JP6103191B2 - 磁性粉を原料とする造粒粉の製造方法。 - Google Patents
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Description
一般的に、圧粉磁芯は、シリコン系樹脂被膜を有する軟磁性粉末を加圧成形し、得られた圧粉体を高温で熱処理し、前記シリコン系樹脂被膜をSiOx系絶縁体に変性させることによって製造されている。このようにして得られた圧粉磁芯の磁気特性や機械的特性は、通常、出発材料として使用した軟磁性粉末の組成・形状、成形条件、熱処理条件等に依存する。このため、圧粉磁芯に用いられる材料やその製造方法に関して、特開2007−12744号公報(以下、「従来技術1」という。)に記載された発明のように、従来から、種々の提案がなされている。
上述した製造方法を採用すると、磁性体と樹脂との混合物が乾燥工程の後に強固に凝集する。このため、得られた乾燥物をメッシュに通しても、粒径が不揃いになってしまい、均一な粒径を有する造粒物(以下、「造粒粉」ということがある。)を得ることができないという問題点があった。
一方で、金型に巻線を配置し、上記のような粒径が不均一な造粒粉を入れてプレス形成を行って磁性素子を製造すると、造粒粉の流れが悪くなり、成形不良を起こす。さらに、粒径の小さい造粒粉が金型のパンチとダイとの隙間に入ると、金型が摩損することがある。このため、粒径が不均一な造粒粉を使用すると、生産効率が悪くなるという問題点があった。
したがって、均一な粒径を有する造粒粉を、効率良く製造することができる方法に対する強い社会的要請があった。
すなわち、本発明の第1の態様は、磁性粉末と、樹脂と、低沸点溶剤、高沸点溶剤とを混合し、スラリー状混合物を製造する混合物製造工程と;前記スラリー状混合物を加熱して、前記低沸点溶剤を蒸発させ、ペースト状混合物を製造する第1乾燥工程と;前記ペースト状混合物を、メッシュを通して解砕することによって製粒し、粒子を得る整粒工程と;前記粒子を加熱して前記高沸点溶剤を蒸発させて、磁性粒子を得る第2乾燥工程と;
を備え、前記低沸点溶剤は、沸点が90℃以下の有機溶剤であり、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、メタノール、エタノール、及びイソプロパノールからなる群から選ばれるいずれかのものであり、前記高沸点溶剤は、沸点が110〜200℃の範囲内にある有機溶剤であり、ブチルセロソルブ、ジイソブチルケトン、ペンタノール、イソペンタノール、キシレン、及び酢酸n−ブチルからなる群から選ばれるいずれかのものであり、前記樹脂は、その硬化温度が前記低沸点溶剤の沸点よりも高い、造粒物の製造方法。である。
前記低沸点溶剤は、沸点が90℃以下の有機溶剤であることが好ましく、前記低沸点溶剤は、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン、酢酸エチル、ベンゼン、メタノール、エタノール、及びイソプロパノールからなる群から選ばれるいずれかのものであることが好ましい。
また、前記第1乾燥工程は、50〜60℃で加熱することが好ましく、前記第2乾燥工程は、110〜130℃で加熱することが好ましい。前記整粒工程で使用するメッシュは、前記造粒物の粒子径よりも2〜5倍大きな目開き径を有するメッシュであることが好ましい。
スラリー状混合物は、スラリーの総重量に対して、80〜95重量%の磁性粉末と、4〜15重量%の低沸点溶剤と、0.2〜1.5重量%の高沸点溶剤と、1.5〜3.5重量%の樹脂とを使用することが好ましい。
(1)粒径が75μm未満である造粒物の割合が10%以下;
(2)粒径が500μmを超える造粒物の割合が20%以下;
(3)第1乾燥温度及び第2乾燥温度における乾燥性が良好。
また、本発明の第3の態様は、上記のようにして得られた造粒物中に、巻線が組み入れられたインダクタである。ここで、上記インダクタは、組み入れられた巻き線を含む前記造粒物を150〜200℃で硬化させたものであることが好ましい。
さらに、こうして得られた造粒粉は、流れがよく、成形不良を起こさないばかりでなく、成形金型を傷めることもなく、生産効率を挙げることができる。
