JP6141003B2 - ガレート複合酸化物およびそれを用いた固体酸化物形燃料電池 - Google Patents
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Description
固体酸化物形燃料電池は高温( ≧700℃ ) で運転されるために、炭化水素系燃料を電池内で改質(internal reforming )することができ、高い燃焼効率( > 60% )を得ることが可能であると考えられている。
650℃以下の温度域において、高い電極特性を有する空気極材料として、La1−xSrxCoO3-δやLa1−xSrxCo1−yFeyO3-δなどのBサイトにコバルト元素を含有し、ペロブスカイト構造を有する空気極材料が用いられている。しかしながら、La1−xSrxCoO3-δやLa1−xSrxCo1−yFeyO3-δは固体電解質であるLa1−xSrxGa1−y MgyO3-δとの反応性が高く、La1−xSrxGa1−y MgyO3-δと、La1−xSrxCoO3-δやLa1−xSrxCo1−yFeyO3-δ中のコバルト元素とが容易に反応する。そのため、La1−xSrxGa1−y MgyO3-δと、La1−xSrxCoO3-δやLa1−xSrxCo1−yFeyO3-δとを共焼結する際や、空気極材料としてLa1−xSrxCoO3-δやLa1−xSrxCo1−yFeyO3-δを、固体電解質としてLa1−xSrxGa1−y MgyO3-δを使用した固体酸化物形燃料電池を長時間使用した際に、徐々に機械的強度および酸素イオン伝導性が低下してしまうという問題がある。
これでは、燃料電池などの各種用途に実際に適用することは難しく、従来のランタンガレート複合酸化物を母材とする焼結体の機械的強度を向上させる試みは、熱安定性の低下という新たな問題を生じる。(非特許文献4参照)
しかし、固体酸化物形燃料電池に上記のようなセリウム複合酸化物からなる緩衝層(中間層)を設けた場合でも、固体電解質と緩衝層(中間層)との反応性に対する問題が残ってしまう。
A’ xA” yGa0.8Mg0.2O3−z・・・(1)
x=2a−2z+1.2 ・・・(2)
y=−3a+2z−0.2 ・・・(3)
[3]燃料極と、固体電解質と、一般式(4)で表されるセリウム複合酸化物を含む中間層と、空気極と、を有する固体酸化物形燃料電池であって、
前記固体電解質が、下記の一般式(1)(ただし、A ’ は希土類元素の少なくとも1種の元素であって、A ” はBa、SrおよびCaからなる群から選ばれる少なくとも1種である。)で表されるAサイト欠損型のペロブスカイト構造を有し、xが関係式(2)を満たし、yが関係式(3)を満たす正の数であり、0<a≦0.06であり、かつ、0.18<z<0.21であるガレート複合酸化物である固体酸化物形燃料電池。
A ’ x A ” y Ga 0.8 Mg 0.2 O 3−z ・・・(1)
x=2a−2z+1.2 ・・・(2)
y=−3a+2z−0.2 ・・・(3)
REwCe1−wO2−(w/2) ・・・(4)
(ただし、REは、Sm、Gd、Y、LaおよびNdからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、wは0<w<0.5である。)
[4]REがGdである上記[3]に記載の固体酸化物形燃料電池。
[5]前記固体電解質において、0.03≦a≦0.05であり、かつ、0.19≦z<0.21であるガレート複合酸化物である上記[3]または[4]に記載の固体酸化物形燃料電池。
(ただし、A’は希土類元素の少なくとも1種類の元素であって、A”はBa、SrおよびCaからなる群から選ばれる少なくとも1種類である。)で表されるAサイト欠損型のペロブスカイト構造を有するガレート複合酸化物のうち特定の組成を有するガレート複合酸化物を対象とする。
すなわち、一般式(1)において、xが下記の関係式(2)を満たし、yが関係式(3)を満たす正の数であり、0<a≦0.06、0.18<z<0.21であるガレート複合酸化物である。
