JP6077542B2 - 付加開裂剤を含む歯科用組成物 - Google Patents

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許仮出願番号第61/526437(2011年8月23日出願)の利益を主張し、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
硬化性高分子材料は、修復材、セメント、及び接着剤などの広範な歯科用途で使用される。多くの場合、このような材料は硬化に応じて収縮する。この収縮は、例えば、材料が歯科用充填剤又は修復材などとして限定された環境下にある場合に特に問題となる。一定の環境にありながら収縮に応じ寸法が変化することで、材料内部にひずみが生じ、すなわち典型的には周囲環境(例えば、歯)に対する圧力に変換される恐れがある。このような力により、歯と高分子材料との間に界面破壊が生じ、物理的に隙間が生まれ、それにより虫歯に微小な漏出が生じてしまう場合がある。あるいは、このような力により歯及び/又は複合材の内部に破砕が生じ得る。
一般的に、硬化性高分子歯科材料に関係する従来の工程は、接着剤により複合材を口腔表面で保持することを包含し、及び接着剤を硬化させ、続いて複合材を硬化させることを包含する。より詳細には、従来の方法は次の工程のうちの1つ以上を利用する:歯を表面処理する工程(例えば、エッチング、プライミング)、硬化性接着剤を歯表面に適用する工程、接着剤を硬化させる工程、硬化させた接着剤の上に複合材(例えば、修復材)を配置する工程、並びに複合材を硬化させる工程。歯科材料、例えば、硬化中又は硬化後に歯科用材料及び周囲環境にかかる圧力を減少させる、歯科用接着剤及び歯科用複合材が必要とされている。
様々な硬化性歯科用組成物が報告されているが、十分な機械的特性又は硬化深度を維持しながら、応力たわみの低減及び/又は収縮の低減等の改善された特性を有する組成物の利点が業界で見出されている。
一部の実施形態では、本開示は、自己接着性であり、かつ個別のエッチング液又はエッチング工程を必要としない硬化性歯科用組成物を提供する。
う蝕し、象牙質の衰えた又はエナメル質の衰えた歯系組織の再建は、多くの場合、関連する歯系構造に歯科用接着剤を適用した後、歯科用材料(例えば、修復材)を適用することにより行われる。同様にして、接着剤はまた、歯科用材料(例えば、一般的に歯科矯正用接着剤を使用する歯列矯正器具)を歯系構造の表面に接着するために使用することもできる。多くの場合、象牙質又はエナメル質に対する歯科用接着材の結合を促進するために、各種前処理工程が用いられる。通常、このような前処理工程は、歯構造とそれを覆う接着剤との間の接着を高めるための、例えば、無機酸又は有機酸を使用したエッチング、それに続くプライミングを含む。
歯系構造表面に対し、歯科用修復材(例えば、樹脂改質ガラスアイオノマーなどの硬化又は未硬化複合体;充填剤;シーラント封止材;インレー;アンレー;クラウン;ブリッジ;など)又は歯科矯正装置のいずれを適用する場合にも、エッチング剤、プライマー材、及び接着剤が、典型的には段階的に適用されることになる。多くの場合、このような工程間では、1回以上のすすぎ工程及び乾燥工程が用いられる。その結果、歯の修復手順及び歯列矯正器具の適用は典型的には複数工程を伴う。
従来の修復及び/又は歯科矯正の手順を単純化するため、例えば、エッチング及びプライミングの両方を行うことのできる単一の組成物を提供することは望ましい。したがって、基材表面(例えば、象牙質、エナメル質、骨、又は他の硬質組織などの歯系構造)に対する接着剤(例えば、歯科用接着剤)の結合を改善し、かつ従来のエッチングのすすぎ及び乾燥工程を除外することのできる自己エッチング歯科用プライマー、特に、自己エッチング用歯科用プライマーが必要とされている。更に、自己エッチング接着剤として提供することのできる新しい組成物、すなわち、1回の前処理工程で適用することができ、プライミング及びエッチング特性を有する歯科用組成物が今もなお必要とされている。更に他の歯科及び歯科矯正治療法では、未処理の歯系構造(すなわち、エッチング剤、プライマー剤、又は結合剤により前処理されていない構造)に結合することのできる自己接着剤組成物(好ましくはすなわち、一成分系保存安定性組成物)として提供することのできる修復材組成物(例えば、充填剤及び歯列矯正用接着剤)が必要とされている。本開示の好ましい実施形態はこれらの必要とされている事柄を満たすものである。
本明細書で使用するとき、「歯科用組成物」は、任意追加的な充填剤を含む、口腔表面に接着又は結合し得る材料を指す。硬化性歯科用組成物は、歯構造に歯科用物品を固着させるために用いられたり、コーティング(例えば、シーラント又はバーニッシュ)を歯の表面上に形成するために用いられたり、口内に直接配置され、その場で硬化する修復材として用いられたり、あるいは、後に口内で接着される義歯を口の外で製作したりするために用いることができる。
硬化性歯科用組成物としては、例えば、接着剤(例えば、歯科用及び/又は歯科矯正用接着剤)、セメント(例えば、樹脂変性グラスアイオノマーセメント及び/又は歯科矯正用セメント)、プライマー(例えば、歯科矯正用プライマー)、ライナー(歯の過敏性を低減するために窩洞の基部に適用される)、シーラント等のコーティング(例えば、くぼみ及び亀裂)、及びバーニッシュ;並びに歯科用充填材等のレジン修復材(直接コンポジットとも呼ばれる)に加えて、クラウン、ブリッジ、及び歯科インプラント用物品が挙げられる。充填剤を多く含む歯科用組成物は、クラウンのための被切削材料として使用可能なミルブランクにもまた使用される。コンポジットは、歯構造の実質的な欠損を充填するために好適なように設計される、充填剤を多く含むペーストである。歯科用セメントは、複合材料と比べて比較的充填剤が少なく粘ちょう度の低い材料であり、通常、インレー及びオンレーなどのような追加的材料の結合剤として作用するか、又は、層に適用されて硬化される場合は、それ自体で充填材料として作用する。また、歯科用セメントは、歯の表面又はインプラントアバットメントにクラウン又はブリッジ等の歯科用修復材を永続的に固着させるために用いられる。
本明細書において使用するところの、
「歯科用物品」とは、歯構造又は歯科用インプラントに接着(例えば、固着)することが可能な物品をいう。歯科用物品としては、例えば、クラウン、ブリッジ、ベニヤ、インレー、オンレー、充填材、歯科矯正装具及び装置が挙げられる。
「歯列矯正装具」は、歯列矯正用ブラケット、バッカルチューブ、舌固定装置、歯列矯正用バンド、開口器(bite openers)、ボタン、及びクリートが挙げられるが、これらに限定されない、歯構造に固着させることを意図する任意の装置を指す。装具は、接着剤を受け入れる基部を有し、それは金属、プラスチック、セラミック、又はそれらの組み合わせで作られるフランジであることができる。あるいは、基部は、1つ以上の硬化した接着剤層(すなわち、単層若しくは多層接着剤)から形成される特注基部であることができる。
「口腔表面」とは、口腔環境における軟質の又は硬質の表面をいう。硬質表面としては典型的に、例えば、天然の及び人口の歯の表面、骨等を含む歯構造が挙げられる。
「硬化性」は、化学線照射により重合及び/又は架橋を誘導するなどといったフリーラジカル法により重合又は架橋することのできる材料又は組成物についての説明であり、「硬化した」は、材料又は組成物が既に硬化している(例えば、重合又は架橋されている)ことを意味する。
「開始剤」は、樹脂の硬化を促進させることのできるものを指す。開始剤としては、例えば、重合開始剤系、光反応開始剤系、熱反応開始剤系及び/又は酸化還元開始剤系を挙げることができる。
「自己エッチング」組成物とは、歯構造体表面をエッチング剤で前処理せずとも歯構造体に表面に固着させる組成物を指す。好ましくは、自己エッチング性組成物は、個別のエッチング剤又はプライマーが使用されない場合にセルフプライマーとして機能させることもできる。
「セルフ接着性」組成物とは、歯構造体の表面をプライマー又は固着剤で前処理せずとも歯構造体表面に固着させることができる組成物を指す。好ましくは、セルフ接着性組成物は個別のエッチング剤が使用されない場合のセルフエッチング性組成物でもある。
「歯系構造表面」は、歯構造(例えば、エナメル質、象牙質、及びセメント質)及び骨を指す。
「非カット(uncut)」歯牙組織表面は、切削、研削(grinding)、又は穿孔(drilling)などによって加工されていない歯牙組織表面を指す。
「未処理」の歯系構造表面は、本発明のセルフエッチング接着剤又はセルフ接着剤組成物の適用前にエッチング剤、プライマー剤又は結合剤による処理を受けていない歯又は骨表面を指す。
「未エッチング」の歯系構造表面は、本発明のセルフエッチング接着剤又はセルフ接着剤組成物の適用前にエッチング剤による処理を受けていない歯又は骨表面を指す。
用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレート、メタクリレート又はこれらの組み合わせを指す省略形であり、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸、メタクリル酸又はこれらの組み合わせを指す省略形であり、「(メタ)アクリル」は、アクリル、メタクリル又はこれらの組み合わせを指す省略形である。
「アクリロイル」は一般的な意味で用いられ、アクリル酸の誘導体だけなくアミン誘導体及びアルコール誘導体もそれぞれ意味する。
「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の両方を包含する。すなわち、エステル及びアミドの両方を含む。
「アルキル」は、直鎖、分枝鎖、及び環状アルキル基を含み、非置換及び置換アルキル基の両方を含む。特に指定がない限り、アルキル基は、典型的には、1〜20個の炭素原子を含有する。本明細書で使用するとき、「アルキル」の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、イソブチル、t−ブチル、イソプロピル、n−オクチル、n−ヘプチル、エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、及びノルボルニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。特に記載しない限り、アルキル基は、一価であっても多価であってもよく、すなわち、一価アルキルであっても多価アルキレンであってもよい。
「ヘテロアルキル」は、未置換及び置換アルキル基の両方と共にS、O及びNから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を有する直鎖、分枝鎖及び環状アルキル基の両方を含む。別途記載のない限り、ヘテロアルキル基は、典型的には、1〜20個の炭素原子を含有する。「ヘテロアルキル」は、以下に記載の「1個以上のS、N、O、P又はSi原子を含有するヒドロカルビル」の部分集合である。本明細書で使用するとき、「ヘテロアルキル」の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、3,6−ジオキサへプチル、3−(トリメチルシリル)−プロピル、4−ジメチルアミノブチル及びこれらに類するものが挙げられるが、これらに限定されない。特に記載しない限り、ヘテロアルキル基は、一価であっても多価であってもよく、すなわち、一価ヘテロアルキルであっても多価ヘテロアルキレンであってもよい。
「アリール」は、5〜18個の環原子を含有する芳香族であり、任意の縮合環を含有してもよく、これは、飽和であっても、不飽和であっても、芳香族であってもよい。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナントリル、及びアントラシルが挙げられる。ヘテロアリールは、窒素、酸素、又は硫黄等の1〜3個のヘテロ原子を含有するアリールであり、縮合環を含有してもよい。ヘテロアリール基のいくつかの例は、ピリジル、フラニル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、及びベンゾチアゾリルである。特に記載しない限り、アリール及びヘテロアリール基は、一価であっても多価であってもよく、すなわち、一価アリールであっても多価アリーレンであってもよい。
「(ヘテロ)ヒドロカルビル」は、ヒドロカルビルアルキル及びアリール基、並びにヘテロヒドロカルビルヘテロアルキル及びヘテロアリール基を含み、後者は、エーテル又はアミノ基等の1つ以上のカテナリー酸素ヘテロ原子を含む。ヘテロヒドロカルビルは、任意追加的な、エステル、アミド、尿素、ウレタン、及びカーボネート官能基などの1つ以上のカテナリー(鎖内)官能基を含有してもよい。別途記載のない限り、非ポリマー(ヘテロ)ヒドロカルビル基は、典型的に、1〜60個の炭素原子を含有する。このようなヘテロヒドロカルビルのいくつかの例には、本明細書で使用するとき、上記「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」、及び「ヘテロアリール」について記載したものに加えて、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、4−ジフェニルアミノブチル、2−(2’−フェノキシエトキシ)エチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサへキシル−6−フェニルが挙げられるが、これらに限定されない。
実施例の硬化性歯科用組成物のワッツ収縮試験方法(Watts Shrinkage)を示すグラフである。
歯科用組成物、歯科用物品、及び使用方法を本明細書に記載する。歯科用組成物は、次の官能基:1)ひずみを緩和するために分解及び再構成させることのできる不安定な追加の細分化基、2)歯科用樹脂の重合性成分と反応するフリーラジカル重合性基、及び3)歯系構造などの基材表面と結合する表面改質有機官能基、を有する、少なくとも1つの付加開裂剤(fragmentation agent)を含む。付加開裂剤は不安定でありかつフリーラジカルにより切断可能なものである。一部の実施形態では、歯科用組成物は自己接着剤であり、すなわち、酸によりエッチングして、歯系構造に対する歯科用組成物の結合を促進させる、別の工程を必要としない。一部の実施例では、付加開裂剤はポリマーを架橋し得る。
付加開裂剤は、一般式:
−AF−Rのものであり、
式中、
AFは追加の細分化基であり、
及びRは、それぞれ独立して、Z−Q−、Y−Q’−、(ヘテロ)アルキル基又は(ヘテロ)アリール基であり、但し、少なくとも1つのR及びRはZ−Q−であり、そして、少なくとも1つのR及びRはY−Q’−であり、Qは共有結合であるか、又はm+1の原子価を有する有機連結基であり、Q’は共有結合であるか、又はp+1の原子価を有する(ヘテロ)ヒドロカルビル連結基であり、Zはエチレン性不飽和重合性基であり、かつYは付加開裂剤の配置された基材に結合する表面改質有機官能基である。一部の実施例では、R及び/又はRは、エチレン性不飽和重合性基「Z」及び表面改質有機官能基「Y」を両方含有し得る。
付加開裂剤「AF」は、付加し、断片化させ、再度付加して、ポリマーの成長時にポリマー鎖に対しかかる応力を減少させることができる不安定な基である。有用な追加の細分化基としては、1,5−ジアシル、2,2−ジメチル−4−メチレン(すなわち、2,2−ジメチル−4−メチレングルタル酸)、ジチオエステル、トリチオ炭酸、チウラムジスルフィド、キサントゲン酸ビニルエーテル、アリルスルフィド、アリルスルホン、アリルスルホキシド、アリルホスホナート、及びアリルペルオキシドが挙げられる。
本発明に使用するための好適な追加の細分化官能性又は剤としては、従来の可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)剤に特徴的な官能基も包含される。RAFT剤は当業者に知られており、G.Moad et al.,Radical addition−fragmentation chemistry in polymer synthesis,Polymer,Vol.49,No.5.(03 March 2008),pp.1079〜1131.に記載されている。RAFT剤の例は米国特許第6,153,705号、並びに国際公開第98/01478号、同第99/35177号、同第99/31144号及び同第98/58974号に掲載されている。アリルスルフィド鎖移動基(chain transfer groups)は、Meijs et al.,Macromolecules,21(10),3122〜3124,1998により記載されている。好適な追加の細分化鎖移動剤としては、トリチオ炭酸又はアリルスルフィド官能基が挙げられる。
特定の好ましい実施形態では、追加の細分化基は、式:
Figure 0006077542
の1,5−ジアシル,2,2−ジメチル−4−メチレンであり、式中、
はZ−Q−、Y−Q’−、(ヘテロ)アルキル基又は(ヘテロ)アリール基であり、
Qは共有結合又は連結基であり、好ましくは、原子価m+1を有する有機(ヘテロ)ヒドロカルビル連結基であり、
Q’は共有結合又は連結基であり、好ましくは原子価p+1を有する有機(ヘテロ)ヒドロカルビル連結基であり、
Zはエチレン性不飽和重合性基であり、
Yは、付加開裂剤を配置した基材に結合する有機官能基であり、
mは1〜6であり、
pは1又は2であり、
nは0である。
付加開裂剤は好ましくは次式:
Figure 0006077542
の2,2−ジメチル−4−メチレングルタル酸誘導体であり、式中、
、R及びRは、それぞれ独立してZ−Q−、Y−Q’−、(ヘテロ)アルキル基又は(ヘテロ)アリール基であり、但し、少なくとも1つのR、R及びRはZ−Q−であり、そして、少なくとも1つのR、R及びRはY−Q’−であり、
Qは共有結合又は連結基であり、好ましくは、原子価m+1を有する有機(ヘテロ)ヒドロカルビル連結基であり、
Q’は共有結合又は連結基であり、好ましくは原子価p+1を有する有機(ヘテロ)ヒドロカルビル連結基であり、
Zはエチレン性不飽和重合性基であり、
Yは、付加開裂剤を配置した基材に結合する表面改質有機官能基であり、
mは1〜6であり、
pは1又は2であり、
は、独立して−O−又は−NR−(式中、Rは、H又はC〜Cアルキルである)であり、
nは0又は1である、付加開裂剤を提供する。各R、R及びRがZ−Q−及びY−Q’−基を両方含み得ること、すなわち、重合性基及び表面改質基の両方が同じ「R」基の一部となり得ることが更に理解されるであろう。
式Iに係る付加開裂剤は、参照により本明細書に援用される2011年8月23日に同時に出願された米国仮特許出願第61/526470号に記載されている。
望ましい実施形態では、式R−AF−R又はこれらの式Iの追加開裂材(「AFM」)を、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー又はオリゴマーを含む歯科用組成物に添加することができる。理論に束縛されるものではないが、参照により本案件に組み込まれる米国仮出願特許第61/526470号(2011年8月23日同時出願)において機序が記載されるように、このような付加−開裂材料を含有させることで、付加−開裂により誘導される応力が減少するものと推測される。AFMが多官能性であり、少なくとも2つのエチレン性不飽和基(例えば、式IにおけるZが2以上である)を含む実施形態では、該物質は、架橋剤として機能し得、その場合、架橋は不安定である。
