以下の実施形態の一例では、誘導電界を介したデジタル無線通信が可能な第1無線通信部と第2無線通信部とが、RFコイル装置側と、MRI装置の制御側とにそれぞれ配置される。この場合、例えば第1無線通信部が第2無線通信部に対して近接距離内で離脱自在に固定され、デジタル化されたMR信号が誘導電界を介して第1無線通信部から第2無線通信部に無線送信される。上記の新技術により、デジタル化されたMR信号をRFコイル装置からMRI装置に対して良好に無線送信できる。これは、本願の日本国出願前に本出願人に所属する研究開発者らが捻出した新技術であり、本願の日本国出願時において未公開の技術である。
ここで、RFコイル装置側からMRI装置の制御側へのMR信号の送信において上記誘導電界を介した無線通信を適用するに際し、RFコイル装置の電力確保の方法について十分検討されておらず、効率的且つ問題のない方法が望まれていた。具体的には、以下の課題がある。
例えばRFコイル装置内に充電池を設け、この充電池を取り外して撮像前に充電する方法では、充電池の取り外し、充電といった余分な作業をユーザに負担させることになる。また、天板内に電源線を引いて、MR信号の受信側の無線通信装置を介して常時充電を行う構成では、天板移動時にも電源線に電流が流れる。この構成では、伸ばされ具合などの電源線の状態が天板位置によって変動するので、天板位置によって励起用RFパルスのパワーが変動するおそれがある。
また、電源線と、送受信コイルとの間のカップリングの度合いも天板位置によって変動し、SARを正確に計算しづらい。上記SARは、比吸収率(Specific Absorption Ratio)の意味である。
そこで、以下の実施形態では、以下の2点をさらなる課題とする。
第1に、RFコイル装置側からMRI装置の制御側にデジタル化されたMR信号を無線送信する構成において、天板内に電源線を含めずにRFコイル装置の電力を確保することである。
第2に、RFコイル装置側からMRI装置の制御側にデジタル化されたMR信号を無線送信する構成において、MR信号の信号線と、電源線とを分離しつつ、RFコイル装置の電力を確保することである。
第2の課題を達成できれば、MRI装置の制御側において、MR信号の信号線を光通信ケーブルにし、RFコイル装置側からデジタルのMR信号を無線で受信後、光デジタル信号としてMR信号をガントリ外に送信できる。この場合、外部ノイズの影響が軽減される。
以下、上記課題を達成するためのMRI装置及びMRI方法の実施形態の数例について、添付図面に基づいて説明する。なお、各図において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態におけるMRI装置20Aの全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、MRI装置20Aは、ガントリ21と、寝台ユニット32とを有する。MRI装置20Aは、例えば円筒状に形成されるガントリ21内において、静磁場磁石22と、シムコイル24と、傾斜磁場コイル26と、送信用RFコイル28とを有する。ガントリ21は、図中に太線の各長方形で示す部分に対応する。
寝台ユニット32は、寝台33と、天板34と、天板駆動装置35と、信号合成部36とを有する。天板34は、寝台33上において移動可能に支持され、天板34上には被検体Pが載置される。天板駆動装置35及び信号合成部36は、寝台33内に配置される。
静磁場磁石22及びシムコイル24は、例えば円筒状であり、シムコイル24は、静磁場磁石22の内側において静磁場磁石22と軸を同じにして配置されている。
ここでは一例として、装置座標系の互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を以下のように定義する。まず、静磁場磁石22及びシムコイル24は、それらの軸方向が鉛直方向に直交するように配置されているものとし、静磁場磁石22及びシムコイル24の軸方向をZ軸方向とする。また、鉛直方向をY軸方向とし、天板34は、被検体の載置用の面の法線方向がY軸方向となるように配置されているものとする。
MRI装置20Aは、その制御側において、静磁場電源40と、シムコイル電源42と、傾斜磁場電源44と、RF送信器46と、RF受信器48と、システム制御部52と、システムバス54と、画像再構成部56と、画像データベース58と、画像処理部60と、入力装置62と、表示装置64と、記憶装置66とを有する。
ここでは一例として、RF受信器48はガントリ21内に配置されるが、RF受信器48は寝台33内に配置されてもよいし、ガントリ21内及び寝台ユニット32の外に配置されてもよい。
静磁場磁石22は、静磁場電源40から供給される電流により撮像空間に静磁場を形成する。上記撮像空間とは例えば、被検体Pが置かれて、静磁場が印加されるガントリ21内の空間を意味する。静磁場磁石22は、超伝導コイルで構成される場合が多く、励磁の際に静磁場電源40に接続されて電流が供給されるが、一旦励磁された後は非接続状態とされるのが一般的である。なお、静磁場電源40を設けずに、静磁場磁石22を永久磁石で構成してもよい。
シムコイル24は、シムコイル電源42に接続され、シムコイル電源42から供給される電流により静磁場を均一化する。
傾斜磁場コイル26は、例えば、静磁場磁石22の内側で筒状に形成されている。傾斜磁場コイル26は、傾斜磁場電源44から供給される電流により、X軸方向の傾斜磁場Gx、Y軸方向の傾斜磁場Gy、Z軸方向の傾斜磁場Gzを撮像領域にそれぞれ形成する。即ち、装置座標系の3軸方向の傾斜磁場Gx、Gy、Gzを合成し、論理軸としてのスライス選択方向傾斜磁場Gss、位相エンコード方向傾斜磁場Gpe、及び、読み出し方向(周波数エンコード方向)傾斜磁場Groの各方向を任意に設定できる。
なお、上記撮像領域とは、例えば、1画像又は1セットの画像の生成に用いるMR信号の収集範囲であって、撮像空間の一部として設定される領域を意味する。「1セットの画像」とは、例えばマルチスライス撮像などのように、1のパルスシーケンス内で複数画像のMR信号が一括的に収集される場合の「複数画像」である。撮像領域は、例えば装置座標系で3次元的に規定される。
RF送信器46は、システム制御部52から入力される制御情報に基づいて、核磁気共鳴を起こすラーモア周波数のRFパルス(RF電流パルス)を生成し、これを送信用RFコイル28に送信する。送信用RFコイル28は、RF送信器46からRFパルスを受けて、このRFパルスを被検体Pに送信する。送信用RFコイル28には、ガントリ21に内蔵されると共にRFパルスの受信も兼用する全身用コイルも含まれる(図示せず)。
さらにMRI装置20Aは、RFコイル装置100A、100Bと、受信用RFコイル29と、複数のコイル側無線通信装置200と、複数の制御側無線通信装置300Aとを有する。
受信用RFコイル29及び複数の制御側無線通信装置300Aは、天板34内に配置される。受信用RFコイル29は、被検体P内の原子核スピンがRFパルスによって励起されることで発生したMR信号を検出し、検出したMR信号をRF受信器48に送信する。
RFコイル装置100A、100Bは、例えば、MR信号の受信用の装着型局所コイルである。ここではRFコイル装置100Aとして、被検体Pの胸部に装着され、胸部からのMR信号を受信するものを図示し、RFコイル装置100Bとして、被検体Pの骨盤部に装着され、骨盤部からのMR信号を受信するものを図示しているが、これは一例にすぎない。MRI装置20Aでは、RFコイル装置100A、100B以外にも、肩用RFコイル装置など、各種の装着型RFコイル装置をMR信号の受信用に使用可能である。
これらの受信用のRFコイル装置100A、100Bは、ここでは一例としてMRI装置20Aの一部とするが、MRI装置20Aとは別個のものとして捉えてもよい。RFコイル装置100A、100Bはそれぞれケーブル102を有し、ケーブル102によって各コイル側無線通信装置200に個別に接続される。各コイル側無線通信装置200は、通信対象となる1つの制御側無線通信装置300Aに対してそれぞれ近接固定される。
従って、一のコイル側無線通信装置200は、RFコイル装置100Aで検出されたMR信号を取得し、デジタル化されたMR信号を、誘導電界を介して一の制御側無線通信装置300Aに無線送信する。別のコイル側無線通信装置200は、RFコイル装置100Bで検出されたMR信号を取得し、デジタル化されたMR信号を、誘導電界を介して別の制御側無線通信装置300Aに無線送信する。無線通信の動作については後述する。
なお、前述の信号合成部36は、一の制御側無線通信装置300Aから取得するシリアル信号(RFコイル装置100Aで検出されたMR信号が含まれる)と、別の制御側無線通信装置300Aから取得するシリアル信号(RFコイル装置100Bで検出されたMR信号が含まれる)とを一のシリアル信号に合成する。
第1の実施形態では一例として、信号合成部36−RF受信器48間、及び、RF受信器48−画像再構成部56間は、それぞれ光ファイバなどの光通信ケーブル72、74で互いに接続される(図1の太い点線部分)。従って、信号合成部36は、合成したシリアル信号を、電気的な信号から光信号に変換して、RF受信器48に送信する。
また、図1では煩雑となるので、制御側無線通信装置300Aを2つのみ図示しているが、制御側無線通信装置300Aは3つ以上でもよいし、1つのみでもよい。但し、制御側無線通信装置300Aが離散して多数配置されている方が、1つのみの配置の場合よりも望ましい。その方が、コイル側無線通信装置200を制御側無線通信装置300Aに対して近接固定する際の選択の余地が多いからである。
即ち、固定箇所の選択の余地が多い方が、RFコイル装置100A、100Bに最も近い制御側無線通信装置300Aに対して、コイル側無線通信装置200を近接固定できるからである。そのようにすれば、RFコイル装置100A(100B)−コイル側無線通信装置200間のケーブル102を短くできる。上記の「近接固定」とは、例えば、誘導電界を介した無線通信が可能となる程度に、互いに電磁的に結合された近さにおいて、互いに物理的に動かないように固定する意味である。
なお、本実施形態では一例として、MRI装置20A内における送信用RFコイル28までのRFパルスの送信や、被検体Pから検出したMR信号の伝達は、コイル側無線通信装置200−制御側無線通信装置300A間を除いて有線で行われる。
RF受信器48は、検出したMR信号に所定の信号処理を施すことで、デジタル化されたMR信号の複素データ(以下、MR信号の生データという)を生成する。RF受信器48は、光通信ケーブル74を介して、生成したMR信号の生データを画像再構成部56に入力する。
システム制御部52は、撮像動作及び撮像後の画像表示において、システムバス54等の配線を介してMRI装置20A全体のシステム制御を行う。
そのために、システム制御部52は、傾斜磁場電源44、RF送信器46及びRF受信器48の駆動に必要な制御情報を記憶する。ここでの制御情報とは、例えば、傾斜磁場電源44に印加するパルス電流の強度や印加時間、印加タイミング等の動作制御情報を記述したシーケンス情報である。
システム制御部52は、記憶した所定のシーケンスに従って傾斜磁場電源44、RF送信器46及びRF受信器48を駆動させることで、傾斜磁場Gx、Gy、Gz及びRFパルスを発生させる。
また、システム制御部52は、撮像条件設定部としても機能する。即ち、システム制御部52は、操作者が入力装置62に対して入力した被検体Pの情報や一部の撮像条件に基づいて、本スキャンの撮像条件を設定する。そのために、システム制御部52は、撮像条件の設定画面情報を表示装置64に表示させる。
入力装置62は、撮像条件や画像処理条件を設定する機能を操作者に提供する。
上記撮像条件とは、例えば、どの種類のパルスシーケンスにより、どのような条件でRFパルス等を送信して、どのような条件で被検体PからMR信号を収集するかを意味する。撮像条件の例としては、撮像空間内での位置的情報としての撮像領域、撮像部位、パラレルイメージングなどのパルスシーケンスの種類、使用するRFコイル装置の種類、スライス数、スライス間の間隔等が挙げられる。
上記撮像部位とは、例えば、頭部、胸部、腹部などの被検体Pのどの部分を撮像領域として画像化するかを意味する。
上記「本スキャン」は、プロトン密度強調画像などの、目的とする診断画像の撮像のためのスキャンであって、位置決め画像用のMR信号収集のスキャンや、較正用スキャンを含まないものとする。スキャンとは、MR信号の収集動作を指し、画像再構成を含まないものとする。較正用スキャンとは例えば、本スキャンの撮像条件の内の未確定のものや、本スキャン後の画像再構成時に用いる条件やデータなどを決定するために、本スキャンとは別に行われるスキャンを指す。後述のプレスキャンは、較正用スキャンの内、本スキャン前に行われるものを指す。
画像再構成部56は、位相エンコードステップ数及び周波数エンコードステップ数に基づいて、RF受信器48から入力されるMR信号の生データを例えばマトリクスデータに変換し、これをk空間データとして保存する。k空間とは、周波数空間(フーリエ空間)の意味である。画像再構成部56は、k空間データに2次元フーリエ変換などを含む画像再構成処理を施すことで、被検体Pの画像データを生成する。画像再構成部56は、生成した画像データを画像データベース58に保存する。
画像処理部60は、画像データベース58から画像データを取り込み、これに所定の画像処理を施し、画像処理後の画像データを表示用画像データとして記憶装置66に記憶させる。
記憶装置66は、上記の表示用画像データに対し、その表示用画像データの生成に用いた撮像条件や被検体Pの情報(患者情報)等を付帯情報として付属させて記憶する。
表示装置64は、システム制御部52の制御に従って、本スキャンの撮像条件の設定用画面や、撮像により生成された画像データが示す画像などを表示する。
図2は、ガントリ21の概観を示す模式的斜視図である。図2に示すように、ここでは一例としてガントリ21は円筒状であり、その内側が撮像空間となる。また、ガントリ21は、例えば4つの脚部78によって撮像室(シールドルーム)の床の上に固定される。図2では煩雑となるので、脚部78を3つのみ図示している。
また、ガントリ21の内壁上には、装置座標系のZ軸方向に沿って、Y軸方向(鉛直方向)に同じ高さの位置に2本のレール80aが形成されている。天板34がガントリ21内に挿入される場合、天板34の両端側がそれぞれレール80aに支持される。
図3は、ガントリ21及び寝台ユニット32の概観を示す模式的斜視図である。寝台33は、昇降部33aと、天板スライド部33bとを有する。図3の例では、天板34はハッチングで塗り潰した領域であり、その一部がガントリ21内にあり、残りが天板スライド部33b上にある。システム制御部52は、天板34全体がガントリ21外にある場合に、昇降部33aの高さを変えることで、天板スライド部33b上にある天板34をY軸方向に昇降させる。
天板スライド部33bは、例えば装置座標系X−Y平面の横断面が角括弧状の台である。天板スライド部33bは、例えば、天板34よりも幅広の平板の両端にそれぞれ、突出部84を一体形成した構造である。両側の突出部84間の間隔が、天板34の幅に等しいか、又は、天板34の幅よりも若干広い。従って、天板34は、レール80a及び突出部84に沿って、装置座標系Z軸方向にスライド移動する。
具体的には、システム制御部52は、天板駆動装置35を制御することで天板34をZ軸方向に水平移動させ、ガントリ21内部の撮像空間に対して天板34を出し入れさせる。システム制御部52は、このように天板34の位置を制御することで、天板34上の被検体Pの撮像部位を撮像空間内の磁場中心近辺に位置させる。
図4は、RFコイル装置100Aの構成、及び、制御側無線通信装置300Aの配置の一例を示す模式的斜視図である。図4に示すように、RFコイル装置100Aは、ケーブル102と、カバー部材104aとを有する。カバー部材104aは、可撓性を有する材料によって折り曲げ等の変形が可能に形成されている。このように変形可能な材料としては、例えば特開2007−229004号公報に記載の可撓性を有する回路基板(Flexible Printed Circuit:FPC)などを用いることができる。
