以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
<1.第1の実施の形態>
<1−1.システムの概要>
図1は、本実施の形態に係る保持装置1を含む車載表示システム10の概要を示す図である。車載表示システム10は、自動車などの車両9に搭載される。図1は、車載表示システム10が搭載される車両9の車室内の様子を示している。
車載表示システム10は、各種情報を表示する表示装置8と、携帯端末6を保持する保持装置1とを備えている。表示装置8と保持装置1とは電気的に接続されており、互いに信号の送受信が可能となっている。
表示装置8は、液晶などのディスプレイを備えており、各種情報を表示する。表示装置8は、ユーザから視認しやすいように車両9のダッシュボード91の左右中央などに設けられる。また、表示装置8は、タッチパネルを備えており、ユーザの操作を受け付けることが可能である。表示装置8は、例えば、目的地までのルートを案内するナビゲーション機能、及び、車室内に音を出力するオーディオ機能などを備えている。
また、保持装置1は、携帯電話やスマートフォンなどの可搬性の通信装置である携帯端末6を保持する。保持装置1は、車両9の運転席と助手席との間にあるセンターコンソール92におけるシフトレバー93の近傍に設けられている。
保持装置1は、携帯端末6を載置するための略水平方向に沿った載置面22を備えている。ユーザにより載置面22に携帯端末6が載置された場合は、その携帯端末6を保持装置1が保持する。これにより、走行中の車両9の振動等によって携帯端末6が載置面22から脱落することが防止される。
保持装置1はまた、保持した携帯端末6が無接点電力伝送の規格に準拠した受電ユニットを備えたものであれば、当該携帯端末6を充電することが可能となっている。以下の説明では、携帯端末6はこのような受電ユニットを備えているものとする。一般に、受電ユニットは、携帯端末6の表示部が配置される側とは逆側の主面に配置される。
<1−2.保持装置の機構的構成>
次に、保持装置1の機構的な構成について説明する。図2及び図3は、保持装置1の外観を示す斜視図である。図2は、携帯端末6を保持していない状態を示しており、図3は、携帯端末6を保持した状態を示している。
なお、以下の説明においては、方向及び向きを示す際に、適宜、図中に示す3次元のXYZ直交座標を用いる。このXYZ軸は車両9に対して相対的に固定される。ここで、X軸方向は車両9の左右方向に沿い、Y軸方向は車両9の前後方向に沿い、Z軸方向は上下方向(鉛直方向)に沿っている。以下、便宜上、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向といい、+X側を車両9の左側、+Y側を車両9の後側、+Z側を上側とする。
図2及び図3に示すように、保持装置1は、携帯端末6を載置する載置面22の周囲を囲むように外装カバー21を備えている。外装カバー21の上面は載置面22の位置よりも高くなっている。
このため、載置面22は、外装カバー21の内側に形成された窪みのようになっており、携帯端末6はこのような外装カバー21の内側の載置面22に収容される。携帯端末6は、表示部が配置される側の主面を上側(+Z側)に向けて載置面22に載置される(図3参照。)。このため、載置面22は、携帯端末6の受電ユニットが配置される側の主面に対向する。
保持装置1は、特定機種の携帯端末のための専用の装置ではなく、様々な機種の携帯端末を対象とする汎用の装置となっている。このため、様々な機種の携帯端末を載置できるように、載置面22のサイズは平均的な携帯端末の主面のサイズよりも大きくなっている。したがって、携帯端末6を載置面22に単純に載置した状態(保持する前の状態)では、載置面22における携帯端末6の位置は一定とはならない。
また、載置面22の前側(−Y側)には、載置面22に対して傾斜した傾斜面23が形成されている。傾斜面23は、前側(−Y側)ほど高くなるように傾斜しており、載置面22の位置から外装カバー21の上面までを繋ぐように配置されている。このような傾斜面23に当接させながら携帯端末6を載置すれば、携帯端末6が載置面22に滑り落ちるため、ユーザは携帯端末6をスムーズに載置面22に載置することができる。
また、この傾斜面23の下部には、載置面22に携帯端末6が載置されたことを検出する端末センサ15が設けられている。端末センサ15は、例えば、赤外線を発光する発光部と、赤外線を受光する受光部とを備える赤外線センサである。端末センサ15は、携帯端末6での赤外線の反射により、受光部が受光する赤外線の光量が変化することに基いて、携帯端末6が載置面22に載置されたことを検出する。
また、載置面22の左側(+X側)及び右側(−X側)に対向する、外装カバー21の内側の辺の一部分は台形状に切り取られている。そして、図2に示すように、当該部分には、外装カバー21の上面よりも低く凹んだ凹部24aが形成される。携帯端末6を載置面22に載置した場合には、この凹部24aが携帯端末6の側面に対向する。このため、ユーザは、凹部24aに指を入れることで携帯端末6の側面を把持することができ、携帯端末6を容易に取り出すことができる。
また、外装カバー21の下側(−Z側)には、左右方向(X軸方向)に沿ってスライドする2つのスライドカバー24が設けられている。図2に示すように、保持装置1が携帯端末6を保持しない状態では、スライドカバー24の大部分は外装カバー21の下側に収納される。一方、図3に示すように、保持装置1が携帯端末6を保持する状態では、2つのスライドカバー24はそれぞれ内側へスライドして携帯端末6の側方から携帯端末6に当接する。
前述した凹部24aは、スライドカバー24の一部として形成されている。図3に示すように、スライドカバー24が携帯端末6に当接した場合においても、この凹部24aが携帯端末6の側面に対向する。このため、この場合においても、ユーザは、凹部24aに指を入れることで携帯端末6の側面を把持できるようになっている。
