JP6079708B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents
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Description
乗員に対する衝撃荷重を低減する有効な対策の一つとして、フロントサイドフレームに入力された衝撃荷重によってフロントサイドフレームを所定の変形モードで変形させることにより衝撃エネルギーを吸収する変形モード制御が知られている。
この変形モード制御においては、衝突初期に、フロントサイドフレームの前端部に設けられたクラッシュカンを潰れ変形させ、衝突中期に、フロントサイドフレームをダッシュパネルとの結合部を基点として車幅方向外側へ向かうように山折れ変形させ、衝突後期に、変形されたフロントサイドフレームを全体的に潰れ変形させることにより、衝突初期に車体減速度を大きくし、その後も大きな車体減速度を維持している。
特許文献1の車両の前部車体構造は、ダッシュパネルとヒンジピラーとにより形成された隅部において、一端側がダッシュパネルを挟んでフロントサイドフレームの後端部に対向する位置に結合され且つ他端側がヒンジピラーに結合された補強部材を設け、この補強部材に前後方向に延びるビード部を形成している。これにより、フロントサイドフレームに入力された衝撃荷重は、補強部材を介してサイドシルやルーフサイドレール等に分散される。
かかる特許文献1に開示の方法によれば、フロントサイドフレームに入力された衝撃荷重の分散伝達性能を向上させることが可能になる。しかしながら、更なる工夫によって衝撃荷重の分散伝達性能を向上させることが求められている。
本構成によれば、ダッシュクロスメンバの閉断面剛性を、ホイールハウスと縦壁部との境界部に形成される角部を利用して高くすることができ、フロントサイドフレームの支持剛性を高めつつ衝撃荷重の車幅方向伝達性能を向上できる。
これにより、ダッシュクロスメンバの閉断面の断面係数を高くでき、フロントサイドフレームの支持剛性と衝撃荷重の車幅方向伝達性能とを更に向上できる。
本構成によれば、フロントサイドフレームに入力された衝撃荷重を進行方向を変更することなく、フロア上部フレームの前端部に最短経路で直接的に分散伝達することができる。
以下の説明は、本発明を車両に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
図1〜図3に示すように、本実施例の車両Vの車体前部は、車室Sの床面を構成するフロアパネル1と、車室Sとその前方のエンジンルームEとを前後に仕切る鋼板製のダッシュパネル2と、このダッシュパネル2の前面側に連結された左右1対のフロントサイドフレーム3等を備えている。以下、矢印F方向を前方、矢印L方向を左方として説明する。
縦壁部21の上半部には、右側部分に空調ユニット取付用開口と、左側部分にブレーキユニット取付用開口とが形成されている。この縦壁部21は、上端部が車幅方向に延びるカウル部(図示略)に接合され、左右両端部がヒンジピラー5の上部に接合されている。
縦壁部21の下端側部分前面には、左右1対のフロントサイドフレーム3の後端部が左右1対の結合部Bを介して夫々結合されている。これら1対のフロントサイドフレーム3は、断面略矩形の前後方向に延びる閉断面C2(図4参照)を夫々構成し、各フロントサイドフレーム3の前端側部分には、左右1対のクラッシュカン6が装着されている。
図4に示すように、左右1対の結合部Bは、閉断面C1と左右1対の閉断面C2とが重なり合う部分に設定されている。
これにより、フロントサイドフレーム3に前方から衝撃荷重が作用したとき、フロントサイドフレーム3は、アウタ側折れ曲り予定部を基点として車幅方向内側に谷折れ変形すると共にアウタ側折れ曲り予定部よりも後方に形成されたインナ側折れ曲り予定部を基点として車幅方向外側に山折れ変形した後、全体的に潰れ変形する変形モード制御を実行する。
1対の筒状のサスタワー8は、フロントサイドフレーム3とエプロンレイン7との間でダッシュパネル2に夫々近接配置されている。
図1〜図3,図6,図7に示すように、傾斜部22は、縦壁部21の下端部から後方下がり傾斜状に延びるように構成されている。
傾斜部22は、ダッシュトンネル部24と、左右1対の延長フレーム25と、左右1対のトンネルメンバ26と、左右1対の補強部材27と、左右1対のフロア上部フレーム28等を備えている。
図9に示すように、ダッシュトンネル部24の左右両側部分において、傾斜部22の下面側には、前後方向に延びる断面略コ字状の左右1対のトンネルメンバ26が設けられている。尚、31,32は、サスペンション装置(図示略)を取付けるためのブラケットである。
図1,図3,図6に示すように、縦壁部21の下端部と傾斜部22の上端部との境界部は、略水平状に車幅方向に延びるように形成されている。この境界部は、ダッシュトンネル部24の前端下端部及び角部L1,L2の合流部と略同じ高さ位置に設定されている。
ダッシュクロスメンバ23は、断面略L字状に形成され、縦壁部21と協働して左右1対のヒンジピラー5の上端側部分の間を連結する閉断面C1を構成している。
ダッシュクロスメンバ23は、上側フランジ部が縦壁部21に接合され、下側フランジ部が傾斜部22、ダッシュトンネル部24、ホイールハウス9に接合され、左右両端フランジ部がヒンジピラー5に接合されている。
このダッシュクロスメンバ23は、縦壁部21とダッシュトンネル部24との境界部と、縦壁部21と傾斜部22との境界部と、縦壁部21とホイールハウス9との境界部(角部L1)とを車室Sの内側から覆うように形成され、図3に示すように、正面視にて略W字状に構成されている。
