JP6104760B2 - 金属ナノ粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1においては、平均粒径が50nm以下かつ耐酸化性および分散安定性に優れた銅ナノ粒子を提供する方法が開示されている。
本発明者らは、特許文献1に記載の方法を参照して、金属ナノ粒子の製造を行ったところ、金属ナノ粒子の凝集体の粒径(二次粒子径)は昨今要求されるレベルより大きく、さらなる改善が必要であることを知見した。
また、各種用途への応用の点を考慮すれば、金属ナノ粒子を構成する金属原子は、実質的には1種のみの金属原子から構成されていることが好ましく、異種の金属原子がなるべく含まれないことが好ましい。つまり、金属ナノ粒子の純度がより高いことが望ましい。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
A液:第1の金属イオンと、第1の金属イオンの酸化還元電位よりも高い酸化還元電位を有する第2の金属イオンとを含み、第2の金属イオンの含有質量と第1の金属イオンの含有質量との比(第2の金属イオンの含有質量/第1の金属イオンの含有質量)が0.005以下である溶液
B液:第1の金属イオンおよび第2の金属イオンを還元する還元剤を含む溶液
なお、A液およびB液の少なくともいずれか一方には、分散剤が含まれる。
(2) 第1の金属イオンが、銅イオンである、(1)に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
(3) 第2の金属イオンが、銀イオンおよびパラジウムイオンからなる群から選択される少なくとも1つである、(1)または(2)に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
(4) 分散剤が、コラーゲンペプチドを含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の金属ナノ粒子の製造方法。
(5) 金属ナノ粒子の二次粒子径が100nm以下である、(1)〜(4)のいずれかに記載の金属ナノ粒子の製造方法。
まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。
上述したように、本発明の一つの特徴点は、酸化還元電位の異なる2種の金属イオンを含む溶液を用いて、マイクロリアクターにて金属イオンの還元を行い、金属ナノ粒子を製造している点が挙げられる。
従来のバッチ法では、溶液中における各種成分の混合がゆっくり進行するため、反応初期では十分に各成分が混合しておらず、溶液中の微小領域において各種成分の濃度のバラツキが生じやすい。そのため、反応初期で得られる金属ナノ粒子と、反応後期で得られる金属ナノ粒子とで、反応成分の濃度や分散剤の吸着量が異なり、結果として粒径のバラツキが生じてしまい、金属ナノ粒子の微粒子化が困難であった。
一方、マイクロリアクターを用いた場合は、各種成分の混合が瞬時に達成されるため、溶液中において各種成分が均一に分散する。そのため、第2の金属イオンから反応初期に形成される、触媒として機能する金属ナノ粒子がより微小かつ均一になりやすく、触媒活性を高めることができる。そのためバッチ法と比べて第2の金属イオンを減らすことができ、使用する触媒量が少なくて済むため、異種金属の量を減らすことができる。結果として、本発明においては、純度が高く、かつ、凝集が起きにくい金属ナノ粒子が得られる、と推測される。
(金属イオン)
A液は、第1の金属イオンと、第1の金属イオンの酸化還元電位よりも高い酸化還元電位を有する第2の金属イオンとを含む。A液は、金属ナノ粒子を構成する金属成分を供給する役割を果たす。
なお、第2の金属イオンは、第1の金属イオンの酸化還元電位より高い酸化還元電位を示す。つまり、第2の金属イオンは、第1の金属イオンよりもより貴な金属イオンである。そのため、後述するB液中の還元剤との反応の際に、第2の金属イオンのほうが先に還元して、第2の金属イオン由来の金属原子を主に含む微量な金属微粒子が形成される。該金属微粒子は、第1の金属イオンの生成時の核としての機能や、第1の金属イオンの還元時の触媒としての機能を有しており、結果として得られる金属ナノ粒子がより微粒子化すると共に、二次粒子への会合が抑制される。
上記第1の金属イオンの供給源は特に制限されず、各種金属の酢酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、塩化物、臭化物、水酸化物、酸化物などの金属化合物が挙げられる。より具体的には、銅イオンを供給する場合は、例えば、水に可溶な銅の塩または水酸化物を原料として好ましく用いることができる。そのような化合物としては酢酸銅、硫酸銅、塩化銅、水酸化銅などが挙げられる。また、これらの水和物(例えば硫酸銅五水和物など)でもよい。