また、スライドカバー24の下側(−Z側)には、4つの保持レバー32が設けられている。4つの保持レバー32は、載置面22の周囲の左側前方、左側後方、右側前方、及び、右側後方にそれぞれ配置される。図2に示すように、保持装置1が携帯端末6を保持しない状態では、これら4つの保持レバー32の大部分は、外装カバー21の下側に収納される。一方、図3に示すように、保持装置1が携帯端末6を保持する状態では、4つの保持レバー32がそれぞれ内側(載置面22の側)へ移動して携帯端末6を押圧する。これにより、4つの保持レバー32が携帯端末6の四隅(略矩形の主面の頂点に相当する部分)をそれぞれ押圧して携帯端末6を保持する。この状態においては、4つの保持レバー32の大部分は、内側へスライドしたスライドカバー24に覆われることになる。
また、外装カバー21の前方左側には動作ランプ14が設けられており、外装カバー21の後方中央には操作ボタン16が設けられている。動作ランプ14は、例えば、複数の色で発光可能な3色LEDを備えており、その発光状態によって保持装置1の動作状態をユーザに報知する。また、操作ボタン16は、ユーザの操作を受け付ける。
図4は、保持装置1の分解斜視図である。図4に示すように、保持装置1は、載置面22の下側(−Z側)に、電力を伝送するための伝送部となる送電ユニット12が配置された基板29を備えている。送電ユニット12は、その主面が載置面22と平行になるように、載置面22の左右方向(X軸方向)及び前後方向(Y軸方向)の双方の略中央部に配置される。したがって、載置面22に携帯端末6が載置された場合は、送電ユニット12の主面は、携帯端末6の受電ユニットが配置される側の主面に対向する。
また、保持装置1は、基板29の下側(−Z側)に、保持機構部4を備えている。保持機構部4は上述したスライドカバー24及び保持レバー32を動作させるものであり、保持機構部4が駆動することによって携帯端末6が保持される。
図5及び図6は、保持機構部4の構成を示す斜視図である。図5は、携帯端末6を開放した状態を示しており、図6は、携帯端末6を保持した状態を示している。
これらの図に示すように、保持機構部4は主に、駆動力を発生するモータ43と、1つの第1スライドシャーシ41と、2つの第2スライドシャーシ46とを備えている。第1スライドシャーシ41は、ガイドレール42に沿って前後方向(Y軸方向)に移動可能となっている。また、2つの第2スライドシャーシ46はガイドレール47に沿って左右方向(X軸方向)に移動可能となっている。
第1スライドシャーシ41の一部には前後方向(Y軸方向)に延びるラックギア41aが形成され、このラックギア41aはギア45と係合している。モータ43の回転力は2つのギア44,45を介して第1スライドシャーシ41に伝達される。したがって、モータ43が回転することにより、第1スライドシャーシ41が前後方向(Y軸方向)に移動する。
また、第1スライドシャーシ41は、4つのアーム48を介して2つの第2スライドシャーシ46に接続されている。4つのアーム48のそれぞれは、一端が第1スライドシャーシ41に回転可能に接続され、他端が第2スライドシャーシ46の一方に回転可能に接続されている。このため、第1スライドシャーシ41が前後方向(Y軸方向)に移動すると、これに追従して4つのアーム48が動くことにより、2つの第2スライドシャーシ46も左右方向(X軸方向)に移動する。
また、保持機構部4は、4つの保持レバー32の回転軸となる位置にそれぞれ、上下方向(Z軸方向)に延びる支持柱31を備えている。一つの支持柱31は、一つの保持レバー32を支持している。保持レバー32は支持柱31の上部(+Z側)に配置され、支持柱31を回転軸として回動可能となっている。また、保持レバー32には弾性材であるバネ34が設けられており、保持レバー32は内側に回動する向き(図中の矢印AR3の向き)に付勢されている。
また、各支持柱31の下部(−Z側)には、係合レバー33が設けられている。係合レバー33は、支持柱31を回転軸として回動可能となっている。係合レバー33とその上部に配置された保持レバー32とは回転軸を共用していることから、係合レバー33が回動した場合には保持レバー32も回動する。保持レバー32は、係合レバー33が回動した角度と同一の角度で回動することになる。
また、各係合レバー33の先端部には、下方に突出した突起が設けられている。この係合レバー33の突起は、第2スライドシャーシ46に設けられた開口部46aに係合している。このため、係合レバー33の回動可能な範囲は、第2スライドシャーシ46の開口部46aによって規制される。係合レバー33は、保持レバー32とともにバネ34によって内側に回動する向きに付勢されることから、係合レバー33は開口部46aの縁部(保持機構部4の内側の縁部)に当接する状態を維持する。したがって、第2スライドシャーシ46が左右方向(X軸方向)に移動した場合は、これに追従して係合レバー33が回動し、その結果、保持レバー32も回動することになる。
図5に示す状態から、モータ43を回転させると、第1スライドシャーシ41が後側(+Y側)へ移動する(図6の矢印AR1)。このように、第1スライドシャーシ41が移動すると、4つのアーム48を介して、2つの第2スライドシャーシ46はそれぞれ内側へ移動する。すなわち、左側の第2スライドシャーシ46は右側(−X側)へ移動し、右側の第2スライドシャーシ46は左側(+X側)へ移動する(図6の矢印AR2)。
この第2スライドシャーシ46の移動によって、第2スライドシャーシ46の開口部46aも内側へ移動することから、開口部46aに係合した4つの係合レバー33がそれぞれバネ34の付勢力によって内側に回動する。その結果、4つの保持レバー32もそれぞれ内側へ回動する(図6の矢印AR3)。回動した4つの保持レバー32は携帯端末6の四隅に当接し、バネ34の付勢力によって携帯端末6の四隅をそれぞれ載置面22の中央部へ向けて押圧する。
このように4つの保持レバー32は、回動しながら携帯端末6の四隅を押圧することによって、載置面22の中央部へ向けて載置面22に略平行に携帯端末6を移動する。このように4つの保持レバー32が携帯端末6を移動するため、保持する前の状態において携帯端末6が載置面22のいずれの位置にあっても、載置面22における前後方向(Y軸方向)及び左右方向(X軸方向)の双方の略中央部に携帯端末6を容易に移動できる。