x=2a−2z+1.2 ・・・ (2)
y=−3a+2z−0.2・・・(3)
上記一般式(1)において、A’で表される希土類元素とは、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、イットリウム(Y)、またはスカンジウム(Sc)のことをいう。
A’は、2つ以上のこれらの希土類元素の組み合わせであってもよい。なかでもA’はLaであり、A”はSrであるのが好ましい。
x+y=1−a・・・(5)
+3×x+2×y+3×0.8+2×0.2=2×(3−z)・・・(6)
La0.86Ba0.12Ga0.8Mg0.2O2.81
(一般式(1)においてA’=La、A”=Baであり、関係式(2)および(3)においてa=0.02、z=0.19のとき)
La0.86Sr0.12Ga0.8Mg0.2O2.81
(一般式(1)においてA’=La、A”=Srであり、関係式(2)および(3)においてa=0.02、z=0.19のとき)
La0.86Sr0.11Ga0.8Mg0.2O2.8
(一般式(1)においてA’=La、A”=Srであり、関係式(2)および(3)においてa=0.03、z=0.2のとき)
La0.86Ca0.11Ga0.8Mg0.2O2.8
(一般式(1)においてA’=La、A”=Caであり、関係式(2)および(3)においてa=0.03、z=0.2のとき)
La0.90Sr0.05Ga0.8Mg0.2O2.8
(一般式(1)においてA’=La、A”=Srであり、関係式(2)および(3)においてa=0.05、z=0.2のとき)
La0.90Ca0.05Ga0.8Mg0.2O2.8
(一般式(1)においてA’=La、A”=Caであり、関係式(2)および(3)においてa=0.05、z=0.2のとき)
本発明に係るガレート複合酸化物の原料は、好ましくは以下に記載される希土類化合物、Ba元素、Sr元素またはCa元素を含有する化合物、Ga化合物、およびMg化合物である。
希土類化合物は、希土類元素を含有する酸化物、水酸化物、硝酸塩、炭酸塩または酢酸塩などである。Ba元素、Sr元素またはCa元素を含有する化合物は、Ba元素、Sr元素またはCa元素を含有する酸化物、水酸化物、硝酸塩、炭酸塩または酢酸塩などである。Ga化合物は、Ga元素を含有する酸化物、水酸化物、硝酸塩、炭酸塩または酢酸塩などである。Mg化合物は、Mg元素を含有する酸化物、水酸化物、硝酸塩、炭酸塩または酢酸塩などである。
上記の各元素の原料については、酸化物、水酸化物、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩などから選ばれた任意の1種以上の化合物を元素源として選択することができる。
焼成炉は、熱源として、電気式またはガス式のシャトルキルンでも、場合によってはローラーハースキルンでもロータリーキルンでもよく、特に限定されない。
粗焼成工程においては、焼成炉の温度を所定の昇温速度で目的の焼成温度である、好ましくは500〜700℃まで上げる。粗焼成時の焼成温度は、550〜650℃がより好ましい。500℃以上にすることにより本焼成工程後の最終生成物中の不純物量が少なくなるので好ましい。また、700℃以下にすることによりガレート複合酸化物の構成元素が偏析しにくくなるので好ましい。
粗焼成を行う際の雰囲気は、酸素含有雰囲気であり、空気中(大気中)であることが好ましい。空気中であると原料混合粉中の原料粉同士の固相反応が円滑に進行するので、空気中で粗焼成にすることが好ましい。
まず、上記の原料混合粉末、または粗焼成粉末を焼成容器に移し、800〜1300℃の温度にて仮焼成する。
仮焼成工程においては、焼成炉の温度を所定の昇温速度で目的の焼成温度である、好ましくは800〜1300℃まで上げる。仮焼成の温度は、1000〜1300℃がより好ましい。800℃以上であると本焼成工程後の最終生成物中に不純物ピークが生成しにくくなるので好ましい。また、1300℃以下であると仮焼成時に過度に焼結しにくくなるので好ましい。
