以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《実施形態1》
図1は、ミラーアレイ1の平面図を、図2は、ミラーアレイ1の、図1のII−II線における断面図を示す。
ミラーアレイ1は、複数のミラーデバイス100,100,…を備えている。複数のミラーデバイス100,100,…は、所定のY軸方向に一列に配列されている。
ミラーアレイ1は、SOI(Silicon on Insulator)基板109を用いて製造されている(図2参照)。SOI基板109は、単結晶シリコンで形成された第1シリコン層191と、SiO2で形成された酸化膜層192と、単結晶シリコンで形成された第2シリコン層193とがこの順で積層されて構成されている。
ミラーデバイス100は、ベース部102と、ミラー131と、ミラー131を駆動するアクチュエータ104と、ミラー131とアクチュエータ104とを連結する第1ヒンジ105と、ミラー131とベース部102とを連結する第2ヒンジ106と、ミラー131に設けられた可動櫛歯電極107と、ベース部102に設けられた固定櫛歯電極108と、参照電極194と、制御部10とを有している。ミラーアレイ1は、いくつかのミラーデバイス100,100,…ごとに共通の1つの制御部10を有している。尚、ミラーアレイ1は、ミラーデバイス100ごとに1つの制御部10を有していても、すべてのミラーデバイス100,100,…で共通の1つの制御部10を有していてもよい。
ベース部102は、全体の図示は省略するが、概略長方形の枠状に形成されている。ベース部102は、第1シリコン層191、酸化膜層192及び第2シリコン層193で形成されている。
ミラー131は、平面視長方形の板状に形成されている。ミラー131は、ミラー本体132と、ミラー本体132の表面に積層された鏡面層133とを有している。ミラー本体132は、第1シリコン層191で形成され、鏡面層133は、Au/Ti膜で形成されている。尚、ミラー本体132の裏面にも、鏡面層133と同様の鏡面層134が積層されている。鏡面層134は、ミラー本体132の表面において生じる、鏡面層133に起因する膜応力をバランスさせる機能を有する。これにより、ミラー本体132、ひいては、鏡面層133の平面度を向上させることができる。
ここで、ミラー131の中心を通り、ミラー131とアクチュエータ104とが並ぶ方向に延びる軸をX軸とする。X軸は、ミラー131の長辺に平行に延びている。ミラー131の中心を通り、ミラー131の短辺に平行に延びる軸をY軸とする。X軸とY軸とは直交している。複数のミラー131,131,…は、Y軸上に並んでいる。すなわち、複数のミラー131,131,…の配列方向は、Y軸方向に一致する。X軸及びY軸の両方に直交する軸をZ軸とする。尚、Z軸方向を上下方向ということがある。その場合、鏡面層133の側を上とし、ミラー本体132の側を下とする。
アクチュエータ104は、ベース部102から片持ち状に延び、その先端が第1ヒンジ105を介してミラー131に連結されている。アクチュエータ104は、湾曲することによって、ミラー131を傾動させる。詳しくは、アクチュエータ104は、基端部がベース部102に連結され、ベース部102から片持ち状に張り出しているアクチュエータ本体141と、アクチュエータ本体141の表面に積層された圧電素子142とを有している。
アクチュエータ本体141は、平面視長方形の板状に形成されている。アクチュエータ本体141は、第1シリコン層191で形成されている。アクチュエータ本体141は、X軸方向に延びている。アクチュエータ本体141の先端部は、第1ヒンジ105を介して、ミラー131の一方の短辺である第1短辺131aに連結されている。
圧電素子142は、アクチュエータ本体141の表側(ミラー131の鏡面層133と同じ側)に設けられている。アクチュエータ本体141の表面にはSiO2層146が積層されており、圧電素子142は、SiO2層146上に積層されている。圧電素子142は、アクチュエータ本体141と同様に、平面視長方形の板状に形成されている。圧電素子142は、下部電極143と、上部電極145と、これらに挟持された圧電体層144とを有する。下部電極143、圧電体層144、上部電極145は、SiO2層146上にこの順で積層されている。圧電素子142は、SOI基板109とは別の部材で形成されている。詳しくは、下部電極143は、Pt/Ti膜で形成されている。圧電体層144は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で形成されている。上部電極145は、Au/Ti膜で形成されている。
ベース部102には、下部電極143と電気的に接続された駆動用端子121が設けられている。上部電極145と駆動用端子121を介して圧電素子142に電圧が印加される。
アクチュエータ104は、圧電素子142に電圧が印加されると、アクチュエータ本体141のうち圧電素子142が積層された表面が伸縮し、アクチュエータ本体141が上下方向に湾曲する。
第1ヒンジ105は、2つの部材、即ち、アクチュエータ104とミラー131とを連結し、弾性的に変形可能に構成されている。第1ヒンジ105は、第1シリコン層191で形成されている。第1ヒンジ105の詳細な構成については後述する。
第2ヒンジ106は、2つの部材、即ち、ミラー131とベース部102とを連結し、弾性的に変形可能に構成されている。第2ヒンジ106は、ミラー131ごとに2つ設けられている。第2ヒンジ106の一端は、ミラー131の第2短辺131bに連結され、他端は、ベース部102に連結されている。第2ヒンジ106は、全体としてつづら折り状に屈曲している。第2ヒンジ106は、第1シリコン層191で形成されている。
可動櫛歯電極107は、アーム部179を介してミラー131の第2短辺131bに片持ち状に設けられている。アーム部179は、2つの第2ヒンジ106の間をX軸方向に延びている。可動櫛歯電極107は、3つの電極指171,171,…を有している。電極指171は、第2ヒンジ106よりもミラー131から離れている。3つの電極指171,171,…は、互いに平行にX軸方向に延びている。可動櫛歯電極107及びアーム部179は、第1シリコン層191で形成されている。尚、電極指171の個数は、3つに限られるものではない。
一方、ベース部102には、可動櫛歯電極107が入り込む凹部102aが形成されている。凹部102aに固定櫛歯電極108が設けられている。固定櫛歯電極108は、2つの電極指181,181を有している。2つの電極指181,181は、互いに平行にX軸方向に延びている。各電極指181は、可動櫛歯電極107の電極指171の間に入り込んでいる。つまり、可動櫛歯電極107の電極指171と固定櫛歯電極108の電極指181とは互いに対向している。固定櫛歯電極108は、第1シリコン層191で形成されている。ただし、固定櫛歯電極108は、可動櫛歯電極107とは電気的に絶縁されている。尚、電極指181の個数は、2つに限られるものではない。
ベース部102には、可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108との静電容量を検出するための第1検出端子122及び第2検出端子123が設けられている。
第1検出端子122は、ベース部102の第1シリコン層191のうち可動櫛歯電極107と電気的に導通している部分の表面に設けられている。第1検出端子122は、複数の可動櫛歯電極107,107,…で共通であって、1つだけ設けられている。尚、第1検出端子122は、ミラーデバイス100ごとに設けられていてもよい。
第2検出端子123は、電極部124の表面に設けられている。電極部124は、ベース部102の第1シリコン層191で形成され、ベース部102の酸化膜層192上においてその周りの部分から孤立し、電気的に絶縁されている。電極部124は、固定櫛歯電極108が連結されている。第2検出端子123及び電極部124は、固定櫛歯電極108ごとに設けられている。
また、ベース部102には、参照電極194が設けられている。参照電極194は、可動櫛歯電極107の電極指171に相当する第1電極指194aと固定櫛歯電極108の電極指181に相当する第2電極指194bとを有している。第1電極指194a及び第2電極指194bは、電極指171及び電極指181と同様の構成をしている。つまり、第1電極指194aは、3つ設けられ、第2電極指194bは、2つ設けられている。第2電極指194bは、第1電極指194aの間に入り込んでいる。つまり、第1電極指194aと第2電極指194bとは互いに対向している。
