JP6165703B2 - 油圧システム及び再生エネルギー型発電装置、並びにその運転方法 - Google Patents

油圧システム及び再生エネルギー型発電装置、並びにその運転方法 Download PDF

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Description

本開示は、油圧ラインに互いに並列に接続される複数の油圧機械を備える油圧システム及び再生エネルギー型発電装置、並びにその運転方法に関する。
一般に、油圧ポンプや油圧モータ等の油圧機械として、回転シャフトの周囲に複数のシリンダ及びピストンが配置された構成が知られている。例えば、特許文献1には、回転シャフトの回転により駆動される油圧ポンプと、発電機に接続された油圧モータと、油圧ポンプ及び油圧モータの間に設けられた油圧ラインと、を備える油圧トランスミッションが記載されている。
この種の油圧トランスミッションにおいて、例えば油圧モータは、複数組のピストン及びシリンダと、シリンダ内で周期的に往復動するピストンによって回転されるカムと、ピストンの往復動のタイミングに合わせて開閉される高圧弁及び低圧弁と、を含んでいる。そして、高圧弁及び低圧弁を開閉することによって、シリンダとピストンで囲まれる作動室のアクティブ状態と非アクティブ状態が決定され、油圧モータの押しのけ容積が変化するようになっている。
米国特許出願公開第2010/003259号明細書
ところで、上記したような油圧システムにおいては、油圧機械の回転に起因した振動が発生することがある。特に、複数の油圧機械が油圧ラインに並列に接続されている場合には、振動の大きさが時系列的に増減することがある。例えば、上記したような油圧モータにおいて振動が発生した場合、油圧モータや油圧ポンプの筐体、あるいは油圧配管に過度の振動を発生させ、油圧トランスミッションに深刻な不具合を発生させる可能性がある。そのため、油圧機械の円滑な運転のためには、油圧機械の回転に起因した振動を低減することが求められる。
この点、特許文献1には、油圧機械の回転に起因した振動を低減するための具体的な構成については何ら開示されていない。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、油圧機械の回転に起因した振動を低減し得る油圧システム及び再生エネルギー型発電装置、並びにその運転方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、油圧機械の振動を低減するために種々検討を重ねた結果、複数の油圧機械が油圧ラインに互いに並列された油圧システムにおいては、油圧機械の振動と、複数の油圧機械間の回転位相差と、の間に相関があることを見出した。
具体的には、本発明者らは、まず、油圧機械の振動が油圧ラインの脈動と相関していることを見出した。油圧ラインの脈動は、油圧機械が油圧ラインに接続されていることから、シリンダの筒内圧(作動室内の圧力)の影響を受けると考えられる。そこで、検証を行った結果、複数の油圧機械が油圧ラインに互いに並列に接続されている場合、油圧ラインの脈動は、油圧ラインに並列に接続される複数の油圧機械の筒内圧から重畳的な影響を受けているという知見が得られた。
また、本発明者らは、種々の検証により、油圧ラインに並列に接続される複数の油圧機械においては、複数の油圧機械間の回転位相差と、油圧ラインの脈動との間に相関があることを見出した。すなわち、複数の油圧機械において非アクティブ状態の作動室の配置が同一である場合、複数の油圧機械間の回転位相差に依存して圧力脈動が増減するという知見が得られた。
これらの知見に基づいて本発明者等は更に検討を重ね、本発明に想到した。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る油圧システムは、
油圧ラインと、
前記油圧ラインに互いに並列に接続される複数の油圧機械と、を備える油圧システムであって、
各々の前記油圧機械は、
回転シャフトと、
前記回転シャフトに連動して往復動するように構成された複数のピストンと、
前記複数のピストンとともに複数の作動室を形成する複数のシリンダと、
を含み、
前記複数の作動室のうち非アクティブ状態の1個以上の対象作動室の配置に応じて決定される回転位相差を前記複数の油圧機械間に持たせた運転パターンにより、前記複数の油圧機械を運転するように構成されたことを特徴とする。
上述した知見から、油圧機械の振動を低減するためには、油圧ラインの脈動が低くなる領域にて運転することが望ましく、油圧ラインの脈動が低くなる領域は、複数の油圧機械間の回転位相差の選択によって実現できることがわかる。
そこで、上記(1)の構成では、複数の油圧機械間に回転位相差を持たせた運転パターンにより複数の油圧機械を運転するようにしたので、油圧ラインの脈動を抑制することができ、よって、油圧機械の回転に起因した振動を低減することが可能である。また、油圧機械の運転パターンを適宜選択することで振動の低減が図れるため、振動対策を目的として新たに部品を追設する必要がなく、また油圧機械の設計変更等も不要であり、簡便な振動低減対策が可能となる。なお、対象作動室は、ピストン又は該ピストンに対応した高圧弁若しくは低圧弁等に不具合が発生し、機能不全が生じた異常作動室であってもよい。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記運転パターンは、前記複数の油圧機械間の回転位相差が異なる複数の運転パターンのうち、前記対象作動室が前記配置である場合に前記油圧機械の振動レベルが最小になる最適運転パターンである。
上記(2)の構成によれば、複数の油圧機械間の回転位相差が異なる複数の運転パターンのうち、対象作動室が前記配置である場合に油圧機械の振動レベルが最小になる最適運転パターンを選択し、この選択された運転パターンにより複数の油圧機械を運転するようにしたので、油圧機械の回転に起因した振動を効果的に低減することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記最適運転パターンは、前記回転シャフトの回転エネルギーと前記作動室内の圧力エネルギーとの間でのエネルギー変換を行わない1個以上の非アクティブ作動室の配置と、前記油圧機械の振動レベルとの既知の相関関係に基づいて、前記対象作動室の前記配置から決定される。
