JP6079708B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の前部車体構造に関し、特に左右1対のフロアフレームを備えたフロアパネルと、ダッシュパネルと、このダッシュパネルの縦壁部前面に結合された左右1対のフロントサイドフレームとを有する車両の前部車体構造に関する。
従来より、車両の前面衝突時の乗員に対する衝撃荷重を低減すると共に乗員の生存空間を確保する対策が数多く提案されている。
乗員に対する衝撃荷重を低減する有効な対策の一つとして、フロントサイドフレームに入力された衝撃荷重によってフロントサイドフレームを所定の変形モードで変形させることにより衝撃エネルギーを吸収する変形モード制御が知られている。
この変形モード制御においては、衝突初期に、フロントサイドフレームの前端部に設けられたクラッシュカンを潰れ変形させ、衝突中期に、フロントサイドフレームをダッシュパネルとの結合部を基点として車幅方向外側へ向かうように山折れ変形させ、衝突後期に、変形されたフロントサイドフレームを全体的に潰れ変形させることにより、衝突初期に車体減速度を大きくし、その後も大きな車体減速度を維持している。
また、乗員の生存空間を確保する対策の一つとして、フロントサイドフレームに入力された衝撃荷重をフロントサイドフレームよりも後方の車体骨格フレームに分散伝達してダッシュパネルの後退変形を抑制する荷重分配制御が知られている。
特許文献1の車両の前部車体構造は、ダッシュパネルとヒンジピラーとにより形成された隅部において、一端側がダッシュパネルを挟んでフロントサイドフレームの後端部に対向する位置に結合され且つ他端側がヒンジピラーに結合された補強部材を設け、この補強部材に前後方向に延びるビード部を形成している。これにより、フロントサイドフレームに入力された衝撃荷重は、補強部材を介してサイドシルやルーフサイドレール等に分散される。
特開2008−137419号公報
特許文献1の車両の前部車体構造は、フロントサイドフレームに入力された衝撃荷重を補強部材を介してダッシュパネルサイドからヒンジピラーに分散伝達している。
かかる特許文献1に開示の方法によれば、フロントサイドフレームに入力された衝撃荷重の分散伝達性能を向上させることが可能になる。しかしながら、更なる工夫によって衝撃荷重の分散伝達性能を向上させることが求められている。
本発明の目的は、フロントサイドフレームに入力された衝撃荷重の分散伝達性能を向上できる車両の前部車体構造等を提供することである。
請求項1の車両の前部車体構造は、車体前後方向に延びる左右1対のフロアフレームを備え且つこのフロアフレームの上側に車室床面を構成するフロアパネルと、このフロアパネルの前端部に連なる傾斜部とこの傾斜部から上方に延びる縦壁部とを備えたダッシュパネルと、前記縦壁部前面に結合され且つ車体前方に夫々延びる閉断面状の左右1対のフロントサイドフレームとを有する車両の前部車体構造において、前記縦壁部の後面側にこの縦壁部と協働して車幅方向に延びる閉断面であって、前記1対のフロントサイドフレームの後端部が結合される閉断面を構成するダッシュクロスメンバと、前記ダッシュクロスメンバから前記1対のフロアフレームの延長線上に沿って車体後方へ延びるように前記傾斜部の上側に夫々設けられた左右1対のフロア上部フレームとを備え、前記1対のフロントサイドフレームの後端部と前記1対のフロア上部フレームの前端部とに対応した位置において、前記ダッシュクロスメンバの閉断面内に左右1対の節部材を夫々形成したことを特徴としている。
この車両の前部車体構造では、縦壁部の後面側にこの縦壁部と協働して車幅方向に延びる閉断面であって、1対のフロントサイドフレームの後端部が結合される閉断面を構成するダッシュクロスメンバを備えているため、フロントサイドフレームに入力された衝撃荷重を閉断面によって支持しつつダッシュクロスメンバに沿って車幅方向外側に分散することができる。また、ダッシュクロスメンバから1対のフロアフレームの延長線上に沿って車体後方へ延びるように傾斜部の上側に夫々設けられた左右1対のフロア上部フレームとを備え、1対のフロントサイドフレームの後端部と1対のフロア上部フレームの前端部とに対応した位置において、ダッシュクロスメンバの閉断面内に左右1対の節部材を夫々形成したため、フロントサイドフレームに入力され且つ車幅方向外側へ分散されない衝撃荷重をフロントサイドフレームの後端部からフロア上部フレームの前端部に節部材を介して直接的に分散伝達することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、左右1対のホイールハウスの一部が前記ダッシュパネルの左右両端部分に夫々形成され、前記ダッシュクロスメンバが前記1対のホイールハウス部分と前記縦壁部との境界部に形成される角部を車室内側から覆うように形成されたことを特徴としている。
