JP6088534B2 - 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、情報記録媒体の製造方法、および、円盤状のガラス基板 - Google Patents

情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、情報記録媒体の製造方法、および、円盤状のガラス基板 Download PDF

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Description

本発明は、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法に関し、特に、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)などの情報記録装置に情報記録媒体の一部として搭載される情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、情報記録媒体の製造方法、および、円盤状のガラス基板に関する。
ハードディスクドライブ等の情報記録媒体を搭載した情報記録装置は、使用用途および使用環境が年々拡大している。情報記録装置に対する大容量化、耐衝撃性、および耐熱性などの要求は、年々高まる傾向にある。この傾向に伴い、情報記録媒体の製造に用いられる情報記録媒体用ガラス基板(単に、ガラス基板ともいう。)にも、様々な条件が要求されている。
たとえば、情報記録装置に対する大容量化(たとえば、2.5インチの記録媒体1枚で、記録容量が500GB(片面250GB)、面記録密度が600Gbit/平方インチ以上の記録密度)にともない、情報記録媒体のbit面積は小さくなる。その結果、ガラス基板に生じるわずかな欠陥でも、情報記録媒体の読み取り不良の原因となる。欠陥として凸状突起,インクルージョン、凹状のクラック欠陥(もしくはピット欠陥)が挙げられる。凸状突起は比較的検査などで見つかり易いが、クラック欠陥は検査で見つけにくい。
近年、クラック欠陥に対する対策を目的として、研削工程にダイヤモンドシートを用いることが主流となってきている(特開2009−99249号公報(特許文献1)参照)。このダイヤモンドシートによる研削工程は、クラック欠陥を除去することには有利である。しかし、研削加工のための条件設定の難度が高いという課題もある。
ガラス基板の製造方法は大別すると、シート材からガラス基板を製造するシート法と、溶融したガラスを円盤状に成形機などでプレスしてガラス基板を製造するダイレクトプレス法と、が挙げられる。
シート法では、シート材と呼ばれる板ガラスからガラス基板を製造する際には、粗面化工程を経たのちに、ダイヤモンドシートを用いた研削工程が行なわれる。
一方、ダイレクトプレス法は、枚葉式でガラス基板を製造するための時間を必要とするが、多様なガラス組成での製造が可能であるため近年再度注目されている。ダイレクトプレス法で製造したガラス基板は、既に表面が粗面であるため、粗面化工程を行なうことなく、ダイヤモンドシートを用いた研削工程が行なわれる。
特開2009−99249号公報
ここ数年は情報記録媒体の記憶容量の高密度化の影響を受け、ダイレクトプレス法を採用した情報記録媒体用ガラス基板の製造方法においても、研削工程を行なう前に粗面化工程が必要となってきている。これは記憶容量の高密度化にともない、より硬度が高い基板が必要とされていることに起因する。
具体的には、ガラス基板の硬度が低ければ、些細なことでガラス基板上に微小な傷が付き、それが欠陥となってしまう。そのため、硬度の高いガラス基板が用いられる。しかし、硬度の高いガラス基板に、粗面化工程を行なうことなく、ダイヤモンドシートを用いて研削工程を行なうと、表面を粗面化したときに比べ、研削時に圧力を高くする必要があり、ガラス基板の表面に新たなクラックを生じさせることになる。そのため、ダイレクトプレス法によるガラス基板の製造においても、研削工程を行なう前に粗面化工程が必要となる。
従来のフロート法で行なわれている粗面化工程としては、薬液によるフロスト工程、平面研磨機にて遊離砥粒を用いる粗研削工程などが上げられる。
上述したように、ダイレクトプレス法によるガラス基板の製造においても研削工程を行なう前に粗面化工程が必要となってきているが、上述の粗面化工程をそのままダイレクトプレス法に適用した場合には、以下の問題が生じる。
薬液によるフロスト工程を適用した場合には、エッチングによってガラス基板の表面が粗面化されるが、もともと存在していた傷またはクラックに薬液が入り込み、傷またはクラックが深くなることにより、その結果として研削量の増加および長時間化につながってしまう。
平面研磨機による遊離砥粒を用いた粗研削工程を適用した場合には、研磨機からの加圧により、ガラス基板に新たなクラックが発生してしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、硬度の高いガラス基板を用いた場合であっても、研削工程の前工程に適切な粗面化工程を実現することが可能な情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、情報記録媒体の製造方法、および、円盤状のガラス基板を提供することを目的とする。