そして、4つの保持レバー32は、載置面22の略中央部へ携帯端末6を移動した後、携帯端末6の四隅をさらに押圧することによって、その位置で携帯端末6を保持する。これにより、携帯端末6は載置面22における前後方向(Y軸方向)及び左右方向(X軸方向)の双方の略中央部において固定される。
4つの保持レバー32は、このように携帯端末6を保持することで、載置面22の平行方向(略水平方向)への携帯端末6の移動を抑止する。4つの保持レバー32による携帯端末6の保持力は、弾性部材であるバネ34の弾性力であるため、4つの保持レバー32は様々なサイズの携帯端末6を保持することができる。また、走行中の車両9の振動等に起因した携帯端末6のがたつきを防止することができる。
また、このような保持機構部4の動きにより、上述したスライドカバー24(図2,図3参照。)も移動する。図5及び図6に示すように、4つの保持レバー32の回転軸の上部にはそれぞれ、ギア35が設けられている。このギア35は、保持レバー32の動きに連動して、図6中の矢印AR3の向きに回動するようになっている。このようなギア35の回動力が、スライドカバー24に伝達されることでスライドカバー24が移動する。
図7は、保持機構部4とスライドカバー24との関係を示す斜視図である。説明のため、保持機構部4の一部の構成を省略しており、また、スライドカバー24は透過して示している。
4つの保持レバー32と連動するギア35はギア25と係合している。さらに、ギア25は、スライドカバー24の一部に設けられた左右方向(X軸方向)に延びるラックギア24bと係合する。このような構成により、ギア35の回動力は、ギア25を介してスライドカバー24に伝達される。
したがって、ギア35が矢印AR3の向きに回動することにより、ギア25はその逆向きに回動し、その結果、2つのスライドカバー24はそれぞれ内側へ移動する。すなわち、左側のスライドカバー24は右側(−X側)へ移動し、右側のスライドカバー24は左側(+X側)へ移動する(矢印AR4)。
このように2つのスライドカバー24が移動すると、2つのスライドカバー24はそれぞれ携帯端末6の側方から携帯端末6に当接する。スライドカバー24は、このように携帯端末6に当接することで、載置面22の直交方向(略上下方向)への携帯端末6の移動を制止する。スライドカバー24は、凹部24aとは異なる部分において携帯端末6に当接する。
図8は、凹部24aとは異なる部分となる図3におけるVIII−VIII位置での断面図である。図8に示すように、スライドカバー24は、携帯端末6の主面に対して傾斜した当接部24cを備えており、この当接部24cが携帯端末6の上側の主面の周縁部の一部に対して当接する。
2つのスライドカバー24は、携帯端末6の左側(+X側)及び右側(−X側)からそれぞれ移動して携帯端末6に当接する。したがって、携帯端末6の主面の周縁部に当接した当接部24cは、携帯端末6の主面に対して傾斜しているため、下側(−Z側)の載置面22へ向かう押圧力を携帯端末6に与えることになる。これにより、スライドカバー24は、載置面22の直交方向(略上下方向)への携帯端末6の移動を制止する。
当接部24cは、携帯端末6の主面に対して傾斜していることから、携帯端末6のサイズ(厚さ)が異なっても、その主面の周縁部に当接することができる。このため、スライドカバー24は、様々なサイズの携帯端末6の移動を有効に制止することができる。
また、このようなスライドカバー24は、携帯端末6の側面に隙間なく配置されるとともに、4つの保持レバー32の大部分を覆うことになる(図3参照。)。このため、保持装置1が携帯端末6を保持した状態において、保持装置1の外観を美しく見せることができる。
<1−3.保持装置の電気的構成>
次に、保持装置1の電気的な構成について説明する。図9は主に、保持装置1の電気的な構成を示すブロック図である。
図9に示すように、保持装置1は、装置全体を制御する制御部11を備えている。制御部11は、例えば、CPU、RAM及びROMなどを備えたマイクロコンピュータである。制御部11は、上述した保持機構部4、動作ランプ14、端末センサ15、操作ボタン16及び送電ユニット12などの各部と電気的に接続される。これにより、制御部11は、保持装置1の各部の動作を制御するとともに、保持装置1の各部からの信号を受信する。
また、制御部11は、表示装置8と電気的に接続されており、表示装置8との間で信号の送受信が可能となっている。このため、制御部11は、表示装置8に対してデータを送信して、表示装置8のディスプレイに情報を表示させることが可能である。また、制御部11は、表示装置8のタッチパネルなどで受け付けたユーザの指示を表示装置8から受信して、ユーザの指示に応じた動作を行うように各部を制御することも可能である。
また、図9は、保持装置1の構成とともに、携帯端末6の概略構成も併せて示している。携帯端末6は、他の通信装置と通信する通信部64と、各種情報を表示する表示部65と、装置全体を制御する制御部61とを基本構成として備えている。また、携帯端末6は、保持装置1から伝送される電力を受け取る受電ユニット62を備えている。
保持装置1から携帯端末6への電力の伝送は、保持装置1の送電ユニット12と携帯端末6の受電ユニット62とが協働することにより実現される。この電力の伝送には、ワイヤレス給電や非接触電力伝送とも呼ばれ、金属接点やコネクタなどを介さずに電力を伝送可能な無接点電力伝送が採用される。無接点電力伝送は、相互誘導を利用した近傍界で電力を伝送する近接型の無線伝送方式である。このため、送電ユニット12と受電ユニット62との位置が近いほど効率良く電力の伝送が可能となる。一方で、送電ユニット12と受電ユニット62との位置が大きくずれると電力の伝送ができなくなる。
本実施の形態では、例えば、電磁誘導方式の無接点電力伝送が採用される。電磁誘導方式は、1次コイルと2次コイルとを電磁結合させてトランスを形成し、電磁誘導作用を利用して電力を伝送する。
保持装置1の送電ユニット12は、送電コイル12a及びインバータ12bを備えている。送電コイル12aは、電力を伝送するトランスの1次コイルとして機能する。また、インバータ12bは、車両9に設けられたバッテリ95の直流電力を交流電力に変換する。これによりインバータ12bは、交流電力を送電コイル12aに供給する。