付加開裂剤は、以下のスキーム1に示す付加開裂経路に従うと考えられる。このスキームでは、nが0である式Iの架橋剤を示す。工程1では、フリーラジカル種P・を架橋剤に添加する。次いで、架橋剤は、工程2に示すように開裂して、フリーラジカル種P・の残基を有する安定なα−カルボニル三級ラジカル及びα,β−不飽和エステルを形成する。このα,β−不飽和エステルは、工程5に示すようにラジカル付加され得る。ラジカル付加は、反応開始剤又はポリマーラジカルによって開始し得る。
同時に、α−カルボニル三級ラジカルは、工程3に示すように、モノマーの重合を開始させ得る。例示のために、メタクリレートモノマーを示す。モノマーが付加されると、メタクリレート末端ラジカル中間体が生成される。(工程4に示すように)式1の架橋剤の存在下では、三級ラジカルが得られる付加及び開裂の両方が生じる。
Figure 0006077542
以下のスキーム2に示すように、付加開裂架橋剤は、応力を軽減するための複数の可能な機構を提供する。付加開裂架橋剤の2つの「Z」基によって架橋されている、単純化したメタクリレートポリマーを示す。エチレン性不飽和Z基間の結合は、不安定な架橋を形成する。付加開裂架橋剤の開裂は、架橋を切断するための機構を提供する。不安定な架橋の切断によって、特に高応力領域において、高分子網目が緩んだり再編成されたりすることができ、応力を軽減するための可能な機構を提供する。
Figure 0006077542
応力軽減は、また、付加開裂物質の存在下で反応速度が低下した(硬化速度が減速した)結果でもあり得る。ラジカルを付加開裂架橋剤に添加した結果、寿命の長い可能性がある三級ラジカル(スキーム1、工程1の生成物)が生じる。この寿命の長いラジカル中間体は、出発物質に戻って、モノマーに付加又は開裂し得る。開裂、逆付加(retro-addition)、及びモノマー付加が、付加と比べて緩徐である場合、中間体三級ラジカルは、比較的長い寿命を有する。この寿命の長いラジカル中間体は、次いで、ラジカルリザーバとして作用し、全体的重合プロセスを減速させる。硬化速度の低下は、粘稠な物質から弾性固体への物質の移行を遅らせ、ゲル化点を遅延させる役目をし得る。ゲル化後収縮は、応力発生の主な要素であり、したがって、わずかであってもゲル化点が遅延すると、硬化プロセス中に物質が流動する更なる時間を与えることによって応力の軽減を導くことができる。したがって、単一のZ基を有する式Iの化合物でさえも、重合応力を低減するために用いることができる。
付加開裂剤のエチレン性不飽和部分Zとしては、以下の化合物の調製に関してより十分に記載される、(メタ)アクリルオキシ、ビニル、スチレン、及びエチニルを含む以下の構造を挙げることができるが、これらに限定されない。
Figure 0006077542
式中、各Rは、独立してH又はC〜Cアルキルである。
一部の実施形態では、Qは、−O−、−S−、−NR−、−SO−、−PO−、−CO−、−OCO−、−R−、−NR−CO−NR−、NR−CO−O−、NR−CO−NR−−CO−O−R−、−CO−NR−R−、−R−CO−O−R−、−O−R−.−S−R−−、−NR−R−、−SO−R−、−PO−R−、−CO−R−、−OCO−R−、−NR−CO−R−、NR−R−CO−O−、及びNR−CO−NR−から選択され、式中、各Rは、水素、C〜Cアルキル基、又はアリール基であり、各Rは、炭素原子1〜6個有するアルキレン基、炭素原子を5〜10個有する5又は6員シクロアルキレン基、又は炭素原子を6〜16個有する二価アリーレン基などの(ヘテロ)ヒドロカルビル基であり、但し、Q−Zはペルオキシ結合を含有しない。
いくつかの実施形態では、Qは、式−C2r−(式中、rは1〜10である)等のアルキレンである。他の実施形態では、Qは、−CH−CH(OH)−CH−等のヒドロキシル置換アルキレンである。いくつかの実施形態では、Qは、アリールオキシ置換アルキレンである。いくつかの実施形態では、Rは、アルコキシ置換アルキレンである。
Z−Q基は、典型的には、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(OH)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−(O)C(CH)=CH)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CH(CHOAr)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CHCH−N(H)−C(O)−O−CH(CHOAr)−CH−O−.、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−、HC=C(H)C(O)−O−(CH−O−CH−CH(OH)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−、CH−(CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−、HC=C(H)C(O)−O−(CH−O−CH−CH(−O−(O)C(H)=CH)−CH−O−及びHC=C(H)C(O)−O−CH−CH(OH)−CH−O−.HC=C(H)C(O)−O−(CH−O−CH−CH(−O−(O)C(H)=CH)−CH−O−、並びにCH−(CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−から選択され、式中、「Ar」はアリール基である。
式Iの更なる態様に関しては、自己接着又は自己エッチングし得る有用なY−Q’基(R−X−基及び任意追加的にR−X−並びにR−X−基)には、モノホスフェート、ホスホネート、ホスホン酸、ヒドロキサム酸、カルボン酸及びアセト酢酸、無水物、イソニトリル基、シリル基、ジスルフィド基、チオール基、アミノ基、スルフィン酸基、スルホン酸基、ホスフィン基、フェノール基(カテコール及び1,2,3−トリヒドロキシベンゼン誘導体)、又はヘテロ芳香環基が包含される。歯科用途において特に対象となるのは、歯系構造に結合することができるもの、歯系構造をエッチングできるもの、あるいはこれに結合することができるY基のものである。好ましいY基としては、モノホスフェート、ホスホネート、ホスホン酸及びカルボン酸が挙げられる。Q’基は、−O−、−S−、−NR−、−SO−、−PO−、−CO−、−OCO−、−R−、−NR−CO−NR−、NR−CO−O−、NR−CO−NR−−CO−O−R−、−CO−NR−R−、−R−CO−O−R−、−O−R−、−S−R−−、−NR−R−、−SO−R−、−PO−R−、−CO−R−、−OCO−R−、−NR−CO−R−、NR−R−CO−O−、及びNR−CO−NR−から選択され、各Rは、水素、C〜Cアルキル基、又はアリール基であり、各Rは上記Qについて記載のとおり(ヘテロ)ヒドロカルビル基である。
他の実施形態では、Yは式−SiR のシリル基であり、式中、各R基は独立して、アルコキシ基、アセトキシ基、及びハライド基から選択される。このようなシリル官能性の付加開裂剤を、歯科用装置及び組成物のシリカ充填剤又は他のセラミック材に結合させることができる。
未充填の硬化性歯科用組成物の重合性樹脂部分に含まれる付加開裂剤の総量は、典型的には15重量%以下である。付加開裂モノマーの濃度が上昇するにつれて、応力たわみ及びワッツ収縮は、典型的に、低下する。しかし、付加開裂剤が最適量を超える場合、ダイヤメトラル引張強度及び/若しくはバーコル硬度等の機械的特性、又は硬化深度が不十分になる場合がある。
本明細書に記載の硬化性歯科用組成物の重合性樹脂部分には、少なくとも0.1重量%の付加開裂剤が含まれる。一般的に、付加開裂剤の量は、未充填の歯科用組成物重合性成分の約0.5〜10重量%である。
本明細書に記載の、充填した硬化性歯科用組成物は、典型的には、少なくとも0.1重量%の追加の開裂材を含む。充填した硬化性歯科用組成物中の付加開裂剤の合計量は、典型的には5重量%以下である。
硬化時に高重合応力が発生する材料は、歯構造にひずみを生じさせる。このような応力の1つの臨床的帰結は、修復の寿命の短縮であり得る。コンポジット中に存在する応力は、接着剤界面を通過して歯構造に達し、周囲の象牙質及びエナメル質において咬合たわみ及び亀裂を生じさせ、それによってR.R.Cara et al,Particulate Science and Technology 28;191〜206(2010)に記載の通り術後過敏が引き起こされる場合がある。本明細書に記載する好ましい(例えば、充填)歯科用組成物(充填材及びクラウン等の修復材に有用)は、典型的に、2.0、又は1.8、又は1.6、又は1.4、又は1.2、又は1.0、又は0.8、又は0.6μm以下の応力たわみを呈する。
式Iの化合物は、置換、変位、又は縮合反応によって、(メタ)アクリレートダイマー及びトリマーから調製することができる。出発(メタ)アクリレートダイマー及びトリマーは、参照により本明細書に援用される米国特許第4,547,323号の方法を用いて、フリーラジカル反応開始剤及びコバルト(II)錯体触媒の存在下で、(メタ)アクリルオキシモノマーのフリーラジカル付加によって調製することができる。あるいは、(メタ)アクリルオキシダイマー及びトリマーは、参照により本明細書に援用される米国特許第4,886,861号(Janowicz)又は同第5,324,879号(Hawthorne)の方法を用いて、コバルトキレート錯体を用いて調製することができる。いずれのプロセスでも、反応混合物は、ダイマー、トリマー、より高級なオリゴマー、及びポリマーの複合混合物を含有し得、所望のダイマー又はトリマーは、蒸留によって該混合物から分離することができる。このような合成法は、更に米国仮出願特許第61/442980号、及び同第61/443218号(2011年2月15日出願)(参照により本案件に組み込まれる)並びに以降の実施例に更に開示される。
本明細書に記載する硬化性組成物は、付加開裂剤と共に、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー又はオリゴマーを更に含む。プライマー等のいくつかの実施形態では、エチレン性不飽和モノマーは、単一の(例えば、末端の)エチレン性不飽和基を有する単官能性であってよい。歯科用修復材等の他の実施形態では、エチレン性不飽和モノマーは、多官能性である。句「多官能性エチレン性不飽和」は、モノマーがそれぞれ少なくとも2つの(メタ)アクリレート基等のエチレン性不飽和(例えば、フリーラジカル)重合性基を含むことを意味する。
歯科用組成物中の硬化性樹脂の量は、所望の最終用途(接着剤、セメント、修復材など)に関係する関数であり、かつ歯科用組成物の(すなわち未充填)重合性樹脂に対して表すことができる。組成物が充填剤を更に含む好ましい実施形態では、モノマーの濃度は、総(すなわち、充填)組成物に対して表すこともできる。組成物が充填剤を含まない場合、重合性樹脂部分は、総組成物と同じである。
望ましい実施形態では、このような硬化性歯科用樹脂のエチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリロイルが挙げられる。他のエチレン性不飽和重合性基としては、ビニル及びビニルエーテルが挙げられる。エチレン性不飽和末端重合性基は、好ましくは、特に化学線(例えば、UV及び可視光)に曝露することによって硬化される組成物の場合、(メタ)アクリレート基である。更に、メタクリレート官能性は、典型的に、硬化性歯科用組成物においてアクリレート官能性よりも好ましい。エチレン性不飽和モノマーは、歯科用組成物で使用する場合、当該技術分野において公知である通り、様々なエチレン性不飽和モノマーを含んでよい。
望ましい実施形態では、(例えば、歯科用)組成物は、収縮性モノマー(shrinkage monomer)を少量有する1つ以上の歯科用樹脂を含む。好ましい(例えば、充填された)硬化性歯科用樹脂(充填材及びクラウンなどの復元に有用)は、組成物の示すワッツ収縮が約2%、好ましくは1.80%以下、1.60%になるよう、1つ以上の収縮樹脂を少量含む。好ましい実施形態では、ワット収縮は、1.50%以下、又は1.40%以下、又は1.30%以下であり、いくつかの実施形態では、1.25%以下、又は1.20%以下、又は1.15%以下、又は1.10%以下である。
好ましい低体積収縮モノマーとしては、U.S.S.N.2011/027523(Abuelyamen et al.)に記載のものなどのイソシアヌレート樹脂;U.S.S.N 2011/041736に記載のものなどのトリシクロドデカン樹脂;米国特許第7,888,400号(Abuelyamen et al.)に記載のものなどの少なくとも1つの環式アリールスルフィド基を有する重合性樹脂;樹脂米国特許第6,794,520号(Moszner et al.)に記載のものなどのメチレンジチエパンシラン;並びに米国特許第2010/021869号(Abuelyamen et al.)に記載のものなどのジ−、トリ、及び/又はテトラ−(メタ)アクリルオイル含有樹脂が挙げられる。これらの文献の各々は参照により本明細書に組み込まれる。
好ましい実施形態では、(例えば、無充填)重合性樹脂組成物の大部分は、1以上の低体積収縮モノマー(「低収縮モノマー」)を含む。例えば、(例えば、無充填)重合性樹脂組成物のうちの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、又はそれ以上は、低体積収縮モノマーを含んでよい。
1つの実施形態では、歯科用組成物は、少なくとも1つのイソシアヌレート樹脂を含む。イソシアヌレート樹脂は、イソシアヌレートコア構造としての三価イソシアヌル酸環と、(例えば、二価)連結基を介してイソシアヌレートコア構造の窒素原子のうちの少なくとも2つに結合している少なくとも2つのエチレン性不飽和(例えば、フリーラジカル)重合性基とを含む。連結基は、イソシアヌレートコア構造の窒素原子と末端エチレン性不飽和基との間の原子の鎖全体である。エチレン性不飽和(例えば、フリーラジカル)重合性基は、一般的に、(例えば、二価)連結基を介してコア又は骨格ユニットに結合する。
三価イソシアヌレートコア構造は、一般的に、式:
Figure 0006077542
二価連結基は、少なくとも1つの窒素、酸素、又は硫黄原子を含む。このような窒素、酸素、又は硫黄原子は、ウレタン、エステル、チオエステル、エーテル、又はチオエーテル結合を形成する。エーテル及び特にエステル結合は、収縮の低減等の改善された特性、及び/又は、例えば、ダイヤメトラル引張強度(DTS)等の高い機械的特性を提供するためにウレタン結合を含むイソシアヌレート樹脂よりも有益であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、イソシアヌレート樹脂の二価連結基は、ウレタン結合を含まない。いくつかの好ましい実施形態では、二価連結基は、脂肪族又は芳香族のジエステル結合等のエステル結合を含む。
イソシアヌレートモノマーは、典型的に、以下の一般式を有する。
Figure 0006077542
式中、Rは、直鎖、分岐鎖又は環状アルキレン、アリーレン、又はアルカリーレンを含み、及び任意追加的にヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、又は硫黄)を含む、(ヘテロ)ヒドロカルビル基であり、Rは水素又はC1〜C4アルキルであり、Rは、ウレタン、エステル、チオエステル、エーテル、又はチオエーテル、及びこれらの基の組み合わせから選択される少なくとも1つの基を含むアルキレン、アリーレン、又はアルカリーレン連結基を含むヘテロヒドロカルビル基であり、少なくとも1つのR基は
Figure 0006077542
である。Rは、典型的に、任意追加的なヘテロ原子を含む、12個以下の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖、又は環状のアルキレンである。いくつかの好ましい実施形態では、Rは8個以下、6個以下、又は4個以下の炭素原子を有する。いくつかの好ましい実施形態では、Rは、少なくとも1つのヒドロキシル部分を含む。
いくつかの実施形態では、Rは、ジエステル結合等の脂肪族又は芳香族エステル結合を含む。
いくつかの実施形態では、Rは1つ以上のエーテル部分を更に含む。したがって、連結基はエステル又はジエステル部分と1つ以上のエーテル部分との組み合わせを含むことができる。
イソシアヌレートモノマーがジ(メタ)アクリレートモノマーである実施形態では、Rは、任意追加的なヘテロ原子を含む水素、アルキル、アリール、又はアルカリルである。
本明細書に記載する硬化性の無充填歯科用組成物の重合性樹脂部分は、少なくとも10重量%、15重量%、20重量%、又は25重量%の多官能性エチレン性不飽和イソシアヌレート樹脂を含んでよい。イソシアヌレート樹脂は、単一のモノマー、又は2以上のイソシアヌレート樹脂のブレンドを含んでよい。硬化性歯科用組成物の無充填重合性樹脂部分におけるイソシアヌレート樹脂の総量は、典型的に、90重量%、85重量%、80重量%、又は75重量%以下である。
本明細書に記載する充填硬化性歯科用組成物は、典型的には、少なくとも5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、又は9重量%の多官能性エチレン性不飽和イソシアヌレート樹脂を含む。充填硬化性(すなわち、重合性)歯科用組成物のイソシアヌレート樹脂の総量は、典型的に、20重量%、又は19重量%、又は18重量%、又は17重量%、又は16重量%、又は15重量%以下である。
別の実施形態では、歯科用組成物は、少なくとも1つのトリシクロデカン樹脂を含む。トリシクロデカンモノマーは、単一の樹脂、又は2以上のトリシクロデカン樹脂のブレンドを含んでよい。(すなわち、無充填)重合性樹脂部分又は充填硬化性(すなわち、重合性)組成物中の多官能性エチレン性不飽和トリシクロデカンモノマーの濃度は、多官能性エチレン性不飽和イソシアヌレートモノマーについて上述したものと同じであってよい。
トリシクロデカンモノマーは、一般的に、コア構造(すなわち、骨格ユニット(U)):
Figure 0006077542
トリシクロデカン樹脂が典型的にエーテル結合を介して骨格ユニット(U)に結合している場合、骨格ユニット(U)は、1又は2つのスペーサーユニット(S)を含む。少なくとも1つのスペーサーユニット(S)は、CH(R10)−OG鎖(各基Gは、(メタ)アクリレート部分を含み、R10は、水素、アルキル、アリール、アルカリル、及びこれらの組合せから選択される少なくとも1つの基を含む)を含む。いくつかの実施形態では、R10は、水素、メチル、フェニル、フェノキシメチル、及びこれらの組合せである。Gは、ウレタン部分を介してスペーサーユニット(S)に結合してよい。
いくつかの実施形態では、スペーサーユニット(S)は、典型的に、以下を含む:
Figure 0006077542
式中、mは1〜3であり、nは1〜3であり、R10は水素、メチル、フェニル、フェノキシメチルである。
他の実施形態では、スペーサーユニット(S)は、典型的に、以下を含む:
Figure 0006077542
式中、M=アリールである。
いくつかの実施形態では、組成物は、約1.5:1〜1:1.5の重量比で、多官能性エチレン性不飽和イソシアヌレートモノマーと多官能性エチレン性不飽和トリシクロデカンモノマーとを含む。