仮焼成を行う際の雰囲気は、酸素含有雰囲気が好ましい。仮焼成を所定時間行った後、所定の降温速度で室温まで降温する。
次いで、仮焼成で得られた酸化物を必要に応じて解砕する。解砕にはカッターミル、ジェットミル、アトマイザーなどを用い、一般に乾式で行なう。解砕後の体積平均粒径としては1〜50μmが好ましい。より好ましくは1〜20μmである。
さらに、この仮焼成粉を、好ましくは1350〜1600℃の温度において本焼成する。
本焼成工程においては、焼成炉の温度を所定の昇温速度で目的の焼成温度である好ましくは1350〜1600℃まで上げる。昇温速度は各温度での反応物質の化学変化が十分に進行し、反応物質が均一な状態で目的の焼成温度に到達する範囲であれば特に限定されない。
本焼成の温度は、1400〜1500℃がより好ましい。1350℃以上にすることにより焼成が十分に進行しやすく、または1600℃を超えると本材料系は溶融してしまう。
本焼成を所定時間行った後、室温まで降温する。降温速度は、50〜200℃/hが好ましい。生産性を勘案すると50℃/h以上にすることが好ましい。また、200℃/hを超えると、材料内の酸素の拡散が十分に行われず、不均質になってしまう。
これは、本発明に係る特定の組成を有するAサイト欠損型のペロブスカイト構造を有するガレート複合酸化物は高温における化学的安定性が高いため、焼結体の製造時の熱処理によっても、中間層であるセリウム複合酸化物と反応し酸素イオン伝導性の低いLaSrGa3O7相やLaSrGaO4相などの異相を生じにくいためであると考えられる。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池の固体電解質は、本発明に係るガレート複合酸化物の他に、他の複合酸化物、例えば前記一般式(4)で表されるセリウム複合酸化物を含んでもよいが、本発明に係るガレート複合酸化物からなるのが好ましい。
燃料極を構成する燃料極材料は、ニッケル酸化物(NiO)とイットリアやスカンジアで安定化されたジルコニア(Y2O3−ZrO2、Sc2O3−ZrO2)やガドリニウムやサマリウムをドープしたセリア(GdxCe1-xO2-x/2、SmxCe1-xO2-x/2)とのサーメットなどを使用することができる。
REwCe1−wO2−(w/2) ・・・ (4)
ここで、REは、Sm、Gd、Y、LaおよびNdからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、wは0<w<0.5を満たす。
上記一般式(4)のREは、Gd、SmまたはLaであるのが好ましく、Gdであるのがより好ましい。
インターコネクターを構成する材料はインコネルやハステロイなどの合金のほか、ランタンクロム酸化物(LaCrO3-δ)などを使用することができる。
まず、本発明に係るガレート複合酸化物をペレット成形し、厚さ0.2〜2mm程度の円盤状に切り出して固体電解質基板を形成する。
次いで、固体電解質の一方の面に、上記の燃料極材料のスラリーを塗布し、乾燥し、焼成して燃料極を形成する。
次いで、上記の固体電解質の一方の面にセリウム複合酸化物を含む中間層の構成材料の金属イオンを含む有機金属溶液を塗布し、この溶液を熱処理により乾燥および共焼成させる。これにより、中間層を形成する。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池の作動温度は500〜1000℃が好ましく、600〜800℃がより好ましい。
La0.86Sr0.11Ga0.8Mg0.2O2.8で表わされるランタンガレート複合酸化物を作製するにあたり、La2O3と 、SrCO3と 、Ga2O3と、MgOとをLaとSrとGaとMgが原子比で0.86:0.11:0.8:0.2となるように秤量し、乳鉢を用いて3時間粉砕混合した。得られた粉砕粉を大気中で1250℃にて2時間仮焼した。得られた仮焼粉を再度乳鉢により粉砕して得られた粉砕粉を、大気中で1400℃にて10時間本焼成した。得られた焼結体を粉砕することで、ランタンガレート複合酸化物Aの粉末とした。ランタンガレート複合酸化物Aの一般式(1)における組成xとyは、関係式(2)および(3)において、a=0.03、z=0.2である。
