以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
[救急医療支援システムの構成]
図1は、本実施形態に係る救急医療支援システム10のシステム構成図である。図1に示すように、救急医療支援システム10は、電子ペン1a、1b、1c(1)と、トリアージタグ2と、携帯端末3a、3b、3c(3)と、サーバ装置4と、コンピュータ装置5、6とを有する。
電子ペン1a及び携帯端末3aは災害や事故などの現場で使用され、電子ペン1b及び携帯端末3bは搬送機関(救急車など)で使用され、電子ペン1c及び携帯端末3cは医療機関で使用される。図1では、電子ペン1a〜1cを1本のみ示しているが、実際には電子ペン1a〜1cはそれぞれ複数本用意される。コンピュータ装置5は、消防関連機関(消防本部や消防署など)で使用され、コンピュータ装置6は、医療機関で使用される。コンピュータ装置5、6は、ネットワーク(例えばインターネット)を介してサーバ装置4に接続される。
トリアージタグ2は、傷病者の緊急度や重症度に応じて適切な処置や搬送を行うべく、傷病者の治療優先度を決定するために利用され、電子ペン1により読み取り可能なドットパターン(コード化パターン)が印刷されている。電子ペン1は、トリアージタグ2への記入に対応する記入情報を、Bluetooth(登録商標)等の無線通信方式で携帯端末3に送信する。なお、電子ペン1a、1b、1cは、互いに異なるペンID(ペン識別情報)を有している。
携帯端末3は、電子ペン1から受信した記入情報を、携帯電話通信網(例えばIPパケット通信)やインターネット通信網などのネットワークを介してサーバ装置4に送信する。例えば、携帯端末3は、スマートフォンである。サーバ装置4は、携帯端末3から受信した記入情報に応じた情報を生成し、生成した情報をコンピュータ装置5、6に送信する。例えば、サーバ装置4は、消防関連機関ないし医療機関、あるいは双方に設けられる。
ここで、トリアージタグ2は、傷病者に取り付けられることで、傷病者と共に現場から搬送機関を介して医療機関に移動され、このような過程において電子ペン1による記入がなされる。基本的には、まず最初に現場にて電子ペン1aによってトリアージタグ2への記入がなされ、その後に搬送機関による搬送中に電子ペン1bによってトリアージタグ2への記入がなされ、最後に医療機関にて電子ペン1cによってトリアージタグ2への記入がなされる。
サーバ装置4は、現場から医療機関に収容される過程において電子ペン1によって生成された記入情報を適宜受信して、トリアージタグ2に電子ペン1で記入された内容に関する情報を生成して管理する。また、サーバ装置4は、そのような情報をコンピュータ装置5、6に送信する。
[トリアージタグ]
図2を参照して、第1実施形態に係るトリアージタグ2について説明する。なお、「トリアージ」とは、大事故や災害時のように多数の傷病者が同時に発生した場合、限られた救急医療条件で最大限の救命を行えるように、傷病者の緊急度や重症度に応じて適切な処置や搬送を行うため、傷病者の治療優先度(トリアージ区分)を設定することを意味する。
図2に示すように、トリアージタグ2には、トリアージタグ2ごとに異なる識別番号が印刷された識別番号エリア2aと、傷病者の氏名を記入するための氏名記入欄2bと、傷病者の性別を選択するための性別選択欄2cと、傷病者の電話番号を記入するための電話番号記入欄2dと、傷病者の年齢を記入するための年齢記入欄2eと、傷病者の住所を記入するための住所記入欄2fと、傷病者に対するトリアージを実施した月日(日付)及び時刻を記入するためのトリアージ実施月日・時刻記入欄2gと、トリアージの実施者を記入するための実施者記入欄2hと、搬送機関の名称を記入するための搬送機関名記入欄2iと、傷病者を収容する医療機関の名称を記入するための収容医療機関名記入欄2jと、メモなどを記入するための備考欄2kと、トリアージ区分を選択するためのトリアージ区分選択欄2mと、電子ペン1によって生成された記入情報を送信するための送信ボックス2nと、標識部2pとが設けられている。
トリアージタグ2には、略全面に、位置座標を示すアノト方式のドットパターン(コード化パターン)が印刷されている。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷され、文字や枠線などは、赤外域に吸収性を持たないインキにより印刷される。なお、トリアージタグ2を区別するために、トリアージタグ2ごとに異なる座標範囲のドットパターンが印刷されている。
トリアージ区分選択欄2m及び標識部2pにおいて、「0」のトリアージ区分は死亡群を示しており、「I」のトリアージ区分は重症群を示しており、「II」のトリアージ区分は中等症群を示しており、「III」のトリアージ区分は軽症群を示している。
また、標識部2pは、一瞥して傷病の状態を認識できるようにトリアージ区分により色分けされている。標識部2pは、「0」と印字された死亡群を示す黒色ラベル2p0、「I」と印字された重症群を示す赤色ラベル2p1、「II」と印字された中等症群を示す黄色ラベル2p2、及び「III」と印字された軽症群を示す緑色ラベル2p3の4つから構成されており、各ラベル2p0〜2p3の境界に形成された破線(ミシン目)で切り離しできるように加工されている。トリアージタグ2の利用者は、傷病者のトリアージ区分に該当するラベルを残して、標識部2pを切り離すことで、傷病者の症状を示す識別票として使用する。例えば、傷病者の症状が「I」の重症群であると判断される場合は、赤色ラベル2p1を残して黄色ラベル2p2及び緑色ラベル2p3を切り離すこととなる。なお、以下では、黒色ラベル2p0、赤色ラベル2p1、黄色ラベル2p2及び緑色ラベル2p3を区別しない場合には、色及び符号の表記を省略して、単に「ラベル」と表記することがある。
送信ボックス2nは、トリアージタグ2に電子ペン1により記入された内容に対応する記入情報を、電子ペン1から携帯端末3を経由してサーバ装置4へ送信する処理を実行させるための指示が定義されたエリアである。例えば、送信ボックス2nは、トリアージが実施された後に電子ペン1によってタップされる。なお、トリアージタグ2が異なっても、送信ボックス2nのドットパターンはトリアージタグ2に共通して同じであっても良い。
[ドットパターン]
