以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式図である。
図1(a)は、斜視図である。図1(b)は、図1(a)のA1−A2線断面図である。
図1(a)及び図1(b)に表したように、本実施形態に係る圧力センサ110は、膜部70と、第1検知素子50aと、を含む。
膜部70は、上面70uを有する。膜部70は、可撓性を有する。上面70uは、可撓性領域を含む。膜部70は、変形可能である。膜部70は、例えば、支持部70sに支持される。
支持部70sは、例えば、基板である。膜部70は、例えば、ダイアフラムである。膜部70は、支持部70sと一体的でも良く、別体でも良い。膜部70には、支持部70sと同じ材料を用いても良く、支持部70sとは異なる材料を用いても良い。支持部70sとなる基板の一部を除去して、基板のうちの厚さが薄い部分が膜部70となっても良い。
膜部70の厚さは、支持部70sの厚さよりも薄い。膜部70と支持部70sとに同じ材料が用いられ、これらが一体的である場合は、厚さが薄い部分が膜部70となり、厚い部分が支持部70sとなる。
例えば、支持部70sが、支持部70sを厚さ方向に貫通する貫通孔70hを有しており、貫通孔70hを覆うように膜部70が設けられても良い。この時、例えば、膜部70となる材料の膜が、支持部70sの貫通孔以外の部分の上にも延在している場合がある。このとき、膜部70となる材料の膜のうちで、貫通孔70hと重なる部分が膜部70となる。
膜部70は、外縁70rを有する。膜部70と支持部70sとに同じ材料が用いられ、これらが一体的である場合は、厚さが薄い部分の外縁が、膜部70の外縁70rとなる。支持部70sが、支持部70sを厚さ方向に貫通する貫通孔70hを有しており、貫通孔70hを覆うように膜部70が設けられている場合は、膜部70となる材料の膜のうちで、貫通孔70hと重なる部分の外縁が膜部70の外縁70rとなる。
支持部70sは、膜部70の外縁70rを連続的に支持しても良く、膜部70の外縁70rの一部を支持しても良い。
第1検知素子50aは、膜部70の上面70u上に設けられる。
本願明細書において、「上に設けられる」状態は、直接接して設けられる状態の他に、間に他の要素が挿入されて設けられる状態も含む。
この例では、膜部70上には複数の検知素子50が設けられている。検知素子50は、例えば、第1〜第4検知素子50a〜50dを含む。膜部70上に設けられる検知素子50の数は、1でも良い。検知素子50の数は、5以上でも良い。
この例では、圧力センサ110には、第1配線61及び第2配線62が設けられている。第1配線61及び第2配線62は、検知素子50に接続される。第1配線61と第2配線62との間には、例えば、層間絶縁膜が設けられ、第1配線61と第2配線62とが電気的に絶縁される。第1配線61と第2配線62との間に電圧が印加され、この電圧が、第1配線61及び第2配線62を介して、検知素子50に印加される。圧力センサ110に圧力が加わると、膜部70が変形する。検知素子50においては、膜部70の変形に伴って電気抵抗が変化する。電気抵抗の変化を第1配線61及び第2配線62を介して検知することで、圧力が検知される。
膜部70の上面70uに対して垂直な方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向とする。
例えば、膜部70は、重心70cを有する。重心70cは、膜部70をX−Y平面に投影したときの膜部70の形状の重心である。重心70cは、膜部70の形状のX−Y平面内の形状の重心である。重心70cは、膜部70の上面70uの重心に対応する。
この例では、第1検知素子50aと、第2検知素子50bと、を結ぶ線は、重心70cを通る。すなわち、第1検知素子50aと、第2検知素子50bと、の間に、膜部70の重心70cが配置される。第3検知素子50cと、第4検知素子50dと、を結ぶ線は、重心70cを通る。すなわち、第3検知素子50cと、第4検知素子50dと、の間に、膜部70の重心70cが配置される。この例では、第3検知素子50cと第4検知素子50dとを結ぶ線は、第1検知素子50aと第2検知素子50bとを結ぶ線と、交差している。
以下、第1〜第4検知素子50a〜50dの例について説明する。
図2(a)〜図2(d)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的斜視図である。
図2(a)〜図2(d)は、第1〜第4検知素子50a〜50dの例をそれぞれ示している。これらの図において、膜部70(及び膜部70の上面70u)は省略されている。
図2(a)に表したように、第1検知素子50aは、第1磁性層11aと、第2磁性層11bと、第1中間部13auと、含む。第1検知素子50aは、膜部70の上面70uの一部の上に設けられる。
第1磁性層11aの磁化(の方向)は、可変である。第1磁性層11aは、例えば、磁化自由層である。
第2磁性層12aは、上面70uに対して交差する方向(例えばZ軸方向)において、第1磁性層11aと離間する。図1(b)に例示したように、例えば、第2磁性層12aと膜部70との間に第1磁性層11aが配置される。実施形態において、第1磁性層11aと膜部70との間に第2磁性層12aが配置されても良い。
第1中間部13auは、第1中間層13aを含む。第1中間層13aは、第1磁性層11aと第2磁性層12aとの間に設けられた部分を含む。
第1磁性層11aは、第1方向X1に延在する。第1方向X1は、例えば、上面70uに対して実質的に平行である。第1方向X1の第1磁性層11aの第1長軸長L1は、上面70uに対して実質的に平行で第1方向X1と交差(例えば直交)する方向Y2の第1磁性層11aの第1短軸長D1よりも長い。
第2磁性層12aは、第2方向X2に延在する。第2方向X2は、例えば、上面70uに対して実質的に平行で第1方向X1と交差する。第2方向X2の第2磁性層12aの第2長軸長L2は、上面70uに対して実質的に平行で第2方向X2と交差(例えば直交)する方向Y2の第2磁性層12aの第2短軸長D2よりも長い。
第2検知素子50bは、膜部70の上面70uの一部の上に設けられる。
図2(b)に表したように、第2検知素子50bは、第3磁性層11bと、第4磁性層12bと、第2中間部13buと、を含む。第3磁性層11bの磁化(の方向)は、可変である。第3磁性層11bは、例えば、磁化自由層である。
第4磁性層12bは、上面70uに対して交差する方向(例えばZ軸方向)において、第3磁性層11bと離間する。図1(b)に例示したように、例えば、第4磁性層12bと膜部70との間に第3磁性層11bが配置される。実施形態において、第3磁性層11bと膜部70との間に第4磁性層12bが配置されても良い。
第2中間部13buは、第2中間層13bを含む。第2中間層13bは、第3磁性層11bと第4磁性層12bとの間に設けられた部分を含む。
第3磁性層11bは、第3方向X3に延在する。第3方向X3は、例えば、上面70uに対して実質的に平行である。第3方向X3の第3磁性層11bの第3長軸長L3は、上面70uに対して実質的に平行で第3方向X3と交差(例えば直交)する方向Y3の第3磁性層11bの第3短軸長D3よりも長い。
第4磁性層12bは、第4方向X4に延在する。第4方向X4は、例えば、上面70uに対して実質的に平行で第3方向X3と交差する。第4方向X4の第4磁性層12bの第4長軸長L4は、上面70uに対して実質的に平行で第4方向X4と交差(例えば直交)する方向Y4の第4磁性層12bの第4短軸長D4よりも長い。
例えば、第3方向X3は、第1方向X1に沿っていても良い。例えば、第3方向X3は、第1方向X1に対して平行でも良い。第1方向X1と、第3方向X3と、の間の角度の絶対値は、5度以下でも良い。後述するように、第3方向X3と、第1方向X1と、は、互いに交差しても良い。第1方向X1と、第3方向X3と、の間の角度の例については、後述する。
第3検知素子50cは、上面70uの一部の上に設けられる。
図2(c)に表したように、第3検知素子50cは、第5磁性層11cと、第6磁性層12cと、第3中間部13cuと、を含む。
第5磁性層11cの磁化(の方向)は、可変である。第5磁性層11cは、例えば、磁化自由層である。
第6磁性層12cは、上面70uに対して交差する方向(例えばZ軸方向)において、第5磁性層11cと離間する。例えば、第6磁性層12cと膜部70との間に第5磁性層11cが配置される。実施形態において、第5磁性層11cと膜部70との間に第6磁性層12cが配置されても良い。
第3中間部13cuは、第3中間層13cを含む。第3中間層13cは、第5磁性層11cと第6磁性層12cとの間に設けられた部分を含む。
第5磁性層11cは、第5方向X5に延在する。第5方向X5は、例えば、上面70uに対して実質的に平行である。第5方向X5の第5磁性層11cの第5長軸長L5は、上面70uに対して実質的に平行で第5方向X5と交差(例えば直交)する方向Y5の第5磁性層11cの第5短軸長D5よりも長い。
第6磁性層12cは、第6方向X6に延在する。第6方向X6は、例えば、上面70uに対して実質的に平行で第5方向X5と交差する。第6方向X6の第6磁性層12cの第6長軸長L6は、上面70uに対して実質的に平行で第6方向X6と交差(例えば直交)する方向Y6の第6磁性層12cの第6短軸長D6よりも長い。
第4検知素子50dは、上面70uの一部の上に設けられる。
図2(d)に表したように、第4検知素子50dは、第7磁性層11dと、第8磁性層12dと、第4中間部13duと、を含む。
第7磁性層11dの磁化(の方向)は、可変である。第7磁性層11dは、例えば、磁化自由層である。
第8磁性層12dは、上面70uに対して交差する方向(例えば、Z軸方向)において、第7磁性層11dと離間する。例えば、第8磁性層12dと膜部70との間に第7磁性層11dが配置される。実施形態において、第7磁性層11dと膜部70との間に第8磁性層12dが配置されても良い。
第4中間部13duは、第4中間層13dを含む。第4中間層13dは、第7磁性層11dと第8磁性層12dとの間に設けられた部分を含む。
第7磁性層11dは、第7方向X7に延在する。第7方向X7は、例えば、上面70uに対して実質的に平行である。第7方向X7の第7磁性層11dの第7長軸長L7は、上面70uに対して実質的に平行で第7方向X7と交差(例えば直交)する方向Y7の第7磁性層11dの第7短軸長D7よりも長い。
第8磁性層12dは、第8方向8に延在する。第8方向X8は、例えば、上面70uに対して実質的に平行で第7方向X7と交差する。第8方向X8の第8磁性層12dの第8長軸長L8は、上面70uに対して実質的に平行で第8方向X8と交差(例えば直交)する方向Y8の第8磁性層11dの第8短軸長D8よりも長い。
第1中間層13a、第2中間層13b、第3中間層13c及び第4中間層13dには、例えば、非磁性材料を用いることができる。
上記の磁性層の磁化は、膜部70の変形に応じて変化可能である。本実施形態においては、第1磁性層11aの平面形状、及び、第2磁性層12aの平面形状は、形状異方性を有する。第3磁性層11b、第4磁性層12b、第5磁性層11c、第6磁性層12c、第7磁性層11d及び第8磁性層12dのそれぞれの平面形状は、形状異方性を有する。例えば、これらの磁性層の平面形状は、それぞれ略矩形である。例えば、これらの磁性層の平面形状は、それぞれ長方形である。第1磁性層11aにおいて、例えば、長方形の長辺の延在方向が第1方向X1に対応する。短辺が方向Y1に対応する。第2磁性層12aにおいて、長方形の長辺の延在方向が第2方向X2に対応する。短辺が方向Y1に対応する。
本実施形態に係る圧力センサ110においては、検知素子50に含まれる磁性層が、形状異方性を有し、複数の磁性層の延在方向が互いに交差することで、高感度の圧力センサが提供できる。
以下、圧力センサ110の例について説明する。
支持部70sには、例えば、板状の基板を用いることができる。基板の内部には、例えば、空洞部(例えば、貫通孔70h)が設けられている。
支持部70sには、例えば、シリコンなどの半導体材料、金属などの導電材料、または、絶縁性材料を用いることができる。支持部70sは、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどを含んでも良い。空洞部の内部は、例えば減圧状態(真空状態)である。空洞部の内部に、空気などの気体、または、液体が充填されていても良い。空洞部の内部は、膜部が撓むことができるように設計される。空洞部の内部は外部の大気とつながっていてもよい。
空洞部の上に、膜部70が設けられている。膜部70には、例えば、支持部70sとなる基板の一部が薄く加工され部分が用いられる。膜部70の厚さ(Z軸方向の長さ)は、基板の厚さ(Z軸方向の長さ)よりも薄い。
膜部70に圧力が印加されると、膜部70は撓む。この圧力は、圧力センサ110が検知すべき圧力に対応する。印加される圧力は、音波または超音波などによる圧力も含む。音波または超音波などによる圧力を検知する場合は、圧力センサ110は、マイクロフォンとして機能する。
膜部70には、例えば、絶縁性材料が用いられる。膜部70は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン及び酸窒化シリコンの少なくともいずれかを含む。膜部70には、例えば、シリコンなどの半導体材料を用いても良い。膜部70には、例えば、金属材料を用いても良い。
膜部70の厚さは、例えば、0.1マイクロメートル(μm)以上3μm以下である。この厚さは、0.2μm以上1.5μm以下であることが好ましい。膜部70には、例えば、厚さが0.2μmの酸化シリコン膜と、厚さが0.4μmのシリコン膜と、を含む積層膜を用いても良い。
第1磁性層11a及び第2磁性層12aには、例えば強磁性層が用いられる。第1磁性層11aは、例えば、磁化自由層である。第2磁性層12aは、例えば、参照層である。参照層として、磁化固定層、または、磁化自由層が用いられる。例えば、第1磁性層11aの磁化の変化は、第2磁性層12aの磁化の変化よりも容易である。これにより、後述するように圧力が加わったときに、第1磁性層11aの磁化と第2磁性層12aの磁化との相対角度に変化を生じさせることができる。
同様に、第3磁性層11bの磁化と第4磁性層12bの磁化との相対角度に変化を生じさせることができる。第5磁性層11cの磁化と第6磁性層12cの磁化との相対角度に変化を生じさせることができる。第7磁性層11dの磁化と第8磁性層12dの磁化との相対角度に変化を生じさせることができる。以下の第1磁性層11aに関する説明は、第3磁性層11b、第5磁性層11c及び第7磁性層11dにも適用できる。以下の第2磁性層12aに関する説明は、第4磁性層12b、第6磁性層12c及び第8磁性層12dにも適用できる。以下の第1中間層13aに関する説明は、第2中間層13b、第3中間層13c及び第4中間層13dにも適用できる。
以下、検知素子50(例えば第1検知素子50a)の例について説明する。
以下において、「材料A/材料B」の記載は、材料Aの層の上に、材料Bの層が設けられている状態を示す。
図3(a)〜図3(f)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的断面図である。
これらの図は、検知素子50(第1検知素子50a)を例示している。
