JP6095932B2 - アルコール飲料の苦味及び/又はバーニング感の抑制剤、並びに苦味及び/又はバーニング感の抑制方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルコール飲料の苦味及び/又はバーニング感の抑制剤、並びに苦味及び/又はバーニング感の抑制方法、詳細には、モルトエキスを含有することを特徴とする、アルコール飲料の苦味及び/又はバーニング感の抑制剤、並びにモルトエキスを添加することを特徴とする、アルコール飲料の苦味及び/又はバーニング感の抑制方法に関する。
近年多様なアルコール飲料が販売され、酒の種類及びその原材料、アルコール含有量、フレーバー等様々なものがある。具体的には、酒の種類としてビール、日本酒、果実酒等の醸造酒;焼酎、ブランデー、ウイスキー、スピリッツ等の蒸留酒が挙げられ、さらにこれらにハーブや梅などの果実やエキス、糖類などを添加したリキュール、合成清酒等の混成酒がある。そして、これらの酒類に、オレンジやグレープフルーツ等の柑橘類やピーチ、マンゴー等の果汁やフレーバー、炭酸ガスなどを添加したカクテルやチューハイなどが消費者に好まれ、市場の拡大が続いている。
アルコール飲料には、アルコールの軽やかな風味とともに、アルコールに起因する苦味や、バーニング感と称される口腔内から喉にかけて感じられる、焼け付くような刺激感が存在する。この苦味やバーニング感は、アルコール濃度が高いほど感じられるようになり、アルコール飲料を敬遠される原因ともなっている。
アルコール飲料のこれらの不快感を改善する方法としては、水、炭酸水、果汁などによる希釈、又は各種エキス、香料、甘味料などを添加する方法が採られているが、アルコールの濃度を低下させることなく、苦味やバーニング感を抑制できる方法は十分に確立されていない。
特許文献1には、アルコール飲料に、高甘味度甘味料であるシュクラロースを添加することで、アルコール飲料のアルコールに起因する苦味やバーニング感が抑えられて、アルコール飲料の風味を向上できることが記載されている。
また、特許文献2には、キク科ヨモギ属に属するダバナ(学名 Artemisia pallens Wall.)及びその類縁植物から得られる精油であるダバナオイルを添加することにより、アルコール含有飲料のバーニング感を抑制できることが記載されている。
モルトエキスは、麦芽又はこれを焙煎したものから抽出した麦芽汁を糖化することにより得られるもので、特に、麦芽又はこれを焙煎したものを水で抽出した麦芽汁を糖化して得られるものである。
特許文献3には、モルトエキスを添加することで、大豆タンパク質の不快な大豆臭や苦味、渋みを改善できることが、また、特許文献4には、モルトエキスを添加することで、濃厚流動食のエグ味、塩味、苦味、臭みをマスキングできることが、さらに、特許文献5には、コラーゲンが有する不快味をマスキングできることが、それぞれ記載されている。
さらに、モルトエキスには、酸味のマスキング効果(特許文献6)や、塩味を増強する効果(特許文献7)があることが知られている。
しかしながら、これらの文献には、モルトエキスに、アルコール飲料のアルコールに起因する苦味やバーニング感を抑制する効果があることは、記載も示唆もされていない。
特開平8−224075号公報 特開2010−268758号公報 特開2010−246449号公報 特開2010−246432号公報 特開2011−101636号公報 特開2011−254809号公報 特開2012−105号公報
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、アルコール飲料のアルコールに起因する苦味やバーニング感を抑えて、アルコールの軽やかな風味を生かしたアルコール飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねていたところ、アルコール飲料にモルトエキスを添加することにより、アルコール飲料のアルコールに起因する苦味やバーニング感を抑制できることを見出した。
すなわち、本発明は下記に掲げるアルコール飲料の苦味及び/又はバーニング感の抑制剤、並びにアルコール飲料の苦味及び/又はバーニング感の抑制方法に関するものである。
項1.モルトエキスを含有することを特徴とする、アルコール飲料の苦味及び/又はバーニング感の抑制剤。
項2.モルトエキスの含有割合が、アルコール飲料中のアルコール分1容量%に対して、5×10−6〜2×10−2質量部である、項1記載のアルコール飲料の苦味及び/又はバーニング感の抑制剤。
項3.アルコール飲料にモルトエキスを添加することを特徴とする、アルコール飲料の苦味及び/又はバーニング感の抑制方法。
項4.アルコール飲料中のアルコール分1容量%に対して、モルトエキスを5×10−6〜2×10−2質量部添加する、項3記載のアルコール飲料の苦味及び/又はバーニング感の抑制方法。
本発明において、アルコール飲料にモルトエキスを添加することにより、アルコールの軽やかな風味を生かしたまま、アルコールに起因する苦味やバーニング感、特にバーニング感を抑えて風味を向上させることができる。
本発明は、モルトエキスを含有することを特徴とする、アルコール飲料の苦味及び/又はバーニング感の抑制剤、及びに、モルトエキスを添加することを特徴とする、アルコール飲料の苦味及び/又はバーニング感の抑制方法に関するものである。
本発明で使用するモルトエキスは、好ましくは、麦芽又はこれを焙煎したものを水で抽出した麦芽汁を糖化したものを使用することができる。具体的には、麦芽又はこれを焙煎したものに対して、0.5〜100倍、好ましくは5〜20倍量の水を用いて、室温〜100℃で30分間〜15時間、麦芽を浸漬し、必要に応じて攪拌することにより抽出、糖化されたモルトエキスを使用することができる。モルトエキスは、液状、粉末状、ペースト状など使用形態は問わない。