ここで、上記混合物製造工程では、(a1)磁性粉末と、(a2)樹脂と、(a3)低沸点溶剤、(a4)高沸点溶剤とを混合し、スラリー状混合物を製造する。また、上記第1乾燥工程では、(b1)前記スラリー状混合物を加熱して、(b2)前記低沸点溶剤を蒸発させ、(b3)ペースト状混合物を製造する。次いで上記整粒工程では、(c1)前記ペースト状混合物を、メッシュを通して解砕し、(c2)整粒して粒子を得る。最後に、上記第2乾燥工程では、(d1)前記粒子を加熱し、(d2)前記高沸点溶剤を蒸発させて、磁性粒子を得る。
CIPは、真球状の均質な鉄粉であり、直径1〜8μmの粒度分布を有する。アモルファス純鉄粉は、結晶構造を持たない低損失な金属材料の一種であり、Feを主成分とするFe基アモルファス金属材料は、方向性ケイ素鋼板に比べて、無負荷損が小さいという特性を有する。
ケイ素鋼は、鉄にケイ素が3%前後含まれた軟質磁性材料であり、透磁率・電気抵抗が高く、磁気ヒステリシス損失が少ないという特性を有する。
センダストは、高透磁率合金の1つである。ケイ素9.5%,アルミニウム55.5%を含む鉄合金で,パーマロイに匹敵する高い透磁率を示す。また飽和磁束密度も高い。非常に硬くて脆いため、鍛造や圧延などの加工はできないという特性を有する。
上記の磁性粉末のうち、CIPを主として使用することが、透磁率が高く、直流重畳特性が上がるために好ましい。
こうした低沸点溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン、酢酸エチル、ベンゼン、メタノール、エタノール、及びイソプロパノールからなる群から選ばれるいずれかのものであることが、取り扱いの容易さ及び安全性の面から好ましい。これらの中でも、メチルエチルケトン及びアセトンを使用することが、揮発性が高く工程時間の短縮ができることからさらに好ましい。
こうした高沸点溶剤としては、ブチルセロソルブ、ジイソブチルケトン、テルピネオール、ペンタノール、イソペンタノール、キシレン、及び酢酸n−ブチルからなる群から選ばれるいずれかのものであることが、取り扱いの容易さ及び安全性の面から好ましい。これらの中でも、ブチルセロソルブ及びジイソブチルケトンを使用することが、蒸気圧が高く、110〜130℃前後の低い温度で乾燥造粒粉を乾燥させることができるため、さらに好ましい。
さらに、スラリー中の樹脂濃度は、スラリー総重量の2.6〜3.4重量%であることが、均質な造粒粉を得ることができるため、より好ましい。
また、スラリー中の高沸点溶剤と低沸点溶剤の総重量は、樹脂の重量の400〜500重量%であることが、スラリーに対する樹脂の分散性が向上すること、及び工程時間が短縮されることから好ましい。
さらに、高沸点溶剤の量は、樹脂の重量に対して20〜30重量%であることが、均質な造粒粉を得ることができるため、より好ましい。
換言すると、このスラリー状混合物は、スラリーの総重量に対して、80〜95重量%の磁性粉末と、4〜15重量%の低沸点溶剤と、0.2〜1.5重量%の高沸点溶剤と、1.5〜3.5重量%の樹脂とを使用して製造することが好ましい。
さらに、このスラリーは、80〜90重量%の磁性粉末と、6.9〜14.2重量%の低沸点溶剤と、0.5〜1.0重量%の高沸点溶剤と、2.6〜3.4重量%の樹脂とを使用することが、均質な造粒粉を得ることができるために、さらに好ましい。
このペーストをメッシュ(金網)に擦りつけて解砕し、整粒する。目標とする造粒粉の粒径の2〜5倍の目開き径を有する上記メッシュを使用することが好ましい。さらに、目標とする造粒粉の粒径の2〜4倍の目開き径を有するものであることが、均質な所望の粒径の造粒粉が得られることから、より好ましい。
例えば、目開き径が約200〜500μmの篩を用いると、約100μmの粒径の造粒粉を得ることができる。
まず、金型に、上述したようにして得た造粒粉を所定の量で入れる。ここに、所望の数で巻いた巻線を組み入れ、さらに造粒粉を入れて、巻線を覆う。金型をプレスし、造粒粉中の樹脂が硬化する温度以上の温度で、所望の時間加熱して、樹脂を硬化させる。