本発明に基づく情報記録媒体用ガラス基板の製造方法は、ダイレクトプレス法によって得られたガラス基板の主表面に、ノズルから複数の粒子を吹き付けることによって、上記ガラス基板の上記主表面を研削する第1研削工程と、上記第1研削工程を経た上記ガラス基板に対して、平均粒径が2μm〜10μmのダイヤモンド粒子を主成分とする固定砥粒によって、上記ガラス基板の上記主表面を研削する第2研削工程と、を備える。
上記第1研削工程は、上記主表面の平均算術粗さRa1が、1μm〜5μmの範囲内を維持し、さらに、カットオフ値を2.5μm〜80μmに設定した場合の平均算術粗さRa2が、0.1μm〜1.0μmの範囲内となるように、上記主表面に上記粒子を吹き付けて、上記主表面の研削を行なう工程を含む。
他の形態においては、上記主表面のビッカース硬度が610kg/mm2以上である。
他の形態においては、上記粒子の最大粒子径は50μm〜150μmである。
他の形態においては、上記粒子の吹き付け圧は、0.1MPa〜1MPaである。
本発明によれば、硬度の高いガラス基板を用いた場合であっても、研削工程の前工程に適切な粗面化工程を実現することが可能な情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、情報記録媒体の製造方法、および、円盤状のガラス基板を提供することを可能とする。
実施の形態における情報記録媒体用ガラス基板の製造方法を使用することによって製造されたガラス基板を備える情報記録装置を示す斜視図である。 実施の形態における情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって製造されたガラス基板を示す平面図である。 図2中のIII−III線に沿った矢視断面図である。 情報記録媒体として、実施の形態における情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって製造されたガラス基板を備えた情報記録媒体を示す平面図である。 図4中のV−V線に沿った矢視断面図である。 実施の形態における情報記録媒体用ガラス基板の製造方法の各工程を示すフローチャート図である。 実施の形態におけるガラス基板に対するブラスト工程に用いられるブラスト装置の構成を示す模式図である。 実施の形態におけるガラス基板に対するブラスト工程の実施状況を示す模式図である。 実施の形態における情報記録媒体用ガラス基板の製造方法の粗研磨工程に用いられる両面研磨機を示す断面図である。 実施例1〜4および比較例1,2における評価結果を示す図である。
本発明に基づいた実施の形態および各実施例について、以下、図面を参照しながら説明する。実施の形態および各実施例の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。実施の形態および各実施例の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
明細書中において、クラックは、ガラス表面に存在する、目(あるいは光学顕微鏡)で見えない微小な傷、凹みである。グリフィスフローとも呼ばれる。
ガラスの破壊はガラス表面に引っ張り応力がかかった際に、クラックの先端部に応力が集中し、クラックが進展するために起こる。クラックの大きさは数十nmから数十μmにもなる。クラックはガラスを扱っていれば自然と発生し、ガラスブランクスの状態でも既にクラックは存在している。
このクラックは、ガラスに一度深く入ってしまうと、後に研磨工程などによって表面を削った場合でも、研磨加工中の圧力などでクラックが進展(成長)してしまうため、完全に取り除くことは困難になってしまう。そのため、研削工程では既存のクラックを除去しながら、いかに新たなクラックの発生を抑えるかが重要となる。
(情報記録装置30)
図1を参照して、まず、情報記録装置30について説明する。図1は、情報記録装置30を示す斜視図である。情報記録装置30は、実施の形態における情報記録媒体用ガラス基板(以下、単にガラス基板ともいう)の製造方法によって製造されたガラス基板1を、情報記録媒体10として備える。
具体的には、情報記録装置30は、情報記録媒体10、筐体20、ヘッドスライダー21、サスペンション22、アーム23、垂直軸24、ボイスコイル25、ボイスコイルモーター26、クランプ部材27、および固定ネジ28を備える。筐体20の上面上には、スピンドルモーター(図示せず)が設置される。
磁気ディスクなどの情報記録媒体10は、クランプ部材27および固定ネジ28によって、上記のスピンドルモーターに回転可能に固定される。情報記録媒体10は、このスピンドルモーターによって、たとえば数千rpmの回転数で回転駆動される。詳細は図4および図5を参照して後述されるが、情報記録媒体10は、ガラス基板1に圧縮応力層12(図5参照)および磁気記録層14(図4および図5参照)が形成されることによって製造される。
アーム23は、垂直軸24回りに揺動可能に取り付けられる。アーム23の先端には、板バネ(片持ち梁)状に形成されたサスペンション22が取り付けられる。サスペンション22の先端には、ヘッドスライダー21が情報記録媒体10を挟み込むように取り付けられる。
アーム23のヘッドスライダー21とは反対側には、ボイスコイル25が取り付けられる。ボイスコイル25は、筐体20上に設けられたマグネット(図示せず)によって挟持される。ボイスコイル25およびこのマグネットにより、ボイスコイルモーター26が構成される。
