JP6090912B2 - 蓄電システム及び蓄電装置の制御方法 - Google Patents

蓄電システム及び蓄電装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、蓄電システム及び蓄電装置の制御方法に関するものである。
近年、負荷平準化(ロードレベリング)の目的として、二次電池を備える電力貯蔵システムが知られている(例えば、特許文献1)。電力貯蔵システムは、夜間に商用電源からの電力を貯蔵し、貯蔵された電力を昼間の電力負荷が高いときに用いて負荷の平準化を図るものである。ここで、二次電池は、電池温度を適正に維持することが必要となる。
例えば、特許文献1には、リチウム二次電池の表面温度が所定温度以下となったときに、外部熱源による熱供給を開始し、所定範囲を上回ったときに、外部熱源による熱供給を停止することによりリチウム二次電池の温度を適正範囲に維持することが開示されている。
特開2010−212041号公報
上記特許文献1に記載されているように、一般的に、二次電池の温度調節は外部熱源によって行われ、電池温度が所定の適正温度範囲から逸脱しないように管理されている。しかしながら、特に、大型の二次電池にあっては、電池温度を急速に変化させることが難しく、外部熱源による温度調節が行われているにもかかわらず、電池温度が適正温度範囲から逸脱してしまう可能性があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、外部熱源を用いた温度調整を行っているにもかかわらず、二次電池の温度が適正温度範囲を逸脱してしまう場合において、二次電池の温度を適正温度範囲内に速やかに戻すことのできる蓄電システム及び蓄電装置の制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、充放電可能な蓄電装置と、前記蓄電装置の温度を計測する温度計測手段と、前記蓄電装置の充放電を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記蓄電装置の温度が予め設定されている所定の第1上限値以上である場合に、充電率の管理値を所定の上限値に設定するとともに、前記蓄電装置を強制充電させ、前記蓄電装置の温度が予め設定されている所定の第1下限値未満である場合に、充電率の管理値を所定の下限値に設定するとともに前記蓄電装置を強制放電させ、前記強制充電または前記強制放電により、前記蓄電装置の温度が予め設定されている所定の適正温度範囲内となった場合に、前記強制充電または前記強制放電を停止する蓄電システムを提供する。
二次電池は、放電中に発熱し、充電中に吸熱することが知られている。例えば、リチウム二次電池を定電流Iで充放電したときに単位時間当たりに発生する熱量Pは温度や電圧に関して下記(1)式で表わされる。
Figure 0006090912
ここで、Tは温度、Eemfは起電力、Vは端子間電圧、Poは電池反応熱と分極発熱以外の要因による熱で、電池内部やリード線を電子が流れるときのジュール熱や、副反応あるいは自己放電に起因する熱などに対応する。また、Psは電池反応のエントロピー変化に起因する熱(電池反応熱)、Ppは電気化学的分極に起因する熱(分極発熱)である。電池反応熱は、充電時と放電時では熱の出入りの向きが逆になるが、分極発熱は充放電ともに発熱である。
図9は、電池A(LGR18650P,A&T Battery社)、図10は電池B(US18650,Sony Energytec社)の市販電池を充放電したときの発熱挙動結果の一例を示した図である。図9は、電池Aに60mA、図10は、電池Bに50mAの定電流を流して充電した時のものである。横軸Qは満充電状態から放電されている電気量を表わしている。また、熱測定値Pは正のときに発熱、負のときに吸熱である。どちらの電池A,Bも、全体的に放電時に発熱し、充電時に吸熱しており、反応エントロピー変化は放電時に負であることがわかる。また、充放電に伴い、いくつかの発熱・吸熱ピークが見られるが、変化の様子は充電時と放電時で略対称的となる。
このように、二次電池は、放電時に発熱、充電池に吸熱という特性を有する。