上記(3)の構成では、1個以上の非アクティブ作動室の配置と、油圧機械の振動レベルとの相関関係を予め取得しておき、この相関関係に基づいて対象作動室の前記配置から決定される最適運転パターンにより複数の油圧機械を運転するようにしている。これにより、振動を低減可能な運転パターンを適切に選択することができ、油圧機械の回転に起因した振動を効果的に低減することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)の構成において、
各々の前記油圧機械は、
前記回転シャフトの回転エネルギーと前記作動室内の圧力エネルギーとの間でのエネルギー変換を行うアクティブ状態と、前記エネルギー変換を行わない非アクティブ状態との間で各々の前記作動室の状態を切り替えるための状態切替ユニットと、
前記状態切替ユニットを制御するためのコントローラと、
をさらに含み、
前記コントローラは、前記振動レベルがさらに低減されるように、前記対象作動室に加えて、前記対象作動室以外の1個以上の非アクティブ作動室を前記非アクティブ状態に維持するように構成される。
上記(4)の構成によれば、コントローラにより状態切替ユニット(例えば高圧弁及び低圧弁)を制御し、振動レベルがさらに低減されるように、対象作動室に加えて、対象作動室以外の1個以上の非アクティブ作動室を非アクティブ状態に維持するようにしたので、油圧機械の回転に起因した振動をより一層低減することができる。
(5)一実施形態では、上記(4)の構成において、
前記コントローラは、前記非アクティブ作動室の配置と、前記油圧機械の振動レベルとの既知の相関関係に基づいて、前記対象作動室に加えて前記非アクティブ状態に維持すべき前記非アクティブ作動室を選択するように構成される。
上記(5)の構成によれば、1個以上の非アクティブ作動室の配置と、油圧機械の振動レベルとの相関関係を予め取得しておき、この相関関係に基づいて、対象作動室に加えて非アクティブ状態に維持すべき非アクティブ作動室を選択するようにしたので、油圧機械の回転に起因した振動をより一層低減するために制御すべき状態切替ユニットを適切に選択することができる。
(6)一実施形態では、上記(4)又は(5)の構成において、
前記コントローラは、前記最適運転パターンによる前記複数の油圧機械の運転条件下で予想される前記振動レベルが規定値を超えてしまう場合に、前記振動レベルが低減されるよう前記対象作動室以外の作動室から前記非アクティブ作動室を選択し、前記対象作動室に加えて前記非アクティブ作動室を前記非アクティブ状態に維持するように構成される。
上記(6)の構成によれば、最適運転パターンを選択してもなお振動レベルが規定値を超えてしまう場合に、対象作動室に加えて他の非アクティブ作動室を非アクティブ状態に維持するようにしたので、油圧機械の回転に起因した振動を確実に低減することができる。
(7)一実施形態では、上記(6)の構成において、
前記振動レベルが前記規定値以内に収まるように、
前記コントローラが、前記対象作動室に加えて前記非アクティブ作動室を前記非アクティブ状態に維持し、且つ、
前記複数の油圧機械間の回転位相差が異なる複数の運転パターンから、前記複数の油圧機械の運転パターンが再選択されるように構成される。
上記(7)の構成によれば、最適運転パターンを選択してもなお振動レベルが規定値を超えてしまう場合に、対象作動室に加えて他の非アクティブ作動室を非アクティブ状態に維持するとともに、運転パターンを再選択するようにしたので、油圧機械の回転に起因した振動をより一層確実に低減することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の構成において、
前記複数の油圧機械は、それぞれ、前記油圧ライン内の圧油によって駆動されて、機械的エネルギーを発電機に入力するように構成され、
前記運転パターンは、前記発電機の極数に応じて選択可能な複数の運転パターンの中から選択される。
通常、複数の発電機がグリッドに連系される場合、各発電機に連結される複数の油圧機械は、発電機の極数に対応した回転位相差で運転される。上記(8)の構成では、発電機の極数に応じて選択可能な複数の運転パターンの中から選択された運転パターンによって油圧機械を運転するようにしたので、発電機の運転を阻害することなく、油圧機械の回転に起因した振動を低減することが可能である。
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係る再生エネルギー型発電装置は、
再生エネルギーによって回転可能に構成されたロータと、
前記ロータによって駆動されて圧油を生成するように構成された油圧ポンプと、
前記圧油によって駆動されるように構成された複数の油圧モータと、
前記複数の油圧モータによってそれぞれ駆動されるように構成された複数の発電機と、を備え、
前記複数の油圧モータは、それぞれ、上記(1)乃至(8)の何れか一に記載の油圧システムにおける前記複数の油圧機械であることを特徴とする。
上記(9)の構成によれば、油圧機械の回転に起因した振動を低減できるため、振動による不具合が発生し難く、円滑な運転が可能な再生エネルギー型発電装置を提供できる。
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係る油圧システムの運転方法は、
油圧ラインと、
前記油圧ラインに互いに並列に接続される複数の油圧機械と、を備える油圧システムの運転方法であって、
各々の前記油圧機械は、
回転シャフトと、
前記回転シャフトに連動して往復動するように構成された複数のピストンと、
前記複数のピストンとともに複数の作動室を形成する複数のシリンダと、
を含み、
前記複数の作動室のうち機能不全が生じた1個以上の対象作動室の配置に応じて決定される回転位相差を前記複数の油圧機械間に持たせた運転パターンにより、前記複数の油圧機械を運転するステップを備えることを特徴とする。
上記(10)の方法によれば、複数の油圧機械間に回転位相差を持たせた運転パターンにより複数の油圧機械を運転するようにしたので、油圧ラインの脈動を抑制することができ、よって、油圧機械の回転に起因した振動を低減することが可能である。また、油圧機械の運転パターンを適宜選択することで振動の低減が図れるため、振動対策を目的として新たに部品を追設する必要がなく、また油圧機械の設計変更等も不要であり、簡便な振動低減対策が可能となる。