いくつかの実施形態では、硬化性歯科用組成物は、少なくとも1つの(メタ)アクリルオキシ部分と共に少なくとも1つの環状アリルスルフィド部分を有する重合性樹脂を含む。
環状アリルスルフィド部分は、典型的に、環内に2つのヘテロ原子を有し、そのうちの1つが硫黄である、少なくとも1つの7又は8員環を含む。最も典型的には、ヘテロ原子の両方が硫黄であり、これらは、任意追加的な、SO、SO、又はS−S部分の一部として存在してよい。他の実施形態では、環は、硫黄原子に加えて、酸素又は窒素等、環内に第2の異なるヘテロ原子を含んでもよい。更に、該環状アリル部分は、複数の環構造を含んでもよい、すなわち、2以上の環状アリルスルフィド部分を有してもよい。(メタ)アクリルオキシ部分は、好ましくは、(メタ)アクリルオキシオキシ(すなわち、(メタ)アクリレート部分)又は(メタ)アクリロイルアミノ(すなわち、(メタ)アクリルアミド部分)である。
1つの実施形態では、低収縮樹脂は、以下の式によって表されるもの:
Figure 0006077542
である。
上記式中、各Aは、独立して、S、O、N、C(例えば、C(R10、各R10は、独立して、H又は有機基である)、SO、SO、N−アルキル、N−アシル、NH、N−アリール、カルボキシル、又はカルボニル基から選択してよいが、但し、少なくとも1つのXは、Sであるか又はSを含む基である。好ましくは、各XはSである。好ましくは、各Aは硫黄である。
Bは、任意追加的なヘテロ原子、カルボニル、若しくはアシルを含むアルキレン(例えば、メチレン、エチレン等)であるか、又は、存在せず、それによって、典型的に7〜10員環である環の大きさを示すが、より大きな環も想到される。好ましくは、環は、Yを含む7又は8員環であり、したがって、それぞれ、存在しないか又はメチレンである。いくつかの実施形態では、Yは、存在しないか、又は任意追加的なヘテロ原子、カルボニル、アシル、若しくはこれらの組合せを含むC1〜C3アルキレンである。
は、独立して−O−又は−NR−であり、Rは、H又はC〜Cアルキルである。
11基は、アルキレン(典型的に、1超の炭素原子を有する、すなわち、メチレンを除く)、任意追加的なヘテロ原子(例えば、O、N、S、S−S、SO、SO2)を含むアルキレン、アリーレン、脂環式、カルボニル、シロキサン、アミド(−CO−NH−)、アシル(−CO−O−)、ウレタン(−O−CO−NH−)、及びウレア(−NH−CO−NH−)基、並びにこれらの組合せから選択されるリンカーを表す。特定の実施形態では、R’は、直鎖又は分枝鎖のいずれであってもよく、かつ非置換であっても、アリール、シクロアルキル、ハロゲン、ニトリル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルチオ、カルボニル、アシル、アシルオキシ、アミド、ウレタン基、ウレア基、環状アリルスルフィド部分、又はこれらの組合せで置換されていてもよいアルキレン基、典型的に、メチレン又はより長い基を含む。
はH又はC〜Cアルキルであり、かつ「a」及び「b」は独立して1〜3である。
任意追加的な、環状アリルスルフィド部分は、環において、直鎖又は分枝鎖のアルキル、アリール、シクロアルキル、ハロゲン、ニトリル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルチオ、カルボニル、アシル、アシルオキシ、アミド、ウレタン基、及びウレア基から選択される1以上の基で更に置換されてもよい。好ましくは、選択される置換基は、固化反応に干渉しない。非置換メチレンメンバーを含む環状アリルスルフィド構造が好ましい。
典型的な低収縮モノマーは、環内の2つの硫黄原子、及びアシル基で環の3位に直接結合するリンカー(すなわち、環−OC(O)−)と共に8員環状アリルスルフィド部分を含んでよい。典型的に、ハイブリッドモノマーの重量平均分子量(MW)は、約400〜約900の範囲であり、いくつかの実施形態では、少なくとも250、より典型的には少なくとも500、最も典型的には少なくとも800である。
少なくとも1つの環状アリルスルフィド部分を有する重合性化合物を含むと、高いダイヤメトラル引張強度と低体積収縮との相乗的組み合わせを得ることができる。
別の実施形態では、歯科用組成物は、以下の一般式を有する少なくとも1つのジ−、トリ−、及び/又はテトラ(メタ)アクリロイル含有樹脂を含む低収縮樹脂を含む。
Figure 0006077542
式中、各Xが、独立して、−O−又は−NR−であり、Rが、H又はC〜Cアルキルであり、
D及びEは、それぞれ独立して有機基を表し、R12は−C(O)C(CH)=CH、並びに/又は(ii)q=0及びRは、−H、−C(O)CH=CH、又は−C(O)C(CH)=CHを表し、但し、少なくとも1つのR12は(メタ)アクリレートであり、各mは1〜5であり、p及びqは独立して0又は1である。この物質はビスフェノールAの誘導体であるが、イソシアヌレート及び/又はトリシクロデカンモノマー等の他の低体積収縮モノマーを使用する場合、歯科用組成物は、ビスフェノールAに由来する(メタ)アクリレートモノマーを含まない。
他の実施形態では、歯科用低収縮樹脂は、参照により本案件に組み込まれる米国特許第6,794,520号(Moszner et al.)に記載のメチレンジチエパンシラン樹脂から選択され得る。このような樹脂は、一般式:
Figure 0006077542
を有し、
式中、R14は、1つ以上の酸素及び/又は硫黄原子により中断されてよく、かつ1つ以上のエステル、カルボニル、アミド、及び/又はウレタン基を含有し得る、炭素原子1〜10個の、飽和又は不飽和脂肪族又は脂環式炭化水素ラジカルであり、あるいは炭素原子を6〜18個有する芳香族又はヘテロ芳香族炭化水素ラジカルであり、炭化水素ラジカルは置換又は非置換であってよく、R15は、R14について与えられた定義のうちの1つを有するか、又は存在せず、R16は、R14について与えられた定義のうちの1つを有するか、又は存在せず、R17は、−(CHR19−、−W−CO−NH−(CHR19−、−Y−CO−NH−R18−、−(CHR19、−SR18−、−CO−O−R18−であるか、又は存在せず、nは1〜4であり、R19は水素、C〜C10アルキル、又はC〜C10アリールであり、R18は、R14について与えられた定義のうちの1つを有し、WはO若しくはS原子を表すか、又は存在せず、R18及びR19は置換又は非置換であってよく、R20は加水分解可能な基であり、d、e、f及びxはそれぞれ互いに独立して、1、2、又は3であり、d+xの合計は2〜4である。
多官能性低収縮樹脂は約25℃にて粘稠(例えば、高粘度)な液体であるものの、流動性である。2010年7月2日出願の欧州特許出願第10168240.9号に記載のようなHaake RotoVisco RV1装置で測定することができるとき、粘度は、典型的に、少なくとも300、又は400、又は500Pasかつ10,000パスカル秒(Pas)以下である。いくつかの実施形態では、粘度は、5000又は2500Pas以下である。
歯科用組成物のエチレン性不飽和樹脂は、典型的に、約25℃で安定な液体であり、これは、少なくとも、30、60、又は90日間の典型的な貯蔵寿命の間室温(約25℃)で保存したとき、樹脂が実質的に重合、結晶化、又は他の方法で固化しないことを意味する。樹脂の粘度は、典型的に、初期粘度の10%を超えて変化(例えば、増加)しない。
特に、歯科用修復材組成物の場合、エチレン性不飽和樹脂は、一般的に、少なくとも1.50の屈折率を有する。いくつかの実施形態では、屈折率は、少なくとも1.51、1.52、1.53又はそれ以上である。硫黄原子を含むこと及び/又は1以上の芳香族部分の存在は、(このような置換基を含まない同じ分子量の樹脂に対して)屈折率を上昇させ得る。
いくつかの実施形態では、(無充填)重合性樹脂は、単独で、付加開裂剤と共に1以上の低収縮樹脂を含んでもよい。他の実施形態では、(無充填)重合性樹脂は、低濃度の他のモノマーを含む。「他の」とは、低体積収縮モノマーではない(メタ)アクリレートモノマー等のエチレン性不飽和モノマーを意味する。
このような他のモノマーの濃度は、典型的に、(無充填)重合性樹脂部分の20重量%、19重量%、18重量%、17重量%、16重量%、又は15重量%以下である。このような他のモノマーの濃度は、典型的に、充填重合性歯科用組成物の5重量%、4重量%、3重量%、又は2重量%以下である。
一部の実施形態では、歯科用組成物の「他のモノマー」は低粘度反応性(すなわち、重合性)希釈剤を含む。2010年7月2日出願の欧州特許出願第10168240.9号に記載のようなHaake RotoVisco RV1装置で測定することができるとき、反応性希釈剤は、典型的に、300Pas以下、好ましくは、100Pas、又は50Pas、又は10Pas以下の粘度を有する。いくつかの実施形態では、反応性希釈剤は、1又は0.5Pas以下の粘度を有する。反応性希釈剤は、典型的に、600g/mol、又は550g/mol、又は500g/mol未満の分子量を有する、比較的低分子量である。反応性希釈剤は、典型的に、モノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレートモノマーの場合等、1又は2つのエチレン性不飽和基を含む。
いくつかの実施形態では、反応性希釈剤は、イソシアヌレート又はトリシクロデカンモノマーである。トリシクロデカン反応性希釈剤は、上記と同じ一般的構造を有してよい。好ましい実施形態では、トリシクロデカン反応性希釈剤は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第2011/041736号(Eckert et al.)に記載のような、エーテル結合を介して骨格ユニット(U)に結合している1又は2つのスペーサーユニット(S)を含む。
低体積収縮組成物中に付加開裂剤を含むことは、典型的に、最低応力及び/又は最低収縮を提供するが、本明細書に記載する付加開裂剤は、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(BisEMA6)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ビスフェノールAジグリシジルジメタクリレート(bisGMA)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、グリセロールジメタクリレート(GDMA)、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(NPGDMA)、及びポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDMMA)等の従来の固化性(メタ)アクリレートモノマーを含む歯科用組成物の応力及び収縮も低減することができる。
硬化性歯科用組成物の硬化性成分は、広範囲の「他の」エチレン性不飽和化合物(酸官能性を有する又は有しない)、エポキシ官能性(メタ)アクリレート樹脂、ビニルエーテル等を含むことができる。
(例えば、光重合性)歯科用組成物は、1以上のエチレン性不飽和基を有するフリーラジカル重合性モノマー、オリゴマー、及びポリマーを含んでよい。好適な化合物は、少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を含有し、付加重合を受けることが可能である。有用なエチレン性不飽和化合物の例としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性アクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性メタクリル酸エステル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
このようなフリーラジカル重合性化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)メタクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリゴールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ビス[l−(2−アクリルオキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[l−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、及びトリスヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート等のモノ−、ジ−又はポリ(メタ)アクリレート(すなわち、アクリレート及びメタアクリレート);(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド及びジアセトン(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド(すなわち、アクリルアミド及びメタアクリルアミド);ウレタン(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールのビス−(メタ)アクリレート(分子量が200〜500のものが好ましい)、並びにスチレン、ジアリルフタレート、ジビニルスクシネート、ジビニルアジペート、及びジビニルフタレート等のビニル化合物が挙げられる。他の好適なフリーラジカル重合性化合物としては、シロキサン官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。必要に応じて、2つ以上のフリーラジカル重合性化合物の混合物を使用することが可能である。
硬化性歯科用組成物には、例えば、「その他のモノマー」として、ヒドロキシル基及びエチレン性不飽和基も含有させ得る。こうした物質の例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートのようなヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;グリセロールモノ−又はジ−(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンモノ−又はジ−(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールモノ−、ジ−、及びトリ−(メタ)アクリレート;ソルビトールモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、又はペンタ−(メタ)アクリレート;並びに2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(bisGMA)が挙げられる。好適なエチレン性不飽和化合物は、多種多様な商業的供給元、例えば、シグマアルドリッチ,St.Louisから入手可能である。
硬化性歯科用組成物は、無充填組成物の総重量に基づいて、少なくとも1重量%、少なくとも3重量%、又は少なくとも5重量%のヒドロキシ官能性を有するエチレン性不飽和化合物を含み得る。組成物は、最高80重量%、最高70重量%、又は最高60重量%のヒドロキシル官能性を有するエチレン性不飽和化合物を含み得る。
本明細書に記載の歯科用組成物には、例えば、「その他の」モノマーとして、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物の形態で、1つ以上の硬化性成分を含有させることができる。存在する場合、重合性成分は、任意追加的な、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物を含む。好ましくは、酸官能性は、炭素、硫黄、リン、又はホウ素のオキシ酸(すなわち、酸素含有酸)を含む。このような酸官能性の「その他の」モノマーは、参照により本案件に組み込まれる米国特許第2005/017966号(Falsafi et al.)に記載の通りの歯科用組成物の自己接着又は自己エッチングに関与する。
本明細書で使用する時、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物は、エチレン性不飽和並びに酸官能性及び/又は酸前駆体官能性を有する、モノマー、オリゴマー、及びポリマーを含むことを意味する。酸前駆体官能基としては、例えば、無水物、酸ハロゲン化物、及びピロリン酸塩が挙げられる。酸性官能基としては、カルボン酸官能基、リン酸官能基、ホスホン酸官能基、スルホン酸官能基、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、グリセロールリン酸モノ(メタ)アクリレート、グリセロールリン酸ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(例えば、HEMA)リン酸、ビス((メタ)アクリルオキシエチル)リン酸、((メタ)アクリルオキシプロピル)リン酸、ビス((メタ)アクリルオキシプロピル)リン酸、ビス((メタ)アクリルオキシ)プロピルオキシリン酸、(メタ)アクリルオキシヘキシルリン酸、ビス((メタ)アクリルオキシヘキシル)リン酸、(メタ)アクリルオキシオクチルリン酸、ビス((メタ)アクリルオキシオクチル)リン酸、(メタ)アクリルオキシデシルリン酸、ビス((メタ)アクリルオキシデシル)リン酸、カプロラクトンメタクリレートリン酸、クエン酸ジ−又はトリ−メタクリレート、ポリ(メタ)アクリレート化オリゴマレイン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリマレイン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリカルボキシル−ポリホスホン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリクロロホスホン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリスルホン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリホウ酸等のα,β−不飽和酸性化合物が挙げられ、成分として使用することができる。(メタ)アクリル酸、芳香族(メタ)アクリル化酸(例えば、メタクリレート化トリメリット酸)等の不飽和炭酸のモノマー、オリゴマー、及びポリマー、並びにこれらの無水物を使用することも可能である。
歯科用組成物は、少なくとも1つのP−OH部分を有する酸官能性を有する、エチレン性不飽和化合物を含んでよい。このような組成物は、自己接着性及び非水性である。例えば、このような組成物は、少なくとも1つの(メタ)アクリルオキシ基及び少なくとも1つの−O−P(O)(OH)基を含む第1の化合物(式中、xが1又は2であり、少なくとも1つの−O−P(O)(OH)基及び少なくとも1つの(メタ)アクリルオキシ基がC〜Cの炭化水素基によって結合している)と、少なくとも1つの(メタ)アクリルオキシ基及び少なくとも1つの−O−P(O)(OH)基を含む第2の化合物(式中、xが1又は2であり、少なくとも1つの−O−P(O)(OH)基及び少なくとも1つの(メタ)アクリルオキシ基がC〜C12の炭化水素基によって結合している)と、酸官能基を有さないエチレン性不法飽和化合物と、反応開始剤系と、充填剤とを含むことができる。