本発明は、放電時に発熱、充電時に吸熱という蓄電装置の特性に着目し、蓄電装置の温度が第1上限値以上である場合に蓄電装置の充電率(SOC)の管理値を一時的に上限値まで許容するとともに強制充電させて温度の上昇を抑制し、蓄電装置の温度が第1下限値未満である場合に蓄電装置の充電率の管理値を一時的に下限値まで許容するとともに強制放電させて温度を上昇させることとした。
これにより、二次電池内部で直接に温度変化を与えることが可能となり、急速に温度を変化させることが可能となる。この結果、二次電池の電池温度が一時的に適正温度範囲(例えば、第1上限値以下第1下限以上の範囲)を超えたとしても、早急に適正温度範囲内に回復させることが可能となる。
また、強制充電または強制放電を行うことにより、電池温度が適正温度範囲内となった場合には、強制充電または強制放電を停止するとともに、蓄電装置の管理値を予め設定された所定の管理値(例えば、通常運転時の管理値)に戻すこととした。これにより、蓄電装置の温度が適正温度範囲内に戻った後においては、通常の運転を再開することが可能となる。
上記蓄電システムにおいて、前記制御手段は、前記蓄電装置の温度が、前記第1上限値よりも小さい値である第2上限値以上前記第1上限値未満である場合に放電を禁止し、前記蓄電装置の温度が、前記第1下限値よりも大きい値である第2下限値以下前記第1下限値以上である場合に充電を禁止することとしてもよい。
このように、蓄電装置の温度が第2上限値以上第1上限値未満の場合に放電を禁止することにより、放電に伴う発熱により電池温度が上昇するのを回避することができる。また、蓄電装置の温度が第2下限値以下第1下限値以上の場合に充電を禁止することにより、充電に伴う吸熱により電池温度が低下するのを回避することができる。
上記蓄電システムにおいて、前記蓄電装置は、予め設定された夜間の期間において電力を充電し、予め設定された昼間の期間において負荷に応じて放電するロードレベリングの電力貯蔵装置として利用され、時間に対応付けて運転モードが設定されたスケジューリングテーブルを記憶する記憶手段を備え、前記スケジューリングテーブルは、季節ごとに設定されており、冬期のスケジューリングテーブルは、気温が低下する朝方の所定の時間帯に、強制的に放電を行う強制放電モード及び強制的に充電を禁止する充電禁止モードの少なくともいずれか一方が設定され、前記制御手段は、前記蓄電装置の温度が前記第1下限値以上前記第2下限値未満に設定された第3下限値以下の場合に、充電率の管理値を前記下限値まで許容するとともに、前記スケジューリングテーブルに基づいて充放電制御を行うこととしてもよい。
このように、蓄電装置がロードレベリングの電力貯蔵装置として利用される場合、外気温が低くなる冬期においては、特に冷え込みが厳しい朝方の所定の時間帯において、蓄電装置の温度が低下する。そこで、冬期において、蓄電装置の温度が第3下限値に低下した場合には、スケジューリングテーブルに基づいて、強制的に放電させる、または充電を禁止するので、放電による発熱により電池温度を上昇させることや、充電による電池温度低下を回避することが可能となる。この結果、簡便な処理により、電池温度が適正温度範囲を外れることを未然に防ぐことが可能となる。
上記蓄電システムにおいて、前記蓄電装置は、予め設定された夜間の期間において電力を充電し、予め設定された昼間の期間において負荷に応じて放電するロードレベリングの電力貯蔵装置として利用され、時間に対応付けて運転モードが設定されたスケジューリングテーブルを記憶する記憶手段を備え、前記スケジューリングテーブルは、季節ごとに設定されており、夏期のスケジューリングテーブルは、気温が上昇する昼間の所定の時間帯に、強制的に充電を行う強制充電モード及び強制的に放電を禁止する放電禁止モードの少なくともいずれか一方が設定され、前記制御手段は、前記蓄電装置の温度が前記第2上限値以上前記第1上限値未満に設定された第3上限値よりも高い場合には、充電率の管理値を前記上限値に設定するとともに、前記スケジューリングテーブルに基づいて充放電制御を行うこととしてもよい。