カバー部材104a内には、被検体PからのMR信号を検出するアンテナとして機能する複数のコイル素子106が配置されている。ここでは一例として、6個のコイル素子106を図示しているが、コイル素子106の数や形状については、図示したものに限定されるものではない。
また、カバー部材104a内には、受信に用いるコイル素子106の選択などのRFコイル装置100Aの動作を制御する選択制御部108が設けられる。カバー部材104a内には、A/D変換器212(analog to digital converter)などの他の構成要素もあるが、その詳細については図11を用いて後述する。
ここでは一例として、RFコイル装置100Aとコイル側無線通信装置200とを別々の構成要素として説明するが、これは解釈の一例にすぎない。コイル側無線通信装置200がRFコイル装置100Aの一部である構成としてもよい。
ケーブル102は、一端側がMRI装置20Aのコイル側無線通信装置200に接続されており、他端側がカバー部材104a内の選択制御部108等に接続されている。
また、カバー部材104a内には、コイル素子106で検出されたMR信号を増幅するプリアンプや、フィルタリングのための帯域通過フィルタ等が設けられていてもよい。
なお、図4には示していないが、RFコイル装置100Bの構成は、以下の2点を除き、上記RFコイル装置100Aと同様である。第1に、RFコイル装置100Bでは、カバー部材が骨盤部に装着し易い形状にされている。第2に、RFコイル装置100Bの各コイル素子106の数や形状等は、骨盤部からのMR信号を検出し易く構成される。
制御側無線通信装置300Aは、ここでは一例として、天板34における被検体Pが載置される面(以下、天板34の上面という)の直下に10個埋設される。被検体Pは例えば、天板34の幅方向(装置座標系のX軸方向)において中央に載置される。
従って、この例では制御側無線通信装置300Aは、天板34の両側の側面側においてそれぞれ、側面に沿って列状に等間隔で5つずつ配置される。即ち、制御側無線通信装置300Aは、天板34の長手方向(Z軸方向)に沿って、両側面側に5つずつ配置される。なお、図4において、天板34の一方の側面(LATERAL FACE)は、ハッチングで塗り潰した領域である。
制御側無線通信装置300Aの数や配置箇所は、図4の態様(天板34内部)に限定されるものではない。制御側無線通信装置300Aは、例えば天板34上に露出して配置してもよい。
第1の実施形態では、天板34は、その上面上に固定された10個の固定機構500を有する。各固定機構500(の支持部材502:図5参照)は、天板34の厚さ方向において10個の制御側無線通信装置300Aにそれぞれ対向する位置に固定されている。固定方法については、例えば接着、或いは、天板34の上面の材料と一体形成すればよい。
図5は、第1の実施形態におけるコイル側無線通信装置200の固定方法の一例を示す模式的斜視図である。図5は、コイル側無線通信装置200及び固定機構500を互いに離した状態の概観を示す。図5に示すように、固定機構500は、支持部材502と、支持部材502に形成された挿通口506を覆う弾性部材510とを有する。
コイル側無線通信装置200は、筐体202と、円柱状の突起240とを有する。ここでは一例として、突起240は、筐体202における、ケーブル102が接続される面とは反対側の面の中央に配置される。これは、天板34の上面でコイル側無線通信装置200をスライド移動させることで、突起240を挿通口506に嵌合し易くするためである。
固定機構500の支持部材502は、変形しない非磁性体の材料で形成された平板を屈曲させた輪郭であり、その横断面がL字型である。なお、非磁性体の材料で固定機構500を形成することで、誘導電界を介した無線通信への影響を回避できる。
挿通口506は、支持部材502における、天板34の厚さ方向に平行な面上に形成されている。挿通口506は、開口が円形であり、その直径及び奥行きは、突起240を嵌合させる寸法である。挿通口506の周囲は、例えばゴムのような弾力性を有する弾性部材510で形成されている。弾性部材510は、ここでは一例として円筒状であり、例えばシリコーンゴムや、ポリエチレンや合成樹脂などで形成できる。
図6は、コイル側無線通信装置200が固定された状態を示す模式的斜視図である。コイル側無線通信装置200は、天板34の上面に置かれた状態からスライド移動させることで、固定機構500に嵌合することができる。即ち、図6に示すように、突起240が挿通口506に嵌合されるように両者が結合され、弾性部材510の摩擦力により、コイル側無線通信装置200は天板34上で確実に固定される。
なお、上記の嵌合は、コイル側無線通信装置200の固定方法の一例にすぎず、離脱自在な固定方法については、他の方法でもよい。例えば、マジックテープ(登録商標)などの面ファスナーのオス側及びメス側の内、一方を天板34の上面に固定し、他方をコイル側無線通信装置200の底面に固定してもよい。
図7は、第1の実施形態における、制御側無線通信装置300A及び寝台側充電部550の配置の一例を示す平面模式図である。図7に示すように、寝台33の天板スライド部33b(図3参照)の両側の突出部84内には5つずつ、計10個の寝台側充電部550が等間隔で配置される。各制御側無線通信装置300A及び各寝台側充電部550には、それぞれコイルが内蔵される(後述の図10参照)。各寝台側充電部550のコイルには、電源線560により充電用の電流が供給される。
図7は、天板34が最も後退した位置にある状態、即ち、天板34がガントリ21から最も離れた位置にある状態を示す。この状態では、天板34の後端は、天板スライド部33bの後端(図7のBACK END)に合致する。この状態は、天板34全体がガントリ21外にあるため、昇降部33aによる昇降動作が可能な位置である。
上記位置に天板34がある場合に、10個の制御側無線通信装置300Aにそれぞれ対向するように、10個の寝台側充電部550はそれぞれ配置される。即ち、寝台側充電部550は、突出部84の各側面(天板34の側面に対向する面)側において、側面に沿って(装置座標系Z軸方向に沿って)、等間隔で5つずつ配置される。
具体的には、10個の寝台側充電部550は、10個の制御側無線通信装置300Aに個別に対応し、各寝台側充電部550は、対応する制御側無線通信装置300Aに無線で電力を送信する。ここでの「対応する」とは例えば、上記位置に天板34がある場合に、最も近い位置にある「制御側無線通信装置300A」の意味である。
従って、上記位置に天板34がある場合に、制御側無線通信装置300A内のコイルと、寝台側充電部550内のコイルとが電磁的に結合される間隔となるように、制御側無線通信装置300A、寝台側充電部550は配置される。上記位置に天板34がある場合、制御側無線通信装置300A−寝台側充電部550間では、突出部84の側面及び天板34の側面を貫通する誘導磁界により、電力送信が実行される。電力送信については、後述の図10で説明する。
また、天板34内には、各制御側無線通信装置300Aに個別に接続された光通信ケーブル301が配置されるが、天板34内には電源線は配置されない。各々の光通信ケーブル301は、制御側無線通信装置300A内の各構成要素に対応する複数の信号線の束である。
図8は、寝台33の昇降動作、及び、天板34の水平移動の一例を示す装置座標系Y−Z平面の断面模式図である。図8では一例として、天板34の移動の流れを上から順に4段階で示す。
図8の最上段は、天板34がガントリ21から最も離れ、その後端が天板スライド部33bの後端(BACK END)に合致する所定位置にある状態を示す。また、図8の最上段は、昇降部33aにより、寝台33の高さが下げられた状態を示す。例えばこの状態において、被検体Pが天板34上に乗せられ、被検体PにRFコイル装置100A、100Bが装着される。
次に、システム制御部52は、天板スライド部33bの突出部84の高さがレール80aの高さに合致するように、昇降部33aを制御することで寝台33の高さを上げる。図8の上から2番目は、この状態を示し、この状態では、天板スライド部33b側からガントリ21内に天板34をスライド移動可能である。
なお、被検体Pに対するRFコイル装置100A、100Bの装着や、コイル側無線通信装置200を固定する操作は、このように寝台33の高さが上げられた状態で行われてもよい。
次に、天板駆動装置35(図1参照)は、システム制御部52の制御に従って、被検体Pが乗せられた天板34をレール80aに沿って、装置座標系Z軸方向にガントリ21内にスライド移動させる。このとき、被検体Pの撮像部位がガントリ21内の磁場中心に位置するように、天板34の位置が制御される。図8の上から3番目は、この状態を示す。この状態において、後述のプレスキャンや本スキャンが実行される。
次に、本スキャンが終了すると、天板駆動装置35は、システム制御部52の制御に従って、天板34をレール80aに沿ってZ軸方向にスライド移動させ、寝台33側に戻す。図8の最下段は、天板34が図8の最上段の所定位置に戻った状態を示す。
図9は、寝台ユニット32の構成例を示す装置座標系X−Y平面の断面模式図である。
図10は、図9の一点鎖線の枠部分を拡大し、コイル側無線通信装置200、制御側無線通信装置300A、及び、寝台側充電部550の構成の一例を示す断面模式図である。図9、図10では、RFコイル装置100A又は100Bに接続された一のコイル側無線通信装置200が、固定機構500により一の制御側無線通信装置300Aに対して近接固定された状態を示す。
以下、図9、図10を参照しながら、コイル側無線通信装置200と制御側無線通信装置300Aとの間の無線通信について説明する。図10に示すように、制御側無線通信装置300Aは、電池部304と、コイルLa2と、コイルLb1と、アンテナ306a、306b、306c、306dとを有する。コイル側無線通信装置200は、コイルLb2と、アンテナ206a、206b、206c、206dとを有する。
コイル側無線通信装置200と制御側無線通信装置300Aとの間では、誘導電界を介した近接無線通信が実行される。誘導電界とは、磁束密度の時間変化によって生じる電界である。誘導電界を介した近接無線通信としては、例えば、誘導電界結合型カプラをアンテナとして用いるトランスファージェット(TransferJet:登録商標)などを用いればよい(例えば特開2010−147922号公報参照)。
より詳細には、誘導電界結合型カプラは、結合電極、共振スタブ、グランドなどを有する(図示せず)。誘導電界結合型カプラの送信側の共振スタブに電気信号が入力されると、結合電極に電荷が蓄積され、その電荷と同等の仮想電荷がグランドに発生する。それらの電荷によって微小電気双極子が構成され、この微小電気双極子が送信側アンテナとして機能する。即ち、微小電気双極子が発生する縦波の誘導電界により、受信側にデータが転送される。進行方向と平行に振動する縦波は、アンテナの向きに依存しないため、安定したデータ転送を実現できる。
但し、送信側と受信側とを離しすぎると、両者が電磁的に結合されないため、データ送信ができない。誘導電界結合型カプラにより形成される誘導電界は、離れると急激に減衰するからである。図10に示す間隔Dは、コイル側無線通信装置200が、固定機構500により一の制御側無線通信装置300Aの上方で近接固定された状態における、コイル側無線通信装置200−制御側無線通信装置300A間の間隔である。間隔Dは、コイル側無線通信装置200−制御側無線通信装置300A間で誘導電界を介した無線通信及び誘導磁界を介した電力送信が可能な程度に短い。
制御側無線通信装置300Aのアンテナ306a〜306dは、コイル側無線通信装置200のアンテナ206a〜206dとそれぞれ一対となるものである(計4対)。これらの内、少なくともアンテナ206a−306aは、例えば誘導電界結合型カプラである。アンテナ206a〜206dは、固定機構500によりコイル側無線通信装置200が制御側無線通信装置300Aに対向するように固定された場合に、アンテナ306a〜306dにそれぞれ対向する位置に配置される。
図10では各構成要素を区別するために、アンテナ206a〜206dを互いに離間して配置すると共に、アンテナ306a〜306dを互いに離間して配置しているが、これは一例にすぎない。各アンテナを離間して配置しなくとも、4つの無線通信経路同士の干渉を避けることができる。
具体的には、アンテナ206a−306a間、アンテナ206b−306b間、アンテナ206c−306c間、アンテナ206d−306d間で、無線周波数を分離すればよい(周波数値を大きく離せばよい)。このとき、各無線通信経路では、被検体Pに送信されるRFパルスの中心周波数の整数分の一となる周波数を避けることが望ましい。
制御側無線通信装置300Aの設置箇所は、天板34の上面から深すぎないことが望ましい。制御側無線通信装置300Aのアンテナ306a〜306dの位置が深すぎると、送信側及び受信側のアンテナ206a〜206d、306a〜306dが互いに電磁的に結合される程度に、両者の間隔Dを近接させることができない。その場合、誘導電界を介した無線通信、及び、誘導磁界を介した電力送信が困難となる。即ち、制御側無線通信装置300Aは、電磁的に結合される程度にコイル側無線通信装置200に対して近接固定することが可能な位置に配置することが望ましい。
なお、コイル側無線通信装置200側の電気双極子自体(アンテナ)と、制御側無線通信装置300A側の電気双極子自体(アンテナ)とを直接接触させない限り、コイル側無線通信装置200側のアンテナを覆う筐体と、制御側無線通信装置300A側のアンテナを覆う筐体とを接触させても構わない。送信側のアンテナと、受信側のアンテナとの間に誘導電界が生じる間隔Dを確保できればよいからである。従って、制御側無線通信装置300Aは、そのアンテナ側の面が天板34の上面に揃うように露出していてもよい。
また、撮像時間が例えば30分のように長期間であれば、MR信号の送信期間も長くなる。その間、送信側と受信側とがずれないように固定することが望まれる。従って、例えば本実施形態の固定機構500のように、送信側と受信側とを互いに固定する手段を有する構成が望ましい。撮像中の被検体Pの動きによって、被検体Pに装着されているRFコイル装置100A、100Bも動き、それに伴ってコイル側無線通信装置200も動かされ、被検体Pから検出したMR信号を無線送信できないといったおそれは、固定により殆どなくなる。
次に、無線による電力送信について説明する。図10に示すように、寝台側充電部550は、コイルLa1を有する。また、制御側無線通信装置300A内において、コイルLa2は、コイルLb1に直列に接続されている。図10は、天板34が図8の最下段に示す所定位置にある場合の断面であり、この場合、寝台側充電部550のコイルLa1は、制御側無線通信装置300AのコイルLa2と電磁的に結合される近さとなる(そのように、寝台側充電部550のコイルLa1、及び、制御側無線通信装置300AのコイルLa2は配置される)。
コイル側無線通信装置200が御側無線通信装置300Aに対して近接固定され、天板34が上記所定位置にある場合、システム制御部52は、突出部84内に配線された電源線560により、コイルLa1に電力(励磁電流)を供給する。これにより、天板34の側面及び突出部84の側面を貫通する誘導磁界が生じ、制御側無線通信装置300AのコイルLa2には誘導電流が流れる。
ここで、本実施形態では一例として、コイルLa2に流れる誘導電流の一部は、電池部304内で直流電流に変換されて、電池部304内の不図示の充電池を充電する。この充電池の蓄積電力により、制御側無線通信装置300Aは動作する。一方、コイルLa2の誘導電流の残りは、コイル側無線通信装置200のコイルLb2に対する励磁電流として、コイルLb1に流れる。
コイルLb1に流れる電流により、天板34の上面を貫通する誘導磁界が生じ、コイル側無線通信装置200のコイルLb2には誘導電流が流れる。コイル側無線通信装置200は、コイルLb2に流れる誘導電流により、RFコイル装置(100A又は100B)内の充電池BA(後述の図11参照)を充電する。
なお、ここでは一例として、天板34の底面には、天板34を円滑にスライド移動させるための複数の車輪85と車軸(図示せず)が配置される。
