JP6106232B2 - グラファイトシート用粘着シート - Google Patents
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Description
上記のように、所定以下の厚さを有する基材フィルムとして、黒色着色剤含有基材フィルムを用いることで、従来設けられていた黒色印刷層が不要になる。これにより、黒色印刷層に起因する基材フィルムの熱変形(カール)を防止することができ、優れた接着安定性が実現される。また、黒色印刷層をなくすことにより、その分の厚さを粘着剤層に充てることができる。そのため、グラファイトシートに対する接着性が向上し、この点においても接着安定性は向上する。
ここに開示される粘着シートは、基材フィルム(支持体)の一方の表面に粘着剤層を有する形態の基材付き片面接着性の粘着シートである。ここでいう粘着シートの概念には、粘着テープ、粘着ラベル、粘着フィルム等と称されるものが包含され得る。なお、ここに開示される粘着シートは、ロール状であってもよく、枚葉状であってもよい。あるいは、さらに種々の形状に加工された形態の粘着シートであってもよい。
ここに開示される基材フィルムは、黒色着色剤を含む基材フィルムであり、典型的には黒色着色剤が練り込まれた樹脂フィルムである。ここで黒色着色剤が練り込まれた基材フィルムとは、基材フィルムの主構成材料(基材フィルム中に最も多く含まれる材料。典型的には樹脂材料)中に、黒色着色剤が混合された基材フィルムをいう。黒色着色剤は、実質的に基材フィルム中に分散状態で含まれる。基材フィルムにおける黒色着色剤には完全な均一分散までは要求されないが、黒色着色剤は、基材フィルムの複数箇所(例えば10点以上)の透過率が15%以下になる程度まで基材フィルム中に分散していることが好ましい。上記黒色着色剤含有基材フィルムを用いることにより、優れた接着安定性が実現される。また、黒色着色剤含有基材フィルムは、当該基材フィルムと同じ厚みの従来の着色層と樹脂フィルムとの積層構造基材フィルムと比べて樹脂フィルムが相対的に厚くなる分コシがあり、貼り合わせまでのハンドリング性に優れる。このハンドリング性の向上は、特に粘着シートを薄厚にしたときに顕著な差となって現れ、接着性や接着安定性の安定的発現に貢献する。さらに、着色層(典型的には黒色印刷層)が背面側に位置する従来の粘着シートでは、背面に付着した皮脂をアルコールで拭き取る際に、トップコート層(耐指紋層等)とともに着色層も除去されてしまうという問題があったところ、黒色着色剤含有基材フィルムを用いることにより、そのような問題も解消され得る。
ここに開示される技術において、粘着剤層を構成する粘着剤の種類は特に限定されない。上記粘着剤は、粘着剤の分野において公知のアクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ポリエーテル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、フッ素系ポリマー等の各種ゴム状ポリマーの1種または2種以上をベースポリマーとして含むものであり得る。粘着性能やコスト等の観点から、アクリル系ポリマーまたはゴム系ポリマーをベースポリマーとして含む粘着剤を好ましく採用し得る。なかでもアクリル系ポリマーをベースポリマーとする粘着剤(アクリル系粘着剤)が好ましい。以下、アクリル系粘着剤により構成された粘着剤層、すなわちアクリル系粘着剤層を有する粘着シートについて主に説明するが、ここに開示される粘着シートの粘着剤層をアクリル系粘着剤により構成されたものに限定する意図ではない。
また、「アクリル系ポリマー」とは、該ポリマーを構成するモノマー単位として、1分子中に少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を有するモノマーに由来するモノマー単位を含む重合物をいう。以下、1分子中に少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を有するモノマーを「アクリル系モノマー」ともいう。したがって、この明細書におけるアクリル系ポリマーは、アクリル系モノマーに由来するモノマー単位を含むポリマーとして定義される。アクリル系ポリマーの典型例として、該アクリル系ポリマーの合成に用いられる全モノマー成分のうちアクリル系モノマーの割合が50重量%より多いアクリル系ポリマーが挙げられる。
また、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイルおよびメタクリロイルを包括的に指す意味である。同様に、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートおよびメタクリレートを、「(メタ)アクリル」とはアクリルおよびメタクリルを、それぞれ包括的に指す意味である。
CH2=C(R1)COOR2 (1)