一方、携帯端末6の受電ユニット62は、受電コイル62a及び整流器62bを備えている。受電コイル62aは、電力を伝送するトランスの2次コイルとして機能する。また、整流器62bは、受電コイル62aで生じた交流電力を直流電力に変換する。そして、整流器62bは、携帯端末6が備える充電可能な電池69に直流電力を供給する。これにより、携帯端末6の電池69が充電されることになる。
図10は、送電ユニット12の内部における送電コイル12aの配置を示す図である。図10に示すように、送電ユニット12は、3つの送電コイル12aを備えている。これら3つの送電コイル12aは、前後方向(Y軸方向)に配列されている。これら3つの送電コイル12aの中心位置CPを結んだラインCLから水平方向(XY方向)に所定距離(例えば、10mm)以内の範囲まで、送電ユニット12は電力を伝送することが可能である。
前述のように保持装置1は、載置面22に載置された携帯端末6を、載置面22における前後方向(Y軸方向)及び左右方向(X軸方向)の双方の略中央部に移動して保持する。このため、どのようなサイズの携帯端末6であっても、載置面22の略中央部に保持されることになる。また、携帯端末6における受電ユニット62は、スペース上の制約などから携帯端末6の左右の略中央に配置されることが一般的である。
したがって、保持装置1が携帯端末6に電力を供給するためには、載置面22の全面において電力の伝送を可能とする必要はなく、載置面22の全面よりも狭い載置面22の中央近傍の領域において電力の伝送が可能となっていればよい。このため、保持装置1は、送電ユニット12のサイズを比較的小さくすることができる。このように送電ユニット12のサイズが小さくなると、送電ユニット12に必要となる送電コイル12aなどの送電用部品の数を少なくすることができる。したがって、載置面22の全面において電力の伝送を可能とする場合と比較して、送電ユニット12のコストを大幅に小さくすることができる。
<1−4.保持装置の動作>
次に、保持装置1の動作の流れについて説明する。まず、保持装置1が携帯端末6を保持する場合の動作について説明する。図11は、保持装置1が携帯端末6を保持する場合の動作の流れを示している。この動作は、制御部11の制御により実行される。
まず、制御部11は、端末センサ15からの信号に基いて、載置面22に携帯端末6が載置されたか否かを判定する(ステップS11)。そして、携帯端末6が載置された場合は、制御部11が保持機構部4に信号を送信する。これにより、保持機構部4が、携帯端末6を保持する動作を開始する。保持機構部4は、4つの保持レバー32によって携帯端末6の四隅を押圧して載置面22の略中央部に携帯端末6を移動した後に、携帯端末6を保持する(ステップS12)。
保持機構部4が携帯端末6を保持する場合には、モータ43の回転により第1スライドシャーシ41が移動するが、保持レバー32が携帯端末6を保持して第1スライドシャーシ41が移動できなくなるとモータ43の電流が大きく上昇する。制御部11は、このようなモータ43の電流上昇に基いて保持機構部4が携帯端末6を保持したことを把握し、モータ43の回転を停止させる。
保持機構部4が携帯端末6を保持すると、制御部11が送電ユニット12に信号を送信する。これにより、送電ユニット12が、携帯端末6への電力の伝送を開始することになる(ステップS13)。この際、送電ユニット12が備える3つの送電コイル12aのうち、最も効率良く電力の伝送が可能な1つの送電コイル12aのみを通電するようにしてもよい。
次に、保持装置1が携帯端末6を開放する場合の動作について説明する。図12は、保持装置1が携帯端末6を開放する場合の動作の流れを示している。この動作も、制御部11の制御により実行される。
まず、制御部11は、携帯端末6を開放すべき開放条件が満足するか否かを判定する(ステップS21)。開放条件は、例えば、「操作ボタン16が押下される」、「携帯端末6が取り外される」、「車両9のACCスイッチがオフとなる」などである。制御部11は、端末センサ15からの信号に基いて、携帯端末6がユーザによって取り外されたことを把握できる。
開放条件が満足した場合は、まず、制御部11が送電ユニット12に信号を送信し、送電ユニット12が携帯端末6への電力の伝送を停止する(ステップS22)。さらに、制御部11が保持機構部4に信号を送信し、保持機構部4が携帯端末6を開放する動作を実行する(ステップS23)。保持機構部4は、携帯端末6を保持する場合とは逆方向にモータ43を回転させることにより、携帯端末6を開放する動作を実行する。
以上のように、本実施の形態の保持装置1は、載置面22に載置された携帯端末6との間で近接型の無線伝送方式で電力を伝送する送電ユニット12を備えている。また、保持装置1は、載置面22に載置された携帯端末6を載置面22に略平行に移動する保持機構部4を備えている。保持機構部4が載置面22に載置された携帯端末6を移動することから、送電ユニット12が電力を伝送可能な範囲に対する携帯端末6の位置を調整できる。このため、送電ユニット12のサイズが載置面22のサイズより小さくても携帯端末6に電力を伝送できるため、送電ユニット12のサイズを小さくすることができる。その結果、送電ユニット12のコストを低減することができる。また、保持機構部4は、載置面22の中央部へ向けて携帯端末6を移動することから、送電ユニット12のサイズを有効に小さくすることができる。
また、保持機構部4は、4つの保持レバー32によって携帯端末6の四隅をそれぞれ押圧することで携帯端末6を移動することから、載置面22における前後方向及び左右方向の双方の略中央部に携帯端末6を容易に移動することができる。
また、保持装置1は、携帯端末6の主面の周縁部の一部に当接して載置面22の直交方向への携帯端末6の移動を制止するスライドカバー24を備えている。これにより、携帯端末6の載置面22からの離間を防止できるため、近接型の無線伝送方式での電力の伝送を有効に実施できる。
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の保持装置1の構成及び動作は、第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第1の実施の形態では、保持機構部4が携帯端末6を保持した時点で載置面22における携帯端末6の位置は固定されていた。これに対して、第2の実施の形態では、保持機構部4が携帯端末6を保持した後に載置面22における携帯端末6の位置をさらに変更できるようになっている。