上記第2の金属イオンの供給源は特に制限されず、各種金属の酢酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、塩化物、臭化物、水酸化物、酸化物などの金属化合物が挙げられる。
比が0.005超の場合、金属ナノ粒子の純度が下がり、結果として各種用途への応用が制限される。また、第2の金属イオンは第1の金属イオンより高価であることが多く、原料コストの上昇を招く。
A液には、必要に応じて、上記金属イオン以外の成分が含まれていてもよい。以下、各種任意成分について詳述する。
通常、A液には、溶媒が含まれる。溶媒としては、例えば、水、アルコール類、エーテル類、エステル類などの有機溶媒を幅広く用いることが可能であり、特に限定されないが、分散安定性の観点から、水、1〜3価のヒドロキシル基を有する脂肪族アルコール、アルコール由来のアルキルエーテル、および、アルコール由来のアルキルエステルからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく用いられる。
なかでも、1〜3価のヒドロキシル基を有する炭素数1〜4の脂肪族アルコールが、沸点が高すぎず焼結後に残存しにくいことからより好ましく、具体的には、メタノール、エチレングリコール、グリセリン、2−メトキシエタノール、ジエチレングリコールであることが好ましい。
なかでも、1〜3価のヒドロキシル基を有する炭素数1〜4の脂肪族アルコール由来の炭素数2〜8のアルキルエーテルが好ましく、具体的には、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランがより好ましい。
なかでも、1〜3価のヒドロキシル基を有する炭素数1〜4の脂肪族アルコール由来の炭素数2〜8のアルキルエステルが好ましく、具体的には、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチルがより好ましい。
A液および後述するB液の少なくともいずれか一方には、金属ナノ粒子を分散安定化させる分散剤が含まれる。分散剤は、金属ナノ粒子の表面に吸着し、金属ナノ粒子同士の凝集を抑制し、分散安定性を向上させる保護剤として機能する。
使用される分散剤の種類は特に制限されず、公知の分散剤を使用することができる。例えば、アルキルアミン、アルカンチオール、アルカンジオールなどの低分子型分散剤や、各種官能基を有する高分子型分散剤などが挙げられる。
なお、高分子型分散剤としては、例えば、スチレン系樹脂(スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体など)、アクリル系樹脂((メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸などの(メタ)アクリル酸系樹脂など)、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリルウレタン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(ニトロセルロース;エチルセルロースなどのアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースなどのアルキル−ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシアルキルセルロースなどのセルロースエーテル類など)、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール(液状のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、天然高分子(ゼラチン、デキストリン、アラビヤゴム、カゼインなどの多糖類など)、ポリエチレンスルホン酸またはその塩、ポリスチレンスルホン酸またはその塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、窒素原子含有高分子化合物[例えば、ポリアルキレンイミン(ポリエチレンイミンなど)、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン、ポリエーテルポリアミン(ポリオキシエチレンポリアミンなど)などのアミノ基を有する高分子化合物]などが挙げられる。