ここで、上記式(1)中のR1は水素原子またはメチル基である。また、R2は炭素原子数1〜20の鎖状アルキル基である。以下、このような炭素原子数の範囲を「C1−20」と表すことがある。粘着剤の貯蔵弾性率等の観点から、R2がC1−14(例えばC2−10、典型的にはC4−8)の鎖状アルキル基であるアルキル(メタ)アクリレートを主モノマーとすることが適当である。粘着特性の観点から、R1が水素原子であってR2がC4−8の鎖状アルキル基であるアルキルアクリレート(以下、単にC4−8アルキルアクリレートともいう。)を主モノマーとすることが好ましい。
ここに開示される技術におけるアクリル系ポリマーの一好適例として、上記その他モノマーとしてカルボキシ基含有モノマーが共重合されたアクリル系ポリマーが挙げられる。カルボキシ基含有モノマーとしては、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等が例示される。なかでも、AA、MAAが好ましい。
他の好適例として、上記その他モノマーとして水酸基含有モノマーが共重合されたアクリル系ポリマーが挙げられる。水酸基含有モノマーの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート;N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。なかでも好ましい水酸基含有モノマーとして、アルキル基が炭素原子数2〜4の直鎖状であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記その他モノマーとしてカルボキシ基含有モノマーを用いる場合、その含有量は、全モノマー成分の凡そ0.1〜10重量%(例えば0.2〜8重量%、典型的には0.5〜5重量%)とすることが適当である。上記その他モノマーとして水酸基含有モノマーを用いる場合、その含有量は、全モノマー成分の凡そ0.001〜10重量%(例えば0.01〜5重量%、典型的には0.02〜2重量%)とすることが適当である。
1/Tg=Σ(Wi/Tgi)
なお、上記Foxの式において、Tgは共重合体のガラス転移温度(単位:K)、Wiは該共重合体におけるモノマーiの重量分率(重量基準の共重合割合)、Tgiはモノマーiのホモポリマーのガラス転移温度(単位:K)を表す。
2−エチルヘキシルアクリレート −70℃
n−ブチルアクリレート −55℃
エチルアクリレート −22℃
メチルアクリレート 8℃
メチルメタクリレート 105℃
2−ヒドロキシエチルアクリレート −15℃
4−ヒドロキシブチルアクリレート −40℃
酢酸ビニル 32℃
スチレン 100℃
アクリル酸 106℃
メタクリル酸 228℃
具体的には、温度計、攪拌機、窒素導入管および還流冷却管を備えた反応器に、モノマー100重量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部および重合溶媒として酢酸エチル200重量部を投入し、窒素ガスを流通させながら1時間攪拌する。このようにして重合系内の酸素を除去した後、63℃に昇温し10時間反応させる。次いで、室温まで冷却し、固形分濃度33重量%のホモポリマー溶液を得る。次いで、このホモポリマー溶液を剥離ライナー上に流延塗布し、乾燥して厚さ約2mmの試験サンプル(シート状のホモポリマー)を作製する。この試験サンプルを直径7.9mmの円盤状に打ち抜き、パラレルプレートで挟み込み、粘弾性試験機(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、機種名「ARES」)を用いて周波数1Hzのせん断歪みを与えながら、温度領域−70℃〜150℃、5℃/分の昇温速度でせん断モードにより粘弾性を測定し、せん断損失弾性率G”のピークトップ温度に相当する温度(G”カーブが極大となる温度)をホモポリマーのTgとする。
架橋反応の促進、製造効率向上等の観点から、粘着剤組成物の乾燥は加熱下で行うことが好ましい。乾燥温度は、例えば40〜150℃程度とすることができ、通常は60〜130℃程度とすることが好ましい。粘着剤組成物を乾燥させた後、さらに、粘着剤層内における成分移行の調整、架橋反応の進行、基材フィルムや粘着剤層内に存在し得る歪の緩和等を目的としてエージングを行ってもよい。
ここに開示される技術において、粘着剤層の形成、粘着シートの作製、使用前の粘着シートの保存、流通、形状加工等の際に、剥離ライナーを用いることができる。剥離ライナーとしては、特に限定されず、例えば、樹脂フィルムや紙等のライナー基材の表面に剥離処理層を有する剥離ライナーや、フッ素系ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン等)やポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)の低接着性材料からなる剥離ライナー等を用いることができる。上記剥離処理層は、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離処理剤により上記ライナー基材を表面処理して形成されたものであり得る。