図3(a)に表したように、第1検知素子50aは、第1電極ELa1(下部電極)と、下地層11alと、第1磁性層11aと、第1中間層13aと、第2磁性層12aと、キャップ層12acと、第2電極ELa2(上部電極)と、を含む。第1電極ELa1と第2電極ELa2との間に、第1磁性層11aが設けられる。第1磁性層11aと第2電極ELa2との間に第2磁性層12aが設けられる。第1磁性層11aと第1電極ELa1との間に下地層11alが設けられる。第2磁性層12aと第2電極ELa2との間にキャップ層12acが設けられる。
第1磁性層11a及び第2磁性層12aが磁化自由層である場合を例にとり、各層に用いられる材料の例について述べる。
下地層11alには、例えば、Ta/Ruが用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3nmである。このRu層の厚さは、例えば、2nmである。
第1磁性層11aには、例えば、3nmの厚さのCo40Fe40B20層が用いられる。第1中間層13aには、例えば、1.5nmの厚さのMgO層が用いられる。第2磁性層12aには、例えば、3nmの厚さのCo40Fe40B20層が用いられる。
キャップ層12acには、例えばTa/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
第1電極ELa1及び第2電極ELa2には、例えば、アルミニウム(Al)、アルミニウム銅合金(Al−Cu)、銅(Cu)、銀(Ag)、及び、金(Au)の少なくともいずれかが用いられる。第1電極ELa1及び第2電極ELa2として、このような電気抵抗が比較的小さい材料を用いることで、第1検知素子50aに効率的に電流を流すことができる。第1電極ELa1及び第2電極ELa2には、非磁性材料を用いることができる。
第1電極ELa1は、第1電極ELa1用の下地層(図示せず)と、第1電極ELa1用のキャップ層(図示せず)と、それらの間に設けられ、Al、Al−Cu、Cu、Ag、及び、Auの少なくともいずれかを含む層と、を含む構造を有しても良い。例えば、第1電極ELa1には、タンタル(Ta)/銅(Cu)/タンタル(Ta)などが用いられる。第1電極ELa1用の下地層としてTaを用いることで、例えば、膜部70と第1電極ELa1との密着性を向上することができる。第1電極ELa1用の下地層として、チタン(Ti)、または、窒化チタン(TiN)などを用いても良い。
第1電極ELa1用のキャップ層としてTaを用いることで、そのキャップ層の下の銅(Cu)などの酸化を抑制することができる。第1電極ELa1用のキャップ層として、チタン(Ti)、または、窒化チタン(TiN)などを用いても良い。
下地層11alには、バッファ層(図示せず)とシード層(図示せず)との積層構造を用いることができる。このバッファ層は、例えば、第1電極ELa1や膜部70の表面の荒れを緩和し、バッファ層の上に積層される層の結晶性を改善する。バッファ層として、例えば、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)及びクロム(Cr)よりなる群から選択された少なくともいずれかが用いられる。バッファ層として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む合金を用いても良い。
このバッファ層の厚さは、1nm以上10nm以下が好ましい。バッファ層の厚さは、1nm以上5nm以下がより好ましい。バッファ層の厚さが薄すぎると、バッファ効果が失われる。バッファ層の厚さが厚すぎると、検知素子50の厚さが過度に厚くなる。バッファ層の上にシード層が形成され、そのシード層がバッファ効果を有することができる。バッファ層は省略しても良い。バッファ層には、例えば、3nmの厚さのTa層が用いられる。
上記のシード層は、シード層の上に積層される層の結晶配向を制御する。シード層は、シード層の上に積層される層の結晶粒径を制御する。シード層として、fcc構造(face-centered cubic structure:面心立方格子構造)、hcp構造(hexagonal close-packed structure:六方最密格子構造)またはbcc構造(body-centered cubic structure:体心立方格子構造)の金属等が用いられる。
シード層として、hcp構造のルテニウム(Ru)、または、fcc構造のNiFe、または、fcc構造のCuが用いられる。これにより、例えば、シード層の上に設けられる積層膜(スピンバルブ膜)の結晶配向をfcc(111)配向にすることができる。シード層には、例えば、2nmの厚さのCu層、または、2nmの厚さのRu層が用いられる。シード層の上に形成される層の結晶配向性を高める場合には、シード層の厚さは、1nm以上5nm以下が好ましい。シード層の厚さは、1nm以上3nm以下がより好ましい。これにより、結晶配向を向上させるシード層としての機能が十分に発揮される。一方、例えば、シード層の上に形成される層を結晶配向させる必要がない場合(例えば、アモルファスの磁化自由層を形成する場合など)には、シード層は省略しても良い。シード層としては、例えば、2nmの厚さのCu層が用いられる。
第1磁性層11aには、強磁性体材料が用いられる。例えば、第1磁性層11aには、Fe、Co及びNiよりなる群から選択される少なくとも1つの元素を含む強磁性材料を用いることができる。第1磁性層11aの材料として、例えば、FeCo合金、または、NiFe合金を用いることができる。第1磁性層11aには、Fe、Co及びNiよりなる群から選択される少なくとも1つの元素とホウ素(B)とを含む合金を用いることができる。例えば、第1磁性層11aには、Co−Fe−B合金、Fe−B合金、または、Fe−Co−Si−B合金などを用いることができる。第1磁性層11aには、例えば、Co40Fe40B20層(厚さは例えば4nm)を用いることができる。
第1磁性層11aには、Fe−Ga合金、Fe−Co−Ga合金、Tb−M−Fe合金(Mは、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho及びErよりなる群から選択された少なくとも1つ。)、Tb−M1−Fe−M2合金(M1は、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho及びErよりなる群から選択された少なくとも1つ。M2は、Ti、Cr、Mn、Co、Cu、Nb、Mo、W及びTaよりなる群から選択された少なくとも1つ。)、または、Fe−M3−M4−B合金(M3は、Ti、Cr、Mn、Co、Cu、Nb、Mo、W及びTaよりなる群から選択された少なくとも1つ。M4は、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy及びErよりなる群から選択された少なくとも1つ。)が用いられる。これらの材料のλs(磁歪定数)は大きい。
第1磁性層11aには、例えば、Ni、Fe−Al、及び、フェライト(Fe3O4、または、(FeCo)3O4など)の少なくともいずれかを含んでも良い。
第1磁性層11aの厚さは、例えば2nm以上である。
第1磁性層11aは、多層構造を有しても良い。第1磁性層11aは、例えば、2層構造を有しても良い。第1中間層13aとしてMgOのトンネル絶縁層を用いる場合には、第1中間層13aに接する界面には、Co−Fe−B合金の層を設けることが好ましい。これにより、高い磁気抵抗効果が得られる。この場合、第1中間層13aに接する側にはCo−Fe−B合金の層を設け、その反対側には、以下の材料の層を設けることが好ましい。その層には、例えば、Fe−Co−Si−B合金、Fe−Ga合金、Fe−Co−Ga合金、Tb−M−Fe合金(Mは、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho及びErよりなる群から選択された少なくとも1つ。)、Tb−M1−Fe−M2合金(M1は、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho及びErよりなる群から選択された少なくとも1つ。M2は、Ti、Cr、Mn、Co、Cu、Nb、Mo、W及びTaよりなる群から選択された少なくとも1つ。)、Fe−M3−M4−B合金(M3は、Ti、Cr、Mn、Co、Cu、Nb、Mo、W及びTaよりなる群から選択された少なくとも1つ。M4は、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy及びErよりなる群から選択された少なくとも1つ。)、Ni、Fe−Al、または、フェライト(Fe3O4、または、(FeCo)3O4など)が用いられる。
例えば、第1磁性層11aには、Fe80Ga20/Co40Fe40B20の積層膜が用いられる。このCo40Fe40B20の厚さは、例えば、2nmである。このFe80Ga20の厚さは、例えば、4nmである。
第1中間層13aは、例えば、第1磁性層11aと第2磁性層12aとの間の磁気的な結合を分断する。第1中間層13aには、例えば、金属または絶縁体または半導体が用いられる。この金属としては、例えば、Cu、AuまたはAg等が用いられる。
第1中間層13aとして金属を用いる場合、第1中間層13aの厚さは、例えば、1nm以上7nm以下程度である。
第1中間層13aに用いられる絶縁体または半導体には、例えば、マグネシウム酸化物(MgO等)、アルミ酸化物(Al2O3等)、チタン酸化物(TiO等)、亜鉛酸化物(ZnO等)、または、酸化ガリウム(Ga−O)などが用いられる。
第1中間層13aとして絶縁体または半導体を用いる場合、第1中間層13aの厚さは、例えば0.6nm以上2.5nm以下程度である。第1中間層13aとして、例えば、CCP(Current-Confined-Path)スペーサ層を用いても良い。スペーサ層としてCCPスペーサ層を用いる場合には、例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)の絶縁層中に銅(Cu)メタルパスが形成された構造が用いられる。例えば、第1中間層13aとして、1.5nmの厚さのMgO層が用いられる。
第2磁性層12aには、第1磁性層11aと同様の強磁性体材料を用いることができる。第2磁性層12aには、例えば、Co40Fe40B20層(例えば厚さが4nm)を用いることができる。第2磁性層12aに多層構造を用いる場合、例えば、第2磁性層12aは、2層構造を有しても良い。第1中間層13aとしてMgOのトンネル絶縁層を用いる場合には、第2磁性層12aの第1中間層13aに接する界面には、Co−Fe−B合金の層を設けることが好ましい。例えば、第2磁性層12aには、Co40Fe40B20/Fe80Ga20の積層膜が用いられる。このCo40Fe40B20の厚さは、例えば、2nmである。このFe80Ga20の厚さは、例えば、4nmである。
第2磁性層12aに用いる材料を第1磁性層11aと同じ材料として、第1磁性層11a及び第2磁性層12aのそれぞれを磁化自由層としても良い。この場合は、例えば、第1磁性層11aと第2磁性層12aとにおいて、歪に対する磁化の変化の動作を揃えることができるため、好ましい。
キャップ層12acは、例えば、キャップ層12acの下に設けられる層を保護する。キャップ層12acには、例えば、複数の金属層が用いられる。キャップ層12acには、例えば、Ta層とRu層との2層構造(Ta/Ru)が用いられる。このTa層の厚さは、例えば1nmであり、このRu層の厚さは、例えば5nmである。キャップ層12acとして、Ta層やRu層の代わりに他の金属層を設けても良い。キャップ層12acの構成は、任意である。キャップ層12acとして、例えば、非磁性材料を用いることができる。キャップ層12acの下に設けられる層を保護可能なものであれば、キャップ層12acとして、他の材料を用いても良い。
図3(b)に表したように、第1検知素子50aは、絶縁層11iをさらに含んでも良い。例えば、第1電極ELa1と第2電極ELa2との間に、絶縁層11iが設けられる。絶縁層11iは、例えば、第1磁性層11aと、第1中間層13aと、第2磁性層12aと、を含む積層膜を囲む。
絶縁層11iには、例えば、アルミニウム酸化物(例えば、Al2O3)、または、シリコン酸化物(例えば、SiO2)などが用いられる。絶縁層11iにより、積層膜の周囲におけるリーク電流を抑制することができる。
図3(c)に表したように、第1磁性層11aと下地層11alとの間に、機能層16を設けても良い。機能層16と第1中間部13auとの間に第1磁性層11aが配置される。機能層16には、例えば、酸化物または窒化物が用いられる。機能層16は、例えば、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Sn、Cd及びGaよりなる群から選択された少なくとも1つの酸化物を含む。機能層16は、例えば、上記の群から選択された少なくとも1つの窒化物を含む。機能層16は、例えば、Mg、Ti、V、Zn、Sn、Cd及びGaの少なくともいずれかの酸化物を含む。
一方、第1磁性層11aは、例えば、アモルファス構造を有し、ホウ素を含む。このような、第1磁性層11aと機能層16とを組み合わせて用いることで、高いゲージファクターが得られる。ゲージファクターは、例えば、歪に対する磁気抵抗の変化量の比である。高いゲージファクターにより、より高感度の圧力センサが提供できる。
図3(d)に表したように、図3(c)に例示した構成において、絶縁層11iを設けても良い。
図3(e)に表したように、第2磁性層12aとキャップ層12acとの間に、機能層17を設けても良い。機能層17と第1中間部13auとの間に第2磁性層12aが配置される。機能層17には、例えば、機能層16に関して説明した材料が用いられる。このとき、第2磁性層12aは、例えば、アモルファス構造を有し、ホウ素を含む。このような、第2磁性層12aと機能層17とを組み合わせて用いることで、高いゲージファクターが得られる。
図3(f)に表したように、図3(e)に例示した構成において、絶縁層11iを設けても良い。
本実施形態においては、既に説明したように、第1磁性層11aにおいて、第1長軸長L1が、第1短軸長D1よりも長い。そして、第2磁性層12aにおいて、第2長軸長L2は、第2短軸長D2よりも長い。これらの磁性層は、形状磁気異方性を有する。これにより、第1磁性層11aの磁化方向は、第1方向X1(第1長軸長L1の方向)に沿う。そして、第2磁性層12aの磁化方向は、第2方向X2(第2長軸長L2の方向)に沿う。
このように、形状異方性を利用することで、CoPtなどのハードバイアス、または、IrMnなどを用いた交換結合バイアスなどによる磁化方向制御を用いることなく、外部圧力が小さい状態(例えば外部圧力がゼロの状態)における、第1検知素子50aに含まれる磁化自由層の磁化方向を任意の方向に設定することが可能である。これにより、圧力を高感度で検出できる。
一方、ハードバイアスまたは交換結合バイアスによるバイアス制御では、複数の検知素子50に含まれる複数の磁化自由層のそれぞれの初期磁化方向を、X−Y平面内の異なる方向にそれぞれ向かせることは、困難である。
本実施形態においては、形状異方性を利用することで、例えば、膜部70の上面70u上に設けられた複数の検知素子50のそれぞれにおいて、初期磁化方向を所望の方向に設定することが容易である。これにより、例えば、複数の検知素子50のそれぞれの動作を有効に利用できる。
本実施形態の圧力センサ110において、膜部70が外部からの圧力によって撓むと、検知素子50(例えば第1検知素子50a)に歪が発生する。検知素子50は、この歪の変化を電気抵抗の変化に変換する機能を有する。