次に、図3及び図4を参照しながら、トリアージタグ2に印刷されたアノト方式のドットパターン(コード化パターン)について説明する。図3は、トリアージタグ2に印刷されたドットパターンのドットと、そのドットが変換される値との関係を説明する図である。図3に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組み合わせにより、トリアージタグ2上の位置座標が決定されるように構成されている。
図4(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図4(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、トリアージタグ2上のどの部分から6×6ドットを取っても、ユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンがトリアージタグ2上のどの位置にあるのか)を保持している。図4(b)は、図4(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図3に示す規則性に基づいて、対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
[電子ペン]
次に、電子ペン1について図5を用いて説明する。図5は、電子ペン1の構造を示す概略図である。図5に示すように、電子ペン1は、その筐体101の内部に、インクカートリッジ104、LED105、CMOSカメラ106、圧力センサ107、CPU等により構成されるプロセッサ108、ROMやRAMといったメモリ109、リアルタイムクロック110、アンテナ等により構成される通信ユニット111、及びバッテリー112を備える。インクカートリッジ104の先端はペン先部103となっており、利用者は、電子ペン1のペン先部103をトリアージタグ2に当接させて、トリアージタグ2にストローク(手書きストローク)を記入したり、電子ペン1のペン先部103をトリアージタグ2に当接させて、タップ(ペン先部103によるトリアージタグ2への軽叩)したりする。インクカートリッジ104のインクは、赤外線を吸収する材料(例えばカーボン)を含まないようにする。ここで、電子ペン1のペン先部103がトリアージタグ2に接触することをペンダウンと呼び、接触している(当接している)状態からペン先部103が離れることをペンアップと呼ぶ。電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に記入される軌跡が1つのストロークとなり、文字や図形等は、1つ又は複数個のストロークからなる。インクカートリッジ104のインクは、赤外線を吸収する材料を含まないので、プロセッサ103によるドットパターンの読取りを阻害しない。
バッテリー112は電子ペン1内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン1のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン1自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。圧力センサ107は、利用者が電子ペン1によりトリアージタグ2に手書きストロークを記入したりタップしたりする際にペン先部103からインクカートリッジ104を通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値をプロセッサ108へ伝送する。
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧データに基づいて、LED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切替える。即ち、利用者が電子ペン1によりトリアージタグ2に手書きストロークを記入したりタップしたりすると、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ108は、利用者が記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。そして、通信ユニット111が、圧力センサ107により検出されたペンダウン情報PDと、後述するペンIDとを関連付けて、記入情報としてメモリ109に記憶する。また、利用者が1つのストロークを記入中は、後述のように、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)、筆圧データ及びX、Y座標データを関連付けて、メモリ109に記憶する。利用者が1つのストロークを記入し終えて電子ペン1をトリアージタグ2から離すと、圧力センサ107は、所定値以上の筆圧が検出されなくなることでペンアップを検出する。すると、プロセッサ108は、圧力センサ107により検出されたペンアップ情報とペンIDとを関連付けて、記入情報としてメモリ109に記憶する。そして、プロセッサ108は、電子ペン1によってトリアージタグ2の送信ボックス2nがタップされた際に、その送信ボックス2nのドットパターンから送信指示を認識して、メモリ109に記憶した記入情報を、通信ユニット111によって携帯端末3へ送信させる。プロセッサ108は、携帯端末3へ送信させた記入情報を適時に消去する。
LED105とCMOSカメラ106は、電子ペン1のペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。LED105は、トリアージタグ2上のペン先部103近傍に向けて赤外線を照明する。その領域は、ペン先部103がトリアージタグ2に接触する位置とはわずかにずれている。CMOSカメラ106は、赤外線を透過し赤外線以外を遮断する赤外線透過フィルタが設けられており、LED105によって照明された領域内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED105によって照射された赤外線は、ドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。したがって、トリアージタグ2に文字や枠線などが印刷されていた場合でも、印刷したインクは赤外域に吸収性を持たないため、プロセッサ108は、ドットパターンを認識することができる。なお、CMOSカメラ106による撮影領域は、図4(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。また、CMOSカメラ106は、ドットを鮮明に撮影するため、十分な被写界深度を有している。
