JP6078376B2 - ウエーハの加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板の表面に積層された機能層によってデバイスが形成されたウエーハを、デバイスを区画する複数のストリートに沿って分割するウエーハの加工方法に関する。
当業者には周知の如く、半導体デバイス製造工程においては、シリコン等の基板の表面に絶縁膜と機能膜が積層された機能層によって複数のIC、LSI等のデバイスをマトリックス状に形成した半導体ウエーハが形成される。このように形成された半導体ウエーハは上記デバイスがストリートと呼ばれる分割予定ラインによって区画されており、このストリートに沿って分割することによって個々の半導体デバイスを製造している。
近時においては、IC、LSI等の半導体チップの処理能力を向上するために、シリコン等の基板の表面にSiOF、BSG(SiOB)等の無機物系の膜やポリイミド系、パリレン系等のポリマー膜である有機物系の膜からなる低誘電率絶縁体被膜(Low−k膜)が積層された機能層によって半導体デバイスを形成せしめた形態の半導体ウエーハが実用化されている。
このような半導体ウエーハのストリートに沿った分割は、通常、ダイサーと呼ばれている切削装置によって行われている。この切削装置は、被加工物である半導体ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された半導体ウエーハを切削するための切削手段と、チャックテーブルと切削手段とを相対的に移動せしめる移動手段とを具備している。切削手段は、高速回転せしめられる回転スピンドルと該スピンドルに装着された切削ブレードを含んでいる。切削ブレードは円盤状の基台と該基台の側面外周部に装着された環状の切れ刃からなっており、切れ刃は例えば粒径3μm程度のダイヤモンド砥粒を電鋳によって固定して形成されている。
しかるに、上述したLow−k膜はウエーハの素材と異なるため、切削ブレードによって同時に切削することが困難である。即ち、Low−k膜は雲母のように非常に脆いことから、切削ブレードによりストリートに沿って切削すると、Low−k膜が剥離し、この剥離が回路にまで達しデバイスに致命的な損傷を与えるという問題がある。
上記問題を解消するために、半導体ウエーハに形成されたストリートの両側にストリーに沿ってレーザー光線を照射し、ストリートに沿って2条のレーザー加工溝を形成して機能層を分断し、この2条のレーザー加工溝の外側間に切削ブレードを位置付けて切削ブレードと半導体ウエーハを相対移動することにより、半導体ウエーハをストリートに沿って切断するウエーハの分割方法が下記特許文献1に開示されている。
特開2005−142398号公報
而して、上記特許文献1に記載されたように半導体ウエーハに形成されたストリートの両側にストリーに沿ってレーザー光線を照射することによりストリートに沿って2条のレーザー加工溝を形成して機能層を分断し、この2条のレーザー加工溝の外側間に切削ブレードを位置付けて半導体ウエーハをストリートに沿って切断するウエーハの分割方法は、次のような問題がある。
(1)機能層を分断するために少なくとも2条のレーザー加工溝をストリートに沿って形成する必要があり生産性が悪い。
(2)レーザー加工溝を形成する際に機能層の分断が不十分であると切削ブレードのズレや倒れが発生したり、切削ブレードに偏摩耗が生ずる。
(3)ウエーハの表面からレーザー加工溝を形成するとデブリが飛散するので、ウエーハの表面に保護膜を被覆する必要がある。
(4)2条のレーザー加工溝を形成するためにレーザー光線を少なくとも2度照射することでウエーハに熱歪が残留し、デバイスの抗折強度が低下する。
(5)切削ブレードの幅を超える範囲で2条のレーザー加工溝を形成するために、ストリートの幅を広くする必要があり、ウエーハに形成されるデバイスの数が減少する。
(6)機能層の表面にはSiO2、SiO、SiN、SiNOを含むパシベーション膜が形成されているため、レーザー光線を照射するとパシベーション膜を透過して機能層の内部に達する。この結果、機能層の内部に達したレーザー光線の照射によって発生する熱がパシベーション膜によって一時的に閉じ込められるため、回路が形成され密度が低いデバイス側に剥離が発生する。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、基板の表面に積層された機能層によってデバイスが形成されたウエーハを、上記問題を解消して個々のデバイスに分割することができるウエーハの加工方法を提供することである。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、基板の表面に積層された機能層によってデバイスが形成されたウエーハを、該デバイスを区画する複数のストリートに沿って分割するウエーハの加工方法であって、
基板の裏面側からストリートと対応する領域に切削ブレードを位置付けて機能層に至らない一部を残して切削溝を形成する切削溝形成工程と、