本構成によれば、ダッシュクロスメンバの閉断面剛性を、ホイールハウスと縦壁部との境界部に形成される角部を利用して高くすることができ、フロントサイドフレームの支持剛性を高めつつ衝撃荷重の車幅方向伝達性能を向上できる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記縦壁部が前記角部の近傍位置において車体前後方向前方に膨出する膨出部を有することを特徴としている。
これにより、ダッシュクロスメンバの閉断面の断面係数を高くでき、フロントサイドフレームの支持剛性と衝撃荷重の車幅方向伝達性能とを更に向上できる。
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記1対のフロア上部フレームが車体前後方向に延びる閉断面を夫々構成すると共に前記1対のフロントサイドフレームの後側延長線上に夫々配設され、前記1対の節部材が前記1対のフロントサイドフレームの閉断面の車幅方向内側端部分と前記1対のフロア上部フレームの閉断面の車幅方向内側端部分とを夫々連結するように配設されたことを特徴としている。
本構成によれば、フロントサイドフレームに入力された衝撃荷重を進行方向を変更することなく、フロア上部フレームの前端部に最短経路で直接的に分散伝達することができる。
本発明の車両の前部車体構造によれば、フロントサイドフレームに入力された衝撃荷重の他の車体骨格フレームへの分散伝達性能を向上することができる。
実施例1に係る車両の前部車体を車室後方から視た斜視図である。 平面図である。 前部車体を車室後方から視た正面図である。 右側フロントサイドフレームの後端側部分の水平断面図である。 図3のV−V線断面図である。 図1のVI−VI線断面図である。 傾斜部の右端側部分の斜視図である。 図7のVIII−VIII線断面図である。 図7のIX−IX線断面図である。 実施例2に係る図3相当図である。 実施例3に係る図3相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明は、本発明を車両に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
以下、本発明の実施例1について図1〜図9に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、本実施例の車両Vの車体前部は、車室Sの床面を構成するフロアパネル1と、車室Sとその前方のエンジンルームEとを前後に仕切る鋼板製のダッシュパネル2と、このダッシュパネル2の前面側に連結された左右1対のフロントサイドフレーム3等を備えている。以下、矢印F方向を前方、矢印L方向を左方として説明する。
フロアパネル1は、ダッシュパネル2の傾斜部22の下端部から後方へ略水平状に拡がるように構成されている。このフロアパネル1の車幅方向略中央位置には、車室Sの内側に膨出するフロアトンネル部11が前後方向に延びるように形成され、その前端部が傾斜部22の車幅方向中央下部に接続されている。フロアトンネル11部の左右両側部分において、フロアパネル1の下面側には、前後方向に延びる断面略コ字状の左右1対のトンネルメンバ12が設けられている。
左右1対のトンネルメンバ12から所定間隔離隔した車幅方向外側部分において、フロアパネル1の下面側には、前後方向に延びる断面略ハット状の左右1対のフロアフレーム13が設けられている。図1に示すように、フロアパネル1の左右端部には、前後方向に延びる閉断面状の左右1対のサイドシル4が設けられている。これら左右1対のサイドシル4の前端には、上方に延びるヒンジピラー5が夫々連結され、これら左右1対のヒンジピラー5の中段部に車幅方向に延びるステアリングメンバ(図示略)が懸架される。