加熱温度は150〜200℃が好ましい。さらに、樹脂がエポキシ樹脂では150℃、樹脂がシリコン樹脂では200℃が、より好ましい。
(実施例1)本発明例1〜3の造粒粉の製造
本発明では、磁性粉として、粒子径が3〜5μmのカルボニル鉄粉を使用した。この鉄粉の組成は、Fe:Si:Cr=100:0:0であった。この磁性粉を、目開き径255〜500μmの篩で分級して使用した。
ガラス転移点が130〜140℃である熱硬化性エポキシ樹脂を使用した。低沸点溶剤としてはメチルエチルケトンを、また、高沸点溶剤としてはブチルセロソルブを、それぞれ使用した。
次いで、100gのカルボニル鉄粉と、上記の混合液の全量とを混合し、十分に撹拌してエポキシ樹脂をカルボニル鉄粉に対して十分に分散させ、スラリーを製造した。カルボニル鉄粉の混合割合は、スラリーの総重量に対して、約85%(w/w)であった。
次いで、目開き径355μmのメッシュ(篩)に、このペーストを擦りつけて解砕し、粒子を得た。
引き続き、上記で得られた粒子を高温槽に入れて110℃(第2乾燥温度)で25〜35分加熱してメチルセロソルブを蒸発させて整粒し、造粒粉を得た。以上のようにして、本発明例1の造粒粉を得た。
以上のようにして得られた本発明例1の造粒粉の粒径を、ふるいを用いて測定したところ、粒径が75μm未満の粒子(DS)の含有量は約5%、500μmを越える粒子(DL)の含有量は約10%、平均粒径は約100μmであった。
実施例1における第2乾燥温度を120℃に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明例2の造粒粉を得た。得られた本発明例2の造粒粉中のDS及びDLの割合、及び平均粒径は実施例1と同様であった。
(実施例3)本発明例3の造粒粉の製造
実施例1における第2乾燥温度を130℃に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明例3の造粒粉を得た。得られた本発明例3の造粒粉中のDS及びDLの割合、及び平均粒径は実施例1と同様であった。
実施例1で約50℃とした第1乾燥工程の温度を約60℃に上げた以外は実施例1と同様にして、本発明例4の造粒粉を製造した。得られた本発明例4の造粒粉中のDS及びDLの割合、及び平均粒径は実施例1と同様であった。
(実施例5)本発明例5の造粒粉の製造
実施例2で約50℃とした第1乾燥工程の温度を約60℃に上げた以外は実施例2と同様にして、本発明例5の造粒粉を製造した。得られた本発明例5の造粒粉中のDS及びDLの割合、及び平均粒径は実施例1と同様であった。
実施例3で約50℃とした第1乾燥工程の温度を約60℃に上げた以外は実施例3と同様にして、本発明例6の造粒粉を製造した。得られた本発明例6の造粒粉中のDS及びDLの割合、及び平均粒径は実施例1と同様であった。
(実施例7)本発明例7の造粒粉の製造
実施例2で、樹脂量に対して30wt%とした高沸点溶剤の添加量を、10wt%にした以外は実施例2と同様にして、本発明例7の造粒粉を得た。得られた本発明例7の造粒粉中のDSの割合は約9%、DLの割合は約11%であった。
実施例2で、樹脂量に対して30wt%とした高沸点溶剤の添加量を、20wt%にした以外は実施例2と同様にして、本発明例8の造粒粉を得た。得られた本発明例8の造粒粉中のDSの割合は約7%、DLの割合は約11%であった。本発明例8の造粒粉の性質は実施例1で得られた造粒粉1とほぼ同等であった
(実施例9)本発明例9の造粒粉の製造
実施例2で、樹脂量に対して30wt%とした高沸点溶剤の添加量を、40wt%にした以外は実施例2と同様にして、本発明例9の造粒粉を得た。得られた本発明例9の造粒粉中のDSの割合は約4%、DLの割合は約14%であった。
実施例2で、樹脂量に対して30wt%とした高沸点溶剤の添加量を、45wt%にした以外は実施例2と同様にして、本発明例8の造粒粉を得た。得られた本発明例8の造粒粉中のDSの割合は約4%、DLの割合は約18%であった。
(実施例11)本発明例11の造粒粉の製造
実施例2で、樹脂量に対して350wt%とした低沸点溶剤添加量を、250wt%にした以外は、実施例2と同様にして本発明例11の造粒粉を得た。