該切削溝形成工程が実施された基板の裏面側から該切削溝の底に沿ってレーザー光線を照射し、残存されている基板の一部および機能層を破断するレーザー加工工程と、を含み、
該レーザー加工工程は、基板の裏面側から該切削溝の底に集光点を合わせ、該切削溝の底に沿って基板および機能層に対して吸収性を有する波長のレーザー光線を照射し、改質層を形成する工程を経ることなく残存されている基板の一部および機能層にレーザー加工溝を形成する
ことを特徴とするウエーハの加工方法が提供される。
記ウエーハの加工方法は、上記切削溝形成工程を実施する前にウエーハを構成する基板に積層された機能層の表面に粘着テープを貼着するとともにウエーハを収容する大きさの開口部を備えた環状のフレームで粘着テープを介してウエーハを支持するウエーハ支持工程と、上記レーザー加工工程を実施した後にウエーハが貼着されている粘着テープを拡張してウエーハをストリートに沿って個々のデバイスに分離するデバイス分離工程とを含んでいる。
本発明によるウエーハの加工方法においては、基板の裏面側からストリートと対応する領域に切削ブレードを位置付けて機能層に至らない一部を残して切削溝を形成する切削溝形成工程と、該切削溝形成工程が実施された基板の裏面側から該切削溝の底に沿ってレーザー光線を照射し、残存されている基板の一部および機能層を破断するレーザー加工工程とを含んでいるので、次の作用効果が得られる。
(1)機能層を分断するために複数のレーザー加工溝をストリートに沿って形成する必要がないため生産性が向上する。
(2)機能層にレーザー加工溝を形成しないので、切削ブレードのズレや倒れ、切削ブレードに偏摩耗が生ずることはない。
(3)ウエーハの表面からレーザー光線を照射しないので、ウエーハの表面に保護膜を被覆する必要がない。
(4)切削溝の底にレーザー光線を照射するので、エネルギーが小さくウエーハに熱歪が残留させることがなく、デバイスの抗折強度を低下させることはない。
(5)基板の裏面側から切削溝を形成するので、幅広いストリートが不要となり、ウエーハに形成することができるデバイスの数を増大することができる。
(6)ウエーハの表面からレーザー光線を照射しないので、パシベーション膜を透過して機能層が加工され一時的に熱の逃げ場を失うことによりデバイス側に剥離が発生することはない。
本発明によるウエーハの加工方法によって分割される半導体ウエーハを示す斜視図および要部拡大断面図。 本発明によるウエーハの加工方法におけるウエーハ支持工程が実施された半導体ウエーハが環状のフレームに装着された粘着テープの表面に貼着された状態を示す斜視図。 本発明によるウエーハの加工方法における切削溝形成工程を実施するための切削装置の要部斜視図。 本発明によるウエーハの加工方法における切削溝形成工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法におけるレーザー加工工程を実施するためのレーザー加工装置の要部斜視図。 本発明によるウエーハの加工方法におけるレーザー加工工程の第1の実施形態を実施する説明図。 エーハの加工方法におけるレーザー加工工程の参考例を実施する説明図。 本発明によるウエーハの加工方法におけるデバイス分離工程を実施するためのデバイス分離装置の斜視図。 本発明によるウエーハの加工方法におけるデバイス分離工程の説明図。
以下、本発明によるウエーハの加工方法について添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
図1の(a)および(b)には、本発明によるウエーハの加工方法によって個々のデバイスに分割される半導体ウエーハの斜視図および要部拡大断面図が示されている。図1の(a)および(b)に示す半導体ウエーハ2は、厚みが140μmのシリコン等の基板20の表面20aに絶縁膜と回路を形成する機能膜が積層された機能層21によって複数のIC、LSI等のデバイス22がマトリックス状に形成されている。そして、各デバイス22は、格子状に形成されたストリート23によって区画されている。なお、図示の実施形態においては、機能層21を形成する絶縁膜は、SiO2膜または、SiOF、BSG(SiOB)等の無機物系の膜やポリイミド系、パリレン系等のポリマー膜である有機物系の膜からなる低誘電率絶縁体被膜(Low−k膜)からなっており、厚みが10μmに設定されている。このようにして構成された機能層21は、表面にSiO2、SiO、SiN、SiNOを含むパシベーション膜が形成されている。
上述した半導体ウエーハ2をストリートに沿って分割するウエーハの加工方法について説明する。