このように、蓄電装置がロードレベリングの電力貯蔵装置として利用される場合、外気温が高くなる夏期においては、特に温度が上昇する昼間の時間帯において、蓄電装置の温度が上昇する。そこで、夏期において、蓄電装置の温度が第3上限値を超えて上昇した場合には、充電率の管理値を上限値に設定するとともに、スケジューリングテーブルに基づいて、充電を強制的に行う、または放電を強制的に禁止するので、充電による吸熱により電池温度を降下させることや、放電による電池温度上昇を回避することが可能となる。この結果、簡便な処理により、電池温度が適正温度範囲を外れることを未然に防ぐことが可能となる。
上記蓄電システムにおいて、前記蓄電装置は、自然エネルギーを利用して発電する分散型電源の出力の平準化に利用され、前記制御手段は、前記分散型電源の出力を平滑化するための充放電指令を設定する充放電指令設定手段と、前記蓄電装置の温度が、前記第1上限値よりも小さい値である第2上限値以上前記第1上限値未満である場合に、放電量を低下または放電を行わないように前記充放電指令を補正するとともに、前記蓄電装置の温度が前記第1下限値よりも大きい値である第2下限値以下第1下限値以上の場合に、充電量を低下または充電を行わないように前記充放電指令を補正する指令補正手段と、指令補正手段から出力された前記充放電指令に基づいて、前記蓄電装置の充放電を制御する充放電制御手段とを備えることとしてもよい。
このように、蓄電装置が自然エネルギーを利用して発電する分散型電源の出力の平準化に利用される場合、蓄電装置の温度が第2上限値以上第1上限値未満の場合には、放電量を低下または放電を行わないように充放電指令が補正されるので、放電に伴う発熱により蓄電装置の温度上昇を抑制することができる。これにより、電池温度が第1上限値を超えるのを未然に防ぐことが可能となる。また、蓄電装置の温度が第2下限値以下第1下限値以上の場合には、充電量を低下または充電を行わないように充放電指令が補正されるので、充電に伴う吸熱により蓄電装置の温度低下を抑制することができる。これにより、電池温度が第1下限値を下回ることを未然に防ぐことが可能となる。
本発明は、蓄電装置の制御方法であって、前記蓄電装置の温度が予め設定されている所定の第1上限値以上である場合に、充電率の管理値を所定の上限値に設定するとともに、前記蓄電装置を強制充電させ、前記蓄電装置の温度が予め設定されている所定の第1下限値未満である場合に、充電率の管理値を所定の下限値に設定するとともに前記蓄電装置を強制放電させ、前記強制充電または前記強制放電により、前記蓄電装置の温度が予め設定されている所定の適正温度範囲内となった場合に、前記強制充電または前記強制放電を停止するとともに、充電率の管理値を予め設定された所定の管理値に戻す蓄電装置の制御方法を提供する。
本発明によれば、外部熱源を用いることなく、二次電池の温度を適正温度範囲に維持することができるとともに、仮に電池温度が適正温度範囲から外れたとしても速やかに温度を適正温度範囲内に戻すことができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る蓄電システムの電気系統図を示した図である。 本発明の第1実施形態に係る制御装置の内部構成を概略的に示した図である。 本発明の第1実施形態に係る夏期のスケジューリングテーブルの一例を示した図である。 本発明の第1実施形態に係る冬期のスケジューリングテーブルの一例を示した図である。 図3に示した夏期のスケジューリングテーブルに従って二次電池の充放電制御を行った場合の充電率の変化及び電池温度の変化の一例を示した図である。 図4に示した冬期のスケジューリングテーブルに従って二次電池の充放電制御を行った場合の充電率の変化及び電池温度の変化の一例を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る蓄電システムの電気系統図を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。 二次電池の放電時における発熱量及び充電時における吸熱量の一例について示した図である。 二次電池の放電時における発熱量及び充電時における吸熱量の他の例について示した図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る蓄電システム及び蓄電装置の制御方法について、図を用いて説明する。