硬化性歯科用組成物は、無充填組成物の総重量に基づいて、少なくとも1重量%、少なくとも3重量%、又は少なくとも5重量%の酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物を含み得る。組成物は、最高80重量%、最高70重量%、又は最高60重量%の酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物を含み得る。
硬化性歯科用組成物としては、米国特許第5,130,347号(Mitra)、同第5,154,762号(Mitra)、同第5,925,715号(Mitra et al.)及び同第5,962,550号(Akahane)に記載のものなどの樹脂改質グラスアイオノマーセメントが挙げられるこのような組成物は、粉末−液体、ペースト−液体、又はペースト−ペースト系であってよい。あるいは、米国特許第6,126,922号(Rozzi)に記載されているもの等のコポリマー製剤は、本発明の範囲に含まれる。
開始剤は、典型的には、重合性材料(すなわち、硬化性樹脂及びAFM)の混合物に添加される。開始剤は、重合性組成物を容易に溶解する(及び、重合性組成物からの分離を阻止する)ことを可能にするために、樹脂系と十分に混和性があるべきである。典型的に、開始剤は、組成物中に、組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%〜約5.0重量%などの有効な量で存在する。
付加開裂剤は、一般的に、フリーラジカル的に切断可能である。光重合は、フリーラジカルを発生させるための1つの機構であるが、他の硬化機構もフリーラジカルを発生させる。したがって、付加開裂剤は、硬化中の応力を低減するために、化学線の照射(例えば、光硬化)を必要としない。
幾つかの実施形態では、樹脂の混合物は、光重合性であり、この組成物は、化学線の照射時に組成物の重合(又は固化)を開始させる光反応開始剤(すなわち、光反応開始剤系)を含有する。こうした光重合性組成物は、フリーラジカル重合性であることができる。光開始剤は、典型的には、約250nm〜約800nmの機能性波長範囲を有する。
フリーラジカル光重合性組成物を重合するのに好適な光開始剤(すなわち、1つ以上の化合物を含む光開始剤系)としては、二成分及び三成分系が挙げられる。典型的な3元光開始剤としては、米国特許第5,545,676号(Palazzotto et al.)に記載されているような、ヨードニウム塩、光増感剤、及び電子供与体化合物が挙げられる。ヨードニウム塩としては、ジアリールヨードニウム塩、例えば、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート及びジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレートが挙げられる。一部の好ましい光開始剤としては、約300nm〜約800nm(好ましくは約400nm〜約500nm)の範囲内の一部の光を吸収するモノケトン及びジケトン(例えば、アルファジケトン)、例えば、カンファーキノン、ベンジル、フリル、3,3,6,6−テトラメチルシクロヘキサンジオン、フェナントラキノン及び他の環式アルファジケトンを挙げてもよい。これらのうち、カンファーキノンが典型的には好ましい。好ましい電子供与体化合物としては、置換アミン、例えば、エチル4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエートが挙げられる。
フリーラジカル光重合性組成物を重合するために好適な他の光開始剤としては、典型的には約380nm〜約1200nmの範囲の有効波長を有するホスフィンオキシドの部類が挙げられる。約380nm〜約450nmの機能性波長範囲を有する好ましいホスフィンオキシドフリーラジカル開始剤は、アシル及びビスアシルホスフィンオキシドである。
約380〜約450nmの波長範囲で照射されるとフリーラジカル反応を開始することができる市販のホスフィンオキシド光開始剤としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE 819(Ciba Specialty Chemicals(Tarrytown,N.Y.)))、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド(CGI 403(Ciba Specialty Chemicals))、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの重量で25:75の混合物(IRGACURE 1700(Ciba Specialty Chemicals))、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの重量で1:1の混合物(DAROCUR 4265(Ciba Specialty Chemicals)、及びエチル−2,4,6−トリメチルベンジルフェニルホスフィネート(LUCIRIN LR8893X(BASF Corp.(Charlotte,N.C.))が挙げられる。
三級アミン還元剤を、アシルホスフィンオキシドと組み合わせて使用してもよい。代表的な三級アミンとしては、エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエート及びN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートが挙げられる。存在する場合、アミン還元剤は、光重合可能な組成物中に、組成物の総重量に基づいて約0.1重量%〜約5.0重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、硬化性歯科組成物は、紫外線(UV)で照射されてもよい。この実施形態では、好適な光反応開始剤としては、Ciba Speciality Chemical Corp.,Tarrytown,N.Y.からIRGACURE及びDAROCURの商品名で入手可能なものが挙げられ、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE 184)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(IRGACURE 651)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE 819)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRGACURE 2959)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン(IRGACURE 369)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(IRGACURE 907)、及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(DAROCUR 1173)が挙げられる。
光重合可能な組成物は、典型的には、組成物の様々な構成成分を混合することにより、調製される。光重合可能な組成物が空気の存在下で硬化しない実施形態では、光開始剤は、「安全な光」条件(すなわち、組成物の硬化を早発させない条件)下で組み合わせられる。混合物を調製する際、必要であれば、好適な不活性溶媒を取り入れてもよい。好適な溶媒の例としては、アセトン及びジクロロメタンが挙げられる。
硬化は、線源、好ましくは可視光源に組成物を曝露することによって起こる。石英ハロゲン電球、タングステンハロゲン電球、水銀アーク、炭素アーク、低、中、及び高圧水銀電球、プラズマアーク、発光ダイオード、並びにレーザ等の250nm〜800nmの化学線(特に、380nm〜520nmの波長の青色光)を発する光源を使用するのが便利である。通常、有用な光源は、0.200〜1000W/cmの範囲の強度を有する。このような組成物を硬化させるための様々な従来の光を使用することができる。
この曝露は、複数の方法で達成され得る。例えば、重合性組成物は、全硬化プロセス(例えば、約2秒〜約60秒)にわたって放射線に持続的に曝露されてもよい。また、組成物を、放射線の単回投与に曝露し、その後、放射線源を取り外し、それにより重合を生じさせておくこともまた可能である。一部の場合には、物質は、低強度から高強度へ徐々に増強する光源に曝すことができる。二重曝露が採用される場合、それぞれの投与の強度は、同一でもよく、又は異なっていてもよい。同様に、各曝露の全体のエネルギーは、同一でもよく、又は異なっていてもよい。
多官能性エチレン性不飽和モノマーを含む歯科用組成物は、化学硬化性であってもよく、すなわち、組成物は、化学放射線の照射に依存せずに組成物を重合、硬化、又は他の方法で固化させることができる化学反応開始剤(すなわち、開始剤系)を含有する。このような化学硬化性(例えば、重合性又は硬化性)組成物は、任意追加的に、「自己硬化」組成物とも呼ばれ、レドックス硬化系、熱硬化系及びこれらの組み合わせを包含してもよい。更に、重合性組成物は、異なる複数の開始剤の組み合わせを含んでもよく、これらの開始剤のうちの少なくとも1つはフリーラジカル重合を開始するのに好適である。
化学硬化性組成物は、重合性成分(例えば、エチレン性不飽和重合性成分)並びに酸化剤及び還元剤を包含するレドックス剤を含むレドックス硬化系を包含してもよい。
樹脂系(例えば、エチレン性不飽和成分)の重合を開始することが可能なフリーラジカルを製造するために、還元剤及び酸化剤は、互いに反応するか、ないしは別の方法で協働する。この種の硬化は、暗反応である、すなわち、光の存在に依存せずかつ光が存在しない状態下で進行可能である。還元剤及び酸化剤は、好ましくは十分に貯蔵安定性があり、不快な着色がなく、典型的条件下においての保存及び使用を可能にする。
有用な還元剤としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体及び米国特許第5,501,727号(Wang et al.)に記載されているようなアスコルビン酸化合物;アミン、特に4−t−ブチルジメチルアニリンなどの三級アミン;p−トルエンスルフィン酸塩及びベンゼンスルフィン酸塩などの芳香族スルフィン酸塩;1−エチル−2−チオウレア、テトラエチルチオウレア、テトラメチルチオウレア、1,1−ジブチルチオウレア及び1,3−ジブチルチオウレアなどのチオウレア;及びこれらの混合物が挙げられる。他の二級還元剤としては、塩化コバルト(II)、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン(酸化剤の選択に依存する)、亜ジチオン酸塩又は亜硫酸塩アニオンの塩、及びこれらの混合物を挙げてもよい。好ましくは、還元剤はアミンである。
好適な酸化剤はまた、当業者によく知られており、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、セシウム、及びアルキルアンモニウム塩などの過硫酸及びその塩が挙げられるが、これらに限定されない。更なる酸化剤としては、過酸化物、例えば、過酸化ベンゾイル、ヒドロペルオキシド(例えば、クミルヒドロペルオキシド)、t−ブチルヒドロペルオキシド、及びアミルヒドロペルオキシド、並びに遷移金属の塩、例えば、塩化コバルト(III)及び塩化第二鉄、硫酸セリウム(IV)、過ホウ酸並びにそれらの塩、過マンガン酸及びその塩、過リン酸及びその塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。
1以上の酸化剤又は1以上の還元剤を使用することが望ましい場合がある。少量の遷移金属化合物を添加して、レドックス硬化速度を速めてもよい。還元剤又は酸化剤は、米国特許第5,154,762号(Mitra et al.)に記載されているように、マイクロカプセル化することができる。これは、一般に、重合性組成物の貯蔵安定性を増強し、必要であれば、還元剤及び酸化剤を共にパッケージングすることを許容するであろう。例えば、封入剤を適切に選択することにより、酸化剤及び還元剤を酸官能基成分及び任意の充填剤と組み合わせて、貯蔵安定状態に維持することができる。
硬化性歯科用組成物はまた、熱的に活性化されたすなわち熱により活性化されたフリーラジカル開始剤を用いて硬化することができる。典型的な熱反応開始剤としては、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、及びアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、並びにミルブランクに好ましい過酸化ジクミル等が挙げられる。
歯科用組成物が歯科用修復材(例えば、歯科用充填材又はクラウン)又は歯列矯正用セメントとして使用される好ましい実施形態では、歯科用組成物は、典型的に、相当量の(例えばナノ粒子)充填剤を含む。このような充填剤の量は、最終用途−接着剤、セメント、修復材などに応じる。このような組成物は、組成物の総重量に基づいて、好ましくは、少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも45重量%、最も好ましくは少なくとも50重量%の充填剤を含有する。一部の実施形態では、充填剤の総量は、最大で90重量%、好ましくは最大で80重量%、並びにより好ましくは最大で75重量%の充填剤である。
(例えば、充填)歯科用コンポジット材料は、典型的に、少なくとも約70、75、又は80MPaのダイヤメトラル引張強度(DTS)及び/又は少なくとも約60、又は65、又は70のバーコル硬度を呈する。硬化深度は、市販の修復材用の(例えば、充填)歯科用組成物と同等である、約4〜約5の範囲である。
歯科用接着剤としての使用に好適な歯科用組成物はまた、任意追加的な、組成物の総重量に基づいて、少なくとも1重量%、2重量%、3重量%、4重量%又は5重量%の量の充填剤を含むことができる。このような実施形態では、充填剤の総濃度は、組成物の総重量に基づいて、最大で40重量%、好ましくは最大で20重量%、並びに好ましくは最大で15重量%である。
充填剤は、例えば歯科修復材組成物に現在使用されている充填剤等、歯科用途に使用されている組成物内への組み込みに適した多種多様な物質の1種以上から選択されてよい。
充填剤は、無機物質であり得る。また、充填剤は、重合性樹脂に不溶性である架橋済み有機材料であることもでき、それは任意追加的に無機充填剤と一緒に充填される。充填剤は概して非毒性で、口内の使用に好適であるべきである。充填剤は、放射線不透過性、放射線透過性又は非放射線不透過性であり得る。歯科用途に使用される充填剤の性質は通常、セラミックである。
酸非反応性の無機充填剤粒子としては、石英(すなわち、シリカ)、サブμmのシリカ、ジルコニア、サブμmのジルコニア、及び米国特許第4,503,169号(Randklev)に記載されている種類の非ガラス質微小粒子が挙げられる。
充填材はまた、酸反応性充填材であってもよい。好適な酸反応性充填剤としては、金属酸化物、ガラス、及び金属塩が挙げられる。典型的な金属酸化物としては、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、及び酸化亜鉛が挙げられる。典型的なガラスとしては、ホウ酸ガラス、リン酸ガラス、及びフルオロアルミノシリケート(「FAS」)ガラスが挙げられる。ガラスが硬化性組成物の構成成分と混合される時、硬化された歯科用組成物が形成されるように、FASガラスは、典型的に十分な溶出性カチオンを含有する。ガラスは更に、典型的には、十分な溶出性フッ化物イオンを含有し、これにより硬化した組成物が抗う蝕性を有する。このガラスは、フッ化物、アルミナ、及び他のガラス形成成分を含有する溶解物から、FASガラス製造技術における当業者に周知の技術を使用して作製することができる。FASガラスは、典型的には、十分に超微粒子状の粒子の形態であるので、他のセメント構成成分と都合よく混合することができ、得られた混合物が口内に使用される時に良好に機能する。
一般に、FASガラスの平均粒径(典型的には直径)は、例えば、沈殿分析器を使用して測定した場合、12μm以下、典型的には10μm以下、より典型的には5μm以下である。好適なFASガラスは、当業者によく知られており、かつ多種多様な供給元から入手可能であり、多くは、商品名VITREMER、VITREBOND、RELY X LUTING CEMENT、RELY X LUTING PLUS CEMENT、PHOTAC−FIL QUICK、KETAC−MOLAR、及びKETAC−FIL PLUS(3M ESPE Dental Products,St.Paul,MN)、FUJI II LC及びFUJI IX(G−C Dental Industrial Corp.,Tokyo,Japan)、及びCHEMFIL Superior(Dentsply International,York,PA)として市販されているもの等現在利用可能なガラスアイオノマーセメント内に見出される。必要に応じて、充填材の混合物を使用することが可能である。
他の好適な充填剤は、米国特許第6,387,981号(Zhang et al.)及び同第6,572,693号(Wu et al.)、並びに国際公開第01/30305号(Zhang et al.)、米国特許第6,730,156号(Windisch et al.)、国際公開第01/30307号(Zhang et al.)、及び同第03/063804号(Wu et al.)に開示されている。これらの参考文献に記載された充填材構成要素としては、ナノサイズのシリカ粒子、ナノサイズの金属酸化物粒子、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ナノ充填剤はまた、米国特許第7,090,721号(Craig et al.)、同第7,090,722号(Budd et al.)、同第7,156,911号、及び同第7,649,029号(Kolb et al.)に記載されている。
好適な有機充填剤粒子の例としては、充填又は非充填粉砕ポリカーボネート、ポリエポキシド、ポリ(メタ)アクリレート及びこれらに類するものが挙げられる。共通に採用される歯科用充填剤粒子は、石英、サブμmのシリカ、及び米国特許第4,503,169号(Randklev)に記載されている種類の非ガラス質微小粒子である。
また、これらの充填剤、並びに有機及び無機材料から作製された組み合わせ充填剤を使用してもよい。
充填剤は、本質的に、粒子状又は繊維状のいずれかであり得る。粒子状充填剤は、一般に、20:1以下、より一般的には10:1以下である長さ対幅の比率、すなわち縦横比を有するものとして定義され得る。繊維は、20:1より大きい、より一般的には100:1より大きい縦横比を有するものとして定義され得る。球形から楕円形、又はフレーク若しくはディスクのようなより平面的なものの範囲で、粒子の形状は多様であり得る。巨視的特性は、充填剤粒子の形状、具体的には形状の均一性に大きく依存し得る。
μmサイズ粒子は、硬化後の磨耗性を改善するために非常に有効である。対照的に、ナノスケール充填剤は、一般的に、粘度及びチキソトロピー変性剤として使用される。それらのサイズの小ささ、高い表面積及び関連する水素結合のために、これらの物質は、凝集したネットワーク構造を構築することが知られている。