図11は、RFコイル装置100Aまでの電力供給系統、及び、RFコイル装置100Aで検出されたMR信号の送信系統を模式的に示すブロック図である。図11では簡単化のため、RFコイル装置100Aのカバー部材104a内のコイル素子106を2つのみ示すが、実際にはさらに多く配置される(図4参照)。
図11に示すように、カバー部材104a内には、複数のA/D変換器212と、P/S変換器(Parallel/Serial Converter)214と、充電池BAと、残量判定部250とがさらに設けられる。
コイル側無線通信装置200は、データ送信部216と、参照信号受信部218と、ID送信部(Identification Information Transmitting Unit)222と、ゲート信号受信部224と、整流器240と、前述のコイルLb2と、アンテナ206a〜206dとを有する。
カバー部材104a内の充電池BA及び残量判定部250と、コイル側無線通信装置200内のコイルLb2及び整流器240とにより、電力受給部220が構成される。なお、図11では簡単化のため、A/D変換器212を2つ示すが、実際には例えば、コイル素子106と同数分が配置される。
制御側無線通信装置300Aは、データ受信部316と、参照信号送信部318と、電力転送部320aと、ID受信部(Identification Information Receiving Unit)322と、ゲート信号送信部324とをさらに有する。また、電力転送部320aは、図10で説明した電池部304と、コイルLa2と、コイルLb1とを含む。
前述のように、各制御側無線通信装置300Aは、天板34の側面側において、側面に沿って等間隔で配置される(図4、図7参照)。このため、各制御側無線通信装置300Aの電力転送部320b、及び、その構成要素のコイルLa2、Lb1も、天板34の側面側において、側面に沿って等間隔で配置される。
また、MRI装置20Aの制御系は、図1に示した構成要素に加えて、周波数アップコンバージョン部402と、パルス波形生成部404と、固定周波数生成部406と、可変周波数生成部408と、図10で説明した寝台側充電部550とをさらに有する。また、RF受信器48は、周波数ダウンコンバージョン部410と、信号処理部412とを有する。
本実施形態では一例として、コイル側無線通信装置200と制御側無線通信装置300Aとの間には、充電用の誘導磁界が発生する領域と、4つの無線通信経路とが存在する。以下、これらについて順に説明する。
図10で説明したように、寝台側充電部550−電力転送部320a間、及び、電力転送部320a−電力受給部220間が電磁的に結合される程度に近接している場合を考える。この場合、寝台側充電部550のコイルLa1に励磁電流を流すことで、電力転送部320aのコイルLa2、Lb1に電流が流れ、これにより電力受給部220のコイルLb2に誘導電流が流れる。整流器240は、コイルLb2に流れる誘導電流を直流電流に整流し、この直流電流により、カバー部材104a内の充電池BAを充電する。
なお、電力転送部320aの電池部304は、不図示の整流器を有し、コイルLa2に流れる誘導電流の一部を直流に変換し、この直流電流により、不図示の充電池を充電する。この充電池の蓄積電力により、制御側無線通信装置300Aは動作する。これは、天板34内に電源線を設けない構成とするためである。
残量判定部250は、充電池BAの電池残量の指標を測定する。具体的には例えば、残量判定部250は、充電池BAの充電電圧を常時検出し、充電池BAの充電電圧が充電完了時の値に達した時点で充電完了信号を出力する。システム制御部52は、充電完了信号を受信すると、寝台側充電部550による充電を停止する(詳細は図12で説明する)。
電力受給部220は、不図示の配線を介して、上記のように充電された充電池BAの蓄積電力をコイル側無線通信装置200の各部に供給する。また、電力受給部220は、充電池BAの蓄積電力をカバー部材104a内の各部に供給する。図11では煩雑となるので、図4に示したケーブル102全体の図示は省略している。
コイルLa1、La2、Lb1、Lb2に流す電流の周波数については、4つの無線通信経路の通信周波数から分離することが望ましい。これは、アンテナ206a〜206d、306a〜306d間の4つの無線通信経路の信号と、上記電流との干渉を避けるためである。
なお、RFコイル装置100Aの電力確保の方法としては、コイル側無線通信装置200内に内蔵され、RFコイル装置100Aの未使用期間中に充電される別の充電池と、上記電力受給部220による電力供給とを併用してもよい。
次に、4つの無線通信経路について説明する。誘導電界を介した無線通信は、少なくともアンテナ206a−306a間で行われるが、アンテナ206b−306b間やアンテナ206d−306d間で行われてもよい。
第1に、アンテナ206c−306c間では、RFコイル装置100Aの識別情報がコイル側無線通信装置200から制御側無線通信装置300に無線送信される。具体的には例えば、上記識別情報がID送信部222に予め記憶されている。但し、RFコイル装置100Aの識別情報については、ID送信部222がケーブル102を介して選択制御部108から取得する構成でもよい。
ID受信部322がID送信部222に近づくと、ID送信部222に記憶されていた識別情報は、デジタル信号として、アンテナ206cからアンテナ306cに自動的に無線送信される。この識別情報の無線通信は、例えばICタグ(Integrated Circuit Tag)などに代表されるRFID(Radio Frequency Identification)と同様の手段でよい。
ID受信部322は、アンテナ306cで受信したRFコイル装置100Aの識別情報を光信号に変換し、光信号としての識別情報を光通信ケーブル301経由でシステム制御部52に入力する。これにより、胸部用RFコイル装置、骨盤部RFコイル装置などの各種RFコイル装置のどれが現在接続されているかの情報がシステム制御部52に認識される。
第2に、アンテナ306d−206d間では、制御側無線通信装置300Aのゲート信号送信部324からコイル側無線通信装置200のゲート信号受信部224に対して、ゲート信号が撮像中において継続的に無線送信される。
より詳細には、各コイル素子106のオンオフを切り替えるスイッチとして、例えばPINダイオード(p-intrinsic-n Diode)を含むアクティブトラップ回路などが各コイル素子106にそれぞれ設けられる。ゲート信号は、上記スイッチの制御信号である。なお、ゲート信号送信部324からゲート信号受信部224にトリガ信号が送信され、ゲート信号受信部224内でトリガ信号に基づいてゲート信号が生成される構成でもよい。
RFパルスが被検体Pに送信される期間では、ゲート信号送信部324、アンテナ306d、206d、ゲート信号受信部224を介してRFコイル装置100Aに入力されるゲート信号は、通常、オンレベルにされる。ゲート信号がオンレベルの期間では、上記スイッチはオフ状態となり、各コイル素子106は、ループが途切れた状態となり、MR信号を検出できない。
RFパルスが被検体Pに送信される期間を除く期間では、オフレベルのゲート信号が無線送信される。ゲート信号がオフレベルの期間では、上記スイッチはオン状態となり、各コイル素子106は、MR信号を検出できる。このようなコイル素子106のオンオフの切り替えにより、被検体PへのMR信号の送信を行う送信用RFコイル28と、被検体PからMR信号を受信するコイル素子106との間のカップリングが防止される。
第3に、アンテナ306b−206b間では、制御側無線通信装置300Aの参照信号送信部318からコイル側無線通信装置200の参照信号受信部218に対して、デジタルの参照信号が撮像中において継続的に無線送信される。
具体的には、参照信号は、MR信号の送信側であるコイル側無線通信装置200と、固定周波数生成部406をベースとしたシステムの基準周波数とを同期させる信号である。参照信号送信部318は、固定周波数生成部406から入力される基準クロック信号に変調、周波数変換、増幅、フィルタリング等の処理を施すことで、参照信号を生成する。
固定周波数生成部406は、一定周波数の基準クロック信号を生成するものである。固定周波数生成部406は、基準クロック信号を生成するために、例えば安定度の高い水晶発振器などを有する。固定周波数生成部406は、参照信号送信部318及び可変周波数生成部408に基準クロック信号を入力する。
なお、参照信号送信部318への基準クロック信号の入力は、光通信ケーブル301経由で光信号として実行される。また、固定周波数生成部406は、画像再構成部56やパルス波形生成部404などのMRI装置20A内でクロック同期が行われる箇所にも基準クロック信号を入力する。
可変周波数生成部408は、PLL(Phase-Locked Loop:位相同期回路)、DDS(Direct Digital Synthesizer:デジタル直接合成発振器)、ミキサなどを有する。可変周波数生成部408は、上記の基準クロック信号に基づいて動作する。可変周波数生成部408は、RFパルスの中心周波数としてシステム制御部52から入力される設定値に一致する可変周波数のローカル信号(クロック信号)を生成する。
そのために、システム制御部52は、プレスキャンの前にRFパルスの中心周波数の初期値を可変周波数生成部408に入力する。また、システム制御部52は、プレスキャン後にはRFパルスの中心周波数の補正値を可変周波数生成部408に入力する。
可変周波数生成部408は、周波数ダウンコンバージョン部410及び周波数アップコンバージョン部402に対して、上記の可変周波数のローカル信号を入力する。
また、A/D変換器212におけるサンプリングのタイミングを決めるトリガ信号(A/D変換開始信号)が、システム制御部52から参照信号送信部318に入力される。このトリガ信号も、光信号として光通信ケーブル301経由で参照信号送信部318に入力される。
ここでのサンプリングとは、例えば、アナログ信号の強さを一定時間ごとに採取し、デジタル記録が可能な形にすることである。ここでは一例として、参照信号送信部318は、トリガ信号を参照信号に重畳することで、参照信号及びトリガ信号の双方を参照信号受信部218に無線送信する。
第4に、アンテナ206a−306a間では、コイル側無線通信装置200のデータ送信部216から制御側無線通信装置300Aのデータ受信部316に対して、デジタルのMR信号が誘導電界を介して無線送信される。
具体的には例えば、コイル素子106、A/D変換器212の数は同数であり、各A/D変換器212は各コイル素子106にそれぞれ対応する。従って、受信用に選択されたコイル(複数のコイル素子106の少なくとも1つ)で検出されたアナログのMR信号は、対応する例えば不図示のプリアンプで増幅された後、ケーブルを介して、対応するA/D変換器212に入力される。
A/D変換器212は、入力されたアナログのMR信号をデジタル信号に変換する。ここで、各A/D変換器212には、参照信号受信部218から参照信号及びトリガ信号が入力される。従って、各A/D変換器212は、トリガ信号が送信されたタイミングに同期して、参照信号(サンプリングクロック信号)に基づいてサンプリング及び量子化を開始する。受信用に選択されていないコイル素子106が存在する場合、ここでは一例として、当該非選択のコイル素子106に対応するプリアンプ107及びA/D変換器212は動作しない。
各A/D変換器212は、デジタルのMR信号をP/S変換器214に入力する。複数のコイル素子106が受信用に選択されている場合、これらコイル素子106で検出され、それぞれA/D変換されたMR信号は複数である。この場合、P/S変換器214は、これら複数のMR信号を無線送信用にパラレル信号からシリアル信号に変換し、当該シリアル信号をデータ送信部216に入力する。本実施形態の例では、MR信号の送信用のアンテナは、アンテナ206aの1つだけだからである。
但し、本実施形態はシリアル信号として無線送信する態様に限定されるものではない。例えばMR信号の送信用及び受信用のアンテナ数を増やす等により、パラレル信号のまま無線送信する構成でもよい。
データ送信部216は、入力されたシリアルのMR信号に対し、誤り訂正符号化、インタリーブ、変調、周波数変換、増幅、フィルタリングなどの処理を施すことで、(シリアル信号かつデジタル信号である)無線送信用のMR信号を生成する。アンテナ206aは、データ送信部216から入力される無線送信用のMR信号を、アンテナ306aに無線送信する。
データ受信部316は、アンテナ306aにより受信したMR信号に対して、増幅、周波数変換、復調、逆インタリーブ、誤り訂正復号等の処理を施す。これにより、データ受信部316は、受信した無線送信用のMR信号から、元のデジタルのシリアル信号を抽出し、抽出したシリアル信号を光信号に変換する。データ受信部316は、光信号としてのシリアル信号を光通信ケーブル301経由で信号合成部36に入力する(このシリアル信号には、RFコイル装置100Aで検出された各MR信号が含まれる)。
図11ではRFコイル装置100Bの構成要素を省略しているが、信号合成部36には、RFコイル装置100A側のデータ受信部316、及び、RFコイル装置100B側のデータ受信部316からそれぞれ、シリアル信号が入力される。信号合成部36は、双方のデータ受信部316から入力された2つのシリアル信号を、1つのシリアル信号に合成する。信号合成部36は、合成したシリアル信号を、電気的なデジタル信号からデジタルの光信号に変換する。信号合成部36は、光信号としてのシリアル信号を、光通信ケーブル72を介してRF受信器48の周波数ダウンコンバージョン部410に入力する。
周波数ダウンコンバージョン部410は、ここでは一例として、信号処理のためにシリアル信号を電気的な信号に変換する。周波数ダウンコンバージョン部410は、電気的なシリアル信号から、各コイル素子106のMR信号に相当する信号をそれぞれ抽出する。
周波数ダウンコンバージョン部410は、可変周波数生成部408から入力されるローカル信号を、抽出したMR信号に乗算し、さらにフィルタリングによって所望の信号帯域のみを通過させる。これにより、周波数ダウンコンバージョン部410は、MR信号を周波数変換(ダウンコンバージョン)し、周波数が低くされたMR信号を信号処理部412に入力する。
信号処理部412は、上記「周波数が低くされたMR信号」に所定の信号処理を施すことで、MR信号の生データを生成する。MR信号の生データは、光通信ケーブル74を介して光信号として画像再構成部56に入力され、画像再構成部56において、k空間データに変換されて保存される。
なお、ゲート信号については、トリガ信号と同様に参照信号に重畳してもよい。この場合、アンテナ206d、306dなどの構成を省くことで無線通信経路数を1つ減らせるので、コイル側無線通信装置200及び制御側無線通信装置300Aの構成を簡素化できる。
以上が4つの無線通信経路に関する説明である。以上の説明ではRFコイル装置100Aを例に挙げたが、電力供給や無線通信については、RFコイル装置100Bも上記同様である。
図11においてシステム制御部52は、入力装置62を介して操作者が入力した撮像条件に基づいて、パルスシーケンスにおける繰り返し時間、RFパルスの種別、RFパルスの中心周波数、及び、RFパルスの帯域幅などの撮像条件を決定する。システム制御部52は、このように決定した撮像条件をパルス波形生成部404に入力する。
パルス波形生成部404は、システム制御部52から入力される撮像条件に応じて、固定周波数生成部406から入力される基準クロック信号を用いてベースバンドのパルス波形信号を生成する。パルス波形生成部404は、ベースバンドのパルス波形信号を周波数アップコンバージョン部402に入力する。
周波数アップコンバージョン部402は、ベースバンドのパルス波形信号に対して、可変周波数生成部408から入力されるローカル信号を乗算し、さらにフィルタリングによって所望の信号帯域のみを通過させることで、周波数変換(アップコンバージョン)を実施する。周波数アップコンバージョン部402は、このようして周波数が上げられたベースバンドのパルス波形信号をRF送信器46に入力する。RF送信器46は、入力されたパルス波形信号に基づいて、RFパルスを生成する。