本実施形態に係る蓄電システム1は、予め設定された夜間の期間において電力を充電し、予め設定された昼間の期間において負荷に応じて放電するロードレベリングの電力貯蔵装置として利用されるものである。図1に、蓄電システム1の電気系統図を示す。蓄電システム1は、電池ユニット2と、電池ユニット2の充放電を制御する制御装置3とを備えている。
電池ユニット2は、電力変換装置4を介して商用系統Aに接続されている。また、商用系統Aには、負荷5が接続されている。
電池ユニット2は、少なくとも1つのリチウム二次電池が直列に接続されて構成される1以上の組電池11a、11b、11c(蓄電装置)を有している(以下、単に組電池を示すときは符号「11」を付し、各組電池を識別して示すときは符号「11a」、「11b」等を付す。また、他の構成についても同様とする)。図1では、3つの組電池11a、11b、11cを有する場合を例示しているが、組電池11の設置数は特に限定されない。複数の組電池11a、11b、11cは、いずれも並列に接続されている。
なお、電池ユニット2の二次電池は、リチウム二次電池の他、鉛二次電池、ニッケル水素二次電池など特に限定されないが、充放電の追従性がよいことからリチウム二次電池であることが好ましい。
各組電池11a、11b、11cには、電池管理部12a、12b、12cがそれぞれ設けられている。電池管理部12a、12b、12cは、それぞれ対応する組電池11a、11b、11cの端子間電圧を検出する電圧センサ、温度を検出する温度センサ(温度計測手段)等の各種センサ(図示略)を有する。蓄電システム1の周囲は空調機器など(図示略)により温度環境が維持されていることが好ましい。また各組電池11には、温度を適正温度範囲内に維持できるように、加熱ヒータや冷却ファンなど(図示略)の外部熱源が設置されていることが好ましい。電池管理部12は、センサ計測値から充電率などを演算し、これら演算結果及びセンサ計測値を制御装置3に出力する。制御装置3は、各電池管理部12から取得した情報に基づいて、電池ユニット2の充放電制御を制御する。例えば、制御装置3は、組電池11の適正温度範囲(例えば、0℃以上50℃以下)を有しており、各組電池11の温度がこの適正温度範囲内となるよう、上記加熱ヒータや冷却ファンなどを適宜制御する。また、制御装置3は、空調機器の動作異常などにより周囲環境が急に変化し、組電池11の温度が適正温度範囲から外れるおそれのある場合には、電力変換装置4を制御することにより、電池ユニット2の充放電を制御し、二次電池内部の発熱や吸熱反応を利用して各組電池11の温度を適正温度範囲内とする。
具体的には、図2に示すように、制御装置3は、記憶部20を内部に備えている。この記憶部20には適正温度範囲の上限値(以下「第1上限値」という)及び下限値(以下「第1下限値」)が格納されており、これら第1上限値及び第1下限値に基づいて、組電池11の充放電制御を行う。
具体的には、制御装置3は、組電池11の温度が第1上限値以上である場合に、組電池11の充電率(SOC)の管理値を通常運転時における所定の管理値(以下「通常運転管理値」という。例えば、50%)から一時的に上限値(例えば、90%)に変更した上で、組電池11を強制充電させ、組電池11の温度が下限値未満である場合に、組電池11の充電率の管理値を通常運転管理値から一時的に下限値(例えば、10%)に変更した上で、組電池11を強制放電させる。
ここで、第1上限値、第1下限値は上記例に限定されず、例えば、第1上限値は、適正温度範囲の上限値に所定のマージンを持たせた値(=適正温度範囲の上限値−α)、第1下限値は、適正温度範囲の下限値に所定のマージンを持たせた値(=適正温度範囲の下限値+β)に設定されてもよい。
このように、組電池11の充電率の管理値の変更を行うとともに、強制充電または強制放電を行うので、二次電池内部からの温度調整を効果的に行うことが可能となり、電池温度を早急に変化させることが可能となる。
また、制御装置3は、強制充電または強制放電によって組電池11の温度が適正温度範囲内となった場合に、強制充電または強制放電を停止するとともに、組電池11の充電率を通常運転管理値に戻す。例えば、制御装置3は、強制充電または強制放電の開始から所定の時間を経過した後において、組電池11の温度が適正温度範囲内であるか否かを判定し、適正温度範囲内である場合に、強制充電または強制放電を停止するとともに、組電池11の充電率を通常運転管理値に戻す。