第1検知素子50aが歪センサとして機能する動作は、「逆磁歪効果」と「磁気抵抗効果」との応用に基づく。「逆磁歪効果」は、第1磁性層11aと第2磁性層12aとに用いられる強磁性層において得られる。「磁気抵抗効果」は、第1磁性層11aと第1中間層13aと第2磁性層12aとを含む積層膜において、発現する。
「逆磁歪効果」は、強磁性体の磁化が強磁性体に生じる歪によって変化する現象である。すなわち、第1検知素子50aの積層膜に外部からの圧力によって歪が生じると、磁化自由層の磁化方向が変化する。その結果、第1磁性層11aの磁化と、第2磁性層12aの磁化と、の間の相対角度が変化する。このとき「磁気抵抗効果(MR効果)」により、電気抵抗の変化が生じる。MR効果は、例えば、GMR(Giant magnetoresistance)効果、または、TMR(Tunneling magnetoresistance)効果などを含む。積層膜に電流を流すことで、磁化の向きの相対角度の変化を、電気抵抗変化として読み取ることで、MR効果は発現する。
例えば、積層膜に生じる歪によって、第1検知素子50aに歪が生じる。歪によって磁化自由層(第1磁性層11a)の磁化の向きが変化する。第1磁性層11aの磁化の向きと、第2磁性層12aの磁化の向きと、の相対角度が変化する。逆磁歪効果により、MR効果が発現する。
磁化自由層に用いられる強磁性材料が正の磁歪定数を有するときは、磁化の方向と引張歪の方向との角度が小さくなり、磁化の方向と圧縮歪の方向との角度が大きくなるように、磁化の方向が変化する。磁化自由層に用いられる強磁性材料が負の磁歪定数を有するときは、磁化の方向と引張歪の方向との角度が大きくなり、磁化の方向と圧縮歪の方向との角度が小さくなるように、磁化の方向が変化する。
第1磁性層11aと第1中間層13aと第2磁性層12aとの積層膜の材料の組み合わせが正の磁気抵抗効果を有するときは、第1磁性層11aの磁化と第2磁性層12aの磁化との間の相対角度が小さいときに電気抵抗が減少する。第1磁性層11aと第1中間層13aと第2磁性層12aとの積層膜の材料の組み合わせが負の磁気抵抗効果を有するときは、第1磁性層11aの磁化と第2磁性層12aの磁化との間の相対角度が小さいときに電気抵抗が増大する。
以下、磁化の変化の例について説明する。以下の例では、第1磁性層11aと第2磁性層12aとに用いられる強磁性材料が、それぞれ正の磁歪定数を有し、第1磁性層11aと第1中間層13aと第2磁性層12aとを含む積層膜が正の磁気抵抗効果を有する。第1磁性層11a及び第2磁性層12aの両方が、磁化自由層である。
図4(a)〜図4(d)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式図である。
これらの図は、検知素子50(第1検知素子50a)の動作を例示している。図4(a)は、第1検知素子50aにおいて歪が生じていない状態(無歪状態ST0)に対応する。図4(b)は、第1検知素子50aにおいて圧縮歪が生じている状態(第1状態ST1)に対応する。図4(c)は、第1検知素子50aにおいて引張歪が生じている状態(第2状態ST2)に対応する。これらの図においては、図を見やすくするために、第1磁性層11aと第2磁性層12aとが描かれ、第1中間部13auは省略されている。
図4(d)は、第1検知素子50aに生じる歪Saと、第1検知素子50aの電気抵抗R(Ω)と、の関係を例示している。電気抵抗Rは、第1磁性層11aと第2磁性層12aとの間の電気抵抗である。
図4(a)に表したように、無歪状態ST0において、第1磁性層11aの磁化11amは、第1磁性層11aが延在する第1方向X1に沿っている。そして、無歪状態ST0において、第2磁性層12aの磁化12amは、第2磁性層12aが延在する第2方向X2に沿っている。これらは、上記の形状磁気異方性による。
第1磁性層11aが延在する第1方向X1と、第2磁性層12aが延在する第2方向X2と、の間の角度を変えることにより、第1磁性層11aの磁化11amの方向と、第2磁性層12aの磁化12amの方向と、の間の相対角度は、任意に設定できる。
図4(b)に表したように、圧縮歪CSが生じる第1状態ST1においては、第1磁性層11aの磁化11amと、第2磁性層12aの磁化12amと、の間の角度は、例えば、無歪状態ST0における角度よりも大きくなる。これに連動して、電気抵抗Rが変化する。
図4(c)に表したように、引張歪TSが生じる第2状態ST2においては、第1磁性層11aの磁化11amと、第2磁性層12aの磁化12amと、の間の角度は、例えば、無歪状態ST0における角度よりも小さくなる。これに連動して、電気抵抗Rが変化する。
図4(d)に表したように、圧縮歪CSが生じている場合は、無歪状態ST0に比べて、第1検知素子50aの電気抵抗Rは増大する。引張歪TSが生じている場合は、無歪状態ST0に比べて、第1検知素子50aの電気抵抗Rは減少する。
このようにして、第1検知素子50aは、第1検知素子50aに生じる歪Saの変化を電気抵抗Rの変化に変換することができる。
図4(a)に例示したように、第1検知素子50aにおいて、無歪状態ST0において、第1磁性層11aの磁化と、第2磁性層12aの磁化と、を、互いに異なる方向とすることができる。これにより、図4(d)に例示したように、電気抵抗Rは、正負の歪Saに対して、例えば線形的に変化する。これにより、高感度の圧力センサが提供できる。
図5は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的平面図である。
図5に表したように、本実施形態においては、第1磁性層11aの延在方向(第1方向X1)と、第2磁性層12aの延在方向(第2方向X2)と、の間の角度αは、0度よりも大きく、180度よりも小さい。すなわち、第1方向X1は、第2方向X2と交差する。これにより、例えば、無歪状態ST0における、第1磁性層11aと第2磁性層12aとにおいて、磁化を互いに異なる方向とする。
第1磁性層11aの延在方向(第1方向X1)と、歪方向Dsaと、の間の角度βaは、任意である。第2磁性層12aの延在方向(第2方向X2)と歪方向Dsaと、の間の角度βbは、任意である。
角度βbの絶対値が、角度βaの絶対値と同じ場合、歪方向Dsaに対して第1磁性層11aの延在方向と、第2磁性層12aの延在方向と、は線対称である。このとき、歪Saに対して、第1磁性層11aの磁化11amと、第2磁性層12aの磁化12amと、を同時に変化させることができる。これにより、より高感度で、歪Saを検出することができる。例えば、角度βaの絶対値と、角度βbの絶対値と、の差を5度以下である。
図6(a)〜図6(d)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的平面図である。
これらの図は、無歪状態ST0における磁化方向の例を示している。これらの図は、第1磁性層11aについての例を示している。
例えば、第1検知素子50aの第1磁性層11aの初期の磁化11amの方向は、外部磁界を印加する方向によって設定することができる。
図6(a)は、外部磁界Hex1を印加している状態を例示している。図6(b)は、外部磁界Hex1を除去した状態を例示している。図6(a)に示すように、外部磁界Hex1は、第1方向X1と交差している。外部磁界Hex1を印加しているときには、第1磁性層11aの磁化11amの方向は、外部磁界Hex1の方向に沿う。
図6(b)に表したように、外部磁界Hex1を除去すると、第1磁性層11aの磁化11amの方向は、形状異方性により、第1方向X1に沿う。図6(b)における磁化11amの方向は、外部磁界Hex1の方向を反映している。
図6(c)は、外部磁界Hex2を印加している状態を例示している。図6(d)は、外部磁界Hex2を除去した状態を例示している。図6(c)に示すように、外部磁界Hex2は、第1方向X1と交差している。第1方向X1から外部磁界Hex2までの角度の方向は、第1方向X1から外部磁界Hex1までの角度の方向とは、逆である。外部磁界Hex2を印加しているときには、第1磁性層11aの磁化11amの方向は、外部磁界Hex2の方向に沿う。
図6(d)に表したように、外部磁界Hex2を除去すると、第1磁性層11aの磁化11amの方向は、形状異方性により、第1方向X1に沿う。図6(d)における磁化11amの方向は、外部磁界Hex2の方向を反映している。すなわち、図6(d)における磁化11amの方向は、図6(b)における磁化11amの方向とは、逆である。
このように、外部磁界を除去したときの磁化11amの方向は、外部磁界の方向に依存する。外部磁界を除去したときの磁化11amの方向は、外部磁界を印加しているときの磁化11amを第1方向X1に投影した方向に向く。
同様にして、例えば、第2磁性層12aの磁化12amの方向を外部磁界により制御しても良い。
図7(a)〜図7(f)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的平面図である。
これらの図は、無歪状態ST0における磁化方向の例を示している。
図7(a)は、外部磁界Hex3を印加している状態を例示している。図7(b)は、外部磁界Hex3を除去した状態を例示している。これらの例においては、第1方向X1と第2方向X2との間の角度の絶対値は、例えば45度である。図7(a)に示すように、外部磁界Hex3は、第1方向X1及び第2方向X2と交差している。外部磁界Hex3は、第1方向X1と第2方向X2とを平均した方向に対して垂直である。図7(b)に表したように、外部磁界Hex3を除去したときに、第1磁性層11aの磁化11amの方向と、第2磁性層12aの磁化12amの方向と、の角度は、例えば135度となる。
図7(c)は、外部磁界Hex4を印加している状態を例示している。図7(d)は、外部磁界Hex4を除去した状態を例示している。これらの例においては、第1方向X1と第2方向X2との間の角度の絶対値は、例えば45度である。図7(c)に示すように、外部磁界Hex4は、第1方向X1及び第2方向X2と交差している。外部磁界Hex4は、第1方向X1と第2方向X2とを平均した方向に対して平行である。図7(d)に表したように、外部磁界Hex4を除去したときに、第1磁性層11aの磁化11amの方向と、第2磁性層12aの磁化12amの方向と、の角度は、例えば45度となる。
図7(e)は、外部磁界Hex5を印加している状態を例示している。図7(f)は、外部磁界Hex5を除去した状態を例示している。これらの例においては、第1方向X1と第2方向X2との間の角度の絶対値は、例えば45度である。図7(e)に示すように、外部磁界Hex5は、第1方向X1及び第2方向X2と交差している。外部磁界Hex5と、第1方向X1と第2方向X2とを平均した方向と、の間の角度は90度未満である。図7(f)に表したように、外部磁界Hex5を除去したときに、第1磁性層11aの磁化11amの方向と、第2磁性層12aの磁化12amの方向と、の角度は、例えば45度となる。
このように、外部磁界の印加方向によって、第1磁性層11aの磁化方向と、第2磁性層12aの磁化方向と、の相対的な関係を種々に設定することができる。
第1磁性層11aと、第2磁性層12aと、が、互いに異なる磁気特性を有する場合は、例えば、2回の磁化の印加によって、それぞれの磁化方向を任意に設定することができる。
図8は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的平面図である。
図8に表したように、第1磁性層11aの磁化11amと、第2磁性層12aの磁化12amと、は、上記の、外部磁界と、形状異方性の方向と、により設定される。
第1磁性層11aの磁化11amと、第2磁性層12aの磁化12amと、の間の角度γは、圧力センサ110の用途に基づいて定めても良い。
角度γは、例えば、約90度に設定される。例えば、第1磁性層11aの磁化11amと、第2磁性層12aの磁化12amと、の間の角度γは、60度以上120度以下である。例えば、第1方向X1と、第2方向と、の間の角度αは、60度以上120度以下である。このとき、例えば、正負の歪に対する電気抵抗Rの変化のダイナミックレンジが大きくなる。
角度γは、例えば、0度よりも大きく90度未満に設定される。例えば、第1方向X1と、第2方向X2と、の間の角度αは、0度よりも大きく90度未満である。このとき、例えば、素子抵抗を低くすることができる。このとき、例えば、圧力センサ110におけるショットノイズやスピントルクノイズなどのノイズを低減することができる。
角度γは、例えば90度よりも大きく180度未満に設定される。例えば、第1方向X1と、第2方向X2と、の間の角度は、90度よりも大きく180度未満である。このとき、例えば、歪に対する電気抵抗Rの変化を大きくすることができる。例えば、第1中間層13aに絶縁体を用いたトンネル型の磁気抵抗効果を用いる場合には、磁化の相対角度の変化に対する磁気抵抗効果は、角度γが90度よりも大きく180度未満の範囲で大きくなる。この範囲に設定することで、例えば、磁化の相対角度の変化に対する電気抵抗Rの変化が大きくなる。これにより、高い感度が得られる。
図9(a)及び図9(b)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的平面図である。
図9(b)は、図9(a)に示した一部PAを拡大して描いている。
これらの図は、膜部70の上面70uにおける検知素子50の配置の例を示している。
図9(a)に表したように、実施形態に係る圧力センサ111においては、膜部70の上面70uの形状は、円形である。膜部70の外縁70rは、円形である。
複数の検知素子50は、膜部70の外縁70rに沿って配置されている。複数の検知素子50のそれぞれにおいて、磁化自由層11の延在方向X11は、参照層12の延在方向X12と交差している。磁化自由層11は、例えば、第1磁性層11a、第3磁性層11b、第5磁性層11c及び第7磁性層11dなどである。参照層12は、例えば、第2磁性層12a、第4磁性層12b、第6磁性層12c及び第8磁性層12dなどである。ここで、参照層12において、磁化は可変でも良い。磁化自由層11の延在方向X11は、例えば、第1方向X1、第3方向X3、第5方向X5及び第7方向X7などである。参照層12の延在方向X12は、例えば、第2方向X2、第4方向X2、第6方向X6及び第8方向X8などである。
例えば、膜部70の重心70cを通る複数の放射線75に重なるように、複数の検知素子60が配置されている。この例では、この放射線75のそれぞれに対して、磁化自由層11及び参照層12の組み合わせは、線対称である。
図9(b)に表したように、例えば、第1検知素子50aは、2つの検知素子50(検知素子50e及び検知素子50f)の間に配置されている。検知素子50e及び検知素子50fのそれぞれに、磁化自由層11及び参照層12が設けられる。
複数の検知素子50のそれぞれにおいて、膜部70の重心70cを通る放射線75の方向に沿って、歪Saが生じる。この例では、磁化自由層11の延在方向X11と、参照層12の延在方向X12と、が放射線75に対して線対称に配置される。磁化自由層11の初期磁化の方向と、歪Saの方向と、の間の角度が、参照層12の初期磁化の方向と、歪Saの方向と、の間の角度と、実質的に同じになる。これにより、歪Saが生じたときの、磁化自由層11の磁化と、参照層12の磁化と、同時に変化させるができる。これにより、大きい電気抵抗Rの変化が得られる。