実施例2で、樹脂量に対して350wt%とした低沸点溶剤添加量を、450wt%にした以外は実施例2と同様にして、本発明例12の造粒粉を得た。
(実施例13)本発明例13の造粒粉の製造
実施例2で使用した高沸点溶剤をブチルセロソルブからプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに代えた以外は、実施例2と同様にして、本発明例13の造粒粉を得た。
実施例2で使用した高沸点溶剤をブチルセロソルブからシクロヘキサンに代えた以外は実施例2と同様にして、本発明例14の造粒粉を得た。
(実施例15)本発明例15の造粒粉の製造
実施例2で使用した高沸点溶剤をブチルセロソルブからジイソブチルケトンにした以外は実施例2と同様にして、本発明例15の造粒粉を得た。
実施例2で使用した低沸点溶剤をメチルエチルケトンからアセトンに代え、低沸点溶剤の対樹脂重量を250wt%とした以外は、実施例2と同様にして本発明例16の造粒粉を得た。
(実施例17)本発明例17の造粒粉の製造
実施例2で使用した低沸点溶剤をメチルエチルケトンからアセトンに代えた以外は、実施例2と同様にして本発明例17の造粒粉を得た。
実施例2で使用した低沸点溶剤をメチルエチルケトンからアセトンに代え、低沸点溶剤の対樹脂重量を450wt%とした以外は、実施例2と同様にして本発明例18の造粒粉を得た。
(実施例19)本発明例19の造粒粉の製造
実施例2で造粒粉に対して3.5wt%としたエポキシ樹脂添加量を2.0wt%とした以外は、実施例2と同様にして、本発明例19の造粒粉を得た。
(実施例20)本発明例20の造粒粉の製造
実施例2で造粒粉に対して3.5wt%としたエポキシ樹脂添加量を2.5wt%とした以外は、実施例2と同様にして、本発明例20の造粒粉を得た。
実施例2で造粒粉に対して3.5wt%としたエポキシ樹脂添加量を3.0wt%とした以外は、実施例2と同様にして、本発明例21の造粒粉を得た。
(実施例22)本発明例22の造粒粉の製造
実施例2で使用したエポキシ樹脂をシリコン樹脂に代えるとともに樹脂添加量を3.5重量%から3.7重量%にした以外は実施例2と同様にして、本発明例22の造粒粉を得た。
実施例22で使用した高沸点溶剤をブチルセロソルブからプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに代えた以外は実施例22と同様にして、本発明例23の造粒粉を得た。
(実施例24)本発明例24の造粒粉の製造
実施例22で使用した高沸点溶剤をブチルセロソルブからシクロヘキサンに代えた以外は実施例22と同様にして、本発明例24の造粒粉を得た。
(実施例25)本発明例25の造粒粉の製造
実施例22で使用した高沸点溶剤をブチルセロソルブからジイソブチルケトンに代えた以外は実施例22と同様にして本発明例25の造粒粉を得た。
実施例1で使用したブチルセロソルブをメチルエチルケトンに代えてメチオルエチルケトンのみとした以外は実施例1と同様にして、比較例1の造粒粉を得た。
(比較例2)比較例2の造粒粉の製造
実施例1で110℃とした第2乾燥温度を100℃にした以外は実施例1と同様にして、比較例2の造粒粉を得た。
実施例1で、110℃とした第2乾燥温度を140℃にした以外は実施例1と同様にして、比較例3の造粒粉を得た。
(比較例4)比較例4の造粒粉の製造
実施例2で樹脂量に対して30wt%とした高沸点溶剤の添加量を8wt%にした以外は実施例2と同様にして、比較例4の造粒粉を得た。
実施例2で樹脂量に対して30wt%とした高沸点溶剤の添加量を、50wt%にした以外は実施例2と同様にして、比較例5の造粒粉を得た。
(比較例6)比較例6の造粒粉の製造
実施例2で使用した高沸点溶剤をブチルセロソルブからメチルイソブチルケトンに代えた以外は実施例2と同様にして、比較例6の造粒粉を得た。
実施例2で使用した高沸点溶剤をブチルセロソルブからn-ブチルアルコールに代えた以外は、実施例2と同様にして比較例7の造粒粉を得た。
(比較例8)比較例8の造粒粉の製造
実施例2で使用した高沸点溶剤をブチルセロソルブから2-2ブトキシエトキシエタノールに代えた以外は、実施例2と同様にして比較例8の造粒粉を得た。