(11)本発明の少なくとも一実施形態に係る再生エネルギー型発電装置の運転方法は、
再生エネルギーによって回転可能に構成されたロータと、
前記ロータによって駆動されて圧油を生成するように構成された油圧ポンプと、
前記圧油によって駆動されるように構成された複数の油圧モータと、
前記複数の油圧モータによってそれぞれ駆動されるように構成された複数の発電機と、
前記油圧ポンプの吐出側と前記油圧モータの各々の吸込側との間に設けられる高圧ラインと、を備える再生エネルギー型発電装置の運転方法であって、
前記複数の油圧モータは、前記高圧ラインに互いに並列に接続されており、
各々の前記油圧モータは、
回転シャフトと、
前記回転シャフトに連動して往復動するように構成された複数のピストンと、
前記複数のピストンとともに複数の作動室を形成する複数のシリンダと、
を含み、
前記複数の作動室のうち機能不全が生じた1個以上の対象作動室の配置に応じて決定される回転位相差を前記複数の油圧モータ間に持たせた運転パターンにより、前記複数の油圧モータを稼働させるステップを備えることを特徴とする。
上記(11)の方法によれば、複数の油圧モータ間に回転位相差を持たせた運転パターンにより複数の油圧モータを運転するようにしたので、油圧ラインの脈動を抑制することができ、よって、油圧モータの回転に起因した振動を低減することが可能である。また、油圧モータの運転パターンを適宜選択することで振動の低減が図れるため、振動対策を目的として新たに部品を追設する必要がなく、また油圧モータの設計変更等も不要であり、簡便な振動低減対策が可能となる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(11)の方法において、
前記再生エネルギー型発電装置の運転中に前記対象作動室が発生し、前記油圧ポンプ又は前記油圧モータの振動レベルが規定値を上回った場合、前記再生エネルギー型発電装置の運転を停止するステップと、
前記複数の油圧モータ間の回転位相差が異なる複数の運転パターンのうち、前記対象作動室が前記配置である場合に前記振動レベルが最小になる最適運転パターンを選択するステップと、
前記最適運転パターンにより前記複数の油圧モータが稼働されるように、前記再生エネルギー型発電装置の運転を再開するステップと、を備える。
上記(12)の方法によれば、複数の油圧モータ間の回転位相差が異なる複数の運転パターンのうち、対象作動室が前記配置である場合に油圧モータの振動レベルが最小になる最適運転パターンを選択し、この選択された運転パターンにより複数の油圧モータを運転するようにしたので、油圧モータの回転に起因した振動を効果的に低減することができる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(12)の方法において、
前記最適運転パターンを採用しても前記振動レベルが規定値以下にならないと予想される場合、前記振動レベルがさらに低減されるように、前記対象作動室に加えて、前記対象作動室以外の1個以上の非アクティブ作動室を選択するステップをさらに備え、
前記再生エネルギー型発電装置の運転を再開するステップでは、前記回転シャフトの回転エネルギーと前記作動室内の圧力エネルギーとの間でのエネルギー変換を行うアクティブ状態にて作動させる。
上記(13)の構成によれば、最適運転パターンを採用してもなお振動レベルが大きい場合に、対象作動室以外の1個以上の非アクティブ作動室を選択するようにしたので、油圧モータの回転に起因した振動をより一層低減することができる。
(14)一実施形態では、上記(13)の方法において、
前記最適運転パターンを採用しても前記振動レベルが規定値以下にならないと予想される場合、前記振動レベルがさらに低減されるように、前記複数の油圧モータ間の回転位相差が異なる複数の運転パターンから前記複数の油圧モータの最適運転パターンを再選択するステップをさらに備える。
上記(14)の方法によれば、最適運転パターンを採用してもなお振動レベルが大きい場合に、対象作動室以外の1個以上の非アクティブ作動室を選択し、且つ、油圧モータの運転パターンを再選択するようにしたので、油圧モータの回転に起因した振動を確実に低減することができる。
(15)幾つかの実施形態では、上記(12)乃至(14)の方法において、
前記最適運転パターンを選択するステップでは、出現頻度が最も高い前記再生エネルギーの大きさに応じて定まる前記再生エネルギー型発電装置の基準出力において前記振動レベルが最小になる前記最適運転パターンを選択する。
(15)の方法によれば、最適運転パターンの選択に際して、再生エネルギー型発電装置の基準出力において振動レベルが最小になる最適パターンを推定するようにしたので、油圧モータの回転に起因した振動を効果的に低減し得る適切な最適運転パターンを選択することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、複数の油圧機械間に回転位相差を持たせた運転パターンにより複数の油圧機械を運転するようにしたので、油圧ラインの脈動を抑制することができ、よって、油圧機械の回転に起因した振動を低減することが可能である。また、油圧機械の運転パターンを適宜選択することで振動の低減が図れるため、振動対策を目的として新たに部品を追設する必要がなく、また油圧機械の設計変更等も不要であり、簡便な振動低減対策が可能となる。
幾つかの実施形態に係る風力発電装置の構成図である。 一実施形態に係る油圧モータの回転軸Oに垂直な断面を示す図である。 一実施形態に係る油圧モータの回転軸Oに沿った断面を示す図である。 (a)は油圧モータの周波数のうち2N成分の圧力脈動と2N成分の速度との関係を示すグラフであり、(b)は、油圧モータの周波数のうち2N成分の圧力脈動と全周波数の速度との関係を示すグラフである。 (a)〜(d)は、油圧モータの回転位相差と、2N成分の圧力脈動との関係を示すグラフである。 油圧モータの振動レベルと脈動レベルとの関係を示すグラフである。 一実施形態に係る運転方法を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