金属ナノ粒子表面における密度を高くして耐酸化性を向上させるという理由から、コラーゲンペプチドの重量平均分子量は7000以下であることが好ましく、6800以下であることがより好ましく、5000以下であることがさらに好ましく、3000以下であることが特に好ましい。また、金属ナノ粒子との吸着点を多くすることで金属ナノ粒子から遊離しにくい状態で被覆し、分散安定性を向上させるという理由から、コラーゲンペプチドの重量平均分子量は1000以上であることが好ましく、2000以上であることがより好ましく、2700以上であることがさらに好ましい。
コラーゲンペプチドの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて確認できる。即ち、GPCでコラーゲンペプチドの重量平均分子量を求めるには、あらかじめ分子量が既知でそれぞれ異なる複数のポリマー(例えばポリエチレングリコール:PEG)数種を同条件で測定して得られたリテンションタイムと分子量との関係の検量線を元に算出すればよい。本発明における平均分子量とは、この手法に従ってGPCより算出した重量平均分子量を指す。
また、コラーゲンペプチドを構成するアミノ酸組成およびアミノ酸数については、上記分子量の範囲内であれば特に制限はなく、例えば、アミノ酸を3残基(ペプチド結合2個)有するコラーゲントリペプチドなど、ペプチド結合を2〜6個有するオリゴペプチドが挙げられる。
本発明におけるコラーゲンペプチドとして市販品を用いる場合、ナチコール1000(WEISHARDT製、重量平均分子量2700)、ナチコール4000(WEISHARDT製、重量平均分子量6800)などを用いることができる。
A液には、必要に応じて、錯化剤が含まれる。錯化剤を使用することにより、上述した第1の金属イオンおよび第2の金属イオンの溶媒に対する溶解性を向上させることができる。
錯化剤としては、金属イオンと錯体を形成するものであれば限定されないが、酸素原子、窒素原子、または、硫黄原子を含む配位性の官能基を有するものが好ましい。そのような官能基としては、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、アミノ基、チオール基などが挙げられ、水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基が好ましい。また、これら官能基を、同一分子内に二種類以上含有する形態も好ましい。
錯化剤としては、例えば、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸などのオキシカルボン酸またはこれらの塩、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)グリシン(DHEG)、グリコールエーテルジアミン四酢酸、アスパラギン酸二酢酸、メチルグリシン二酢酸、グルタミン酸二酢酸、エチレンジアミンジコハク酸などのアミノカルボン酸またはこれらの塩、トリエタノールアミン、グリセリンが挙げられ、酒石酸、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)グリシン(DHEG)が好ましい。また、これらの塩(例えば酒石酸ナトリウムなど)でもよく、水和物(例えば酒石酸ナトリウム二水和物など)でもよい。
A液には、必要に応じて、A液のpHを調整するためのpH調整剤が含まれていてもよい。
pH調整剤としては、公知の酸性化合物や塩基性化合物を使用できる。
酸性化合物としては、例えば、塩酸、硫酸、硫酸などを使用できる。塩基性化合物としては、例えば、水溶性アルカリ金属化合物(アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水酸化物)、アンモニア、アンモニウム塩化合物などが挙げられる。
B液には、上述した第1の金属イオンおよび第2の金属イオンを還元する還元剤が含まれる。該還元剤により、第1の金属イオンおよび第2の金属イオンはそれぞれ金属原子に還元される。
還元剤としては、上記第1の金属イオンおよび第2の金属イオンを金属原子に還元することができれば、その種類は特に制限されず、公知の還元剤を使用することができる。例えば、ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、抱水ヒドラジンなどのヒドラジン系還元剤や、水素化ホウ素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、次亜硝酸ナトリウム、亜リン酸、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、アルデヒド類、アルコール類、アミン類、糖類などが挙げられ、これらを1種または2種以上を用いてもよい。