参照電極194の静電容量は、第1検出端子122及び第3検出端子125を介して検出される。
第1電極指194aは、ベース部102の第1シリコン層191のうち第1検出端子122が設けられた部分と電気的に導通している。
第3検出端子125は、電極部126の表面に設けられている。電極部126は、電極部124と同様の構成をしている。つまり、電極部126は、ベース部102の第1シリコン層191で形成され、ベース部102の酸化膜層192上においてその周りの部分から孤立し、電気的に絶縁されている。電極部126は、第2電極指194bが連結されている。
尚、ミラー131、アクチュエータ104、第1ヒンジ105、第2ヒンジ106、可動櫛歯電極107、固定櫛歯電極108及び参照電極194の下方においては、酸化膜層192及び第2シリコン層193が除去されている。
また、隣接するミラーデバイス100,100の固定櫛歯電極108,108の間には、隔壁102bが設けられている。つまり、隣接する凹部102a,102aは、隔壁102bにより隔離されている。隔壁102bは、第1シリコン層191、酸化膜層192及び第2シリコン層193で形成されている。
このように構成されたミラーアレイ1は、SOI基板109をエッチングしたり、その表面に成膜することにより製造される。例えば、SOI基板109の表面にSiO2層146を成膜し、SiO2層146の上に、Pt/Ti膜(下部電極143)、チタン酸ジルコン酸鉛(圧電体層144)及びAu/Ti膜(上部電極145)を順に成膜して、フォトリソグラフィ及びエッチングにより圧電素子142を形成する。次に、第1シリコン層191をICP−RIE等の異方性エッチングを行うことによりミラー本体132及びアクチュエータ本体141等を形成する。続いて、ミラー本体132の表面にAu/Ti膜を成膜して、鏡面層133を形成する。その後、圧電素子142に所定の電圧を印加して分極処理を施す。
−波長選択スイッチ−
このミラーアレイ1は、例えば、波長選択スイッチ2に組み込まれて使用される。図3に、波長選択スイッチ2の概略図を示す。
波長選択スイッチ2は、1つの入力用光ファイバ21と、3つの出力用光ファイバ22〜24と、光ファイバ21〜24に設けられたコリメータ25と、回折格子で構成された分光器26と、レンズ27と、ミラーアレイ1とを備えている。尚、この例では、出力用ファイバは、3本だけであるが、これに限られるものではない。
この波長選択スイッチ2においては、入力用光ファイバ21を介して、複数の異なる波長の光信号が入力される。この光信号は、コリメータ25により平行光にされる。平行光となった光信号は、分光器26によって、所定の数の特定波長の光信号に分波される。分波された光信号は、レンズ27によって集光され、ミラーアレイ1に入射する。分波される特定波長の個数と、ミラーアレイ1のミラー131の個数は対応している。つまり、分波された特定波長の光信号は、それぞれ対応するミラー131に入射する。そして、該光信号は、各ミラー131により反射し、再びレンズ27を通って、分光器26へ入射する。分光器26は、複数の異なる波長の光信号を合波し、出力用光ファイバ22〜24へ出力する。ここで、ミラーアレイ1は、各ミラー131を傾動させることによって光信号の反射角度を調整して、対応する光信号がどの出力用光ファイバ22〜24へ入力されるのかを切り替える。尚、ミラー131の個数の方が分波される特定波長の個数よりも多くてもよい。
−ミラーアレイの動作−
次に、このように構成されたミラーアレイ1の動作について説明する。
アクチュエータ本体141には圧電素子142が成膜されているため、圧電素子142に電圧を印加していない状態においてはアクチュエータ104に反り(以下、「初期反り」と称する)が生じている。ミラー131は、この初期反りに起因して傾斜している。初期反りは、アクチュエータ104ごとにばらつきを有する。そのため、ミラー131の傾斜もそれぞれ異なる。
そこで、ミラーアレイ1を動作させる際には、まず圧電素子142にバイアス電圧を印加することによって初期反りを調整する。それにより、ミラー131,131,…の傾斜を均一にする。詳しくは、制御部10は、上部電極145と下部電極143とにバイアス電圧を印加する。バイアス電圧の極性が分極処理のときの電圧の極性と同じ場合には、バイアス電圧に応じて圧電体層144が収縮する。それに伴い、アクチュエータ本体141の圧電素子142側の表面が収縮する。その結果、アクチュエータ本体141の反り状態が変化する。
アクチュエータ本体141の反り状態が変化すると、アクチュエータ本体141の先端が変位する。それに伴い、ミラー131の第1短辺131aも同様に変位する。ミラー131の第2短辺131bは、第2ヒンジ106を介してベース部102に連結されているため、ほとんど変位しない。その結果、ミラー131は、第2ヒンジ106を支点として第1短辺131aの側が変位するように傾動する。
そして、制御部10は、詳しくは後述する可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108との間の静電容量に基づいてバイアス電圧を調整して、ミラー131,131,…の傾斜を均一にする。
このように、初期状態においては、圧電素子142にバイアス電圧が印加されており、ミラー131,131,…の傾斜が均一に調整されている。
制御部10は、この状態から所望のミラーデバイス100に駆動電圧を印加して、ミラー131を個別に制御する。ミラー131は、バイアス電圧を印加したときと同様に、駆動電圧に応じて傾動する。すなわち、ミラー131は、Y軸に平行であって且つ実質的に第2ヒンジ106を通過するA軸の周りに傾動する。このとき、第1ヒンジ105は、凸状に湾曲し、第2ヒンジ106は、凹状に湾曲する。
−ミラーの傾動量の検出−
アクチュエータ104を作動させてミラー131が傾動すると、それに伴って可動櫛歯電極107も傾動する。可動櫛歯電極107は、第2ヒンジ106を挟んでミラー131と反対側に位置するので、例えばミラー131が第1短辺131aを上昇させるように傾動すると、可動櫛歯電極107は、電極指171を下降させるように傾動する。その結果、可動櫛歯電極107の電極指171と固定櫛歯電極108の電極指181との対向している部分の面積が変化し、可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108との間の静電容量が変化する。
制御部10は、可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108との間の静電容量を第1検出端子122及び第2検出端子123を介して検出している。制御部10は、圧電素子142の印加電圧を静電容量の変化に基づいて調整することによって、ミラー131の傾動量を制御する。
このとき、制御部10は、第1検出端子122及び第3検出端子125を介して参照電極194の静電容量も検出している。制御部10は、参照電極194の静電容量を参照することによって、可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108との間の静電容量の変化をより正確に求めることができる。
ここで、電極指171が電極指181との対向面積が小さくなると、可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108との間の静電容量が小さくなる。静電容量が零になると、静電容量の変化を検出できないので、ミラー131の傾動を検出できなくなってしまう。ここで、本実施形態のように、電極指171と電極指181との間隔に対する、SOI基板109の厚み方向への電極指171及び電極指181の寸法の比が小さい構成においては、電極指171と電極指181とが対向する方向以外の方向へ電界が広がるフリンジ効果が発生する。そのため、電極指171が電極指181と対向していなくても、電極指171と電極指181とが近ければ、電極指171と電極指181との間に電界が生じ得る。しかし、電極指171と電極指181とが大きく離れてしまうと、やはり静電容量は零になってしまう。そうなると、ミラー131の傾動量を検出できなくなる。換言すると、ミラー131の傾動量を精度良く制御できる範囲は、可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108との間の静電容量を検出できる範囲に限られる。