プロセッサ108は、利用者による記入が行われる間、CMOSカメラ106によって供給される画像データのドットパターンから、利用者が記入するストローク(筆跡)のトリアージタグ2上におけるX、Y座標(以後、単に「位置座標」または「座標情報」とも呼ぶ。)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、図4(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図4(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX、Y座標データを演算する。なお、プロセッサ108は、ドットパターンに対向する電子ペン1の角度に起因するドットの画像上の配列を補正する回転補正処理機能を備えており、座標演算の際、その機能を発揮させる。そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)、筆圧データ及びX、Y座標データを関連付ける。以後、これらの関連付けたデータを、まとめて「座標属性情報」と呼ぶ。また、プロセッサ108は、演算した位置座標がトリアージタグ2の送信ボックス2nのドットパターンを示す場合、送信指示と認識して、通信ユニット111に記入情報を携帯端末3へ送信させる。なお、トリアージタグ2における6×6のドットパターンは、トリアージタグ2内で重複することはないため、利用者が電子ペン1で文字等を記入すると、記入された位置がトリアージタグ2のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により特定することができる。
メモリ109には、各電子ペン1A〜1Eを識別するためのそれぞれのペンID「pen01」〜「pen05」、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。そして、通信ユニット111は、ペンIDと、時刻情報(タイムスタンプ)と、筆圧データと、X、Y座標データとを関連付けて、記入情報として、携帯端末3を介してサーバ装置4へ送信する。通信ユニット111による携帯端末3への送信は、Bluetooth(登録商標)などの無線送信によって、即時的かつ逐次的に行われる。ここで、電子ペン1のペンダウンからペンアップまでの間に生成されて送信された1個又は複数個の座標属性情報は、携帯端末3及びサーバ装置4によりストローク情報として記憶される。換言すると、1つのストロークは、1個又は複数個のX、Y座標(座標点)からなり、携帯端末3及びサーバ装置4は、ペンダウン情報及びペンアップ情報によって、1つのストロークを構成する1個又は複数個の座標属性情報を認識する。
[サーバ装置]
次に、サーバ装置4について説明する。サーバ装置4は、ハードウェアとして、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ等で構成される。図6は、サーバ装置4の機能ブロック図である。サーバ装置4は、機能的には、処理手段44、記憶手段45、通信手段47及び通信インターフェース48を備える。なお、サーバ装置4は、本発明における「コンピュータ装置」の一例に相当する。
通信手段47は、携帯電話網(例えばIPパケット通信)やインターネットなどのネットワークを介して携帯端末3と通信を行う。通信手段47は、電子ペン1によって生成された記入情報を携帯端末3から受信する。なお、通信手段47は、本発明における「受信手段」の一例に相当する。
通信インターフェース48は、ネットワーク(インターネットなど)を介して、消防関連機関で使用されるコンピュータ装置5及び医療機関で使用されるコンピュータ装置6に接続する。そして、通信インターフェース48は、後述する処理手段44によって生成された情報をコンピュータ装置5、6に送信する。
記憶手段45は、ROM、RAMといったメモリによって構成され、処理手段44の指示により、プログラムの実行により生成される各種情報を記憶する。記憶手段45は、トリアージタグ2に印刷されたドットパターンの座標範囲に関する座標定義情報を記憶している。具体的には、記憶手段45は、複数のトリアージタグ2に割り当てられたドットパターンの座標範囲を、各トリアージタグ2に対応付けて記憶する。例えば、トリアージタグ2の識別番号(識別番号エリア2aに印刷された、トリアージタグ2ごとに異なる番号)に対応付けて、各トリアージタグ2に割り当てられたドットパターンの座標範囲を記憶する。また、記憶手段45は、トリアージタグ2に設けられた各エリア(具体的には、識別番号エリア2a、氏名記入欄2b、性別選択欄2c、電話番号記入欄2d、年齢記入欄2e、住所記入欄2f、トリアージ実施月日・時刻記入欄2g、実施者記入欄2h、搬送機関名記入欄2i、収容医療機関名記入欄2j、備考欄2k、トリアージ区分選択欄2m、送信ボックス2n、標識部2pにおけるラベル2p0〜2p3、の全て又は一部)に対応付けて、各エリアに割り当てられたドットパターンの座標範囲を記憶する。
また、記憶手段45は、処理手段44の処理命令により、携帯端末3を介して電子ペン1から受信した記入情報をペンID毎に記憶し、さらに、処理手段44の指示により、記憶領域を確保して、ペンダウンからペンアップまでの記入情報に含まれる座標属性情報をストローク情報としてペンID毎に記憶する。上記以外にも、記憶手段45は、処理手段44の指示により、プログラムの実行により生成される各種情報を記憶する。
処理手段44は、CPU等のプロセッサによって構成され、サーバ装置4の全体の制御を行う。処理手段44は、機能的には、情報生成手段441を有する。
情報生成手段441は、通信手段47によって受信された記入情報に基づいて、電子ペン1でトリアージタグ2に記入された内容に関する情報(以下では「トリアージ記入情報」と呼ぶ。)を生成する。具体的には、トリアージ記入情報は、傷病者の氏名や、年齢や、性別や、トリアージ実施月日・時刻や、トリアージ区分や、搬送機関名や、収容医療機関名などを含む情報である。