ボイスコイル25には所定の電流が供給される。アーム23は、ボイスコイル25に流れる電流と上記マグネットの磁場とにより発生する電磁力の作用によって、垂直軸24回りに揺動する。アーム23の揺動によって、サスペンション22およびヘッドスライダー21も矢印AR1方向に揺動する。ヘッドスライダー21は、情報記録媒体10の表面上および裏面上を、情報記録媒体10の半径方向に往復移動する。ヘッドスライダー21に設けられた磁気ヘッド(図示せず)はシーク動作を行なう。
当該シーク動作が行なわれる一方で、ヘッドスライダー21は、情報記録媒体10の回転に伴って発生する空気流により、浮揚力を受ける。当該浮揚力とサスペンション22の弾性力(押圧力)とのバランスによって、ヘッドスライダー21は情報記録媒体10の表面に対して一定の浮上量で走行する。当該走行によって、ヘッドスライダー21に設けられた磁気ヘッドは、情報記録媒体10内の所定のトラックに対して情報(データ)の記録および再生を行なうことが可能となる。ガラス基板1が情報記録媒体10を構成する部材の一部として搭載される情報記録装置30は、以上のように構成される。
(ガラス基板1)
図2は、本実施の形態に基づく情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって製造されるガラス基板1を示す平面図である。図3は、図2中のIII−III線に沿った矢視断面図である。
図2および図3に示すように、情報記録媒体10(図4および図5参照)にその一部として用いられるガラス基板1(情報記録媒体用ガラス基板)は、主表面2、主表面3、内周端面4、孔5、および外周端面6を有し、全体として円盤状に形成される。孔5は、一方の主表面2から他方の主表面3に向かって貫通するように設けられる。主表面2と内周端面4との間、および、主表面3と内周端面4との間には、面取部7がそれぞれ形成される。主表面2と外周端面6との間、および、主表面3と外周端面6との間には、面取部8(チャンファー部)が形成される。
ガラス基板1の大きさは、たとえば0.8インチ、1.0インチ、1.8インチ、2.5インチ、または3.5インチである。ガラス基板の厚さは、破損防止の観点から、たとえば0.30mm〜2.2mmである。本実施の形態におけるガラス基板の大きさは、外径が約64mm、内径が約20mm、厚さが約0.8mmである。ガラス基板の厚さとは、ガラス基板上の点対象となる任意の複数の点で測定した値の平均によって算出される値である。ガラス基板の高硬度化の観点から、ガラス基板1のビッカース硬度は、610kg/mm2以上であるとよい。
(情報記録媒体10)
図4は、情報記録媒体としてガラス基板1を備えた情報記録媒体10を示す平面図である。図5は、図4中のV−V線に沿った矢視断面図である。
図4および図5に示すように、情報記録媒体10は、ガラス基板1と、圧縮応力層12と、磁気記録層14とを含む。圧縮応力層12は、ガラス基板1の主表面2,3、内周端面4、および外周端面6を覆うように形成される。磁気記録層14は、圧縮応力層12の主表面2,3上の所定の領域を覆うように形成される。ガラス基板1の内周端面4上に圧縮応力層12が形成されることによって、内周端面4の内側に孔15が形成される。孔15を利用して、情報記録媒体10は筐体20(図1参照)上に設けられたスピンドルモーターに対して固定される。
図5に示す情報記録媒体10においては、主表面2上に形成された圧縮応力層12と主表面3上に形成された圧縮応力層12との双方(両面)の上に、磁気記録層14が形成されている。磁気記録層14は、主表面2上に形成された圧縮応力層12の上(片面)にのみ設けられていてもよく、主表面3上に形成された圧縮応力層12の上(片面)に設けられていてもよい。
磁気記録層14は、磁性粒子を分散させた熱硬化性樹脂をガラス基板1の主表面2,3上の圧縮応力層12にスピンコートすることによって形成される(スピンコート法)。磁気記録層14は、ガラス基板1の主表面2,3上の圧縮応力層12に対して実施されるスパッタリング法または無電解めっき法等により形成されてもよい。
磁気記録層14の膜厚は、スピンコート法の場合は約0.3μm〜1.2μm、スパッタリング法の場合は約0.04μm〜0.08μm、無電解めっき法の場合は約0.05μm〜0.1μmである。薄膜化および高密度化の観点からは、磁気記録層14はスパッタリング法または無電解めっき法によって形成されるとよい。
磁気記録層14に用いる磁性材料としては、高い保持力を得る目的で結晶異方性の高いCoを主成分とし、残留磁束密度を調整する目的でNiまたはCrを加えたCo系合金などを付加的に用いることが好適である。
磁気ヘッドの滑りをよくするために、磁気記録層14の表面に潤滑剤を薄くコーティングしてもよい。潤滑剤としては、たとえば液体潤滑剤であるパーフロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶媒で希釈したものが挙げられる。
磁気記録層14には、必要に応じて下地層または保護層を設けてもよい。情報記録媒体10における下地層は、磁性膜の種類に応じて選択される。下地層の材料としては、たとえば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al、またはNiなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料が挙げられる。