実施例2で3.5重量%としていた樹脂添加量を1.5%重量にした以外は、実施例2と同様にして比較例9の造粒粉を得た。
(比較例10)比較例10の造粒粉の製造
実施例2で使用した樹脂をエポキシからシリコンとし、高沸点溶剤をブチルセロソルブからメチルイソブチルケトンとした以外は、実施例2と同様にして比較例10の造粒粉を得た。
比較例10で使用した高沸点溶剤をブチルセロソルブからn-ブチルアルコールとした以外は、比較例10と同様にして比較例11の造粒粉を得た。
(比較例12)比較例12の造粒粉の製造
比較例10で使用した高沸点溶剤をブチルセロソルブから2-2ブトキシエトキシエタノールとした以外は、比較例10と同様にして比較例12の造粒粉を得た。
本発明例1〜25及び比較例1〜12の造粒粉の製造条件を各造粒粉の物性とともに表1及び表2に示す。
*1:対造粒粉重量
*2:MEK:メチルエチルケトン
BCS:ブチルセロソルブ
PGM: プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート
CHEX: シクロヘキサン
DIB: ジイソブチルケトン
ACT: アセトン
MIB: メチルイソブチルケトン
NBA: n-ブチルアルコール
BEE: 2-2ブトキシエトキシエタノール
*4:粒径が75μm未満の粒子の量(DS)及び500μmの粒子の量(DL)の粒子全体に占める割合で評価した。
Ar=DSが5%以下、かつDLが10%以下
Br=DSが10%以下、かつDLが10%以上、20%以下
Cr=DSが10%以上、かつDLが20%超
*5:透磁率は、100kHzで測定した。成形圧は4ton/cm2とした。
*6:直流重畳特性は、100kHzで測定した(Δμ-20%)
*7:Pcvは100kHz、50mTの条件で測定した。
透磁率は、Am(良好)、Bm(やや良好)、又はCm(不良)で評価した。
直流重畳性は、Ah(良好)、Bh(やや良好)、又はCh(不良)で評価した。
Pcvは、Ap(良好)、Bp(やや良好)、又はCp(不良)で評価した。
本発明例1〜25の造粒粉はいずれも、DSが10%以下かつDLが20%以下という粒径範囲にあり、粒径のばらつきは少なかった。
これに対し、比較例1〜12の造粒粉は、第1乾燥工程での乾燥は良好であったが、比較例1及び9の造粒粉を除き、第2乾燥工程での乾燥状態が不良であった。第2乾燥工程の温度が100℃の場合には高沸点溶剤の残留が多く、製造されたペーストをメッシュに通すことができなかった。このことは、所望の粒径の造粒粉を得ることができないことを示す。
比較例1、4、6、7、10及び11の造粒粉は、乾燥工程でペーストの乾燥が進み過ぎ、粒径にバラつきが大きくなっていた。また、比較例5、8及び12の造粒粉は高沸点溶剤の残存量が多く、メッシュを通すことができなかったため、後述する成形を行うことができなかった。
本発明例1と一般的な磁性粉(Fe:Si:Cr=92:4:4)を用いて、以下の条件でトロイダルコアを製造し、特性を比較した。
(1)材料
本発明例1と引用文献2と似たような造粒粉で、それぞれトロイダルコアを作製し、比透磁率、μ周波数、直流重畳特性及びコアロス特性を測定し比較した。
トロイダルコア:φ15mm×2.5mmt(成形圧力 4t/cm2)
巻数:本発明例1の磁性粉末(CIP)=19T
一般的な磁性粉末(Fe-Si-Cr)=10T
コアロスは、B−Hアナライザを用いて、周波数を100kHz〜10MHzまでの間で調べた。結果を、上記表1及び2、並びに図1〜図4に示す。
このことから、製品として同じインダクタンス(L)を得るためには、巻数を多くするか、より高い成形圧を欠けることが必要になることが示された。
一方、図4に示すように、コアロスについては、100kHzの時点における本発明例1の磁性粉末を用いたトロイダルコアの方が、一般的な磁性粉末を用いたトロイダルコアよりも、コアロスが少なく、周波数が高くなると、その差が大きくなることが示された。
このことから、図2に示すように1.5MHzを越える領域では、本発明例1の磁性粉末を用いたトロイダルコアの方が、コアロスが少ないため、コイルの自己共振周波数の近傍で比透磁率が大きく上昇したが、一般的な磁性粉末を用いたトロイダルコアでは、コアロスが大きいため逆に低下傾向が認められた。