可動櫛歯電極107は、第1ヒンジ105よりも第2ヒンジ106の近くに配置されている。つまり、可動櫛歯電極107は、ミラー131のA軸の近傍に設けられている。そのため、ミラー131が傾動するときの可動櫛歯電極107の変位量が抑制される。その結果、静電容量を検出可能なミラー131の傾動範囲を拡大することができる。つまり、ミラー131の傾動量を精度良く制御できるミラー131の傾動範囲を拡大することができる。
尚、このような構成においては、水平面(例えば、ベース部102の表面)からのミラー131の傾動角度が同じであれば、ミラー131が下方に傾動している場合であっても上方に傾動している場合であっても静電容量の検出結果は同じになる。そのため、前述のミラーアレイ1の動作においては、ミラー131の駆動時にミラー131が水平面を跨いで傾動しないようにバイアス電圧及び駆動電圧が設定される。つまり、(i)初期反りによってアクチュエータ104が水平面よりも上側に湾曲しており、バイアス電圧によって反りをさらに上方へ調整し、駆動電圧によってアクチュエータ104をさらに上方へ湾曲させる場合と、(ii)初期反りによってアクチュエータ104が水平面よりも下側に湾曲しており、バイアス電圧によってアクチュエータ104を水平面よりも上側へ反らせ、駆動電圧によってアクチュエータ104をさらに上方へ湾曲させる場合と、(iii)初期反りによってアクチュエータ104が水平面よりも下側に湾曲しており、バイアス電圧によってアクチュエータ104を水平面より下側の範囲で上方へ調整し、駆動電圧によってアクチュエータ104を水平面より下側の範囲でさらに上方へ湾曲させる場合(すなわち、アクチュエータ104が水平面よりも上側へ湾曲することはない)とがある。尚、このようなアクチュエータ104の動作は、一例である。
−第1ヒンジの構成−
次に、第1ヒンジ105の構成について詳細に説明する。図4は、第1ヒンジ105の平面図である。
第1ヒンジ105は、蛇行部150と、第1端部153と、第2端部154とを備えている。蛇行部150は、並設された第1蛇行部151と第2蛇行部152とを有する。第1蛇行部151と第2蛇行部152とは、X軸に対して線対称な形状をしている。第1蛇行部151の一端部と第2蛇行部152の一端部とは、第1端部153に連結されている。第1蛇行部151の他端部と第2蛇行部152の他端部とは、第2端部154に連結されている。第1端部153は、アクチュエータ(図示省略)に連結されている。第2端部154は、ミラー(図示省略)に連結されている。
第1蛇行部151は、交互に配列された3つの第1凸部155,155,…と2つの第1凹部156,156とを有し、ジグザグ状に形成されている。第1蛇行部151は、Y軸方向に蛇行しながらX軸方向に第1端部153から第2端部154まで延びている。第1凸部155及び第1凹部156はそれぞれ、矩形状に形成されている。第1凸部155は、Y軸方向外側に延び、直角に2回屈曲して折り返し、Y軸方向内側に延びている。第1凹部156は、Y軸方向内側に延び、直角に2回屈曲して折り返し、Y軸方向外側に延びている。
第2蛇行部152は、交互に配列された3つの第2凸部157,157,…と2つの第2凹部158,158とを有し、ジグザグ状に形成されている。第2蛇行部152は、Y軸方向に蛇行しながらX軸方向に第1端部153から第2端部154まで延びている。第2凸部157及び第2凹部158はそれぞれ、矩形状に形成されている。第2凸部157は、Y軸方向外側に延び、直角に2回屈曲して折り返し、Y軸方向内側に延びている。第2凹部158は、Y軸方向内側に延び、直角に2回屈曲して折り返し、Y軸方向外側に延びている。
2つの第1凹部156,156と2つの第2凹部158,158とはそれぞれ、互いに連結されている。つまり、第1蛇行部151と第2蛇行部152は、両端部以外に、第1凹部156と第2凹部158とが連結されている。
換言すると、第1ヒンジ105は、X軸方向に並ぶ複数の環状部と、該環状部を連結する連結部とを有している。環状部は、X軸方向よりもY軸方向に長い形状をしている。
このように、第1蛇行部151の第1凹部156,156,…と第2蛇行部152の第2凹部158,158,…とを互いに連結することによって、X軸方向の剛性(バネ定数)をほとんど変えることなく、Y軸方向の剛性を増大させることができる。
詳しくは、蛇行部150をジグザグ状に蛇行しながらX軸方向に延びる形状とすることによって、X軸方向の剛性を低減することができる。このX軸方向の剛性を低減できる効果は、第1凹部156,156,…と第2凹部158,158,…とを互いに連結してもほとんど変わらない。
その一方で、第1凹部156,156,…と第2凹部158,158,…とを互いに連結することによって、Y軸方向の力が作用したときの第1ヒンジ105の変形が制限される。つまり、第1凹部156,156,…と第2凹部158,158,…とが連結されていなければ、第1ヒンジ105にY軸方向の力が作用したときには、各第1凹部156とそれに対応する第2凹部158とのX軸方向位置がずれて、隣り合う第1凸部155,155の間隔、隣り合う第1凹部156,156の間隔、隣り合う第2凸部157,157の間隔、及び隣り合う第2凹部158,158の間隔が変化する。こうすることで、第1ヒンジ105は、Y軸方向に変形する。それに対し、第1凹部156,156,…と第2凹部158,158,…とを互いに連結することによって、第1凹部156とそれに対応する第2凹部158とのX軸方向へのずれが防止されるので、隣り合う第1凸部155,155の間隔等も変化し難くなり、第1ヒンジ105全体のY軸方向への変形が阻害される。結果として、第1ヒンジ105のY軸方向の剛性が増大する。
―隣り合う第1ヒンジ同士の関係―
このように構成された第1ヒンジ105は、第1端部153から第2端部154の方を向いて見たときに、Y軸方向に隣り合う別の第1ヒンジ105と部分的に重なっている。つまり、図1に示すように、隣り合う2つの第1ヒンジ105,105において、所定の第1領域R1では、一方の第1ヒンジ105の蛇行部150の少なくとも一部が該2つの第1ヒンジ105の間の中間線Lを越えて他方の第1ヒンジ105の方へ突出し、第1領域R1とは異なる第2領域R2では、他方の第1ヒンジ105の蛇行部150の少なくとも一部が該中間線Lを越えて一方の第1ヒンジ105の方へ突出している。中間線Lは、一方の第1ヒンジ105と他方の第1ヒンジ105との中間においてX軸に平行に延びる直線である。
詳しくは、Y軸方向に並ぶ1番目の第1ヒンジ105においては、第1端部153が第2端部154よりも長く、蛇行部150がアクチュエータ104よりもミラー131の近くに設けられている。2番目の第1ヒンジ105においては、第2端部154が第1端部153よりも長く、蛇行部150がミラー131よりもアクチュエータ104の近くに設けられている。こうして、1番目の第1ヒンジ105の蛇行部150と、2番目の第1ヒンジ105の蛇行部150とは、X軸方向位置が異なる。
そして、ミラー寄りの第1領域R1において、1番目の第1ヒンジ105の蛇行部150は、中間線Lを越えて2番目の第1ヒンジ105側に突出している。一方、アクチュエータ寄りの第2領域R2において、2番目の第1ヒンジ105の蛇行部150は、中間線Lを越えて1番目の第1ヒンジ105側に突出している。
Y軸方向の端部から奇数番目の第1ヒンジ105は、1番目の第1ヒンジ105と同様の構成をしている。一方、Y軸方向の端部から偶数番目の第1ヒンジ105は、2番目の第1ヒンジ105と同様の構成をしている。そして、奇数番目の第1ヒンジ105と偶数番目の第1ヒンジ105とでは、蛇行部150の位置がX軸方向に互いにずれており、蛇行部150のY軸方向寸法が拡大されている。
第1ヒンジ105のY軸方向寸法を拡大すると、蛇行部150のうちY軸方向に延びる線部(以下、「横線部」という)の長さが長くなる。横線部の長さを長くすることによって、第1ヒンジ105のX軸方向の剛性を小さくすることができる。その一方で、横線部を長くしても、第1ヒンジ105のY軸方向の剛性はそれほど小さくならない。
−第1ヒンジの剛性と第2ヒンジの剛性−
続いて、第1ヒンジ105及び第2ヒンジ106の剛性について説明する。