ここに開示される粘着シートは、180度剥離強度が2.0N/20mm以上であることが好ましい。上記特性を示す粘着シートは、被着体であるグラファイトシートに対して良好に接着し得る。上記剥離強度は、3.0N/20mm以上であることがより好ましく、5.0N/20mm以上(例えば8.0N/20mm以上)であることがさらに好ましい。ここでいう剥離強度は、ステンレス鋼板に対する180度剥離強度(180度引き剥がし粘着力)を指す。
ここに開示される粘着シートは、グラファイトシートに貼り付けて使用される。グラファイトシートは、発熱要素(バッテリー、ICチップ等)からの熱を逃がす放熱シートとして、各種小型電子機器内に好ましく用いられている。例えば、上記電子機器内のバッテリーやICチップ等の発電要素と隣接する位置や該発電要素の周辺に上記グラファイトシートは配置される。そのようなグラファイトシートは、外観ムラを有したり、また薄厚のものは破損しやすいため、外観性の改善、保護等の目的で、その表面に粘着シートが好ましく貼り付けられる。グラファイトシートの表面は必ずしも平滑といえるものではないが、そのようなグラファイトシートに対して、ここに開示される粘着シートは優れた接着安定性を示し、外観性付与や保護等の機能を発揮することができる。特に限定されるものではないが、ここに開示される粘着シートは、5〜100μmの厚さを有し、および/または0.005〜5μmの算術平均表面粗さRaを有するグラファイトシートに好ましく適用される。
(1) グラファイトシートに積層される片面接着性の粘着シートであって、
12μm以下の厚さを有し、かつ黒色着色剤を含む基材フィルムと、
前記基材フィルムの一方の表面上に配置された粘着剤層と、
を備える、粘着シート。
(2) 前記粘着シートの総厚さは30μm以下である、上記(1)に記載の粘着シート。
(3) 前記粘着シートの総厚さに占める前記粘着剤層の厚さの割合が40%以上である、上記(1)または(2)に記載の粘着シート。
(4) 2N/20mm以上の180度剥離強度を示す、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の粘着シート。
(5) 前記粘着剤層の厚さは1.2μm以上である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の粘着シート。
(6) 前記粘着剤層はアクリル系粘着剤層である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の粘着シート。
(7) 前記粘着シートの垂直光透過率は15%以下である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の粘着シート。
(8) 前記粘着シートの背面は、L*a*b*表色系で規定される明度L*が40以下である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の粘着シート。
(9) 前記基材フィルムは、前記黒色着色剤を含むポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムである、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の粘着シート。
(10) 携帯電子機器に用いられる、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の粘着シート。
前記アクリル系ポリマーは、モノマー成分として、式(1):
CH2=C(R1)COOR2 (1)
(上記式(1)中のR1は水素原子またはメチル基である。また、R2は炭素原子数1〜20の鎖状アルキル基である。);で表されるアルキル(メタ)アクリレートを70重量%以上の割合で含む、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の粘着シート。
(12) 前記アルキル(メタ)アクリレートは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレートおよびエイコシル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種である、上記(11)に記載の粘着シート。
(13) 前記アルキル(メタ)アクリレートは、n−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートである、上記(11)または(12)に記載の粘着シート。
(14) 前記アルキル(メタ)アクリレートは、n−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートであり、2−エチルヘキシルアクリレートは、n−ブチルアクリレートよりも少ない割合で前記モノマー成分中に含まれる、上記(11)〜(13)のいずれかに記載の粘着シート。
(15) 前記アクリル系ポリマーは、前記モノマー成分として官能基含有モノマーをさらに含み、