また、制御装置3は、組電池11の強制充電または強制放電の開始から予め設定されている所定の時間が経過しても、電池温度が適正温度範囲内とならなかった場合(例えば、強制充電の場合には電池温度が第1上限値未満とならず、強制放電の場合には電池温度が第1下限値以上とならなかった場合)には、強制充電または強制放電を終了するとともに、温度異常の通知を行う。通知の具体的な方法としては、警報を鳴らす、異常ランプを点灯させるなど、オペレータの聴覚や視覚に訴える手段が考えられる。なお、この異常通知を受けたオペレータは、蓄電システム1の運転を一時停止させる等の対策を講じることとなる。
更に、制御装置3の記憶部20には、第1上限値よりも小さな値である第2上限値、第1下限値よりも大きな値である第2下限値が更に格納されている。制御装置3は、組電池11の温度が第2上限値以上第1上限値未満である場合に、放電を禁止する制御を行い、組電池11の温度が第1下限値以上第2下限値以下である場合に、充電を禁止する制御を行う。なお、組電池11の温度が第2下限値以上第2上限値未満の範囲に戻った場合には、充電禁止及び放電禁止を解除する。なお、充電禁止及び放電禁止を解除するために使用される閾値については、ヒステリシスを持たせることとしてもよい。このように、第2上限値、第2下限値を設定することにより、電池温度が第1上限値、第1下限値に達する前段階から適切な温度調整を開始するので、組電池11が適正温度範囲から外れることをさらに効果的に防ぐことが可能となる。
本実施形態においては、第1上限値は50℃、第2上限値は45℃以上48℃以下の温度範囲のいずれか、第1下限値は0℃、第2下限値は2℃以上5℃以下の温度範囲のいずれかが例示される。
また、本実施形態において、3つの組電池11a、11b、11cのうち、一つでも上記条件に該当する場合には、全ての組電池に対して同様の充放電制御が行われるが、これに代えて、それぞれの組電池11a、11b、11cについて個別に温度判定を行い、個別に強制充電及び強制放電を実施するような構成としても良い。
更に、制御装置3の記憶部20には、季節に応じて設定されたスケジューリングテーブルが格納されている。制御装置3は、記憶部20に第2上限値以上第1上限値未満の値に設定された第3上限値及び第2下限値以下第1下限値以上の値に設定された第3下限値(図示略)を有しており、組電池11の温度が第3上限値を超えた場合または第3下限値を下回った場合に、記憶部20に格納されているスケジューリングテーブルに基づいて充放電制御を行う。本実施形態においては、第3上限値として約48℃以上49℃以下の温度範囲のいずれかの値が、第3下限値として約1℃以上2℃以下の温度範囲のいずれかの値が例示される。
スケジューリングテーブルは、図3及び図4に示すように、時間に対応付けて運転モードが設定されている。運転モードの一例としては、例えば、負荷5からの要求に応じて放電を行う通常放電モードM1、強制的に充電を行う強制充電モードM2、強制的に放電を行う強制放電モードM3、強制的に充放電を禁止させる充放電禁止モードM4等が挙げられる。
図3は、組電池11の温度が第3上限値以上である場合に参照される夏期(例えば、7月から9月)におけるスケジューリングテーブルの一例を、図4は、組電池11の温度が第3下限値以下である場合に参照される冬期(例えば、12月から3月)におけるスケジューリングテーブルの一例を示したものである。
夏期においては、気温が高いために、空調機器と冷却ファンによる温度調整が行われていたとしても、電池温度が上昇してしまい、第3上限値を超えてしまうことが懸念される。従って、気温が上昇しやすい昼間の時間帯において、組電池11の温度が第3上限値を超えた場合には、発熱を伴う放電モードを禁止することが好ましい。
そこで、夏期のスケジューリングテーブルにおいては、昼間の所定の時間帯(例えば、12時から15時)において、強制充電モードM2及び充放電禁止モードM4が設定されている。具体的には、12時から13時の時間帯において強制充電モードM2が設定され、13時から15時の時間帯において充放電禁止モードM4が設定されている。なお、図3に示したスケジューリングテーブルは一例であり、気温が上昇する時間帯において、放電を行わないような運転モードが設定されていればよい。なお、図3に示したスケジューリングテーブルにおいては、15時から21時の時間帯が通常放電モードM1、21時から6時までが強制充電モードM2、6時から12時までが通常放電モードM1に設定されている。