磁気記録層14に設ける下地層は、単層に限らず、同一または異種の層を積層した複数層構造としても構わない。たとえば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、NiAl/Cr、NiAl/CrMo、または、NiAl/CrV等の多層下地層としてもよい。
磁気記録層14の摩耗および腐食を防止する保護層としては、たとえば、Cr層、Cr合金層、カーボン層、水素化カーボン層、ジルコニア層、またはシリカ層が挙げられる。これらの保護層は、下地層および磁性膜など共にインライン型スパッタ装置で連続して形成されることができる。これらの保護層は、単層としてもよく、または、同一若しくは異種の層からなる多層構成としてもよい。
上記保護層上に、あるいは上記保護層に代えて、他の保護層を形成してもよい。たとえば、上記保護層に代えて、Cr層の上にテトラアルコキシランをアルコール系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布し、さらに焼成して酸化ケイ素(SiO2)層を形成してもよい。
(ガラス基板の製造方法)
次に、図6に示すフローチャート図を用いて、本実施の形態におけるガラス基板(情報記録媒体用ガラス基板)の製造方法S100について説明する。本実施の形態におけるガラス基板の製造方法S100は、板状ガラス成形工程S10、切り出し成形工程S20、ブラスト工程S30、ラッピング工程S40、端面研磨工程S50、粗研磨工程S60、洗浄工程S65、化学強化工程S70、精密研磨工程S80、および、スクラブ洗浄工程S90を備える。
スクラブ洗浄工程S90を経ることによって得られたガラス基板に対して、磁気薄膜形成工程S200が実施される。磁気薄膜形成工程S200を経ることによって、情報記録媒体10(図4および図5参照)が得られる。以下、ガラス基板の製造方法S100を構成する各工程S10〜S90の詳細について順に説明する。
(板状ガラス成形工程S10)
まず、板状ガラス成形工程S10において、溶融ガラスを材料として、ダイレクトプレス法、フロート法、ダウンドロー法、リドロー法、またはフュージョン法など、公知の成形方法を用いて、板状ガラスを製造する。これらのうち、ダイレクトプレス法は、溶解したガラスから目的とするガラス成形品に直接的に成形できるため、同一の形状を有する板状ガラスを多量に生産する場合に好適である。ダイレクトプレス法では、溶融ガラスをプレス成形型に供給し、このガラスが軟化状態にある間にプレス成形型でプレスして板状ガラスを成形する。
ガラス基板の材質としては、たとえばアモルファスガラス、結晶化ガラスを利用できる。アモルファスガラスを用いる場合、化学強化を適切に施すことができるとともに、主表面の平坦性および基板強度において優れた情報記録媒体用ガラス基板を提供することが可能となる。
(切り出し成形工程S20)
切り出し成形工程S20においては、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス基板を成形する(コアリング加工)。その後、内周端面および外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施す(フォーミング、チャンファリング)。
(ブラスト工程S30)
ブラスト工程S30においては、上記工程S10,S20よって形成されたガラス基板1の主表面2,3に複数の粒子(砥粒)200gを吹き付けることによって、ガラス基板1の主表面2,3の研削を行なう(第1研削工程)。
図7および図8を参照して、ブラスト工程S30について説明する。図7は、ガラス基板1に対するブラスト工程に用いられるブラスト装置100の構成を示す模式図、図8は、ガラス基板1に対するブラスト工程の実施状況を示す模式図である。
図7において、ブラスト装置100を用いて、ガラス基板1の主表面2,3にブラスト処理を施す。ブラスト装置100は、ガラス基板1を支持する支持台120と、支持台120によって支持されたガラス基板1の主表面に粒子(砥粒)200gを吹きつけるノズル110とを含む。ブラスト装置100は、支持台120を動かすこと、または、ノズル110を動かすことで、ガラス基板1の主表面2,3の全面に略均等にブラスト処理を施す。ブラスト装置100は、主表面2のブラスト処理を終了すると、ガラス基板1を移動させて、主表面3のブラスト処理を行なう。
ノズル110の先端部には、噴出孔が形成されており、この噴出孔から粒子(砥粒)200gが噴出される。ノズル110から噴出された粒子(砥粒)200gは、中心線CLを中心として、吹き付け開口角A°の範囲で広がりながらガラス基板1に吹き付けられる。ガラス基板1にブラスト処理を施す際には、ノズル110は、中心線CLが主表面2,3に対して略垂直となるように配置される。
図8は、ブラスト装置100によってブラスト処理が施される前のガラス基板(ガラス基板前駆体)1を示す模式的な平面図である。図8中のR30は、ノズル110から噴出された粒子(砥粒)200gによって、ブラスト処理(研磨)される領域(ブラスト領域)を示している。
図8に示すように、ノズル110は、ガラス基板1の表面を、たとえばジグザグ状に走査(図中ラインP)するように移動する。これにより、ノズル110から噴出された粒子(砥粒)200gは、ガラス基板1の表面の全面に対してブラスト処理を行なう。ノズル110を固定し、ガラス基板1側を移動させてもよい。
