JP6077414B2 - 壁固定金具 - Google Patents

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本発明は、筐体と壁とを固定する壁固定金具の構造に関する。
従来よりこの種の、例えば貯湯式給湯機の筐体と壁を固定する壁固定金具はL字型の形状をしており、前記L字の長い部分には長手方向にのびる長穴が開口されている。そして、前記壁固定金具の短い部分と壁とをネジ等の固定具で固定し、長穴を介して長い部分と筐体の側面または天面とを前記固定具で固定するようにしているため、前記筐体設置時に筐体と壁との距離が適宜変更しても、長穴寸法分だけ前記固定具の螺着位置を変更することで確実に固定することができるものであった。
特許第3770079号公報 特開平10―323249号公報
ところが、この従来のものでは、前記筐体の側面または天面と壁とを前記長穴を介して固定している前記固定具が地震などの大きな揺れで緩んでしまったときに、前記固定具で固定しきれなくなった筐体が長穴寸法分の範囲を揺れてしまうため、筐体の揺れを抑制することができなかった。特に、例えば貯湯式給湯機のように重量のあるものであった場合は、貯湯式給湯機の脚の部分に負担がかかり、変形などの破損をしてしまうという問題があった。
本発明は上記課題を解決するため、面をもつ略直方体の筐体と壁の間を固定する、長い一片と短い他片とを有したL字形状で、前記一片の長手方向に水平に延びる長穴が開口された壁固定金具において、前記筐体と前記壁固定金具を螺着する固定具を設け、前記壁固定金具は、前記長穴に直交する方向に前記長穴から連続して開口された溝部を有し前記一片を前記筐体の側面に前記長穴を介して前記固定具で固定し、前記他片を前記壁に固定し、前記固定具の締結力を超えて前記固定具がスライドしてしまった場合に前記固定具が前記溝部に入り込めるようにした。
また、前記一片は、平行に並んだ少なくとも上側と下側の2本の前記長穴をもち、前記長穴に開口された前記溝部は、少なくとも1つの前記溝部の位置を長手方向に平行移動させて、上側と下側の前記溝部をずらして配置した。
また、前記溝部は、幅狭の入り口部分と、前記入り口から連続して奥まった位置にあり、前記長手方向に水平に延びる、前記入り口部分の幅よりも広い左右対称の長溝を設けた。
本発明によれば、地震等の揺れで筐体が傾いたときに、ネジ等の固定具が長穴に連続して開口された溝部に引っかかり、長穴の端までスライドするほど揺れてしまうのを抑制し、筐体の転倒や筐体および筐体脚部の破損や変形を防止することができる。
本発明の第1の実施形態の使用状態を説明する図 本発明の第1の実施形態の壁固定金具の斜視図 本発明の第1の実施形態の壁固定金具の正面図 本発明の第1の実施形態の使用状態における要部拡大説明図 本発明の第1の実施形態の使用状態における要部拡大説明図 本発明の第2の実施形態の壁固定金具の斜視図 本発明の第3の実施形態の壁固定金具の斜視図
次に、本発明の第1の実施形態の筐体と壁とを固定する壁固定金具の構成について図面にもとづいて説明する。
図1は筐体と壁を側面から見た図である。1は略直方体形状の筐体であり、例えば図示しない湯を貯湯する貯湯タンクを内側に備えた貯湯式給湯機の筐体である。2は貯湯式給湯機の筐体1を支えると共に図示しないアンカーボルトによって設置面に固定される脚部である。3は貯湯式給湯機の筐体1を設置する家屋等の壁である。4は貯湯式給湯機の筐体1の側面または天面と壁3を固定するL字型の壁固定金具、5は貯湯式給湯機の筐体1と前記L字型の壁固定金具4とを螺着したネジ等の固定具である。
図2、図3で示すように、壁固定金具4は、貯湯式給湯機の筐体1と固定される長い一片4aと、壁3と固定される短い他片4bとを有したL字状をしており、壁固定金具の長い一片4aには長手方向にそって2本の平行な長穴6が開口され、短い他片4bには壁固定用の穴部7が複数開口されている。また、長穴6の長手方向に直交する方向には、長穴6から連続して開口された溝部8が上下対称に複数設けられている。ここでは長穴6の長手方向の中心よりに上下3箇所ずつ計6つの溝部8が設けられている。溝部8の幅は固定具5の軸直径よりわずかに大きく、かつネジ頭径より小さく、長穴6の幅と略同寸としており、溝部8の深さは固定具5の軸直径の0.6〜1.5倍程度の深さとしている。
そして筐体の設置時には図4に示すように、家屋の壁3と壁固定金具4との短い他片4bを壁固定用の穴部7を介してネジ等で固定し、壁固定金具4の長い一片4aと貯湯式給湯機の筐体1とを長穴6を介して固定具5で固定する。そのとき、貯湯式給湯機の筐体1の設置位置は、長穴6の寸法範囲分だけ家屋の壁3との距離を適宜移動させることができるため、設置場所によって壁3との距離が異なっていても確実に固定することができる。
また、地震等の大きな揺れで、揺れの強さが固定具の締結力を超えると、貯湯式給湯機の筐体1は長穴6の寸法分の範囲をスライドする。しかし、長穴6が溝部8を持つ形状をしているので、図5で示すようにスライド時に固定具5が溝部8に引っかかり、貯湯式給湯機の筐体1が長穴6の端までスライドしてしまうのを抑制することができる。
このように、固定具5が溝部8に引っかかることによって、貯湯式給湯機の筐体1が大きく傾くことを抑制し、筐体1の脚部2に負担がかかることで起きる脚部2の破損や変形などを防止することができる。