前記官能基含有モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートおよび4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種である、上記(11)〜(14)のいずれかに記載の粘着シート。
(16) 前記基材フィルムは、前記黒色着色剤としてカーボンブラックを含む、(1)〜(15)のいずれかに記載の粘着シート。
(17) 前記基材フィルムは、前記黒色着色剤として、平均粒径10nm〜500nmのカーボンブラックを含む、(1)〜(16)のいずれかに記載の粘着シート。
(18) 前記基材フィルムにおける前記黒色着色剤の配合量は、0.1〜30重量%である、(1)〜(17)のいずれかに記載の粘着シート。
(19) 前記基材フィルムは単層構造を有する、上記(1)〜(18)のいずれかに記載の粘着シート。
黒色着色剤を含むポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムからなる単層構造の基材フィルムと;
該基材フィルムの一方の表面上に配置されたアクリル系粘着剤層と;
を備え、
前記粘着シートの総厚さは30μm以下であり、
前記基材フィルムの厚さは12μm以下であり、
前記粘着剤層の厚さは1.2μm以上であり、
前記粘着シートの総厚さに占める前記粘着剤層の厚さの割合が40%以上であり、
2N/20mm以上の180度剥離強度を示し、
前記粘着シートの垂直光透過率は15%以下であり、
前記粘着シートの背面は、L*a*b*表色系で規定される明度L*が40以下であり、
前記アクリル系粘着剤層は、該粘着剤層に含まれるポリマー成分の50重量%を超える割合でアクリル系ポリマーを含み、
前記アクリル系ポリマーは、モノマー成分として、アルキル(メタ)アクリレートを70重量%以上の割合で含み、
前記アルキル(メタ)アクリレートは、n−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートであり、2−エチルヘキシルアクリレートは、n−ブチルアクリレートよりも少ない割合で前記モノマー成分中に含まれており、
前記アクリル系ポリマーは、前記モノマー成分として官能基含有モノマーをさらに含み、
前記官能基含有モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートおよび4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記黒色着色剤は、平均粒径10nm〜500nmのカーボンブラックであり、
前記基材フィルムにおける前記黒色着色剤の配合量は、0.1〜30重量%である、粘着シート。
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器、滴下ロートを備えた反応容器に、モノマー成分としてのBA70部、2EHA27部、AA3部および4−ヒドロキシブチルアクリレート0.05部と、重合溶媒としてのトルエン135部とを仕込み、窒素ガスを導入しながら2時間撹拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、重合開始剤としてのAIBN0.1部を加え、60℃で6時間溶液重合してアクリル系ポリマーのトルエン溶液を得た。このアクリル系ポリマーのMwは約40×104であった。
上記トルエン溶液に含まれるアクリル系ポリマー100部に対し、粘着付与樹脂として重合ロジンエステル(商品名「ペンセルD−125」、軟化点120〜130℃、荒川化学工業社製)30部およびイソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業社製、固形分75%)2部を加えてアクリル系粘着剤組成物を調製した。
次いで、黒色顔料としてカーボンブラックを練り込んだ厚さ4.5μmのPETフィルムの表面に、上記剥離ライナー上に形成された粘着剤層を貼り合わせて、本例に係る粘着シートを作製した(転写法)。上記剥離ライナーは、そのまま粘着剤層上に残し、該粘着剤層の表面(接着面)の保護に使用した。この粘着シートは、厚さ4.5μmの黒色着色剤含有(黒色顔料練り込み)PETフィルム(基材フィルム)の一方の表面に、上記粘着剤組成物から形成された厚さ25μmの粘着剤層を有する総厚さ約29.5μmの片面接着性の粘着シートである。
基材フィルムとして、表1に示す厚さを有する黒色着色剤含有(黒色顔料練り込み)PETフィルムを用いたこと、粘着剤層の厚さを表1に示す厚さに変更したことの他は例1と同様にして、各例に係る粘着シートを作製した。
本例では、基材フィルムとして、厚さ4.5μmの透明なPETフィルム(商品名「ルミラー」、東レ社製)と該PETフィルム(ベースフィルム)の片面に設けられた厚さ5μmの黒色印刷層(着色層)とからなる、合計厚さ9.5μmの基材フィルムを使用した。上記黒色印刷層は、黒色着色剤を含むインク組成物を用い、グラビア印刷法を利用して印刷を行うことにより形成した。