ランタンガレート複合酸化物Aの粉末のX線回折測定を行った。X線回折測定には、Rigaku社製のXRD測定装置RINT2000を使用した。40kV×40mAの出力のCuKα線をX線源とし、2°/分のスキャン速度で測定した。その結果、ランタンガレート複合酸化物Aはペロブスカイト構造に帰属できた。
La0.90Sr0.05Ga0.8Mg0.2O2.8で表わされるランタンガレート複合酸化物を作製するにあたり、La2O3と 、SrCO3と、Ga2O3と、MgOとをLaとSrとGaとMgが原子比で0.90:0.05:0.8:0.2となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、ランタンガレート複合酸化物Bの粉末とした。ランタンガレート複合酸化物Bの一般式(1)における組成xとyは、関係式(2)および(3)において、a=0.05、z=0.2である。
ランタンガレート複合酸化物Bの粉末のX線回折測定を実施例1と同様にして行った。ランタンガレート複合酸化物Bはペロブスカイト構造に帰属できた。
(酸素イオン伝導度測定)
ランタンガレート複合酸化物Bの粉末5gとGd0.1Ce0.9O1.955gを、内容積250mlのジルコニア製ポットに入れ、直径5mmのジルコニアボールとともにフリッチュ社製の遊星ミルを用いて100rpmの回転速度で10分間粉砕混合した。単味のランタンガレート複合酸化物Bの粉末、または上記のランタンガレート複合酸化物Bの粉末とGd0.1Ce0.9O1.95との混合物を用い、JIS曲げ試験(JIS−R1601) 片の作製方法に従い試験片を作製した。なお、試験片の焼成温度は1400℃とした。
酸素イオン伝導度の測定には直流4 端子法を用いた。上記試験片を用い、白金線を等間隔に白金ペーストで固定した後、1000℃で焼成し、試験片とした。測定は空気中で692.6K〜1075.58Kの温度範囲で5度/分の降温速度で降温しながら抵抗率を測定して逆数を酸素イオン伝導度とした。伝導は100%酸素イオン伝導性に基づくものと仮定した。計算式は以下の式を用いた。その結果を図1に示す。
σ(S/cm)=電流( A )/電圧(V)×有効試験片長さ(cm)/試験片断面積(cm2)
La0.92Sr0.02Ga0.8Mg0.2O2.8で表わされるランタンガレート複合酸化物を作製するにあたり、La2O3と 、SrCO3と、Ga2O3と、MgOとをLaとSrとGaとMgが原子比で0.92:0.02:0.8:0.2となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、ランタンガレート複合酸化物Cの粉末とした。ランタンガレート複合酸化物Cの一般式(1)における組成xとyは、関係式(2)および(3)において、a=0.06、z=0.2である。
ランタンガレート複合酸化物Cの粉末のX線回折測定を実施例1と同様にして行った。ランタンガレート複合酸化物Cはペロブスカイト構造に帰属できた。
La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2O2.8で表わされるランタンガレート複合酸化物を作製するにあたり、La2O3と 、SrCO3と 、Ga2O3と、MgOとをLaとSrとGaとMgが原子比で0.8:0.2:0.8:0.2となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、ランタンガレート複合酸化物Dの粉末を得た。ランタンガレート複合酸化物Dの一般式(1)における組成xとyは、関係式(2)および(3)において、a=0.00、z=0.2である。
ランタンガレート複合酸化物Dの粉末のX線回折測定を実施例1と同様にして行った。ランタンガレート複合酸化物Dはペロブスカイト構造に帰属できた。