上記のようなトリアージ記入情報を生成する場合、情報生成手段441は以下のような処理を行う。情報生成手段441は、トリアージタグ2の氏名記入欄2b及び年齢記入欄2eに電子ペン1で記入された手書きストロークに対して文字認識処理を行うことで、傷病者の氏名及び年齢についての情報を生成する。また、情報生成手段441は、トリアージタグ2の性別選択欄2cにて電子ペン1により選択された性別を特定することで、傷病者の性別についての情報を生成する。また、情報生成手段441は、例えばトリアージタグ2のトリアージ区分選択欄2mへの記入に対応する記入情報に含まれる時刻情報に基づいて、トリアージ実施月日・時刻についての情報を生成する。また、情報生成手段441は、トリアージタグ2のトリアージ区分選択欄2m又は標識部2pへの電子ペン1による記入(タップ)に対応する記入情報に基づいて、トリアージ区分についての情報(つまり傷病者の症状の程度が「I」「II」、「III」のいずれの区分に該当するかを示す情報)を生成する。この場合、情報生成手段441は、電子ペン1によってトリアージ区分選択欄2m又は標識部2pに記入(タップ)されるごとに、トリアージ区分についての情報を更新する。また、情報生成手段441は、例えばトリアージタグ2の搬送機関名記入欄2i及び収容医療機関名記入欄2jに電子ペン1で記入された手書きストロークに対して文字認識処理を行うことで、搬送機関名及び収容医療機関名についての情報を生成する。
また、情報生成手段441は、標識部2pの一部(ラベル2p1〜2p3のいずれかを意味する。以下同様とする。)が切り離されたトリアージタグ2の標識部2pへの電子ペン1による記入に対応する記入情報に基づいて、標識部2pの一部の切り離しについての変更を示す変更情報を生成する。この変更情報は、トリアージタグ2の利用者からの、切り離した標識部2pを元に戻したいという意図を反映した情報である。なお、情報生成手段441は、上記したトリアージ記入情報の1つとして変更情報を生成する。
具体的には、情報生成手段441は、切り離された標識部2pの一部に跨る手書きストロークが電子ペン1で記入された場合に、変更情報を生成する。より詳しくは、情報生成手段441は、記憶手段45に記憶された、標識部2pのラベル2p0〜2p3のそれぞれに割り当てられたドットパターンの座標範囲に基づいて、標識部2pへの電子ペン1による記入に対応する記入情報が、標識部2pにおいて切り離された箇所を挟んで隣接する2つのラベルのそれぞれに割り当てられたドットパターンの座標範囲内の座標点を含む場合に、変更情報を生成する。また、情報生成手段441は、変更情報として、傷病者の重症度が変わったことを示す情報(第1情報に相当する)、若しくは、標識部2pの一部の切り離しが間違いであったことを示す情報(第2情報に相当する)を生成する。具体的には、情報生成手段441は、電子ペン1によって標識部2pに記入された手書きストロークを文字認識することで得られた文字(数字及び記号も含むものとする)に基づいて、そのような情報を生成する。例えば、情報生成手段441は、文字認識により得られた文字が「回復」である場合には、傷病者の重症度が変わったことを示す情報を生成し、文字認識により得られた文字が「間違い」である場合には、標識部2pの一部の切り離しが間違いであったことを示す情報を生成する。
また、情報生成手段441は、電子ペン1によって標識部2pに記入がなされた日時を含む変更情報を生成する。1つの例では、情報生成手段441は、上記のような電子ペン1による標識部2pへの記入に対応する記入情報に含まれる時刻情報の日時を、電子ペン1によって標識部2pに記入がなされた日時として用いる。他の例では、標識部2pの切り離しを変更する際に電子ペン1で標識部2pに日時が記入された場合に、情報生成手段441は、電子ペン1で標識部2pに記入された手書きストロークを文字認識することで得られた日時を、電子ペン1によって標識部2pに記入がなされた日時として用いる。このような日時は、例えば、傷病者の回復を確認した日時や、標識部2pの一部の切り離しが間違いであったことを確認した日時として扱われる。なお、標識部2pに電子ペン1で日時が記入されたか否かによらずに、電子ペン1によって標識部2pに記入がなされた日時を変更情報に含めて良い。
以上のように情報生成手段441によって生成されたトリアージ記入情報は、記憶手段45に記憶されると共に、コンピュータ装置5、6の要求に応じて、通信インターフェース48を介してコンピュータ装置5、6に送信される。
なお、トリアージ記入情報に、傷病者を医療機関に収容するまでのステータス(搬送状況)の情報を含めても良い。その場合、情報生成手段441は、通信手段47によって受信された記入情報に含まれるペンIDに基づいて、ステータスを設定する。具体的には、情報生成手段441は、記入情報が現場で使用される電子ペン1aによって生成された情報である場合、つまり記入情報に含まれるペンIDが電子ペン1aに対応するものである場合には、傷病者に対してトリアージが実施されたことを示す「トリアージ完了」といったステータスを設定する。また、情報生成手段441は、記入情報が搬送機関で使用される電子ペン1bによって生成された情報である場合、つまり記入情報に含まれるペンIDが電子ペン1bに対応するものである場合には、搬送機関により傷病者が搬送中であることを示す「搬送中」といったステータスを設定する。また、情報生成手段441は、記入情報が医療機関で使用される電子ペン1cによって生成された情報である場合、つまり記入情報に含まれるペンIDが電子ペン1cに対応するものである場合には、医療機関への傷病者の収容が完了したことを示す「収容完了」といったステータスを設定する。なお、上記のようなステータスを設定するに当たって、電子ペン1a、1b、1cのそれぞれのペンIDと、ステータス(トリアージ完了、搬送中、収容完了)とを対応付けた情報を、予め記憶手段45に記憶させておくと良い。
[変更情報の生成方法]
次に、図7を参照して、第1実施形態における変更情報の生成方法について、具体例を挙げて詳細に説明する。
まず、図7(a)に示すように、傷病者の症状が「I」の重症群に該当すると判断されたために、赤色ラベル2p1を残して黄色ラベル2p2及び緑色ラベル2p3が標識部2pから切り離されたものとする。この後、傷病者が回復して、傷病者の症状が「I」の重症群に該当しなくなったものとする。その場合、トリアージの実施者は、図7(a)に示した標識部2pの切り離しを変更すべく、図7(b)に示すように、切り離した黄色ラベル2p2及び緑色ラベル2p3をトリアージタグ2の本体に突き合わせた状態で、具体的には標識部2pにおいて切り離された箇所を挟んで隣接する赤色ラベル2p1と黄色ラベル2p2とを突き合わせた状態で、電子ペン1により標識部2pに手書きストロークSt1を記入する。具体的には、トリアージの実施者は、赤色ラベル2p1及び黄色ラベル2p2の両方に跨る「回復 3/18.15:23」といった文字に対応する手書きストロークSt1を電子ペン1で記入したものとする。