上記黒色印刷層付き基材フィルムを用いたこと、粘着剤層の厚さを20μmとしたことの他は例1と同様にして、本例に係る粘着シートを作製した。この粘着シートの総厚さは約29.5μmであり、粘着剤層は、黒色印刷層とは反対側の基材フィルム表面に形成されている。
基材フィルムの厚さ、粘着剤層の厚さ、黒色印刷層の厚さを表1に示す内容に変更した他は例10と同様にして、各例に係る粘着シートを作製した。
各例の粘着シートにつき、180度剥離強度(N/20mm)、垂直光透過率(%)および背面の明度L*を測定した。結果を表1に示す。表1には、各例に係る粘着シートの概略構成も示す。
市販のグラファイトシート(商品名「グラフィニティー25μm」、カネカ社製、厚さ25μm)を用意し、その一方の表面を長さ150mm×幅30mm×厚さ2mmのステンレス鋼板に、ステンレス鋼板と同サイズの両面粘着テープ(商品名「No.5000NS」、日東電工社製)で固定した。各例に係る粘着シートを長さ100mm×幅20mmのサイズにカットし、上記グラファイトシートの他方の表面に載せ、該粘着シートの上から2kgのローラを5mm/秒の速度で1往復させることにより、粘着シートをグラファイトシートに貼り付けた。そして、温度80℃の高温条件下に所定の日数(最大で10日間)保管し、浮きや剥がれが認められた日数を記録した。結果を表1に示す。
総厚さが同じである例3および例11のハンドリング性につき、対比評価を実施した。具体的には、上記例に係る粘着シートとして凡そA4サイズの粘着シートを用意し、ステンレス鋼板(SUS304BA板)に圧力0.3MPa、速度1.0m/分の条件で貼り合わせた。その貼り合わせの際の貼り皺の発生の有無を目視で確認し、貼り皺のない場合を「○」と評価し、貼り皺が認められた場合を「×」と評価した。結果を表1に示す。
上記の結果から、厚さ12μm以下の黒色着色剤含有基材フィルムを備える粘着シートは、薄厚にした場合でもグラファイトシートに対して優れた接着安定性を示すことがわかる。
限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々
に変形、変更したものが含まれる。
1A 接着面
1B 背面
10 基材フィルム
10A 基材フィルムの一方の表面(粘着剤層側表面)
10B 基材フィルムの他方の表面(背面側表面)
20 粘着剤層
30 剥離ライナー
Claims (10)
- グラファイトシートに積層される片面接着性の粘着シートであって、
12μm以下の厚さを有し、かつ黒色着色剤を含む基材フィルムと、
前記基材フィルムの一方の表面上に配置された粘着剤層と、
を備えており、
前記粘着剤層は、該粘着剤層に含まれるポリマー成分の50重量%を超える割合でアクリル系ポリマーを含み、
前記アクリル系ポリマーは、モノマー成分として、式(1):
CH 2 =C(R 1 )COOR 2 (1)
(上記式(1)中のR 1 は水素原子またはメチル基である。また、R 2 は炭素原子数1〜20の鎖状アルキル基である。);で表されるアルキル(メタ)アクリレートを70重量%以上の割合で含み、
前記アルキル(メタ)アクリレートは、n−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートであり、2−エチルヘキシルアクリレートは、n−ブチルアクリレートよりも少ない割合で前記モノマー成分中に含まれる、粘着シート。 - 前記粘着シートの総厚さは30μm以下である、請求項1に記載の粘着シート。
- 前記粘着シートの総厚さに占める前記粘着剤層の厚さの割合が40%以上である、請求項1または2に記載の粘着シート。
- 2N/20mm以上の180度剥離強度を示す、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着シート。
- 前記粘着剤層の厚さは1.2μm以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着シート。
- 前記基材フィルムは単層構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着シート。
- 前記粘着シートの垂直光透過率は15%以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の粘着シート。
- 前記粘着シートの背面は、L*a*b*表色系で規定される明度L*が40以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の粘着シート。
- 前記基材フィルムは、前記黒色着色剤を含むポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の粘着シート。
- 携帯電子機器に用いられる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の粘着シート。
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