最初に、図1を参照して、本実施形態が適用される再生エネルギー型発電装置として、風力発電装置1について説明する。なお、図1は、幾つかの実施形態に係る風力発電装置1の概略構成図である。ただし、本実施形態に係る再生エネルギー型発電装置は、潮流発電装置、海流発電装置、河流発電装置等の他の再生エネルギー型発電装置にも適用できる。
図1に示すように、幾つかの実施形態に係る風力発電装置1は、ブレード2及びハブ3を含むロータ4と、ロータ4とともに回転する回転シャフト5と、ロータ4の回転を増速する油圧トランスミッション6と、油圧トランスミッション6を介してロータ4の回転エネルギーが入力される発電機8(8A,8B)と、を備えている。
ロータ4は、少なくとも一本のブレード2がハブ3に取り付けられた構成を有しており、ブレード2が風を受けることによって、該ブレード2がハブ3とともに回転するようになっている。ハブ3には回転シャフト5が連結されている。そして、ブレード2が受けた風の力によってロータ4全体が回転し、回転シャフト5を介して油圧トランスミッション6に回転が入力される。
油圧トランスミッション6は、油圧ポンプ10と、複数の油圧モータ20(20A,20B)と、高圧ライン30及び低圧ライン31を含む油圧ラインと、を含んでいる。
油圧ポンプ10は、回転シャフト5に入力される機械的な回転エネルギーによって駆動されるように構成される。
複数の油圧モータ20(20A,20B)は、油圧ラインにそれぞれ並列に接続されている。図示される例では、2台の油圧モータ20A,20Bを示しているが、油圧モータ20の数は2台に限定されるものではなく、3台以上であってもよい。各々の油圧モータ20A,20Bは、油圧ポンプ10からの圧油(高圧油)によって駆動されるように構成される。油圧モータ20A,20Bの回転シャフト(出力軸)22A,22Bには、グリッドに連系された発電機8A,8Bが連結されている。
高圧ライン30は、油圧ポンプ10の吐出口と油圧モータ20A,20Bの吸入口との間に設けられ、油圧ポンプ10で生成した高圧油を油圧モータ20A,20Bに導くように構成されている。
低圧ライン31は、油圧モータ20A,20Bの吐出口と油圧ポンプ10の吸入口との間に設けられ、油圧モータ20A,20Bから吐出された作動油(低圧油)を油圧ポンプ10に導くように構成されている。
上記油圧トランスミッション6において、油圧ポンプ10で生成された高圧油は高圧ライン30を介して油圧モータ20A,20Bに流入し、油圧モータ20を駆動する。油圧モータ20で仕事を行った後の低圧油は、低圧ライン31を介して油圧ポンプ10に流入して、油圧ポンプ10で昇圧された後、再び高圧ライン30を介して油圧モータ20に流入する。そして、油圧トランスミッション6の油圧ポンプ10に入力された回転は、油圧トランスミッション6で増速された後、発電機8(8A,8B)に入力される。
ここで、本実施形態における油圧機械の一例として、図2及び図3に示す油圧モータ20(20A,20B)について具体的に説明する。なお、図2は、一実施形態に係る油圧モータ20の回転軸Oに垂直な断面を示す図であり、図3は、一実施形態に係る油圧モータ20の回転軸Oに沿った断面を示す図である。なお、回転軸Oは、回転シャフト22の回転軸である。
図2及び図3に示すように、一実施形態に係る油圧モータ20は、回転シャフト22と共に回転する偏心カム23と、複数のピストン26(26A〜26F)と、複数のシリンダ24(24A〜24F)とを備える。ピストン26とシリンダ24は、それぞれ作動室25(25A〜25F)を形成している。該作動室25にはそれぞれ高圧ライン30及び低圧ライン31(図1参照)が接続されることにより、作動流体である作動油の供給及び排出が弁機構(不図示)を介して行われる。
複数のピストン26及び複数のシリンダ24は、それぞれ偏心カム23の周りに放射状に設けられている。複数のピストン26は、作動室25内の作動油及び偏心カム23によって、互いに異なる位相で往復運動せしめられる。すなわち、各ピストン26が上死点から下死点に向う際(モータ工程)、高圧ライン30(図1参照)から作動室25に導入された作動油によって、各ピストン26はシリンダ軸に沿って偏心カム23側に押し下げられる。このとき、各ピストン26によって偏心カム23は押圧され、その結果、偏心カム23は回転する。偏心カム23が回転すると、下死点付近に位置するピストン26は偏心カム23によって押上げられ、作動室25内の作動油が低圧ライン31(図1参照)に排出される。
このようなピストン26の周期的な往復運動によって、該偏心カム23に連結された回転シャフト22が回転する。
回転シャフト22は、例えば図1に示す発電機8(8A,8B)に接続され、回転シャフト22の回転運動を発電機に伝えて発電機8(8A,8B)を駆動するように構成されていてもよい。
ケーシング28は、例えば、図2及び図3に示すように、油圧モータ20の軸方向における両端部に配置されるエンドプレート28A,28Bと、エンドプレート28A及び28Bの間に配置される筒状ケース28Cとで構成される。ケーシングに28には、回転シャフト22を支持する軸受29A,29Bを介して回転シャフト22の振動が伝搬するようになっている。
なお、油圧モータ20は、図3に示すように、偏心カム23とこの偏心カム23に対応する複数のピストン26(26A〜26F)、シリンダ24(24A〜24F)、作動室25(25A〜25F)を含む複数のバンクA〜Fを備えていてもよい。
上記した油圧モータ20においては、弁機構として、各作動室25(25A〜25F)に対して設けられた高圧弁および低圧弁と、を備える。高圧弁は、各作動室25(25A〜25F)と高圧ライン30との間に設けられ、低圧弁は、各作動室25(25A〜25F)と低圧ライン31との間に設けられる。
油圧モータ20では、高圧弁および低圧弁の開閉によって、各作動室25(25A〜25F)をアクティブ状態又は非アクティブ状態に切替えることができる。作動室25(25A〜25F)がアクティブ状態である場合、モータ工程において高圧弁を開き低圧弁を閉じることで高圧ライン30から作動室25(25A〜25F)内に圧油を流入させるとともに、排出工程において高圧弁を閉じ低圧弁を開くことで作動室25(25A〜25F)内で仕事をした圧油を低圧ライン31に送り出す。一方、作動室25(25A〜25F)が非アクティブ状態である場合、高圧弁が閉じて低圧弁が開いた状態を維持して、作動室25(25A〜25F)と低圧ライン31との間で圧油を往復させる(すなわち、高圧ライン30からの高圧油を作動室25(25A〜25F)に受け入れない)。
