはチェーン及びスプロケット)や歯車伝動装置等(図示せず)を介してオルタネータ(図示せず)を接続している。オルタネータは、クランクシャフトから駆動力の伝達を受けて回転し、発電した電力を車載のバッテリ(図示せず)に充電する。
本実施形態の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号(N信号)b、アクセルペダルの踏込量(いわば、要求負荷)を検出するセンサから出力されるアクセル踏量信号c、ブレーキペダルの踏込量またはマスタシリンダ圧を検出するセンサから出力されるブレーキ踏量信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気負圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気負圧信号e、ブレーキブースタ5の定圧室内の負圧を検出する圧力センサから出力される定圧室内負圧信号f、シフトレバーのレンジを知得するためのセンサ(シフトポジションスイッチ)から出力されるシフトレンジ信号g、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号(G信号)h等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミングといった各種運転パラメータを決定する。これら運転パラメータの決定手法自体は、既知のものを採用することが可能である。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、kを出力インタフェースを介して印加する。
運転者の足がアクセルペダルから離れ、車両が惰性走行するコースト走行時には、内燃機関の気筒1への燃料供給(及び、点火)を一時的に停止する燃料カットを実施する。通常、ECU0は、アクセルペダルの踏込量が0または0に近い閾値以下となり、かつエンジン回転数が燃料カット許可回転数以上あるときに、燃料カット条件が成立したものとして燃料カットを行う。そして、アクセルペダルの踏込量が閾値を上回った、エンジン回転数が燃料カット復帰回転数まで低下した等の何れかの燃料カット終了条件が成立したときに、燃料カットを終了、燃料噴射を再開する。
図2及び図3に、本実施形態のECU0がコースト走行の際に実行する処理の手順例を示す。ECU0は、燃料カット条件が成立したときに(ストップS1)、インジェクタ11からの燃料噴射(及び、点火プラグ12による点火)を停止する(ステップS2)。また、運転者によるアクセルペダルの操作、即ちアクセルペダルの踏込量が0または0に近い閾値以下となったことに対応して、スロットルバルブ32の開度を徐々に縮小する操作を行う(ステップS3)。ステップS3は、吸気負圧の増大(サージタンク33内圧力としては、低下)を通じて、ブレーキブースタ5の定圧室に供給される負圧を、ブレーキ操作力の倍力に必要十分な大きさの目標値まで増大(定圧室内圧力としては、低下)させることを意図している。
図4に、コースト走行におけるスロットルバルブ32下流の吸気負圧、及びブレーキブースタ5の定圧室内の負圧の変化の推移を示す。図4中、吸気負圧を実線で描画し、定圧室内負圧を破線で描画している。
燃料カット条件の成立に伴い、スロットルバルブ32の開度を縮小してゆくと、吸気負圧が増大し、この吸気負圧に追従して定圧室内負圧も増大してゆく。だが、サージタンク33とブレーキブースタ5の定圧室との間には、負圧管路51及びチェックバルブ52が介在しており、これらが空気の流れに対する抵抗となる。このことから、吸気負圧の変動と定圧室内負圧の変動との間にはタイムラグΔtが発生する。仮に、スロットルバルブ32を急速に閉じて吸気負圧をステップ的に急増させたとしても、定圧室内負圧はこの吸気負圧の増大に対して遅れて増大することとなる。ブレーキブースタ5に供給するべき負圧を確保するという観点から見れば、燃料カット条件が成立したときにスロットルバルブ32を急閉止することは必ずしも有意義でない。
従って、本実施形態では、ステップS3にて、スロットルバルブ32の開度の単位時間あたりの変化量(の絶対値。換言すれば、減少量)が所定以下であるようにスロットルバルブ32を徐々に絞り、吸気負圧を緩やかに増大させて、ポンピングロスまたはエンジンブレーキ作用を少しでも抑制するようにする。ステップS3では、吸気負圧と定圧室内負圧とのタイムラグΔt、または吸気負圧と定圧室内負圧との差分Δpを実測し、そのタイムラグΔtまたは圧力差分Δpが所定以上に広がらないよう、スロットルバルブ32の開度の単位時間あたりの変化量を調節することが好ましい。
その後、ECU0は、吸気負圧が前記目標値に到達しまたは当該目標値を少しく超えた時点で、即ち定圧室内負圧が前記目標値に到達するよりも前に(ステップS4)、スロットルバルブ32の開度を再び拡大させる操作を行う(ステップS5)。ステップS3により、ブレーキブースタ5の定圧室に必要十分な負圧が蓄えられ、この負圧は次回ブレーキペダルが踏まれるまで保持される。そこで、燃料カット中であっても、ステップS5以降、スロットルバルブ32の開度を拡大させて、ポンピングロスまたはエンジンブレーキ作用の低減を図る。
さらに、定圧室内負圧が前記目標値に到達したならば(ステップS6)、スロットルバルブ32の開度を拡大させる速度を高める(ステップS7)。つまり、スロットルバルブ32の開度の単位時間あたりの変化量を、ステップS5におけるそれよりも大きくする。