この例では、複数の検知素子50のそれぞれにおいて、磁化自由層11の延在方向X11と放射線75との間の角度は、互いに同じである。例えば、複数の検知素子50のそれぞれにおいて、磁化自由層11の延在方向X11と、放射線75と、の間の角度の絶対値の差は、5度以下である。この例では、複数の検知素子50のそれぞれにおいて、参照層12の延在方向と放射線75との間の角度は、互いに同じである。例えば、複数の検知素子50のそれぞれにおいて、参照層12の延在方向と、放射線75と、の間の角度の絶対値の差は、5度以下である。これらの角度を同じにすることによって、磁化自由層11の延在方向X11と、歪Saの方向と、の間の角度を均一にできる。そして、参照層12の延在方向X12と、歪Saの方向と、の間の角度を均一にできる。これにより、膜部70上に配置される複数の検知素子50のそれぞれにおいて、電気抵抗Rの変化が実質的に同じになる。複数の検知素子50において、圧力に対して同等の電気抵抗Rの変化を得る場合に、後述するように、複数の検知素子50を直列及び並列の少なくともいずれかに接続することで、例えば、SN比を増大することができる。
この例では、膜部70の重心70cと、複数の検知素子50のそれぞれの重心55と、の間の距離は、互いに同じである。これにより、例えば、複数の検知素子50のそれぞれに生じる歪Saの大きさが実質的に同じになる。検知素子50の重心55は、磁化自由層11(例えば第1磁性層11a)と、参照層12(例えば第2磁性層12a)と、をX−Y平面に投影したときに、磁化自由層11と参照層12とが重なる領域の重心である。重心55は、X−Y平面内において、磁化自由層11と参照層12とが重なる領域の重心に対応する。
図10(a)〜図10(c)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的平面図である。
これらの図は、磁化自由層11の配置の例を示している。
図10(a)に表したように、実施形態に係る圧力センサ112aにおいては、複数の検知素子50のそれぞれの磁化自由層11の延在方向X11は、円形の膜部70の重心70cを通る放射線75に対して、直交している。
図10(b)に表したように、実施形態に係る圧力センサ112bにおいては、複数の検知素子50のそれぞれの磁化自由層11の延在方向X11は、円形の膜部70の重心70cを通る放射線75に対して、傾斜している。
図10(c)に表したように、実施形態に係る圧力センサ112cにおいては、複数の検知素子50のそれぞれの磁化自由層11の延在方向X11は、円形の膜部70の重心70cを通る放射線75に対して、平行である。
これらの例において、参照層12は省略されている。参照層12の延在方向X12は、磁化自由層11の延在方向X12と交差するように設定される。
圧力センサ112a及び112cにおいては、外部圧力の方向が所定の方向であるときに、磁化自由層11の磁化方向が変化する。外部圧力の方向が所定の極性であるときに、磁化自由層11の磁化方向が変化する。
一方、圧力センサ112bにおいては、任意の方向(プラスまたはマイナス)の外部圧力において、磁化方向が、極性に応じて変わる。そのため、外部圧力の極性によらず、外部圧力を検知できる。
圧力センサ112a及び112cにおける所定の圧力の極性におけるダイナミックレンジは、圧力センサ112bにおける所定の圧力の極性におけるダイナミックレンジよりも広い。用途に応じて、検知素子50の配置(例えば、磁化自由層11の延在方向X11)を設定しても良い。
図11は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的平面図である。
図11に表したように、実施形態に係る圧力センサ113aにおいては、複数の検知素子50のそれぞれにおいて、磁化自由層11(例えば第1磁性層11aなど)の延在方向X11(例えば第1方向X1など)と、参照層12(例えば第2磁性層12aなど)の延在方向X12(例えば第2方向X2など)と、の間の角度αは、90度である。
複数の検知素子50のそれぞれの重心55と、膜部70の重心70cと、を通る放射線75と、その検知素子50の磁化自由層11の延在方向X11と、の間の第1角度β1の絶対値は、45度である。第1角度β1の絶対値は、30度以上60度以下でも良い。この例では、これらの角度は、45度である。
複数の検知素子50のそれぞれの重心55と、膜部70の重心70cと、を通る放射線75と、その検知素子50の参照層12の延在方向X12と、の間の第2角度β2の絶対値は、45度である。第2角度β2の絶対値は、30度以上60度以下でも良い。この例では、これらの角度は、45度である。
第1角度β1の絶対値、及び、第2角度β2の絶対値を30度以上60度以下とすることで、例えば、正負の圧力に対する電気抵抗変化のダイナミックレンジを広くすることができる。
例えば、外部磁界Hexを印加し、この外部磁界Hexを除去することで、それぞれの検知素子50における磁化方向が設定される。
圧力センサ113aにおいては、複数の検知素子50は、複数のグループ(第1〜第4グループG1〜G4)に分けられる。
例えば、第1グループG1においては、膜部70の重心70cから1つの検知素子50の重心55に向かう方向(放射線75に対して平行な方向)から、その検知素子50の磁化自由層11の磁化方向11m(例えば磁化11amの方向)までの角度は、+135度である。一方、膜部70の重心70cからその検知素子50の重心55に向かう方向(放射線75に対して平行な方向)から、その検知素子50の参照層12の磁化方向12mまでの角度は、−135度である。
例えば、第3グループG3においては、膜部70の重心70cから1つの検知素子50の重心55に向かう方向(放射線75に対して平行な方向)から、その検知素子50の磁化自由層11の磁化方向11m(例えば磁化11amの方向)までの角度は、+45度である。一方、膜部70の重心70cからその検知素子50の重心55に向かう方向(放射線75に対して平行な方向)から、その検知素子50の参照層12の磁化方向12mまでの角度は、+135度である。
例えば、第2グループG2においては、膜部70の重心70cから1つの検知素子50の重心55に向かう方向(放射線75に対して平行な方向)から、その検知素子50の磁化自由層11の磁化方向11m(例えば磁化11amの方向)までの角度は、+45度である。一方、その検知素子50の重心55から膜部70の重心70cに向かう方向(放射線75に対して平行な方向)から、その検知素子50の参照層12の磁化方向12mまでの角度は、−45度である。
例えば、第4グループG4においては、膜部70の重心70cから1つの検知素子50の重心55に向かう方向(放射線75に対して平行な方向)から、その検知素子50の磁化自由層11の磁化方向11m(例えば磁化11amの方向)までの角度は、−135度である。一方、膜部70の重心70cからその検知素子50の重心55に向かう方向(放射線75に対して平行な方向)から、その検知素子50の参照層12の磁化方向12mまでの角度は、−45度である。
このように、複数のグループの間で、磁化自由層11の磁化方向11mと、放射線75と、の関係、及び、参照層12の磁化方向12mと、放射線75と、の関係が互いに異なる。
円形の膜部70においては、歪Saの方向は、放射線75に沿う。第1グループG1に含まれる検知素子50において得られる特性の極性は、第2グループG2に含まれる検知素子50において得られる特性の極性と同じである。第3グループG3に含まれる検知素子50において得られる特性の極性は、第4グループG4に含まれる検知素子50において得られる特性の極性と同じである。第1グループG1に含まれる検知素子50において得られる特性の極性は、第3グループG3に含まれる検知素子50において得られる特性の極性とは、逆である。
磁化自由層11の延在方向X11と、参照層12の延在方向X12と、の間の角度αが90度である場合、歪Saがゼロのときの電気抵抗Rは、複数の検知素子50において同じになる。
第1グループG1及び第2グループG2の検知素子50において得られる特性は、第3グループG3及び第4グループG4の検知素子50において得られる特性と、正及び負の歪Saに対して、互いに逆の歪センサ特性を示す。
互いに逆極性の複数の検知素子50を用いてブリッジ回路を形成することで、後述するように、例えば、出力が増大する。例えば、温度補償の機能が得られる。
実施形態において、膜部70の上面70uの重心(重心70c)と、第1磁性層11aと第2磁性層12aとが重なる領域の重心と、を通る直線を第1直線とする。第1直線と、第1方向X1と、の間の角度を第1角度とする。上面70uの重心(重心70c)と、第3磁性層11bと第4磁性層12baとが重なる領域の重心と、を通る直線を第3直線とする。第3直線と、第3方向X3と、の間の角度を第5角度とする。例えば、第1角度の絶対値と、第5角度の絶対値と、の差は、5度以下である。
この例では、第1検知素子50aの磁化自由層11の延在方向は、第2検知素子50bの磁化自由層11の延在方向に対して実質的に平行である。例えば、第1磁性層11aの延在方向(第1方向X1)と、第2磁性層11bの延在方向(第3方向X3)と、の間の角度の絶対値は、5度以下である。例えば、第5磁性層11cの延在方向(第5方向X5)と、第7磁性層11dの延在方向(第7方向X7)と、の間の角度の絶対値は、5度以下である。
図12は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的平面図である。
図12に表したように、実施形態に係る圧力センサ113bにおいては、複数の検知素子50のそれぞれにおいて、磁化自由層11(例えば第1磁性層11aなど)の延在方向X11(例えば第1方向X1など)と、参照層12(例えば第2磁性層12aなど)の延在方向X12(例えば第2方向X2など)と、の間の角度αは、135度である。例えば、この角度の絶対値は、45度である。
第1グループG1及び第2グループG2においては、複数の検知素子50のそれぞれの重心55と、膜部70の重心70cと、を通る放射線75と、その検知素子50の磁化自由層11の延在方向X11と、の間の第1角度β1の絶対値は、67.5度である。
第1グループG1及び第2グループG2においては、複数の検知素子50のそれぞれの重心55と、膜部70の重心70cと、を通る放射線75と、その検知素子50の参照層12の延在方向X12と、の間の第2角度β2の絶対値は、67.5度である。
第3グループG3及び第4グループG4においては、複数の検知素子50のそれぞれの重心55と、膜部70の重心70cと、を通る放射線75と、その検知素子50の磁化自由層11の延在方向X11と、の間の第1角度β1の絶対値は、22.5度である。
第3グループG3及び第4グループG2においては、複数の検知素子50のそれぞれの重心55と、膜部70の重心70cと、を通る放射線75と、その検知素子50の参照層12の延在方向X12と、の間の第2角度β2の絶対値は、22.5度である。
このように、第1角度β1及び第2角度β2は、複数の検知素子50において、変えても良い。
例えば、外部磁界Hexを印加し、この外部磁界Hexを除去することで、それぞれの検知素子50における磁化方向が設定される。
例えば、第1グループG1においては、膜部70の重心70cから1つの検知素子50の重心55に向かう方向(放射線75に対して平行な方向)から、その検知素子50の磁化自由層11の磁化方向11m(例えば磁化11amの方向)までの角度は、+112.5度である。一方、その検知素子50の重心55から膜部70の重心70cに向かう方向(放射線75に対して平行な方向)から、その検知素子50の参照層12の磁化方向12mまでの角度は、−112.5度である。
例えば、第3グループG3においては、膜部70の重心70cから1つの検知素子50の重心55に向かう方向(放射線75に対して平行な方向)から、その検知素子50の磁化自由層11の磁化方向11m(例えば磁化11amの方向)までの角度は、+157.5度である。一方、膜部70の重心70cからその検知素子50の重心55に向かう方向(放射線75に対して平行な方向)から、その検知素子50の参照層12の磁化方向12mまでの角度は、+22.5度である。
例えば、第2グループG2においては、膜部70の重心70cから1つの検知素子50の重心55に向かう方向(放射線75に対して平行な方向)から、その検知素子50の磁化自由層11の磁化方向11m(例えば磁化11amの方向)までの角度は、+67.5度である。一方、その検知素子50の重心55から膜部70の重心70cに向かう方向(放射線75に対して平行な方向)から、その検知素子50の参照層12の磁化方向12mまでの角度は、−67.5度である。
例えば、第4グループG4においては、膜部70の重心70cから1つの検知素子50の重心55に向かう方向(放射線75に対して平行な方向)から、その検知素子50の磁化自由層11の磁化方向11m(例えば磁化11amの方向)までの角度は、−22.5度である。一方、膜部70の重心70cからその検知素子50の重心55に向かう方向(放射線75に対して平行な方向)から、その検知素子50の参照層12の磁化方向12mまでの角度は、−157.5度である。
このように、複数のグループの間で、磁化自由層11の磁化方向11mと、放射線75と、の関係、及び、参照層12の磁化方向12mと、放射線75と、の関係が互いに異なる。
既に説明したように、円形の膜部70においては、歪Saの方向は、放射線75に沿う。第1グループG1に含まれる検知素子50において得られる特性の極性は、第2グループG2に含まれる検知素子50において得られる特性の極性と同じである。第3グループG3に含まれる検知素子50において得られる特性の極性は、第4グループG4に含まれる検知素子50において得られる特性の極性と同じである。第1グループG1に含まれる検知素子50において得られる特性の極性は、第3グループG3に含まれる検知素子50において得られる特性の極性とは、逆である。
この例では、磁化自由層11の延在方向X11と、参照層12の延在方向X12と、の間の角度αが135度である。この場合、歪Saがゼロにおける電気抵抗Rは、複数の検知素子50において同じになる。
第1グループG1及び第2グループG2の検知素子50において得られる特性は、第3グループG3及び第4グループG4の検知素子50において得られる特性と、正及び負の歪Saに対して、互いに逆の歪センサ特性を示す。
互いに逆極性の複数の検知素子50を用いてブリッジ回路を形成することで、後述するように、例えば、出力が増大する。例えば、温度補償の機能が得られる。
図12に示した例では、第1検知素子50aにおいては、第1磁性層11aの延在方向と、第2磁性層12aの延在方向と、を平均した方向は、放射線75に対して実質的に平行である。例えば、第1検知素子50aにおいて、膜部70の上面70uの重心70cと、上面70uに対して平行な平面内において第1磁性層11aと第2磁性層12aとが重なる領域の重心55と、を通る直線を第1直線LN1とする。第1直線LN1と、第1方向X1と、の間の角度(第1角度β1)の絶対値と、第1直線LN1と、第2方向X2と、の間の角度(第2角度β2)の絶対値と、の差は、5度以下である。そして、第1角度β1の絶対値は、45度以上90度以下である。第2角度β2の絶対値も、45度以上90度以下である。この例では、これらの角度は、67.5度である。
図12に示した例では、第3検知素子50cにおいては、第5磁性層11cの延在方向と、第6磁性層12cの延在方向と、を平均した方向は、放射線75に対して実質的に垂直である。図12に示した例において、第3検知素子50cが設けられている位置に第1検知素子50aを配置しても良い。このとき、膜部70の上面70uの重心70cと、上面70uに対して平行な平面内において第1磁性層11aと第2磁性層12aとが重なる領域の重心55と、を通る線を第1直線LN1とする。このとき、第3検知素子50cの位置に配置された第1検知素子50aにおいて、第1直線LN1と、第1方向X1と、の間の角度(第1角度β1)の絶対値と、第1直線LN1と、第2方向X2と、の間の角度(第2角度β2)の絶対値と、の差は5度以下である。そして、第1角度β1の絶対値は、0度以上45度以下である。第2角度β2の絶対値は、0度以上45度以下である。この例では、これらの角度は、22.5度である。