先ず、半導体ウエーハ2を構成する基板20に積層された機能層21の表面21aを粘着テープを貼着するとともに半導体ウエーハ2を収容する大きさの開口部を備えた環状のフレームで粘着テープを介してウエーハを支持するウエーハ支持工程を実施する。例えば、図2に示すように、環状のフレーム3の内側開口部を覆うように外周部が装着された粘着テープ30の表面に半導体ウエーハ2を構成する機能層21の表面21aを貼着する。従って、粘着テープ30の表面に貼着された半導体ウエーハ2は、基板20の裏面20bが上側となる。なお、粘着テープ30は、例えば厚み100μmのポリエチレンフィルムの表面に粘着剤が塗布されている。なお、図2に示す実施形態においては、環状のフレーム3に外周部が装着された粘着テープ30の表面に半導体ウエーハ2を構成する機能層21の表面21aを貼着する例を示したが、半導体ウエーハ2を構成する基板20に積層された機能層21の表面21aに粘着テープ30を貼着するとともに粘着テープ30の外周部を環状のフレーム3に同時に装着してもよい。
上述したウエーハ支持工程を実施したならば、基板の裏面側からストリートと対応する領域に切削ブレードを位置付けて機能層に至らない一部を残して切削溝を形成する切削溝形成工程を実施する。この切削溝形成工程は、図3に示す切削装置4を用いて実施する。図3に示す切削装置4は、被加工物を保持するチャックテーブル41と、該チャックテーブル41に保持された被加工物を切削する切削手段42と、該チャックテーブル41に保持された被加工物を撮像する撮像手段43を具備している。チャックテーブル41は、被加工物を吸引保持するように構成されており、図示しない加工送り手段によって図3において矢印Xで示す加工送り方向に移動せしめられるとともに、図示しない割り出し送り手段によって矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられるようになっている。
上記切削手段42は、実質上水平に配置されたスピンドルハウジング421と、該スピンドルハウジング421に回転自在に支持された回転スピンドル422と、該回転スピンドル422の先端部に装着された切削ブレード423を含んでおり、回転スピンドル422がスピンドルハウジング421内に配設された図示しないサーボモータによって矢印423aで示す方向に回転せしめられるようになっている。切削ブレード423は、アルミニウムによって形成された円盤状の基台424と、該基台424の側面外周部に装着された環状の切れ刃425とからなっている。環状の切れ刃425は、基台424の側面外周部に粒径が3〜4μmのダイヤモンド砥粒をニッケルメッキで固めた電鋳ブレードからなっており、図示の実施形態においては厚みが40μmで外径が52mmに形成されている。
上記撮像手段43は、スピンドルハウジング421の先端部に装着されており、図示の実施形態においては可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段と、該赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
上述した切削装置4を用いて切削溝形成工程を実施するには、図3に示すようにチャックテーブル41上に上記ウエーハ支持工程が実施され半導体ウエーハ2が貼着された粘着テープ30側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、粘着テープ30を介して半導体ウエーハ2をチャックテーブル41上に保持する(ウエーハ保持工程)。従って、チャックテーブル41に保持された半導体ウエーハ2は、基板20の裏面20bが上側となる。なお、図3においては粘着テープ30が装着された環状のフレーム3を省いて示しているが、環状のフレーム3はチャックテーブル41に配設された適宜のフレーム保持手段に保持される。このようにして、半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル41は、図示しない加工送り手段によって撮像手段43の直下に位置付けられる。
チャックテーブル41が撮像手段43の直下に位置付けられると、撮像手段43および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2の切削すべき領域を検出するアライメント工程を実行する。即ち、撮像手段43および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ2の所定方向に形成されているストリート23と対応する領域と、切削ブレード423との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、切削ブレード423による切削領域のアライメントを遂行する(アライメント工程)。また、半導体ウエーハ2に上記所定方向と直交する方向に形成されたストリート23と対応する領域に対しても、同様に切削ブレード423による切削位置のアライメントが遂行される。このとき、半導体ウエーハ2のストリート23が形成されている機能層21の表面21aは下側に位置しているが、撮像手段43が上述したように赤外線照明手段と赤外線を捕らえる光学系および赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成された撮像手段を備えているので、ウエーハを構成する基板20の裏面20bから透かしてストリート23を撮像することができる。