左右1対の節部材29は、閉断面C1と同様の断面形状に形成されている。これら1対の節部材29は、1対のフロントサイドフレーム3の車幅方向内側壁部と1対の凸部22aの車幅方向内側壁部とを前後方向略直線状に接続するように夫々設けられている。
この車両Vの前部車体構造によれば、縦壁部21の後面側にこの縦壁部21と協働して車幅方向に延びる閉断面C1であって、1対のフロントサイドフレーム3の後端部が結合される閉断面C1を構成するダッシュクロスメンバ23を備えているため、フロントサイドフレーム3に入力された衝撃荷重を閉断面C1によって支持しつつダッシュクロスメンバ23に沿って車幅方向外側に分散することができる。
また、ダッシュクロスメンバ23から1対のフロアフレーム13の延長線上に沿って車体後方へ延びるように傾斜部22の上側に夫々設けられた左右1対のフロア上部フレーム28(凸部22a)とを備え、1対のフロントサイドフレーム3の後端部と1対のフロア上部フレーム28の前端部とに対応した位置において、ダッシュクロスメンバ23の閉断面C1内に左右1対の節部材29を夫々形成したため、フロントサイドフレーム3に入力され且つ車幅方向外側へ分散されない衝撃荷重をフロントサイドフレーム3の後端部からフロア上部フレーム28の前端部に節部材29を介して直接的に分散伝達することができる。
実施例1では、ダッシュクロスメンバ23が左右1対のヒンジピラー5の上端側部分の間を連結しているのに対し、実施例2では、ダッシュクロスメンバ23Aが左右1対のサイドシル4の前端部の間を連結している。尚、実施例1と同様の構成部材については、同一の符号を付している。
実施例1では、ダッシュクロスメンバ23が左右1対のヒンジピラー5の上端側部分の間を連結しているのに対し、実施例2では、ダッシュクロスメンバ23Bが左右1対のヒンジピラー5の中段部の間を連結している。尚、実施例1と同様の構成部材については、同一の符号を付している。
1〕前記実施形態においては、ダッシュクロスメンバが左右1対のヒンジピラー間、又は左右1対のサイドシルの前端部間を連結した例を夫々説明したが、少なくともフロントサイドフレームに入力された衝撃荷重を車幅方向外側の車体骨格フレームに伝達できれば良く、実施例1と実施例2とを組み合わせた構造、所謂ヒンジピラーとサイドシルの前端部との両方に連結するようにダッシュクロスメンバの途中部からヒンジピラーに接続される上側クロスメンバ部とサイドシルの前端部に接続される下側クロスメンバ部とを分岐させて形成することも可能である。
それ故、節部材がフロントサイドフレームの車幅方向外側壁部と延長フレームの車幅方向外側壁部とを連結しても良く、また、節部材がフロントサイドフレームの車幅方向両側壁部と延長フレームの車幅方向両側壁部とを共に連結する場合、一層延長フレームへの荷重伝達性能を向上することができる。
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
1 フロアパネル
2 ダッシュパネル
3 フロントサイドフレーム
9 ホイールハウス
13 フロアフレーム
21 縦壁部
21a 膨出部
22 傾斜部
22a 凸部
23,23A,23B ダッシュクロスメンバ
27 補強部材
28 フロア上部フレーム
29 節部材
C1 (ダッシュクロスメンバ)閉断面
C2 (フロントサイドフレーム)閉断面
C3 (フロア上部フレーム)閉断面
L1,L2 角部
Claims (4)
- 車体前後方向に延びる左右1対のフロアフレームを備え且つこのフロアフレームの上側に車室床面を構成するフロアパネルと、このフロアパネルの前端部に連なる傾斜部とこの傾斜部から上方に延びる縦壁部とを備えたダッシュパネルと、前記縦壁部前面に結合され且つ車体前方に夫々延びる閉断面状の左右1対のフロントサイドフレームとを有する車両の前部車体構造において、
前記縦壁部の後面側にこの縦壁部と協働して車幅方向に延びる閉断面であって、前記1対のフロントサイドフレームの後端部が結合される閉断面を構成するダッシュクロスメンバと、
前記ダッシュクロスメンバから前記1対のフロアフレームの延長線上に沿って車体後方へ延びるように前記傾斜部の上側に夫々設けられた左右1対のフロア上部フレームとを備え、
前記1対のフロントサイドフレームの後端部と前記1対のフロア上部フレームの前端部とに対応した位置において、前記ダッシュクロスメンバの閉断面内に左右1対の節部材を夫々形成したことを特徴とする車両の前部車体構造。 - 左右1対のホイールハウスの一部が前記ダッシュパネルの左右両端部分に夫々形成され、
前記ダッシュクロスメンバが前記1対のホイールハウス部分と前記縦壁部との境界部に形成される角部を車室内側から覆うように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の前部車体構造。 - 前記縦壁部が前記角部の近傍位置において車体前後方向前方に膨出する膨出部を有することを特徴とする請求項2に記載の車両の前部車体構造。
- 前記1対のフロア上部フレームが車体前後方向に延びる閉断面を夫々構成すると共に前記1対のフロントサイドフレームの後側延長線上に夫々配設され、
前記1対の節部材が前記1対のフロントサイドフレームの閉断面の車幅方向内側端部分と前記1対のフロア上部フレームの閉断面の車幅方向内側端部分とを夫々連結するように配設されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の前部車体構造。
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