上記構成を有する油圧モータ20においては、該油圧モータ20の回転に起因して振動が発生することがある。
本発明者らは、油圧モータ20(20A,20B)の回転に起因した振動を低減するために種々検討を重ねた結果、複数の油圧モータ20A,20Bが油圧ライン(高圧ライン30及び低圧ライン31)に互いに並列された油圧システムにおいては、油圧モータ20A,20Bの振動と、油圧モータ20A,20B間の回転位相差と、の間に相関があることを見出した。
まず、本発明者らは、油圧モータ20(20A,20B)の振動が高圧ライン30の脈動と相関していることを見出した。
図4(a)は、油圧モータ20(20A,20B)の周波数のうち2N成分の圧力脈動と2N成分の速度との関係を示すグラフである。図4(b)は、油圧モータ20(20A,20B)の周波数のうち2N成分の圧力脈動と全周波数の速度との関係を示すグラフである。なお、これらの図において、2N成分の圧力脈動又は速度は、複数のシリンダ24(24A〜24F)の筒内圧を加算して得らえた時系列データをFFTにより周波数解析して抽出したものである。ここで、速度は、振動を表すパラメータとして用いている。
図4(a)及び図4(b)に示すように、2N成分の速度及び全周波数の速度は、圧力脈動に対応して増加する傾向にあり、これらの増加傾向は2N成分の速度と全周波数の速度とで概ね一致している。これらのことから、油圧モータ20(20A,20B)の振動においては2N成分の振動の影響が大きく、この2N成分の振動を低減するためには、高圧ライン30の圧力脈動を抑制することが重要であることがわかる。
図5(a)〜(d)は、油圧モータ20(20A,20B)の回転位相差と、2N成分の圧力脈動との関係を示すグラフである。図6は、油圧モータ20(20A,20B)の振動レベルと脈動レベルとの関係を示すグラフである。なお、図5(a)〜(d)は、異なる条件下における複数の関係を示している
えば、グリッドに連系される6極の発電機8(8A,8B)に油圧モータ20(20A,20B)が直結される場合、一の油圧モータ20Aと他の油圧モータ20Bとの回転位相差は、−120°,0°,120°の3つの運転パターンから選択される。
図5(a)〜(d)に示すグラフから、2つの油圧モータ20A,20B間の回転位相差に対応して、2N成分の圧力脈動が変化することがわかる。例えば、図5(b)に示す例では、上記3つの運転パターンにおいて回転位相差が120°のとき、2N成分の圧力脈動が小さくなっている。すなわち、一の油圧モータ20Aと他の油圧モータ20Bとが同じ非アクティブ状態の対象作動室の配置である場合、一の油圧モータ20Aと他の油圧モータ20Bとの間の回転位相差に依存して圧力脈動が増減することがわかる。一方、図6に示すグラフから、高圧ライン30の脈動レベルが大きくなるほど振動レベルが大きくなることがわかる。
そのため、油圧モータ20(20A,20B)の振動レベルを低減するためには、高圧ライン30の脈動が低くなる領域にて運転することが望ましく、高圧ライン30の脈動が低くなる領域は、2つの油圧モータ20A,20B間の回転位相差の選択によって実現できることがわかる。
そこで、油圧モータ20(20A,20B)の振動を低減するために、以下の実施形態を提案する。
図1乃至図3を参照して、幾つかの実施形態において、複数の油圧モータ20A,20Bは、複数の作動室25(25A〜25F)のうち非アクティブ状態の1個以上の対象作動室の配置に応じて決定される回転位相差を複数の油圧モータ20A,20B間に持たせた運転パターンにより運転されるように構成される。
上記構成によれば、複数の油圧モータ20A,20B間に回転位相差を持たせた運転パターンにより複数の油圧モータ20A,20Bを運転するようにしたので、高圧ライン30の脈動を抑制することができ、よって、複数の油圧モータ20A,20Bの回転に起因した振動を低減することが可能である。また、複数の油圧モータ20A,20Bの運転パターンを適宜選択することで振動の低減が図れるため、振動対策を目的として新たに部品を追設する必要がなく、また複数の油圧モータ20A,20Bの設計変更等も不要であり、簡便な振動低減対策が可能となる。
この場合、複数の油圧モータ20A,20Bに対して選択される運転パターンは、複数の油圧モータ20A,20B間の回転位相差が異なる複数の運転パターンのうち、対象作動室が前記配置である場合に油圧モータ20A,20Bの振動レベルが最小になる最適運転パターンであってもよい。すなわち、複数の油圧モータ20A,20B間の回転位相差が異なる複数の運転パターンのうち、対象作動室が前記配置である場合に油圧モータ20A,20Bの振動レベルが最小になる最適運転パターンを選択し、この選択された運転パターンにより複数の油圧モータ20A,20Bを運転するようにしたので、油圧モータ20A,20Bの回転に起因した振動を効果的に低減することができる。
また、図1に示したように、複数の油圧モータ20A,20Bが、それぞれ、発電機8A,8Bに連結されている場合、複数の油圧モータ20A,20Bの運転パターンは、発電機8A,8Bの極数に応じて選択可能な複数の運転パターンの中から選択されてもよい。
通常、複数の発電機8A,8Bがグリッドに連系される場合、各発電機8A,8Bに連結される複数の油圧モータ20A,20Bは、発電機8A,8Bの極数に対応した回転位相差で運転される。上記構成では、発電機8A,8Bの極数に応じて選択可能な複数の運転パターンの中から選択された運転パターンによって油圧モータ20A,20Bを運転するようにしたので、発電機8A,8Bの運転を阻害することなく、油圧モータ20A,20Bの回転に起因した振動を低減することが可能である。
一実施形態に係る油圧システムは、コントローラ50と、データベース51と、をさらに備える。また、油圧システムは、センサ21(21A,21B)をさらに備えていてもよい。