本発明の金属ナノ粒子の製造方法は、マイクロリアクターを用いて、上述したA液およびB液を混合して、金属ナノ粒子を製造する方法である。
以下では、本方法で使用されるマイクロリアクター、および、混合条件について詳述する。
マイクロリアクターとは、複数の物質を混合する混合部(マイクロミキサー)とそれに続く所望の反応を生じさせる流路(反応部)からなる微小流通式反応器であり、混合部および反応部の流路断面の最小長さが数μmから数千μmのものが代表的である。マイクロミキサーには、通常、複数の流入路が連通しており、該流入路を通じて供給される複数の液体(原料化合物)は、混合部(マイクロミキサー)で合流することにより、混合され、それに続く流路(反応部)にて所定の反応が生じる。
混合部(マイクロミキサー)の形状等については特に制限はなく、T字型ミキサーやY字型ミキサー等の公知のものを使用できる。
混合部(マイクロミキサー)に繋がる流入路の口径は特に制限されないが、0.01〜1000μm程度が好ましい。
また、流路(反応部)の口径は特に制限されないが、1μm〜10mm程度が好ましく、拡散混合を進める点で1〜100μmがより好ましい。
市販されているマイクロリアクターとしては、例えば、インターディジタルチャンネル構造体を備えるマイクロリアクター、インスティチュート・フュール・マイクロテクニック・マインツ(IMM)社製シングルミキサーおよびキャタピラーミキサー;ミクログラス社製ミクログラスリアクター;CPCシステムス社製サイトス;山武社製YM−1、YM−2型ミキサー;島津GLC社製ミキシングティーおよびティー(T字型コネクタ、Y字型コネクタ);マイクロ化学技研社製IMTチップリアクター;東レエンジニアリング開発品マイクロ・ハイ・ミキサー;中心衝突型ミキサー(K−M型)等が挙げられ、いずれも本発明に使用することができる。
図1に示すマイクロリアクター(MR)は、マイクロミキサー(M)とマイクロチューブ(R)とで構成される。マイクロリアクター(MR)には2つの原料供給口(点1,点2)と、1つの生成物出口(点6)があり、原料供給口の一方にはA液を供給し、もう一方の供給口にはB液を供給する。溶液Aおよび溶液BはマイクロミキサーMの点5で接触し混合し、点5から点6の区間で反応が完了し、生成物が得られる。
なお、点1,2はマイクロリアクターへの原料供給口、点3,4はマイクロミキサーへの原料供給口、点はA液とB液の混合開始点、点6はリアクターの出口を示す。
マイクロリアクターにおけるレイノルズ数は特に制限されないが、二次粒子径がより小さい金属粒子が得られる点で、100〜3000に制御することが好ましい。なお、レイノルズ数とは下記の式(1)に従って計算されるものである。
式(1) レイノルズ数Re=D<υx>ρ/μ
Dは流路の等価直径、<υx>は断面平均速度、ρは流体の密度、μは流体の粘度を表す。
さらに、送液用のポンプは工業的に使用される送液ポンプのいずれでも使用可能だが、できるだけ送液時に脈動を生じない機種が望ましい。好ましくは、プランジャーポンプ、ギアーポンプ、ロータリーポンプ、ダイヤフラムポンプなどである。
なお、A液およびB液を混合する際の温度条件は特に制限されないが、二次粒子径のより小さい金属ナノ粒子が得られる点で、10〜90℃が好ましく、40〜80℃がより好ましい。
滞留時間としては、二次粒子径がより小さい金属ナノ粒子が得られる点で、0.1〜100秒が好ましく、0.1〜10秒がより好ましい。
上記手順により得られる金属ナノ粒子は、純度が高く、二次粒子径も小さい。なお、通常、A液およびB液には溶媒が含まれるため、上記手順を経て金属ナノ粒子が溶媒中に分散した分散液(金属ナノ粒子分散液)として得られる。
得られる金属ナノ粒子の純度としては、99.5%以上が好ましく、99.8%以上がより好ましい。なお、ここで純度とは、上記方法で得られる金属ナノ粒子の全金属原子に対する、主成分として含まれる第1の金属イオン由来の金属原子の質量割合を意図する。
なお、金属ナノ粒子の二次粒子径とは平均二次粒子径のことを意図し、金属ナノ粒子分散液中に存在する、連結していない一次粒子を含む全ての金属ナノ粒子の平均粒子径を指す。二次粒子径は、得られた金属ナノ粒子分散液を用いて、動的光散乱法(例えば、Marveln社製動的光散乱測定装置(ゼータサイザーZS))により数平均粒子径を測定して求められる。
金属ナノ粒子を含む導電性インクを用いた配線形成方法としては、該導電性インクをインクジェット法により吐出して基板等に着弾させ、着弾したインク滴を焼成して配線を形成させる方法が好ましい。
(A液(銅原料溶液)の調製)