以上のようにしてチャックテーブル41上に保持されている半導体ウエーハ2のストリート23と対応する領域を検出し、切削領域のアライメントが行われたならば、半導体ウエーハ2を保持したチャックテーブル41を切削領域の切削開始位置に移動する。このとき、図4の(a)で示すように半導体ウエーハ2は切削すべきストリート23と対応する領域の一端(図4の(a)において左端)が切削ブレード423の直下より所定量右側に位置するように位置付けられる。
このようにしてチャックテーブル41即ち半導体ウエーハ2が切削加工領域の切削開始位置に位置付けられたならば、切削ブレード423を図4(a)において2点鎖線で示す待機位置から矢印Z1で示すように下方に切り込み送りし、図4の(a)において実線で示すように所定の切り込み送り位置に位置付ける。この切り込み送り位置は、図4の(a)および図4の(c)に示すように切削ブレード423の下端が半導体ウエーハ2を構成する機能層21に至らない位置(例えば、機能層21が積層されている基板20の表面20aから裏面20b側に5〜10μmの位置)に設定されている。
次に、切削ブレード423を図4の(a)において矢印423aで示す方向に所定の回転速度で回転せしめ、チャックテーブル41を図4の(a)において矢印X1で示す方向に所定の切削送り速度で移動せしめる。そして、チャックテーブル41が図4の(b)で示すようにストリート23に対応する位置の他端(図4の(b)において右端)が切削ブレード423の直下より所定量左側に位置するまで達したら、チャックテーブル41の移動を停止する。このようにチャックテーブル41を切削送りすることにより、図4の(d)で示すように半導体ウエーハ2の基板20には裏面20bから表面20a側に一部201を残して切削溝210が形成される(切削溝形成工程)。
次に、切削ブレード423を図4の(b)において矢印Z2で示すように上昇させて2点鎖線で示す待機位置に位置付け、チャックテーブル41を図4の(b)において矢印X2で示す方向に移動して、図4の(a)に示す位置に戻す。そして、チャックテーブル41を紙面に垂直な方向(割り出し送り方向)にストリート23の間隔に相当する量だけ割り出し送りし、次に切削すべきストリート23に対応する領域を切削ブレード423と対応する位置に位置付ける。このようにして、次に切削すべきストリート23に対応する領域を切削ブレード423と対応する位置に位置付けたならば、上述した切削溝形成工程を実施する。
なお、上記分割溝形成工程は、例えば以下の加工条件で行われる。
切削ブレード :外径52mm、厚さ40μm
切削ブレードの回転速度:30000rpm
切削送り速度 :50mm/秒
上述した切削溝形成工程を半導体ウエーハ2に形成された全てのストリート23に対応する領域に実施する。
上述したように切削溝形成工程を実施したならば、基板20の裏面20b側から切削溝210の底に沿ってレーザー光線を照射し、残存されている基板20の一部201および機能層21を破断するレーザー加工工程を実施する。このレーザー加工工程は、図5に示すレーザー加工装置5を用いて実施する。図5に示すレーザー加工装置5は、被加工物を保持するチャックテーブル51と、該チャックテーブル51上に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段52と、チャックテーブル51上に保持された被加工物を撮像する撮像手段53を具備している。チャックテーブル51は、被加工物を吸引保持するように構成されており、図示しない加工送り手段によって図5において矢印Xで示す加工送り方向に移動せしめられるとともに、図示しない割り出し送り手段によって図5において矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられるようになっている。
上記レーザー光線照射手段52は、実質上水平に配置された円筒形状のケーシング521を含んでいる。ケーシング521内には図示しないパルスレーザー光線発振器や繰り返し周波数設定手段を備えたパルスレーザー光線発振手段が配設されている。上記ケーシング521の先端部には、パルスレーザー光線発振手段から発振されたパルスレーザー光線を集光するための集光器522が装着されている。なお、レーザー光線照射手段52は、集光器522によって集光されるパルスレーザー光線の集光点位置を調整するための集光点位置調整手段(図示せず)を備えている。
上記レーザー光線照射手段52を構成するケーシング521の先端部に装着された撮像手段53は、被加工物を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された領域を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた像を撮像する撮像素子(CCD)等を備え、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