図13は、第2の実施の形態の保持装置1の構成の概要を示す図である。第2の実施の形態においても、保持装置1は、載置面22の下側(−Z側)に送電ユニット12が配置された基板29を備えており、基板29のさらに下側(−Z側)に保持機構部4を備えている。この保持機構部4の構成は第1の実施の形態と同様であり、保持機構部4は、4つの保持レバー32によって携帯端末6の四隅をそれぞれ押圧して、携帯端末6を保持する。ただし、保持機構部4は、前後方向及び左右方向に移動する機構である二軸ステージ5に固定されている。
二軸ステージ5は、ハウジング59に対して相対的に略水平方向に保持機構部4を移動する。また、二軸ステージ5を収容するハウジング59は、外装カバー21、載置面22及び基板29に対して相対的に固定される。したがって、図中においてハッチングで示す部分が、ハッチングしていない部分に対して相対的に略水平方向に移動することになる。
このため、二軸ステージ5は、保持機構部4に保持された携帯端末6を、載置面22に略平行に移動することができる。より具体的には、二軸ステージ5は、前後方向(Y軸方向)及び左右方向(X軸方向)の双方に携帯端末6を移動する。このような構成により、第2の実施の形態の保持装置1は、送電ユニット12に対する携帯端末6の位置を調整できるようになっている。
図14は、二軸ステージ5の構成を示す斜視図である。二軸ステージ5は、第1スライダ51と、第2スライダ52と、可動ステージ53とを備えている。
第1スライダ51は、前後方向(Y軸方向)に延びるように、ハウジング59に固定的に配置されている。また、第2スライダ52は、第1スライダ51の上部に、左右方向(X軸方向)に延びるように配置されている。さらに、可動ステージ53は、第2スライダ52の上部に配置されている。
第1スライダ51は、内蔵モータにより、上部に設けられた第2スライダ52を前後方向(Y軸方向)に移動する。また、第2スライダ52は、内蔵モータにより、上部に設けられた可動ステージ53を左右方向(X軸方向)に移動する。このため、これら2つのスライダ51,52により、可動ステージ53は、前後方向(Y軸方向)及び左右方向(X軸方向)に移動する。
可動ステージ53は、略水平方向に沿った板状部材であり、その上面には保持機構部4が固定される。このような構成により、保持機構部4、及び、保持機構部4に保持された携帯端末6は、前後方向(Y軸方向)及び左右方向(X軸方向)の双方に移動できることになる。
図15は、第2の実施の形態の保持装置1の電気的な構成と、携帯端末6の概略構成とを示すブロック図である。図15に示すように、第2の実施の形態の保持装置1は、図9に示す第1の実施の形態の構成に加えて、二軸ステージ5をさらに備えている。制御部11は、二軸ステージ5と電気的に接続されており、二軸ステージ5の動作を制御することができる。
また、送電ユニット12は、図9に示す第1の実施の形態の構成に加えて、評価値を導出する評価値導出部12cを備えている。評価値は、送電ユニット12における電力の伝送状態が良好であるか否かを示す値である。評価値は、電力の伝送が効率良くなされて伝送状態が良好であるほど高くなるように定められている。
送電コイル12aと受電コイル62aとの位置が大きくずれており電力の伝送ができない場合は、送電コイル12aでは自己誘導のみが生じる。これに対して、送電コイル12aと受電コイル62aとの位置が近づき電磁結合がなされて電力の伝送が可能となると、送電コイル12aでは自己誘導に加えて相互誘導が生じる。このため、送電コイル12aのインダクタンスや送電コイル12aに流れる電流が変化する。評価値導出部12cは、この原理を利用し、送電コイル12aのインダクタンスや送電コイル12aに流れる電流に基いて評価値を導出する。
第2の実施の形態の制御部11は、評価値導出部12cからこの評価値を受け取り、評価値に応じて二軸ステージ5を制御して、評価値が最も高くなる位置に携帯端末6を移動する。
図16は、載置面22における携帯端末6の位置と評価値との関係の一例を示す図である。図に示すように、評価値は、載置面22における携帯端末6の位置に応じて変化する。評価値は、携帯端末6が位置Pに近づくほど高くなり、携帯端末6が位置Pから離れるほど低くなる。携帯端末6が図中の位置Pにあると、評価値は最も高くなってピークを形成する。以下、このように評価値が最も高くなる携帯端末6の位置Pを「最適位置」Pという。携帯端末6が最適位置Pにある場合においては、電力の伝送を最も効率良く行うことができることになる。
一般に、携帯端末6の受電ユニット62と保持装置1の送電ユニット12との位置が一致する場合に、評価値は最も高くなる。ただし、携帯端末6における受電ユニット62の位置は携帯端末6の機種ごとに異なる。このため、載置面22における最適位置Pは、携帯端末6の機種ごとに異なっている。制御部11は、評価値に応じて携帯端末6を移動し、このような最適位置Pに携帯端末6を移動するようにしている。
図17は、第2の実施の形態の保持装置1が携帯端末6を保持する場合の動作の流れを示している。この動作も、制御部11の制御により実行される。
まず、制御部11は、端末センサ15からの信号に基いて、載置面22に携帯端末6が載置されたか否かを判定する(ステップS31)。そして、携帯端末6が載置された場合は、制御部11が保持機構部4に信号を送信し、これにより、保持機構部4が、携帯端末6を保持する(ステップS32)。ここまでの動作は、第1の実施の形態のステップS11,S12と同様である。
次に、制御部11は、送電ユニット12を制御して、送電ユニット12の評価値導出部12cに評価値の導出を開始させる(ステップS33)。以降、制御部11は、評価値導出部12cが導出する評価値を継続的に取得し、評価値の変化を監視する。
次に、制御部11は、評価値を監視しながら、二軸ステージ5を制御して携帯端末6を前後方向(Y軸方向)に移動する。そして、制御部11は、前後方向(Y軸方向)において評価値が最も高くなる位置に携帯端末6を移動する(ステップS34)。