図3(A)は、上述したFe-Si-Crの巻数を10T、CIPの巻数を19Tとして測定したため、初期透磁率に相違がみられた。しかし、透磁率が同じであると想定した場合でも、本発明例1の磁性粉末と一般的な磁性粉末の透磁率の差は約1.3倍であるので、磁性粉末を用いたトロイダルコアの方が良好な直流重畳特性を得られると考えられた。
以上より、本発明の方法で製造された磁性粉末は、比透磁率を除き、良好な特性を示した。
Claims (12)
- 磁性粉末と、樹脂と、低沸点溶剤、高沸点溶剤とを混合し、スラリー状混合物を製造する混合物製造工程と;
前記スラリー状混合物を加熱して、前記低沸点溶剤を蒸発させ、ペースト状混合物を製造する第1乾燥工程と;
前記ペースト状混合物を、メッシュを通して解砕することによって製粒し、粒子を得る整粒工程と;
前記粒子を加熱して前記高沸点溶剤を蒸発させて、磁性粒子を得る第2乾燥工程と;
を備え、
前記低沸点溶剤は、沸点が90℃以下の有機溶剤であり、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、メタノール、エタノール、及びイソプロパノールからなる群から選ばれるいずれかのものであり、
前記高沸点溶剤は、沸点が110〜200℃の範囲内にある有機溶剤であり、ブチルセロソルブ、ジイソブチルケトン、ペンタノール、イソペンタノール、キシレン、及び酢酸n−ブチルからなる群から選ばれるいずれかのものであり、
前記樹脂は、その硬化温度が前記低沸点溶剤の沸点よりも高い、造粒物の製造方法。
造粒物の製造方法。 - 前記磁性粉末は、カルボニル鉄粉、アモルファス鉄粉、ケイ素鋼、パーマロイ及びセンダストからなる群から選ばれるいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の造粒物の製造方法。
- 前記樹脂は、硬化温度が150℃以上の樹脂であることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の造粒物の製造方法。
- 前記樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びアミノ樹脂からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の造粒物の製造方法。
- 前記高沸点溶剤は前記樹脂重量に対して、10〜60重量%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の造粒物の製造方法。
- 前記高沸点溶剤は前記樹脂重量に対して、10〜45重量%であることを特徴する、請求項5に記載の造粒物の製造方法。
- 前記第1乾燥工程は、50〜60℃で加熱することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の造粒物の製造方法。
- 前記第2乾燥工程は、110〜130℃で加熱することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の造粒物の製造方法。
- 前記整粒工程で使用するメッシュは、前記造粒物の粒子径よりも2〜5倍大きな目開き径を有するメッシュであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の造粒物の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の方法で製造され、以下の特性を有する造粒物:
(1)粒径が75μm未満である造粒物の割合が10%以下;
(2)粒径が500μmを超える造粒物の割合が20%以下;
(3)第1乾燥温度及び第2乾燥温度における乾燥性が良好。 - 請求項10に記載の造粒物中に、巻線が組み入れられたインダクタ。
- 組み入れられた巻き線を含む前記造粒物を150〜200℃で硬化させた、請求項11に記載のインダクタ。
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