粒子(砥粒)200gの大きさは研削速度と研削量効率に影響を与える。粒子(砥粒)200gの径が大きすぎるとガラス基板1にダメージを与え、径が小さすぎるとガラス基板1を研削することができない。粒子(砥粒)200gとしては、アルミナ粒子、セラミック粒子、SiC等、硬度が十分であるものを使用するのがよい。粒子(砥粒)200gには、最大粒子径が50μm〜150μmのものを用いる。
粒子(砥粒)200gの吹き付け圧が低い場合、ガラス基板1を研削することができない。吹き付け圧が高すぎるとガラス基板1が欠ける場合がある。ガラス基板1の取り代(研削厚さ)は、粒子(砥粒)200gの径と相関がある。粒子(砥粒)200gの径が大きい場合、比較的に多めに研削を行なう必要がある。これは研削初期時に、粒子径によってクラックが発生するためである。粒子(砥粒)200gの吹き付け圧は、0.1MPa〜1MPaが好ましい。
ブラスト工程S30における研削においては、ガラス基板1に対して複数の粒子(砥粒)200gを水に分散させた状態にて吹き付けを行なってもよい。粒子200gを水に分散させて行なうことで、研削で発生したガラスくずを同時に除去できるなどの効果がある。このブラスト工程S30により、所定の主表面粗さを有するガラス基板1が得られる。
ここで、本実施の形態におけるブラスト工程S30においては、主表面2,3の平均算術粗さRa1が、1μm〜5μmの範囲内を維持し、さらに、カットオフ値を2.5μm〜80μmに設定した場合の平均算術粗さRa2が、0.1μm〜1.0μmの範囲内となるように、主表面2,3に粒子200gを吹き付けて、主表面2,3の研削を行なう。
ここで、平均算術粗さRa1は、日本工業規格の「JIS B0601:2001」および「JIS B0633:2001」に基づいて測定を行なった算術平均粗さである。上記JIS B0601:2001」は、ISO4287:1997に準拠しており、「JIS B0633:2001」は、ISO4288:1996に準拠している。
平均算術粗さRa2は、上記平均算術粗さRa1とは異なり、カットオフ値(波長)を任意範囲に設定した粗さ曲線から求めた算術平均粗さを意味する。
ガラス基板1の主表面2,3の粗さの測定には、株式会社ミツトヨ製の接触式粗さ測定機SURFCOM 1400Dを用いる。測定においては、上記日本工業規格に基づき行なう。
粗さ測定において、低域カットオフは接触する触診の先端形状に依存する。今回使用した先端形状は、θ=60°、rtip=2μmを使用し、低域カットオフ(λS)は2.5μmとした。
平均算術粗さRa1の測定においては上記日本工業規格に従って、高域カットオフ(λC)は測定形状によって適切な値に設定する。Raが0.1μm〜10μmの場合は、0.25mmもしくは0.8mmに設定される。評価長さは、λCの5倍の長さに設定した。
λCを強制的に設定する場合、上記JIS規格に沿った測定にはならない。本実施の形態は、一般的なカットオフ値よりも大幅に短い波長領域で粗さ成分が変化する(増大する)ことによって、固定砥粒による研削が円滑に行なえることを見出したものであるため、強制的にλcを設定する。
高域カットオフ(λC)は、80μmで粗さ曲線を求めた。測定長さは、評価長さと同様に、λCの5倍の長さに設定した。
粗さの定義については、JIS B00601:2001(ISO 4287:1996に準拠)に基づいた。
「算術平均粗さ」は、高さ方向の振幅平均パラメータを示し、「粗さ曲線」は、カットオフ値λs−λcの帯域フィルタを示し、「フィルタ」は、減衰率が50%になる波長をカットオフ値とする位相補償型フィルタを示す。
また、粗さの求め方については、まず測定機によって測定断面曲線が得られる。次に、この測定断面曲線から低域フィルタ(λS)を通して断面曲線を得る。さらに、この断面曲線に高域フィルタ(λC)を通して、「粗さ曲線」を得る。
この「粗さ曲線」の平均値からの各地点における高さの絶対値の平均が、算術平均粗さとなる。Ra1のλCは、JIS B0633:01に沿って値を変更し、「粗さ曲線」を得た。Ra2のλCは、80μmに設定して、「粗さ曲線」を得た。
(ラッピング工程S40)
ラッピング工程S40においては、砥粒としてダイヤモンドを樹脂などでシート状にしたものを用いて、ガラス基板1の主表面2,3の加工を行なう(第2研削工程)。
ダイヤモンドの粒子径は目的よって適宜変更可能であるが、平均粒径は2μm〜10μmが好ましい。ダイヤモンドの粒子径が、2μm未満になると加工が進まず、ガラス基板1の主表面2,3に生じたクラックの除去を行なえない。ダイヤモンドの粒子径が10μmを超えると、逆にダイヤモンドによってガラス基板1の主表面2,3にクラックが発生する。
近年の高密度化に伴い、ダイヤモンド粒子径は小さくなりつつあるが、加工性のバランスが必要であることから、2μm〜4μmがさらに好ましい。この研削工程では、ガラス基板1の主表面2,3で50μm〜250μm程度の研削を行なう。
(端面研磨工程S50)
端面研磨工程S50においては、ガラス基板1の内周端面および外周端面が、螺旋状のブラシ毛材を有する研磨ブラシを用いて研磨される。研磨ブラシとガラス基板1の各端面との間に研磨スラリーを供給しつつ、研磨ブラシを各端面に当接させた状態で回転させる。ガラス基板1を研磨液の中に浸漬した状態で、研磨ブラシを各端面に当接させた状態で回転させてもよい。
(粗研磨工程S60)