図13(a)〜図13(d)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的平面図である。
図13(a)及び図13(b)に表したように、圧力センサ114a及び114bにおいては、膜部70の平面形状は扁平円(楕円を含む)である。図13(c)に表したように、圧力センサ114cにおいては、膜部70の平面形状は正方形である。図13(d)に表したように、圧力センサ114dにおいては、膜部70の平面形状は長方形である。実施形態において、膜部70の平面形状は、多角形(正多角形)でも良い。
圧力センサ114a及び114cにおいては、検知素子50のそれぞれと、膜部70の重心70cと、の間の距離は、複数の検知素子50どうしの間において同じである。
圧力センサ114b、114c及び114dにおいては、膜部70の外縁70rと、検知素子50と、の間の距離は、複数の検知素子50どうしの間において同じである。
圧力センサ114a〜114dにおいて、複数の検知素子50は、例えば、膜部70の重心70cを通る放射状に配置される。
図13(a)〜図13(d)に示した例では、検知素子50の数は4である。実施形態において、検知素子50の数は任意である。
図14(a)〜図14(d)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的平面図である。
図14(a)に表したように、圧力センサ115aにおいては、膜部70の平面形状は、円形である。膜部70の外縁70rは、円形である。複数の検知素子50は、円形の外縁70rに沿って配置されている。
図14(b)に表したように、圧力センサ115bにおいては、膜部70の平面形状は、扁平円形(楕円も含む)である。膜部70の外縁70rは、扁平円形である。複数の検知素子50は、扁平円形の外縁70rに沿って配置されている。
圧力センサ115a及び115bにおいて、複数の検知素子50のそれぞれと、外縁70rと、の間の距離(最短距離Lmin)は、互いに同じである。この例では、複数の検知素子50のそれぞれの中心は、外縁70rからの距離が最短距離Lminである位置に配置されている。
図14(c)に表したように、圧力センサ115bにおいては、膜部70の平面形状は、正方形である。複数の検知素子50は、正方形の辺に沿って配置されている。
図14(d)に表したように、圧力センサ115dにおいては、膜部70の平面形状は、長方形である。複数の検知素子50は、長方形の辺に沿って配置されている。
図14(b)に例示したように、1つの直線(例えば第2直線)が、膜部70の上面70uの外縁70rと、第1磁性層11aと第2磁性層12aとが重なる領域の重心と、を最短距離で結ぶ。第2直線と、第1方向X1と、の間の角度を第3角度とする。第2直線と、第2方向X2と、の間の角度を第4角度とする。第3角度の絶対値と、第4角度の絶対値と、の差は、例えば、5度以下である。
第3角度の絶対値は、30度以上60度以下である。第4角度の絶対値は、30度以上60度以下である。第3角度の絶対値、及び、第4角度の絶対値を30度以上60度以下とすることで、例えば、正負の圧力に対する電気抵抗変化のダイナミックレンジを広くすることができる。第3角度の絶対値は、45度以上90度以下でも良い。第3角度の絶対値は、0度以上45度以下でも良い。第4角度の絶対値は、45度以上90度以下でも良い。第4角度の絶対値は、0度以上45度以下でも良い。
実施形態において、膜部70の上面70uの外縁70rと、第1磁性層11aと第2磁性層12aとが重なる領域の重心と、を最短距離で結ぶ直線を第2直線とする。上面70uの外縁70rと、第3磁性層11bと第4磁性層12bとが重なる領域の重心と、を最短距離で結ぶ直線を第4直線とする。第2直線と、第1方向X1と、の間の角度を第3角度とする。第4直線と、第3方向X3と、の間の角度を第6角度とする。例えば、第3角度の絶対値と、第6角度の絶対値と、の差は、5度以下である。
図15(a)〜図15(c)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式図である。
これらの図は、複数の検知素子の接続状態の例を示している。
図15(a)に表したように、実施形態に係る圧力センサ116aにおいては、複数の検知素子50は、電気的に直列に接続されている。直列に接続されている検知素子50の数をNとしたとき、得られる電気信号は、検知素子50の数が1である場合のN倍となる。その一方で、熱ノイズ及びショットキーノイズは、N1/2倍になる。すなわち、SN比(signal-noise ratio:SNR)は、N1/2倍になる。直列の接続する検知素子50の数Nを増やすことで、膜部70のサイズを大きくすることなく、SN比を改善することができる。
例えば、形状異方性を有する膜部70を用いることで、膜部70の重心70c付近に集合して配置された複数の検知素子50のそれぞれの、圧力に対する電気抵抗Rの変化(例えば極性)は、同様である。そのため、複数の検知素子50のそれぞれの信号を加算することが可能である。
1つの検知素子50に加えられるバイアス電圧は、例えば、50ミリボルト(mV)以上150mV以下である。N個の検知素子50を直列に接続した場合は、バイアス電圧は、50mV×N以上150mV×N以下となる。例えば、直列に接続されている検知素子50の数Nが25である場合には、バイアス電圧は、1V以上3.75V以下となる。
バイアス電圧の値が1V以上であると、検知素子50から得られる電気信号を処理する電気回路の設計が容易になり、実用的に好ましい。例えば、圧力が生じるときに同じ極性の電気信号が得られる複数の検知素子50を設ける。これらの検知素子を直列に接続することで、上記のように、SN比が向上できる。
バイアス電圧(端子間電圧)が10Vを超えると、検知素子50から得られる電気信号を処理する電気回路においては、望ましくない。実施形態においては、適切な電圧範囲になるように、直列に接続される検知素子50の数N、及び、バイアス電圧が設定される。
例えば、複数の検知素子50を電気的に直列に接続したときの電圧は、1V以上10V以下となるのが好ましい。例えば、電気的に直列に接続された複数の検知素子50の端子間(一方の端の端子と、他方の端の端子と、の間)に印加される電圧は、1V以上10V以下である。
この電圧を発生させるためには、1つの検知素子50に印加されるバイアス電圧が50mVである場合、直列に接続される検知素子50の数Nは、20以上200以下が好ましい。1つの検知素子50に印加されるバイアス電圧が150mVである場合、直列に接続される検知素子50の数Nは、7以上66以下であることが好ましい。
図15(b)に表したように、実施形態に係る圧力センサ116bにおいては、複数の検知素子50が、電気的に並列に接続されている。実施形態において、複数の検知素子50の少なくとも一部は、電気的に並列に接続されても良い。
図15(c)に表したように、実施形態に係る圧力センサ116cにおいては、複数の検知素子50がホイートストンブリッジ回路を形成するように、複数の検知素子50が接続されている。これにより、例えば、検出特性の温度補償を行うことができる。
図16(a)〜図16(c)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的斜視図である。
これらの図は、複数の検知素子における接続の例を示している。
図16(a)に表したように、実施形態に係る圧力センサ117aにおいては、複数の検知素子50が電気的に直列に接続される。第1電極ELa1(例えば第1配線61)と、第2電極ELa2(例えば第2配線62)と、の間に検知素子50及びビアコンタクト65が設けられている。これにより、複数の検知素子50において、通電方向は、一方向となる。複数の検知素子50に通電される電流は、下向き、または、上向きである。この接続においては、複数の検知素子50のそれぞれのシグナル・ノイズ特性を互いに近い特性にできる。
図16(b)に表したように、実施形態に係る圧力センサ117bにおいては、ビアコンタクト65が設けられずに、第1電極ELa1と、第2電極ELa2と、の間に検知素子50が配置されている。この例では、隣り合う2つの検知素子50のそれぞれに通電される電流の方向は、互いに逆である。この接続においては、複数の検知素子50の配置の密度が高い。
図16(c)に表したように、実施形態に係る圧力センサ117cにおいては、1つの第1電極ELa1と、1つの第2電極ELa2と、の間に、複数の検知素子50が設けられている。複数の検知素子50は、並列に接続されている。
図17(a)〜図17(e)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的斜視図である。
図17(a)に表したように、実施形態に係る圧力センサ118aにおいては、第1検知素子50aにおいて、第1中間層13a(第1中間部13au)の平面形状が、第1磁性層11aの平面形状と同じである。すなわち、例えば、X−Y平面(膜部70の上面70uに対して平行な平面)内における第1中間部13auの形状は、X−Y平面における第1磁性層11aの形状と同じである。
図17(b)に表したように、実施形態に係る圧力センサ118bにおいては、第1中間層13a(第1中間部13au)の平面形状が、第1磁性層11aの平面形状とは異なり、第2磁性層12aの平面形状とも異なる。例えば、X−Y平面内における第1中間部13auの形状は、X−Y平面において第1磁性層11aと第2磁性層12aとが重なる領域の形状と同じである。
図17(c)に表したように、実施形態に係る圧力センサ118cにおいては、第1中間部13auは、第1中間層13aと第1磁性層11aとの間に設けられた第1中間磁性層13aaと、第1中間層13aと第2磁性層12aとの間に設けられた第2中間磁性層13abと、をさらに含む。
この例では、例えば、X−Y平面内における第1中間部13auの形状は、X−Y平面内において第1磁性層11aと第2磁性層12aとが重なる領域の形状と同じである。
第1中間磁性層13aaと、第2中間磁性層13abと、を設けることで、磁気抵抗効果に寄与する、第1中間磁性層13aaと第1中間層13aと第1中間磁性層13aaとを含む積層膜を、減圧中で一貫して成膜して形成することができる。これにより、例えば、高い磁気抵抗効果が得られる。
例えば、第1磁性層11aと第1中間磁性層13aaとは、磁気的に結合している。第1中間磁性層13aaの磁化方向は、第1磁性層11aの磁化方向に沿っている。第2磁性層12aと第2中間磁性層13abとは、磁気的に結合している。第2中間磁性層13abの磁化方向は、第2磁性層12aの磁化方向に沿っている。
第1中間磁性層13aaの平面形状及び第2中間磁性層13abの平面形状が実質的に形状異方性を有していない場合においても、第1磁性層11aの平面形状及び第2磁性層12aの平面形状が形状異方性を有していることで、第1中間磁性層13aaの初期磁化及び第2中間磁性層13abの初期磁化を、制御することができる。
第1中間磁性層13aa及び第2中間磁性層13abの少なくともいずれかには、例えば、第1磁性層11aに関して説明した材料を用いることができる。
図17(d)に表したように、実施形態に係る圧力センサ118dにおいては、第1中間部13auは、第1中間層13aと、第1中間磁性層13aaと、を含む。この場合も例えば、X−Y平面内における第1中間部13auの形状は、X−Y平面内において第1磁性層11aと第2磁性層12aとが重なる領域の形状と同じである。
第1中間磁性層13aaを設けることで、磁気抵抗効果に寄与する、第1中間層13aと第1中間磁性層13aaとを含む積層膜を、減圧中で一貫して成膜して形成することができる。これにより、例えば、高い磁気抵抗効果が得られる。
このときも、例えば、第1磁性層11aと第1中間磁性層13aaとは、磁気的に結合している。第1中間磁性層13aaの磁化方向は、第1磁性層11aの磁化方向に沿っている。
図17(e)に表したように、実施形態に係る圧力センサ118eにおいては、第1中間部13auは、第1中間層13aと、第2中間磁性層13abと、を含む。この場合も例えば、X−Y平面内における第1中間部13auの形状は、X−Y平面内において第1磁性層11aと第2磁性層12aとが重なる領域の形状と同じである。
第2中間磁性層13abを設けることで、磁気抵抗効果に寄与する、第1中間層13aと第2中間磁性層13abとを含む積層膜を、減圧中で一貫して成膜して形成することができる。これにより、例えば、高い磁気抵抗効果が得られる。
このときも、例えば、第2磁性層12aと第2中間磁性層13abとは、磁気的に結合している。第2中間磁性層13abの磁化方向は、第2磁性層11bの磁化方向に沿っている。
図18(a)及び図18(b)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的平面図である。
図18(a)に表した例では、第1磁性層11aの平面形状は、長方形であり、第2磁性層12aの平面形状は、長方形である。図18(b)に表した例では、第1磁性層11aの平面形状は、楕円形であり、第2磁性層12aの平面形状は、楕円形である。
例えば、第1磁性層11aの平面形状は、平行四辺形などの四角形でも良く、扁平円(楕円を含む)でも良い。例えば、第2磁性層12aの平面形状は、平行四辺形などの四角形でも良く、扁平円(楕円を含む)でも良い。
例えば、第1検知素子50aにおいて、第1長軸長L1は、第1短軸長D1の2倍以上である。第2長軸長L2は、第2短軸長D2の2倍以下である。
実施形態において、磁化自由層11(例えば第1磁性層11a)のサイズ、及び、参照層12(例えば第2磁性層12a)のサイズは、小さくても十分に高い感度で、圧力を検知できる。
そのため、第1磁性層11aの面積と、第2磁性層12aの面積は、膜部70の面積よりも十分に小さくできる。例えば、第1磁性層11aの面積、及び、第2磁性層12aの面積のそれぞれは、例えば、膜部70の面積の1/5以下である。
例えば、膜部70の直径が60μm程度の場合には、第1磁性層11aの第1短軸長D1と、第2磁性層12aの第2短軸長D2と、のそれぞれは、例えば、12μm以下である。
例えば、膜部70の直径が600μm程度の場合には、第1磁性層11aの第1短軸長D1と、第2磁性層12aの第2短軸長D2と、のそれぞれは、例えば、120μm以下である。
例えば、検知素子50の加工精度などを考慮すると、第1磁性層11a及び第2磁性層12aは、過度に小さくなくても良い。例えば、第1短軸長D1、及び、第2短軸長D2のそれぞれは、例えば、0.05μm以上、30μm以下でも良い。
第1磁性層11aの第1長軸長L1、及び、第2磁性層12aの第2長軸長L2のそれぞれは、例えば、0.1μm以上、60μm以下が好ましい。
上記の説明は、圧力センサ110、111、112a〜112c、113a、113b、116a〜116c、117a〜117c、及び、118a〜118eのいずれか、並びに、それらの変形に適用される。
図19(a)〜図19(d)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的平面図である。