ダッシュパネル2は、車室Sの前端部において上下方向に延びる縦壁部21と、縦壁部21の下端縁から後方に向かって後方下がり傾斜状に延びる傾斜部22と、縦壁部21の後面側に縦壁部21と協働して車幅方向に延びる閉断面C1(図4,図5参照)を構成するダッシュクロスメンバ23とを備えている。
縦壁部21の上半部には、右側部分に空調ユニット取付用開口と、左側部分にブレーキユニット取付用開口とが形成されている。この縦壁部21は、上端部が車幅方向に延びるカウル部(図示略)に接合され、左右両端部がヒンジピラー5の上部に接合されている。
ここで、フロントサイドフレーム3及びエプロンレインフォースメント(以下エプロンレインと略す)7について説明する。
縦壁部21の下端側部分前面には、左右1対のフロントサイドフレーム3の後端部が左右1対の結合部Bを介して夫々結合されている。これら1対のフロントサイドフレーム3は、断面略矩形の前後方向に延びる閉断面C2(図4参照)を夫々構成し、各フロントサイドフレーム3の前端側部分には、左右1対のクラッシュカン6が装着されている。
図4に示すように、左右1対の結合部Bは、閉断面C1と左右1対の閉断面C2とが重なり合う部分に設定されている。
各フロントサイドフレーム3には、アウタパネルの前端側部分に折れ曲り予定部が形成され、インナパネルの後端側部分に折れ曲り予定部(何れも図示略)が形成されている。
これにより、フロントサイドフレーム3に前方から衝撃荷重が作用したとき、フロントサイドフレーム3は、アウタ側折れ曲り予定部を基点として車幅方向内側に谷折れ変形すると共にアウタ側折れ曲り予定部よりも後方に形成されたインナ側折れ曲り予定部を基点として車幅方向外側に山折れ変形した後、全体的に潰れ変形する変形モード制御を実行する。
図2に示すように、左右1対のエプロンレイン7は、1対のヒンジピラー5の付け根部分からサスタワー8の前側位置まで左右1対のフロントサイドフレーム3に対して略平行に下側前方へ夫々延設され、1対のサスタワー8を夫々支持している。
1対の筒状のサスタワー8は、フロントサイドフレーム3とエプロンレイン7との間でダッシュパネル2に夫々近接配置されている。
次に、傾斜部22について説明する。
図1〜図3,図6,図7に示すように、傾斜部22は、縦壁部21の下端部から後方下がり傾斜状に延びるように構成されている。
傾斜部22は、ダッシュトンネル部24と、左右1対の延長フレーム25と、左右1対のトンネルメンバ26と、左右1対の補強部材27と、左右1対のフロア上部フレーム28等を備えている。
ダッシュトンネル部24は、傾斜部22の車幅方向略中央位置に、車室Sの内側に膨出して前後方向に延びるように形成され、その前端部が縦壁部21に接続され、その後端部がフロアトンネル11の前端部に連結されている。
図9に示すように、ダッシュトンネル部24の左右両側部分において、傾斜部22の下面側には、前後方向に延びる断面略コ字状の左右1対のトンネルメンバ26が設けられている。尚、31,32は、サスペンション装置(図示略)を取付けるためのブラケットである。
図8,図9に示すように、左右1対のトンネルメンバ26の車幅方向外側部分において、傾斜部22の下面側には、前後方向に延びる断面略ハット状の左右1対の延長フレーム25が設けられている。左右1対の延長フレーム25は、前端部がフロントサイドフレーム3の後端下部に夫々連結され、後端部がフロアフレーム13の前端部に夫々連結されている。傾斜部22には、少なくとも左右1対の延長フレーム25の前端側部分に対応して左右1対の凸部22aが形成されている。これら1対の凸部22aは、車室Sの内側に膨出するように形成され、車幅方向外側端部と内側端部とに夫々外側壁部と内側壁部とを備えている。1対の凸部22aは、1対の延長フレーム25と協働して前後方向に延びる左右1対の閉断面C3を夫々構成している。
左右1対の凸部22aの上部の少なくとも一部を覆うように前後方向に延びる左右1対の断面ハット状の補強部材27が設けられている。これら1対の補強部材27は、傾斜部22に接合され、1対の凸部22aの上面側に凸部22aと協働して前後方向に延びる左右1対の閉断面C4を構成している。これにより、左右1対の閉断面C4は凸部22aを間に介して閉断面C3と一体的に形成され、左右1対の閉断面C3の一部は閉断面C1を跨って左右1対の閉断面C2に接続された格子構造を構成している。ここで、凸部22aと補強部材27とが、前後方向に延びるフロア上部フレーム28に相当している。