第2ヒンジ106の剛性は、第1ヒンジ105の剛性よりも大きくなっている。詳しくは、第2ヒンジ106のX軸方向の剛性は、第1ヒンジ105のX軸方向の剛性よりも大きい。これにより、ミラー131が傾動するときに、可動櫛歯電極107がX軸方向にずれることを防止することができる。つまり、ベース部102の形状は不変なので、アクチュエータ104が湾曲してミラー131が傾動するためには、第1ヒンジ105及び第2ヒンジ106がX軸方向へ伸びる必要がある。このとき、第2ヒンジ106の剛性が第1ヒンジ105の剛性よりも小さい場合には、ミラー131がアクチュエータ104の方へ大きく変位する。すると、可動櫛歯電極107もアクチュエータ104の方へ変位し、可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108との間の静電容量が変化する。つまり、可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108との間の静電容量が、ミラー131の傾動に伴う可動櫛歯電極107の傾動以外の原因で変化してしまう。それに対し、第2ヒンジ106のX軸方向の剛性が第1ヒンジ105のX軸方向の剛性よりも大きいと、第1ヒンジ105の方が第2ヒンジ106よりも大きく伸びる。これにより、ミラー131の、アクチュエータ104の方への変位が抑制される。その結果、ミラー131の傾動に伴う可動櫛歯電極107の傾動以外の原因による静電容量の変化を抑制することができる。
−まとめ−
したがって、ミラーデバイス100は、ミラー131と、圧電素子142を有し、前記ミラー131を傾動させるアクチュエータ104と、前記ミラー131と前記アクチュエータ104とを連結する第1ヒンジ105と、ベース部102と、前記ミラー131と前記ベース部102とを連結する第2ヒンジ106と、前記ミラー131に連結された可動櫛歯電極107と、前記ベース部102に固定され、前記可動櫛歯電極107に対向する固定櫛歯電極108とを備え、前記アクチュエータ104は、前記可動櫛歯電極107と前記固定櫛歯電極108との間の静電容量に基づいて制御され、前記可動櫛歯電極107は、前記ミラー131において前記第1ヒンジ105よりも前記第2ヒンジ106の近くに設けられている。
この構成によれば、ミラー131の傾動量を精度良く制御することができる。それに加えて、ミラー131の傾動量を精度良く制御できる範囲を拡大することができる。
詳しくは、可動櫛歯電極107は、ミラー131と一体的に変位するので、可動櫛歯電極107と前記固定櫛歯電極108との間の静電容量を検出することによってミラー131の傾動量を検出することができる。その結果、圧電素子142を用いたアクチュエータ104にヒステリシスやクリープ現象があったとしても、可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108との間の静電容量を参照することによってミラー131の傾動を精度良く制御することができる。
このとき、可動櫛歯電極107がミラー131の傾動の中心、即ち、A軸から離れていると、ミラー131が傾動するときの可動櫛歯電極107の変位量が大きくなる。ミラー131の傾動に対する可動櫛歯電極107の変位量が大きすぎると、可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108との間の静電容量を検出できるミラー131の傾動範囲が小さくなる。つまり、ミラー131の傾動を精度良く制御できる範囲が狭くなってしまう。つまり、可動櫛歯電極107をミラー131の傾動の中心となる第2ヒンジ106の近傍に配置することによって、ミラー131の傾動に対する可動櫛歯電極107の変位量を低減することができる。その結果、ミラー131の傾動を精度良く制御できる範囲を拡大することができる。
また、可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108とで検出用の電極を構成することによって、静電容量による検出用電極を簡易に形成することができる。詳しくは、可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108とは、同一の第1シリコン層191から形成されている。つまり、可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108とを形成した時点で、可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108との間隔が決まる。可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108とを別々に形成した後に両者を組み立てる場合には、組立時に、高精度な位置合わせが必要になる。それに対し、可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108とを同一の基板から形成する場合には、半導体プロセスによって可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108との間隔が高精度に作り込まれる。そのため、静電容量による検出用電極を簡易に形成することができる。
前記可動櫛歯電極107は、前記ミラー13を挟んで前記アクチュエータ104と反対側に設けられている。
この構成によれば、アクチュエータ104、ミラー131、可動櫛歯電極107が一列に並べられる。そのため、ミラーデバイス100をコンパクトに構成することができる。特に、これらが並ぶ方向と直交する方向、即ち、Y軸方向へのミラーデバイス100のサイズをコンパクトにすることができる。
前記第2ヒンジ106の剛性は、前記第1ヒンジ105の剛性よりも大きい。
この構成によれば、アクチュエータ104が湾曲してミラー131が傾動するときに、アクチュエータ104とミラー131との位置関係の変化に比べて、ミラー131とベース部102との位置関係はあまり変化しない。そのため、ミラー131に連結された可動櫛歯電極107とベース部102に固定された固定櫛歯電極108との位置関係もあまり変化しない。その結果、ミラー131の傾動に伴う可動櫛歯電極107の傾動以外の原因による、可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108との間の静電容量の変化を可及的に低減することができる。その結果、ミラー131の傾動をより正確に制御することができる。
前記ミラー131、前記第2ヒンジ106及び前記可動櫛歯電極107は、前記ミラー131、前記第2ヒンジ106、前記可動櫛歯電極107の順で並んでいる。
この構成によれば、前記ミラー131、前記第2ヒンジ106及び前記可動櫛歯電極107を一列にコンパクトに配置することができる。
前記ミラー131は、複数設けられ且つ所定のY軸方向に配列されており、前記アクチュエータ104、前記第1ヒンジ105、前記第2ヒンジ106及び前記可動櫛歯電極107は、前記ミラー131ごとに少なくとも1つずつ設けられ、前記Y軸方向と交差する方向、即ち、X軸方向において、前記アクチュエータ104、前記第1ヒンジ105、前記ミラー131、前記第2ヒンジ106、前記可動櫛歯電極107の順で並んでおり、前記ミラー131は、前記所定のY軸方向と平行なA軸周りに傾動する。
この構成によれば、複数のミラー131,131,…は、Y軸方向に配列される。そして、アクチュエータ104、第1ヒンジ105、ミラー131、第2ヒンジ106、可動櫛歯電極107をこの順でX軸方向に並べて配置することによって、ミラーデバイス100のY軸方向のサイズをコンパクトに構成することができる。ミラーデバイス100のY軸方向にコンパクトに構成することによって、Y軸方向に配列する複数のミラー131,131,…を密に配置することができる。その結果、ミラーアレイ1をコンパクトに構成することができる。また、ミラーアレイ1を波長選択スイッチ2に適用する場合には、複数のミラー131,131,…の間隔が大きいと、分波した光信号をミラーアレイ1で反射する際の損失が大きくなる。前記の構成によれば、数のミラー131,131,…を密に配置することができるので、光信号の損失を低減することができる。
また、隣り合うミラーデバイス100,100の固定櫛歯電極108,108の間には、隔壁102bが設けられている。つまり、隣り合う固定櫛歯電極108,108は、隔壁102bによって隔離されている。