上述したレーザー加工装置5を用いて、基板20の裏面20b側から切削溝210の底に沿ってレーザー光線を照射し、残存されている基板20の一部201および機能層21を破断するレーザー加工工程の第1の実施形態について、図5および図6を参照して説明する。
先ず、上述した図5に示すレーザー加工装置5のチャックテーブル51上に上述した切削溝形成工程が実施された半導体ウエーハ2が貼着された粘着テープ30側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、粘着テープ30を介して半導体ウエーハ2をチャックテーブル51上に保持する(ウエーハ保持工程)。従って、チャックテーブル51に保持された半導体ウエーハ2は、基板20の裏面20bが上側となる。なお、図5においては粘着テープ30が装着された環状のフレーム3を省いて示しているが、環状のフレーム3はチャックテーブル51に配設された適宜のフレーム保持手段に保持される。このようにして、半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル51は、図示しない加工送り手段によって撮像手段53の直下に位置付けられる。
チャックテーブル51が撮像手段53の直下に位置付けられると、撮像手段53および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段53および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ2を構成する基板20の裏面20b側から所定方向に形成された切削溝210と、該切削溝210に沿ってレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段52の集光器522との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、レーザー光線照射位置のアライメントを遂行する(アライメント工程)。また、半導体ウエーハ2に上記所定方向と直交する方向に形成された切削溝210に対しても、同様にレーザー光線照射位置のアライメントが遂行される。
上述したアライメント工程を実施したならば、図6で示すようにチャックテーブル51をレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段52の集光器522が位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の切削溝210を集光器522の直下に位置付ける。このとき、図6の(a)で示すように半導体ウエーハ2は、切削溝210の一端(図6の(a)において左端)が集光器522の直下に位置するように位置付けられる。そして、図6の(c)に示すように集光器522から照射されるパルスレーザー光線LBの集光点Pを切削溝210の底面付近に合わせる。次に、レーザー光線照射手段52の集光器522から基板20および機能層21に対して吸収性を有する波長のパルスレーザー光線を照射しつつチャックテーブル51を図6の(a)において矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめる。そして、図6の(b)で示すように切削溝210の他端(図6の(b)において右端)が集光器522の直下位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル51の移動を停止する(レーザー加工溝形成工程)。
次に、チャックテーブル51を紙面に垂直な方向(割り出し送り方向)に切削溝210の間隔だけ(ストリート23の間隔に相当する)移動する。そして、レーザー光線照射手段52の集光器522からパルスレーザー光線を照射しつつチャックテーブル51を図6の(b)において矢印X2で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめ、図6の(a)に示す位置に達したらパルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル51の移動を停止する。
上述したレーザー加工溝形成工程を実施することにより、図6の(d)に示すように半導体ウエーハ2には上記切削溝形成工程において残存されている基板20の一部201および機能層21にレーザー加工溝220が形成される。この結果、上記切削溝形成工程において残存されている基板20の一部201および機能層21は、レーザー加工溝220によって破断される。そして、上述したレーザー加工溝形成工程を半導体ウエーハ2に形成された全てのストリート23に沿って実施する。