いくつかの実施形態では、歯科用組成物は、好ましくは約0.100μm(すなわち、マイクロメートル)未満、並びにより好ましくは0.075μm未満の平均一次粒径を有するナノスケール粒子状充填剤(すなわち、ナノ粒子を含む充填剤)を含む。本明細書で使用するとき、用語「一次粒径」は、非結合型の単一粒子のサイズを指す。平均一次粒径は、硬化した歯科用組成物の細長い試料を切断し、300,000倍で透過電子顕微鏡を使用して約50〜100個の粒子の粒径を測定し、平均を計算することにより、決定することができる。充填剤は、単峰性又は複峰性(例えば、二峰性)の粒径分布を有することができる。ナノスケール粒子状物質は、典型的には、少なくとも約2ナノメートル(nm)、並びに好ましくは少なくとも約7nmの平均一次粒径を有する。好ましくは、ナノスケール粒子状物質は、約50nm以下、より好ましくは約20nm以下のサイズの平均一次粒径を有する。このような充填剤の平均表面積は、好ましくは約20平方メートル毎グラム(m/g)、より好ましくは少なくとも約50m/g、並びに最も好ましくは少なくとも約100m/gである。
いくつかの好ましい実施形態では、歯科用組成物は、シリカナノ粒子を含む。好ましいナノサイズのシリカはNalco Chemical Co.(Naperville,IL)から製品表記NALCO COLLOIDAL SILICASで市販されている。例えば、好ましいシリカ粒子は、NALCO製品1040、1041、1042、1050、1060、2327及び2329を使用することで得られる。
シリカ粒子は、好ましくは、シリカの水性コロイド分散系(すなわち、ゾル又はアクアゾル)から製造される。コロイドシリカは、典型的には、シリカゾル中に約1〜50重量%の濃度で存在する。使用できるコロイドシリカゾルは、様々なコロイドサイズを有して市販されており、Surface & Colloid Science,Vol.6,ed.Matijevic,E.,Wiley Interscience,1973を参照されたい。充填剤の作製に使用するために好ましいシリカゾルは、水性媒質中の非晶質シリカの分散液として供給されており(例えば、Nalco Chemical Company製のNalcoコロイドシリカ)、ナトリウム濃度が低く、好適な酸と混合することにより酸性化することができる(例えば、E.I.Dupont de Nemours & Co.製のLudoxコロイドシリカ、又はNalco Chemical Co.製のNalco 2326)。
好ましくは、ゾル中のシリカ粒子は、約5〜100nm、より好ましくは10〜50nm、並びに最も好ましくは12〜40nmの平均粒径を有する。特に好ましいシリカゾルは、NALCO(商標)1041である。
いくつかの実施形態では、歯科用組成物は、ジルコニアナノ粒子を含む。
好適なナノサイズのジルコニアナノ粒子は、米国特許第7,241,437号(Davidson et al.)に記載されているように水熱技術を使用して調製することができる。
一部の実施形態では、より低い屈折率の(例えば、シリカ)ナノ粒子は、重合性樹脂の屈折率に充填剤の屈折率を調和させる(0.02以内の屈折率)ために、より高い屈折率の(例えば、ジルコニア)ナノ粒子と組み合わせて採用される。
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、ナノクラスター、すなわち、硬化性樹脂中に分散させた場合でも粒子を凝集させる比較的弱い分子間力により結合した2個以上の粒子の集団の形態である。
好ましいナノクラスターは、非重(例えば、シリカ)粒子とジルコニアなどの非晶質重金属酸化物(すなわち、原子番号が28よりも大きい)粒子の実質的に非晶質のクラスターを含むことができる。ナノクラスターの粒子は、好ましくは、約100nm未満の平均直径を有する。好適なナノクラスター充填剤は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,730,156号(Windisch et al.)に記載されている。
いくつかの好ましい実施形態では、歯科用組成物は、充填剤と樹脂の間の結合を強化するために、有機金属カップリング剤で処理されたナノ粒子及び/又はナノクラスター表面を含む。有機金属カップリング剤は、アクリレート基、メタクリレート基、ビニル基などの反応性硬化基により官能化されていてよく、かつシラン、ジルコネート又はチタネート系カップリング剤を含み得る。好ましいカップリング剤としては、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びこれらに類するものが挙げられる。
好適な共重合性有機金属化合物は次式:CH=C(CHSi(OR)3−n又はCH=C(CHC=OOR21Si(OR)3−nを有することができ、式中、mは0又は1であり、Rは炭素原子を1〜4個有するアルキル基であり、R21は2価有機連結基であり、nは1〜3である。
ナノ粒子の表面を改質するには、例えばナノ粒子に表面改質剤(例えば、粉末又はコロイド分散液の形態で)を加えて、表面改質剤をナノ粒子と反応させるなどの多くの従来法がある。他の有用な表面改質法は、各々参照により本案件に組み込まれる米国特許第2,801,185号(Iler)、同第4,522,958号(Das et al.)、同第6,586,483号(Kolb et al.)が挙げられる。
表面修飾基は表面改質剤から誘導することができる。模式的に、表面改質剤は、式A−Bにより表すことができ、式中、A基は粒子の表面(すなわち、シリカ粒子のシラノール基)に結合することができ、B基は、組成物の成分に対して反応性であっても非反応性であってもよい官能基である。非官能基は系(例えば、基材)中の他の成分と反応しないものである。非反応性官能基は、粒子の極性を比較的高く、比較的低く、又は比較的非極性とするように、選択することができる。一部の実施例では、非反応性官能基「B」は、酸基(カルボキシレート、スルホネート及びホスホネート基)、アンモニウム基又はポリ(オキシエチレン)基、又はヒドロキシル基などの親水性基である。他の実施形態では、「B」は、フリーラジカルにより重合性樹脂又はモノマーと重合させることのできる、ビニル、アリル、ビニルオキシ、アリルオキシ、及び(メタ)アクリルオキシなどといった、エチレン性不飽和重合性基などの反応性官能基であってよい。
このような、場合に応じて用いられる表面改質剤は、シリカナノ粒子の表面官能基(Si−OH基)の0〜100%、一般には1〜90%(存在する場合)が官能化されるような量で使用することができる。官能基の数は、所定量のナノ粒子を、利用可能な反応部位が全て表面改質剤によって官能化されるように過剰量の表面改質剤と反応させることによって実験的に決定される。この結果から、より低い官能化率を計算することができる。一般に表面改質剤は、無機ナノ粒子の重量に対して同じ重量の表面改質剤の最大で2倍の重量が与えられるだけの充分な量で使用される。使用される場合、無機ナノ粒子に対する表面改質剤の重量比は2:1〜1:10であることが好ましい。表面改質されたシリカナノ粒子が望ましい場合、コーティング組成物に添加する前にナノ粒子を改質することが好ましい。
一部の好ましい実施形態では、充填剤、特にシリカ系充填剤は、式Iの付加開裂剤により表面改質することができる。したがって、本開示は、付加開裂剤によりモノマー改質された充填剤粒子を提供する。本明細書に記載の通り、これらの表面改質充填剤粒子を重合性混合物と混ぜあわせ、硬化させることができ、結果として、充填剤粒子が硬化性組成物に組み込まれる。式Iを参照する際、表面改質粒子充填剤は、次の通りに記載することができる:
Figure 0006077542
式中、
充填剤は無機充填剤粒子であり、
及びRは、それぞれ独立して、Z−Q−、Y−Q’−、(ヘテロ)アルキル基又は(ヘテロ)アリール基であり、
Qは共有結合又は連結基、好ましくは、原子価m+1を有する有機(ヘテロ)ヒドロカルビル連結基であり、
Q’は共有結合又は連結基、好ましくは原子価p+1を有する有機(ヘテロ)ヒドロカルビル連結基であり、
Zはエチレン性不飽和重合性基であり、
Y’は、付加開裂剤を配置した基材に結合する表面改質有機官能基の残基であり、
mは1〜6であり、
pは1又は2であり、
は、独立して−O−又は−NR−(式中、Rは、H又はC〜Cアルキルであり、
nは0又は1である)、付加開裂剤を提供する。
上記式において、式IのR基は「Y−Q’−」表面改質基により選択され、及びR、R及び/又はRが例示されることは理解されるであろう。各R、R及びRがZ−Q−及びY−Q’−基を両方含み得ること、すなわち、重合性基及び表面改質基の両方が同じ「R」基の一部となり得ることが更に理解されるであろう。
本明細書で使用するとき、用語「残基」は、官能基と無機粒子の表面との反応性が残っている一部の官能基を定義するために使用される。例えば、式−SiR のシラン官能基Yの「残基」は、−O−Si(R−である。
更なる例に際し、粒子充填剤は、シリカ(又はシリカ複合体)から選択することができ、表面改質有機官能基「Y」は、式−SiR のシリル基から選択することができ、各R基は、独立してアルコキシ基、アセトキシ基、及びハライド基から選択される。これにより、シリカ粒子と付加開裂剤との間に、シリカ−O−Si(R−結合により例示される共有結合が生じる。シリル基がシリカ粒子と1つ(例示される通り)又は1つ以上のシロキサン結合を形成し得ること、あるいはオチルシリル基とシロキサン結合を形成し得ることは理解されるであろう。式Iに関し、Yには、高屈折率コーティング/フィルムに、並びに歯科用組成物に使用される充填剤であるジルコニアに結合することのできるヒドロキサム酸又はN−ヒドロキシ尿素を選択することができ、またアルミナ充填剤には、Yがホスフェート及びホスホネートであることも有用であり、金の場合にはYはチオールである。
一般的に、無機充填剤粒子の表面官能基の全て又は一部は、式Iの付加開裂剤によりそのようにして改質することができる。充填剤は、未改質であっても、一般的な表面改質剤により表面改質されていても、式Iの表面改質剤により表面改質されていても、あるいは一般的な表面改質剤及び式Iの表面改質剤の混合物により表面改質されていてもよい。好ましくは、付加開裂剤は、充填剤粒子の重量に対し0.5〜10重量%の量で使用される。
一部の実施形態では、表面改質剤の組み合わせが有用な可能性があり、剤の少なくとも1つは、硬化性樹脂と共重合可能な官能基を有する。硬化製樹脂と一般に反応しない他の表面改質剤が、分散性又はレオロジー特性を強化するために包含され得る。この種類のシランの例としては、例えば、アリールポリエーテル、アルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアリール、又はアミノアルキル官能性シランが挙げられる。
表面変性は、モノマーとの混合に続いて又は混合後のいずれかで行うことができる。樹脂へ組み込む前に、オルガノシラン表面処理化合物をナノ粒子と組み合わせることが一般的に好ましい。表面変性剤の必要量は、粒子サイズ、粒子タイプ、変性剤の分子量、及び変性剤のタイプのようないくつかの因子に応じ異なる。一般的には、ほぼ単層の変性剤を粒子の表面に付着させることが好ましい。
表面改質ナノ粒子は、実質的に完全に凝縮可能である。完全凝縮ナノ粒子(シリカを例外として)の結晶化度(単離金属酸化物粒子として測定した場合)は、典型的には55%を超え、好ましくは60%を超え、より好ましくは70%を超える。例えば、結晶化度は、約86%まで又はそれ以上の範囲にすることができる。結晶化度は、X線回折法によって割り出すことができる。凝縮結晶性(例えばジルコニア)のナノ粒子は屈折率が高いが、非晶質ナノ粒子は典型的には屈折率がより低い。
一部の実施形態では、本開示は、次の(a)、(b)、(c)を含む汎用修復材複合体を提供する:
a)少なくとも2つの重合性エチレン性不飽和基を含む硬化性歯科用樹脂を15〜30重量%、
b)無機充填剤、好ましくは、表面改質充填剤を70〜85重量%、
c)付加開裂剤を、a)及びb)の100重量部に対して0.1〜10重量部(硬化性組成物は、更に開始剤、及び2%未満の安定剤、色素など)。
一部の実施形態では、本開示は、次の(a)、(b)、(c)を含む流動性の修復材(流動性)複合体を提供する:
a)少なくとも2つの重合性エチレン性不飽和基を含む硬化性歯科用樹脂を25〜50重量%、
b)無機充填剤、好ましくは、表面改質充填剤を50〜75重量%、
c)付加開裂剤をa)及びb)の100重量部に対して0.1〜10重量部(硬化性組成物は、更に開始剤、及び2%未満の開始剤、安定剤、色素など)。
一部の実施形態では、本開示は、次のものを含む、樹脂改変グラスアイオノマー接着剤を提供する:
a)一部(メタ)アクリレート化したポリ(メタ)アクリル酸を10〜25重量%、
b)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを5〜20%
c)フルオロアルミノシリケート(FAS)酸反応性ガラスを30〜60%、
d)非酸反応性充填剤、好ましくは表面処理されたものを0〜20%、
e)水を10〜20%、並びに
f)a)及びb)の100重量部に対して付加開裂剤を0.1〜10重量部、
g)この硬化性組成物は、開始剤及び2%未満の安定化剤、色素などを含む。
好ましくは、フルオロアルミノシリケートは、シランメタクリレート表面処理フルオロアルミノシリケートである。
一部の実施形態では、本開示は、次のものを含む歯科用接着剤を提供する:
a)モノ(メタ)アクリレートモノマーを30〜8重量%、
b)多官能性(メタ)アクリレートモノマーを1〜10重量%、
c)酸官能性基(ホスフェート、ホスホネート、カルボキシレート、スルホン酸を含む)を有するモノマーを5〜60重量%、
d)ポリ(メタ)アクリル酸メタクリレートモノマーを0〜10、好ましくは1〜10重量%、
e)付加開裂剤をa)〜d)の100重量部に対して0.1〜10重量部、
f)開始剤、
g)無機充填剤a)〜d)の100重量部に対して、好ましくは表面改質されたものを0〜30重量%、
h)溶媒を、a)〜d)の100重量部に対して0〜25重量%、
i)水を、a)〜d)の100重量部に対して0〜25重量%;並びに、
2%未満の安定剤、色素など。
いくつかの実施形態では、歯科用組成物は、硬化した歯科用構造とは明らかに異なる初期色を有し得る。色は、光退色性又は示温染料を使用することによって組成物に付与され得る。本明細書で使用するとき、「光退色性」は、化学線に曝露した際の色の消失を指す。組成物は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも0.001重量%の光退色性又は示温染料、典型的には少なくとも0.002重量%の光退色性又は示温染料を含み得る。組成物は、典型的に、組成物の総重量に基づいて、最高1重量%の光退色性又は示温染料、より典型的には、最高0.1重量%の光退色性又は示温染料を含む。光退色性及び/又は示温染料の量は、その吸光係数、人間の目が初期色を識別する能力、及び所望の色変化に応じて変えることができる。好適な示温染料は、例えば、米国特許第6,670,436号(Burgath et al.)に開示される。
光退色性染料を含む実施形態において、光退色性染料の色形成及び退色特性は、例えば、酸強度、誘電率、極性、酸素量、及び大気の湿分含量を含む様々な要因によって変動する。しかしながら、染料の退色特性は、組成物を放射線照射し、色の変化を評価することによって容易に判定できる。光退色染料は、一般的に、硬化性樹脂に少なくとも部分的に可溶性である。
光退色性染料には、例えば、ローズベンガル、メチレンバイオレット、メチレンブルー、フルオレセイン、エオシンイエロー、エオシンY、エチルエオシン、エオシンブルイッシュ、エオシンB、エリトロシンB、エリトロシンイエロイッシュブレンド、トルイジンブルー、4’,5’−ジブロモフルオレセイン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
色変化は、十分な量の時間、可視光又は近赤外(IR)光を放射する歯科用硬化光によって提供される等の化学線によって開始され得る。組成物において変色を開始させる機構は、樹脂を固化する固化機構とは別個であってもよいし、又は実質的に同時であってもよい。例えば、化学的(例えば、酸化還元開始)又は熱的に重合が開始されると組成物は硬化し、初期色から最終色への色変化は、この硬化プロセスの後に化学線に暴露されて発生してもよい。
任意追加的に、組成物は、溶媒(例えば、アルコール(例えば、プロパノール、エタノール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、エステル(例えば、酢酸エチル)、他の非水性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリジノン))、及び水を含有してもよい。
任意追加的な、組成物は、添加剤、例えば、インジケーター、色素、顔料、阻害剤、促進剤、粘度調整剤、湿潤剤、緩衝剤、ラジカル及びカチオン性安定剤(例えば、BHT)、並びに、当業者には明白である他の類似成分を含有することができる。
更に、薬剤又は他の治療用物質を、任意追加的な歯科用組成物に添加することができる。例としては、歯科用組成物に使用されることが多い種類の、フッ化物源、増白剤、抗う歯剤(例えば、キシリトール)、カルシウム源、リン源、無機成分補給剤(例えば、リン酸カルシウム化合物)、酵素、息清涼剤、麻酔剤、凝固剤、酸中和剤、化学療法剤、免疫反応変性剤、チキソトロピー剤、ポリオール、抗炎症剤、抗菌剤(抗菌性脂質成分に加えて)、抗真菌剤、口腔乾燥症治療剤、減感剤などが挙げられるが、これらに限定されない。上述の添加剤のうち任意のものの組み合わせもまた用いてよい。このような添加剤のどれか1つの選択及び量は、過度な実験なしで所望の結果を達成するために、当業者によって選択することができる。
当該技術上周知のように、硬化性歯科用組成物は歯等の経口表面を取り扱う用途に使用できる。一部の実施形態において組成物は、歯科用組成物の適用後に硬化することによって固化できる。例えば、硬化性歯科用組成物が歯科用詰め物として修復のために使用される場合、この方法は一般的に、硬化性組成物を経口表面(例えば空洞)に適用する工程と、組成物を硬化する工程と、を含んで構成される。いくつかの実施形態では、歯科用接着剤は、本明細書に記載する硬化性歯科用修復材の塗布前に塗布してよい。また、歯科用接着剤は、典型的に、高度に充填された歯科用修復組成物の硬化と同時に硬化することによって固化する。経口表面を取り扱う方法は、歯科用物品を提供する工程と、経口(例えば歯)表面に歯科用物品を接着する工程と、を含み得る。
他の実施形態では、組成物は、適用前に歯科用物品に硬化させることができる。例えば、クラウン等の歯科用物品は、本明細書に記載の硬化性歯科用組成物から予備成形し得る。歯科用複合材(例えば、クラウン)物品は、成形型に接触させながら硬化性組成物を流延し、組成物を硬化させることにより、本明細書に記載の硬化性組成物から製造することができる。あるいは、歯科用複合材(例えばクラウン)物品は、まず組成物を硬化し、ミルブランクを形成した後、組成物を機械にかけて所望の物品に成型することによって製造できる。
歯面を取り扱う別の方法としては、硬化可能な(部分的に硬化された)自己担持型の可鍛性構造の形態を備え第1の半仕上げ形状を有する、本明細書に記載の歯科用組成物を提供する工程と、硬化性歯科用組成物を被検者の口の歯の表面に配置する工程と、硬化性歯科用組成物の形状をカスタマイズする工程と、硬化性歯科用の組成物を硬化する工程と、を含む。本願明細書に参照により引用されている米国特許第7,674,850号(Karim et al.)に記載されているように、カスタマイゼーションは患者の口内、又は患者の口外のモデルで発生し得る。