具体的に、コントローラ50は、状態切替ユニットを制御することによって、複数の油圧モータ20A,20bにおける各々の作動室25(25A〜25F)のアクティブ状態と非アクティブ状態とを切り替える。なお、状態切替ユニットとは、作動室25(25A〜25F)におけるアクティブ状態と非アクティブ状態とを切り替えるように構成され、例えば、上述した高圧弁及び低圧弁を含む。
データベース51は、回転シャフト22(22A,22B)の回転エネルギーと作動室内の圧力エネルギーとの間でのエネルギー変換を行わない1個以上の非アクティブ作動室の配置と、油圧モータ20A,20bの振動レベルとの既知の相関関係が格納されている。
センサ21(21A,21B)は、油圧モータ20A,20Bの回転に起因した振動を計測するように構成される。このセンサ21(21A,21B)は、図示されるように油圧モータ20A,20bのケーシング28に取り付けられて、油圧モータ20A,20Bの振動を計測する構成であってもよい。但し、センサ21(21A,21B)はこの構成に限定されるものではなく、油圧モータ20A,20Bの回転に起因した振動を計測可能な構成であれば、例えば油圧ポンプ10のケーシングや高圧ライン30の配管等の他の部位に取り付けられてもよい。
一実施形態において、コントローラ50は、データベース51に格納された前記相関関係に基づいて、対象作動室の配置から最適運転パターンを選択するように構成される。
このように、1個以上の非アクティブ作動室の配置と、油圧モータ20A,20Bの振動レベルとの相関関係を予め取得しておき、この相関関係に基づいて対象作動室の前記配置から決定される最適運転パターンにより複数の油圧モータ20A,20Bを運転することによって、振動が低減可能な運転パターンを適切に選択することができ、油圧モータ20A,20Bの回転に起因した振動を効果的に低減することができる。なお、対象作動室は、ピストン26(26A〜26F)又は該ピストン26(26A〜26F)に対応した高圧弁若しくは低圧弁等に不具合が発生し、機能不全が生じた異常作動室であってもよい。
また、コントローラ50は、油圧モータ20A,20Bに起因した振動の振動レベルがさらに低減されるように、対象作動室に加えて、対象作動室以外の1個以上の非アクティブ作動室を非アクティブ状態に維持するように構成されてもよい。この構成によれば、前記相関関係に基づいて、対象作動室に加えて非アクティブ状態に維持すべき非アクティブ作動室を選択するようにしたので、油圧モータ20A,20Bの回転に起因した振動をより一層低減するために制御すべき状態切替ユニットを適切に選択することができる。
さらに、コントローラ50は、最適運転パターンによる複数の油圧モータ20A,20Bの運転条件下で予想される振動レベルが規定値を超えてしまう場合に、振動レベルが低減されるよう対象作動室以外の作動室から非アクティブ作動室を選択し、対象作動室に加えて他の非アクティブ作動室を非アクティブ状態に維持するように構成されてもよい。この構成によれば、最適運転パターンを選択してもなお振動レベルが規定値を超えてしまう場合に、対象作動室に加えて他の非アクティブ作動室を非アクティブ状態に維持するようにしたので、油圧モータ20A,20Bの回転に起因した振動を確実に低減することができる。
あるいは、コントローラ50は、センサ21(21A,21B)によって計測された振動レベルが規定値以内に収まるように、対象作動室に加えて他の非アクティブ作動室を非アクティブ状態に維持し、且つ、複数の油圧モータ20A,20B間の回転位相差が異なる複数の運転パターンから、複数の油圧モータ20A,20Bの運転パターンが再選択されるように構成されてもよい。この構成によれば、最適運転パターンを選択してもなお振動レベルが規定値を超えてしまう場合に、対象作動室に加えて他の非アクティブ作動室を非アクティブ状態に維持するとともに、運転パターンを再選択するようにしたので、油圧モータ20A,20Bの回転に起因した振動をより一層確実に低減することができる。
次に、図7を参照して、一実施形態に係る油圧モータ20A,20B及び風力発電装置1の運転方法について説明する。図7は、一実施形態に係る運転方法を示すフローチャートである。なお、以下の説明においては、図1乃至図3に示した各部位の符号を適宜用いている。
風力発電装置1の継続運転中、油圧モータ20A,20Bの作動室(25A〜25F)のうち、例えば機能不全が生じて非アクティブ状態となった対象作動室が発生した場合、振動レベルが増大する可能性がある。そのため、ステップS1において、センサ21(21A,21B)によって、風力発電装置1の継続運転中の油圧モータ20A,20Bの振動を計測する。なお、風力発電装置1の継続運転中に、非アクティブ状態の作動室に関する情報をデータベース51に蓄積するようにしてもよい。ステップS2において、コントローラ50では、油圧モータ20A,20Bの振動の振動が規定値以下であるか否かを判定し、振動が規定値以内である場合はその状態を維持して運転を続行する。一方、振動が規定値を超える場合には、ステップS3において風力発電装置1の運転を停止する。
風力発電装置1の運転を停止した状態で、ステップS4においてコントローラ50は、データベース51に格納された1個以上の非アクティブ作動室の配置と、油圧モータ20A,20Bの振動レベルとの相関関係に基づいて、複数の油圧モータ20A,20B間の回転位相差が異なる複数の運転パターンのうち、油圧モータ20A,20Bの振動レベルが最小になる最適運転パターンを選択する。そして、ステップS5においてコントローラ50は、選択された最適運転パターンにおける振動を予測する。ステップS6においてコントローラ50は、最適運転パターンにおける振動予測値が規定値以下であるか否かを判断する。最適運転パターンにおける振動予測値が規定値以下であると判断された場合には、ステップS7において、ステップS4で選択された最適な運転パターンを設定し、ステップS8において風力発電装置1を再起動する。そして、風力発電装置1の運転に際して、油圧モータ20A,20Bは、ステップS4で選択された最適運転パターンにより運転される。