図19(a)に示した例では、X−Y平面内における第1中間部13auの形状は、X−Y平面内において第1磁性層11aと第2磁性層12aとが重なる領域の形状と同じである。
図19(b)に示した例では、X−Y平面内における第1中間部13auは、X−Y平面内において第1磁性層11aと第2磁性層12aとが重なる領域の内側に位置する。
図19(c)に示した例では、X−Y平面内における第1中間部13auの外縁は、X−Y平面内において第1磁性層11aと第2磁性層12aとが重なる領域の外縁の外側に位置する。
図19(d)に示した例では、X−Y平面内における第1中間部13auの形状は円形であり、X−Y平面内において第1磁性層11aと第2磁性層12aとが重なる領域の形状は矩形である。
図19(b)及び図19(d)に示した例では、第1中間部13auを、X−Y平面(膜部70の上面70uに対して平行な平面)内における第1中間部領域の外縁13aurは、X−Y平面内において第1磁性層11aと第2磁性層12aとが重なる領域の外縁15rの内側である。
図20は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式的斜視図である。
図20に表したように、本実施形態に係る別の圧力センサ120においても、第1検知素子50aは、膜部70の上面70uの上に設けられる。第1検知素子50aは、第1磁性層11a、第1中間部13au及び第2磁性層12aに加え、上層磁性層12pと、中層磁性層11pと、上層中間部13quと、中層中間部13puと、をさらに含む。
この例では、上層磁性層12pと膜部70との間に、第1磁性層11aの少なくとも一部が配置される。上層磁性層12pと第1磁性層11aとの間に、第2磁性層12aの少なくとも一部が配置される。上層磁性層12pと、第2磁性層12aとの間に、中層磁性層11pの少なくとも一部が配置される。上層磁性層12pと、中層磁性層11pとの間に、上層磁性層12pの少なくとも一部が配置される。
上層磁性層12pと中層磁性層11pとの間に、上層中間部13quの少なくとも一部が配置される。中層磁性層11pと第2磁性層12aとの間に、中層中間部13puの少なくとも一部が配置される。
この例では、上層中間部13quは、上層中間層13qと、上側磁性層13qbと、下側磁性層13qaと、を含む。上側磁性層13qbの少なくとも一部は、上層中間層13qと、上層磁性層12pと、の間に設けられる。下側磁性層13qaの少なくとも一部は、上層中間層13qと、中層磁性層11pと、の間に設けられる。
この例では、中層中間部13puは、中層中間層13pと、上側磁性層13pbと、下側磁性層13paと、を含む。上側磁性層13pbの少なくとも一部は、中層中間層13pと、中層磁性層11pと、の間に設けられる。下側磁性層13paの少なくとも一部は、中層中間層13pと、第2磁性層12aと、の間に設けられる。
上層磁性層12pには、例えば、第2磁性層12aに関して説明した構成及び材料が適用できる。中層磁性層11pには、例えば、第1磁性層11aに関して説明した構成及び材料が適用できる。
上層中間層13q及び中層中間層13pの少なくともいずれかには、第1中間層13aに関して説明した構成及び材料が適用できる。上側磁性層13qb及び上側磁性層13pbの少なくともいずれかには、第2中間磁性層13abに関して説明した構成及び材料が適用できる。下側磁性層13qa及び下側磁性層13paの少なくともいずれかには、第1中間磁性層13aaに関して説明した構成及び材料が適用できる。
例えば、中層磁性層11p及び上層磁性層12pの少なくともいずれかとして、磁化自由層を用いても良い。
例えば、中層磁性層11pは、形状異方性を有する。上層磁性層12pは、形状異方性を有する。この例では、中層磁性層11pの延在方向は、第1磁性層11aの延在方向(第1方向X1)に沿っている。上層磁性層12pの延在方向は、第2磁性層12aの延在方向(第2方向X2)に沿っている。
実施形態において、中層磁性層11pの延在方向が、第1磁性層11aの延在方向と交差しても良い。上層磁性層12pの延在方向が、第2磁性層12aの延在方向(第2方向X2)と交差しても良い。
圧力センサ120の構成を、圧力センサ110、111、112a〜112c、113a、113b、116a〜116c、117a〜117c、及び、118a〜118eのいずれか、並びに、それらの変形に適用しても良い。
以下、圧力センサ118cの製造方法の例について説明する。
図21(a)〜図21(m)は、第1の実施形態に係る圧力センサの製造方法を例示する工程順模式的斜視図である。
図21(a)に表したように、第1電極ELa1の上に第1磁性層11aとなる第1磁性膜11afを形成する。第1電極ELa1の上に、下地層11alを形成し、下地層11alの上に第2磁性膜11afを形成しても良い。図20(a)では、下地層11alは、省略されている。
下地層11al及び第1磁性膜11afの形成の前に、第1電極ELa1となる膜を加工して、第1電極ELa1の平面形状を形成しても良い。または、検知素子に含まれる積層膜の加工が終了した後に、第1電極ELa1を加工して、第1電極ELa1の平面形状を形成しても良い。
第1磁性膜11afの上に、キャップ層(図示しない)を成膜してもよい。このキャップ層は、第1磁性膜11afが大気中にさらされた際の酸化等を抑制することができる。このキャップ層は、後述するように、中間部の成膜前に、物理エッチングで取り除くことができる。
例えば、第1電極ELa1の上に、Ta(5nm)/Cu(5nm)/CoFeSiB(12nm)/MgO(3nm)が形成される。Ta(5nm)/Cu(5nm)は下地層に対応する。CoFeSiB(12nm)は、第1磁性膜11afに対応する。MgO(3nm)は、キャップ層に対応する。
図21(b)に表したように、下地層11al/第1磁性膜11af/キャップ層を含む膜を、形状異方性を有する形状に加工する。この工程では、例えば、レジストをフォトリソグラフィによりパターニングし、その後、図示しないレジストパターンをマスクとして用いて、物理ミリングまたは化学ミリングが実施される。これにより、第1磁性層11aが形成される。
図21(c)に表したように、下地層11al/第1磁性層11a/キャップ層を含む膜の周辺に、絶縁層11ifの埋め込み成膜を行う。例えば、リフトオフ工程が行われる。例えば、図21(c)のフォトリソグラフィで形成したレジストパターンは残したままで、全面に絶縁層11ifを成膜し、その後レジストパターンを除去する。絶縁層11ifとして、例えば、SiOx、AlOx、SiNx及びAlNxの少なくともいずれかが用いられる。
図21(d)に表したように、物理ミリングによって、第1磁性層11a上に設けられたキャップ層の一部と、周辺の絶縁層11ifの一部と、を除去する。キャップ層を設けなかった場合は、この工程で、第1磁性層11aのうちの酸化された一部を物理ミリングにより除去する。例えば、第1磁性層11aとして、大気暴露しても酸化されにくい材料を用いている場合には、図21(d)の工程は必ずしも行わなくてもよい。
この工程では、例えば、図21(a)に関して説明した工程で形成したTa(5nm)/Cu(5nm)/CoFeSiB(12nm)/MgO(3nm)の一部を除去する。これにより、Ta(5nm)/Cu(5nm)/CoFeSiB(8nm)の構造が形成される。
例えば、後述する図21(e)に示す工程と、図21(d)に示す工程と、を同一の装置を用いて減圧中で一貫して行う。これにより、図21(d)の工程後の第1磁性層11aの表面を清浄な状態に保ったままで、図21(e)の中間部の成膜を行うことができる。
図21(e)に表したように、第1中間磁性層13aaと、第1中間層13aと、第2中間磁性層13abと、を含む第1中間部13auを形成する。第2中間磁性層13ab上に、キャップ層13acを設けても良い。例えば、CoFeB(2nm)/MgO(2nm)/CoFeB(6nm)/MgO(3nm)を形成する。CoFeB(2nm)が、第1中間磁性層13aaに対応する。MgO(2nm)が、第1中間層13aに対応する。CoFeB(6nm)が、第2中間磁性層13abに対応する。MgO(3nm)が、キャップ層13acに対応する。
図21(f)に表したように、第1中間磁性層13aa/第1中間層13a/第2中間磁性層13ab/キャップ層13acを、所定の平面形状に加工する。この工程では、レジストをフォトリソグラフィによりパターニングし、その後、図示しないレジストパターンをマスクとして用いて、物理ミリングまたは化学ミリングが実施される。
図21(g)に表したように、第1中間磁性層13aa/第1中間層13a/第2中間磁性層13ab/キャップ層13acの周辺に絶縁層11ifaの埋め込み成膜を行う。この工程では、例えば、リフトオフ工程が行われる。例えば、図21(f)のフォトリソグラフィで形成したレジストパターンは残したままで、全面に絶縁層11ifaを成膜し、その後レジストパターンを除去する。絶縁層11ifaとして、例えば、SiOx、AlOx、SiNx及びAlNxの少なくともいずれかが用いられる。
図21(h)に表したように、物理ミリングによって、第2中間磁性層13abの上に設けられたキャップ層13acの一部と、周辺の絶縁層11ifaの一部と、を除去する。
キャップ層13acを設けなかった場合は、第2中間磁性層13abのうちで酸化された一部を物理ミリングにより除去する。第2中間磁性層13abとして、大気暴露しても酸化しにくい材料を用いている場合には、図21(h)の工程は必ずしも行わなくてもよい。
この工程では、例えば、図21(e)で成膜したCoFeB(2nm)/MgO(2nm)/CoFeB(6nm)/MgO(3nm)の一部を除去する。これにより、CoFeB(2nm)/MgO(2nm)/CoFeB(2nm)の構造が形成される。
後述する図21(i)の工程と、図21(h)に示す工程と、を同一の装置を用いて、減圧中で一貫して実施する。これにより、図21(h)の工程後の第2中間磁性層13abの表面を清浄な状態に保ったままで、図21(i)に示す第2磁性層12aとなる膜の形成を行うことができる。
図21(i)に表したように、第2磁性層12aとなる第2磁性膜12afと、キャップ層12acとなるキャップ膜12acfと、を形成する。例えば、CoFeSiB(4nm)/Cu(5nm)/Ru(10nm)を成膜する。CoFeSiB(4nm)が第2磁性膜12af(第2磁性層12a)に対応する。Cu(5nm)/Ru(10nm)がキャップ膜12acf(キャップ層12ac)に対応する。
図21(j)に表したように、第2磁性膜12afとキャップ膜12acfとを、形状異方性を有する形状に加工する。これにより、第2磁性層12a及びキャップ層12acが形成される。この工程では、レジストをフォトリソグラフィによりパターニングし、その後、図示しないレジストパターンをマスクとして用いて、物理ミリングまたは化学ミリングが実施される。
図21(k)に表したように、第2磁性層12a及びキャップ層12acの周辺に絶縁層11ifbの埋め込み成膜を行う。この工程では、例えば、リフトオフ工程が行われる。例えば、図21(j)のフォトリソグラフィで形成したレジストパターンは残したままで、全面に絶縁層11ifbを成膜し、その後レジストパターンを除去する。絶縁層11ifbとして、例えば、SiOx、AlOx、SiNx及びAlNxの少なくともいずれかが用いられる。
図21(l)に表したように、物理ミリングによって、キャップ層12acの一部と、周辺の絶縁層11ifbの一部と、を除去する。キャップ層12acを設けなかった場合は、第2磁性層12aのうちで酸化された一部を物理ミリングにより除去する。例えば、第2磁性層12aとして、大気暴露しても酸化しにくい材料を用いている場合には、図21(l)の工程は必ずしも行わなくてもよい。
この工程では、例えば、図21(i)で成膜したCoFeSiB(4nm)/Cu(5nm)/Ru(10nm)の一部を除去する。これにより、CoFeSiB(4nm)/Cu(5nm)/Ru(5nm)の構造が形成される。後述する図21(m)の工程と、図21(l)に示す工程と、を同一の装置を用いて減圧中で一貫して実施する。これにより、図21(l)の工程後のキャップ層12acの表面を清浄な状態に保ったままで、図21(m)の第2磁性層12aの成膜を行うことができる。
図21(m)に示すように、第2電極ELa2形成を行う。
このような工程により、第1検知素子50aが形成される。
図22(a)〜図22(f)は、第1の実施形態に係る圧力センサの製造方法を例示する工程順模式図である。
図22(a)、図22(c)及び図22(e)は、模式的平面図である。図22(b)は、図22(a)のB1−B2線断面図である。図22(d)は、図22(c)のB3−B4線断面図である。図22(f)は、図22(e)のB5−B6線断面図である。これらの図は、隣り合う検知素子50の構造の例についても示している。
図22(a)及び図22(b)に表したように、第1電極ELa1の上に、第1磁性層11aを形成する。図22(c)及び図22(d)に表したように、第1磁性層11aの上に、第1中間部13auを形成する。図22(e)及び図22(f)に表したように、第1中間部13auの上に、第2磁性層12aを形成する。このようにして、検知素子50(第1検知素子50a)が形成される。
この例では、第1中間部13auを、第1磁性層11aとは別に、第2磁性層12aとは別に形成する。
この場合、図22(e)及び図22(f)に例示したように、異なる検知素子50どうしにおいて、X−Y平面に投影したときに、第1磁性層11aと第2磁性層12aとが互いに重なるように設けても良い。異なる検知素子50において、中間部が重ならなければ、異なる検知素子50は、電気的に独立して動作させることができる。例えば、検知素子50に設けられる第1電極ELa1及び第2電極ELa2の配置によって、複数の検知素子50は、直列及び並列の少なくともいずれかで接続できる。異なる検知素子50どうしにおいて、第1磁性層11aと第2磁性層12aとが互いに重なることで、複数の検知素子50を高密度で配置することができる。
以下、圧力センサ110の製造方法の例について説明する。
図23(a)〜図23(e)は、実施形態に係る圧力センサの製造方向を例示する工程順模式的斜視図である。
図23(a)に表したように、基板71(例えばSi基板)の上に薄膜70fを形成する。基板71は、支持部70sとなる。薄膜70fは、膜部70となる。
例えば、Si基板上に、SiOx/Siの薄膜70fをスパッタにより形成する。薄膜70fとして、SiOx単層、SiN単層、または、Alなどの金属層を用いても良い。また、薄膜70fとして、ポリイミドまたはパラキシリレン系ポリマーなどのフレキシブルプラスティック材料を用いても良い。SOI(Silicon On Insulator)基板を、基板71及び薄膜70fとして用いても良い。SOIにおいては、例えば、基板の貼り合わせによってSi基板上にSiO2/Siの積層膜が形成される。
図23(b)に表したように、第1配線61を形成する。この工程においては、第1配線61となる導電膜を形成し、その導電膜を、フォトリソグラフィ及びエッチングにより加工する。第1配線61の周辺を絶縁膜で埋め込む場合、リフトオフ処理を適用しても良い。リフトオフ処理においては、例えば、第1配線61のパターンのエッチング後、レジストを剥離する前に、絶縁膜を全面に成膜して、その後レジストを除去する。