目的及び利点は、以下の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に、本発明を不当に制限するものと解釈すべきではない。別段の指定がない限り、部及び百分率は全て、重量基準である。
%及び比は全て、特に明記されていない限り重量基準である。
試験方法
ワッツ収縮試験方法
ワッツ収縮(ワッツ)試験方法は、硬化後の体積変化により、試験サンプル組成物の収縮を測定する。サンプル調製(90mgの非硬化複合材の試験サンプル組成物)及び試験手順は、次の参考文献に記載されるように行なわれた:Determination of Polymerization Shrinkage Kinetics in Visible−Light−Cured Materials:Methods Development,Dental Materials,October 1991,pages 281〜286。結果を負の収縮率(%)として報告する。
ダイヤメトラル引張強度(DTS)試験方法
本試験では、硬化性組成物のダイヤメトラル引張強度を測定した。未硬化の試験サンプル組成物を4mm(内径)のガラス管に注入し、前記管にシリコーンゴムのプラグで蓋をした。管を5分間、約2.88kg/cmの圧力で軸方向に圧縮した。その後、XL 1500歯科用硬化光(3M ESPE,St.Paul,MN)に曝露することにより、サンプルを80秒間光硬化させ、続いてKulzer UniXS硬化ボックス(Heraeus Kulzer GmbH,Germany)内で90秒間照射した。試験サンプルをダイヤモンドの鋸で切断して、厚さ約2mmのディスクを形成し、これを試験前に約24時間37℃の蒸留水中で保存した。測定は、ISO規格7489(又はAmerican Dental Association(ADA)規格番号27)に従って、10キロニュートン(kN)のロードセルを用い、クロスヘッド速度1mm/分でInstron試験機(Instron 4505、Instron Corp.,Canton,MA)で実施した。試験結果は、複数の測定値の平均として、MPa(メガパスカル)で記録した。
応力試験法
応力試験法により、硬化工程時に試験サンプル複合体に発生する応力を測定する。15×8×8mmの矩形アルミニウムブロック内に、8×2.5×2mmスロットを機械加工し、各試験サンプル用の試験装置を作製した。スロットは端に沿って2mmの位置に配置し、したがって、試験する組成物を含有させた2mm幅の空洞に隣接し並行した2mm幅のアルミニウム尖点を作製した。線状可変変位変換器(モデルGT 1000、E309アナログ増幅器とともに使用、両方ともRDP Electronics,United Kingdom製)を図示の通りに配置して、組成物を室温で光硬化させたときの尖点の変位を測定した。試験前に、アルミニウムブロックにおけるスロットをRocatec Plus Special Surface Coating Blasting Material(3M ESPE,St.Paul,MN)を用いて砂で磨き、RelyX Ceramic Primer(3M ESPE)で処理し、最後に、歯科用接着剤Adper Easy Bond(3M ESPE)で処理した。約100mgの試験組成物によりスロットを完全に充填した。スロット中の材料とほぼ接触するように(<1mm)配置された歯科用硬化ランプ(Elipar S−10、3M ESPE)を用いて材料に1分間照射し、次いで、ランプを消した9分後に尖点の変位をμmで記録した。
硬化深度の試験方法
試験サンプル組成物を硬化させた後、硬化深度(DOC)を測定した。8mmの開口部を備える試験装置のステンレス鋼性の型穴にポリエステルフィルムを配置し、サンプル組成物を充填した。第2のポリエステルフィルムを樹脂及び装置の上に配置し、圧縮し、組成物に対して水平にした。充填した試験装置を背景が白色の表面に配置し、組成物に歯科用硬化光(3M Dental Products Curing Light 2500又は3M ESPE Elipar FreeLight2、いずれも3M ESPE Dental Products製)を20秒照射した。硬化後、型からサンプルを取り外し、未硬化の樹脂を優しく取り外した(例えば、サンプルの底部から、すなわち硬化光の照射を受けていない面から材料を優しく掻き出すようにして)。留まった硬化材料の厚みを測定した。報告する深度は、実際の硬化された厚さ(mm)を2で除したものである。
重なり剪断試験
測定値1×4×1/16in(2.54×10.2×0.159cm)のアルミニウム製試験片を使用し、重なり剪断強度を試験した。試験片の約2.54cmの結合表面を、研磨パッド(Scotch−Brite Heavy Duty Scour Pad,3M Company;St.Paul,MN,USA)により研磨した。次に、紙タオルの上で、試験片に対してメチルエチルケトン(MEK)を吹きかけて試験片を洗浄し、紙タオルによりMEKを拭きとった。各試験用接着サンプル用に3つの試験片を用意した。
接着試験サンプルは、接着剤組成物を混合し、研磨面上に、接着剤が2.54×1.27cmの面積を覆うよう、接着剤により4本の線を描いて分配することで準備した。接着剤表面にはスペーサービーズ(3〜5ミル(0.0762〜0.127mm)直径のビーズ(Class VI Soda Lime Glass Sphere beads,MO−SCI Specialty Products;Rolla,MO,USA)を撒いた。接着剤の重なり合いが2.54cm×1.27cm×0.127mmとなるよう第2の試験片を配置し、反対方向に試験片の自由端を延ばした。試験片の重なりあっている部分上に大型クリップを配置し、第2の大型クリップを試験片の反対側に配置した。接着試験サンプルを室温で5〜7日間硬化させた。
1分当たり0.1in(0.25cm/分)の速度で、5625lb(2551.5kg)ロードセルにより、引張試験機で試験を実施した。破壊強度を平方in当たりのポンド量として記録し、及びメガパスカル(MPa)で報告した。引張試験機は、商標名30 MTS又はSintech 5/GL(MTS Systems Corporation,Eden Prairie,MN,USA)のものが利用可能である。
接着剤取り扱い性試験
基材を接着剤で濡らし、接着剤組成物の取り扱い性、並びに可使時間、すなわちゲル化及び硬化させるまでにどの程度の間、接着剤を使用することができるかを評価する。8×2in(20.3×5.08cm)高密度ポリエチレン(HDPE)試験片上に接着剤を(直径約1.8cm)に一列に12箇所に分配し、接着剤試験サンプルを準備した。スペーサービーズ(重なりせん断試験を参照のこと)を各ドットの接着剤表面全体にまぶし、ストップウォッチを開始させるまでの間、最初の2つのドット上にガラス製スライドカバーを載せ、押さえた。5分後、カバーガラスを次のドット上に載せ、押さえた。全てのドットを覆って処理するまで、この工程を続けた。結合を形成するのに十分な程度接着剤がカバーガラスを濡らす最大の時間を、分数で濡れ時間として記録した。例えば、接着剤がカバーガラスの端を10分濡らしたものの、15分間濡らすことはできなかった場合には、濡れ時間は10分として記録した。
最初の2ドットから1分間隔で木製爪楊枝により優しく歪ませ、各接着剤の可使時間を評価した。カバーガラスを爪楊枝で動かせなくなるまでの時間として可使時間を記録する。
接着剤硬化応力試験
硬化後に、アルミニウムシムに対する接着剤の変形を測定し重合時に構造接着剤が受ける硬化応力を評価した。カール測定値が大きくなるほど、硬化させた接着剤中の応力が大きいことを示す。試験手順及び装置は、米国特許出願第13/169306号(2012年2月11日出願)に記載されている。
材料−市販の試薬を、販売元から購入した状態で使用した。
・1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン(TCI America、Portland、OR、USA)
・1,2−エポキシデカン(TCI America、Portland、OR、USA)
・2−イソシアントエチルメタクリレート(TCI America、Portland、OR、USA)
・2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(Alfa Aesar、Ward Hill、MA、USA)
・2−[(メチルスルホニル)オキシエチル]2−メチルアクリレート(M.J.Benes and J.Peska in Collect.Czech.Chem.Commun.,1983,48,3065〜3070に報告されている手順により調製)
・3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン(シグマアルドリッチ、St、Louis、MO、USA)
・3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン(Alfa Aesar)
・3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(Alfa Aesar)
・4−(ジメチルアミノ)ピリジン(Alfa Aesar、Ward Hill、MA、USA)
・4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成株式会社、東京、日本)
・4−ビニルベンジルクロリド(Aldrich、Milwaukee、WI)
・アクリロイルクロリド(シグマアルドリッチ、St.Louis、MO、USA)
・Aerosil 200シリカ(Degussa Corporation,Piscataway,NJ,USA)
・アンモニウム水酸化物溶液−30%溶液(シグマアルドリッチ)
・ベンゾトリアゾール(シグマアルドリッチ)
・BHT−ブチル化ヒドロキシトルエン(シグマアルドリッチ,Milwaukee,WI,USA)
・ビス−EMA−6−Sartomer CD541(エトキシ化(6molエチレンオキシド)ビスフェノールAジメタクリレート(Union Carbide;Piscataway,NJ)
・BisGMA−(2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタアクリロイルオキシ−プロポキシ)フェニル]プロパン(シグマアルドリッチ)
・カプロラクトン(Alfa Aesar,Heysham,Lanc,England)
・二硫化炭素(EMD Chemicals,Gibbstown,NJ)
・CPQ−カンファーキノリン(シグマアルドリッチ)
・ジブチル錫ジラウレート(Alfa Aesar,Ward Hill,MA,USA)
・ジクロロメタン(EMD Chemicals Inc.,Gibbstown,NJ,USA)
・DPIHFP−ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート(≧98%)(シグマアルドリッチ)
・DMAEMA−2−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(シグマアルドリッチ)
・DMAP−4−N,N−ジメチルアミノピリジン(Alfa Aesar,Ward Hill,MA,USA)
・DP807接着剤−2部硬化性アクリル系樹脂;3M Scotch−Weld(商標)アクリル系接着剤樹脂DP807 Duo−pak(3M Company,St.Paul,MN)
・EDMAB−エチル4−N,N−ジメチルアミノベンゾアート(シグマアルドリッチ)
・ENMP−エチルN−メチル−N−フェニル−3−アミノプロピオネート光開始剤、CAS番号2003−76−1;米国特許出願第2010−0311858号(Holmes)に記載の式1の化合物であり、この化合物は、参照により本明細書に組み込まれる文献Adamson,et al.,JCSOA9;J.Chem.Soc.;1949;spl.144,152に記載の手法により合成することができる。
・エタノール(Pharmaco−AAPER,Brookfield,CT,USA)
・酢酸エチル(EMD Chemicals Inc.,Gibbstown,NJ,USA)
・GF−31シラン(3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン,Wacker Chemie AG,Munich,Germany)
・グルタル酸無水物(Alfa Aesar,Ward Hill,MA,USA)
・グリシジルアクリレート(Polysciences Inc.,Warrington,PA,USA)
・グリシジルメタクリレート(Alfa Aesar,Ward Hill,MA,USA)
・HEMA−ヒドロキシエチルメタクリレート(シグマアルドリッチ)
・Irgacure(商標)651光開始剤(Ciba Specialty Chemicalsから得られる)
・Irgacure(商標)819光開始剤(BASF Corporation,Ludwigshafen,Germany)
・Lucirin TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド,Polysciences,Inc,Warrington,PA,USA)
・無水マレイン酸(Avocado Research Chemicals,Ltd.,Lancashire,England)
・メタアクリロイルクロリド(Alfa Aesar,Ward Hill,MA,USA)
・メトキシプロパノール(J.T.Baker(Mallinkrodt))
・メチレンクロリド(シグマアルドリッチ)
・MHP−6−メタアクリロイルオキシヘキシルホスフェート−化合物の調整法は米国特許第2009−0011388号(Craig,et al.)に記載される
・Nalco 2329k−41.33重量% 20nmナノシリカメトキシプロパノール;(Nalco Company;Naperville,IL)
・ナノジルコニア充填剤−SILQUEST A−1230の代わりにSILQUEST A−174シランを使用したことを除き、米国特許第7,156,911号調製例1Aに記載の通りに調製したシラン処理ナノジルコニア粉末SILQUEST A−174は約1.2mmolシラン/gオキシドで充填した。
・ナノシリカ充填剤(20nmシリカとも参照される)−名目粒径20nmのシラン処理ナノシリカ粉末;米国特許第6,572,693号(第21段、第63〜67行、ナノ化粒子充填剤、タイプ2)に記載の通りに調製
・粒子A(85m/gシリカ/ジルコニアナノクラスター)−米国特許第6,730,156号、調製例Aに記載の通りに調製した凝集粒子クラスター材料。材料の表面積は85m/gであり、シリカ/ジルコニア重量比は73/27である。材料の調製は、米国特許第20110196062号のジルコニア及びシリカナノ粒子(Bradley)を含む充填剤及び複合材の段[0067]−[0073](2009年10月9日出願)並びにその参照文献(すなわち、米国特許第6,376,590号(Kolb,et al.)(1999年10月28日出願)、又は米国特許第7,429,422号(Davidson et al.)(2007年6月7日出願))に、より詳細に記載されており、これらの文献の各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
・粒子B(125m/gシリカ/ジルコニアナノクラスター)−粒子が125m/gの表面積を有していたことを除き、粒子Aと同様の方法で調製した凝集粉末材料粒子比は、シリカ/ジルコニアが重量比で73/27である。
・PEG 600 DMA−ポリエチレングリコールジメタクリレート(CAS番号25852−47−5)、シグマアルドリッチ
・ペンタエリスリトールトリアクリレートは、Sartomer USA,LLC;Exton,PAから得た
・石油エーテル(EMD Chemicals Inc.,Gibbstown,NJ,USA)
・五酸化リン(P10)(Alfa Aesar,Ward Hill,MA,USA)
・Prostab−ヒドロキシTEMPO(シグマアルドリッチ,St.Louis,MO USA)
・ピリジン(Alfa Aesar,Heysham,Lanc,England)
・SILQUEST A−174シラン−Momentive(商標)Performance Materials(Albany,NY,USA)
・水素化ナトリウム−60%油中分散体(Alfa Aesar,Ward Hill,MA)
・コハク酸無水物(Alfa Aesar,Ward Hill,MA,USA)
・TEGDMA−トリエチレングリコールジメタクリレート(TCI America,Portland,OR,USA)
・テトラヒドロフラン(EMD Chemicals Inc.,Gibbstown,NJ,USA)
・錫(II)オクタノエート(Alfa Aesar,Heysham,Lanc,England)
・トルエン(EMD Chemicals Inc.,Gibbstown,NJ,USA)
・トリエチルアミン(シグマアルドリッチ,St.Louis,MO,USA)
・トリメリト酸無水物クロリド(TCI,Portland,OR,USA)
・トリフェニルアンチモニ(シグマアルドリッチ,St.Louis,MO,USA)
・トリフェニルホスフィン(Alfa Aesar,Ward Hill,MA,USA)
・UDMA−Rohamere(商標)6661−0(ジウレタンジメタクリレート,CAS番号41 137−60−4)(Rohm Tech,Inc.,Malden,MA)
・AA/IA/IEM−米国特許第5,130,347号の実施例11の乾燥ポリマー調製法に従って、AA:ITA(アクリル酸:イタコン酸,4:1mol比)コポリマーを、十分量のIEM(2−イソシアナトエチルメタクリレート)と反応させて、コポリマーの酸基のうちの16mol%をメタクリレート基へと変換することにより製造されたポリマー
・Z250−Filtek(商標)Z250汎用修復材−3M ESPE
装置−核磁気共鳴スペクトル(プロトン−1H NMR;炭素−13C;リン−31P NMR)を解析し、NMR分光器(UltraShield(商標)Plus 400MHz NMR分光器;Bruker Corporation;Billerica,MA)を利用して記録した。
メチルメタクリレートオリゴマー混合物の蒸留
Figure 0006077542
米国特許第4,547,323号(Carlson,G.M.)の実施例1に記載の手順に従い、メチルメタクリレートオリゴマー混合物を調製した。以降に詳細を記載する通り、Moad,C.L.;Moad,G.;Rizzardo,E.;and Thang,S.H.Macromolecules,1996,29,7717〜7726に記載の通りに混合物を蒸留した。
電磁撹拌棒を入れた1Lの丸底フラスコに、500gのメチルメタクリレートオリゴマー混合物を充填した。フラスコにVigreuxカラム、凝縮器、分布アダプター、及び4つの収集フラスコを取り付けた。室温、減圧下で(0.25mm Hg(33.3Pa))蒸留装置を配置し、ガス発生(メチルメタクリレートモノマーの除去を示す)の大部分が収まるまで持続的に撹拌する。次に油浴でフラスコを還流温度まで加熱し、オリゴマー混合物を蒸留した。この手順によって単離された画分を表1に列挙する。
Figure 0006077542
メチルメタクリレートダイマーの加水分解
Figure 0006077542