内周端面および外周端面が研磨されたガラス基板1は、複数回に分けて主表面2,3が粗く研磨される。たとえば、第1および第2粗研磨工程の2回にわけて、主表面2,3が研磨される。徐々にガラス基板1の仕上がり精度を高めることにより、平滑性および平坦性の高い表面を有するガラス基板1を得ることができる。2回に分けて粗研磨を行なう場合、第1粗研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面2,3に残留したキズおよび歪みを除去することを主たる目的とし、第2粗研磨工程は、主表面2,3を鏡面状に仕上げることを目的としている。
粗研磨工程S60は、後続する精密研磨工程S80において最終的に必要とされるガラス基板1の面粗さが効率よく得られるように、ガラス基板1の主表面2,3に対して研磨スラリーを用いて粗研磨を行なう工程である。この工程で採用される研磨方法としては特に限定されず、両面研磨機を用いて研磨することが可能である。
本実施の形態においては、図9に示す両面研磨機40を用いた。両面研磨機40は、上下に相対向して設けられた下定盤41と上定盤42とを備える。下定盤41および上定盤42の対向面には、それぞれ研磨パッド43,44が固定されている。
ガラス基板1は、キャリア45の保持孔に保持され、下定盤41と上定盤42との間に挟まれる。下定盤41および上定盤42は駆動源(図示省略)によって回転される。下定盤41および上定盤42の回転駆動は、制御装置48により制御される。ガラス基板1がキャリア45の保持孔によって保持された状態で、上下の研磨パッド43,44によりガラス基板1の主表面2,3が同時に研磨される。研磨時には、研磨剤供給装置46から研磨スラリーが供給される。図9において研磨剤供給装置46は一ヶ所であるがそれに限るものではなく、その位置と個数とは任意に構成することができる。
粗研磨工程S60の際、使用される研磨液(研磨スラリー)は、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、またはケイ酸ジルコニウムなどを研磨砥粒として含むとよい。研磨液中の酸化セリウムの濃度は、たとえば5%〜10%程度である。研磨するガラス基板1の主表面2,3に対する取り代の厚さは、たとえば10μm〜30μmである。粗研磨によって、ガラス基板1の表面のうねりおよび粗さを低く抑えることができる。粗研磨によって、ガラス基板1の内周端面および外周端面の形状などを整えることもできる。粗研磨後のガラス基板1の表面Raは、たとえば3〜10Å程度となる。以上のようにして、ガラス基板1の主表面2,3が粗研磨される。当該粗研磨の後、ガラス基板1は、硫酸もしくはフッ化水素酸などを用いて酸洗浄される。
(洗浄工程S65)
図6を再び参照して、粗研磨工程S60の後、ガラス基板1に対して酸性の洗浄液を用いた洗浄処理が実施される。この洗浄処理は、前工程である粗研磨工程S60において研磨スラリーとして使用されていた酸化セリウム、酸化ジルコニウム、またはケイ酸ジルコニウムのいずれかを、ガラス基板1の表面から除去することを目的としている。
具体的には、粗研磨工程S60において使用した研磨パッドから粗研磨後のガラス基板1を取り外した後、硫酸およびまたはフッ化水素酸などを含む洗浄液を用いてガラス基板1の表面をエッチングしながら洗浄する。ガラス基板1の表面に付着していた酸化セリウム、酸化ジルコニウム、またはケイ酸ジルコニウムなどの研磨スラリーは、硫酸およびまたはフッ化水素酸などの強酸性の洗浄液によって適切に除去される。その後、ガラス基板1は酸性の洗浄液を用いて洗浄される。
洗浄工程S65において用いられる洗浄液は、ガラス基板1の耐化学性によっても異なるが、硫酸であれば1%〜30%程度の濃度が好ましく、フッ化水素酸であれば0.2%〜5%程度の濃度が好ましい。これらの洗浄液を用いた洗浄は、水溶液が貯留された洗浄機の中で超音波を印加しながら行なわれるとよい。この際に用いられる超音波の周波数は、78kHz以上であることが好ましい。
(化学強化工程S70)
洗浄工程S65の後、ガラス基板1は化学強化される。化学強化液としては、たとえば硝酸カリウム(60%)と硫酸ナトリウム(40%)との混合液を用いることができる。化学強化液は、たとえば300℃〜400℃に加熱される。洗浄したガラス基板1は、たとえば200℃〜300℃に予熱される。ガラス基板1は、化学強化液中にたとえば3時間〜4時間浸漬される。
浸漬の際には、ガラス基板1の主表面2,3の全体が化学強化されるように、複数のガラス基板1が各々の端面で保持されるように、ホルダーに収納した状態で行なうことが好ましい。ガラス基板1を化学強化液中に浸漬することによって、ガラス基板1の表層のアルカリ金属イオン(リチウムイオンおよびナトリウムイオン)が、化学強化液中のイオン半径が相対的に大きい化学強化塩(ナトリウムイオンおよびカリウムイオン)に置換される。これにより、ガラス基板1の表層にはたとえば50μm〜200μmの厚さを有する圧縮応力層が形成される。
圧縮応力層の形成によってガラス基板1の表面が強化され、ガラス基板1は、良好な耐衝撃性を有することとなる。化学強化処理されたガラス基板1は、適宜洗浄される。たとえば、ガラス基板1は、硫酸で洗浄された後に、純水またはIPA(イソプロピルアルコール)等を用いてさらに洗浄される。
(精密研磨工程S80)