図18は、評価値が最も高くなる位置に携帯端末6を移動する手法を説明する図である。図中の横軸は携帯端末6の位置、縦軸は評価値をそれぞれ示している。また、携帯端末6の初期位置は位置P0であるものとする。
制御部11は、まず、携帯端末6を初期位置P0から微小に移動し(矢印A1)、評価値の変化を監視する。制御部11は、この変化によって評価値が高くなる方向を判断し、評価値が高くなる方向へ携帯端末6を移動する(矢印A2)。このような携帯端末6の移動により評価値は徐々に高くなるが、評価値が最も高くなる位置を超えて携帯端末6を移動すると評価値は低下する(矢印A3)。制御部11は、このような評価値の低下を判断し、そのように判断した位置P1で携帯端末6を一旦停止させた後、評価値が最も高くなった位置P2へ向かうように逆方向へ携帯端末6を移動する(矢印A4)。このような手法により、制御部11は評価値が最も高くなる位置P2に携帯端末6を移動することができる。
制御部11は、このように前後方向(Y軸方向)で評価値が最も高くなる位置に携帯端末6を移動すると、次に、二軸ステージ5を制御して携帯端末6を左右方向(X軸方向)に移動する(ステップS35)。制御部11は、前後方向(Y軸方向)に移動する場合と同様にして、左右方向(X軸方向)において評価値が最も高くなる位置に携帯端末6を移動する(ステップS35)。
これにより、制御部11は、前後方向(Y軸方向)及び左右方向(X軸方向)の双方において評価値が最も高くなる最適位置Pに、携帯端末6を移動することができる。
次に、制御部11は、携帯端末6を移動した位置において、電力の伝送状態が良好か否かを判定する。制御部11は、例えば、評価値が所定の閾値を超えるか否かによって伝送状態が良好か否かを判定する(ステップS36)。
評価値が所定の閾値を超え、電力の伝送状態が良好な場合は、そのまま処理を終了する。これに対して、評価値が所定の閾値未満となり電力の伝送状態が良好とならない場合は、制御部11は、動作ランプ14を所定の態様(例えば、赤色の点滅)で点灯させるなどにより、電力の伝送状態に係る情報をユーザに報知する(ステップS37)。これにより、ユーザは、携帯端末6を移動しても電力の伝送状態が良好とならないことを把握できる。
なお、制御部11は、ステップS34,S35において、評価値が明確なピークを形成しないなどにより評価値が最も高くなる位置に携帯端末6を移動できなかった場合などにも、電力の伝送状態が良好とならないことを示す情報をユーザに報知してもよい。また、制御部11は、表示装置8に信号を送信して、電力の伝送状態が良好とならないことを示す情報を表示装置8に表示させてもよい。
以上のように、第2の実施の形態の保持装置1は、保持機構部4が保持した携帯端末6を載置面22に略平行に移動することが可能な二軸ステージ5を備えている。制御部11の制御により二軸ステージ5は、送電ユニット12の電力の伝送状態の良否を示す評価値に応じて携帯端末6を移動する。このように、評価値に応じて携帯端末6を移動するため、載置面22において評価値が高くなる位置に携帯端末6を移動することができる。したがって、送電ユニット12の電力の伝送状態を良好にすることができる。
また、第1の実施の形態と比較して大きな幅で携帯端末6を移動可能であるため、送電ユニット12のサイズがさらに小さくても携帯端末6に電力を伝送できる。したがって、送電ユニット12のサイズをさらに小さくすることができ、送電ユニット12のコストをさらに低減することができる。
また、携帯端末6を移動しても電力の伝送状態が良好とならない場合は、動作ランプ14がユーザにその旨を報知する。このため、ユーザが電力の伝送状態を把握することができる。
なお、上記では、評価値が最も高くなる位置に携帯端末6を移動しているが、評価値が所定の閾値を超えた時点(電力の伝送状態が良好となった時点)で、携帯端末6の移動を停止してもよい。
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第1及び第2実施の形態では、保持装置1が、近接型の無線伝送方式として無接点電力伝送を行うものとして説明したが、他の近接型の無線伝送方式を行う場合であっても上記で説明した技術を好適に適用できる。例えば、保持装置1は、携帯端末6との間で近距離無線通信を行うものであってもよい。
近距離無線通信は、NFC(Near Field Communication)や非接触通信とも呼ばれ、金属接点やコネクタなどを介さずに近傍界で電力及び信号の双方を伝送することができる近接型の無線伝送方式である。近距離無線通信が可能な保持装置1は、例えば、近距離無線通信を利用して、携帯端末6に記憶されたデータを取得できる。
このような保持装置1を備える車載表示システム10は、携帯端末6から取得したデータを利用して、例えば、表示装置8が表示する内容を携帯端末6の所有者の好みに応じてカスタマイズすることができる。また、車載表示システム10は、携帯端末6から取得したデータに基づいて認証した結果を、車両9のエンジンの始動条件に利用することも可能である。
以下に説明する第3の実施の形態の保持装置1は、第2の実施の形態の保持装置1が、無接点電力伝送に代えて近距離無線通信を行うものに相当する。このため、第3の実施の形態の保持装置1の構成及び動作は、第2の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第2の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図19は、第3の実施の形態の保持装置1の分解斜視図である。第3の実施の形態の保持装置1は、第2の実施の形態の保持装置1(図4参照。)が備える送電ユニット12に代えて、近距離無線通信のための伝送部となるリーダライタ13を基板29上に備えている。第3の実施の形態の保持装置1の他の構成は、第2の実施の形態と同様である。
図20は、第3の実施の形態の保持装置1の電気的な構成と、携帯端末6の概略構成とを示すブロック図である。図20に示すように、第3の実施の形態の保持装置1は、送電ユニット12は備えておらずリーダライタ13を備えている。また、第3の実施の形態の携帯端末6も、受電ユニット62に代えて、近距離無線通信のための近距離通信部63を備えている。