なお、上記レーザー加工溝形成工程は、例えば以下の加工条件で行われる。
レーザー光線の波長 :355nm
繰り返し周波数 :200kHz
出力 :1.5W
集光スポット径 :φ10μm
加工送り速度 :300mm/秒
次に、基板20の裏面20b側から切削溝210の底に沿ってレーザー光線を照射し、残存されている基板20の一部201および機能層21を破断するレーザー加工工程の参考例について、図7を参照して説明する。なお、レーザー加工工程の該参考例は、上記レーザー加工装置5と実質的に同様のレーザー加工装置を用いて実施することができる。従って、図7に示す該参考例においては上記レーザー加工装置5と同一部材には同一符号を付して説明する。
図7に示す該参考例においても上記図5および図6に示す第1の実施形態と同様に上記ウエーハ保持工程およびアライメント工程を実施する。
上述したアライメント工程を実施したならば、図7で示すようにチャックテーブル51をレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段52の集光器522が位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の切削溝210を集光器522の直下に位置付ける。このとき、図7の(a)で示すように半導体ウエーハ2は、切削溝210の一端(図7の(a)において左端)が集光器522の直下に位置するように位置付けられる。そして、図7の(c)に示すように集光器522から照射されるパルスレーザー光線の集光点Pを残存されている基板20の一部201と機能層21の中間部に位置付ける。次に、レーザー光線照射手段52の集光器522から基板20および機能層21に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を照射しつつチャックテーブル51を図7の(a)において矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめる。そして、図7の(b)で示すように切削溝210の他端(図7の(b)において右端)が集光器522の直下位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル51の移動を停止する(改質層形成工程)。
次に、チャックテーブル51を紙面に垂直な方向(割り出し送り方向)に切削溝210の間隔だけ(ストリート23の間隔に相当する)移動する。そして、レーザー光線照射手段52の集光器522からパルスレーザー光線を照射しつつチャックテーブル51を図7の(b)において矢印X2で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめ、図7の(a)に示す位置に達したらパルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル51の移動を停止する。
上述した改質層形成工程を実施することにより、図7の(d)に示すように半導体ウエーハ2には上記切削溝形成工程において残存されている基板20の一部201および機能層21に切削溝210に沿って改質層230が形成される。この改質層230は、溶融再固化された状態で容易に破断する。そして、上述した改質層形成工程を半導体ウエーハ2に形成された全てのストリート23に沿って実施する。
なお、上記改質層形成工程は、例えば以下の加工条件で行われる。
レーザー光線の波長 :1064nm
繰り返し周波数 :80kHz
出力 :0.2W
集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :180mm/秒
上述したレーザー加工工程(レーザー加工溝形成工程を実施したならば、半導体ウエーハ2が貼着されている粘着テープ30を拡張してウエーハをストリート23に沿って個々のデバイスに分離するデバイス分離工程を実施する。このデバイス分離工程は、図8に示すデバイス分離装置6を用いて実施する。図8に示すデバイス分離装置6は、上記環状のフレーム3を保持するフレーム保持手段61と、該フレーム保持手段61に保持された環状のフレーム3に装着された接着テープ30を拡張するテープ拡張手段62と、ピックアップコレット63を具備している。フレーム保持手段61は、環状のフレーム保持部材611と、該フレーム保持部材611の外周に配設された固定手段としての複数のクランプ612とからなっている。フレーム保持部材611の上面は環状のフレーム3を載置する載置面611aを形成しており、この載置面611a上に環状のフレーム3が載置される。そして、載置面611a上に載置された環状のフレーム3は、クランプ612によってフレーム保持部材611に固定される。このように構成されたフレーム保持手段61は、テープ拡張手段62によって上下方向に進退可能に支持されている。