図1,図3,図4〜図9に示すように、傾斜部22の左右両端部分には、車室Sの内側に膨出するように左右1対のホイールハウス9の後部が夫々形成され、これら1対のホイールハウス9の車幅方向外側端部が左右1対のヒンジピラー5の下部に夫々連結されている。左右1対のホイールハウス9と縦壁部21との境界部には、車幅方向内側程下方に湾曲状に移行する角部L1が形成され、左右1対のホイールハウス9と傾斜部22との境界部には、車幅方向内側程前方に湾曲状に移行する角部L2が形成されている。
縦壁部21には、角部L1の上側部分からエンジンルームE側に膨出する膨出部21aが形成されている。
図1,図3,図6に示すように、縦壁部21の下端部と傾斜部22の上端部との境界部は、略水平状に車幅方向に延びるように形成されている。この境界部は、ダッシュトンネル部24の前端下端部及び角部L1,L2の合流部と略同じ高さ位置に設定されている。
次に、ダッシュクロスメンバ23について説明する。
ダッシュクロスメンバ23は、断面略L字状に形成され、縦壁部21と協働して左右1対のヒンジピラー5の上端側部分の間を連結する閉断面C1を構成している。
ダッシュクロスメンバ23は、上側フランジ部が縦壁部21に接合され、下側フランジ部が傾斜部22、ダッシュトンネル部24、ホイールハウス9に接合され、左右両端フランジ部がヒンジピラー5に接合されている。
このダッシュクロスメンバ23は、縦壁部21とダッシュトンネル部24との境界部と、縦壁部21と傾斜部22との境界部と、縦壁部21とホイールハウス9との境界部(角部L1)とを車室Sの内側から覆うように形成され、図3に示すように、正面視にて略W字状に構成されている。
図4,図6に示すように、ダッシュクロスメンバ23の内部には、閉断面C1を車幅方向に遮断する左右1対の節部材29が配設されている。
左右1対の節部材29は、閉断面C1と同様の断面形状に形成されている。これら1対の節部材29は、1対のフロントサイドフレーム3の車幅方向内側壁部と1対の凸部22aの車幅方向内側壁部とを前後方向略直線状に接続するように夫々設けられている。
以上により、フロントサイドフレーム3に前方から衝撃荷重が作用したとき、衝撃荷重を閉断面C1を介してヒンジピラー5に伝達する第1分散経路と、衝撃荷重を閉断面C1,C3,C4とを介してフロアフレーム13やフロアクロスメンバ等に伝達する第2分散経路とによって衝撃荷重を分散伝達している。節部材29によりフロントサイドフレーム3の車幅方向内側壁部と凸部22a(フロア上部フレーム28)の車幅方向内側壁部とが接続されているため、フロントサイドフレーム3から凸部22aまでの経路長を最小化することができ、フロントサイドフレーム3に作用した衝撃荷重を直接的に凸部22aへ伝達することができる。
次に、上記車両Vの前部車体構造の作用・効果について説明する。
この車両Vの前部車体構造によれば、縦壁部21の後面側にこの縦壁部21と協働して車幅方向に延びる閉断面C1であって、1対のフロントサイドフレーム3の後端部が結合される閉断面C1を構成するダッシュクロスメンバ23を備えているため、フロントサイドフレーム3に入力された衝撃荷重を閉断面C1によって支持しつつダッシュクロスメンバ23に沿って車幅方向外側に分散することができる。
また、ダッシュクロスメンバ23から1対のフロアフレーム13の延長線上に沿って車体後方へ延びるように傾斜部22の上側に夫々設けられた左右1対のフロア上部フレーム28(凸部22a)とを備え、1対のフロントサイドフレーム3の後端部と1対のフロア上部フレーム28の前端部とに対応した位置において、ダッシュクロスメンバ23の閉断面C1内に左右1対の節部材29を夫々形成したため、フロントサイドフレーム3に入力され且つ車幅方向外側へ分散されない衝撃荷重をフロントサイドフレーム3の後端部からフロア上部フレーム28の前端部に節部材29を介して直接的に分散伝達することができる。