なお、強制充電モードM2では、充電率が予め設定されている上限値(例えば、90%)に達した場合に、充電を停止する。
冬期においては、気温が急速に低下することもあり、空調機器とヒータによる温度調整が行われていたとしても電池温度が下限値を下回ることが懸念される。従って、特に冷え込みが厳しい朝方の時間帯においては、放電を積極的に行い、放電に伴う発熱によって電池温度が低下するのを抑制することが好ましい。
具体的には、図4に示すように、朝方の所定の時間帯(例えば、0時から6時)において、強制放電モードM3を設定する。また、朝方までは行かないが、気温が下がる可能性のある21時から0時までの間においては、充電による吸熱を防ぐために、充放電禁止モードM4が設定されている。また、このようなスケジューリングでは、夜間において充電を行うことができないため、冷え込みが過ぎたあたりの6時から12時までの時間帯及び冷え込む前の18時から21時の時間帯に、強制充電モードM2を設定することにより、充電率を確保できるようにしている。なお、12時から18時の時間帯は通常放電モードM1が設定されている。
なお、強制放電モードM3では、充電率が下限値(例えば、10%)に達した場合に、放電を停止する。
また、上記態様に代えて、朝方の所定の時間帯(例えば、0時から6時)において、強制放電モードM3及び強制的に充電を禁止する充電禁止モードの少なくともいずれか一方を設定することとしてもよい。
このような蓄電システム1においては、制御装置3が、季節に応じたスケジューリングテーブルを記憶部20から取得し、組電池11の温度が第3上限値以上、第3下限値未満になった場合に、取得したスケジューリングテーブルに基づく充放電制御が行われる。
例えば、夏期において組電池11の温度が第3上限値以上第1上限値以下である場合には、図3に示したスケジューリングテーブルに基づく充放電制御が行われ、冬期において組電池11の温度が第3下限値未満第1下限値以上である場合には、図4に示したスケジューリングテーブルに基づく充放電制御が行われる。
図5は、図3に示した夏期のスケジューリングテーブルに従って二次電池の充放電制御を行った場合の充電率の変化及び電池温度の変化の一例を示した図である。図6は、図4に示した冬期のスケジューリングテーブルに従って二次電池の充放電制御を行った場合の充電率の変化及び電池温度の変化の一例を示した図である。図5、図6に示すように、電池温度を適正温度範囲(ここでは、0℃以上50℃以下)に維持できていることがわかる。なお、図5、図6において、点線は、強制充電モードと放電禁止モードを行わず、かつ、充電率を10%以上90%以下の範囲で制御して従来の充放電制御を行った場合の充電率の一例を示している。
以上説明したように、本実施形態に係る蓄電システム1によれば、年間の気温の推移や電池温度の推移に基づいて季節に応じた適切なスケジューリングテーブルを作成しておき、このスケジューリングテーブルに基づいて充放電を制御するので、電池温度を適正温度範囲内に効果的に維持することが可能となる。また、スケジューリングテーブルに従った充放電制御を実施している間でも、蓄電ユニット2の電池温度が第2上限値以上である場合には放電が禁止され、第2下限値以下である場合には充電が禁止されるので、適正温度範囲から温度が逸脱することを効果的に防ぐことが可能となる。更に、蓄電ユニット2の電池温度が第1上限値を超えた場合には、強制充電が実施され、電池温度が第1下限値を下回った場合には、強制放電が実施されるので、電池温度に応じて適切な充放電制御を行うことができ、可能な限り電池温度を適正温度範囲内に維持することが可能となる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る蓄電システム及び蓄電装置の制御方法について説明する。本実施形態に係る蓄電システムは、自然エネルギーを利用して発電する分散型電源の出力を平準化する平準化システムとして利用されるものである。