上記のような手書きストロークSt1が電子ペン1で記入された場合、サーバ装置4の情報生成手段441は、通信手段47によって受信された記入情報、及び記憶手段45に記憶された座標定義情報に基づいて、当該手書きストロークSt1が、標識部2pの2つのラベルに跨るものであるか否かを判定する。ここで、基本的には、電子ペン1によってトリアージ区分選択欄2m又は標識部2pに記入(タップ)することで選択されたトリアージ区分と、標識部2pを切り離すことで選択されたトリアージ区分とは一致する。したがって、上記したトリアージ記入情報に含まれるトリアージ区分についての情報(トリアージ区分選択欄2m又は標識部2pへの電子ペン1による記入(タップ)に対応する記入情報に基づいて生成される情報)から、情報生成手段441は、標識部2pにおいて切り離された箇所を挟んで隣接する2つのラベルを特定することができる。図7に示す例では、情報生成手段441は、赤色ラベル2p1及び黄色ラベル2p2を特定することができる。したがって、情報生成手段441は、手書きストロークSt1が、赤色ラベル2p1及び黄色ラベル2p2に跨るものであるか否かを判定する。この場合、情報生成手段441は、記憶手段45に記憶された、赤色ラベル2p1及び黄色ラベル2p2のそれぞれに割り当てられたドットパターンの座標範囲に基づいて、手書きストロークSt1に対応する記入情報が、赤色ラベル2p1に割り当てられたドットパターンの座標範囲内の座標点及び黄色ラベル2p2に割り当てられたドットパターンの座標範囲内の座標点を含むものであるか否かを判定する。
上記のような判定により、情報生成手段441は、図7(b)に示すような手書きストロークSt1が、赤色ラベル2p1及び黄色ラベル2p2に跨るものであると判断する。この場合、情報生成手段441は、標識部2pの切り離しを変更するための記入が電子ペン1によってなされたものと判断する。そして、情報生成手段441は、電子ペン1によって標識部2pに記入された手書きストロークSt1を文字認識することで、電子ペン1によって「回復」という文字と「3/18.15:23」という文字(詳しくは数字及び記号)とが記入されたことを認識する。この場合、情報生成手段441は、傷病者が回復することで重症度が変わったことを示す情報を、変更情報として生成する。また、情報生成手段441は、手書きストロークを文字認識することで得られた「3/18.15:23」の日時、又は電子ペン1による標識部2pへの記入に対応する記入情報に含まれる時刻情報の日時を、電子ペン1によって標識部2pに記入がなされた日時として変更情報に含める。このような日時は、傷病者の回復が確認された日時として扱われる。
以上のように生成された変更情報は、トリアージ記入情報に含められて、記憶手段45に記憶されると共に、コンピュータ装置5、6の要求に応じて、通信インターフェース48を介してコンピュータ装置5、6に送信される。
なお、図7では、電子ペン1で標識部2pに「回復」といった文字と日時とを記入する例を示したが、日時を記入せずに、「回復」といった文字のみを電子ペン1で標識部2pに記入しても良い。更に他の例では、「回復」といった文字を記入せずに、日時のみを電子ペン1で標識部2pに記入しても良い。
また、図7では、傷病者が回復することで重症度が変わった場合に標識部2pの切り離しを変更する例を示した。他の例では、間違って標識部2pを切り離した場合にも、同様にして、標識部2pの切り離しを変更することができる。その場合には、例えば、標識部2pにおいて切り離された箇所を挟んで隣接する2つのラベルに跨る「間違い」という文字を電子ペン1で記入すれば良い。情報生成手段441は、電子ペン1によって標識部2pに記入された手書きストロークを文字認識することで、電子ペン1によって「間違い」という文字が標識部2pに記入されたことを認識し、標識部2pの切り離しが間違いであったことを示す情報を変更情報として生成する。なお、間違って切り離した標識部2pの切り離しを変更する場合にも、電子ペン1で標識部2pに日時を記入しても良い。その場合、情報生成手段441は、電子ペン1で標識部2pに記入された手書きストロークを文字認識することで得られた日時、又は電子ペン1による標識部2pへの記入に対応する記入情報に含まれる時刻情報の日時を、電子ペン1によって標識部2pに記入がなされた日時として変更情報に含めると良い。当該日時は、標識部2pの切り離しが間違いであったことが確認された日時として扱われる。
また、上記では、標識部2pの切り離しを変更する場合に、電子ペン1で標識部2pに文字(「回復」や「間違い」など)を記入する例を示したが、これに限定はされない。他の例では、電子ペン1で標識部2pに文字を記入する代わりに、電子ペン1で標識部2pにチェック(言い換えると線分)のみを記入しても良い。具体的には、標識部2pにおいて切り離された箇所を挟んで隣接する2つのラベルに跨るチェックを記入すると良い。この場合、情報生成手段441は、標識部2pへの電子ペン1による記入に対応する記入情報に基づいて、当該2つのラベルに跨るチェックが電子ペン1で記入されたか否かを判定し、そのようなチェックが電子ペン1で記入されたと判定した場合に変更情報を生成する。なお、更に他の例では、電子ペン1で標識部2pにチェックを記入する場合に、「回復」や「間違い」などの文字及び/又は日時を、電子ペン1で更に標識部2pに記入しても良い。
[第1実施形態の作用・効果]
以上説明した第1実施形態によれば、標識部2pの一部が切り離されたトリアージタグ2の標識部2pへの電子ペン1による記入に対応する記入情報に基づいて、標識部2pの一部の切り離しについての変更を示す変更情報を適切に生成することができる。よって、標識部2pの一部の切り離しについての変更があったこと、具体的には傷病者の重症度が変わったことや標識部2pの切り離しが間違いであったことを、サーバ装置4において適切に管理することが可能となる。