銅原料である硫酸銅五水和物(和光純薬製)2.5g、添加剤である酢酸パラジウム(和光純薬製)2.6mg、錯化剤である酒石酸ナトリウム二水和物(和光純薬製)2.3g、水酸化ナトリウム2.0g、保護剤であるナチコール1000(WEISHARDT製、重量平均分子量2700のコラーゲンペプチド)200mg、純水90mLを入れ、室温で30分攪拌して均一な溶液とした。得られた溶液をシリンジに充填し、HARVARD社製シリンジポンプにセットした。
なお、A液中における、第1の金属イオンに該当する銅イオンと、第2の金属イオンに該当するパラジウムイオンとの質量比(第2の金属イオンの質量/第1の金属イオンの質量)は、0.002であった。
還元剤である水素化ホウ素ナトリウム0.25gおよび水酸化ナトリウム1.0gを水30gに溶解し、均一な溶液とした。得られた溶液をシリンジに充填し、HARVARD社製シリンジポンプにセットした。
シリンジポンプとリアクターを長さ50cm、内径0.5mmのテフロンチューブ(流入路に相当)で連結した。リアクターはEYELA社製T字型リアクター(内径0.5mm)を用いた。なお、該リアクターは、上述した図1で示す、マイクロミキサー(M)に該当する。リアクターから受け容器までは長さ20cm、内径2mmのテフロンチューブで連結した。また、水浴を用いてリアクターを80℃に加熱した。
シリンジポンプを用いてA液(銅原料溶液)を45mL/min、B液(還元剤溶液)を15mL/minで送液して、リアクター内においてA液とB液を混合して反応させ、チューブの先端より分散液を捕集して、金属ナノ粒子(銅ナノ粒子)を合成した。
なお、本流量におけるレイノルズ数は700であった。
攪拌機、冷却管を備えた500mlの三口フラスコに、銅原料である硫酸銅五水和物(和光純薬製)2.5g、添加剤である酢酸パラジウム(和光純薬製)2.6mg、錯化剤である酒石酸ナトリウム二水和物(和光純薬製)2.3g、水酸化ナトリウム2.0g、保護剤であるナチコール1000(WEISHARDT製、重量平均分子量2700のコラーゲンペプチド)200mg、純水90mLを入れ、室温で30分攪拌して均一な溶液とした。次いで、還元剤である水素化ホウ素ナトリウム0.25gおよび水酸化ナトリウム1.0gを水30gに溶解し、得られた水溶液を上記溶液に5mL/minの滴下速度で滴下し、さらに室温で2時間反応を行い、金属ナノ粒子を合成した。
実施例1および比較例1で得られた金属ナノ粒子分散液中の金属ナノ粒子の二次粒子径を、Marveln社製動的光散乱測定装置(ゼータサイザーZS)にて測定した。
実施例1において得られた金属ナノ粒子の二次粒子径(数平均粒子径)が約20nmであったのに対し、比較例1において得られた金属ナノ粒子の二次粒子径(数平均粒子径)は約2000μmであった。
実施例1および比較例1で得られた金属ナノ粒子分散液中の金属ナノ粒子の純度を、限外ろ過およびICPを用いて測定した。
すなわち、実施例1および比較例1で得られた金属ナノ粒子分散液を限外ろ過して濃縮し、金属ナノ粒子分散液から除去したろ液に銅およびパラジウムがほぼ含まれていないことをICPで確認することで、仕込んだ銅およびパラジウムはほぼ全て分散液中に存在すること、すなわち、実施例1および比較例1の分散液は共に、A液中における銅イオンとパラジウムイオンとの仕込み比と略同じ組成を有し、銅原子の純度が高いことが確認された。なお、限外ろ過の前後で粒子の凝集がないことは光散乱の測定より確認した。
3,4 マイクロミキサーへの原料供給口
5 A液およびB液の混合開始点
6 マイクロリアクターの出口
Claims (3)
- マイクロリアクターを用いて、以下のA液およびB液を混合して金属ナノ粒子を製造する、金属ナノ粒子の製造方法であって、
A液:第1の金属イオンと、前記第1の金属イオンの酸化還元電位よりも高い酸化還元電位を有する第2の金属イオンとを含み、前記第2の金属イオンの含有質量と前記第1の金属イオンの含有質量との比(第2の金属イオンの含有質量/第1の金属イオンの含有質量)が0.005以下である溶液
B液:前記第1の金属イオンおよび前記第2の金属イオンを還元する還元剤を含む溶液
前記第1の金属イオンが、銅イオンであり、
前記金属ナノ粒子の二次粒子径が100nm以下である、金属ナノ粒子の製造方法。
なお、A液およびB液の少なくともいずれか一方には、分散剤が含まれる。 - 前記第2の金属イオンが、銀イオンおよびパラジウムイオンからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
- 前記分散剤が、コラーゲンペプチドを含む、請求項1または2に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
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