以下、上述した第1実施形態に係る蓄電システム1と共通の構成要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図7に、本実施形態に係る蓄電システム1´の電気系統図を示す。蓄電システム1´は、電池ユニット2と、電池ユニット2の充放電を制御する制御装置3´とを備えている。
自然エネルギーを利用して発電する分散型電源10と電力系統とは電力線を介して接続されている。電力線には、電力変換装置4を介して電池ユニット2が接続されている。
このような蓄電システム1´において、分散型電源10の出力が所定の基準電力よりも高い場合に、電池ユニット2を充電モードにすることで出力を低下させ、逆に、分散型電源10の出力が所定の基準電力よりも低い場合には、電池ユニット2を放電モードにすることで出力を増加させる。
具体的には、図8に示すように、蓄電システム1´の制御装置3´は、分散型電源10の出力に基づいて該出力を平準化するような電池ユニット2の充放電指令を設定する充放電指令設定部31と、電池温度に応じて充放電指令を補正する指令補正部32と、指令補正部32から出力された充放電指令に基づいて電池ユニット2の充放電を制御する充放電制御部33とを備えている。
充放電指令設定部31による充放電指令の設定については、公知の技術を採用すればよい。
指令補正部32は、電池温度が上述した第1上限値以上である場合に、組電池11の充電率の管理値を一時的に上限値である90%まで許容させて、強制充電を行わせるように充放電指令を補正するとともに、電池温度が第1下限値以下である場合に、組電池11の充電率の管理値を一時的に下限値である10%まで許容させて、強制放電を行わせるように充放電指令を補正する。従って、電池温度が第1上限値以上、第1下限値未満の場合には、分散型電源の平準化に関わらず、電池温度の調整を優先させて充放電制御が行われることとなる。
また、指令補正部32は、電池温度が第1上限値よりも小さな値に設定された第2上限値以上第1上限値未満である場合に、放電量を低下または放電を行わないように充放電指令を補正する。また、指令補正部32は、電池温度が第1下限値よりも大きい値である第2下限値以下第1下限値以上の場合に、充電量を低下または充電を行わないように充放電指令を補正する。これにより、電池温度が低い場合には、吸熱を伴う充電を抑制することにより、電池温度の低下を抑制させ、電池温度が高い場合には、発熱を伴う放電を抑制することにより、電池温度の上昇を抑制させることができる。
また、上記の強制充電または強制放電が行われることにより、組電池11の温度が電池内部から調整されて適正温度範囲内となった場合には、制御装置3´は強制充電または強制放電を停止するとともに、充電率の設定値を通常運転管理値に戻す。
以上説明してきたように、本実施形態に係る蓄電システム1´及び蓄電装置の制御方法によれば、電池温度が適正温度範囲を外れそうな場合には、分散型電源10の出力を平滑化するための充放電指令が、電池温度を適正温度範囲内に維持するように補正され、補正後の充放電指令に基づいて電池ユニット2の充放電が実施させるので、電池温度を電池内部から調整することができ、電池温度を適正温度範囲内に効率的に維持することが可能となる。また、仮に、電池温度が適正温度範囲を外れてしまった場合であっても、早急に適正温度範囲内に戻すことが可能となる。
以上の通り、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について述べたが、本発明の範囲は上述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施が可能である。
1、1´ 蓄電システム
2 電池ユニット
3、3´ 制御装置
4 電力変換装置
5 負荷
10 分散型電源
11、11a、11b、11c 組電池
12、12a、12b、12c 電池管理部
20 記憶部
31 充放電指令設定部
32 指令補正部
33 充放電制御部

Claims (6)

  1. 充放電可能な蓄電装置と、
    前記蓄電装置の温度を計測する温度計測手段と、
    前記蓄電装置の充放電を制御する制御手段と
    を有し、
    前記制御手段は、
    前記蓄電装置の温度が予め設定されている所定の第1上限値以上である場合に、充電率の管理値を所定の上限値に設定するとともに、前記蓄電装置を強制充電させ、