そのため、一方のミラーデバイス100における可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108との間の電界が、他方のミラーデバイス100における可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108との間の電界に影響を及ぼすことを防止することができる。これにより、可動櫛歯電極107と固定櫛歯電極108との間の静電容量を正確に検出することができる。特にミラーデバイス100では可動櫛歯電極107が固定櫛歯電極108に対して下方に変位するので、隔壁102bを固定櫛歯電極108よりも下方に設けることがより効果的である。
また、可動櫛歯電極107の電極指171及び固定櫛歯電極108の電極指181は、アクチュエータ104の長手方向と平行に延びている。
この構成によれば、電極指171及び電極指181は、アクチュエータ104の長手方向、即ち、アクチュエータ104が湾曲する際の基準となる軸に直交する方向に延びている。アクチュエータ104が湾曲すると、ミラー131はアクチュエータ104の長手方向に変位する可能性がある。それに伴い、電極指171もアクチュエータ104の長手方向に変位する可能性がある。ここで、電極指171及び電極指181がアクチュエータ104の長手方向に延びているので、電極指171がアクチュエータ104の長手方向に変位した際に電極指171が電極指181に接触することが防止される。
また、前記第1ヒンジ105は、交互に配列された複数の第1凸部155と複数の第1凹部156とによってジグザグ状に形成され、蛇行しながら前記一端部から前記他端部まで延びる第1蛇行部151と、交互に配列された複数の第2凸部157と複数の第2凹部158とによってジグザグ状に形成され、前記第1蛇行部151に並設され、蛇行しながら前記一端部から前記他端部まで延びる第2蛇行部152とを有し、少なくとも一部の前記第1凹部156と少なくとも一部の前記第2凹部158とは、互いに連結されている。
この構成によれば、第1蛇行部151及び第2蛇行部152がジグザグ状に形成され、蛇行しながら一端部から他端部まで延びているので、一端部と他端部とを結ぶ方向、即ち、X軸方向の第1ヒンジ105の剛性を比較的小さくすることができる。X軸方向の第1ヒンジ105の剛性を比較的小さくすることによって、ミラー131を変位させる際の第1ヒンジ105の変形を容易にすることができる。つまり、ミラー131が変位する際には、第1ヒンジ105は湾曲する必要がある。X軸方向の第1ヒンジ105の剛性が大きいと、第1ヒンジ105がミラー131の変位する際の抵抗となる。それに対して、X軸方向の第1ヒンジ105の剛性が小さいと、第1ヒンジ105がX軸方向に伸縮しやすくなる。第1ヒンジ105がX方向に伸縮しやすいと、第1ヒンジ105の湾曲も容易になる。すなわち、X軸方向に伸縮しやすくなることは、湾曲し易さにも寄与する。その結果、ミラー131を容易に変位させることができる。ひいては、アクチュエータ104の駆動電圧を低減することができる。
それに加えて、第1蛇行部151の少なくとも一部の第1凹部156と第2蛇行部152の少なくとも一部の第2凹部158とを連結することによって、第1凹部156及び第2凹部158が自由に変位できる構成と比べて、第1蛇行部151及び第2蛇行部152が蛇行する方向、即ち、Y軸方向の第1ヒンジ105の剛性を比較的大きくすることができる。Y軸方向の第1ヒンジ105の剛性を比較的大きくすることによって、ミラー131が周辺の部材と衝突することを抑制することができる。
こうして、1つのヒンジにおいて、X軸方向の剛性を小さくし、Y軸方向の剛性を大きくすることができる。
また、前記第1ヒンジ105は、Y軸方向に蛇行しながら前記第1端部153から前記第2端部154へ延びる蛇行部150を有し、隣り合う2つの前記第1ヒンジ105,105において、所定の第1領域R1では、一方の第1ヒンジ105の前記蛇行部150が該2つの第1ヒンジ105,105の間の中間線Lを越えて他方の第1ヒンジ105の方へ突出し、前記第1領域R1とは異なる第2領域R2では、他方の第1ヒンジ105の前記蛇行部150が該中間線Lを越えて一方の第1ヒンジ105の方へ突出している。
この構成によれば、隣り合う2つの第1ヒンジ105,105の一方の第1ヒンジ105の蛇行部150(詳しくは、第2蛇行部152)は、第1領域R1において、中間線Lを越えて他方の第1ヒンジ105の方へ突出し、他方の第1ヒンジ105の蛇行部150(詳しくは、第1蛇行部151)は、第2領域R2において、中間線Lを越えて一方の第1ヒンジ105の方へ突出している。つまり、第1端部153から第2端部154の方を向いて見たときに、隣り合う2つの第1ヒンジ105,105が互いに部分的に重なっている。これにより、第1ヒンジ105のY軸方向寸法を拡大することができる。第1ヒンジ105のY軸方向寸法は、Y軸方向の剛性よりもX軸方向の剛性に与える影響が大きい。つまり、第1ヒンジ105のY軸方向寸法を大きくすることによって、第1ヒンジ105のY軸方向の剛性をあまり低減することなく、X軸方向の剛性を効果的に低減することができる。
X軸方向の第1ヒンジ105の剛性を比較的小さくすることによって、ミラー131を変位させる際の第1ヒンジ105の変形を容易にすることができる。その結果、ミラー131を容易に変位させることができ、ひいては、アクチュエータ104の駆動電圧を低減することができる。また、Y軸方向の第1ヒンジ105の剛性を比較的大きくすることによって、ミラー131が周辺の部材と衝突することを抑制することができる。
−ミラーアレイの変形例−
続いて、ミラーアレイ1の変形例について説明する。図4に、ミラーアレイ201の平面図を示す。変形例に係るミラーアレイ201は、ミラーデバイス200の構成が前記ミラーデバイス100と異なる。以下、ミラーアレイ201の構成のうち、ミラーアレイ1と異なる部分を中心に説明する。変形例に特有の構成については、200番台の符号を付して説明する場合がある。ミラーアレイ1と同様の機能を有する構成は、十の位以下の数字及び記号を同じものにしている。
ミラーアレイ201は、複数のミラーデバイス200,200,…を備えている。ミラーデバイス200は、ベース部202と、ミラー131と、ミラー131を駆動する2つのアクチュエータ204,204と、ミラー131をアクチュエータ204と連結する2つの第1ヒンジ205,205と、ミラー131とベース部202とを連結する第2ヒンジ206と、ミラー131に設けられた第1可動櫛歯電極207A及び第2可動櫛歯電極207Bと、ベース部202に設けられた第1固定櫛歯電極208A及び第2固定櫛歯電極208Bと、制御部10とを有している。ミラーデバイス200は、2つのアクチュエータ204,204によりミラー131を駆動する。ミラーアレイ201は、いくつかのミラーデバイス200,200,…ごとに共通の1つの制御部10を有している。尚、ミラーアレイ201は、ミラーデバイス200ごとに1つの制御部10を有していても、すべてのミラーデバイス200,200,…で共通の1つの制御部10を有していてもよい。
アクチュエータ204の基本的な構成は、実施形態1のアクチュエータ104と同じである。アクチュエータ本体241の表面に圧電素子242が積層されている。
アクチュエータ本体241の先端部は、第1ヒンジ205を介してミラー131に連結されている。2つの第1ヒンジ205,205はそれぞれ、ミラー131の第1短辺131aにおいてX軸に対称な位置に連結されている。第1ヒンジ205は、並設された2つの蛇行部を有している。各蛇行部は、交互に配列された凸部と凹部とを有している。2つの蛇行部の凹部同士が連結されている。
ただし、1つのミラーデバイス200において、2つの第1ヒンジ205,205が設けられている。一方の第1ヒンジ205においては、蛇行部250がミラー131の近くに設けられている。他方の第1ヒンジ205においては、蛇行部250がアクチュエータ204の近くに設けられている。第1領域R1では、一方の第1ヒンジ205の蛇行部250の少なくとも一部が該2つの第1ヒンジ205,205の間の中間線Lを越えて他方の第1ヒンジ205の方へ突出し、第2領域R2では、他方の第1ヒンジ205の蛇行部250の少なくとも一部が該中間線Lを越えて一方の第1ヒンジ205の方へ突出している。