近距離無線通信は、リーダライタ13と近距離通信部63とが協働することにより実現される。リーダライタ13は、近距離通信部63に電磁誘導作用を利用して電力及び搬送波信号を伝送する。近距離通信部63は、このような電力の供給を受けて動作し、搬送波信号を負荷変調することによってリーダライタ13にデータの信号を返信する。このように近距離無線通信は電磁誘導作用を利用することから、リーダライタ13と近距離通信部63との位置が大きくずれた場合は電力や信号の伝送ができなくなる。
携帯端末6の近距離通信部63は、アンテナ63aとICチップ63bとを備えている。アンテナ63aは、例えば、電磁誘導作用を生じるコイルを含んでいる。また、ICチップ63bは、データを記憶するメモリと、負荷変調を行う負荷変調部とを備えている。近距離通信部63は、ICチップ63bの負荷変調部が返答すべきデータに従って負荷変調を行うことで、当該データの信号をリーダライタ13に返信できる。
また、保持装置1のリーダライタ13は、アンテナ13aと復調部13bと評価値導出部13cとを備えている。アンテナ13aは、電磁誘導作用を生じるコイルを含んでいる。リーダライタ13は、例えば、3つのアンテナ13aを備えており、リーダライタ13内部での3つのアンテナ13aの配置は、図10に示す送電ユニット12の内部での3つの送電コイル12aの配置と同様にすればよい。
また、復調部13bは、近距離通信部63から返信されたデータの信号を復調する。復調部13bは、例えば、アンテナ13aにおける電圧の振幅変化を包絡線検波し、検波した信号を2値化することでデータの信号を復調する。
また、評価値導出部13cは、リーダライタ13における通信状態(電力や信号の伝送状態)が良好であるか否かを示す評価値を導出する。評価値は、通信状態が良好であるほど高くなるように定められている。リーダライタ13と近距離通信部63との位置が近くなるほど、復調部13bが検波した信号のレベルが高くなる。このため、評価値導出部12cは、復調部13bが検波した信号に基いて評価値を導出する。
載置面22における携帯端末6の位置と評価値との関係は、図16に示すものと同様である。すなわち、評価値は、載置面22における携帯端末6の位置に応じて変化し、携帯端末6が最適位置Pに近づくほど高くなり、携帯端末6が最適位置Pから離れるほど低くなる。携帯端末6が最適位置Pにあると、評価値は最も高くなってピークを形成する。
したがって、第2の実施の形態と同様に、制御部11が二軸ステージ5を制御して評価値に応じて携帯端末6を移動することで、載置面22において評価値が高くなる最適位置Pに携帯端末6を移動することができる。したがって、第3の実施の形態の保持装置1においては、リーダライタ13の通信状態を良好にすることができる。
また、第3の実施の形態の保持装置1のように、保持装置1が近距離無線通信を行う場合においても、第1,第2の実施の形態の送電ユニット12と同様に、近距離無線通信のためのリーダライタ13のサイズを小さくすることができる。このため、リーダライタ13のコストを低減できる。
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態の保持装置1は、近接型の無線伝送方式として無接点電力伝送及び近距離無線通信の双方を行うようになっている。このため、第4の実施の形態の保持装置1の構成は、第2の実施の形態の保持装置1の構成と、第3の実施の形態の保持装置1の構成とを組み合わせたものとなっている。
図21は、第4の実施の形態の保持装置1の分解斜視図である。図21に示すように、第4の実施の形態の保持装置1は、無接点電力伝送のための送電ユニット12と、近距離無線通信のためのリーダライタ13とを同一の基板29上に並べて備えている。第4の実施の形態の保持装置1の他の構成は、上記実施の形態と同様である。
図22は、第4の実施の形態の保持装置1の電気的な構成と、携帯端末6の概略構成とを示すブロック図である。図22に示すように、第4の実施の形態の保持装置1は、送電ユニット12とリーダライタ13との双方を備えている。また、第4の実施の形態の携帯端末6は、受電ユニット62と近距離通信部63との双方を備えている。したがって、第4の実施の形態の保持装置1は、携帯端末6との間で無接点電力伝送及び近距離無線通信の双方を行うことができる。
制御部11は、送電ユニット12の評価値導出部12cが導出する無接点電力伝送に係る評価値(以下、「第1評価値」という。)と、リーダライタ13の評価値導出部13cが導出する近距離無線通信に係る評価値(以下、「第2評価値」という。)との双方を取得する。制御部11は、これら2つの評価値に応じて二軸ステージ5を制御して、無接点電力伝送と近距離無線通信との双方が可能となる位置に携帯端末6を移動する。
図23は、第4の実施の形態の保持装置1が携帯端末6を保持する場合の動作の流れを示している。この動作も、制御部11の制御により実行される。この動作においては、まず、無接点電力伝送に関する携帯端末6の位置の調整を行い、その後、近距離無線通信に関する携帯端末6の位置の調整を行う。
まず、制御部11は、端末センサ15からの信号に基いて、載置面22に携帯端末6が載置されたか否かを判定する(ステップS41)。そして、携帯端末6が載置された場合は、制御部11が保持機構部4に信号を送信し、これにより、保持機構部4が、携帯端末6を保持する(ステップS42)。
次に、制御部11は、送電ユニット12を制御して、送電ユニット12の評価値導出部12cに第1評価値の導出を開始させる(ステップS43)。次に、制御部11は、第1評価値を監視して、前後方向(Y軸方向)において第1評価値が最も高くなる位置に携帯端末6を移動する(ステップS44)。さらに、制御部11は、第1評価値を監視して、左右方向(X軸方向)において第1評価値が最も高くなる位置に携帯端末6を移動する(ステップS45)。
これにより、制御部11は、前後方向(Y軸方向)及び左右方向(X軸方向)の双方において第1評価値が最も高くなる位置に、携帯端末6を移動することができる。ここまでの動作は、第2の実施の形態のステップS31〜S35と同様である。