また、標識部2pの一部の切り離しを変更する場合に、標識部2pに電子ペン1で文字やチェックなどを記入することで、現場では、標識部2pに記入された文字やチェックなどを確認することで、傷病者の重症度が変わったことや標識部2pの切り離しが間違いであったことを容易に把握することが可能となる。
また、第1実施形態では、切り離された標識部2pの一部に跨る手書きストロークが電子ペン1で記入された場合に変更情報を生成することで、トリアージタグ2の利用者が誤って電子ペン1で標識部2pに記入した場合に変更情報が生成されてしまうことを適切に抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、用いるトリアージタグの構成が第1実施形態と異なる。
以下では、第1実施形態と異なる構成について主に説明を行い、第1実施形態と同様の構成については適宜説明を省略する。つまり、特に説明しない機能や構成要素などについては、第1実施形態と同様であるものとする。
[トリアージタグ]
図8を参照して、第2実施形態に係るトリアージタグ20について説明する。なお、第2実施形態に係るトリアージタグ20は、第1実施形態に係るトリアージタグ2の代わりに、図1に示した救急医療支援システム10に適用されるものである。
図8に示すように、第2実施形態に係るトリアージタグ20には、トリアージタグ20ごとに異なる識別番号が印刷された識別番号エリア20aと、傷病者の氏名を記入するための氏名記入欄20bと、傷病者の性別を選択するための性別選択欄20cと、傷病者の年齢を記入するための年齢記入欄20eと、傷病者に対するトリアージを実施した月日(日付)及び時刻を記入するためのトリアージ実施月日・時刻記入欄20gと、トリアージの実施者を記入するための実施者記入欄20hと、搬送機関の名称を記入するための搬送機関名記入欄20iと、搬送先の医療機関の名称を記入するための搬送先医療機関名記入欄20jと、トリアージ区分を選択するためのトリアージ区分選択欄20mと、電子ペン1によって生成された記入情報を送信するための送信ボックス20nと、標識部20pと、トリアージ区分を判定するための複数の判定項目がフローチャート形式にて記載された判定欄20qと、が設けられている。
トリアージタグ20には、略全面に、位置座標を示すアノト方式のドットパターン(コード化パターン)が印刷されている。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷され、文字や枠線などは、赤外域に吸収性を持たないインキにより印刷される。なお、トリアージタグ20を区別するために、トリアージタグ20ごとに異なる座標範囲のドットパターンが印刷されている。
送信ボックス20nは、トリアージタグ20に電子ペン1により記入された内容に対応する記入情報を、電子ペン1から携帯端末3を経由してサーバ装置4へ送信する処理を実行させるための指示が定義されたエリアである。例えば、送信ボックス20nは、トリアージが実施された後に電子ペン1によってタップされる。なお、トリアージタグ20が異なっても、送信ボックス20nのドットパターンはトリアージタグ20に共通して同じであっても良い。
第2実施形態に係るトリアージタグ20では、トリアージ区分選択欄20mに示されるように、重症群を示す「I」のトリアージ区分が、傷病者における異常の内容に応じて「A」、「B」、「C」、「D」の区分に更に細かく分けられている。そして、第2実施形態に係るトリアージタグ20では、標識部20pは、「0」のトリアージ区分を示す黒色ラベル20p0、「II」のトリアージ区分を示す黄色ラベル20p2、及び「III」のトリアージ区分を示す緑色ラベル20p3の他に、「I」のトリアージ区分を更に細かく分けた「I(A)」、「I(B)」、「I(C)」及び「I(D)」を示す赤色ラベル20p1a、20p1b、20p1c、20p1dを有する。なお、以下では、黒色ラベル20p0、赤色ラベル20p1a〜20p1d、黄色ラベル20p2及び緑色ラベル20p3を区別しない場合には、色及び符号の表記を省略して、単に「ラベル」と表記することがある。
また、第2実施形態に係るトリアージタグ20では、図9(a)に示すように、標識部20pは、各ラベルにおける「0」、「I(A)」、「I(B)」、「I(C)」、「I(D)」、「II」、「III」が印字された箇所を囲む周囲の一部分(符号201で示す破線参照)にミシン目が形成されており、当該周囲の他の部分(符号202で示す一点鎖線参照)にはミシン目が形成されていない。図9(b)は、ミシン目が形成された部分201を切り離して、ミシン目が形成されていない部分202を折った状態にあるラベルを示している。この場合、ラベルにおいて符号203で示す部分が折れ曲がり、ラベルにおいて符号204で示す部分は折れ曲がらない。こうしてラベルの部分203が折れ曲がると、当該部分203に対応する部分が穴(孔)205になる。なお、図9では緑色ラベル20p3を一例として挙げている。
このようなトリアージタグ20を用いた場合、トリアージの実施者は、判定欄20qに記載されたフローチャートに従って判定を行うことで、傷病の状態が「0」、「I(A)」、「I(B)」、「I(C)」、「I(D)」、「II」、「III」のいずれのトリアージ区分に該当するかを決定する。この場合、トリアージの実施者は、例えば判定欄20qに印字された「はい」や「いいえ」の箇所に電子ペン1でチェックや丸などを記入する。そして、トリアージの実施者は、決定したトリアージ区分に該当する標識部20pのラベルについて、ミシン目が形成された部分201を切り離して、ミシン目が形成されていない部分202で折り曲げる。つまり、標識部20pのラベルの一部分を指で穴(孔)をあけることとなる。
[変更情報の生成方法]
次に、第2実施形態における変更情報の生成方法について説明する。
まず、第2実施形態において、サーバ装置4の情報生成手段441が行う処理の概要について説明する。第2実施形態では、情報生成手段441は、標識部20pの一部(ラベル20p0、20p1a〜20p1d、20p2、20p3のいずれかを意味する。以下同様とする。)が折り曲げられたトリアージタグ20の標識部20pへの電子ペン1による記入に対応する記入情報に基づいて、標識部20pの一部の折り曲げについての変更を示す変更情報を生成する。この変更情報は、トリアージタグ20の利用者からの、折り曲げた標識部20pを元に戻したいという意図を反映した情報である。