一方、ステップS6において最適運転パターンにおける振動予測値が規定値を超えると判断された場合、ステップS9においてコントローラ50は、データベース51の非アクティブ作動室の情報に基づいて、振動レベルがさらに低減されるように、既に非アクティブ状態である対象作動室に加えて、対象作動室以外の1個以上の非アクティブ作動室を選択する。さらに、ステップS10においてコントローラ50は、選択された1個以上の非アクティブ作動室を加えた配置において、再度、最適運転パターンを選択する。すなわち、データベース51に格納された1個以上の非アクティブ作動室の配置と、油圧モータ20A,20Bの振動レベルとの相関関係に基づいて、複数の油圧モータ20A,20B間の回転位相差が異なる複数の運転パターンのうち、対象作動室が前記配置である場合に油圧モータ20A,20Bの振動レベルが最小になる最適運転パターンを選択する。次いで、ステップS7において、ステップS10で選択された最適な運転パターンを設定し、ステップS8において風力発電装置1を再起動する。そして、風力発電装置1の運転に際して、油圧モータ20A,20Bは、ステップS10で選択された最適運転パターンにより運転される。
上記したように、複数の油圧モータ20A,20B間に回転位相差を持たせた運転パターンにより複数の油圧モータ20A,20Bを運転するようにしたので、油圧ラインの脈動を抑制することができ、よって、油圧モータ20A,20Bの回転に起因した振動を低減することが可能である。この構成では、油圧モータ20A,20Bの運転パターンを適宜選択することで振動の低減が図れるため、振動対策を目的として新たに部品を追設する必要がなく、また油圧モータ20A,20Bの設計変更等も不要であり、簡便な振動低減対策が可能となる。
また、複数の油圧モータ20A,20B間の回転位相差が異なる複数の運転パターンのうち、対象作動室が前記配置である場合に油圧モータ20A,20Bの振動レベルが最小になる最適運転パターンを選択し、この選択された運転パターンにより複数の油圧モータ20A,20Bを運転するようにしたので、油圧モータ20A,20Bの回転に起因した振動を効果的に低減することができる。
さらに、最適運転パターンを採用してもなお振動レベルが大きい場合に、対象作動室以外の1個以上の非アクティブ作動室を選択するようにしたので、油圧モータ20A,20Bの回転に起因した振動をより一層低減することができる。
さらにまた、最適運転パターンを採用してもなお振動レベルが大きい場合に、対象作動室以外の1個以上の非アクティブ作動室を選択し、且つ、油圧モータ20A,20Bの運転パターンを再選択するようにしたので、油圧モータ20A,20Bの回転に起因した振動を確実に低減することができる。
上記方法において、最適運転パターンを選択するステップS4,S10では、出現頻度が最も高い風力エネルギーの大きさ(例えば風速等の風況)に応じて定まる風力発電装置1の基準出力において振動レベルが最小になる最適運転パターンを選択してもよい。
このように、最適運転パターンの選択に際して、風力発電装置1の基準出力において振動レベルが最小になる最適パターンを推定することにより、油圧モータ20A,20Bの回転に起因した振動を効果的に低減し得る適切な最適運転パターンを選択することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上記実施形態では、油圧機械として風力発電装置1の油圧ポンプ10及び油圧モータ20について説明したが、本実施形態の油圧機械は、風力発電装置1以外の他の再生エネルギー型発電装置又は他の油圧機械利用装置が備える油圧機械にも適用できる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 風力発電装置
2 ブレード
3 ハブ
4 ロータ
5 回転シャフト
6 油圧トランスミッション
8(8A,8B) 発電機
10 油圧ポンプ
20(20A,20B) 油圧モータ
21(21A,21B) センサ
22(22A,22B) 回転シャフト
23 偏心カム
24(24A〜24F) シリンダ
25(25A〜25F) 作動室
26(26A〜26F) ピストン
28 ケーシング
30 高圧ライン
31 低圧ライン
50 コントローラ
51 データベース

Claims (14)

  1. 油圧ラインと、
    前記油圧ラインに互いに並列に接続されるとともに同一構造を有する複数の油圧機械と、を備える油圧システムであって、
    各々の前記油圧機械は、
    回転シャフトと、
    前記回転シャフトに連動して往復動するように構成された複数のピストンと、
    前記複数のピストンとともに複数の作動室を形成する複数のシリンダと、
    を含み、
    前記複数の作動室のうち非アクティブ状態の1個以上の対象作動室の各々の前記油圧機械内における分布に応じて、前記複数の油圧機械間の回転位相差が異なる複数の運転パターンのうち、前記複数の油圧機械の振動レベルが最小になる最適運転パターンを決定し、該最適運転パターンにより、前記複数の油圧機械を運転するように構成されたことを特徴とする油圧システム。
  2. 前記最適運転パターンは、前記回転シャフトの回転エネルギーと前記作動室内の圧力エネルギーとの間でのエネルギー変換を行わない1個以上の非アクティブ作動室の配置と、前記油圧機械の振動レベルとの既知の相関関係に基づいて、前記対象作動室の前記配置から決定されることを特徴とする請求項に記載の油圧システム。
  3. 各々の前記油圧機械は、
    前記回転シャフトの回転エネルギーと前記作動室内の圧力エネルギーとの間でのエネルギー変換を行うアクティブ状態と、前記エネルギー変換を行わない非アクティブ状態との間で各々の前記作動室の状態を切り替えるための状態切替ユニットと、
    前記状態切替ユニットを制御するためのコントローラと、
    をさらに含み、
    前記コントローラは、前記振動レベルがさらに低減されるように、前記対象作動室に加えて、前記対象作動室以外の1個以上の非アクティブ作動室を前記非アクティブ状態に維持するように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の油圧システム。
  4. 前記コントローラは、前記非アクティブ作動室の配置と、前記油圧機械の振動レベルとの既知の相関関係に基づいて、前記対象作動室に加えて前記非アクティブ状態に維持すべき前記非アクティブ作動室を選択するように構成されたことを特徴とする請求項に記載の油圧システム。