左右1対のホイールハウス9の一部がダッシュパネル2の左右両端部分に夫々形成され、ダッシュクロスメンバ23が1対のホイールハウス9と縦壁部21との境界部に形成される角部L1を車室S内側から覆うように形成されたため、ダッシュクロスメンバ23の閉断面剛性を、ホイールハウス9と縦壁部21との境界部に形成される角部L1を利用して高くすることができ、フロントサイドフレーム3の支持剛性を高めつつ衝撃荷重の車幅方向伝達性能を向上できる。
縦壁部21が角部L1の近傍位置において前方に膨出する膨出部21aを有するため、ダッシュクロスメンバ23の閉断面C1の断面係数を高くでき、フロントサイドフレーム3の支持剛性と衝撃荷重の車幅方向伝達性能とを更に向上できる。
1対のフロア上部フレーム28が車体前後方向に延びる閉断面C3を夫々構成すると共に1対のフロントサイドフレーム3の後側延長線上に夫々配設され、1対の節部材29が1対のフロントサイドフレーム3の閉断面C2の車幅方向内側端部分と1対のフロア上部フレーム28の閉断面C3の車幅方向内側端部分とを夫々連結するように配設されているため、フロントサイドフレーム3に入力された衝撃荷重を進行方向を変更することなく、フロア上部フレーム28の前端部に最短経路で直接的に分散伝達することができる。
次に、実施例2に係る車両VAの前部車体構造について図10に基づいて説明する。
実施例1では、ダッシュクロスメンバ23が左右1対のヒンジピラー5の上端側部分の間を連結しているのに対し、実施例2では、ダッシュクロスメンバ23Aが左右1対のサイドシル4の前端部の間を連結している。尚、実施例1と同様の構成部材については、同一の符号を付している。
図10に示すように、ダッシュクロスメンバ23Aは、断面略L字状に形成され、縦壁部21と協働して左右1対のサイドシル4の前端部間を連結する閉断面C5を構成している。ダッシュクロスメンバ23Aは、上側フランジ部が縦壁部21に接合され、下側フランジ部が傾斜部22、ダッシュトンネル部24、ホイールハウス9に接合され、左右両端フランジ部がサイドシル4に接合されている。このダッシュクロスメンバ23Aは、縦壁部21とダッシュトンネル部24との境界部と、縦壁部21と傾斜部22との境界部と、フロアパネル1とホイールハウス9との境界部(角部L2)とを車室Sの内側から覆うように形成され、正面視にて上方突出した略湾曲形状に構成されている。
以上により、フロントサイドフレーム3に前方から衝撃荷重が作用したとき、衝撃荷重を閉断面C5を介してサイドシル4に伝達する第4分散経路と、衝撃荷重を閉断面C5とフロア上部フレーム28とを介してフロアフレーム13に伝達する第2分散経路とによって衝撃荷重を分散伝達している。
次に、実施例3に係る車両VBの前部車体構造について図11に基づいて説明する。
実施例1では、ダッシュクロスメンバ23が左右1対のヒンジピラー5の上端側部分の間を連結しているのに対し、実施例2では、ダッシュクロスメンバ23Bが左右1対のヒンジピラー5の中段部の間を連結している。尚、実施例1と同様の構成部材については、同一の符号を付している。
図11に示すように、ダッシュクロスメンバ23Bは、断面略L字状に形成され、縦壁部21と協働して左右1対のヒンジピラー5の中段部の前端部間を連結する閉断面C6を構成している。ダッシュクロスメンバ23Bは、上側フランジ部が縦壁部21に接合され、下側フランジ部が傾斜部22、ダッシュトンネル部24、ホイールハウス9に接合され、左右両端フランジ部がヒンジピラー5に接合されている。このダッシュクロスメンバ23Bは、縦壁部21とダッシュトンネル部24との境界部と、縦壁部21と傾斜部22との境界部と、ホイールハウス9の中段部分とを車室Sの内側から覆うように形成され、正面視にて車幅方向中央部が突出した略直線状に構成されている。
以上により、フロントサイドフレーム3に前方から衝撃荷重が作用したとき、衝撃荷重を閉断面C6を介してヒンジピラー5に最短距離で伝達する第5分散経路と、衝撃荷重を閉断面C6とフロア上部フレーム28とを介してフロアフレーム13に伝達する第2分散経路とによって衝撃荷重を分散伝達している。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、ダッシュクロスメンバが左右1対のヒンジピラー間、又は左右1対のサイドシルの前端部間を連結した例を夫々説明したが、少なくともフロントサイドフレームに入力された衝撃荷重を車幅方向外側の車体骨格フレームに伝達できれば良く、実施例1と実施例2とを組み合わせた構造、所謂ヒンジピラーとサイドシルの前端部との両方に連結するようにダッシュクロスメンバの途中部からヒンジピラーに接続される上側クロスメンバ部とサイドシルの前端部に接続される下側クロスメンバ部とを分岐させて形成することも可能である。