具体的には、情報生成手段441は、折り曲げられた標識部20pの一部に跨る手書きストロークが電子ペン1で記入された場合に、変更情報を生成する。詳しくは、情報生成手段441は、標識部20pのラベルにおいて折り曲げられる部分203と折り曲げられない部分204と(図9参照)に跨る手書きストロークが電子ペン1で記入された場合に、変更情報を生成する。例えば、各ラベルにおいて折り曲げられる部分203及び折り曲げられない部分204のそれぞれに割り当てられたドットパターンの座標範囲を記憶手段45に記憶させておき、情報生成手段441は、標識部20pへの電子ペン1による記入に対応する記入情報が、ラベルにおいて折り曲げられる部分203及び折り曲げられない部分204のそれぞれに割り当てられたドットパターンの座標範囲内の座標点を含む場合に、変更情報を生成すると良い。
また、情報生成手段441は、上記した変更情報として、傷病者の重症度が変わったことを示す情報(第1情報に相当する)、若しくは、標識部20pの折り曲げが間違いであったことを示す情報(第2情報に相当する)を生成する。具体的には、情報生成手段441は、電子ペン1によって標識部20pに記入された手書きストロークを文字認識することで得られた文字に基づいて、そのような情報を生成する。例えば、情報生成手段441は、文字認識により得られた文字が「回復」である場合には、傷病者の重症度が変わったことを示す情報を生成し、文字認識により得られた文字が「間違い」である場合には、標識部20pの一部の折り曲げが間違いであったことを示す情報を生成する。
また、情報生成手段441は、電子ペン1によって標識部20pに記入がなされた日時を含む変更情報を生成する。1つの例では、情報生成手段441は、上記のような電子ペン1による標識部20pへの記入に対応する記入情報に含まれる時刻情報の日時を、電子ペン1によって標識部20pに記入がなされた日時として用いる。他の例では、標識部20pの折り曲げを変更する際に電子ペン1で標識部20pに日時が記入された場合に、情報生成手段441は、電子ペン1で標識部20pに記入された手書きストロークを文字認識することで得られた日時を、電子ペン1によって標識部20pに記入がなされた日時として用いる。このような日時は、例えば、傷病者の回復を確認した日時や、標識部2pの一部の折り曲げが間違いであったことを確認した日時として扱われる。なお、標識部20pに電子ペン1で日時が記入されたか否かによらずに、電子ペン1によって標識部20pに記入がなされた日時を変更情報に含めて良い。
以上のように情報生成手段441によって生成された変更情報は、トリアージ記入情報に含められて、記憶手段45に記憶されると共に、コンピュータ装置5、6の要求に応じて、通信インターフェース48を介してコンピュータ装置5、6に送信される。
なお、標識部20pの折り曲げを変更するために電子ペン1で標識部20pに記入する手書きストロークは、厳密に標識部20p内に記入されていなくても良く、その一部分が標識部20pに記入されていれば良いものとする。つまり、一部分が標識部20pに記入された手書きストローク(換言すると標識部20pから一部分がはみ出した手書きストローク)も含むものとする。
次に、図10を参照して、第2実施形態における変更情報の生成方法について、具体例を挙げて詳細に説明する。
まず、図10(a)に示すように、傷病者の症状が「I(B)」のトリアージ区分に該当すると判断されたために、標識部20pにおける赤色ラベル20p1bの部分203が折り曲げられたものとする。この後、傷病者が回復して、傷病者の症状が「I(B)」のトリアージ区分に該当しなくなったものとする。その場合、トリアージの実施者は、図10(a)に示した標識部20pの折り曲げを変更すべく、図10(b)に示すように、折り曲げた赤色ラベル20p1bの部分203を戻した上で、電子ペン1により赤色ラベル20p1bに手書きストロークSt2(St21、St22)を記入する。具体的には、トリアージの実施者は、赤色ラベル20p1bにおいて折り曲げられる部分203と折り曲げられない部分204とに跨る手書きストロークSt2を電子ペン1で記入したものとする。詳しくは、トリアージの実施者は、チェックに対応する手書きストロークSt21と「回復」といった文字に対応する手書きストロークSt22とを電子ペン1で記入したものとする。
上記のような手書きストロークSt2が電子ペン1で記入された場合、サーバ装置4の情報生成手段441は、通信手段47によって受信された記入情報、及び記憶手段45に記憶された座標定義情報に基づいて、当該手書きストロークSt2が、標識部20pのラベルにおいて折り曲げられる部分203と折り曲げられない部分204とに跨るものであるか否かを判定する。ここで、基本的には、電子ペン1によってトリアージ区分選択欄20m又は標識部20pに記入(タップ)することで選択されたトリアージ区分と、標識部20pのラベルを折り曲げることで選択されたトリアージ区分とは一致する。したがって、トリアージ記入情報に含まれるトリアージ区分についての情報(トリアージ区分選択欄20m又は標識部20pへの電子ペン1による記入(タップ)に対応する記入情報に基づいて生成される情報)から、情報生成手段441は、標識部20pにおいて折り曲げられたラベルを特定することができる。図10に示す例では、情報生成手段441は、赤色ラベル20p1bが折り曲げられたと特定することができる。したがって、情報生成手段441は、手書きストロークSt2が、標識部20pの赤色ラベル20p1bにおける折り曲げられる部分203と折り曲げられない部分204とに跨るものであるか否かを判定する。この場合、情報生成手段441は、例えば、記憶手段45に記憶された、赤色ラベル20p1bにおける折り曲げられる部分203及び折り曲げられない部分204のそれぞれに割り当てられたドットパターンの座標範囲に基づいて、手書きストロークSt2に対応する記入情報が、折り曲げられる部分203に割り当てられたドットパターンの座標範囲内の座標点及び折り曲げられない部分204に割り当てられたドットパターンの座標範囲内の座標点を含むものであるか否かを判定する。