図12は、第1の実施形態のMRI装置20Aによる撮像動作の流れの一例を示すフローチャートである。ここでは上記RFコイル装置100A、100Bが2つのコイル側無線通信装置200に接続される例を説明するが、これは一例にすぎない。肩用などの他のRFコイル装置を用いる場合や、1つ或いは3つ以上のコイル側無線通信装置200が用いられる場合も、本実施形態と同様の処理が実行される。以下、前述した各図を適宜参照しながら、図12に示すステップ番号に従って、MRI装置20Aの動作を説明する。
[ステップS1]天板34は、図8の最上段で説明した所定位置にある。即ち、天板34の後端が天板スライド部33bの後端に合致する。例えばこの状態で、天板34に被検体Pが載せられ、被検体PにRFコイル装置100A、100Bが装着される。
ケーブル102を介してRFコイル装置100Aに接続された一のコイル側無線通信装置200は、固定機構500により、一の制御側無線通信装置300Aに対して離脱自在に近接固定される(図4〜図6参照)。同様に、ケーブル102を介してRFコイル装置100Bに接続された別のコイル側無線通信装置200は、別の制御側無線通信装置300Aに対して離脱自在に近接固定される(図4〜図6参照)。
上記近接固定により、コイル側無線通信装置200と制御側無線通信装置300Aとが互いに通信可能範囲内に入ると、両者間で上述した電力供給及び通信が開始される。
具体的には、図1の接続例の場合、一のコイル側無線通信装置200のID送信部222は、通信対象の制御側無線通信装置300AのID受信部322から無線で供給される電力に基づいて動作し、RFコイル装置100Aの識別情報をID受信部322に無線送信する(図11参照)。別のコイル側無線通信装置200のID送信部222は、通信対象の制御側無線通信装置300AのID受信部322から無線で供給される電力に基づいて動作し、RFコイル装置100Bの識別情報をID受信部322に無線送信する。
システム制御部52は、各制御側無線通信装置300AのID受信部322から2つのRFコイル装置100A、100Bの識別情報をそれぞれ取得する。これにより、システム制御部52は、RFコイル装置100A、100Bがどの制御側無線通信装置300A上のコイル側無線通信装置200に接続されているかを認識する。
識別情報の取得により、システム制御部52は、各制御側無線通信装置300Aと、それに固定された各コイル側無線通信装置200との間の通信許可を出力する。また、システム制御部52は、入力装置62を介してMRI装置20Aに対して入力された撮像条件や、使用コイルの情報(この例ではRFコイル装置100A、100Bを用いること)に基づいて、本スキャンの撮像条件の一部を設定する。
なお、各ID受信部322からのRFコイル装置100A、100Bの識別情報の無線送信は、各コイル側無線通信装置200と、各制御側無線通信装置300Aとの通信が停止するまで一定の時間間隔で継続的に実行される。これにより、システム制御部52は、各コイル側無線通信装置200と、各制御側無線通信装置300Aとの通信に問題がないことを判定する。この後、ステップS2に進む。
[ステップS2]ステップS1において、天板34は前述の所定位置にあるので、寝台側充電部550のコイルLa1と、電力転送部320aのコイルLa2とは、電磁的に結合される位置にある。従って、上記通信許可の出力後、システム制御部52は、電力転送部320a経由で、寝台側充電部550から電力受給部220に電力供給を開始させる。
これにより、図10、図11で説明したように、RFコイル装置100A、100B内の充電池BAは充電される。電力受給部220は、コイル側無線通信装置200の各部やRFコイル装置100A、100Bの各部に対して、充電池BAの蓄積電力により電力供給を開始する。
また、各制御側無線通信装置300Aの参照信号送信部318は、上記通信許可に従って、アンテナ306b−206b間の無線通信経路により、各コイル側無線通信装置200の参照信号受信部218に対して、デジタルの参照信号の入力を開始する(参照信号は継続的に無線送信される)。なお、送信される参照信号には、サンプリングのタイミングを決めるためのトリガ信号も重畳(付加)される。
なお、本スキャンの撮像条件の一部の設定は、このステップS2の充電期間中にも引き続き行われてもよい。その場合、システム制御部52は、入力装置62を介して入力された条件に基づいて、本スキャンにおける未設定の撮像条件の一部を設定する。この後、ステップS3に進む。
[ステップS3]残量判定部250は、充電池BAの充電電圧を常時検出し、充電池BAの充電電圧が充電完了時の値に達した時点で充電完了信号を出力する。充電完了信号は、例えばID送信部222に入力される。この場合、ID送信部222は、充電完了信号をID受信部322に無線送信する。ID送信部222が送信する充電完了信号は、例えばRFコイル装置100Aの識別情報の送信の時間間隔を一時的に短くする等、別の信号に変換したものでもよい。
RFコイル装置100A,100Bの双方の残量判定部250からの充電完了信号がシステム制御部52にそれぞれ入力されると、システム制御部52は、寝台側充電部550による充電を停止し、ステップS4に処理を移行させる。それまでの間、システム制御部52は、充電を継続させる。
なお、充電完了信号のシステム制御部52への入力については、他の手段でもよい。例えば、天板34内に音センサを設けると共に、充電完了時点で残量判定部250が所定の音を発信する構成でもよい。この場合、発信音を音センサが受信したタイミングで、音センサから内部配線を経由して充電完了信号をシステム制御部に入力すればよい。
また、充電池BAの充電電圧が充電完了時の値に達していなくとも、充電終了としてもよい。例えば、システム制御部52は、ステップS2までに設定された本スキャンの一部の撮像条件に基づいて、同一被検体Pのパルスシーケンスの実行する場合にRFコイル装置100A及びコイル側無線通信装置200が消費する電力を計算し、これに所定のマージンを加算した推定消費電力を計算する。システム制御部52は、推定消費電力を出力できる充電電圧を充電終了電圧として計算する。
システム制御部52は、いずれかの無線通信経路により、充電終了電圧を残量判定部250に入力する。例えば、ゲート信号送信部324からゲート信号受信部224を介して残量判定部250に充電終了電圧を入力してもよい。この場合、残量判定部250は、充電池BAの充電電圧が充電終了電圧の値に達した時点で、上記の充電完了信号を出力し、以下上記同様に動作する。
このようにして充電が終了した後、ステップS4に進む。
[ステップS4]天板駆動装置35は、システム制御部52の制御に従って、ガントリ21内に天板34を移動させる(図8参照)。この後、ステップS5に進む。
[ステップS5]システム制御部52は、MRI装置20Aの各部を制御することで、プレスキャンを実行させる。プレスキャンでは、例えば、RFパルスの中心周波数の補正値が算出され、RFコイル装置100A、100B内の各コイル素子106の感度分布マップが生成される。この後、ステップS6に進む。
[ステップS6]システム制御部52は、プレスキャンの実行結果に基づいて、本スキャンの残りの撮像条件を設定する。撮像条件には、どのコイル素子106を本スキャンにおいて受信に用いるかの情報も含まれる。
従って、システム制御部52は、本スキャンで受信に用いるコイル素子の情報を、いずれかの無線通信経路でRFコイル装置100Aの選択制御部108に入力する。受信に用いるコイル素子106の情報は、例えば、ゲート信号送信部324からゲート信号受信部224に無線送信された後、ゲート信号受信部224から選択制御部108に入力される。RFコイル装置100Bについても同様である。この後、ステップS7に進む。
[ステップS7]システム制御部52は、MRI装置20Aの各部を制御することで、本スキャンを実行させる。具体的には、静磁場電源40により励磁された静磁場磁石22によって撮像空間に静磁場が形成される。また、シムコイル電源42からシムコイル24に電流が供給されて、撮像空間に形成された静磁場が均一化される。なお、本スキャンの実行中において、アンテナ306d−206d間では、ゲート信号送信部324からゲート信号受信部224に前述のゲート信号が継続的に無線送信されている。
この後、入力装置62からシステム制御部52に撮像開始指示が入力されると、以下の<1>〜<5>の処理が順次繰り返されることで、被検体PからのMR信号が収集される。ここでは説明の簡単化のため、各RFコイル装置100A、100Bにおいて、2つずつのコイル素子106がMR信号の受信用に選択されているものとする(但し、各RFコイル装置100A、100Bにおいて1つ又は3つ以上のコイル素子106が選択されている場合も、動作は以下と同様である)。
<1>システム制御部52は、パルスシーケンスに従って傾斜磁場電源44、RF送信器46及びRF受信器48を駆動させることで、被検体Pの撮像部位が含まれる撮像領域に傾斜磁場を形成させると共に、送信用RFコイル28から被検体PにRFパルスを送信する。RFパルスが被検体Pに送信される期間のみ、ゲート信号は例えばオンレベルにされる。
即ち、一方のコイル側無線通信装置200のゲート信号受信部224からRFコイル装置100Aの選択制御部108にオンレベルのゲート信号が入力される。また、他方のコイル側無線通信装置200のゲート信号受信部224からRFコイル装置100Bにもオンレベルのゲート信号がそれぞれ入力される。これにより、RFコイル装置100A、100Bの各コイル素子106はオフ状態となり、送信用RFコイル28とのカップリングが防止される。
<2>RFパルスの送信後、各ゲート信号は例えばオフレベルに切り替えられ、RFコイル装置100A、100Bにおける受信用に選択された各コイル素子106は、被検体P内の核磁気共鳴により生じたMR信号を検出する。検出されたアナログのMR信号は、各コイル素子106から、例えばプリアンプで増幅された後、対応するA/D変換器212にそれぞれ入力される(図11参照)。
<3>受信用に選択された各コイル素子106に対応する各A/D変換器212は、トリガ信号が無線送信されたタイミングに同期して、参照信号に基づいてMR信号のサンプリング及び量子化を開始する。各A/D変換器212は、デジタルのMR信号をP/S変換器214にそれぞれ入力する。
一方のコイル側無線通信装置200のP/S変換器214は、RFコイル装置100Aの複数のA/D変換器212からそれぞれ入力された複数のMR信号をシリアル信号に変換し、これをデータ送信部216に入力する。他方のコイル側無線通信装置200のP/S変換器214は、RFコイル装置100Bの複数のA/D変換器212からそれぞれ入力された複数のMR信号をシリアル信号に変換し、これをデータ送信部216に入力する。
RFコイル装置100A側、RFコイル装置100B側の各データ送信部216は、シリアルのMR信号に所定の処理を施すことで無線送信用のMR信号をそれぞれ生成し、これらをアンテナ206aからアンテナ306aに、誘導電界を介してそれぞれ無線送信する。
<4>一方の制御側無線通信装置300Aのデータ受信部316は、受信した無線送信用のMR信号から、元のデジタルのシリアル信号を抽出して光信号に変換し、これを信号合成部36に入力する(このシリアル信号には、RFコイル装置100Aで検出された各MR信号が含まれる)。他方の制御側無線通信装置300Aのデータ受信部316は、受信した無線送信用のMR信号から、元のデジタルのシリアル信号を抽出して光信号に変換し、これを信号合成部36に入力する(このシリアル信号には、RFコイル装置100Bで検出された各MR信号が含まれる)。
信号合成部36は、双方のデータ受信部316から入力された2つの光信号としてのシリアル信号を、1つの光信号としてのシリアル信号に合成する。合成に際しては、一旦、電気的な信号に戻してから実行してもよい。このようにして、RFコイル装置100A側及びRFコイル装置100B側の2つの無線通信経路の受信でそれぞれ受信された2つのシリアル信号は、1のシリアル信号に合成される。合成により、例えば信号長が2倍になる。
合成されたシリアル信号は、RFコイル装置100Aの2つのコイル素子106、及び、RFコイル装置100Bの2つのコイル素子で受信されたMR信号を含む。信号合成部36は、合成した光信号としてのシリアル信号を、光通信ケーブル72を介してRF受信器48の周波数ダウンコンバージョン部410に入力する。
<5>周波数ダウンコンバージョン部410は、ここでは一例として、信号処理のためにシリアル信号を電気的な信号に変換する。周波数ダウンコンバージョン部410は、電気的なシリアル信号から、4つのコイル素子106のMR信号に相当する信号をそれぞれ抽出する。周波数ダウンコンバージョン部410は、4つのコイル素子106で受信された各MR信号に対して、周波数変換を施し、周波数が低くされた各MR信号を信号処理部412に入力する。
信号処理部412は、入力されたMR信号に所定の信号処理を施すことで、MR信号の生データを生成する。信号処理部412は、MR信号の生データを電気的なデジタル信号からデジタルの光信号に変換する。信号処理部412は光通信ケーブル74を介して、(例えば制御室内に配置された)画像再構成部56に光信号としてのMR信号の生データを入力する。画像再構成部56は、MR信号の生データを光信号から電気的な信号に変換し、さらにk空間データに変換し、k空間データを保存する。
以上の<1>〜<5>の処理が繰り返されることで、RFコイル装置100A、100B内の選択されたコイル素子106で検出されたMR信号の収集が終了後、ステップS8に進む。
[ステップS8]システム制御部52は、直前のステップS7で本スキャンの対象となっている被検体Pについて、未実行の本スキャンが残っているか否かを判定する。未実行の本スキャンが残っている場合、システム制御部52は、ステップS5に処理を戻し、そうではない場合、システム制御部52はステップS9に処理を移行する。
[ステップS9]天板駆動装置35は、システム制御部52の制御に従って、天板34をガントリ21から出し、寝台33上の所定位置(図8の最下段参照)に戻す。
また、画像再構成部56は、フーリエ変換等を含む画像再構成処理をk空間データに施すことで画像データを再構成する。画像再構成部56は、プレスキャンで生成された感度分布マップを用いて、再構成された画像データに輝度補正処理を施す。画像再構成部56は、輝度補正後の画像データを画像データベース58(図1参照)に保存する。
画像処理部60は、画像データベース58から画像データを取り込み、これに所定の画像処理を施すことで表示用画像データを生成し、この表示用画像データを記憶装置66に保存する。システム制御部52は、表示用画像データを表示装置64に転送し、表示用画像データが示す画像を表示装置64に表示させる。
撮像の終了後、コイル側無線通信装置200が制御側無線通信装置300Aから離脱され、両者が通信可能範囲外となると、両者間の通信及び電力供給は終了する。
なお、図12では一例として、ステップS1において参照信号の入力が開始されるが、これは一例にすぎない。例えば、ステップS5のプレスキャンの直前に、参照信号の入力が開始されてもよい。
以上が第1の実施形態のMRI装置20Aの動作説明である。
このように第1の実施形態では、天板34がガントリ21から最も離れた所定位置、即ち、寝台33の昇降が可能な位置にある場合に、誘導磁界を介して、RFコイル装置100A、100B内の充電池BAの充電を自動的に開始する(ステップS2、図10、図11参照)。従って、RFコイル装置100A、100B側からMRI装置20Aの制御側(RF受信器48側)に、デジタル化されたMR信号を無線送信する構成において、ユーザに操作負担を負わせることなく、RFコイル装置100A、100Bの電力を確保できる。
また、誘導磁界を介して、寝台側充電部550から電力転送部320aに電力が無線転送され、さらに誘導磁界を介して、電力転送部320aから電力受給部220に電力が無線送信され、電力受給部220内で充電池BAが充電される。上記のように充電する構成では、天板34内に電源線は配置されない。