以降に詳細を記載する通り、Hutson,L.;Krstina,J.;Moad,G.;Morrow,G.R.;Postma,A.;Rizzardo,E.;and Thang,S.H.Macromolecules,2004,37,4441〜4452に記載の通り、画分B由来のダイマーを二酸1に加水分解した。
電磁撹拌棒を入れた1Lの丸底フラスコに脱イオン水(240ml)及び水酸化カリウム(60.0g、1007mmol)を充填した。均質になるまで混合物を撹拌した。画分B由来のメチルメタクリレートダイマー(75.0g、374.6mmol)を加えた。フラスコに還流凝縮器を取り付け、油浴中で90℃まで加熱した。17時間後、フラスコを油浴槽から取り出し、室温に放冷した。濃HClを加えて反応溶液をpH約1まで酸性化した。酸性化した際、白色の沈殿物が形成された。不均質な混合物を真空濾過し、50〜100mLの脱イオン水で素早く2回洗浄した。白色の固体を、約4時間かけて固体から空気を引くことによって乾燥させた。次いで、白色の固体を約1750mLのジクロロメタンに溶解させた。1g未満の固形が不溶性のままだった溶液を24時間静置し、次に減圧濾過して未溶解の白色固体を除去した。濾過したジクロロメタン溶液を真空下で濃縮して、白色の固体を得た。固形物を高真空下で更に乾燥させて、白色の粉末として二塩基酸1(55.95g、325.0mmol、87%)を得た。
AFM−1の調製
Figure 0006077542
電磁撹拌棒を入れた約250mLのアンバーボトルに、グリシジルメタクリレート(23.0mL、24.8g、174mmol)及びトリフェニルアンチモン(0.369g、1.04mmol)を充填した。蓋を貫通させて16ゲージの針を取り付けたプラスチック製の蓋によりボトルに栓をし、蓋を介して反応物に空気が送り込まれるようにした。混合物を撹拌しながら油浴中で100℃にまで加熱した。二酸1(15.0g、87.1mmol)を、1.5時間かけて少しずつ反応物に添加した。21時間後、トリフェニルホスフィン(0.091g、0.35mmol)を添加した。反応物を100℃で更に6.5時間撹拌した。この辞典で反応混合物由来のサンプルを分析し、1H NMR分析により、異性体混合物としてAFM−1の構造を確認し、それとグリシジルメタクリレートが消費されていることを示した。反応物を室温まで冷却して、透明で非常に薄い黄色の粘稠な物質としてAFM−1を得た。
実施例1−AFM−グルタレートの調製
Figure 0006077542
電磁撹拌棒を入れた約25mlのアンバーボトルにAFM−1(5.00g、10.95mmol)及びグルタル酸無水物(2.50g、21.91mmol)を充填した。反応物に空気を送り込むために小さなアナを3つ開けたアルミ箔によりボトルに蓋をした。撹拌しながら反応物を100℃に加熱した。25.25時間後、反応物を室温に冷却し、サンプリングした。H NMR分析によると、少量のグルタル酸が残存していた。撹拌しながら、反応物を再度100℃に加熱した。更に24時間後、反応物を室温に冷却した。H NMR分析により、異性体混合物としてAFM−グルタレートの構造を確認した。非常に粘稠で、非常に淡黄色の油として、AFM−グルタレート(7.39g、10.8mmol、99%)を得た。
実施例2−AFM−ホスフェートの調製
Figure 0006077542
電磁撹拌棒を入れたガラス製広口びんで、五酸化リン(2.06g、0.00725mol)をジクロロメタンに懸濁した。AFM−1(6.6g、0.0144mol)を加え、混合物を室温で4時間攪拌した。次に、瓶の底に少量の不溶性残留物が分離されたまま残り、混合物が透明になるまで水(0.25g、0.014mol)を加えた。3時間撹拌を続け、次に混合物を一晩室温で静置した。混合物頂部の透明な部位を丸底フラスコにデカントし、ロータリーエバポレーターにより溶媒を蒸発させて、透明で淡黄色の粘稠の液体を得た。反応物の収率は85%であった。生成物の構造を1H及び31P NMRにより確認した。
実施例3−AFMスクシネートの調製
Figure 0006077542
電磁撹拌棒を入れ、ドライエアブランケットを取り付けた50mLの丸底フラスコにAFM−1(5.95g、0.013mol)、無水コハク酸(2.55g、0.255mol)DMAP(80mg)BHT(8mg)を入れた。95〜100℃に設定した油浴で、持続的に撹拌しながらフラスコを5時間加熱した。加熱を止め、透明な淡黄色の液体として、ほぼ100%の収率で生成物を回収した。AFM−スクシネートの構造を1H及び13C NMRにより確認した。
実施例4−AFM−マレエートの調製
Figure 0006077542
AFM−スクシネートを調製した際と同様の手順により、AFM−1(6.6g、0.0145mol)及び無水マレイン酸(Avocado Research Chemicals、Ltd、Lancashire、England)(2.8g、0.028mol)からAFM−マレエートを調製した。反応収率はほぼ100%であった。AFM−マレエートを透明の赤色液体として単離し、構造を1H及び13C NMRにより確認した。
実施例5〜7、対照実施例C1−AFM材料を含む組成物
実施例2〜4に示した通りの酸性AFMを使用し、表2に掲載の材料を混合し、組成物を調製した。値は重量%である。AFM材料の代わりにMHPを用い対照組成物C1を調製した。
紙片に各樹脂を塗布し、エアガンにより吹き付け乾燥を行い、次に3M Curing Light XL3000(3M Company;St.Paul、MN)を使用し80秒間硬化させることすることにより、硬化及び応力緩和について組成物を試験した。
固形フィルムへと硬化させた全ての組成物は十分な効果を示していた。硬化後、対照はカールしたのに対し、実施例5〜7は、平坦さを維持した。平坦さは、応力緩和剤として酸性AFMを添加したことによるものであった。
Figure 0006077542
実施例8−AFM−シランの調製
Figure 0006077542
容器中で、AFM−1(3.00g)、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン(3.24g)、及び1滴のジブチル錫ジラウレートを混合し、AFM−シランを調製した。混合物を一晩室温(約23℃)で反応させた。フーリエ変換赤外分光法(FTIR)により分析を行い、AFM−シランを確認した。シランからイソシアナートピークが損なわれていることが示された。
実施例9−充填剤1
50.03gの粒子B、4.51gのGF−31シラン、0.77gのAFM−シラン、58gの酢酸エチルを混合して充填剤を調製し、1.004gの30%アンモニウム水酸化物溶液により反応を触媒した。室温で、撹拌プレートで混合物を一晩撹拌した。翌朝、ドラフトで溶媒を吹き払い、85℃で30分加熱し、反応を完了させた。粒子は1.5%のAFM−シランを含有した。
実施例10−充填剤2
50.00gの粒子B、1.27gのAFM−シラン、4.01gのGF−31シラン、1.055gの30%のアンモニウム水酸化物溶液、及び50.7gの酢酸エチルを使用したことを除き、実施例9に記載の通りに充填剤を調製した。粒子は2.5%のAFM−シランを含有した。
実施例11−充填剤3
50.07gの粒子B、2.51gのAFM−シラン、2.753gのGF−31、1.041gの30%のアンモニウム水酸化物溶液、及び50.6gの酢酸エチルを使用したことを除き、実施例9に記載の通りに充填剤を調製した。粒子は5%のAFM−シランを含有した。
実施例12−充填剤4
29.98gの粒子A、0.965gのAFM−シラン、1.61gのGF−31シラン、41.7gの酢酸エチル及び0.64gの30%のアンモニウム水酸化物溶液を使用したことを除き、実施例9に記載の通りに充填剤を調製した。
実施例13−14、対照例C2−ペースト組成物
表3に記載の成分を、全ての成分が溶解するまで約45℃にて撹拌しながら、歯科用樹脂組成物を調製した。
Figure 0006077542
実施例C2(ペースト1)は、4.40gの歯科用樹脂を0.82gのナノジルコニア充填剤、1.5216gのナノシリカ充填剤、及び13.26gの粒子Bを混合し、均一な混合物を製造することによりペーストとして調製した。
実施例13(ペースト2)は、13.26gの実施例10(充填剤2)の充填剤、0.83gのナノジルコニア充填剤、1.54gのナノシリカ充填剤、及び4.4021gの歯科用樹脂を混合し、均一な混合物を製造することによりペーストとして調製した。
実施例14(ペースト3)は、4.40gの歯科用樹脂、0.83gのナノジルコニア充填剤、1.52gのナノシリカ充填剤、及び13.26gの実施例11の充填剤(充填剤3)を混合し、均一な混合物を製造することによりペーストとして調製した。
上記ワッツ収縮試験方法による収縮率試験手順、並びにダイヤメトラル引張強度試験手順による機械手順に従い、各実施例のペーストを試験した。
収縮率(収縮量生データのスロープから測定される)を図1に示す。データから観察することができる通り、AFM−シラン材料濃度を増加させるにつれて収縮率が大幅に減少している(応力測定値と対応していた)ことが見て取れた。ペースト1はオニルGF−31(3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン)のみを含有させたのに対し、ペースト2及び3では、処方に組み込んだ充填剤クラスターに対しAFMシランの量を増加させた。
ダイヤメトラル引張強度試験結果を表4に示す。AFMシラン処理した粒子により、歯科用組成物に望ましい機械特性がもたらされたことが示されている。
Figure 0006077542
実施例15−AFM−カプロラクトンの調製
Figure 0006077542
機械撹拌子を入れ、100mLの丸底フラスコにAFM−1(32g、0.07mol)、カプロラクトン(16g、0.14mol)、錫(II)オクタノエート(0.05g)及びBHT(0.08g)を充填し、乾燥機流によりフラスコからバブラー及び濃縮器に吹き込んだ。持続的に撹拌しながら混合物を130〜140℃で一晩撹拌し、収率95%で粘稠な黄色液体を得た。NMRによって構造を確認した。
実施例16−AFM−カプロラクトニルホスフェートの調製
Figure 0006077542
500mLの3口丸底フラスコ中で、五酸化リン(P10、5.10g、0.0180mol)を10mLのCHClに懸濁した。ヒートガンにより窒素を吹き込んでフラスコを前乾燥させ、次に窒素下で室温に冷却させた。フラスコには機械撹拌子を入れ、温度調節器を取り付け、フラスコ内を通過させて隣接するバブラー及び滴下漏斗に窒素を吹き込んだ。約30分かけて、AFM−カプロラクトン(24.5g、0.0358mol)の50mLのCHCl溶液をゆっくりと懸濁液に加えた。滴下漏斗を濃縮器に置き換えた。混合物を45分間還流させた。加熱を止め、室温に冷却後、水(0.68g、0.038mol)を加え、還流を更に45分行った。室温に冷却後、混合物を濾過し、次に濃縮して収率90%で黄色油を得た。31P NMRにより、P各種の存在を確認した。
実施例17−AFM−トリメリト酸付加物の調製
Figure 0006077542
窒素下で、3口フラスコで、トリメリト酸無水物クロリド(32.40g、0.154mol)を100mLのアセトンに溶解した。フラスコを氷浴で冷却した。溶液を持続的に撹拌しながら、滴下漏斗を使用して、氷冷溶液にAFM−1(35.25g、0.0773mol)及びピリジン(12.32g、0.154mol)の50mLのアセトン溶液をゆっくりと加えた。添加後、フラスコの内容物を室温で4時間持続的に撹拌した。水(2.77g、0.154mol)を加え、室温で一晩撹拌した。次に、生じた固体を真空濾過により除去し、アセトンで洗浄した。濾液を濃縮し、乾燥させて、収率73%で白色固体を得た。構造をNMRにより確認した。
実施例18−AFM−カプロラコニル(caprolaconyl)トリメリト酸の調製
Figure 0006077542
窒素下で、3口フラスコ中で、トリメリト酸無水物クロリド(50g、0.240mol)を150mLのアセトンに溶解させる。フラスコを氷浴で冷却する。氷冷溶液を持続的に撹拌しながら、滴下漏斗により、AFM−カプロラクトン中間体(82.05g、0.12mol)及びピリジン(19.0g、0.240mol)の80mLのアセトン溶液をゆっくりと加えた。添加後、フラスコの内容物を室温で4時間持続的に撹拌する。水(4.32g、0.240mol)を加え、溶液を室温で一晩持続的に撹拌する。形成された固体を真空濾過により除去し、アセトンで洗浄する。濾液を濃縮し、乾燥させて生成物を得る。
実施例19〜24、対照実施例C3〜C4樹脂組成物
実施例2、3、4、16及び17のAFMを表5及び6に記載の成分と混合し、均一な混合物として樹脂組成物を調製した。成分量は重量%である。実施例19〜22を調製し、対照実施例C3により試験し、及び実施例23〜24を調製し、対照実施例C4により試験した。
上記試験手順に従い、たわみ(応力)量についてはマイクロメートル(μm)で、及び硬化深度(DOC)についてはミリメートル(mm)で樹脂組成物を試験した。表5及び6に掲載の試験結果により、樹脂組成物中のAFM量を増量させるにつれ、樹脂硬化時の応力試験において、尖点のたわみ量が減少することが見て取れる。硬化深度値は歯科用組成物として使用するのに容認できるものであった。
Figure 0006077542
Figure 0006077542
実施例25〜28、対照実施例C5−AFMシランとナノ粒子充填剤
以降の手順に従い、表7に示す成分を含有する組成物を調製した。テフロンコーティングされた糸により、8オンス(235mL)のガラスボトルにシリカゾル(Nalco 2327k)を加え、電磁撹拌棒により撹拌した。115mLのアンバーガラスボトルで実施例8に記載の通りにメトキシプロパノール、Prostab、シラン(3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン)、及びAFM−シランを混合して溶液を調製し、次にシリカゾルを加え、約5分間撹拌した。
テフロンコーティングされた金属蓋、テフロンテープ及び電気テープによりガラスジャーを密閉した。撹拌しながら反応物を90℃に加熱した。約18時間後、反応混合物を250mLの丸底フラスコに移し、減圧下で固形分約45重量%(元の量の約半量)濃縮した。約55gのメトキシプロパノールを加え、固形分含量を約20重量%に再度低下させた。次に、溶液を再度濃縮し、約45重量%の官能化ナノ粒子固体(約50mL)を得た。
テフロンコーティングした糸により16オンス(470mL)のガラスジャー100gのシリカゾル(Nalco 2329k sol;41.33重量%)を加えたことを除き、同様の手順により対照実施例C5を調製した。メトキシプロパノール(112.5g)、Prostab(0.0250gの0.05重量%水溶液)及びシラン(3.182g)溶液をシリカゾルに加え、撹拌した。AFMシランは添加しなかった。
最終溶液約0.250gをアルミニウムパンに入れ、125℃に設定した炉で45分間乾燥させて、各実施例の固形分重量%を測定した。次にサンプルを炉から取り出し、室温に冷却させて、乾燥サンプルの質量を測定し、ナノ粒子溶液の固形分含量を算出するのに使用した。官能化したナノ粒子組成物は、樹脂組成物において充填剤として好適である。
Figure 0006077542
実施例29:9,9−ジメトキシ−4−チオキソ−10−オキサ−3,5−ジチア−9−シラウンデカ−1−イル2−メチルアクリレートの調製
Figure 0006077542
水素化ナトリウムの油中懸濁液(1.15g、30mmol)を10mL量の石油エーテルにより3回洗浄し、次にテトラヒドロフラン(50mL)を加え、分散体を室温で攪拌した。(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(5.0g、25.5)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を滴加した。30分後、二硫化炭素(2.3g、30mmol、EMD Chemicals(Gibbstown、NJ)から利用可能)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を滴加した。1時間後、2−[(メチルスルホニル)オキシ]エチル2−メチルアクリレート(5.3g、25.5mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)を滴加し、混合物を一晩撹拌した。次に減圧下で溶媒を反応混合物から除去し、残渣を塩化メチレン(75mL)及びナトリウムクロリド飽和水溶液(50mL)に回収した。層を分離させ、塩化メチレン層を炭酸カリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去し、6.7gの所望の生成物をオレンジ色の油として得て、構造をNMR解析により確認した。
実施例30:3−(トリエトキシシリル)プロピル4−ビニルベンジル(トリチオカルボネート)の調製
Figure 0006077542
水素化ナトリウムの油中懸濁液(2.3g、60mmol)を15mL量の石油エーテルにより3回洗浄し、次にテトラヒドロフラン(75mL)を加え、分散体を室温で攪拌した。(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン(12.2g、51mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を滴加した。30分後、二硫化炭素(4.6g、60mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を滴加した。1時間後、4−ビニルベンジルクロリド(7.8g、51mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を滴加し、混合物を一晩撹拌した。次に減圧下で溶媒を反応混合物から除去し、残渣を塩化メチレン(150mL)及びナトリウムクロリド飽和水溶液(75mL)に回収した。層を分離させ、塩化メチレン層を炭酸カリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去し、17.8gの所望の生成物を混濁したオレンジ色の油として得た。オレンジ色の油を石油エーテル(40mL)に回収し、0.2μmのPTFEシリンジフィルタ(Pall Life Sciences(Port Washington,NY)から入手可能)により濾過した。減圧下で溶媒を除去し、透明のオレンジ油として14.7gの所望の生成物を得て、構造をNMR解析により確認した。
本開示は、以降の例示的な実施形態を提供する。
1.次のa)、b)、c)を含む硬化性歯科用組成物:
a)少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含む少なくとも1つの歯科用樹脂、
b)次の1)、2)、3)を含む付加開裂剤、
1)歯科用樹脂ポリマーを架橋する、不安定な追加開裂基、
2)フリーラジカルにより重合させることのできる基、
3)基材表面と結合する表面改質官能基、
c)任意追加的な無機酸化物充填剤。
2.付加開裂剤が式R−AF−Rのものであり、