次に壁固定金具4の溝部8の位置を変更した第2の実施形態について図5に基づいて説明する。ここでは、第1の実施形態第と同一のものは同一の符号を付してその説明を省略する。
ここで図5に示すように上側の長穴を6a、下側の長穴を6b、上側の長穴6aに等間隔で複数設けられた上下対称の溝部を8a、下側の長穴6bに等間隔で複数設けられた上下対称の溝部を8b、上側の溝部8aの垂直方向の中心線をA、下側の溝部8bの垂直方向の中心線をBと呼ぶこととする。
そして、溝部8aと溝部8bとは、中心線Aと中心線Bとの間に壁固定金具4の距離Cだけずらした位置に設けている。この距離Cは、筐体1が壁固定金具4の長手方向に1°から数°傾いた際に、筐体1に螺着される2本の固定具5が傾きの支点を軸に回転移動した場合の、上側と下側の固定具5間の水平方向の距離に基づいて適宜決められるものである。
このように、溝部8aと溝部8bとを距離Cだけずらして設けているため、地震等の大きな揺れのときに筐体1が傾いてしまったときでも固定具5が溝部8に無理なく入ることができることで、筐体1が大きく傾くことを抑制し、筐体1の脚部2に負担がかかることで起きる脚部2の破損や変形などを防止することができる。
なお、第1、第2の実施形態では、溝部8の形状をU字状で説明したが、これに限定されるものではなく、例えばV字状や四角状でもよいものとする。
次に壁固定金具4の溝部8の形状を変更した第3の実施形態について図6に基づいて説明する。ここでは、第1の実施形態と同一のものは同一の符号を付してその説明を省略する。
この第3の実施形態の溝部8は、幅狭の入り口9と、入り口9から連続して奥まった位置で、壁固定金具4の長い一片4aの長手方向に左右対称に広がる長溝10とを有しているものである。
入り口9の形はテーパー状になっていて、長穴6付近の開口部分は広く、奥に行くほどに狭くなる形状をしている。入り口9の開口部分の幅は固定具5の軸直径ネジ頭径よりも小さく、長穴6の幅よりは大きい。長溝10に近い部分の幅は固定具5の軸直径よりもわずかに大きく、かつネジ頭径よりも小さく長穴6の幅と略同寸としている。これにより、固定具5がスライドして、溝部8に入り込むときに入りやすく抜けにくい形状を作ることができる。
また、長溝10の短手方向の幅も固定具5の軸直径よりもわずかに大きく、かつネジ頭径よりも小さく長穴6の幅と略同寸としていると共に長溝10の長手方向の長さは固定具5の軸直径の1.5〜3倍程度の長さとしている。
このように、溝部8を入り口9とその奥に長溝10を設けた構成としているため、長溝10にはまった固定具が出て行きにくい特徴を持ち、地震等の大きな揺れのときに固定具5がスライドして入り口9から奥の長溝10に入り込んだ際、揺れ幅を長溝10の距離分で抑えることができ、上下の揺れに対しても長溝10の出口部分が狭いので固定具5が容易に抜けるのを防ぐことができる。また、筐体1が大きく傾くことを抑制し、筐体1の脚部2に負担がかかることで起きる脚部2の破損や変形などを防止することもできる。
なお、本発明は第3の実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で改変することを妨げるものではなく、例えば、溝部8の形状が湾曲した長溝状であったり、溝の形状が左右対称ではなく片方にだけ延びた形状であったり、入り口9のテーパー部分が逆向きテーパー状またはテーパーなしでも良いものである。
また、1から3の実施形態では、例えば、今回の筐体は貯湯式給湯機を例にあげたが、他にも天面及び側面を有した電気温水器や温水ボイラ等でも良いものである。
1 筐体
4 壁固定金具
4a 壁固定金具の一片
4b 壁固定金具の他片
5 ネジ等の固定具
6 長穴
7 壁固定用の穴部
8 溝部
8a 上側の溝部
8b 下側の溝部
9 入り口
10 長溝

Claims (3)

  1. 面をもつ略直方体の筐体と壁の間を固定する、長い一片と短い他片とを有したL字形状で、前記一片の長手方向に水平に延びる長穴が開口された壁固定金具において、前記筐体と前記壁固定金具を螺着する固定具を設け、前記壁固定金具は、前記長穴に直交する方向に前記長穴から連続して開口された溝部を有し前記一片を前記筐体の側面に前記長穴を介して前記固定具で固定し、前記他片を前記壁に固定し、前記固定具の締結力を超えて前記固定具がスライドしてしまった場合に前記固定具が前記溝部に入り込めるようにしたことを特徴とする壁固定金具。
  2. 前記一片には、平行に並んだ少なくとも上側と下側の2本の前記長穴を設け、前記上側と下側の長穴にそれぞれ開口された前記溝部は、少なくとも1つの前記溝部の位置を長手方向に平行移動させて、前記上側の長穴の溝部と前記下側の長穴の溝部をずらして配置したことを特徴とした請求項1記載の壁固定金具。
  3. 前記溝部は、幅狭の入り口部分と、前記入り口から連続して奥まった位置にあり、前記長手方向に水平に延びる、前記入り口部分の幅よりも広い長溝を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の壁固定金具。
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