また、隣り合う、一のミラーデバイス200の第1ヒンジ205と別のミラーデバイス200の第1ヒンジ205は、第1領域R1では、一方の第1ヒンジ205の蛇行部250の少なくとも一部が該2つの第1ヒンジ205,205の間の中間線Lを越えて他方の第1ヒンジ205の方へ突出し、第1領域R1とは異なる第2領域R2では、他方の第1ヒンジ205の蛇行部250の少なくとも一部が該中間線Lを越えて一方の第1ヒンジ205の方へ突出している。
第2ヒンジ206は、前記第2ヒンジ106と同じ構成をしている。ただし、1つのミラーデバイス200において、1つの第2ヒンジ206が設けられている。第2ヒンジ206は、ミラー131の第2短辺131bの中央に連結されている。
第1可動櫛歯電極207A及び第2可動櫛歯電極207Bは、第1アーム部279a及び第2アーム部279bを介してミラー131の第2短辺131bに片持ち状に設けられている。第1アーム部279aは、X軸方向に延びている。第2アーム部279bは、第1アーム部279aの途中からY軸方向に分岐している。
第1可動櫛歯電極207Aは、2つの第1電極指271a,271aを有している。第1可動櫛歯電極207Aは、X軸上に位置している。第1可動櫛歯電極207Aは、第2ヒンジ206よりもミラー131から離れている。2つの第1電極指271a,271aは、互いに平行にY軸方向に延びている。
第2可動櫛歯電極207Bは、2つの第2電極指271b,271bを有している。第2可動櫛歯電極207Bは、X軸上ではなく、X軸からY軸方向にオフセットした位置に配置されている。第2可動櫛歯電極207Bは、A軸上に位置している。2つの第2電極指271b,271bは、互いに平行にX軸方向に延びている。
第1可動櫛歯電極207A、第2可動櫛歯電極207B、第1アーム部279a及び第2アーム部279bは、第1シリコン層191で形成されている。尚、第1電極指271a及び第2電極指271bの個数は、2つに限られるものではない。
一方、ベース部202には、第1可動櫛歯電極207Aが入り込む凹部202aが形成されている。凹部202aに第1固定櫛歯電極208Aが設けられている。第1固定櫛歯電極208Aは、2つの第1電極指281a,281aを有している。2つの第1電極指281a,281aは、互いに平行にY軸方向に延びている。各第1電極指281aは、第1可動櫛歯電極207Aの第1電極指271aの間に入り込んでいる。つまり、第1可動櫛歯電極207Aの第1電極指271aと第1固定櫛歯電極208Aの第1電極指281aとは互いに対向している。
また、ベース部202には、第2固定櫛歯電極208Bが設けられている。第2固定櫛歯電極208Bは、2つの第2電極指281b,281bを有している。2つの第2電極指281b,281bは、互いに平行にX軸方向に延びている。各第2電極指281bは、第2可動櫛歯電極207Bの第2電極指271bの間に入り込んでいる。つまり、第2可動櫛歯電極207Bの第2電極指271bと第2固定櫛歯電極208Bの第2電極指281bとは互いに対向している。
第1固定櫛歯電極208A及び第2固定櫛歯電極208Bは、第1シリコン層191で形成されている。ただし、第1固定櫛歯電極208A及び第2固定櫛歯電極208Bは、第1可動櫛歯電極207A及び第2可動櫛歯電極207Bとは電気的に絶縁されている。尚、第1電極指281a及び第2電極指281bの個数は、2つに限られるものではない。
ベース部202には、第1検出端子222、第2検出端子223及び第3検出端子224が設けられている。第1検出端子222及び第2検出端子223を介して第1可動櫛歯電極207Aと第1固定櫛歯電極208Aとの静電容量を検出することができる。第1検出端子222及び第3検出端子224を介して第2可動櫛歯電極207Bと第2固定櫛歯電極208Bとの静電容量を検出することができる。
第1検出端子222は、ベース部202の第1シリコン層191のうち第1可動櫛歯電極207A及び第2可動櫛歯電極207Bと電気的に導通している部分の表面に設けられている。
第2検出端子223は、第1電極部225の表面に設けられている。第1電極部225は、ベース部202の第1シリコン層191で形成され、ベース部202の酸化膜層192上においてその周りの部分から孤立し、電気的に絶縁されている。第1電極部225は、第1固定櫛歯電極208Aが連結されている。
第3検出端子224は、第2電極部226の表面に設けられている。第2電極部226は、ベース部202の第1シリコン層191で形成され、ベース部202の酸化膜層192上においてその周りの部分から孤立し、電気的に絶縁されている。第2電極部226は、第2固定櫛歯電極208Bが連結されている。
尚、ミラーアレイ201には、ミラーアレイ1のような参照電極194が設けられていない。ただし、ミラーアレイ201においても参照電極を設けてもよい。
ミラーデバイス200は、圧電素子242へ駆動電圧を印加することによって、アクチュエータ204を上方に湾曲させる。これにより、ミラー131を傾動させる。このとき、1つのミラー131に連結された2つのアクチュエータ204,204の湾曲量を同じにすることによって、ミラー131をA軸周りに傾動させることができる。一方、2つのアクチュエータ204,204の湾曲量をそれぞれ異ならせることによって、ミラー131をX軸周りに傾動させることができる。
ミラー131が傾動すると、それに伴って第1可動櫛歯電極207A及び第2可動櫛歯電極207Bも傾動する。詳しくは、ミラー131がA軸周りに傾動すると、第1可動櫛歯電極207Aが上下に変位し、第1可動櫛歯電極207Aと第1固定櫛歯電極208Aとの間の静電容量が変化する。第1可動櫛歯電極207Aと第1固定櫛歯電極208Aとの間の静電容量は、第1検出端子222及び第2検出端子223を介して検出することができる。圧電素子242,242の駆動電圧をこの静電容量の変化に基づいて調整することによって、ミラー131のA軸周りの傾動量を精度良く制御することができる。また、ミラー131がX軸周りに傾動すると、第2可動櫛歯電極207Bが上下に変位し、第2可動櫛歯電極207Bと第2固定櫛歯電極208Bとの間の静電容量が変化する。第2可動櫛歯電極207Bと第2固定櫛歯電極208Bとの間の静電容量は、第1検出端子222及び第3検出端子224を介して検出することができる。圧電素子242,242の駆動電圧をこの静電容量の変化に基づいて調整することによって、ミラー131のX軸周りの傾動量を精度良く制御することができる。
尚、ミラー131がA軸回りに傾動するときには、それに伴って第2可動櫛歯電極207Bも変位するが、第2可動櫛歯電極207BはA軸上に位置するため、第2可動櫛歯電極207Bと第2固定櫛歯電極208Bとの間の静電容量の変化は小さい。つまり、第2可動櫛歯電極207Bと第2固定櫛歯電極208Bとの間の静電容量は、主にミラー131のX軸周りの傾動に起因して変化し、ミラー131のA軸周りの傾動の影響は小さい。また、ミラー131がX軸周りに傾動するときには、それに伴って第1可動櫛歯電極207Aも変位するが、第1可動櫛歯電極207AはX軸上に位置するため、第1可動櫛歯電極207Aと第1固定櫛歯電極208Aとの間の静電容量の変化は小さい。つまり、第1可動櫛歯電極207Aと第1固定櫛歯電極208Aとの間の静電容量は、主にミラー131のA軸周りの傾動に起因して変化し、ミラー131のX軸周りの傾動の影響は小さい。
ここで、第1可動櫛歯電極207Aは、第1ヒンジ205よりも第2ヒンジ206の近くに配置されている。つまり、第1可動櫛歯電極207Aは、A軸の近傍に設けられている。そのため、ミラー131がA軸周りに傾動するときの第1可動櫛歯電極207Aの変位量が抑制される。その結果、第1可動櫛歯電極207Aと第1固定櫛歯電極208Aとの間の静電容量を検出できるミラー131の傾動範囲を拡大することができる。つまり、A軸周りのミラー131の傾動量を精度良く制御できる範囲を拡大することができる。また、第2可動櫛歯電極207Bは、X軸の近傍に設けられている。そのため、ミラー131がX軸周りに傾動するときの第2可動櫛歯電極207Bの変位量が抑制される。その結果、第2可動櫛歯電極207Bと第2固定櫛歯電極208Bとの間の静電容量を検出できるミラー131の傾動範囲を拡大することができる。つまり、X軸周りのミラー131の傾動量を精度良く制御できる範囲を拡大することができる。
《実施形態2》
次に、実施形態2に係るミラーデバイス300ついて説明する。図5に、ミラーデバイス300の平面図を示す。以下、ミラーデバイス300の構成のうち、実施形態1と異なる部分を中心に説明する。実施形態2に特有の構成については、300番台の符号を付して説明する場合がある。実施形態1と同様の機能を有する構成は、十の位以下の数字及び記号を同じものにしている。