2〕前記実施形態においては、節部材がフロントサイドフレームの車幅方向内側壁部と延長フレームの車幅方向内側壁部とを連結し、変形モード制御におけるフロントサイドフレームの山折れ変形を促進させた例を説明したが、変形モード制御に関わりなく、ダッシュパネルの後退変形を抑制する荷重分配制御として優れた効果を奏することができる。
それ故、節部材がフロントサイドフレームの車幅方向外側壁部と延長フレームの車幅方向外側壁部とを連結しても良く、また、節部材がフロントサイドフレームの車幅方向両側壁部と延長フレームの車幅方向両側壁部とを共に連結する場合、一層延長フレームへの荷重伝達性能を向上することができる。
3〕前記実施形態においては、フロア上部フレームを凸部と補強部材によって構成した例を説明したが、少なくともフロントサイドフレームに入力した衝撃荷重をフロアフレーム等の車体フレームに伝達できれば良く、凸部のみ又は補強部材のみによりフロア上部フレームを形成することも可能である。
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
V,VA,VB 車両
1 フロアパネル
2 ダッシュパネル
3 フロントサイドフレーム
9 ホイールハウス
13 フロアフレーム
21 縦壁部
21a 膨出部
22 傾斜部
22a 凸部
23,23A,23B ダッシュクロスメンバ
27 補強部材
28 フロア上部フレーム
29 節部材
C1 (ダッシュクロスメンバ)閉断面
C2 (フロントサイドフレーム)閉断面
C3 (フロア上部フレーム)閉断面
L1,L2 角部

Claims (4)

  1. 車体前後方向に延びる左右1対のフロアフレームを備え且つこのフロアフレームの上側に車室床面を構成するフロアパネルと、このフロアパネルの前端部に連なる傾斜部とこの傾斜部から上方に延びる縦壁部とを備えたダッシュパネルと、前記縦壁部前面に結合され且つ車体前方に夫々延びる閉断面状の左右1対のフロントサイドフレームとを有する車両の前部車体構造において、
    前記縦壁部の後面側にこの縦壁部と協働して車幅方向に延びる閉断面であって、前記1対のフロントサイドフレームの後端部が結合される閉断面を構成するダッシュクロスメンバと、
    前記ダッシュクロスメンバから前記1対のフロアフレームの延長線上に沿って車体後方へ延びるように前記傾斜部の上側に夫々設けられた左右1対のフロア上部フレームとを備え、
    前記1対のフロントサイドフレームの後端部と前記1対のフロア上部フレームの前端部とに対応した位置において、前記ダッシュクロスメンバの閉断面内に左右1対の節部材を夫々形成したことを特徴とする車両の前部車体構造。
  2. 左右1対のホイールハウスの一部が前記ダッシュパネルの左右両端部分に夫々形成され、
    前記ダッシュクロスメンバが前記1対のホイールハウス部分と前記縦壁部との境界部に形成される角部を車室内側から覆うように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の前部車体構造。
  3. 前記縦壁部が前記角部の近傍位置において車体前後方向前方に膨出する膨出部を有することを特徴とする請求項2に記載の車両の前部車体構造。
  4. 前記1対のフロア上部フレームが車体前後方向に延びる閉断面を夫々構成すると共に前記1対のフロントサイドフレームの後側延長線上に夫々配設され、
    前記1対の節部材が前記1対のフロントサイドフレームの閉断面の車幅方向内側端部分と前記1対のフロア上部フレームの閉断面の車幅方向内側端部分とを夫々連結するように配設されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の前部車体構造。
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