化学強化工程S70の後、ガラス基板1に対して精密研磨処理が実施される。精密研磨工程S80は、ガラス基板1の主表面を鏡面状に仕上げることを目的としている。精密研磨工程S80では、上述の粗研磨工程S60と同様に、両面研磨機(図9参照)を用いてガラス基板1に対する精密研磨が行なわれる。
精密研磨工程S80と上記の粗研磨工程S60とでは、使用される研磨液(スラリー)に含有される研磨砥粒、および、使用される研磨パッドの組成が異なる。精密研磨工程S80では、粗研磨工程S60よりも、圧縮応力層が形成されたガラス基板1の主表面2,3に供給される研磨液中の研磨砥粒の粒径を小さくし、研磨パッドの硬さを柔らかくする。
精密研磨工程S80に用いられる研磨パッドとしては、たとえば軟質発泡樹脂ポリッシャーである。精密研磨工程S80に用いられる研磨液としては、たとえば、粗研磨工程S60で用いる酸化セリウム砥粒よりも微細な粒径を有するコロイダルシリカが用いられる。精密研磨工程S80に用いられるコロイダルシリカの粒径(1次)は、15nm〜80nmであることが好ましい。コロイダルシリカを用いた精密研磨によって、ガラス基板1の主表面2,3の平滑性が高くなる。
(スクラブ洗浄工程S90)
精密研磨工程S80の後、ガラス基板1に対してスクラブ洗浄処理が実施される。具体的には、精密研磨工程S80において使用した研磨パッドから精密研磨後のガラス基板1を取り外した後、ガラス基板1の表面に洗浄液を供給しつつ、圧縮応力層が形成されたガラス基板1の表面に対してスクラブ洗浄装置を用いてスクラブ洗浄を行なう。
ガラス基板1は、両面研磨機の研磨パッドから取り外された後、一時的に水中保管されてもよい。水中保管により、精密研磨後にガラス基板1の表面が乾燥することを防ぎつつ、精密研磨後のガラス基板1に付着している研磨滓または遊離砥粒等の異物の量を低減することができる。所定の時間だけガラス基板1を水中保管した後、ガラス基板1をスクラブ洗浄装置にセットし、ガラス基板1に対するスクラブ洗浄を行なう。
スクラブ洗浄としては、たとえば、洗剤または純水等の洗浄液が用いられる。スクラブ洗浄に用いられる洗浄液のpHは、9.0以上12.2以下であるとよい。この範囲内であれば、ζ電位を容易に調整でき、効率的にスクラブ洗浄を行なうことが可能となる。スクラブ洗浄としては、洗剤によるスクラブ洗浄と、純水によるスクラブ洗浄との双方を行なってもよい。洗剤および純水を用いることによって、より適切にガラス基板1を洗浄できる。洗剤によるスクラブ洗浄と純水によるスクラブ洗浄との間に、ガラス基板1を純水でさらにリンス処理してもよい。
スクラブ洗浄を行なった後に、ガラス基板1に対して超音波洗浄をさらに行なってもよい。洗剤および純水によるスクラブ洗浄を行なった後に、硫酸水溶液等の薬液による超音波洗浄、純水による超音波洗浄、洗剤による超音波洗浄、IPAによる超音波洗浄、およびまたは、IPAによる蒸気乾燥等を更に行なってもよい。
本実施の形態におけるガラス基板1の製造方法S100としては、以上のように構成される。ガラス基板1の製造方法S100を使用することによって、図2および図3に示す本実施の形態のガラス基板1を得ることができる。
(磁気薄膜形成工程S200)
スクラブ洗浄処理が完了したガラス基板1の主表面2,3(またはいずれか一方の主表面2,3)に対し、磁気記録層が形成される。磁気記録層は、たとえば、Cr合金からなる密着層、CoFeZr合金からなる軟磁性層、Ruからなる配向制御下地層、CoCrPt合金からなる垂直磁気記録層、C系からなる保護層、およびF系からなる潤滑層が順次成膜されることによって形成される。磁気記録層の形成によって、図4および図5に示す情報記録媒体10を得ることができる。
(実施例)
次に、図10を参照して、上記ガラス基板1の製造方法の各実施例について、比較例とともに以下説明する。図10は、実施例1〜4および比較例1,2における評価結果を示す図である。
実施例1〜4および比較例2においては、ブラスト工程S30において、上記した粒子(砥粒)を用いて、ガラス基板1の主表面の研削(粗面化)を行なった。粒子(砥粒)としてアルミナ粒子を用い、アルミナ粒子110μm、ノズル110の開口径6.5mmとした。ガラス基板1のビッカース硬度は、610kg/mm2である。
粗さを制御するために、吹き付け圧および吹きつけ時間(研削取り代)を変化させて、それぞれ図10に記載のRa1およびRa2に変化させた後に、後工程S30〜S90を実施した。砥粒径と取り代(研削厚み)によって、ガラス基板のRa1およびRa2を制御した。比較例1は、ブラスト工程S30を行なわずに、後工程S30〜S90を実施した。
各実施例および各比較例の評価は、欠陥数を調べた。欠陥数は、OSA(Optical Surface Analyzer:光学表面解析機)にて評価した。OSAは、KLA Tencor社製のCandela 6300を用いた。評価においては、欠陥数が20以下の場合を合格とし、欠陥数が21以上を不合格とした。
(実施例1)
実施例1におけるブラスト工程S30の加工条件は、砥粒径は67μm、取り代(研削厚み)は5μmとした。その結果、Ra1は1μm、Ra2は0.1μm、欠陥数は15、評価は「合格」であった。
(実施例2)
実施例2におけるブラスト工程S30の加工条件は、砥粒径は67μm、取り代(研削厚み)は、10μmとした。その結果、Ra1は2μm、Ra2は0.2μm、欠陥数は5、評価は「合格」であった。
(実施例3)