即ち、デジタル化されたMR信号を無線送信する構成において、天板34内に電源線を含めずにRFコイル装置100A、100Bの電力を確保できる。従って、天板と寝台との間を繋ぐ電源線の状態(伸ばされ具合)が天板位置によって変動し、天板位置によって励起用RFパルスのパワーが変動するといったおそれはない。
また、電源線と、受信用のコイル素子106との間のカップリングの度合いが天板位置によって変動することもない。さらに、天板34内の各制御側無線通信装置300Aへのゲート信号への入力や、各制御側無線通信装置300AからのMR信号の送信等は、光通信ケーブル301を介して行われるので、天板34内には電気的な信号線がない。以上の結果、SARを正確に計算できる。
また、上記のように充電する構成では、天板34内に電源線が配置されないので、MR信号の信号線と、電源線とが分離される。このため、RFコイル装置100A、100B側から無線で受信したデジタルのMR信号を、撮像室の信号合成部36、RF受信器48からガントリ21外の画像再構成部56に光信号として送信できる。従って、送信時の外部ノイズの影響を軽減できる。
また、MR信号の送信側のコイル側無線通信装置200及び受信側の制御側無線通信装置300Aが互いに近接固定され、誘導電界を介した近接無線通信が行われる。このため、従来のデジタル無線通信よりも無線出力を低くできるから、種々の国の法規制に対応し易い。送信側と受信側とが近接している点に加えて無線出力を低くできるため、送信電波が周りで反射して自身の送信データが劣化する問題が生じない。従って、RFコイル装置100A、100B側からMRI装置20Aの制御側にデジタルのMR信号を良好に無線送信できる。
また、複数のコイル素子106でそれぞれ検出された複数のMR信号は、シリアル信号に変換されて、無線送信される。従って、各コイル側無線通信装置200、制御側無線通信装置300Aにおいて、MR信号の送信用のアンテナ(無線通信経路)を1組で済ませることができる上、MR信号同士の間では、干渉を防止するための周波数分離を行う必要はない。
なお、従来技術によるデジタル化されたMR信号の遠隔無線通信では、送信側の遠方界に受信側が存在するので、MR信号の受信用の複数のコイル素子が同時に接続された場合にはクロストークなどの干渉が生じる。このため、周波数分離や時分割の通信が行われる。これに対し、第1の実施形態の近接無線通信では、時分割にする必要はない。
また、制御側無線通信装置300Aを複数箇所に設け、いずれか1つの制御側無線通信装置300Aに対してコイル側無線通信装置200を固定すればよい構成である。従って、被検体のどの位置に装着されるRFコイル装置であっても、即ち、天板34上のどの位置にRFコイル装置(100A、100B)が存在しても、コイル側無線通信装置200と制御側無線通信装置300Aとを近接固定し、MR信号を良好に無線送信できる。
また、RFコイル装置100A、100Bへの電力供給やゲート信号の送信、トリガ信号の送信についても無線で行うので、MRI装置20Aの構成を簡単化できる。この結果、MRI装置20Aの製造コストを低減しうる。
また、各RFコイル装置100A、100Bの各コイル素子106で検出された複数のMR信号は、信号合成部36によって一のシリアル信号に合成されてから、寝台ユニット32外のRF受信器48に入力される。このため、RF受信器48に対するケーブル本数が少なくなり、点検、メンテナンスや修理(部品交換)が容易になる。以下、その理由について説明する。
MRI装置は通常、ユニット毎に分解された状態で出荷され、設置場所において組み立てや据付調整などの作業が行われる。そして、寝台33及び天板34が一体化された状態で寝台ユニット32として出荷されることが多い。被検体Pに装着されるRFコイル装置と、MRI装置の制御側(RF受信器側)との間の接続ケーブルの本数は、多チャンネル化により多くなっている。
例えば、誘導電界を介したMR信号の無線送信が行われない従来のMRI装置において、RFコイル装置を接続するための接続ポートが天板に8つ設けられており、各接続ポートには16チャンネルの信号線を接続可能な場合を考える。この場合、組み立て時には、例えば16×8=128本の信号線が、寝台側とRF受信器側との間でケーブル接続される。
しかし、本実施形態では、寝台33側の信号線の数は、信号合成部36により、最小の場合として1本に減らせる。このため、寝台ユニット32側と、ガントリ21内のRF受信器48との間の信号線の接続作業が容易になる。従って、点検、メンテナンスや修理(部品交換)が容易になる。
さらに、近時の寝台ユニットは、キャスターが付いており、撮像室でガントリ21にドッキング可能に構成されたものもある。これは、別の部屋で患者を天板上に乗せて撮像室まで運ぶ目的で用いられる。このようなドッキング可能な寝台ユニットに本実施形態を適用すれば、寝台ユニット32側から出ている信号線の数が少ないので、撮像直前のドッキング作業も容易になる。この結果、MRI検査直前の作業時間を短縮できるので、迅速な検査が可能となる。
以上説明した実施形態によれば、RFコイル装置側からMRI装置の制御側にMR信号を無線送信する構成において、ユーザに操作負担を負わせることなく、RFコイル装置の電力を確保できる。
以下、第1の実施形態について、以下の6点を補足する。
第1に、第1の実施形態では、デジタル化された合計4つのMR信号が1つのシリアル信号に合成される例を述べた。本発明の実施形態は、かかる態様に限定されるものではない。信号線の数を大幅に軽減できれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。例えば3つ以上のRFコイル装置が被検体Pに装着され、相当数のコイル素子でそれぞれ検出された多数のMR信号が存在する場合、これら全てのMR信号を1のシリアル信号に信号合成部36で合成してRF受信器48に入力すると、信号長の長さの分だけ、通信時間も要する。
従って、許容される通信時間内でRF受信器48へのMR信号の送信が完了する程度に、信号線の数を減らすことが望ましい。例えば、デジタルの複数のMR信号を1のシリアル信号に合成する信号合成部36を、RF受信器48に接続されるMR信号の信号線の数だけ設ければよい。そして、これら信号合成部36からの各信号線をRF受信器48に接続すればよい。この点は、第2及び第3の実施形態についても同様である。
第2に、受信に用いるコイル素子106の情報を、本スキャン前にゲート信号送信部324からRFコイル装置100A、100B側に無線送信し、選択されたコイル素子106で検出されたMR信号のみを無線送信する例を述べた。本発明の実施形態は、かかる態様に限定されるものではない。
受信に用いるコイル素子106の情報は、RFコイル装置100A、100Bに入力されないでもよい。その場合、全コイル素子106でそれぞれ検出されたMR信号がデジタルのシリアル信号に変換されて、前述のように無線送信される。そして、アンテナ206a、306aで受信したMR信号から、受信用に選択されたコイル素子106のMR信号のみが抽出され、画像再構成に用いられる。この点は、第2及び第3の実施形態についても同様である。
第3に、天板34の側面(図4)を介して、寝台側充電部550から制御側無線通信装置300Aに電力が無線送信される例を述べた。本発明の実施形態は、かかる態様に限定されるものではない。例えば底面などの天板34の表面の他の部分を介して、寝台側充電部550から制御側無線通信装置300Aに無線で電力が供給されるように、両者を配置してもよい。この点は、第2及び第3の実施形態についても同様である。
第4に、電力転送部320aが制御側無線通信装置300A内に配置される例を述べた。本発明の実施形態は、かかる態様に限定されるものではない。例えば天板34内において、制御側無線通信装置300Aから独立した構成として電力転送部320aを配置してもよい。この点は、次の第2の実施形態についても同様である。
第5に、RFコイル装置100A、100B内に充電池BA及び残量判定部250が配置される例を述べた。本発明の実施形態は、かかる態様に限定されるものではない。充電池BA及び残量判定部250は、コイル側無線通信装置200内に配置されてもよい。同様に、A/D変換器212やP/S変喚器214も、RFコイル装置100A、100B内ではなく、コイル側無線通信装置200内に配置されてもよい。この点は、第2及び第3の実施形態についても同様である。
第6に、充電池BAは、例えばリチウムイオン電池やニッケル水素充電池等の2次電池であるが、電気二重層コンデンサなどの他の充放電素子を代わりに用いてもよい。ここでの充放電素子とは、コンデンサや2次電池などのように、充電及び放電の繰り返しが可能な回路素子の意味である。この点は、第2及び第3の実施形態についても同様である。
(第2の実施形態)
第2の実施形態のMRI装置20Bは、天板34がガントリ21内にある場合にもRFコイル装置100A、100Bに電力を無線送信することができる。その他の機能については、第1の実施形態とほぼ同様であるので、第1の実施形態との違いに焦点をおいて説明する。
MRI装置20B全体のブロック図は、第1の実施形態の図1で示した構成と同様であるので、説明を省略する。また、ガントリ21及び寝台ユニット32の概観的構造や、RFコイル装置100A、100Bの構成、固定機構500の配置や構成も、図2〜図6で説明したものと同様である。
図13は、第2の実施形態のMRI装置20Bのガントリ側充電部572及び寝台側充電部574の配置例を示す装置座標系X−Z平面の平面模式図である。
図14は、図13の状態から、装置座標系Z軸方向に天板34を移動させた状態を示す平面模式図である。
図15は、天板34全体がガントリ21に収まるように、図14の状態からさらに天板34を奥に移動させた状態を示す平面模式図である。
図13に示すように、天板34内における10個の制御側無線通信装置300Bの配置は、第1の実施形態の制御側無線通信装置300A(図7参照)とほぼ同様である。各制御側無線通信装置300Bは、第1の実施形態と同様に天板34内で光通信ケーブル301に個別に接続されている。
ここで、天板34は、ガントリ21のレール80b及び寝台33の天板スライド部33bの突出部84(図3、図9参照)に沿って、天板スライド部33b上から、ガントリ21内に亘って移動する。第2の実施形態では、天板34の位置に拘らず、ガントリ21内の充電機構又は寝台33内の充電機構により、RFコイル装置100A、100B内の充電池BAを充電可能である。
より詳細には、図13に示すように、寝台33の天板スライド部33bの両側の突出部84内にそれぞれ、寝台側充電部574が10個ずつ配置される。ここでは一例として、寝台側充電部574は、突出部84bの側面(天板34の側面に対向する面)側において、当該側面に沿って(装置座標系Z軸方向に沿って)等間隔で配置される。寝台側充電部574は、図13における20個の斜線の長方形領域である。即ち、寝台側充電部574は、各突出部84bの一端側から他端側まで等間隔で10個ずつ配置される。各寝台側充電部574には、突出部84内の個別の配線(図示せず)により、別々に充電用の電流が供給される。
また、図13に示すように、ガントリ21の両側のレール80b内にそれぞれ、ガントリ側充電部572が5個ずつ配置される。なお、レール80bの立体的形状は第1の実施形態のレール80aと同様である(図2参照)。ここでは一例として、ガントリ側充電部572は、レール80bの側面(天板34の側面に対向する面)側において、当該側面に沿って(前記Z軸方向に沿って)等間隔で配置される。各ガントリ側充電部572に対しては、後述のコネクタ580、582(図18参照)経由で寝台33の突出部84から個別に電源線が配線される。
ここで、受信コイルとの間のカップリングの度合いを小さくするためには、ガントリ21内の電源線の数及び長さを減らす方が望ましい。第2の実施形態では一例として、十分な充電機能を確保しつつ、上記カップリングをできる限り避けるため、ガントリ側充電部572は、レール80b内の半分の領域のみに配置される。具体的には、ガントリ側充電部572は、ガントリ21の入口側(寝台33側)からガントリ21の中央まで、等間隔で配置される。このような部分的な配置でも十分な充電機能を確保できる理由について、以下に説明する。
まず、以下の説明では、「幅」及び「間隔」は、天板34の移動方向(前記Z軸方向)での幅及び間隔とする。第2の実施形態では、ガントリ側充電部572の幅と、ガントリ側充電部572同士の間隔との和よりも、制御側無線通信装置300Bの幅は大きい。
また、寝台側充電部574の幅、及び、寝台側充電部574同士の間隔は、ガントリ側充電部572の幅、及び、ガントリ側充電部572同士の間隔にそれぞれ等しい。
従って、寝台側充電部574の幅と、寝台側充電部574同士の間隔との和よりも、制御側無線通信装置300Bの幅は大きい。
仮に、レール80b内の半分のみならず、レール80b内全域に等間隔でガントリ側充電部572が配置されている場合を考える。その場合、天板34のZ軸方向の位置に拘らず、RFコイル装置(100A、100B)との通信対象の制御側無線通信装置300Bは、ガントリ側充電部572、寝台側充電部574の内の少なくとも1つに対向するので、充電可能な位置となる。
ガントリ側充電部572、寝台側充電部574の幅及び間隔は、制御側無線通信装置300Bの幅と対比して、上記のように設定されているからである。なお、上記の「対向する」とは、ガントリ側充電部572又は寝台側充電部574内のコイルと、制御側無線通信装置300Bのコイルとが電磁的に結合される近さになる、という意味である。以下の説明でも、「対向する」は、「双方が電磁的に結合される近さになる」の意味で用いる。
しかし、第2の実施形態は、ガントリ側充電部572は、レール80b内の半分の領域だけに配置される。従って、天板34全体がガントリ21内にある場合(図15参照)、ガントリ21の奥側の制御側無線通信装置300BがRFコイル装置(100A、100B)との通信対象であれば、当該制御側無線通信装置300Bを充電できない。しかし、実際の撮像では、かかる状況が生じにくい理由について、以下に説明する。
第1に、撮像領域が磁場中心に近いほど、理想的な線形に近い傾斜磁場の下でMR信号が収集されるので、画質の点から好ましい。このため、実際の撮像では、ガントリ21内のほぼ中心である磁場中心と、撮像領域とがほぼ合致するように、システム制御部52及び天板駆動装置35は、天板34を適宜移動する。
第2に、RFコイル装置100A、100Bに接続されるコイル側無線通信装置200は、天板34上で最も近い位置の制御側無線通信装置300Bに対して近接固定するのが最も使いやすく、一般的と考えられる。
以上の2点を考慮すれば、ガントリ21の中央までガントリ側充電部572を配置すれば、通信対象の制御側無線通信装置300Bは、天板34のZ軸方向の位置に拘らず、複数のガントリ側充電部572及び寝台側充電部574の少なくとも1つに対向する。即ち、ガントリ21の中央までガントリ側充電部572を配置すれば、制御側無線通信装置300Bを充電可能である。以下、この論理を図14、図15の2例で説明する。
例えば、頭部が撮像される場合を考える。この場合、図14に示すように、被検体Pは、例えば頭部をガントリ21の奥側にして、体軸方向を天板34のスライド方向に合わせて載置される。そして、頭部専用のRFコイル装置100Cが装着され、頭部が磁場中心に位置するように天板34の位置が制御される。この場合、RFコイル装置100Cに接続されるコイル側無線通信装置200(図示せず)は、例えばRFコイル装置100Cの装着位置に最も近い制御側無線通信装置300B、即ち、図14において斜線で示す制御側無線通信装置300Bに接続される。
図14の配置の場合、斜線で示す制御側無線通信装置300Bは、最もガントリ21の中央側にあるガントリ側充電部572に対向し、位置的には、このガントリ側充電部572と電磁的に結合される。従って、図14の配置の場合、斜線で示す制御側無線通信装置300Bは、当該ガントリ側充電部572から撮像中に電力を受給できる。
別の例として、骨盤部が撮像される場合を考える。この場合、図15に示すように、被検体Pは、例えば頭部をガントリ21の奥側にして、体軸方向を天板34のスライド移動方向に合わせて載置される。そして、骨盤部専用のRFコイル装置100Bが装着され、骨盤部が磁場中心に位置するように天板34の位置が制御される。この場合、RFコイル装置100Bに接続されるコイル側無線通信装置200は、例えばRFコイル装置100Bの装着位置に最も近い制御側無線通信装置300B、即ち、図15において斜線で示す制御側無線通信装置300Bに接続される。