実施例1と同様にして、単味のランタンガレート複合酸化物粉末Dからなる、またはランタンガレート複合酸化物Dの粉末とGd0.1Ce0.9O1.95との混合物からなる酸素イオン伝導度測定用の焼結体を作製し、酸素イオン伝導度を測定した。その結果を図1に示す。
La0.79Sr0.2Ga0.8Mg0.2O2.785で表わされるランタンガレート複合酸化物を作製するにあたり、La2O3と 、SrCO3と 、Ga2O3と、MgOとをLaとSrとGaとMgが原子比で0.79:0.2:0.8:0.2となるように秤量した以外には、実施例1と同様にして、ランタンガレート複合酸化物Eの粉末とした。ランタンガレート複合酸化物Eの一般式(1)における組成xとyは、関係式(2)および(3)において、a=0.01、z=0.215である。
ランタンガレート複合酸化物Eの粉末のX線回折測定を実施例1と同様にして行った。ランタンガレート複合酸化物Eはペロブスカイト構造に帰属できた。
La0.77Sr0.2Ga0.8Mg0.2O2.755で表わされるランタンガレート複合酸化物を作製するにあたり、La2O3と 、SrCO3と 、Ga2O3と、MgOとをLaとSrとGaとMgが原子比で0.77:0.2:0.8:0.2となるように秤量した以外には、実施例1と同様にして、ランタンガレート複合酸化物Fの粉末とした。ランタンガレート複合酸化物Fの一般式(1)における組成xとyは、関係式(2)および(3)において、a=0.03、z=0.245である。
ランタンガレート複合酸化物Fの粉末のX線回折測定を実施例1と同様にして行った。ランタンガレート複合酸化物Fはペロブスカイト構造に帰属できた。
La0.75Sr0.2Ga0.8Mg0.2O2.725で表わされるランタンガレート複合酸化物を作製するにあたり、La2O3と 、SrCO3と 、Ga2O3と、MgOとをLaとSrとGaとMgが原子比で0.75:0.2:0.8:0.2となるように秤量した以外には、実施例1と同様にして、ランタンガレート複合酸化物Gの粉末とした。ランタンガレート複合酸化物Gの一般式(1)における組成xとyは、関係式(2)および(3)において、a=0.05、z=0.275である。
ランタンガレート複合酸化物Gの粉末のX線回折測定を実施例1と同様にして行った。ランタンガレート複合酸化物Gはペロブスカイト構造に帰属できた。
La0.7Sr0.2Ga0.8Mg0.2O2.650で表わされるランタンガレート複合酸化物を作製するにあたり、La2O3と 、SrCO3と 、Ga2O3と、MgOとをLaとSrとGaとMgが原子比で0.7:0.2:0.8:0.2となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、ランタンガレート複合酸化物Hの粉末とした。ランタンガレート複合酸化物Hの一般式(1)における組成xとyは、関係式(2)および(3)において、a=0.10、z=0.35である。
ランタンガレート複合酸化物Hの粉末のX線回折測定を実施例1と同様にして行った。ランタンガレート複合酸化物Hはペロブスカイト構造に帰属できた。
(La0.8Sr0.2)0.99Ga0.8Mg0.2O2.786で表わされるランタンガレート複合酸化物を作製するにあたり、La2O3と 、SrCO3と 、Ga2O3と、MgOとをLaとSrとGaとMgが原子比で0.792:0.198:0.8:0.2となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、ランタンガレート複合酸化物Iの粉末とした。ランタンガレート複合酸化物Iの一般式(1)における組成xとyは、関係式(2)および(3)において、a=0.01、z=0.214である。
ランタンガレート複合酸化物Iの粉末のX線回折測定を実施例1と同様にして行った。ランタンガレート複合酸化物Iはペロブスカイト構造に帰属できた。