燃料カット終了条件が成立したときには(ステップS8、S9、S10)、スロットルバルブ32の開度を、運転者によるアクセルペダルの踏込量に対応した開度に修正するとともに(ステップS11)、インジェクタ11からの燃料噴射(及び、点火プラグ12による点火)を再開する(ステップS12)。
本実施形態では、内燃機関の気筒1への燃料供給を一時的に停止する燃料カットを開始したとき、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側の負圧がブレーキブースタ5に供給するべき負圧の目標値に到達するまで、スロットルバルブ32の開度を縮小する操作を行うことを特徴とする内燃機関の制御装置0を構成した。
本実施形態では、燃料カット中、スロットルバルブ32の開度を、吸気負圧が前記目標値を大きく超えて増大するまでには絞らず、吸気負圧を当該目標値を少しく超える程度に抑制する。これにより、コースト走行中にエンジンブレーキの効き具合を弱め、その替わりにオルタネータによる発電量を増して、惰性走行の運動エネルギを少しでも多く電気エネルギに変換して回収(回生)することが可能となる。ひいては、車両の燃費の向上に奏効する。
また、本実施形態では、内燃機関の気筒1への燃料供給を一時的に停止する燃料カットを開始したとき、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側の負圧をブレーキブースタ5に供給するべき負圧の目標値に近づけるように、スロットルバルブ32の開度を縮小する操作を行い、その後、ブレーキブースタ5に実際に供給される負圧が前記目標値に到達するよりも前に、スロットルバルブ32の開度を再び拡大させる操作を開始することを特徴とする内燃機関の制御装置0を構成した。
既に述べた通り、吸気負圧の変動と定圧室内負圧の変動との間には、タイムラグΔtが存在している。そこで、定圧室内負圧が前記目標値に達する前にスロットルバルブ32の開度の拡大を開始することで、ブレーキブースタ5に必要十分な負圧を供給しながら、吸気負圧の不必要な増大を抑止し、ポンピングロスを少しでも減少させ、またオルタネータによる回生を少しでも多くする。
並びに、本実施形態では、内燃機関の気筒1への燃料供給を一時的に停止する燃料カットを開始したとき、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側の負圧をブレーキブースタ5に供給するべき負圧の目標値に近づけてゆくとともに、スロットルバルブ32の下流側の負圧とブレーキブースタ5に実際に供給される負圧との差Δpが所定以上に広がらないように、スロットルバルブ32の開度を徐々に縮小する操作を行うことを特徴とする内燃機関の制御装置0を構成した。
これもまた、ブレーキブースタ5のために必要十分な負圧を確保しながら、ポンピングロスを少しでも減少させるという所期の目的を達成するものである。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、ブレーキブースタ5の定圧室内の圧力をセンサを介して実測するものとしていたが、吸気負圧の変動に追従する定圧室内圧力の変動の速度または時定数を予め実験的に求めておけば、吸気負圧の実測値の時系列を基に現在の定圧室内圧力を推算して圧力差分ΔpやタイムラグΔtを求めることができる。要するに、定圧室内圧力を検出するセンサは必須ではない。
また、本発明は、ハイブリッド車両にも適用することができる。但し、ハイブリッド車両は、燃料カット状態のまま運転される期間が長いため、図2及び図3のフロー図に示していない手順を付け加える必要がある。即ち、ステップS3により、ブレーキブースタ5の定圧室に必要十分な負圧が一旦蓄えられると、次にブレーキペダルが踏まれるまではその負圧が維持されるが、ブレーキペダルが踏まれた後には、処理を再びステップS3に戻し、スロットルバルブ32を徐々に絞って再度負圧を確保する操作が必要となる。
その他、各部の具体的構成や具体的な処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、ブレーキブースタが付帯した自動車の制御に利用できる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
3…吸気通路
5…ブレーキブースタ
e…吸気負圧信号
f…定圧室内負圧信号

Claims (2)

  1. 内燃機関の気筒への燃料供給を一時的に停止する燃料カットを開始したとき、吸気通路におけるスロットルバルブの下流側の負圧をブレーキブースタに供給するべき負圧の目標値に近づけるように、スロットルバルブの開度を縮小する操作を行い、
    その後、吸気通路におけるスロットルバルブの下流側の負圧が前記目標値に到達しまたは当該目標値を少しく超えた時点で、ブレーキブースタに実際に供給される負圧が前記目標値に到達するよりも前に、スロットルバルブの開度を再び拡大させる操作を開始することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 内燃機関の気筒への燃料供給を一時的に停止する燃料カットを開始したとき、吸気通路におけるスロットルバルブの下流側の負圧をブレーキブースタに供給するべき負圧の目標値に近づけてゆくとともに、スロットルバルブの下流側の負圧とブレーキブースタに実際に供給される負圧との差が所定以上に広がらないように、スロットルバルブの開度を徐々に縮小する操作を行うことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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