テープ拡張手段62は、上記環状のフレーム保持部材611の内側に配設される拡張ドラム621を具備している。この拡張ドラム621は、環状のフレーム3の内径より小さく該環状のフレーム3に装着された粘着テープ30に貼着される半導体ウエーハ2の外径より大きい内径および外径を有している。また、拡張ドラム621は、下端に支持フランジ622を備えている。図示の実施形態におけるテープ拡張手段62は、上記環状のフレーム保持部材611を上下方向に進退可能な支持手段623を具備している。この支持手段623は、上記支持フランジ622上に配設された複数のエアシリンダ623aからなっており、そのピストンロッド623bが上記環状のフレーム保持部材611の下面に連結される。このように複数のエアシリンダ623aからなる支持手段623は、図9の(a)に示すように環状のフレーム保持部材611を載置面611aが拡張ドラム621の上端と略同一高さとなる基準位置と、図9の(b)に示すように拡張ドラム621の上端より所定量下方の拡張位置の間を上下方向に移動せしめる。
以上のように構成されたデバイス分離装置6を用いて実施するデバイス分離工程について図9を参照して説明する。即ち、半導体ウエーハ2が貼着されている粘着テープ30が装着された環状のフレーム3を、図9の(a)に示すようにフレーム保持手段61を構成するフレーム保持部材611の載置面611a上に載置し、クランプ612によってフレーム保持部材611に固定する(フレーム保持工程)。このとき、フレーム保持部材611は図9の(a)に示す基準位置に位置付けられている。次に、テープ拡張手段62を構成する支持手段623としての複数のエアシリンダ623aを作動して、環状のフレーム保持部材611を図9の(b)に示す拡張位置に下降せしめる。従って、フレーム保持部材611の載置面611a上に固定されている環状のフレーム3も下降するため、図9の(b)に示すように環状のフレーム3に装着された粘着テープ30は拡張ドラム621の上端縁に接して拡張せしめられる(テープ拡張工程)。この結果、粘着テープ30に貼着されている半導体ウエーハ2には放射状に引張力が作用するため、個々のデバイス22に分離されるとともにデバイス間に間隔Sが形成される。また、粘着テープ30に貼着されている半導体ウエーハ2に放射状の引張力が作用すると、基板20の一部201および機能層21に切削溝210(従ってストリート23)に沿って形成された改質層230が破断され、半導体ウエーハ2は個々のデバイス22に分離されるとともにデバイス間に間隔Sが形成される。
次に、図9の(c)に示すようにピックアップコレット63を作動してデバイス22を吸着し、粘着テープ30から剥離してピックアップし、図示しないトレーまたはダイボンディング工程に搬送する。なお、ピックアップ工程においては、上述したように粘着テープ30に貼着されている個々のデバイス22間の隙間Sが広げられているので、隣接するデバイス22と接触することなく容易にピックアップすることができる。
2:半導体ウエーハ
20:基板
21:機能層
22:デバイス
23:ストリート
210:切削溝
220:レーザー加工溝
230:改質層
3:環状のフレーム
30:粘着テープ
4:切削装置
41:切削装置のチャックテーブル
42:切削手段
423:切削ブレード
5:レーザー加工装置
51:レーザー加工装置のチャックテーブル
52:レーザー光線照射手段
522:集光器
6:デバイス分離装置
61:フレーム保持手段
62:テープ拡張手段
63:ピックアップコレット

Claims (2)

  1. 基板の表面に積層された機能層によってデバイスが形成されたウエーハを、該デバイスを区画する複数のストリートに沿って分割するウエーハの加工方法であって、
    基板の裏面側からストリートと対応する領域に切削ブレードを位置付けて機能層に至らない一部を残して切削溝を形成する切削溝形成工程と、
    該切削溝形成工程が実施された基板の裏面側から該切削溝の底に沿ってレーザー光線を照射し、残存されている基板の一部および機能層を破断するレーザー加工工程と、を含み、
    該レーザー加工工程は、基板の裏面側から該切削溝の底に集光点を合わせ、該切削溝の底に沿って基板および機能層に対して吸収性を有する波長のレーザー光線を照射し、改質層を形成する工程を経ることなく残存されている基板の一部および機能層にレーザー加工溝を形成する、
    ことを特徴とするウエーハの加工方法。
  2. 該切削溝形成工程を実施する前に、ウエーハを構成する基板に積層された機能層の表面に粘着テープを貼着するとともにウエーハを収容する大きさの開口部を備えた環状のフレームで粘着テープを介してウエーハを支持するウエーハ支持工程と、
    該レーザー加工工程を実施した後に、ウエーハが貼着されている粘着テープを拡張してウエーハをストリートに沿って個々のデバイスに分離するデバイス分離工程と、を含んでいる、請求項1に記載のウエーハの加工方法。
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