次に、制御部11は、第1評価値に基いて、携帯端末6を移動した位置において電力の伝送状態が良好か否かを判定する(ステップS46)。第1評価値が所定の閾値未満となり電力の伝送状態が良好とならない場合は、制御部11は、動作ランプ14を所定の態様で点灯させて電力の伝送状態が良好とならない旨をユーザに報知し(ステップS47)、処理を終了する。
一方、第1評価値が所定の閾値を超え、電力の伝送状態が良好な場合は、続いて、制御部11は、近距離無線通信に関する携帯端末6の位置の調整を行う。
まず、制御部11は、リーダライタ13を制御して、リーダライタ13の評価値導出部13cに第2評価値の導出を開始させる(ステップS48)。
次に、制御部11は、第2評価値を監視して、前後方向(Y軸方向)において第2評価値が最も高くなる位置に携帯端末6を移動する(ステップS49)。さらに、制御部11は、第2評価値を監視して、左右方向(X軸方向)において第2評価値が最も高くなる位置に携帯端末6を移動する(ステップS50)。ただし、ステップS44,S45においては、制御部11は、第1評価値が所定の閾値を超える範囲でのみ携帯端末6を移動し、第1評価値が所定の閾値未満となる範囲には移動しない。これにより、無接点電力伝送が可能な範囲内で、第2評価値が最も高くなる位置に携帯端末6を移動できる。
次に、制御部11は、第2評価値に基いて、携帯端末6を移動した位置において近距離無線通信の通信状態が良好か否かを判定する(ステップS51)。第2評価値が所定の閾値を超えて通信状態が良好な場合は、そのまま処理を終了する。これにより、制御部11は、無接点電力伝送と近距離無線通信との双方が可能となる位置に携帯端末6を移動することができる。
一方、第2評価値が所定の閾値未満となり通信状態が良好とならない場合は、制御部11は、動作ランプ14を所定の態様で点灯させて近距離無線通信の通信状態が良好とならない旨をユーザに報知し(ステップS52)、処理を終了する。なお、ステップS47とステップS52とで動作ランプ14の点灯の態様(色や点滅周期など)を異なるようにしてもよい。これにより、ユーザは、無接点電力伝送と近距離無線通信とのいずれの伝送状態が良好とならないかを把握できる。
以上のように、第4の実施の形態では、保持装置1は、無接点電力伝送及び近距離無線通信の双方を行うことができる。
なお、上記では、無接点電力伝送に関する携帯端末6の位置の調整を優先的に行ったが、近距離無線通信に関する携帯端末6の位置の調整を優先的に行うようにしてもよい。また、いずれの無線伝送方式を優先するかを表示装置8のタッチパネルなどを介してユーザが選択できるようになっていてもよい。
また、ステップS49,S50では、第2評価値が所定の閾値を超えた時点(通信状態が良好となった時点)で、携帯端末6の移動を停止してもよい。この場合、ステップS49,S50での携帯端末6の移動前の状態において、第2評価値が所定の閾値を超えていた場合は、携帯端末6の移動は行われないことになる。
無接点電力伝送による電力の伝送効率は、携帯端末6の位置の違いの影響を受けやすい。このため、無接点電力伝送の観点からは、伝送状態が最も良好となる位置に携帯端末6を配置することが望ましい。他方、近距離無線通信の観点からは、少なくとも通信状態が良好となる位置に携帯端末6を配置すればよく、必ずしも通信状態が最も良好な位置に携帯端末6を配置する必要は無い。したがって、近距離無線通信の通信状態が良好となる範囲で、無接点電力伝送の伝送状態が最も良好となる位置に携帯端末6を配置すれば、無接点電力伝送及び近距離無線通信の双方の伝送状態を考慮したバランスのよい位置に携帯端末6を配置することができる。
<5.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
例えば、保持装置1は、図24に示すように、載置面22よりも上側(+Z側)に突出可能な突出部26を載置面22に備えていてもよい。突出部26は、通常は、図24の上部に示すように載置面22と同一高さとなっているが、保持装置1が携帯端末6を開放する場合(例えば、図12のステップS23の後)に図24の下部に示すように上側(+Z側)に突出する。これにより、突出部26が、携帯端末6の一部を持ち上げるため、ユーザが携帯端末6を容易に取り出すことができる。
また、上記実施の形態では、制止部材となるスライドカバー24が携帯端末6の主面の周縁部に当接することで、載置面22の直交方向への携帯端末6の移動を制止していた。これに対して、制止部材が携帯端末6の主面の少なくとも一部の上側(+Z側)を覆うことで、載置面22の直交方向への携帯端末6の移動を制止してもよい。また、上記実施の形態のスライドカバー24は、携帯端末6の主面の周縁部の一部に当接していたが、携帯端末6の主面の周縁部の全体に当接してもよい。
また、上記第2ないし第4の実施の形態では、二軸ステージ5を利用して前後方向及び左右方向の双方に携帯端末6を移動していたが、一方向のみ移動する機構を採用して前後方向または左右方向のいずれかのみに携帯端末6を移動するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、保持機構部4は携帯端末6の四隅を押圧して携帯端末6を移動及び保持していたが、携帯端末6の少なくとも一つの側面を押圧して携帯端末6を移動あるいは保持するものであってもよい。
また、上記実施の形態では、保持機構部4は携帯端末6を載置面22の略中央部に移動させて保持するものであったが、載置面22のいずれかの端部に移動させて保持するものであってもよい。
また、上記実施の形態では、無接点電力伝送の方式として電磁誘導方式を用いていたが、電磁界共鳴方式などの他の方式を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、近接型の無線伝送方式として、電力を伝送する無接点電力伝送、及び、電力及び信号を伝送する近距離無線通信について具体的に説明を行ったが、近接型の無線伝送方式は、電力及び信号の少なくとも一方を伝送する他の方式であってもよい。
また、上記実施の形態の載置面22は車両に設けられるものであったが、保持装置の載置面は、一般家屋、ビル及び工場などの建物内に設けられるものであってもよい。