及びRが、それぞれ独立して、Z−Q−、Y−Q’−、(ヘテロ)アルキル基又は(ヘテロ)アリール基であり、但し、少なくとも1つのR及びRはZ−Q−であり、そして、少なくとも1つのR及びRはY−Q’−であり、Qは共有結合であるか、又はm+1の原子価を有する有機連結基であり、Q’は共有結合であるか、又はp+1の原子価を有する有機連結基であり、Zはエチレン性不飽和重合性基であり、mは1〜6であり、pは1又は2であり、かつYは付加開裂剤の配置された基材に結合する表面改質有機官能基である、実施形態1に記載の硬化性歯科用樹脂。
3.追加開裂基AFが、1,5−ジアシル−2,2−ジメチル−4−メチレン、ジチオエステル、トリチオカルバメート、トリチオ炭酸、チウラムジスルフィド、キサンタンビニルエーテル、アリルスルフィド、アリルスルホン、アリルスルホキシド、アリルホスホナート、及びアリルペルオキシドから選択される、実施形態2に記載の硬化性歯科用樹脂。
4.追加開裂基1)が次式のものであり:
Figure 0006077542
式中、
がZ−Q−、Y−Q’−、(ヘテロ)アルキル基又は(ヘテロ)アリール基であり、
Qが共有結合であるか又は連結基であり、好ましくは原子価m+1を有する(ヘテロ)ヒドロカルビル連結基であり、
Q’が共有結合であるか又は連結基であり、好ましくは原子価p+1を有する(ヘテロ)ヒドロカルビル連結基であり、
Zがエチレン性不飽和重合性基であり、
mが1〜6であり、
pが1又は2であり、
Yが、付加開裂剤を配置した基材に結合する官能基であり、
nが0又は1である、実施形態1〜3のいずれかに記載の歯科用組成物。
5.付加開裂剤が次式のものであり:
Figure 0006077542
式中、
、R及びRが、それぞれ独立して、Z−Q−、Y−Q’−、(ヘテロ)アルキル基、又は(ヘテロ)アリール基であり、但し、少なくとも1つのR、R及びRがZ−Q−であり、mが1〜6であり、
pが1又は2であり、
そして、少なくとも1つのR、R、及びRがY−Q’−であり、
Qが共有結合であるか又は連結基であり、好ましくは原子価m+1を有する(ヘテロ)ヒドロカルビル連結基であり、
Q’が共有結合であるか又は連結基であり、好ましくは原子価p+1を有する(ヘテロ)ヒドロカルビル連結基であり、
Zがエチレン性不飽和重合性基であり、
Yが、付加開裂剤を配置した基材に結合する官能基であり、
mが1〜6であり、
pが1又は2であり、
各Xが、独立して、−O−又は−NR−(式中、Rが、H又はC〜Cアルキルである)であり、
nが0又は1である、実施形態1〜4のいずれかに記載の歯科用組成物。
6.少なくとも1つのR、R及びRが、Z−Q−及びY−Q’−を両方含有し、
Qが共有結合であるか又は連結基であり、好ましくは原子価m+1を有する(ヘテロ)ヒドロカルビル連結基であり、
Q’が共有結合であるか又は連結基であり、好ましくは原子価p+1を有する(ヘテロ)ヒドロカルビル連結基であり、
Zがエチレン性不飽和重合性基であり、mが1〜6であり、
pが1又は2であり、
かつ
Yが、付加開裂剤を配置した基材に結合する官能基である、実施形態2〜5のいずれかに記載の付加開裂剤。
7.Zが、ビニル、ビニルオキシ、(メタ)アクリルオキシ、(メタ)アクリルアミド、スチレン性及びアセチレン性官能性基を含む、実施形態2〜6のいずれかに記載の歯科用組成物。
8.Zが、以下:
Figure 0006077542
から選択され、式中、Rが、H又はC〜Cアルキルである、実施形態7に記載の歯科用組成物。
9.Qが、−O−、−S−、−NR−、−SO−、−PO−、−CO−、−OCO−、−R−、−NR−CO−NR−、NR−CO−O−、NR−CO−NR−−CO−O−R−、−CO−NR−R−、−R−CO−O−R−、−O−R−、−S−R−−、−NR−R−、−SO−R−、−PO−R−、−CO−R−、−OCO−R−、−NR−CO−R−、NR−R−CO−O−、及びNR−CO−NR−から選択され、
式中、各Rは、水素、C〜Cアルキル基又はアリール基であり、各Rは、1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、5〜10個の炭素原子を有する5若しくは6員シクロアルキレン基、又は6〜16個の炭素原子を有する二価アリーレン基であるが、但し、Q−Zは、過酸化結合を含有しない、から選択される、実施例2〜6のいずれかに記載の歯科用組成物。
10.Q及び/又はQ’がアルキレンである実施例2〜6のいずれかに記載の歯科用組成物。
11.Q及び/又はQ’が式−C2r−のアルキレンであり、rが1〜10である、実施例2〜6のいずれかに記載の歯科用組成物。
12.Q及び/又はQ’がヒドロキシ置換アルキレンである、実施例2〜6のいずれかに記載の歯科用組成物。
13.Q及び/又はQ’が−CH−CH(OH)−CH−である、実施例2〜6のいずれかに記載の歯科用組成物。
14.Q及び/又はQ’がアリルオキシ置換アルキレンである、実施例2〜6のいずれかに記載の歯科用組成物。
15.Q及び/又はQ’がアルコキシ置換アルキレンである、実施例2〜6のいずれかに記載の歯科用組成物。
16.R−X−基、及び任意追加的にR−X−基が、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(OH)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−(O)C(CH)=CH)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CH(CHOPh)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CHCH−N(H)−C(O)−O−CH(CHOPh)−CH−O−.、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−、HC=C(H)C(O)−O−(CH−O−CH−CH(OH)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−、CH−(CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−、HC=C(H)C(O)−O−(CH−O−CH−CH(−O−(O)C(H)=CH)−CH−O−及びHC=C(H)C(O)−O−CH−CH(OH)−CH−O−.HC=C(H)C(O)−O−(CH−O−CH−CH(−O−(O)C(H)=CH)−CH−O−、並びにCH−(CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−から選択される、実施例2〜6のいずれかに記載の歯科用組成物。
17.歯科用樹脂のエチレン性不飽和基が(メタ)アクリレート基である、実施例1〜16のいずれかに記載の歯科用組成物。
18.歯科用樹脂が、少なくとも1.50の屈折率を有する芳香族モノマーである、実施形態1〜17のいずれかに記載の歯科用組成物。
19.歯科用樹脂が、低収縮樹脂である、実施形態1〜18のいずれかに記載の歯科用組成物。
20.前記歯科用樹脂が、イソシアヌレート樹脂、トリシクロドデカン樹脂、環式アリルスルフィド樹脂、メチレンジチエパンシラン樹脂、及びポリ(メタ)アクリロイル含有樹脂、又はこれらの混合物である、実施形態1〜19のいずれかに記載の歯科用組成物。
21.固化した前記歯科用組成物が、2.0、又は1.8、又は1.6、又は1.4、又は1.2、又は1.0、又は0.8、又は0.6以下の応力たわみを示す、実施形態1〜20のいずれかに記載の歯科用組成物。
22.歯科用組成物が、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ビスフェノールAジグリシジルジメタクリレート、ウレタンジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(NPGDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのその他の(メタ)アクリレートモノマーを含む、実施形態1〜21のいずれかに記載の歯科用組成物。
23.充填剤無機酸化物充填剤が、ナノ粒子を含む、実施形態1〜26のいずれかに記載の歯科用組成物。
24.無機酸化物ナノ粒子が、シリカ、ジルコニア、又はこれらの混合物を含む、実施形態23に記載の歯科用組成物。
25.無機酸化物ナノ粒子が、ナノクラスターの形態である、実施形態23又は24に記載の歯科用組成物。
26.表面改質された無機酸化物充填剤を含む、実施形態1〜25のいずれかに記載の歯科用組成物。
27.歯の表面を処理する方法であって、
a)実施形態1〜26のいずれかに記載の硬化性歯科用樹脂を準備する工程と、
b)歯科用組成物を対象者の口内の歯の表面上に配置する工程と、
c)硬化性歯科用組成物を硬化させる工程と、を含む、方法。
28.歯科用組成物が、歯科用修復材組成物である、実施形態27のに記載の方法。
29.少なくとも一部硬化されている、実施形態1〜26に記載の硬化性歯科用組成物。
30.歯の表面を処理する方法であって、
実施形態29に記載の少なくとも一部硬化している歯科用物品を準備する工程と、
歯科用物品を対象者の口内の歯の表面上に接着させる工程と、を含む方法。
31.式中、R−X基、及び任意追加的にR−X基が、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−PO)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−C(O)−(CHC(O)OH)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−C(O)−(CHC(O)OH)−CH−O−、及びHC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−C(O)−NH−(CHSi(OEt))−CH−O−から選択される、実施形態4又は5に記載の歯科用組成物。
32.次のa)、b)、c)を含む歯科用汎用修復材であって:
a)少なくとも2つの重合性エチレン性不飽和基を含む硬化性歯科用樹脂を15〜30重量%、
b)無機充填剤、好ましくは、表面改質充填剤を70〜85重量%、
c)実施形態1〜26のいずれかに記載の付加開裂剤をa)及びb)の100重量部に対して0.1〜10重量部、
硬化性組成物が更に開始剤と、
2%未満の安定剤、色素などを含む、修復材。
33.次のa)、b)、c)、d)、e)、f)を含む流動性修復材:
a)少なくとも2つの重合性エチレン性不飽和基を含む硬化性歯科用樹脂を25〜50重量%、
b)無機充填剤を50〜75重量%、
c)実施形態1〜26に記載の付加開裂剤をa)及びb)の100重量部に対して0.1〜10重量部、
d)開始剤、
e)安定剤及び色素を2%未満、並びに
f)任意追加的に酸官能基を有するモノマーを5〜60重量%。
34.次のa)、b)、c)、d)、e)、及びf)を含む樹脂改質グラスアイオノマー接着剤:
a)一部(メタ)アクリレート化したポリ(メタ)アクリル酸を10〜25重量%、
b)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを5〜20%、
c)ルオロアルミノシリケート(FAS)酸反応性ガラスを30〜60%、
d)非酸反応性充填剤、好ましくは表面処理されたものを0〜20%、
e)水を10〜20%、
f)実施形態1〜26に記載の付加開裂剤をa)及びb)の100重量部に対して0.1〜10重量部。
35.フルオロアルミノシリケートがシランメタクリレート表面処理したフルオロアルミノシリケートである、実施形態34に記載の樹脂改質したグラスアイオノマー接着。
36.次のa)、b)、c)、d)、e)、f)、g)、h)、及びi)を含む歯科用接着剤:
a)モノ(メタ)アクリレートモノマーを30〜8重量%、
b)多官能性(メタ)アクリレートモノマーを1〜10重量%、
c)酸官能性基(ホスフェート、ホスホネート、カルボキシレート、スルホン酸)を有するモノマーを5〜60重量%%、
d)ポリ(メタ)アクリル酸メタクリレートモノマーを0〜10、好ましくは1〜10重量%、
e)実施形態1〜26のいずれか一項に記載の付加開裂剤をa)〜d)の100重量部に対し0.1〜10重量%、
f)開始剤、
g)無機充填剤、好ましくは表面改質されたものをa)〜d)の100重量部に対し0〜30重量%、
h)溶媒を、a)〜d)の100重量部に対し0〜25重量%、
i)水を、a)〜d)の100重量部に対して0〜25重量%、並びに、
2%未満の安定剤と顔料。
37.次式を有する表面改質された無機充填剤を更に含み、
Figure 0006077542
式中、
充填剤が無機充填剤粒子であり、
及びRは、それぞれ独立して、Z−Q−、Y−Q’−、(ヘテロ)アルキル基又は(ヘテロ)アリール基であり、
Qは共有結合又は連結基であり、好ましくは、原子価m+1を有する有機(ヘテロ)ヒドロカルビル連結基であり、
Q’は共有結合又は連結基であり、好ましくは原子価p+1を有する有機(ヘテロ)ヒドロカルビル連結基であり、
Zはエチレン性不飽和重合性基であり、
Y’は、付加開裂剤を配置した基材に結合する表面改質有機官能基の残基であり、
mは1〜6であり、
pは1又は2であり、
は、独立して−O−又は−NR−であり、Rは、H又はC〜Cアルキルであり、
nは0又は1である、実施例1〜26のいずれかに記載の硬化性歯科用組成物。
38.充填剤がシリカである、実施形態37に記載の硬化性歯科用組成物。
39.充填剤−Y’−基が式シリカ−O−Si(R
を有し、式中、各R基が、独立して、アルコキシ基、アセトキシ基、及びハライド基から選択される、実施形態37又は38に記載の硬化性歯科用組成物。
40.AF基がトリチオカルボネート基である、実施形態2に記載の歯科用組成物。

Claims (10)

  1. 次のa)、b)、c)を含む硬化性歯科用組成物:
    a)少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含む少なくとも1つの歯科用樹脂、
    b)次の式で表される付加開裂剤、
    Figure 0006077542
    式中、
    びRは、それぞれ独立してZ−Q−、Y−Q’−、(ヘテロ)アルキル基又は(ヘテロ)アリール基であり、但し、R びRの少なくとも1つはZ−Q−であり、そして、R びRの少なくとも1つはY−Q’−であり、
    Qは共有結合であるか又は原子価m+1を有する連結基であり、
    Q’は共有結合であるか又は原子価p+1を有する連結基であり、
    Zはエチレン性不飽和重合性基であり、
    Yは、付加開裂剤を配置した歯系構造に結合し又はエッチングする官能基であって、モノホスフェート、ホスホネート、ホスホン酸、ヒドロキサム酸、カルボン酸、アセト酢酸、無水物、イソニトリル基、シリル基、ジスルフィド基、チオール基、アミノ基、スルフィン酸基、スルホン酸基、ホスフィン基、フェノール基、及びヘテロ芳香環基から選択されるものであり、
    mは1〜6であり、
    pは1又は2であり、
    各Xは、独立して、−O−又は−NR−であり、ここでRはH又はC〜Cアルキルであり、
    nは0である、及び
    c)任意追加的な無機酸化物充填剤。
  2. 前記付加開裂剤のR びRの少なくとも1つが、Z−Q−及びY−Q’−の両方を含み、
    Qは共有結合であるか又は原子価m+1を有する連結基であり、
    Q’は共有結合であるか又は原子価p+1を有する連結基であり、
    Zはエチレン性不飽和重合性基であり、
    mは1〜6であり、
    pは1又は2であり、
    Yは、付加開裂剤を配置した歯系構造に結合し又はエッチングする官能基であって、モノホスフェート、ホスホネート、ホスホン酸、ヒドロキサム酸、カルボン酸、アセト酢酸、無水物、イソニトリル基、シリル基、ジスルフィド基、チオール基、アミノ基、スルフィン酸基、スルホン酸基、ホスフィン基、フェノール基、及びヘテロ芳香環基から選択されるものである
    請求項1に記載の歯科用組成物。
  3. Q及び/又はQ’がアルキレンである、請求項1又は2に記載の歯科用組成物。
  4. Q及び/又はQ’がヒドロキシ置換アルキレンである、請求項1又は2に記載の歯科用組成物。
  5. −X基が、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(OH)−CH−O−、H C=C(CH)C(O)−O−CH(CHOPh)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CHCH−N(H)−C(O)−O−CH(CHOPh)−CH−O−、C=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−、HC=C(H)C(O)−O−(CH−O−CH−CH(OH)−CH−O−、HC=C(CH)C(O)−O−CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−、CH−(CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−及びHC=C(H)C(O)−O−CH−CH(OH)−CH−O−、並びにCH−(CH−CH(O−(O)C−N(H)−CHCH−O−(O)C(CH)C=CH)−CH−O−から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  6. 前記歯科用樹脂が、イソシアヌレート樹脂、トリシクロデカン樹脂、環状アリルスルフィド樹脂;メチレンジチエパンシラン樹脂;及びポリ(メタ)アクリロイル含有樹脂、又はこれらの混合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  7. 前記歯科用組成物が、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ビスフェノールAジグリシジルジメタクリレート、ウレタンジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(NPGDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのその他の(メタ)アクリレートモノマーを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  8. 前記無機酸化物充填剤がナノ粒子を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  9. 表面改質された無機酸化物充填剤を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  10. 次式を有する表面改質された無機酸化物充填剤を含み、
    Figure 0006077542
    式中、
    充填剤は無機酸化物充填剤粒子であり、
    、Z −Q−であるか又はZ −Q−及び−Q’−の両方を含み
    Qは共有結合又は原子価m+1を有する連結基であり、
    Q’は共有結合又は原子価p+1を有する連結基であり、
    Zはエチレン性不飽和重合性基であり、
    Y’は、前記官能基Yの残基であり、
    mは1〜6であり、
    pは1又は2であり、
    は、独立して−O−又は−NR−であり、ここでRはH又はC〜Cアルキルであり、
    nは0である、
    請求項9に記載の歯科用組成物。
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