図15の配置の場合も、斜線で示す制御側無線通信装置300Bは、最もガントリ21の中央側にあるガントリ側充電部572と電磁的に結合される位置になり、撮像中に電力を受給できる。
以上の説明から分かるように、通信対象の制御側無線通信装置300Bを、複数の寝台側充電部574及びガントリ側充電部572の内の少なくとも1つに対向させるためには、レール80b内全体に亘ってガントリ側充電部572を配置する必要はない。第2の実施形態のように、レール80b内においてガントリ21の中央までガントリ側充電部572を配置すれば、実用上は十分な充電機能を確保できると考えられる。
なお、図13〜図15の例では両側のレール80b内に5個ずつガントリ側充電部572が配置されるが、これは一例にすぎない。配置数は例えば6個でもよいし、2個〜4個でもよい。
図16は、各ガントリ側充電部572内の電力送信用のコイルLs1、各寝台側充電部574内の電力送信用のコイルLs1、及び、各制御側無線通信装置300B内の電力受信用のコイルLs2のコイル長及び間隔を示す装置座標系X−Z平面の平面模式図である。なお、煩雑となるので、制御側無線通信装置300Bに対する光通信ケーブル301や、各ガントリ側充電部572及び各寝台側充電部574内に対する個別の電源線は、図16では省略している。
図16に示すように、各ガントリ側充電部572はコイルLs1を有し、各制御側無線通信装置300BはコイルLs2を有し、各寝台側充電部574はコイルLs1を有する。ここでは、コイルの長さ方向を、コイルの外径及び内径に平行な断面の法線方向とする。また、コイルLs1同士、コイルLs2同士の各間隔の方向も、コイルの長さ方向と同じとする。コイルLs1、Ls2は、その長さ方向が装置座標系のZ軸方向(レール80bの延在方向、即ち、天板34のスライド移動方向)に合致するように配置される。
コイルLs1のコイル長をW1とし、コイルLs2のコイル長をW2とする。また、各ガントリ側充電部572同士の間隔と、各寝台側充電部574同士の間隔は等しく、両者は等間隔で配置されるので、各コイルLs1同士の間隔は、全てSP1となる。
また、天板34内に埋設される各制御側無線通信装置300Bは、第1の実施形態と同様に、天板34の側面側において側面に沿って等間隔で配置される(図4参照)。即ち、制御側無線通信装置300B内において、コイルLs2、Lb1、電池部304を含む電力転送部320b(後述の図21参照)も、コイルLs2自体も、天板34の側面側において、側面に沿って等間隔で配置される。このため、各コイルLs2同士の間隔は、全てSP2となる。
ここでは一例として、間隔SP1、間隔SP2、コイル長W1は互いに等しく、コイル長W2はコイル長W1の3倍である。このようにコイル長W1、W2、間隔SP1、SP2を設定すると、各制御側無線通信装置300B内のコイルLs2は、ガントリ21内の中央までは、ガントリ側充電部572、寝台側充電部574の少なくとも1つのコイルLs1全体に対向する。
上記配置では、1つのコイルLs2は、天板34の位置によっては、図16に示すように、2つのコイルLs1全体に対向する。第2の実施形態では一例として、通信対象の制御側無線通信装置300B内のコイルLs2が2つのコイルLs1全体に対向する場合、対向する2つのコイルLs1の一方のみに励磁電流が供給される。これは、2つのコイルLs1に励磁電流を流すと、双方のコイルLs1を流れる励磁電流の位相や周波数によっては、互いに打ち消しあって、コイルLs2に十分な誘導電流が生じないからである。
但し、1つのコイルLs2に対する電力送信として、当該コイルLs2に対向する一のコイルLs1のみに励磁電流を供給する制御は、制御を簡単化するための一例にすぎない。励磁電流の位相や周波数等を適正に設定し、2つのコイルLs1に励磁電流を流すことで一のコイルLs2に誘導電流を生じさせてもよい。
図17は、図16の状態から、天板34をガントリ21の奥側に少し移動させた状態を示す平面模式図である。図17の状態では、図の左側の2つのコイルLs2は、ガントリ側充電部572の1つのコイルLs1全体に対向する。
また、図17の状態では、図において符号に下線を引いた4つのコイルLs2は、ガントリ側充電部572の1つのコイルLs1全体に対向すると共に、別のガントリ側充電部572の1つのコイルLs1に部分的に対向する。
また、図17の状態では、図の右側の4つのコイルLs2は、寝台側充電部574の1つのコイルLs1全体に対向すると共に、別の寝台側充電部574の1つのコイルLs1に部分的に対向する。
第2の実施形態では一例として、通信対象の制御側無線通信装置300B内のコイルLs2に部分的に対向するコイルLs1は、電力送信に用いられない。通信対象の制御側無線通信装置300B内のコイルLs2に全体的に対向するコイルLs1に励磁電流が供給される。コイルLs2に部分的に対向するコイルLs1に励磁電流を流すよりも、コイルLs2に全体的に対向するコイルLs1に励磁電流を流す方が、コイルLs2内により大きな誘導磁界が生じ、より大きな誘導電流が発生するからである。
ここで、コイルLs2のコイル長W2は、装置座標系Z軸方向の天板34の位置が少しずつずれても、少なくとも1つのコイルLs1に部分的又は全体に対向することが望ましい。これを実現する「条件A」として、電力受信側であるコイルLs2のコイル長W2は、電力送信側であるコイルLs1のコイル長W1と、コイルLs1同士の間隔SP1の和以上であることが望ましい。
より好ましくは、コイルLs2のコイル長W2は、天板34の位置が少しずつずれても、少なくとも1つのコイルLs1全体に対向するとよい。その場合、全体的に対向する1つのコイルLs1に励磁電流を供給することで、コイルLs2に効率的に誘導電流を発生させることができるからである。即ち、電力を効率的に無線送信できる。
これを実現する「条件B」として、コイルLs2のコイル長W2は、例えば図16のように、コイルLs1のコイル長W1の2倍と、コイルLs1同士の間隔SP1との和以上であることが望ましい。但し、コイル長W1、W2、間隔SP1、SP2については、図16の態様に限定されるものではなく、例えば上記「条件A」を満たす範囲で任意に変更可能である。
図18は、装置座標系のY−Z平面における、第2の実施形態のMRI装置20Bのガントリ21及び寝台ユニット32の断面模式図である。図18の上段は、昇降部33aにより寝台33の高さが下げられた状態を示し、図18の下段は、天板スライド部33bの突出部84(図3参照)の高さがレール80bの高さに合致するように、昇降部33aにより寝台33の高さが上げられた状態を示す。即ち、図18の下段は、天板スライド部33b側からガントリ21内に天板34をスライド移動可能な状態である。
第2の実施形態では、レール80bにおける天板スライド部33b側の先端と、天板スライド部33bの突出部84におけるレール80b側の先端に、コネクタ580、582がそれぞれ設けられる。
図18の下段のように、ガントリ21内に天板34をスライド移動できるように寝台33の高さを上げた状態では、レール80b側のコネクタ580と、天板スライド部33b側の突出部84のコネクタ582とが互いに接続される。コネクタ580、582の接続により、天板スライド部33bの突出部84、及び、昇降部33a内の不図示の配線を介して、各ガントリ側充電部572は、個別に電源線に接続される(図13参照)。
図19は、装置座標系のX−Y平面における、第2の実施形態のMRI装置20Bのガントリ21の断面模式図である。図19は、ガントリ21内に天板34が挿入された状態の断面である。
図20は、図19の点線の枠部分を拡大し、コイル側無線通信装置200、制御側無線通信装置300B、及び、ガントリ側充電部572の構成の一例を示す断面模式図である。図19及び図20では、RFコイル装置100A又は100Bに接続された一のコイル側無線通信装置200が、固定機構500により一の制御側無線通信装置300Bに対して近接固定された状態を示す。
以下、図19及び図20を参照しながら、天板34がガントリ21内にある場合の電力の無線送信について説明する。制御側無線通信装置300Bは、第1の実施形態の制御側無線通信装置300AのコイルLa2の代わりに、コイルLs2が前述の条件を満たすように設けられる点を除き、制御側無線通信装置300Aと同様の構成である。
コイルLs2が、レール80b内のいずれか1つのガントリ側充電部572のコイルLs1全体と対向している場合を考える。即ち、図20に示すように、コイルLs1、Ls2が電磁的に結合されている場合を考える。
この場合、システム制御部52は、昇降部33a、突出部84、コネクタ580、582内の不図示の電源線、及び、レール80b内の電源線を介して、コイルLs2に対向するコイルLs1に励磁電流が供給されるように、MRI装置20Bの各部を制御する。これにより、天板34の側面及びレール80bの側面を貫通する誘導磁界が生じ、コイルLs2には誘導電流が流れる。
コイルLs2に流れる誘導電流の一部は、ここでは一例として、電池部304内で直流電流に変換されて、電池部304内の不図示の充電池を充電する。この充電池の蓄積電力により、制御側無線通信装置300Bは動作する。
一方、コイルLs2の誘導電流の残りは、コイル側無線通信装置200のコイルLb2に対する励磁電流として、コイルLb1に流れる。
コイルLb1に流れる電流により、天板34の上面を貫通する誘導磁界が生じ、コイル側無線通信装置200のコイルLb2には誘導電流が流れる。コイル側無線通信装置200は、コイルLb2に流れる誘導電流により、RFコイル装置(100A又は100B)内の充電池BAを充電する。
なお、天板34が天板スライド部33b上にある場合、寝台側充電部574のコイルLs1から、RFコイル装置100A、100Bの充電池BAへの電力送信も上記同様である。即ち、制御側無線通信装置300BのコイルLs2、Lb1、コイル側無線通信装置200のコイルLb2を経由して、誘導磁界を介して電力が無線送信される。この場合の断面図は、第1の実施形態の図10において、コイルLa1をコイルLs1に置換すると共にコイルLa2をコイルLs2に置換したものと等価であるため、省略する。
図21は、天板34がガントリ21内にある場合のRFコイル装置100Aまでの電力供給系統、及び、RFコイル装置100Aで検出されたMR信号の送信系統を図11と同様に示すブロック図である。図21において、制御側無線通信装置300Bの電力転送部320bは、前述のようにコイルLa2の代わりにコイルLs2が設けられる点を除き、第1の実施形態の電力転送部320aと同様である。
また、天板34がガントリ21内にある場合のレール80bからの電力送信を示すため、図11の寝台側充電部550の代わりに、図21ではガントリ側充電部572が記載されている。そして、図20で説明したように、ガントリ側充電部572から電力転送部320b経由で、RFコイル装置100Aの充電池BAに対して、充電池用の電力が無線送信される。
また、ゲート信号、RFコイル装置100Aの識別情報、参照信号、MR信号の送信の動作については、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。図21ではRFコイル装置100Aのカバー部材104a側との通信、電力送信について示すが、RFコイル装置100Bの場合も同様である。
また、天板34が寝台33の天板スライド部33b上にある場合の充電池BAまでの電力供給系統は、第1の実施形態の図11において、コイルLa1をコイルLs1に置換すると共にコイルLa2をコイルLs2に置換したものと等価であるため、省略する。
図22は、第2の実施形態のMRI装置20Bによる撮像動作の流れの一例を示すフローチャートである。ここでは上記RFコイル装置100A、100Bが2つのコイル側無線通信装置200に接続される例を説明するが、他のRFコイル装置が用いられる場合や、1つ或いは3つ以上のコイル側無線通信装置200が用いられる場合も、動作は同様である。以下、前述した各図を適宜参照しながら、図22に示すステップ番号に従って、MRI装置20Bの動作を説明する。
[ステップS21]第1の実施形態の図12のステップS1と同様である。要点のみ説明すれば、RFコイル装置100A又は100Bに接続されたコイル側無線通信装置200と、制御側無線通信装置300とが互いに通信可能範囲内に入り、RFコイル装置100A、100Bの識別情報がシステム制御部52に入力される。
システム制御部52は、識別情報がどの制御側無線通信装置300B経由で入力されるかに基づいて、RFコイル装置100A、100Bと通信対象となっている各制御側無線通信装置300Bがどれかを判定し、通信許可を出力する。識別情報の無線送信は、一定の時間間隔で継続される。システム制御部52は、本スキャンの撮像条件の一部を設定する。この後、ステップS22に進む。
[ステップS22]ステップS21において、天板34はガントリ21から最も離れた所定位置にある。システム制御部52は、天板34の現在位置に基づいて、RFコイル装置100A、100Bと通信対象となっている各制御側無線通信装置300B内のコイルLs2の装置座標系での座標位置を算出する。システム制御部52は、各コイルLs2の座標位置に基づいて、これらコイルLs2に全体的に対向する寝台側充電部574のコイルLs1がそれぞれどれかを計算する。
コイルLs2に全体的に対向するコイルLs1が2つ存在する場合、システム制御部52は、それらの一方を励磁電流の供給用に選択する。そして、システム制御部52の制御の下、RFコイル装置100Aとの通信対象の制御側無線通信装置300B内のコイルLs2に対向する1つのコイルLs1に対して、励磁電流が供給される。同様に、RFコイル装置100Bとの通信対象の制御側無線通信装置300B内のコイルLs2に対向する1つのコイルLs1に、励磁電流が供給される。
このため、図20で説明した動作により、RFコイル装置100A、100Bの各充電池BAは充電される。RFコイル装置100A側及びRFコイル装置100B側の各電力受給部220は、コイル側無線通信装置200の各部やRFコイル装置100A、100Bの各部に対して、充電池BAの蓄積電力により電力供給を開始する。
また、レール80bの高さと、天板スライド部33bの突出部84の高さとが合致するように、昇降部33aは寝台33の高さを上げる。これにより、レール80b側のコネクタ580と、突出部84側のコネクタ582とが互いに接続され(図18参照)、ガントリ側充電部572に充電電流を供給可能となる。なお、このような寝台33の高さの調整は、ステップS21で行われてもよいし、次のステップS23の始めに行われてもよい。
また、各制御側無線通信装置300Bの参照信号送信部318は、上記通信許可に従って、第1の実施形態のステップS2と同様に、参照信号の入力を開始する(参照信号は継続的に無線送信される)。送信される参照信号には、トリガ信号も重畳される。
なお、本スキャンの撮像条件の一部の設定は、このステップS22の充電期間中にも引き続き行われてもよい。その場合、システム制御部52は、入力装置62を介して入力された条件に基づいて、本スキャンにおける未設定の撮像条件の一部を設定する。
この後、RFコイル装置100A、100Bの各充電池BAの充電が完了したかを判定せずに、ステップS23に進む。第2の実施形態では、天板34がガントリ21内にある場合にも充電可能な構成であるため、必ずしもプレスキャン前に充電を完了させる必要はないからである。
[ステップS23]天板駆動装置35は、システム制御部52の制御に従って、ガントリ21内に天板34を移動させる。
なお、ステップS23において、ガントリ21の入口に設置される投光器から被検体の撮像部位に光が照射され、天板34上での被検体Pの位置合わせが行われてもよい。その場合、天板駆動装置35は、被検体Pの撮像部位が投光器の直下となるように、システム制御部52の制御に従って天板34を移動させ、位置合わせの間、天板34の位置は固定される。このように、天板34の位置が固定されている間、システム制御部52は、前述同様に、寝台側充電部574に充電池BAを充電させる。