実施例3におけるブラスト工程S30の加工条件は、砥粒径は90μm、取り代(研削厚み)は、12μmとした。その結果、Ra1は2μm、Ra2は0.3μm、欠陥数は5、評価は「合格」であった。
(実施例4)
実施例4におけるブラスト工程S30の加工条件は、砥粒径は110μm、取り代(研削厚み)は、12μmとした。その結果、Ra1は5μm、Ra2は1μm、欠陥数は13、評価は「合格」であった。
(比較例1)
比較例1においては、ブラスト工程S30を行なわなかった。その結果、Ra1は2μm、Ra2は0.01μm、欠陥数は23、評価は「不合格」であった。実施例1から3に比較して、Ra2の値が小さいため、後工程でクラックが発生し易く、欠陥数が上昇したと考えられる。
(比較例2)
比較例2におけるブラスト工程S30の加工条件は、砥粒径は150μm、取り代(研削厚み)は、30μmとした。その結果、Ra1は6μm、Ra2は1.5μm、欠陥数は32、評価は「不合格」であった。実施例1から3に比較して、過剰なブラスト工程を行なったためクラックが発生し、欠陥数が上昇したと考えられる。
以上の実施例の結果から、ブラスト工程S30においては、主表面2,3の平均算術粗さRa1が、1μm〜5μmの範囲内を維持し、さらに、カットオフ値を2.5μm〜80μmに設定した場合の平均算術粗さRa2が、0.1μm〜1.0μmの範囲内となるように、主表面2,3に粒子200gを吹き付けて、主表面2,3の研削を行なうことにより、効果的にクラックの発生を抑制することが確認できた。
以上、本実施の形態における情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によれば、第1研削工程であるブラスト工程において、上記したように主表面の平均算術粗さRa1が、1μm〜5μmの範囲内を維持し、さらに、カットオフ値を2.5μm〜80μmに設定した場合の平均算術粗さRa2が、0.1μm〜1.0μmの範囲内となるように、主表面に粒子を吹き付けて、主表面の研削を行なうことにより、硬度の高いガラス基板を用いた場合であっても、研削工程の前工程に適切な粗面化工程を実現することを可能とする。
以上、本発明に基づいた実施の形態および各実施例について説明したが、今回開示された実施の形態および各実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ガラス基板(情報記録媒体用ガラス基板)、2,3 主表面、4 内周端面、5,15 孔、6 外周端面、7,8 面取部、10 情報記録媒体、12 圧縮応力層、14 磁気記録層、20 筐体、21 ヘッドスライダー、22 サスペンション、23 アーム、24 垂直軸、25 ボイスコイル、26 ボイスコイルモーター、27 クランプ部材、28 固定ネジ、30 情報記録装置、40 両面研磨機、41 下定盤、42 上定盤、43,44 研磨パッド、45 キャリア、46 研磨剤供給装置、48 制御装置、100 ブラスト装置、110 ノズル、120 支持台、200g 粒子(砥粒)。

Claims (8)

  1. ガラス基板の主表面に、ノズルから複数の粒子を吹き付ける第1工程と、
    前記第1工程を経た前記ガラス基板の主表面を、ダイヤモンド粒子を主成分とする固定砥粒によって研削する第2工程と、を備え、
    前記第1工程は、
    波長領域を設定しない場合における前記主表面の算術平均粗さRa1が1μm〜5μmの範囲内となり、さらに、波長領域を2.5μm〜80μmに設定した場合の算術平均粗さRa2が0.1μm〜1.0μmの範囲内となるように、前記主表面に前記粒子を吹き付ける処理を含む、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記主表面のビッカース硬度が610kg/mm2以上である、請求項1に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記第1工程における前記粒子の最大粒子径は50μm〜150μmである、請求項1または2に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記粒子の吹き付け圧は、0.1MPa〜1MPaである、請求項1または2に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  5. 前記ダイヤモンド粒子の平均粒径は2μm〜10μmである、請求項1または2に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  6. 前記ガラス基板がダイレクトプレス法によって得られたガラス基板である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法で得られた情報記録媒体用ガラス基板の主表面に少なくとも磁性膜を形成する処理を含む、情報記録媒体の製造方法。
  8. 情報記録媒体用ガラス基板となる円盤状のガラス基板であって、
    前記円盤状のガラス基板の主表面は、
    波長領域を設定しない場合における前記主表面の算術平均粗さRa1が1μm〜5μmの範囲内であり、波長領域を2.5μm〜80μmに設定した場合の算術平均粗さRa2が0.1μm〜1.0μmの範囲内である、円盤状のガラス基板。
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