    前記蓄電装置の温度が予め設定されている所定の第1下限値未満である場合に、充電率の管理値を所定の下限値に設定するとともに前記蓄電装置を強制放電させ、
    前記強制充電または前記強制放電により、前記蓄電装置の温度が予め設定されている所定の適正温度範囲内となった場合に、前記強制充電または前記強制放電を停止するとともに、充電率の管理値を予め設定された所定の管理値に戻す蓄電システム。
  2. 前記制御手段は、
    前記蓄電装置の温度が、前記第1上限値よりも小さい値である第2上限値以上前記第1上限値未満である場合に、放電を禁止し、
    前記蓄電装置の温度が、前記第1下限値よりも大きい値である第2下限値以下前記第1下限値以上である場合に、充電を禁止する請求項1に記載の蓄電システム。
  3. 前記蓄電装置は、予め設定された夜間の期間において電力を充電し、予め設定された昼間の期間において負荷に応じて放電するロードレベリングの電力貯蔵装置として利用され、
    時間に対応付けて運転モードが設定されたスケジューリングテーブルを記憶する記憶手段を備え、
    前記スケジューリングテーブルは、季節ごとに設定されており、
    冬期のスケジューリングテーブルは、気温が低下する朝方の所定の時間帯に、強制的に放電を行う強制放電モード及び強制的に充電を禁止する充電禁止モードの少なくともいずれか一方が設定され、
    前記制御手段は、前記蓄電装置の温度が前記第1下限値以上前記第2下限値未満に設定された第3下限値以下の場合に、充電率の管理値を前記下限値まで許容するとともに、前記スケジューリングテーブルに基づいて充放電制御を行う請求項1または請求項2に記載の蓄電システム。
  4. 前記蓄電装置は、予め設定された夜間の期間において電力を充電し、予め設定された昼間の期間において負荷に応じて放電するロードレベリングの電力貯蔵装置として利用され、
    時間に対応付けて運転モードが設定されたスケジューリングテーブルを記憶する記憶手段を備え、
    前記スケジューリングテーブルは、季節ごとに設定されており、
    夏期のスケジューリングテーブルは、気温が上昇する昼間の所定の時間帯に、強制的に充電を行う強制充電モード及び強制的に放電を禁止する放電禁止モードの少なくともいずれか一方が設定され、
    前記制御手段は、前記蓄電装置の温度が前記第2上限値以上前記第1上限値未満に設定された第3上限値よりも高い場合には、充電率の管理値を前記上限値に設定するとともに、前記スケジューリングテーブルに基づいて充放電制御を行う請求項1または請求項2に記載の蓄電システム。
  5. 前記蓄電装置は、自然エネルギーを利用して発電する分散型電源の出力の平準化に利用され、
    前記制御手段は、
    前記分散型電源の出力を平滑化するための充放電指令を設定する充放電指令設定手段と、
    前記蓄電装置の温度が、前記第1上限値よりも小さい値である第2上限値以上前記第1上限値未満である場合に、放電量を低下または放電を行わないように前記充放電指令を補正するとともに、前記蓄電装置の温度が前記第1下限値よりも大きい値である第2下限値以下第1下限値以上の場合に、充電量を低下または充電を行わないように前記充放電指令を補正する指令補正手段と、
    指令補正手段から出力された前記充放電指令に基づいて、前記蓄電装置の充放電を制御する充放電制御手段と
    を備える請求項1に記載の蓄電システム。
  6. 蓄電装置の制御方法であって、
    前記蓄電装置の温度が予め設定されている所定の第1上限値以上である場合に、充電率の管理値を所定の上限値に設定するとともに、前記蓄電装置を強制充電させ、
    前記蓄電装置の温度が予め設定されている所定の第1下限値未満である場合に、充電率の管理値を所定の下限値に設定するとともに前記蓄電装置を強制放電させ、
    前記強制充電または前記強制放電により、前記蓄電装置の温度が予め設定されている所定の適正温度範囲内となった場合に、前記強制充電または前記強制放電を停止するとともに、充電率の管理値を予め設定された所定の管理値に戻す蓄電装置の制御方法。
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