(La0.8Sr0.2)0.97Ga0.8Mg0.2O2.758で表わされるランタンガレート複合酸化物を作製するにあたり、La2O3と 、SrCO3と 、Ga2O3と、MgOとをLaとSrとGaとMgが原子比で0.776:0.194:0.8:0.2となるように秤量した以外には、実施例1と同様にして、ランタンガレート複合酸化物Jの粉末とした。ランタンガレート複合酸化物Jの一般式(1)における組成xとyは、関係式(2)および(3)において、a=0.03、z=0.242である。
ランタンガレート複合酸化物Jの粉末のX線回折測定を実施例1と同様にして行った。ランタンガレート複合酸化物Jはペロブスカイト構造に帰属できた。
(La0.8Sr0.2)0.95Ga0.8Mg0.2O2.73で表わされるランタンガレート複合酸化物を作製するにあたり、La2O3と 、SrCO3と 、Ga2O3と、MgOとをLaとSrとGaとMgが原子比で0.76:0.19:0.8:0.2となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、ランタンガレート複合酸化物Kの粉末とした。ランタンガレート複合酸化物Kの一般式(1)における組成xとyは、関係式(2)および(3)において、a=0.05、z=0.27である。
ランタンガレート複合酸化物Kの粉末のX線回折測定を実施例1と同様にして行った。ランタンガレート複合酸化物Kはペロブスカイト構造に帰属できた。
(La0.8Sr0.2)0.90Ga0.8Mg0.2O2.66で表わされるランタンガレート複合酸化物を作製するにあたり、La2O3と 、SrCO3と 、Ga2O3と、MgOとをLaとSrとGaとMgが原子比で0.72:0.18:0.8:0.2となるように秤量した以外は、実施例1と同様にして、ランタンガレート複合酸化物Lの粉末とした。ランタンガレート複合酸化物Lの一般式(1)における組成xとyは、関係式(2)および(3)において、a=0.10、z=0.34である。
ランタンガレート複合酸化物Lの粉末のX線回折測定を実施例1と同様にして行った。ランタンガレート複合酸化物Lはペロブスカイト構造に帰属できた。
実施例1〜3および比較例1〜9で得られたランタンガレート複合酸化物A〜Lについて、固体酸化物形燃料電池の中間層であるCe0.9Gd0.1O1.95に対する高温(1400℃)での化学的安定性について評価した。評価条件は以下の通りである。
実施例1〜3および比較例1〜9で得られたランタンガレート複合酸化物とCe0.9Gd0.1O1.95とを重量比でランタンガレート複合酸化物:Ce0.9Gd0.1O1.95=1:1となるよう秤量し、メノウ乳鉢を用いて乾式混合し、評価用の試料とした。その試料を1400℃にて2時間熱処理した。熱処理後の結晶相の変化をCuKα線を線源とするX線回折測定により調べ、ランタンガレート複合酸化物とCe0.9Gd0.1O1.95との化学的反応性について評価した。X線回折測定には、Rigaku社製のXRD測定装置RINT2000を使用した。CuKα線の管電圧、管電流は、それぞれ40KV、40mAとし、2°/分の速度で連続測定した。
実施例1〜3のランタンガレート複合酸化物A〜CとCe0.9Gd0.1O1.95との混合物の熱処理後のX線回折パターンには、ランタンガレート複合酸化物に該当する回折ピークと、Ce0.9Gd0.1O1.95に該当する回折ピークのみが観測された。しかし、比較例1〜9のランタンガレート複合酸化物D〜LとCe0.9Gd0.1O1.95との混合物の熱処理後のX線回折パターンには、ランタンガレート複合酸化物とCe0.9Gd0.1O1.95とが反応した結果として2θ=30°付近にLaSrGa3O7相に該当する回折ピークや、31.5°付近にLaSrGaO4相に該当する回折ピークが観測された。
表1において、ランタンガレート複合酸化物とCe0.9Gd0.1O1.95との混合物を熱処理した結果、2θ=30°付近にLaSrGa3O7相に該当する回折ピークが観測されなかった場合を○印で表わし、LaSrGa3O7相に該当する回折ピークが観測された場合は×印で表わした。