具体的には、システム制御部52は、天板34の現在位置を更新し、通信対象の制御側無線通信装置300BのコイルLs2の座標位置も更新する。ここでの更新は、天板34の移動量だけ、Z軸座標位置を変更するものである。システム制御部52は、通信対象の制御側無線通信装置300BのコイルLs2の座標位置に基づいて、これに全体的に対向する寝台側充電部574のコイルLs1がどれかを計算する。
以下、前述同様に、RFコイル装置100Aとの通信対象の制御側無線通信装置300B内のコイルLs2に対向する1つのコイルLs1に、励磁電流が供給される。同様に、RFコイル装置100Bとの通信対象の制御側無線通信装置300B内のコイルLs2に対向する1つのコイルLs1に、励磁電流が供給される。
上記位置合わせが実行された場合にはその後に、天板34の最終的な位置が制御される。ここでは一例として、後述のステップS27の第1の本スキャンは、腎臓検査であるため、骨盤部用のRFコイル装置100B内のコイル素子106の方が、RFコイル装置100Aのコイル素子106よりも多く使用される。従って、第1の本スキャンの前のステップS23では、撮像部位の骨盤部が磁場中心近辺に位置するように、天板34の最終的な位置が制御される。この後、ステップS24に進む。
[ステップS24]システム制御部52は、MRI装置20Bの各部を制御することで、第1の本スキャン用のプレスキャンを実行させる。プレスキャンでは、例えば、RFパルスの中心周波数の補正値が算出され、RFコイル装置100A、100B内の各コイル素子106の感度分布マップが生成される。
なお、ステップS24では、天板34の少なくとも一部はガントリ21内にあり、通信対象の制御側無線通信装置300BのコイルLs2は、少なくとも1つのガントリ側充電部572のコイルLs1全体に対向する。即ち、ステップS24では、図20及び図21で説明したように、ガントリ内充電部572から電力転送部320b経由で、RFコイル装置100A、100B内の各充電池BAを充電できる状態である。
ここで、充電期間の第1条件として、送信用RFコイル28からRFパルスが送信されている期間には、充電しないことが望ましい。RFパルスのパワーが変動するおそれがあるからである。
また、充電期間の第2条件として、傾斜磁場が印加されている期間には、充電しないことが望ましい。レール80b内の電源線を励磁電流が流れることで、その周囲に磁場が生じ、傾斜磁場の線形性が乱れるおそれがあるからである。
また、充電期間の第3条件として、受信用RFコイル29やコイル素子106等によるMR信号の検出期間は、充電しないことが望ましい。MR信号は微弱であるため、レール80b内を流れる電流が受信感度に影響するおそれがあるからである。
後述の本スキャンの実行期間中において、上記第1〜第3条件を満たす期間、即ち、「充電しても問題のない期間」は、例えばシーケンス間や、シーケンス内のインターバル間である。
第2の実施形態では一例として、天板34がガントリ21内に挿入された後では、第1条件〜第3条件の全てを満たす期間において、ガントリ内充電部572により充電池BAは充電される。但し、第1〜第3条件を満たす期間のみの充電では、RFコイル装置100A又は100Bが電力不足となる場合、第1条件及び第2条件を満たすように充電し、MR信号の受信中に充電してもよい。
従って、このステップS24のプレスキャンの実行中において、上記第1〜第3条件を満たす期間があれば、ガントリ内充電部572により各充電池BAが充電される。
具体的には、システム制御部52は、天板34の現在位置に基づいて、RFコイル装置100A、100Bと通信対象となっている各制御側無線通信装置300B内のコイルLs2の座標位置を更新する。システム制御部52は、各コイルLs2の更新された座標位置に基づいて、これらコイルLs2に全体的に対向するガントリ内充電部572のコイルLs1はそれぞれどれであるかを計算する。
そして、RFコイル装置100Aとの通信対象の制御側無線通信装置300BのコイルLs2に対向するガントリ内充電部572の1つのコイルLs1に、励磁電流が供給される。同様に、RFコイル装置100Bとの通信対象の制御側無線通信装置300B内のコイルLs2に対向するガントリ内充電部572の1つのコイルLs1に、励磁電流が供給される。
なお、RFパルスの送信期間、傾斜磁場の印加期間、MR信号の検出期間は、MRI装置20B全体を制御するシステム制御部52により判定される。即ち、上記第1〜第3条件を満たす期間であるか否かは、システム制御部52により判定され、システム制御部52がMRI装置20Bの各部を制御することで、ガントリ内充電部572のコイルLs1に電流を供給させる。この後、ステップS25に進む。
[ステップS25]システム制御部52は、プレスキャンの実行結果に基づいて、第1の本スキャンの残りの撮像条件を第1の実施形態のステップS6と同様に設定する。このステップS25の期間では、スキャンが実行されないので上記第1〜第3条件を満たすため、上記同様にガントリ内充電部572により各充電池BAが充電される。この後、ステップS26に進む。
[ステップS26]システム制御部52は、第1の本スキャンの撮像条件に基づいて、第1の実施形態のステップS3と同様に、第1の本スキャンを実行する場合にRFコイル装置100A及びコイル側無線通信装置200が消費する推定消費電力を計算する。システム制御部52は、推定消費電力を出力できる充電電圧を充電終了電圧として計算する。
システム制御部52は、いずれかの無線通信経路により、充電終了電圧をRFコイル装置100Aの残量判定部250に入力する。例えば、ゲート信号送信部324からゲート信号受信部224を介して残量判定部250に充電終了電圧を入力してもよい。残量判定部250は、充電池BAの充電電圧を常時検出し、充電池BAの充電電圧が充電終了電圧の値に達した時点で、「目標到達信号」を出力する。「目標到達信号」は、第1の実施形態の「充電完了信号」と同様の経路により、システム制御部52に入力される。
システム制御部52は、第1の本スキャンを実行する場合にRFコイル装置100B及びコイル側無線通信装置200が消費する推定消費電力も同様に計算し、上記同様の処理が実行される。システム制御部52は、RFコイル装置100A、100B双方の残量判定部250から「目標到達信号」をそれぞれ受信した時点で、次のステップS27に移行する。それまでの間は、システム制御部52は、ガントリ内充電部572による充電池BAの充電を継続させる。
[ステップS27]ここでは第1の本スキャンの一例として、腎臓検査である第1グループの画像用のMR信号が収集される。第1グループでは、例えば、腎動脈画像50枚分のMR信号が収集される「第1シリーズ」と、腎静脈画像50枚のMR信号が収集される「第2シリーズ」とが実行される。ここで、MR信号の収集動作は、第1の実施形態のステップS7と同様であるので、重複する説明を省略する。
この第1の本スキャンの実行中において、上記第1〜第3条件を満たす期間では、システム制御部52は、各充電池BAへの充電電力をガントリ内充電部572に無線送信させる。例えば、「第1シリーズ」のパルスシーケンスが終了後、「第2シリーズ」のパルスシーケンスが開始される前の期間は、上記第1〜第3条件が満たされ、充電が実行される。第1の本スキャンのMR信号の収集が終了後、ステップS28に進む。
[ステップS28]システム制御部52は、MRI装置20Bの各部を制御することで、第2の本スキャン用のプレスキャンを実行させる。ここでは第2の本スキャンの一例として、肺検査である第2グループの画像用のMR信号が後述のステップS31で収集される。
前述のように、第1グループの画像用のMR信号が収集される第1の本スキャンは、腎臓検査であるため、第1の本スキャンの実行前には、撮像部位の骨盤部が磁場中心近辺に位置するように、天板34の位置が制御される。
一方、第2の本スキャンは、肺検査であるため、胸部用のRFコイル装置100A内のコイル素子106の方が、骨盤部用のRFコイル装置100Bのコイル素子106よりも多く使用される。このため、システム制御部52は、撮像部位が磁場中心近辺に位置するように、天板駆動装置35を制御して天板34を移動させる。
このような天板移動の都度、システム制御部52は、天板34の現在位置、及び、通信対象の各制御側無線通信装置300BのコイルLs2の座標位置を更新することで、これらコイルLs2に全体的に対向するコイルLs1がどれかを再計算する。複数のガントリ内充電部572の内、コイルLs2に全体的に対向するコイルLs1を含むガントリ内充電部572が充電に用いられる。
そして、このステップS28のプレスキャンの実行中において、上記第1〜第3条件を満たす期間があれば、上記同様にガントリ内充電部572により各充電池BAが充電される。この後、ステップS29に進む。
[ステップS29]システム制御部52は、ステップS28のプレスキャンの実行結果に基づいて、第2の本スキャンの残りの撮像条件を設定する。このステップS29では、スキャンが実行されないので、上記第1〜第3条件を満たすため、ガントリ内充電部572により各充電池BAが充電される。この後、ステップS30に進む。
[ステップS30]システム制御部52は、第2の本スキャンを実行する場合にRFコイル装置100A及びコイル側無線通信装置200が消費する推定消費電力と、推定消費電力を出力できる充電終了電圧とを計算し、充電終了電圧をRFコイル装置100Aの残量判定部250に入力する。この手法はステップS26と同様であり、RFコイル装置100Bの残量判定部250にも充電終了電圧が入力される。
そして、ステップS26と同様に、システム制御部52は、RFコイル装置100A、100Bの双方の残量判定部250から「目標到達信号」を受信した時点で、次のステップS31に移行する。それまでの間は、システム制御部52は、ガントリ内充電部572による充電池BAの充電を継続させる。
[ステップS31]第2の本スキャンの一例として、肺検査である第2グループの画像用のMR信号が収集される。第2グループでは、例えば、T1強調画像50枚分のMR信号が収集される「第1シリーズ」と、T2強調画像50枚のMR信号が収集される「第2シリーズ」とが実行される。
なお、ここでの第1及び第2の本スキャン(腎臓検査及び肺検査)は、説明を分かり易くするための一例にすぎず、他の部位の撮像や、プロトン密度強調画像などの他の種類の画像でもよい。また、MR信号の収集動作は、前述同様である。
第2の本スキャンの実行中において、上記第1〜第3条件を満たす期間では、システム制御部52は、各充電池BAへの充電電力をガントリ内充電部572に無線送信させる。例えば、第1シリーズのパルスシーケンスの終了後、第2シリーズのパルスシーケンスの開始前には充電が実行される。第2の本スキャンのMR信号の収集が終了後、ステップS32に進む。
[ステップS32]天板駆動装置35は、システム制御部52の制御に従って、天板34をガントリ21から出し、寝台33上の所定位置に戻す。以下、第1及び第2の本スキャンで生成されたk空間データに対して、第1の実施形態と画像再構成処理等が施され、表示用画像データが記憶装置66に保存され、表示用画像データが示す画像が表示装置64に表示される。
撮像の終了後、コイル側無線通信装置200が制御側無線通信装置300Bから離脱され、両者が通信可能範囲外となると、両者間の通信及び電力供給は終了する。
以上が第2の実施形態のMRI装置20Bの動作説明である。
以下、第1の実施形態との効果の違いについて説明する。第2の実施形態では、レール80b内にガントリ側充電部572が配置されるので、天板34がガントリ21内にある場合にも、即ち、撮像中にもRFコイル装置100A、100B内の充電池BAを充電できる。
第2の実施形態では、電力受信側の電力受信素子の幅は、電力送信側の電力送信素子自体の幅と、電力送信素子同士の間隔とを合算した幅以上である。具体的には、電力転送部320bのコイルLs2のコイル長W2は、ガントリ側充電部572及び寝台側充電部574の各コイルLs1のコイル長W1と、コイルLs1同士の間隔SP1との和以上となるように、適正に設定される(図16参照)。
このため、天板34全体が寝台33の天板スライド部33b上にある場合も、天板34の一部がガントリ21内にある場合も、天板34全体がガントリ21内にある場合も、ガントリ側充電部572、寝台側充電部574の内の少なくとも1つのコイルLs1がコイルLs2に全体的に対向する。
従って、Z軸方向の天板34の位置が例えば1mm単位で変動しても、即ち、天板34の水平方向の位置に拘らず、ガントリ側充電部572又は寝台側充電部574から、電力転送部320bのコイルLs2経由で、RFコイル装置100A、100B内の充電池BAを充電できる。この結果、RFコイル装置100A、100Bの充電のために天板34を天板スライド部33b上の所定位置に戻す必要はなく、充電の自由度が向上する。
また、ガントリ側充電部572による充電は、RFパルスの送信期間、傾斜磁場の印加期間、MR信号の検出期間を避けて実行される。従って、画質を劣化させることなく、シーケンス間の期間、シーケンス内のインターバル期間、撮像条件の設定期間などを効率的に利用して、RFコイル装置100A、100Bを充電できる。この結果、撮像時間を増加させることなく、且つ、画質を劣化させることなく、充電期間を効率的に確保することができる。
第2の実施形態は、レール80b内でガントリ側充電部572に接続される電源線と、受信用のコイル素子106との間のカップリングが生じる点のみが第1の実施形態よりも劣るが、その他の点では第1の実施形態と同様の効果も得られる。
但し、このカップリングの点においても、第2の実施形態は従来構成よりも優る。これは、レール80b内の電源線は固定であるため、天板34の位置によって電源線の伸ばされ具合が変動することはないからである。従って、励起用RFパルスのパワーや、電源線と受信用のコイル素子106との間のカップリングの度合いが天板34の位置によって変動するおそれはない。
これに対し従来技術では、被検体に装着されたRFコイル装置と、寝台に設置されたコネクタとを繋ぐケーブルが寝台−天板間に存在し、天板がガントリ奥側に移動する場合にはケーブルが伸び、天板が寝台上に戻る場合にはケーブルが折畳まれる。即ち、カップリングの度合いが天板位置によって変動する従来構成とは全く異なり、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様にSARを正確に計算できる。
特に、第2の実施形態では、カップリングの度合いを低くするために、電源線の長さを短めにしている。具体的には、ガントリ側充電部572及び電源線は、レール80b内において、ガントリ21入口側からガントリ21の中央までの半分のみ配置される。
撮像部位が磁場中心となるように天板34が移動される点を考慮すれば、上記構成でも、殆どの場合には複数のガントリ側充電部572及び寝台側充電部574のいずれかが通信対象の制御側無線通信装置300Bに対向し、充電できるからである。このように、天板34がガントリ21内に挿入された後における、実用上十分な充電機能が確保される程度に、ガントリ側充電部572は最小限の範囲で配置される。このため、第2の実施形態では、カップリングの度合い自体も従来構成よりも小さくて済む。
以下、第2の実施形態について、以下の3点を補足する。
第1に、撮像部位や天板位置、コイル側無線通信装置200の接続位置に拘らず、確実にRFコイル装置側に充電可能とするために、ガントリ側充電部572は、レール80b内全体に亘って(ガントリ21の入口側から最も奥まで)配置されてもよい。この場合、電源線と受信コイルとの間のカップリングの度合いが上記実施形態よりも大きくなるが、カップリングの度合いが変動しない点では、従来構成よりも優る。
第2に、複数の寝台側充電部574と、複数のガントリ側充電部572とで、それらのコイル長及びコイル同士の間隔が等しい例を述べた。これは、説明の簡単化のための一例にすぎない。寝台側充電部574のコイルは、ガントリ側充電部572のコイルLs1と異なるものでもよく、寝台側充電部574のコイル間隔も、ガントリ側充電部572のコイルLs1同士の間隔SP1とは変えてもよい。