ミラーデバイス300は、例えば、可変光減衰器(VOA:Variable Optical Attenuator)に用いられる。ミラーデバイス300は、ベース部302と、ミラー331と、ミラー331を駆動するアクチュエータ304,304と、ミラー331とアクチュエータ304,304とを連結する第1ヒンジ305と、ミラー331とベース部302とを連結する第2ヒンジ306,306と、ミラー331に設けられた可動櫛歯電極307と、ベース部302に設けられた固定櫛歯電極308と、制御部(図示省略)とを有している。
ベース部302は、円形の開口を有する枠状に形成されている。
ミラー331は、平面視円形の板状に形成されている。ミラー331は、ベース部302の円形の開口内に位置している。ベース部302とミラー331との間には円環状のスペースSが形成されている。
ミラー331は、2つの第2ヒンジ306,306を介してベース部302に連結されている。ミラー331のうち第2ヒンジ306,306の反対側の部分には第1ヒンジ305が設けられている。第1ヒンジ305は、並設された2つの蛇行部を有している。各蛇行部は、交互に配列された凸部と凹部とを有している。2つの蛇行部の凹部同士が連結されている。第2ヒンジ306は、全体としてつづら折り状に屈曲している。
アクチュエータ304は、アクチュエータ本体341と、アクチュエータ本体341の表面に積層された圧電素子342とを有している。アクチュエータ本体341は、ミラー331とベース部302との間の円環状のスペースSに沿って略円弧状に延びている。一方のアクチュエータ本体341は、第1ヒンジ305と一方の第2ヒンジ306との間に設けられている。他方のアクチュエータ本体341は、第1ヒンジ305と他方の第2ヒンジ306との間に設けられている。アクチュエータ本体341の一端は、第2ヒンジ306の近傍においてベース部302に連結されている。アクチュエータ本体341の他端は、第1ヒンジ305に連結されている。圧電素子342は、アクチュエータ本体341と同様に、略円弧状に形成されている。
アクチュエータ304,304及び第2ヒンジ306,306は、ミラー331の中心及び第1ヒンジ305を通るX軸に対して対称な形状になっている。
可動櫛歯電極307は、ミラー331から半径方向外側に延びるアーム部379の先端部に設けられている。アーム部379は、2つの第2ヒンジ306,306の間に設けられている。さらに詳しくは、アーム部379は、X軸上に位置している。可動櫛歯電極307は、3つの電極指371,371,…を有している。各電極指371は、アーム部379に直交するようにアーム部379から両側へ延びている。3つの電極指371,371,…は、互いに平行に且つX軸と直交する方向に延びている。尚、電極指371の個数は、3つに限られるものではない。
固定櫛歯電極308は、ベース部302に設けられている。固定櫛歯電極308は、4つの電極指381,381,…を有している。4つの電極指381,381,…は、互いに平行に且つX軸と直交する方向に延びている。各電極指381は、可動櫛歯電極307の電極指371の間に入り込んでいる。つまり、可動櫛歯電極307の電極指371と固定櫛歯電極308の電極指381とは互いに対向している。ただし、固定櫛歯電極308は、可動櫛歯電極307とは電気的に絶縁されている。
これら可動櫛歯電極307及び固定櫛歯電極308は、X軸上に配置されている。
図示は省略するが、ベース部302には、可動櫛歯電極307と固定櫛歯電極308との静電容量を検出するための検出端子が設けられている。
尚、実施形態1と同様に、可動櫛歯電極307の電極指371に相当する第1電極指と固定櫛歯電極308の電極指381に相当する第2電極指とを有する参照電極を設けてもよい。
次に、このように構成されたミラーデバイス300の動作について説明する。ミラーデバイス300の制御部が圧電素子342,342に電圧を印加すると、各アクチュエータ304が圧電素子342を内側にして湾曲し、アクチュエータ304の第1ヒンジ305側の端部が上方へ変位する。2つのアクチュエータ304,304の圧電素子342,342には同じ大きさの電圧が印加される。その結果、ミラー331は、第2ヒンジ306,306を中心に傾動する。すなわち、ミラー331は、X軸に直交し且つ実質的に第2ヒンジ306,306を通過するA軸の周りに傾動する。
ミラー331が傾動すると、それに伴って、可動櫛歯電極307も変位する。その結果、可動櫛歯電極307の電極指371と固定櫛歯電極308の電極指381との対向している部分の面積が変化し、可動櫛歯電極307と固定櫛歯電極308との間の静電容量が変化する。制御部は、可動櫛歯電極307と固定櫛歯電極308との間の静電容量を検出端子を介して検出し、この静電容量の変化に基づいて圧電素子342,342の印加電圧を調整する。それにより、制御部は、ミラー331の傾動量を精度良く制御する。
ここで、可動櫛歯電極307は、第1ヒンジ305よりも第2ヒンジ306の近くに設けられている。つまり、可動櫛歯電極307は、ミラー331が傾動するときの中心となるA軸の近傍に位置している。そのため、ミラー331がA軸周りに傾動するときの可動櫛歯電極307の変位量が抑制される。その結果、可動櫛歯電極307と固定櫛歯電極308との間の静電容量を検出できるミラー331の傾動範囲を拡大することができる。つまり、A軸周りのミラー331の傾動量を精度良く制御できる範囲を拡大することができる。
尚、アクチュエータ304は、円環状のスペースSを活用して配置されているため、略円弧状に形成されているが、これに限られるものではない。アクチュエータ304は、実施形態1のように長方形状に形成されていてもよい。その場合、実施形態1と同様に、アクチュエータ304、第1ヒンジ305及びミラー331がこの順で略一直線上に並ぶ配置であってもよい。
−ミラーデバイスの変形例−
続いて、変形例に係るミラーデバイス400について説明する。図6は、変形例に係るミラーデバイス400の平面図である。以下、ミラーデバイス400の構成のうち、ミラーデバイス300と異なる部分を中心に説明する。変形例に特有の構成については、400番台の符号を付して説明する場合がある。ミラーデバイス300と同様の機能を有する構成は、十の位以下の数字及び記号を同じものにしている。
ミラーデバイス400は、ベース部402と、ミラー331と、ミラー331を駆動するアクチュエータ404,404と、ミラー331とアクチュエータ404,404とを連結する第1ヒンジ405,405と、ミラー331とベース部402とを連結する第2ヒンジ406と、ミラー331に設けられた第1可動櫛歯電極407A及び第2可動櫛歯電極407Bと、ベース部402に設けられた第1固定櫛歯電極408A及び第2固定櫛歯電極408Bと、制御部(図示省略)とを有している。
ベース部402は、円形の開口を有する枠状に形成されている。
ミラー331は、ミラーデバイス300のミラー331と同じ構成をしている。ミラー331は、1つの第2ヒンジ406を介してベース部402に連結されている。第2ヒンジ406は、全体としてつづら折り状に屈曲している。
アクチュエータ404は、アクチュエータ本体441と、アクチュエータ本体441の表面に積層された圧電素子442とを有している。ミラー331とベース部402との間の円環状のスペースSをミラー331の中心及び第2ヒンジ406を通過するX軸で2分割したときの一方のスペースに一方のアクチュエータ404が配設され、他方のスペースに他方のアクチュエータ404が配設されている。アクチュエータ本体441は、該スペースに沿って略円弧状に延びている。各アクチュエータ本体441の一端は、第2ヒンジ406の近傍においてベース部402に連結されている。各アクチュエータ本体441の他端は、第1ヒンジ405を介してミラー331に連結されている。圧電素子442は、アクチュエータ本体441と同様に、略円弧状に形成されている。
第1ヒンジ405は、並設された2つの蛇行部を有している。各蛇行部は、交互に配列された凸部と凹部とを有している。2つの蛇行部の凹部同士が連結されている。
アクチュエータ404,404及び第1ヒンジ405,405は、X軸に対して対称な形状になっている。