モルトエキスは、例えば、粉末モルトブラウンHQ(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)などの市販品を利用することができる。
モルトエキスは、従来からパンの風味付けなどに利用されてきたが、モルトエキス自体特有の苦味を有するため、食品への応用はあまり検討されてこなかった。しかし、本発明では、モルトエキスをアルコール飲料に添加することにより、それ自体苦味を有するにも関わらず、意外にもアルコール飲料の苦味やバーニング感を抑制し、アルコール飲料の風味を向上させることができることを見出した。
本発明の対象となるアルコール飲料は、アルコール分2容量%(2V/V %)以上、好ましくは5〜40容量%、更に好ましくは8〜30容量%である飲料(酒類)であり、ビール、果実酒、日本酒等の醸造酒、焼酎、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ等の蒸留酒、蒸留酒に糖類等の副原料を混合するリキュール等の混成酒、さらにこれら酒類に果汁やフレーバー、炭酸ガス等を加えたカクテル、フィズ、チューハイ等が挙げられる。
本発明において、アルコール飲料中に添加するモルトエキスの添加量は、アルコール飲料中のアルコール分1容量%に対して、5×10−6〜2×10−2質量部であり、好ましくは、1×10−4〜1×10−2質量部であり、さらに好ましくは、5×10−4〜2.5×10−3質量部である。
アルコール飲料中のアルコール分1容量%に対して、モルトエキスの添加量が5×10−6質量部より少ないと、アルコール飲料の苦味やバーニング感の抑制効果が十分ではなく、また、2×10−2質量部より多いと、モルトエキス特有の味が出てしまうので、いずれも好ましくない。
モルトエキスのアルコール飲料への添加方法は、その飲料の製造方法によって適宜に選択できるが、水に予め溶解することが好ましい。
本発明において、多種多様のアルコール飲料の甘味付けとして、他の甘味料、即ち、しょ糖、ぶどう糖、果糖等の糖類、ソルビトール、マルチトール等の糖アルコール類、スクラロース、アスパルテーム、ネオテーム、ソーマチン、グリチルリチン、ステビア抽出物、ラカンカ抽出物、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム等の高甘味度甘味料等の中から選ばれる1種または2種以上を使用してもよい。
さらに、カクテルやチューハイでは、レモン、オレンジ、グレープフルーツ等の柑橘類やアップル、ピーチ、マンゴー等の果汁やフレーバーを添加してもよい。
その他、アルコール飲料に従来使用されている香料や着色料等を、本発明の効果を妨げない範囲で用いることができる。
以下、本発明の内容を以下の実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
以下の記載において、「部」は質量部を示し、「*」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製をそれぞれ示す。
実施例1
アルコール分5〜40容量%のアルコール水溶液を調製し、モルトエキス(粉末モルトブラウンHQ*)を添加して、次の基準でブランクと比較した苦味及びバーニング感の抑制効果を評価して、結果を表1に示した。
◎ :アルコールに起因した苦味とバーニング感が、非常に抑えられている。
○ :アルコールに起因した苦味とバーニング感が、抑えられている。
△ :アルコールに起因した苦味とバーニング感が、やや抑えられている。
× :効果なし。又は、ブランクより苦味が強くなっている。
Figure 0006095932
アルコール飲料中のアルコール分1容量%に対して、モルトエキスを5×10−6〜2×10−2質量部、好ましくは1×10−4〜1×10−2質量部、さらに好ましくは5×10−4〜2.5×10−3質量部添加することにより、アルコールの苦味や、喉が焼けるような刺激(バーニング感)が抑えられて、後味がすっきりすることが確認できた。
実施例2
表2の処方1〜8を水に加えて溶解させて、容器に充填し、9にて全量を1000mlにした。次いで70℃で20分の殺菌をして、アルコール分8容量%のアップルチューハイを調製した。
Figure 0006095932
モルトエキス(粉末モルトブラウンHQ*)を添加しない比較例1では、アルコールに起因した苦味やバーニング感があったが、モルトエキスを添加した実施例2(アルコール飲料中のアルコール1容量%に対して、モルトエキス1.5×10−3質量部添加)では、アルコールに起因した苦味やバーニング感を抑制でき、苦味が少なくすっきりとした飲み口のアップルチューハイを調製することができた。
本発明により、アルコール飲料の苦味及び/又はバーニング感を抑制することができ、そのためアルコールの軽やかな風味を生かしたアルコール飲料を提供することができるので、飲食品工業において有用である。



Claims (2)

  1. モルトエキスを含有することを特徴とする、アルコール飲料の苦味及び/又はバーニング感の抑制剤であって、モルトエキスの含有割合が、アルコール飲料中のアルコール分1容量%に対して、5×10 −6 〜2×10 −2 質量部である、アルコール飲料の苦味及び/又はバーニング感の抑制剤。
  2. アルコール飲料にモルトエキスを添加することを特徴とする、アルコール飲料の苦味及び/又はバーニング感の抑制方法であって、アルコール飲料中のアルコール分1容量%に対して、モルトエキスを5×10 −6 〜2×10 −2 質量部添加する、アルコール飲料の苦味及び/又はバーニング感の抑制方法。
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