第3に、第2の実施形態の構成において、寝台側充電部574に代えて、第1の実施形態の寝台側充電部550を第1の実施形態と同様の配置で設けてもよい。即ち、寝台33側では、天板34が所定位置にある場合のみ充電池BAが充電され、天板34がガントリ21内に挿入された後では、ガントリ側充電部572により充電池BAが充電される構成でもよい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、RFコイル装置100A、100BとMRI装置20Cの制御側(RF受信器48側)との間で送信される信号の内、MR信号以外の信号が別の誘導電界結合型カプラを介してレール内配線により送信される。上記の「MR信号以外の信号」とは、例えば、ゲート信号及び参照信号などの制御信号や、RFコイル装置100A、100Bの識別情報の信号であり、これらは、電気的な配線により送信される。これにより、光信号に変換する信号量を減らせる効果がある。
第3の実施形態は、第2の実施形態の変形例であり、上記の効果を得る構成を除き、第2の実施形態と同様である。従って、第2の実施形態との相違部分に焦点を置いて説明し、重複部分の説明は省略する。
図23は、天板34がガントリ21内にある場合における、RFコイル装置100Aまでの電力供給系統、RFコイル装置100Aまでの制御信号の送信系統、RFコイル装置100Aからの識別情報の送信系統、及び、MR信号の送信系統を示すブロック図である。
第3の実施形態のMRI装置20Cでは、天板側無線通信装置300C及びレール側無線通信装置600が、第2の実施形態の制御側無線通信装置300Bの代わりに配置される。従って、図23において、天板側無線通信装置300C及びレール側無線通信装置600以外の構成要素は、配線の違いを除いて第2の実施形態と同様である。
天板側無線通信装置300Cは、アンテナ306a〜306gと、データ受信部316と、電力転送部320cと、参照信号転送部388と、ID転送部392と、ゲート信号転送部394とを有する。電力転送部320cは、電力転送用のコイルLs3、Lb1と、電池部304とを有する。天板側無線通信装置300Cは、第2の実施形態の制御側無線通信装置300Bと同様に、天板34内に複数配置される(後述の図25参照)。
レール側無線通信装置600は、アンテナ606e、606f、606gと、充電部610と、参照信号送信部618と、ID受信部622と、ゲート信号送信部624とを有する。充電部610は、電力送信用のコイルLs1を有する。レール側無線通信装置600は、ガントリ21のレール80c内に複数配置される(後述の図25参照)。
レール側無線通信装置600のアンテナ606e、606f、606gは、天板側無線通信装置300Cのアンテナ306e、306f、306gをそれぞれ通信対象とするものである。アンテナ306e、306f、306g、606e、606f、606gは、例えば誘導電界結合型カプラである。
第3の実施形態のMRI装置20Cは、MR信号の送信については第1及び第2の実施形態と同様の経路で動作する。即ち、データ受信部316は、コイル側無線通信装置200から誘導電界を介してMR信号を取得し、これを光信号に変換して信号合成部36に送信する。
また、第3の実施形態のMRI装置20Cは、RFコイル装置100A、100Bへの電力の転送については第2の実施形態とほぼ同様の経路で動作する。具体的には、天板34がガントリ21内にある場合、電力転送部320cは、レール側無線通信装置600の充電部610のコイルLs1から誘導磁界を介して無線送信される電力を、コイルLs3により受給する。電力転送部320bは、受給した電力の一部により電池部304内の充電池(図示せず)を充電し、残りの電力を第2の実施形態と同様にRFコイル装置100A、100B内の充電池BAの充電用に無線送信する。
一方、(1)参照信号、(2)ゲート信号、(3)RFコイル装置100A、100Bの識別情報の信号については、第1及び第2の実施形態とは異なる経路で送信される。以下、これらの送信経路について、順に説明する。
第1に、レール側無線通信装置600の参照信号送信部618は、固定周波数生成部406から入力される基準クロック信号に基づいて、第1の実施形態の参照信号送信部318と同様に参照信号を生成する。また、参照信号送信部618は、システム制御部52から入力されるトリガ信号を参照信号に重畳する。これにより、参照信号送信部618は、参照信号及びトリガ信号の双方をアンテナ606eからアンテナ306eに無線送信する。
アンテナ606e−アンテナ306e間の無線送信は、誘導電界を介して実行される。即ち、レール80c内のレール側無線通信装置600のアンテナ606eが、天板側無線通信装置300Cのアンテナ306eに電磁的に結合されるように、天板34がガントリ21内で位置する場合に、上記通信が実行される。なお、後述のアンテナ306f−アンテナ606f間、及び、アンテナ606g−アンテナ306g間の無線通信も、上記同様に誘導電界を介して実行される。
参照信号転送部388は、アンテナ306eで受信した参照信号及びトリガ信号の無線出力を適正レベルに調整する。そして、参照信号転送部388は、出力レベルが調整された参照信号及びトリガ信号をアンテナ306bからアンテナ206bに誘導電界を介して無線送信する。アンテナ206bで受信された後の参照信号及びトリガ信号は、第1の実施形態と同様に処理される。
第2に、ゲート信号送信部624は、第1の実施形態のゲート信号送信部624と同様にして、ゲート信号をアンテナ606gからアンテナ306gに誘導電界を介して無線送信する。ゲート信号転送部394は、アンテナ306gで受信したゲート信号の無線出力を適正レベルに調整し、このゲート信号をアンテナ306dからアンテナ206dに誘導電界を介して無線送信する。アンテナ206dで受信された後のゲート信号は、第1の実施形態と同様に処理される。
第3に、ID転送部392は、第1の実施形態と同様にRFIDによりアンテナ306cで受信したRFコイル装置100A(100B)の識別情報を、誘導電界を介したデジタル無線送信用の信号に変換後、アンテナ306fからアンテナ606fに無線送信する。ID受信部622は、アンテナ606fで受信したデジタル無線信号からRFコイル装置100A(100B)の識別情報を抽出し、この識別情報をシステム制御部52に送信する。
図24は、第3の実施形態のMRI装置20Cの天板34がガントリ21内にある場合に、信号及び電力の送信系統の要部を示す装置座標系のX−Y平面の断面模式図である。図24に示すように、コイル側無線通信装置200は、第1及び第2の実施形態と同様に、固定機構500により天板34の上面上で天板側無線通信装置300Cに対して近接固定される。
即ち、天板側無線通信装置300C内において、アンテナ306a〜306d及びコイルLb1は、コイル側無線通信装置200が上記のように固定された場合にアンテナ206a〜206d及びコイルLb2とそれぞれ電磁的に結合されるように、天板34の上面側に配置される。天板側無線通信装置300C内において、アンテナ306e〜306g及びコイルLs3は、レール側無線通信装置600のアンテナ606e〜206g及びコイルLs1とそれぞれ電磁的に結合されるように、天板34の側面側に配置される。
アンテナ306a〜306d−アンテナ206a〜206d間の各間隔は、例えば第1の実施形態と同じDである。アンテナ306e〜306g−アンテナ606e〜606g間の各間隔は、例えば上記と同じDである。
レール側無線通信装置600内において、アンテナ606e〜606g及びコイルLs1は、天板側無線通信装置300Cのアンテナ306e〜306g及びコイルLs3に電磁的に結合されるように、レール80cの側面(天板34の側面に対向する面)側に配置される。
図25は、第3の実施形態のMRI装置20Cの天板側無線通信装置300C、レール側無線通信装置600、及び、寝台側充電部574の配置例を示す装置座標系X−Z平面の平面模式図である。
以下、制御信号の送受信、及び、RFコイル装置100A、100B内の充電池BAの充電を可能とする天板34の移動位置について、図25〜図27を参照しながら説明する。
図25に示すように、寝台側充電部574は、双方の突出部84内に例えば10個ずつ配置される。これら寝台側充電部574は、第2の実施形態と同様に、その内部のコイルLs1同士が間隔SP1で等間隔となるように、突出部84の側面に沿って配置される。
天板側無線通信装置300Cは、ここでは一例として、第2の実施形態の制御側無線通信装置300Bと同様の配置により、天板34内に10個配置される。従って、天板34がガントリ21から最も離れた所定位置にある場合に限らず、天板側無線通信装置300C、コイル側無線通信装置200経由で寝台側充電部574からRFコイル装置100A、100Bの各充電池BAを充電できる。
即ち、天板側無線通信装置300CのコイルLs3がいずれかの寝台側充電部574のコイルLs1に対向する位置にある場合、寝台側充電部574により充電池BAを充電できる。図25では、互いに対向する位置関係にある天板側無線通信装置300Cと、寝台側充電部574とを丸い点線枠で繋いで示す。
また、図25に示すように、ガントリ21の両側のレール80c内にそれぞれ、レール側無線通信装置600が10個ずつ配置される。なお、レール80cの立体的形状は第1の実施形態のレール80aと同様である(図2参照)。ここでは一例として、レール側無線通信装置600は、レール80cの側面側において、当該側面に沿って(前記Z軸方向に沿って)、ガントリ21の入口側から奥まで等間隔で配置される。
各レール側無線通信装置600は、例えば、その内部のコイルLs1のコイル長の方向が前記Z軸方向に沿うように、且つ、各コイルLs1同士の間隔がSP1で等間隔となるように配置される。また、最もガントリ21の入口側のレール側無線通信装置600のコイルLs1と、最もガントリ21側の寝台側充電部574のコイルLs1との間隔もSP1となるように配置される。即ち、レール80b内におけるガントリ21の最も奥側のコイルLs1から、突出部84内における最もガントリ21から離れたコイルLs1までの20個のコイルLs1が等間隔で配置される。
各レール側無線通信装置600に対しては、寝台33の突出部84から、第2の実施形態と同様のコネクタ580、582(図18参照)を経由して個別に電源線及び信号線が配線される。
各天板側無線通信装置300CのコイルLs3は、その長さ方向が前記Z軸方向に沿うように配置され、コイルLs3のコイル長は、例えばコイルLs1のコイル長W1に等しい。従って、第3の実施形態では、天板側無線通信装置300CのコイルLs3は、寝台側充電部574又はレール側無線通信装置600の1つのコイルLs1に対向することはあるが、複数のコイルLs1に対向することはない。
撮像のため天板34がガントリ21内に挿入される場合、天板駆動装置35は、システム制御部52の制御下、以下のように天板34の位置を制御する。即ち、RFコイル装置100A、100Bと通信対象となっている各天板側無線通信装置300Cが、いずれか1つのレール側無線通信装置600とそれぞれ対向するように、天板34のZ軸方向の位置が制御される。
これは、スキャンの実行中に、レール側無線通信装置600から天板側無線通信装置300Cに制御信号及び電力を無線送信し、当該天板側無線通信装置300Cからレール側無線通信装置600経由で上記の識別情報を取得するためである。
従って、通信対象の天板側無線通信装置300Cが、いずれか1つのレール側無線通信装置600に対向するように、天板34はZ軸方向にステップ移動する。このため、ガントリ21内での天板34の位置のパターンは、一方のレール80cに配置されたレール側無線通信装置600の数と同数であり、この例では10通りである。
但し、これは説明の簡単化のための一例にすぎない。Z軸方向に沿って、より多くのレール側無線通信装置600(及び寝台側充電部574)を等間隔で配置することで、ガントリ21内での天板34の位置のパターン数を増やしてもよい。そのためには、例えば、コイルLs1、Ls3のコイル長を短くすると共に、レール側無線通信装置600、天板側無線通信装置300C、寝台側充電部574の幅及び配置間隔を短くすればよい。
図26は、図25の状態から、装置座標系Z軸方向に、天板34を移動させた状態を示す平面模式図である。例えば、天板34内で最もガントリ21の奥側に位置する天板側無線通信装置300Cと、ガントリ21の入口側に最も近いレール側無線通信装置600とで通信が行われる場合、図26に示す位置に天板34は移動する。
図27は、天板34全体がガントリ21内に収まるように、図26の状態からさらに天板34を奥に移動させた状態を示す平面模式図である。図26の状態から、さらに天板34をガントリ21の奥側に挿入すると、図26の右側の天板側無線通信装置300Cも、図27に示すように、レール側無線通信装置600と通信可能な位置になる。
このように第3の実施形態では、RFコイル装置100A、100Bと、MRI装置20Cの制御側との間の通信において、ゲート信号及び参照信号は、システム制御部52からレール80c内の配線を経由し、誘導電界を介して無線送信される。RFコイル装置100A、100Bの識別情報は、誘導電界を介してレール側無線通信装置600に無線送信された後、レール80c内の配線を経由してシステム制御部52に入力される。従って、光信号で通信されるのはMR信号のみであり、光信号に変換する信号量を減らせる。
また、第3の実施形態では、以下の2点を除けば、第2の実施形態と同様の効果も得られる。第1に、ガントリ21内での天板34の移動位置は、天板側無線通信装置300Cがレール側無線通信装置600に対向する位置に制限される。第2に、レール80c内でガントリ21の奥側まで電源線及び信号線が配線されるため、第2の実施形態よりもカップリングの度合いが大きくなる。
(第1〜第3の実施形態の補足事項)
[1]信号線と電源線を分離しつつ、天板内に電源線を含めることなく、且つ、ユーザに操作負担を負わせずに、RFコイル装置の電力を確保する充電方法について、誘導電界を介したMR信号のデジタル無線通信に適用する例を述べた。
第1及び第2の実施形態で説明した充電方法は、誘導電界を介したデジタル無線通信に限定されるものではない。上記充電方法は、誘導電界を介さずに、RFコイル装置と、MRI装置の制御側との間でMR信号のデジタル無線通信を行う構成(例えば特許文献1参照)にも適用可能である。
[2]上記実施形態では、1次側、2次側にコイル(La1、La2、Lb1、Lb2、Ls1、Ls2、Ls3)をそれぞれ設けて、これらコイルが互いに電磁的に結合される位置にある場合に、誘導磁界を介して1次側から2次側に電力が送信される例を述べた。電力の送信方法は、かかる態様に限定されるものではない。
例えば、電力送信側にレーザー発生装置を設け、電力受信側にレーザー受信型の光電変換装置を設けてもよい。このようにレーザーにより光学的に電力を送信する等、無線で電力を送信する他の形態でもよい。
[3]請求項の用語と実施形態との対応関係を説明する。なお、以下に示す対応関係は、参考のために示した一解釈であり、本発明を限定するものではない。
第1〜第3の実施形態において、コイル側無線通信装置200は、請求項記載の第1無線通信部の一例である。
第1及び第2の実施形態において、制御側無線通信装置300A、300Bは、請求項記載の第2無線通信部の一例である。
第3の実施形態において、天板側無線通信装置300Cは請求項記載の第2無線通信部の一例であり、レール側無線通信装置600は請求項記載の第3無線通信部の一例である。
第1の実施形態において、寝台側充電部550及び電力転送部320aは、請求項記載の電力供給部の一例である。
第2の実施形態において、ガントリ側充電部572、寝台側充電部574、及び、電力転送部320bは、請求項記載の電力供給部の一例である。
第3の実施形態において、充電部610、寝台側充電部574、及び、電力転送部320cは、請求項記載の電力供給部の一例である。
信号合成部36、RF受信器48、画像再構成部56は、請求項記載の「後段の信号処理系統」の一例である。
レール80a、80b、80cは、請求項記載の支持部の一例である。
[4]本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。