第1可動櫛歯電極407Aは、第2ヒンジ406の近傍においてミラー331から延びる第1アーム部479aの先端部に設けられている。第1アーム部479aは、ミラー331の外周において第2ヒンジ406の近傍であってX軸からオフセットした位置に設けられている。第1アーム部479aは、ミラー331からX軸を平行に延びた後、X軸の方へ直角に屈曲し、X軸に到達した地点でX軸方向に直角に屈曲している。つまり、第1アーム部479aの先端部は、X軸上で延びている。第1可動櫛歯電極407Aは、3つの第1電極指471a,471a,…を有している。各第1電極指471aは、第1アーム部479aの先端部に直交するように第1アーム部479aの先端部から両側へ延びている。3つの第1電極指471a,471a,…は、互いに平行に且つX軸と直交する方向に延びている。
第2可動櫛歯電極407Bは、第2ヒンジ406の近傍においてミラー331から延びる第2アーム部479bの先端部に設けられている。第2アーム部479bは、第2ヒンジ406の近傍においてミラー331からX軸に平行に延びた後、直角に屈曲してX軸と直交する方向に延びている。第2可動櫛歯電極407Bは、3つの第2電極指471b,471b,…を有している。各第2電極指471bは、第2アーム部479bの先端部に直交するように第2アーム部479bの先端部から両側へ延びている。3つの第2電極指471b,471b,…は、互いに平行に且つX軸方向に延びている。
尚、第1電極指471a及び第2電極指471bの個数は、3つに限られるものではない。
第1固定櫛歯電極408Aは、ベース部402に設けられている。第1固定櫛歯電極408Aは、4つの第1電極指481a,481a,…を有している。4つの第1電極指481a,481a,…は、互いに平行に且つX軸と直交する方向に延びている。各第1電極指481aは、第1可動櫛歯電極407Aの第1電極指471aの間に入り込んでいる。つまり、第1可動櫛歯電極407Aの第1電極指471aと第1固定櫛歯電極408Aの第1電極指481aとは互いに対向している。ただし、第1固定櫛歯電極408Aは、第1可動櫛歯電極407Aとは電気的に絶縁されている。
第2固定櫛歯電極408Bは、ベース部402に設けられている。第2固定櫛歯電極408Bは、4つの第2電極指481b,481b,…を有している。4つの第2電極指481b,481b,…は、互いに平行にX軸方向に延びている。各第2電極指481bは、第2可動櫛歯電極407Bの第2電極指471bの間に入り込んでいる。つまり、第2可動櫛歯電極407Bの第2電極指471bと第2固定櫛歯電極408Bの第2電極指481bとは互いに対向している。ただし、第2固定櫛歯電極408Bは、第2可動櫛歯電極407Bとは電気的に絶縁されている。
第1可動櫛歯電極407Aと第1固定櫛歯電極408Aとは、X軸上に配置されている。第2可動櫛歯電極407Bと第2固定櫛歯電極408Bとは、X軸に直交し且つ実質的に第2ヒンジ406を通過するA軸上に配置されている。
図示は省略するが、ベース部402には、第1可動櫛歯電極407Aと第1固定櫛歯電極408Aとの静電容量及び第2可動櫛歯電極407Bと第2固定櫛歯電極408Bとの静電容量を検出するための検出端子が設けられている。
次に、このように構成されたミラーデバイス400の動作について説明する。ミラーデバイス400の制御部が圧電素子442,442に電圧を印加すると、各アクチュエータ404が圧電素子442を内側にして湾曲し、アクチュエータ404の第1ヒンジ405側の端部が上方へ変位する。2つのアクチュエータ404,404の圧電素子442,442に同じ大きさの電圧を印加すると、ミラー331は、第2ヒンジ406を中心に傾動する。すなわち、ミラー331は、A軸の周りに傾動する。一方、2つのアクチュエータ404,404の圧電素子442,442にそれぞれ異なる大きさの電圧を印加すると、ミラー331は、X軸周りに傾動する。
ミラー331が傾動すると、それに伴って、第1可動櫛歯電極407A及び第2可動櫛歯電極407Bも変位する。その結果、第1可動櫛歯電極407Aの第1電極指471aと第1固定櫛歯電極408Aの第1電極指481aとの対向している部分の面積が変化し、第1可動櫛歯電極407Aと第1固定櫛歯電極408Aとの間の静電容量が変化する。また、第2可動櫛歯電極407Bの第2電極指471bと第2固定櫛歯電極408Bの第2電極指481bとの対向している部分の面積が変化し、第2可動櫛歯電極407Bと第2固定櫛歯電極408Bとの間の静電容量が変化する。制御部は、第1可動櫛歯電極407Aと第1固定櫛歯電極408Aとの間の静電容量及び第2可動櫛歯電極407Bと第2固定櫛歯電極408Bとの間の静電容量を検出端子を介して検出し、この静電容量の変化に基づいて圧電素子442,442の印加電圧を調整する。それにより、制御部は、ミラー331の傾動量を精度良く制御する。
ここで、第1可動櫛歯電極407Aは、第1ヒンジ405よりも第2ヒンジ406の近くに設けられている。つまり、第1可動櫛歯電極407Aは、A軸の近傍に位置している。そのため、ミラー331がA軸周りに傾動するときの第1可動櫛歯電極407Aの変位量が抑制される。その結果、第1可動櫛歯電極407Aと第1固定櫛歯電極408Aとの間の静電容量を検出できるミラー331の傾動範囲を拡大することができる。つまり、A軸周りのミラー331の傾動量を精度良く制御できる範囲を拡大することができる。また、第2可動櫛歯電極407Bは、X軸の近傍に設けられている。そのため、ミラー331がX軸周りに傾動するときの第2可動櫛歯電極407Bの変位量が抑制される。その結果、第2可動櫛歯電極407Bと第2固定櫛歯電極408Bとの間の静電容量を検出できるミラー331の傾動範囲を拡大することができる。つまり、X軸周りのミラー331の傾動量を精度良く制御できる範囲を拡大することができる。
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
実施形態1では、複数のミラーデバイスを備えたミラーアレイについて説明したが、これに限られるものではない。ガルバノミラーのように、1つのミラーデバイスで構成された装置であってもよい。例えば、実施形態1のミラーデバイスを用いて、VOAを構成してもよい。また、ミラーアレイについても、波長選択スイッチに適用する場合に限られず、様々なアプリケーションに組み込むことができる。
実施形態2では、1つのミラーデバイスについて説明したが、ミラーデバイスを複数配列して、ミラーアレイを構成してもよい。
また、前記実施形態における形状、寸法、材質は、例示に過ぎず、これらに限られるものではない。例えば、ミラー131は、平面視長方形状でなくてもよい。ミラー131は、円形や長円形であってもよい。ミラー331は、平面視円形でなくてもよい。ミラー331は、楕円形や方形状であってもよい。第1ヒンジ105,205,305,405の形状や個数は、前記の構成に限られるものではない。第2ヒンジ106,206,306,406の形状や個数は、前記の構成に限られるものではない。
前記第2ヒンジ106,206,306,406は、第1ヒンジ105,205,305,405と同様に、凸部と凹部とが交互に配列された2つの蛇行部を有し、2つの蛇行部の凹部同士が連結された構成であってもよい。第1ヒンジ105,205,305,405は、凸部と凹部とが交互に配列された2つの蛇行部を有し、2つの蛇行部の凹部同士が連結された構成ではなく、それ以外の形状であってもよい。
また、前記可動櫛歯電極107,207A,207B,307,407A,407B及び固定櫛歯電極108,208A,208B,308,408A,408Bの構成は、一例であって、それ以外の構成であってもよい。例えば、可動櫛歯電極107,207A,207Bは、ミラー131の長辺から延びるアーム部に設けられていてもよい。また、可動櫛歯電極107は、第2可動櫛歯電極207Bのように、第2ヒンジ206とY軸方向に並ぶ位置に設けられていてもよい。さらに、可動櫛歯電極107,207Bの電極指は、X軸方向に延びているが、例えば、Y軸方向に延びていてもよい。同様に、可動櫛歯電極207Aの電極指は、Y軸方向に延びているが、例えば、X軸方向に延びていてもよい。可動櫛歯電極307,407A,407B及び固定櫛歯電極308,408A,408Bについても、その位置や電極指の延びる方向は、任意に設定することができる。
また、圧電素子は、圧電体層として、PZTの代わりに非鉛圧電材料であるKNN((K,Na)NbO3)等を用いてもよい。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。