  5. 前記コントローラは、前記最適運転パターンによる前記複数の油圧機械の運転条件下で予想される前記振動レベルが規定値を超えてしまう場合に、前記振動レベルが低減されるよう前記対象作動室以外の作動室から前記非アクティブ作動室を選択し、前記対象作動室に加えて前記非アクティブ作動室を前記非アクティブ状態に維持するように構成されたことを特徴とする請求項3又は4に記載の油圧システム。
  6. 前記振動レベルが前記規定値以内に収まるように、
    前記コントローラが、前記対象作動室に加えて前記非アクティブ作動室を前記非アクティブ状態に維持し、且つ、
    前記複数の油圧機械間の回転位相差が異なる複数の運転パターンから、前記複数の油圧機械の運転パターンが再選択される
    ように構成されたことを特徴とする請求項に記載の油圧システム。
  7. 前記複数の油圧機械は、それぞれ、前記油圧ライン内の圧油によって駆動されて、機械的エネルギーを発電機に入力するように構成され、
    前記運転パターンは、前記発電機の極数に応じて選択可能な複数の運転パターンの中から選択されることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の油圧システム。
  8. 再生エネルギーによって回転可能に構成されたロータと、
    前記ロータによって駆動されて圧油を生成するように構成された油圧ポンプと、
    前記圧油によって駆動されるように構成された複数の油圧モータと、
    前記複数の油圧モータによってそれぞれ駆動されるように構成された複数の発電機と、を備え、
    前記複数の油圧モータは、それぞれ、請求項1乃至の何れか一項に記載の油圧システムにおける前記複数の油圧機械である
    ことを特徴とする再生エネルギー型発電装置。
  9. 油圧ラインと、
    前記油圧ラインに互いに並列に接続されるとともに同一構造を有する複数の油圧機械と、を備える油圧システムの運転方法であって、
    各々の前記油圧機械は、
    回転シャフトと、
    前記回転シャフトに連動して往復動するように構成された複数のピストンと、
    前記複数のピストンとともに複数の作動室を形成する複数のシリンダと、
    を含み、
    前記複数の作動室のうち機能不全が生じた1個以上の対象作動室の各々の前記油圧機械における分布に応じて、前記複数の油圧機械間の回転位相差が異なる複数の運転パターンのうち、前記複数の油圧機械の振動レベルが最小になる最適運転パターンを決定し、該最適運転パターンにより、前記複数の油圧機械を運転するステップ
    を備えることを特徴とする油圧システムの運転方法。
  10. 再生エネルギーによって回転可能に構成されたロータと、
    前記ロータによって駆動されて圧油を生成するように構成された油圧ポンプと、
    前記圧油によって駆動されるように構成された複数の油圧モータと、
    前記複数の油圧モータによってそれぞれ駆動されるように構成された複数の発電機と、
    前記油圧ポンプの吐出側と前記油圧モータの各々の吸込側との間に設けられる高圧ラインと、を備える再生エネルギー型発電装置の運転方法であって、
    前記複数の油圧モータは、前記高圧ラインに互いに並列に接続されるとともに同一構造を有しており、
    各々の前記油圧モータは、
    回転シャフトと、
    前記回転シャフトに連動して往復動するように構成された複数のピストンと、
    前記複数のピストンとともに複数の作動室を形成する複数のシリンダと、
    を含み、
    前記複数の作動室のうち機能不全が生じた1個以上の対象作動室の各々の前記油圧モータにおける分布に応じて、前記複数の油圧モータ間の回転位相差が異なる複数の運転パターンのうち、前記複数の油圧モータの振動レベルが最小になる最適運転パターンを決定し、該最適運転パターンにより、前記複数の油圧モータを稼働させるステップ
    を備えることを特徴とする再生エネルギー型発電装置の運転方法。
  11. 前記再生エネルギー型発電装置の運転中に前記対象作動室が発生し、前記油圧ポンプ又は前記油圧モータの振動レベルが規定値を上回った場合、前記再生エネルギー型発電装置の運転を停止するステップと、
    前記複数の油圧モータ間の回転位相差が異なる複数の運転パターンのうち、前記対象作動室が前記分布である場合に前記振動レベルが最小になる最適運転パターンを選択するステップと、
    前記最適運転パターンにより前記複数の油圧モータが稼働されるように、前記再生エネルギー型発電装置の運転を再開するステップと、
    を備えることを特徴とする請求項10に記載の再生エネルギー型発電装置の運転方法。
  12. 前記最適運転パターンを採用しても前記振動レベルが規定値以下にならないと予想される場合、前記振動レベルがさらに低減されるように、前記対象作動室に加えて、前記対象作動室以外の1個以上の非アクティブ作動室を選択するステップをさらに備え、
    前記再生エネルギー型発電装置の運転を再開するステップでは、前記回転シャフトの回転エネルギーと前記作動室内の圧力エネルギーとの間でのエネルギー変換を行うアクティブ状態にて作動させることを特徴とする請求項11に記載の再生エネルギー型発電装置の運転方法。
  13. 前記最適運転パターンを採用しても前記振動レベルが規定値以下にならないと予想される場合、前記振動レベルがさらに低減されるように、前記複数の油圧モータ間の回転位相差が異なる複数の運転パターンから前記複数の油圧モータの最適運転パターンを再選択するステップをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の再生エネルギー型発電装置の運転方法。
  14. 前記最適運転パターンを選択するステップでは、出現頻度が最も高い前記再生エネルギーの大きさに応じて定まる前記再生エネルギー型発電装置の基準出力において前記振動レベルが最小になる前記最適運転パターンを選択することを特徴とする請求項11乃至13の何れか一項に記載の再生エネルギー型発電装置の運転方法。
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