図23(c)に表したように、検知素子50を形成する。この工程においては、検知素子50となる積層膜を形成し、その積層膜を、フォトリソグラフィ及びエッチングにより加工する。検知素子50の積層体の側壁を絶縁層11iで埋め込む場合、リフトオフ処理を適用しても良い。リフトオフ処理において、例えば、積層体の加工後、レジストを剥離する前に、絶縁層11iを全面に成膜して、その後レジストを除去する。
図23(d)に表したように、第2配線62を形成する。この工程においては、第1配線62となる導電膜を形成し、その導電膜を、フォトリソグラフィ及びエッチングにより加工する。第2配線62の周辺を絶縁膜で埋め込む場合、リフトオフ処理を適用しても良い。リフトオフ処理において、第2配線62の加工後、レジストを剥離する前に、絶縁膜を全面に成膜して、その後レジストを除去する。
図23(e)に表したように、基板71の裏面からエッチングを行い、空洞部71hを形成する。これにより、膜部70及び支持部70sが形成される。例えば、膜部70となる薄膜70fとして、SiOx/Siの積層膜を用いる場合は、薄膜70fの裏面(下面)から表面(上面)へ向かって、基板71の深堀加工を行う。これにより、空洞部71hが形成される。空洞部71hの形成においては、例えば両面アライナ露光装置を用いることができる。これにより、表面の検知素子50の位置に合わせて、レジストのホールパターンを裏面に形成できる。
Si基板のエッチングにおいて、例えばRIEを用いたボッシュプロセスが用いることができる。ボッシュプロセスでは、例えば、SF6ガスを用いたエッチング工程と、C4F8ガスを用いた堆積工程と、を繰り返す。これにより、基板71の側壁のエッチングを抑制しつつ、基板71の深さ方向(Z軸方向)に選択的にエッチングが行われる。エッチングのエンドポイントとして、例えば、SiOx層が用いられる。すなわち、エッチングの選択比がSiとは異なるSiOx層を用いてエッチングを終了させる。エッチングストッパ層として機能するSiOx層は、膜部70の一部として用いられても良い。SiOx層は、エッチングの後に、例えば、無水フッ化水素及びアルコールなどの処理などで除去されても良い。
このようにして、実施形態に係る圧力センサ110が形成される。実施形態に係る他の圧力センサも同様の方法により製造できる。
図24(a)〜図24(c)は、第1の実施形態に係わる圧力センサを例示する模式的断面図である。
図24(a)及び図24(b)に例示した圧力センサにおいては、第2磁性層12aの参照層に、磁化固定層が用いられている。図24(c)に例示した圧力センサにおいては、2つの磁化固定層が用いられる。
これらの図は、検知素子50(第1検知素子50a)を例示している。
図24(a)に表した例では、第1検知素子50aは、第1電極ELa1(下部電極)と、下地層11alと、第1磁性層11aと、第1中間層13aと、第2磁性層12aと、ピニング層32と、キャップ層12acと、第2電極ELa2(上部電極)と、を含む。第1電極ELa1と第2電極ELa2との間に、第1磁性層11aが設けられる。第1磁性層11aと第2電極ELa2との間に第2磁性層12aが設けられる。第1磁性層11aと第2磁性層12aとの間に第1中間層13aが設けられる。第1磁性層11aと第1電極ELa1との間に下地層11alが設けられる。第2磁性層12aと第2電極ELa2との間にキャップ層12acが設けられる。第2磁性層12aとキャップ層12acとの間にピニング層32が設けられる。
図24(b)に表した例では、第1検知素子50aは、第1電極ELa1(下部電極)と、下地層11alと、ピニング層31と、第2磁性層12aと、第1中間層13aと、第1磁性層11aと、キャップ層12acと、第2電極ELa2(上部電極)と、を含む。第1電極ELa1と第2電極ELa2との間に、第1磁性層11aが設けられる。第1電極ELa1と第1磁性層11aとの間に第2磁性層12aが設けられる。第1磁性層11aと第2磁性層12aとの間に第1中間層13aが設けられる。第2磁性層12aと第1電極ELa1との間に下地層11alが設けられる。第1磁性層11aと第2電極ELa2との間にキャップ層12acが設けられる。第2磁性層12aと下地層11alとの間にピニング層31が設けられる。
図24(c)に例示した圧力センサにおいては、図24(b)に例示した圧力センサに対して、第2磁性層12aとキャップ層12acとの間に、上部中間層34がさらに設けられる。上部中間層34とキャップ層12aとの間に上部ピン層33がさらに設けられる。上部ピン層33とキャップ層12acとの間にピニング層32がさらに設けられる。上部ピン層33には、第1磁性層11aに関して説明した構成が適用できる。上部ピン層33の延在方向は、第1磁性層11aの延在方向と交差する。上部ピン層33の延在方向は、第2磁性層12aの延在方向に沿っても良く、交差しても良い。この例の圧力センサにおいては、例えば、磁化固定層/中間層/磁化自由層/中間層/磁化固定層の構成が適用される。この構成は、例えば、デュアルスピンバルブ型と言われることもある。
図24(a)〜図24(c)に例示した構成において、絶縁層11iをさらに設けても良い。
ピニング層32は、例えば、ピニング層32に接する第2磁性層12a(強磁性層)に、一方向異方性(unidirectional anisotropy)を付与して、第2磁性層12aの磁化を固定する。ピニング層32には、例えば、反強磁性層が用いられる。ピニング層32には、例えば、IrMn、PtMn、PdPtMn及びRuRhMnよりなる群から選択された少なくともいずれかが用いられる。十分な強さの一方向異方性を付与するために、ピニング層32の厚さは適切に設定される。
ピニング層32として、PtMnまたはPdPtMnが用いられる場合には、ピニング層32の厚さは、8nm以上20nm以下が好ましい。ピニング層32の厚さは、10nm以上15nm以下がより好ましい。ピニング層32としてIrMnを用いる場合には、ピニング層32としてPtMnを用いる場合よりも薄い厚さで、一方向異方性を付与することができる。この場合には、ピニング層32の厚さは、4nm以上18nm以下が好ましい。ピニング層32の厚さは、5nm以上15nm以下がより好ましい。ピニング層32には、例えば、7nmの厚さのIr22Mn78層が用いられる。
ピニング層32として、ハード磁性層を用いても良い。ハード磁性層として、例えば、CoPt(Coの比率は、50at.%(原子パーセント)以上85at.%以下)、(CoxPt100−x)100−yCry(xは、50at.%以上85at.%以下であり、yは、0at.%以上40at.%以下)、または、FePt(Ptの比率は、40at.%以上60at.%以下)などを用いても良い。
第2磁性層12aを磁化固定層とする場合、第2磁性層12aには、Fe、Co及びNiよりなる群から選択される少なくとも一つの元素を含む強磁性材料を用いることができる。第1磁性層11aの材料として、例えば、FeCo合金、及び、NiFe合金を用いることができる。第1磁性層11aには、Fe、Co及びNiよりなる群から選択される少なくとも一つの元素とホウ素(B)とを含む合金を用いることができる。例えば、第2磁性層12aには、Co−Fe−B合金、Fe−B合金、または、Fe−Co−Si−B合金などを用いることができる。第2磁性層12aには、例えば、Co40Fe40B20層(厚さは例えば4nm)を用いることができる。
第2磁性層12aを磁化固定層とする場合、第2磁性層12aには、ピニング層側磁化固定層/磁気結合層/中間層側磁化固定層の積層構造を用いることができる。ピニング層側磁化固定層は、ピニング層32と接して配置される。中間層側磁化固定層は、中間層(第1中間層13a)と接して配置される。このような磁化固定層は、シンセティックピン構造と呼ばれる。
ピニング層側磁化固定層として、例えば、CoxFe100−x合金(xは、0at.%以上100at.%以下)、NixFe100−x合金(xは、0at.%以上100at.%以下)、または、これらに非磁性元素を添加した材料が用いられる。ピニング層側磁化固定層として、例えば、Co、Fe及びNiよりなる群から選択された少なくともいずれかが用いられる。第2磁化固定層として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む合金を用いても良い。ピニング層側磁化固定層として、(CoxFe100−x)100−yBy合金(xは、0at.%以上100at.%以下であり、yは、0at.%以上30at.%以下)を用いることもできる。
ピニング層側磁化固定層の厚さは、例えば、1.5nm以上5nm以下が好ましい。これにより、例えば、ピニング層32による一方向異方性磁界の強度をより強くすることができる。例えば、ピニング層側磁化固定層と接して形成される磁気結合層を介して、ピニング層側磁化固定層と中間層側磁化固定層との間の反強磁性結合磁界の強度をより強くすることができる。例えば、ピニング層側磁化固定層の磁気膜厚(飽和磁化Bsと厚さtとの積(Bs・t))は、中間層側磁化固定層の磁気膜厚と、実質的に等しいことが好ましい。
薄膜でのCo40Fe40B20の飽和磁化は、約1.9T(テスラ)である。例えば、中間層側磁化固定層として、3nmの厚さのCo40Fe40B20層を用いると、中間層側磁化固定層の磁気膜厚は、1.9T×3nmであり、5.7Tnmとなる。一方、Co75Fe25の飽和磁化は、約2.1Tである。上記と等しい磁気膜厚が得られるピニング層側磁化固定層の厚さは、5.7Tnm/2.1Tであり、2.7nmとなる。この場合、ピニング層側磁化固定層には、約2.7nmの厚さのCo75Fe25層を用いることが好ましい。ピニング層側磁化固定層として、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。
磁気結合層は、ピニング層側磁化固定層と中間層側磁化固定層との間において、反強磁性結合を生じさせる。磁気結合層は、シンセティックピン構造を形成する。磁気結合層として、例えば、Ruが用いられる。磁気結合層の厚さは、例えば、0.8nm以上1nm以下であることが好ましい。ピニング層側磁化固定層と中間層側磁化固定層との間に十分な反強磁性結合を生じさせる材料であれば、磁気結合層としてRu以外の材料を用いても良い。磁気結合層の厚さは、RKKY(Ruderman-Kittel-Kasuya-Yosida)結合のセカンドピーク(2ndピーク)に対応する0.8nm以上1nm以下の厚さに設定することができる。さらに、磁気結合層の厚さは、RKKY結合のファーストピーク(1stピーク)に対応する0.3nm以上0.6nm以下の厚さに設定しても良い。磁気結合層として、例えば、0.9nmの厚さのRuが用いられる。これにより、高信頼性の結合がより安定して得られる。
中間層側磁化固定層に用いられる磁性層は、MR効果に直接的に寄与する。中間層側磁化固定層として、例えば、Co−Fe−B合金が用いられる。具体的には、中間層側磁化固定層として、(CoxFe100−x)100−yBy合金(xは、0at.%以上100at.%以下であり、yは、0at.%以上30at.%以下)を用いることもできる。
中間層側磁化固定層の上に形成される層(例えばトンネル絶縁層(図示せず))を平坦化することができる。トンネル絶縁層の平坦化により、トンネル絶縁層の欠陥密度を減らすことができる。これにより、より低い面積抵抗で、より大きいMR変化率が得られる。例えば、トンネル絶縁層の材料としてMgOを用いる場合には、中間層側磁化固定層として、(CoxFe100−x)100−yByのアモルファス合金を用いることで、トンネル絶縁層の上に形成されるMgO層の(100)配向性を強めることができる。MgO層の(100)配向性をより高くすることで、より大きいMR変化率が得られる。(CoxFe100−x)100−yBy合金は、アニール時にMgO層の(100)面をテンプレートとして結晶化する。このため、MgOと(CoxFe100−x)100−yBy合金との良好な結晶整合が得られる。良好な結晶整合を得ることで、より大きいMR変化率が得られる。
中間層側磁化固定層として、Co−Fe−B合金以外に、例えば、Fe−Co合金を用いても良い。
中間層側磁化固定層がより厚いと、より大きなMR変化率が得られる。より大きな固定磁界を得るためには、中間層側磁化固定層は、薄いほうが好ましい。MR変化率と固定磁界との間には、中間層側磁化固定層の厚さにおいてトレードオフの関係が存在する。中間層側磁化固定層としてCo−Fe−B合金を用いる場合には、中間層側磁化固定層の厚さは、1.5nm以上5nm以下が好ましい。中間層側磁化固定層の厚さは、2.0nm以上4nm以下がより好ましい。
中間層側磁化固定層には、上述した材料の他に、fcc構造のCo90Fe10合金、または、hcp構造のCo、または、hcp構造のCo合金が用いられる。中間層側磁化固定層として、例えば、Co、Fe及びNiよりなる群から選択された少なくとも1つが用いられる。中間層側磁化固定層として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む合金が用いられる。中間層側磁化固定層として、bcc構造のFeCo合金材料、50at.%以上のコバルト組成を含むCo合金、または、50at.%以上のNi組成の材料(Ni合金)を用いることで、例えば、より大きなMR変化率が得られる。
中間層側磁化固定層として、例えば、Co2MnGe、Co2FeGe、Co2MnSi、Co2FeSi、Co2MnAl、Co2FeAl、Co2MnGa0.5Ge0.5、及び、Co2FeGa0.5Ge0.5などのホイスラー磁性合金層を用いることもできる。例えば、中間層側磁化固定層として、例えば、3nmの厚さのCo40Fe40B20層が用いられる。
ピニング層31には、ピニング層32に関して説明した材料及び構成が適用できる。その他の層には、図3(a)に関して例示した材料と同等のものを用いることができる。上部ピン層33には、前述した第2磁性層12aを磁化固定層とする場合に説明した材料及び構成が適用できる。上部中間層34には、例えば、第1中間層13aに関して説明した材料及び構成が適用できる。
図25(a)〜図25(d)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式図である。
これらの図は、図24(a)及び図24(b)に示した例の検知素子50(第1検知素子50a)の動作を例示している。図25(a)は、第1検知素子50aにおいて歪が生じていない状態(無歪状態ST0)に対応する。図25(b)は、第1検知素子50aにおいて圧縮歪が生じている状態(第1状態ST1)に対応する。図25(c)は、第1検知素子50aにおいて引張歪が生じている状態(第2状態ST2)に対応する。これらの図においては、図を見やすくするために、第1磁性層11aと第2磁性層12aとが描かれ、第1中間部13auは省略されている。
図25(d)は、第1検知素子50aに生じる歪Saと、第1検知素子50aの電気抵抗R(Ω)と、の関係を例示している。電気抵抗Rは、第1磁性層11aと第2磁性層12aとの間の電気抵抗である。
図25(a)に表したように、無歪状態ST0において、磁化自由層である第1磁性層11aの磁化11amは、第1磁性層11aが延在する第1方向X1に沿っている。これは、上記の形状磁気異方性による。そして、無歪状態ST0において、磁化固定層である第2磁性層12aの磁化12amは、第2磁性層12aが延在する第2方向X2に沿わせて固定することができる。例えば、検知素子となる積層体を成膜直後には第2磁性層12aに対してピニング層32からの交換結合はなされていない状態とする。そして、第2磁性層12aが磁化自由層となっている状態とし、第2磁性層12aの平面形状を、形状異方性を有する形状に加工する。これにより、第2磁性層12aの磁化12amは第2方向X2に沿った状態となる。この状態で、無磁場下で熱処理を行う。これにより、熱処理後の冷却後に、第2磁性層12aの磁化12amを第2方向X2に沿わせたまま固定することができる。