図1に本発明のランタンガレート複合酸化物B、従来法のランタンガレート複合酸化物D、本発明のランタンガレート複合酸化物Bと中間層材料であるCe0.9Gd0.1O1.95との混合物、および従来法のランタンガレート複合酸化物DとCe0.9Gd0.1O1.95との混合物について、それぞれの焼結体試験片を用いて測定した酸素イオン伝導度の温度依存性を示す。図1より実施例2のAサイト欠損型のペロブスカイト構造を有するランタンガレート複合酸化物BとGd0.1Ce0.9O1.95との混合物から得られた焼結体試験片の酸素イオン伝導度は、熱処理によってもその酸素イオン伝導度が低下していないことがわかる。なお、図1においてランタンガレート複合酸化物Bを◇で示し、ランタンガレート複合酸化物BとGd0.1Ce0.9O1.95との混合物を◆で示す。一方、比較例1の化学量論組成のペロブスカイト構造を有するランタンガレート複合酸化物DとGd0.1Ce0.9O1.95の混合物から得られた焼結体試験片の酸素イオン伝導度は、熱処理により大幅に低下していることがわかる。なお、図1においてランタンガレート複合酸化物Dを○で示し、ランタンガレート複合酸化物DとGd0.1Ce0.9O1.95との混合物を●で示す。これは、本発明に係わるAサイト欠損型のペロブスカイト構造を有するランタンガレート複合酸化物のGd0.1Ce0.9O1.95に対する高温における化学的安定性が高いことに起因すると考えられる。
固体電解質として本発明に係わるランタンガレート複合酸化物を、中間層としてGd0.1Ce0.9O1.95を使用して固体酸化物形燃料電池を作製した場合に、作製過程における熱処理により固体電解質と中間層とが反応しないため、作製した固体酸化物形燃料電池は優れた電池特性を示すことが期待できる。
Claims (5)
- 下記の一般式(1)(ただし、A’は希土類元素の少なくとも1種の元素であって、A”はBa、SrおよびCaからなる群から選ばれる少なくとも1種である。)で表されるAサイト欠損型のペロブスカイト構造を有するガレート複合酸化物であって、xが下記の関係式(2)を満たし、yが関係式(3)を満たす正の数であり、0.03≦a≦0.05であり、かつ、0.19≦z<0.21であることを特徴とするガレート複合酸化物。
A’ xA” yGa0.8Mg0.2O3−z・・・(1)
x=2a−2z+1.2 ・・・(2)
y=−3a+2z−0.2 ・・・(3) - 一般式(1)における、A’元素がLaであり、A”がSrである請求項1に記載のガレート複合酸化物。
- 燃料極と、固体電解質と、一般式(4)で表されるセリウム複合酸化物を含む中間層と、空気極と、を有する固体酸化物形燃料電池であって、
前記固体電解質が、下記の一般式(1)(ただし、A ’ は希土類元素の少なくとも1種の元素であって、A ” はBa、SrおよびCaからなる群から選ばれる少なくとも1種である。)で表されるAサイト欠損型のペロブスカイト構造を有し、xが関係式(2)を満たし、yが関係式(3)を満たす正の数であり、0<a≦0.06であり、かつ、0.18<z<0.21であるガレート複合酸化物である固体酸化物形燃料電池。
A ’ x A ” y Ga 0.8 Mg 0.2 O 3−z ・・・(1)
x=2a−2z+1.2 ・・・(2)
y=−3a+2z−0.2 ・・・(3)
REwCe1−wO2−(w/2) ・・・(4)
(ただし、REは、Sm、Gd、Y、LaおよびNdからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、wは0<w<0.5である。) - REがGdである請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記固体電解質において、0.03≦a≦0.05であり、かつ、0.19≦z<0.21である請求項3または4に記載の固体酸化物形燃料電池。
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