上記のような判定により、情報生成手段441は、図10(b)に示すような手書きストロークSt2が、標識部20pの赤色ラベル20p1bにおける折り曲げられる部分203と折り曲げられない部分204とに跨るものであると判断する。この場合、情報生成手段441は、赤色ラベル20p1bの折り曲げを変更するための記入が電子ペン1によってなされたものと判断する。そして、情報生成手段441は、電子ペン1によって赤色ラベル20p1bに記入された手書きストロークSt2を分析することで、手書きストロークSt2の一部の手書きストロークSt21がチェックであり、手書きストロークSt2の他の一部の手書きストロークSt22が「回復」という文字であると認識する。この場合、情報生成手段441は、傷病者が回復することで重症度が変わったことを示す情報を、変更情報として生成する。
以上のように生成された変更情報は、トリアージ記入情報に含められて、記憶手段45に記憶されると共に、コンピュータ装置5、6の要求に応じて、通信インターフェース48を介してコンピュータ装置5、6に送信される。
なお、手書きストロークSt2の一部の手書きストロークSt22(「回復」といった文字に対応する手書きストローク)が赤色ラベル20p1bにおいて折り曲げられる部分203と折り曲げられない部分204とに跨っていないが、手書きストロークSt2の他の一部の手書きストロークSt21(チェックに対応する手書きストローク)が折り曲げられる部分203と折り曲げられない部分204とに跨っているため、そのような手書きストロークSt2は、標識部20pの折り曲げを変更するための電子ペン1による記入と判断される。また、「回復」といった文字に対応する手書きストロークSt22が赤色ラベル20p1bからはみ出しているが、当該手書きストロークSt22の一部分が赤色ラベル20p1bに重なっているため、変更情報を生成するための文字認識の対象とされる。
また、図10では、電子ペン1で標識部20pにチェックと「回復」といった文字とを記入する例を示したが、これらに加えて、電子ペン1で標識部20pに日時を記入しても良い。その場合、情報生成手段441は、電子ペン1で標識部20pに記入された手書きストロークを文字認識することで得られた日時、又は電子ペン1による標識部20pへの記入に対応する記入情報に含まれる時刻情報の日時を、電子ペン1によって標識部20pに記入がなされた日時として変更情報に含める。当該日時は、傷病者の回復が確認された日時として扱われる。
また、図10では、電子ペン1で標識部20pにチェックと「回復」といった文字とを記入する例を示したが、「回復」といった文字を記入せずに、チェックのみを電子ペン1で標識部20pに記入しても良い。他の例では、チェックを記入せずに、「回復」といった文字のみを電子ペン1で標識部20pに記入しても良い。更に他の例では、日時のみ、若しくは日時とチェック又は「回復」といった文字とを電子ペン1で標識部20pに記入しても良い。
また、図10では、傷病者が回復することで重症度が変わった場合に標識部20pの折り曲げを変更する例を示した。他の例では、間違って標識部20pを折り曲げた場合にも、同様にして、標識部20pの折り曲げを変更することができる。その場合には、例えば、標識部20pに「間違い」という文字を電子ペン1で記入すれば良い。情報生成手段441は、電子ペン1によって標識部20pに記入された手書きストロークを文字認識することで、電子ペン1によって「間違い」という文字が標識部20pに記入されたことを認識し、標識部20pの折り曲げが間違いであったことを示す情報を変更情報として生成する。なお、間違って折り曲げた標識部20pの折り曲げを変更する場合にも、電子ペン1で標識部20pに日時を記入しても良い。そして、情報生成手段441は、電子ペン1で標識部20pに記入された手書きストロークを文字認識することで得られた日時、又は電子ペン1による標識部20pへの記入に対応する記入情報に含まれる時刻情報の日時を、電子ペン1によって標識部20pに記入がなされた日時として変更情報に含めると良い。当該日時は、標識部20pの折り曲げが間違いであったことが確認された日時として扱われる。
[第2実施形態の作用・効果]
以上説明した第2実施形態によれば、標識部20pの一部が折り曲げられたトリアージタグ20の標識部20pへの電子ペン1による記入に対応する記入情報に基づいて、標識部20pの一部の折り曲げについての変更を示す変更情報を適切に生成することができる。よって、標識部20pの一部の折り曲げについての変更があったこと、具体的には傷病者の重症度が変わったことや標識部20pの切り離しが間違いであったことを、サーバ装置4において適切に管理することが可能となる。
また、標識部20pの一部の切り離しを変更する場合に、標識部20pに電子ペン1で文字やチェックなどを記入することで、現場では、標識部20pに記入された文字やチェックなどを確認することで、傷病者の重症度が変わったことや標識部20pの切り離しが間違いであったことを容易に把握することが可能となる。
また、第2実施形態では、標識部20pのラベルにおいて折り曲げられる部分203と折り曲げられない部分204とに跨る手書きストロークが電子ペン1で記入された場合に変更情報を生成することで、トリアージタグ2の利用者が誤って電子ペン1で標識部20pに記入した場合に変更情報が生成されてしまうことを適切に抑制することができる。
[変形例]
以下では、上記した実施形態の変形例について説明する。なお、下記の変形例は、任意に組み合わせて実施形態に適用することができる。
(変形例1)
上記した実施形態では、切り離された又は折り曲げられた標識部2p、20pの一部に跨る手書きストロークが電子ペン1で記入された場合に変更情報を生成していたが、標識部2p、20pの一部に跨らないような手書きストロークが電子ペン1で記入された場合に変更情報を生成しても良い。つまり、電子ペン1で標識部2p、20pに何らかの記入がなされた場合に、変更情報を生成することとしても良い。また、電子ペン1による標識部2p、20pへの手書きストロークの記入に限定されず、電子ペン1で標識部2p、20pにタップされた場合にも、変更情報を生成しても良い。
(変形例2)
上記した実施形態では、本発明をサーバ装置4に適用していたが、本発明の適用はサーバ装置4に限定はされない。本発明は、一般的なコンピュータ装置にも適用することができる。例えば、本発明は、電子ペン1が生成した記入情報を携帯端末3などを介さずに受信して処理する、端末装置としてのコンピュータ装置にも適用可能である。
(変形例3)
上記では、電子ペン1、ドットパターン(コード化パターン)、記入情報に、アノト方式を用いていたが、アノト方式を用いることに限定はされない。