第1磁性層11aが延在する第1方向X1と、第2磁性層12aが延在する第2方向X2と、の間の角度を変えることにより、第1磁性層11aの磁化11amの方向と、第2磁性層12aの磁化12amの方向と、の間の相対角度は、任意に設定できる。
図25(b)に表したように、圧縮歪CSが生じる第1状態ST1においては、第1磁性層11aの磁化11amと、第2磁性層12aの磁化12amと、の間の角度は、例えば、無歪状態ST0における角度よりも大きくなる。これに連動して、電気抵抗Rが変化する。
図25(c)に表したように、引張歪TSが生じる第2状態ST2においては、第1磁性層11aの磁化11amと、第2磁性層12aの磁化12amと、の間の角度は、例えば、無歪状態ST0における角度よりも小さくなる。これに連動して、電気抵抗Rが変化する。
図25(d)に表したように、圧縮歪CSが生じている場合は、無歪状態ST0に比べて、第1検知素子50aの電気抵抗Rは増大する。引張歪TSが生じている場合は、無歪状態ST0に比べて、第1検知素子50aの電気抵抗Rは減少する。
このようにして、第1検知素子50aは、第1検知素子50aに生じる歪Saの変化を電気抵抗Rの変化に変換することができる。
図25(a)に例示したように、第1検知素子50aにおいて、無歪状態ST0において、磁化固定層である第2磁性層の磁化と磁化自由層である第1磁性層の磁化方向を、互いに異なる方向とすることができる。これにより、図25(d)に例示したように、電気抵抗Rは、正負の歪Saに対して、例えば線形的に変化する。これにより、高感度の圧力センサが提供できる。
図24(a)〜図25(d)に関して説明した例においても、図5〜図23(e)において説明した構造、第1磁性層11の磁化11aの方向、及び、第2磁性層12aの磁化12amの方向を用いることができる。
図26(a)〜図26(c)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式図である。
図26(a)は、模式的斜視図であり、図26(b)及び図26(c)は、圧力センサ440を例示するブロック図である。
図26(a)及び図26(b)に示すように、圧力センサ440には、基部471、検知部450、半導体回路部430、アンテナ415、電気配線416、送信回路417、及び、受信回路417rが設けられている。
アンテナ415は、電気配線416を介して、半導体回路部430と電気的に接続されている。
送信回路417は、検知部450に流れる電気信号に基づくデータを無線で送信する。送信回路417の少なくとも一部は、半導体回路部430に設けることができる。
受信回路417rは、電子機器418dからの制御信号を受信する。受信回路417rの少なくとも一部は、半導体回路部430に設けることができる。受信回路417rを設けるようにすれば、例えば、電子機器418dを操作することで、圧力センサ440の動作を制御することができる。
図26(b)に示すように、送信回路417には、例えば、検知部450に接続されたADコンバータ417aと、マンチェスター符号化部417bと、を設けることができる。切替部417cを設け、送信と受信を切り替えるようにすることができる。この場合、タイミングコントローラ417dを設け、タイミングコントローラ417dにより切替部417cにおける切り替えを制御することができる。またさらに、データ訂正部417e、同期部417f、判定部417g、電圧制御発振器417h(VCO;Voltage Controlled Oscillator)を設けることができる。
図26(c)に示すように、圧力センサ440と組み合わせて用いられる電子機器418dには、受信部418が設けられる。電子機器418dとしては、例えば、携帯端末などの電子装置を例示することができる。
この場合、送信回路417を有する圧力センサ440と、受信部418を有する電子機器418dと、を組み合わせて用いることができる。
電子機器418dには、マンチェスター符号化部417b、切替部417c、タイミングコントローラ417d、データ訂正部417e、同期部417f、判定部417g、電圧制御発振器417h、記憶部418a、中央演算部418b(CPU;Central Processing Unit)を設けることができる。
この例では、圧力センサ440は、固定部467をさらに含んでいる。固定部467は、膜部464(70d)を基部471に固定する。固定部467は、外部圧力が印加されたときであっても撓みにくいように、膜部464よりも厚み寸法を厚くすることができる。
固定部467は、例えば、膜部464の周縁に等間隔に設けることができる。
膜部464(70d)の周囲をすべて連続的に取り囲むように固定部467を設けることもできる。
固定部467は、例えば、基部471の材料と同じ材料から形成することができる。この場合、固定部467は、例えば、シリコンなどから形成することができる。
固定部467は、例えば、膜部464(70d)の材料と同じ材料から形成することもできる。
実施形態に係る圧力センサの製造方法の例について説明する。
図27(a)、図27(b)、図28(a)、図28(b)、図29(a)、図29(b)、図30(a)、図30(b)、図31(a)、図31(b)、図32(a)、図32(b)、図33(a)、図33(b)、図34(a)、図34(b)、図35(a)、図35(b)、図36(a)、図36(b)、図37(a)、図37(b)、図38(a)及び図38(b)は、第3の実施形態に係る圧力センサの製造方法を例示する模式図である。
なお、図27(a)〜図38(a)は、模式的平面図であり、図27(b)〜図38(b)は、模式的断面図である。
図27(a)及び図27(b)に示すように、半導体基板531の表面部分に半導体層512Mを形成する。続いて、半導体層512Mの上面に素子分離絶縁層512Iを形成する。続いて、半導体層512Mの上に、図示しない絶縁層を介して、ゲート512Gを形成する。続いて、ゲート512Gの両側に、ソース512Sとドレイン512Dとを形成することで、トランジスタ532が形成される。続いて、この上に層間絶縁膜514aを形成し、さらに層間絶縁膜514bを形成する。
続いて、非空洞部となる領域において、層間絶縁膜514a、514bの一部に、トレンチ及び孔を形成する。続いて、孔に導電材料を埋め込んで、接続ピラー514c〜514eを形成する。この場合、例えば、接続ピラー514cは、1つのトランジスタ532のソース512Sに電気的に接続され、接続ピラー514dはドレイン512Dに電気的に接続される。例えば、接続ピラー514eは、別のトランジスタ532のソース512Sに電気的に接続される。続いて、トレンチに導電材料を埋め込んで、配線部514f、514gを形成する。配線部514fは、接続ピラー514c及び接続ピラー514dに電気的に接続される。配線部514gは、接続ピラー514eに電気的に接続される。続いて、層間絶縁膜514bの上に、層間絶縁膜514hを形成する。
図28(a)及び図28(b)に示すように、層間絶縁膜514hの上に、酸化シリコン(SiO2)からなる層間絶縁膜514iを、例えば、CVD(Chemical Vaper Deposition)法を用いて形成する。続いて、層間絶縁膜514iの所定の位置に孔を形成し、導電材料(例えば、金属材料)を埋め込み、上面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて平坦化する。これにより、配線部514fに接続された接続ピラー514jと、配線部514gに接続された接続ピラー514kと、が形成される。
図29(a)及び図29(b)に示すように、層間絶縁膜514iの空洞部570となる領域に凹部を形成し、その凹部に犠牲層514lを埋め込む。犠牲層514lは、例えば、低温で成膜できる材料を用いて形成することができる。低温で成膜できる材料は、例えば、シリコンゲルマニウム(SiGe)などである。
図30(a)及び図30(b)に示すように、層間絶縁膜514i及び犠牲層514lの上に、膜部564(70d)となる絶縁膜561bfを形成する。絶縁膜561bfは、例えば、酸化シリコン(SiO2)などを用いて形成することができる。絶縁膜561bfに複数の孔を設け、複数の孔に導電材料(例えば、金属材料)を埋め込み、接続ピラー561fa、接続ピラー562faを形成する。接続ピラー561faは、接続ピラー514kと電気的に接続され、接続ピラー562faは、接続ピラー514jと電気的に接続される。
図31(a)及び図31(b)に示すように、絶縁膜561bf、接続ピラー561fa、接続ピラー562faの上に、配線557となる導電層561fを形成する。
図32(a)及び図32(b)に示すように、導電層561fの上に、積層膜550fを形成する。
図33(a)及び図33(b)に示すように、積層膜550fを所定の形状に加工し、その上に、絶縁層565となる絶縁膜565fを形成する。絶縁膜565fは、例えば、酸化シリコン(SiO2)などを用いて形成することができる。
図34(a)及び図34(b)に示すように、絶縁膜565fの一部を除去し、導電層561fを所定の形状に加工する。これにより、配線557が形成される。このとき、導電層561fの一部は、接続ピラー562faに電気的に接続される接続ピラー562fbとなる。さらに、この上に、絶縁層566となる絶縁膜566fを形成する。
図35(a)及び図35(b)に示すように、絶縁膜566fに開口部566pを形成する。これにより、接続ピラー562fbが露出する。
図36(a)及び図36(b)に示すように、上面に、配線558となる導電層562fを形成する。導電層562fの一部は、接続ピラー562fbと電気的に接続される。 図37(a)及び図37(b)に示すように、導電層562fを所定の形状に加工する。これにより、配線558が形成される。配線558は、接続ピラー562fbと電気的に接続される。
図38(a)及び図38(b)に示すように、絶縁膜566fに所定の形状の開口部566oを形成する。開口部566oを介して、絶縁膜561bfを加工し、さらに開口部566oを介して、犠牲層514lを除去する。これにより、空洞部570が形成される。犠牲層514lの除去は、例えば、ウェットエッチング法を用いて行うことができる。
なお、固定部567をリング状とする場合には、例えば、空洞部570の上方における非空洞部の縁と、膜部564と、の間を絶縁膜で埋める。
以上の様にして圧力センサが形成される。
(第2の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態に係る圧力センサを用いたマイクロフォンに係る。
図39は、第2の実施形態に係るマイクロフォンを例示する模式的断面図である。
本実施形態に係るマイクロフォン320は、プリント基板321と、カバー323と、圧力センサ310と、を含む。プリント基板321は、例えばアンプなどの回路を含む。カバー323には、アコースティックホール325が設けられる。音329は、アコースティックホール325を通って、カバー323の内部に進入する。
圧力センサ310として、第1の実施形態に関して説明した圧力センサのいずれか、または、その変形が用いられる。
マイクロフォン320は、音圧に対して感応する。高感度な圧力センサ310を用いることにより、高感度なマイクロフォン320が得られる。例えば、圧力センサ310をプリント基板321の上に搭載し、電気信号線を設ける。圧力センサ310を覆うように、プリント基板321の上にカバー323を設ける。
本実施形態によれば、高感度なマイクロフォンを提供することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態に係る圧力センサを用いた血圧センサに係る。
図40(a)及び図40(b)は、第3の実施形態に係る血圧センサを例示する模式図である。
図40(a)は、ヒトの動脈血管の上の皮膚を例示する模式的平面図である。図40(b)は、図40(a)のH1−H2線断面図である。
本実施形態においては、圧力センサ310は、血圧センサ330として応用される。この圧力センサ310には、第1の実施形態に関して説明した圧力センサのいずれか、及び、その変形が用いられる。
これにより、小さいサイズの圧力センサで高感度な圧力検知が可能となる。圧力センサ310を動脈血管331の上の皮膚333に押し当てることで、血圧センサ330は、連続的に血圧測定を行うことができる。
本実施形態によれば、高感度な血圧センサを提供することができる。
(第4の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態に係る圧力センサを用いたタッチパネルに係る。
図41は、第4の実施形態に係るタッチパネルを例示する模式図である。
本実施形態においては、圧力センサ310が、タッチパネル340として用いられる。この圧力センサ310には、第1の実施形態に関して説明した圧力センサのいずれか、または、その変形が用いられる。タッチパネル340においては、圧力センサ310が、ディスプレイの内部及びディスプレイの外部の少なくともいずれかに搭載される。
例えば、タッチパネル340は、複数の第1配線346と、複数の第2配線347と、複数の圧力センサ310と、制御部341と、を含む。
この例では、複数の第1配線346は、Y軸方向に沿って並ぶ。複数の第1配線346のそれぞれは、X軸方向に沿って延びる。複数の第2配線347は、X軸方向に沿って並ぶ。複数の第2配線347のそれぞれは、Y軸方向に沿って延びる。
複数の圧力センサ310のそれぞれは、複数の第1配線346と複数の第2配線347とのそれぞれの交差部に設けられる。圧力センサ310の1つは、検出のための検出要素310eの1つに含まれる。交差部は、第1配線346と第2配線347とが交差する位置及びその周辺の領域を含む。
複数の圧力センサ310のそれぞれの一端310aは、複数の第1配線346のそれぞれと接続される。複数の圧力センサ310のそれぞれの他端310bは、複数の第2配線347のそれぞれと接続される。
制御部341は、複数の第1配線346と複数の第2配線347とに接続される。
例えば、制御部341は、複数の第1配線346に接続された第1配線用回路346dと、複数の第2配線347に接続された第2配線用回路347dと、第1配線用回路346dと第2配線用回路347dとに接続された制御回路345と、を含む。
圧力センサ310は、小型で高感度な圧力センシングが可能である。そのため、高精細なタッチパネルを実現することが可能である。
第1の実施形態に係る圧力センサは、上記の応用の他に、気圧センサ、または、タイヤの空気圧センサなどのように、様々な圧力センサデバイスに応用することができる。
実施形態によれば、高感度の圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネルを提供することができる。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネルに含まれる膜部、検知素子、第1磁性層、第2磁性層及び中間層などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネルを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネルも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。